JP6124061B2 - 非水系二次電池用負極とその製造方法及び非水系二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水系二次電池に用いられる負極とその製造方法、及びその負極を用いた非水系二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、充放電容量が高く、高出力化が可能な二次電池である。現在、主として携帯電子機器用の電源として用いられており、更に、今後普及が予想される電気自動車用の電源として期待されている。リチウムイオン二次電池は、リチウム(Li)を挿入および脱離することができる活物質を正極及び負極にそれぞれ有する。そして、両極間に設けられた電解液内をリチウムイオンが移動することによって動作する。
リチウムイオン二次電池には、正極の活物質として主にリチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が用いられ、負極の活物質としては多層構造を有する炭素材料が主に用いられている。リチウムイオン二次電池の性能は、二次電池を構成する正極、負極および電解質の材料に左右される。なかでも活物質を形成する活物質材料の研究開発が活発に行われている。例えば負極活物質材料として炭素よりも高容量なケイ素またはケイ素酸化物が検討されている。
ケイ素を負極活物質として用いることにより、炭素材料を用いるよりも高容量の電池とすることができる。しかしながらケイ素は、充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きい。そのためケイ素が微粉化して集電体から脱落または剥離し、電池の充放電サイクル寿命が短いという問題点がある。そこでケイ素酸化物を負極活物質として用いることにより、ケイ素よりも充放電時のLiの吸蔵・放出に伴う体積変化を抑制することができる。
例えば、負極活物質として、酸化ケイ素(SiOx:xは0.5≦x≦1.6程度)の使用が検討されている。SiOxは熱処理されると、SiとSiO2とに分解することが知られている。これは不均化反応といい、固体の内部反応によりSi相とSiO2相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。また、Si相を覆うSiO2相が電解液の分解を抑制する働きをもつ。したがって、SiとSiO2とに分解したSiOxからなる負極活物質を用いた二次電池は、サイクル特性に優れる。
ところが上記の酸化ケイ素を負極活物質に用いたリチウムイオン二次電池においても、充放電時に負極の膨張・収縮が生じるのが避けられず、負極の疲労破壊が生じるという問題がある。またリチウムイオン二次電池の負極においては、充放電時に電解質や電解液の還元分解が生じ、分解による析出物が堆積して被膜を形成する場合がある。このような被膜が形成されると、抵抗が増大して負荷特性が低下するという問題が生じる。
そこで特開2004-185810号公報には、粒子表面にポリマーをコートした活物質粒子を用いて負極を形成することで、疲労破壊を防止できることが記載されている。また特開2009-176703号公報には、酸化ケイ素を含む負極活物質層の表面にポリマーをコートすることで、プレスに起因する活物質粒子の脱落を防止することが記載されている。そしてこのようにポリマーコート層を形成すれば、負極活物質と電解液との直接接触が防止されるので電解質や電解液の分解が防止されることも期待される。
ところで、現状のリチウムイオン二次電池の容量は満足なものとはいえず、更なる高容量化が求められている。これを達成するためのアプローチとして高電圧化が検討されているものの、高電圧での駆動時に、繰り返し充放電後の電池特性が極端に悪化するという大きな問題があった。例えば4.3V以上の高電圧で駆動されると、集電体に用いられているアルミニウム箔あるいは正極活物質からアルミニウムなどの金属元素が電解液中に溶出し、それが負極上に析出することが不具合の原因の一つと考えられている。
特開2004-185810号公報 特開2009-176703号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、4.3V以上の高電圧で駆動された場合においても、負極上への異物質の析出を抑制することで耐久性が向上した、リチウムイオン二次電池用の負極を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明のリチウムイオン二次電池用負極の特徴は、集電体と集電体に結着された負極活物質層とを含み、負極活物質層は負極活物質粒子と、負極活物質粒子の少なくとも一部表面に形成されたコート層とを含み、コート層はリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を含むことにある。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、リン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を含むコート層が負極活物質粒子の少なくとも一部表面に形成されている。希土類元素は、電位−pH図における不導態域の上限電位(平衡電位)が正極集電体として一般に用いられているアルミニウムより卑である。したがってこの負極を用いたリチウムイオン二次電池においては、高電圧充放電によってアルミニウムが溶出しても、負極上における反応が抑制されるため耐久性が向上する。
またコート層の厚さがnmオーダー〜サブミクロンオーダーであれば、リチウムイオン伝導性の抵抗とならない。したがって高容量であるとともに繰り返し充放電後も高い電池特性を維持できるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
またディッピング法を用いてコート層を形成できるので、ロールトゥロールプロセスが可能となり生産性が向上する。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と集電体に結着された負極活物質層とを含む。集電体としては、リチウムイオン二次電池に一般に用いられるものを使用すれば良い。例えば、アルミニウム箔、アルミニウムメッシュ、パンチングアルミニウムシート、アルミニウムエキスパンドシート、ステンレススチール箔、ステンレススチールメッシュ、パンチングステンレススチールシート、ステンレススチールエキスパンドシート、発泡ニッケル、ニッケル不織布、銅箔、銅メッシュ、パンチング銅シート、銅エキスパンドシート、チタン箔、チタンメッシュ、カーボン不織布、カーボン織布等が例示される。
負極活物質層は、負極活物質からなる無数の負極活物質粒子と、少なくとも負極活物質粒子の少なくとも一部表面を被覆するコート層とを含む。負極活物質粒子同士を結着するとともに負極活物質粒子と集電体とを結着する結着部と、導電助剤を含むことも好ましい。
負極活物質としては、グラファイト、ハードカーボン、ケイ素、炭素繊維、スズ(Sn)、酸化ケイ素など公知のものを用いることができる。またSiOx(0.3≦x≦1.6)で表されるケイ素酸化物を用いることもできる。このケイ素酸化物粉末の各粒子は、不均化反応によって微細なSiと、Siを覆うSiO2とに分解したSiOxからなる。xが下限値未満であると、Si比率が高くなるため充放電時の体積変化が大きくなりすぎてサイクル特性が低下する。またxが上限値を超えると、Si比率が低下してエネルギー密度が低下するようになる。0.5≦x≦1.5の範囲が好ましく、0.7≦x≦1.2の範囲がさらに望ましい。
一般に、酸素を断った状態であれば800℃以上で、ほぼすべてのSiOが不均化して二相に分離すると言われている。具体的には、非結晶性のSiO粉末を含む原料酸化ケイ素粉末に対して、真空中または不活性ガス中などの不活性雰囲気中で800〜1200℃、1〜5時間の熱処理を行うことで、非結晶性のSiO2相および結晶性のSi相の二相を含むケイ素酸化物粉末が得られる。
またケイ素酸化物として、SiOxに対し炭素材料を1〜50質量%で複合化したものを用いることもできる。炭素材料を複合化することで、サイクル特性が向上する。炭素材料の複合量が1質量%未満では導電性向上の効果が得られず、50質量%を超えるとSiOxの割合が相対的に減少して負極容量が低下してしまう。炭素材料の複合量は、SiOxに対して5〜30質量%の範囲が好ましく、5〜20質量%の範囲がさらに望ましい。SiOxに対して炭素材料を複合化するには、CVD法などを利用することができる。
ケイ素酸化物粉末は平均粒径が1μm〜10μmの範囲にあることが望ましい。平均粒径が10μmより大きいと非水系二次電池の充放電特性が低下し、平均粒径が1μmより小さいと凝集して粗大な粒子となるため同様に非水系二次電池の充放電特性が低下する場合がある。
コート層は、リン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を含む。中でもリン酸塩が特に好ましい。また希土類元素としては、ランタノイドが好ましい。例えばリン酸とランタンの塩としては、LaPO4、La4(P2O5)3、La5(P3O10)3などが例示される。コート層の形成割合は、負極活物質層中にリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩が0.1〜5質量%含まれているのが好ましい。塩の量が0.1質量%より少ないとコート層を形成した効果が得られず、5質量%を超えて含むと電池抵抗が増大するため好ましくない。
コート層は、負極活物質粒子の少なくとも一部表面に形成されていればよいが、アルミニウムなどの析出反応を確実に防ぐためには、負極活物質粒子のほぼ全面に形成されることが好ましい。またコート層は、負極活物質層からの脱落を防止するためにも、緻密に形成されていることが望ましい。
負極におけるアルミニウムなどの析出反応を防ぐためには、リン酸又はホウ酸と希土類元素との塩と、負極活物質とを混合してもある程度の効果が得られる。しかしながらリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩の粒子が粗大であるために、アルミニウムなどの析出反応の抑制作用が小さく、負極活物質層から脱落したりする場合もある。
そこでコート層は、均一沈殿法を利用して形成することが望ましい。すなわち、負極活物質粉末と結着剤を含むスラリーを集電体表面に塗布し乾燥して負極活物質層をもつ負極前駆体を形成する工程と、水溶性のリン酸化合物又はホウ酸化合物と水溶性の希土類化合物と尿素とを含む混合水溶液を負極前駆体に塗布する塗布工程と、負極活物質の少なくとも一部表面にリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を析出させるコート工程と、を行うことが望ましい。この製造方法によれば、溶液のpHが均質に上昇するため希土類化合物の塩を均質に析出させることができ、きめ細かく析出させることができる。したがって安定したコート層を形成することができる。
負極前駆体を形成する工程は、従来の負極形成工程と同様に行うことができる。集電体は、前述したとおりである。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン(PolyVinylidene DiFluoride:PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、変性ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が例示される。負極用結着剤としての特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリブロックイソシアナート、ポリオキサゾリン、ポリカルボジイミド等の硬化剤、エチレングリコール、グリセリン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルオリゴマー、フタル酸エステル、ダイマー酸変性物、ポリブタジエン系化合物等の各種添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて配合してもよい。
負極活物質層には、導電助剤を含むことも好ましい。導電助剤は、電極の導電性を高めるために添加される。導電助剤として、炭素質微粒子であるカーボンブラック、黒鉛、アセチレンブラック(AB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等を単独でまたは二種以上組み合わせて添加することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、活物質100質量部に対して、2〜100質量部程度とすることができる。導電助剤の量が2質量部未満では効率のよい導電パスを形成できず、100質量部を超えると電極の成形性が悪化するとともにエネルギー密度が低くなる。
塗布工程では、水溶性のリン酸化合物又はホウ酸化合物と、水溶性の希土類化合物と、尿素とを含む混合水溶液が負極前駆体に塗布される。水溶性のリン酸化合物又はホウ酸化合物としては、リン酸、ピロリン酸、ホウ酸などが例示される。水溶性の希土類化合物としては、希土類元素の硝酸塩、希土類元素の炭酸塩、希土類元素の硫酸塩、希土類元素の塩化物、希土類元素の臭化物、希土類元素の沃化物などが例示される。
リン酸化合物又はホウ酸化合物と希土類化合物の配合比は、モル比で100:1〜1:1の範囲とするのが好ましい。また尿素は、水酸イオンによるpHの上昇を利用するために、希土類元素に対して大過剰に添加するのが好ましい。
混合水溶液の塗布にあたっては、スプレー、ローラー、刷毛などで塗布してもよいが、負極活物質の表面を均一に塗布するにはディッピング法にて塗布する事が望ましい。ディッピング法にて塗布すれば、負極活物質粒子同士の間隙に混合水溶液が含浸されるので、負極活物質粒子のほぼ表面全体にコート層を形成することができる。
混合水溶液中の尿素以外の溶質濃度は、0.001質量%以上かつ2.0質量%未満とすることが好ましく、0.1質量%〜0.5質量%の範囲が望ましい。濃度が低すぎると負極活物質との接触確率が低くコートに長時間要するようになり、濃度が高すぎるとコート層が厚くなり過ぎて抵抗上昇が生じる場合がある。
コート工程では、負極活物質の少なくとも一部表面にリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を析出させる。すなわち負極前駆体の存在下において、水溶性のリン酸化合物又はホウ酸化合物と、水溶性の希土類化合物とを反応させる工程である。このコート工程は、上記塗布工程中に行うこともでき、塗布工程後に行うこともできる。均一沈殿法によれば、負極活物質の少なくとも一部表面にリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩が緻密に析出する。
塗布工程又はコート工程では、尿素の加水分解によってアンモニアが均質に発生し、それによって水酸イオン濃度が徐々に上昇しpHが徐々に上昇する。これによって電位−pH図が高pH側へシフトし、不導態域の上限電位(平衡電位)がさらに卑となるため、希土類元素のリン酸塩又はホウ酸塩が析出しやすくなるので、負極活物質粒子の少なくとも一部表面にその塩が安定して緻密にコートされる。その結果、この負極を用いたリチウムイオン二次電池においては、負極上における反応がさらに抑制され耐久性がさらに向上する。
コート層の厚さは、0.1nm〜100nmの範囲であることが好ましく、0.1nm〜10nmの範囲であることがさらに好ましく0.1nm〜5nmの範囲であることが特に望ましい。コート層の厚さが薄すぎると効果の発現が困難となり、コート層の厚さがμmオーダー以上となると、リチウムイオン二次電池の抵抗が大きくなってイオン伝導性が低下する。このように薄いコート層を形成するには、上記したディッピング溶液(混合水溶液)中の溶質濃度を低くしておき、繰り返し塗布することで、薄くかつ緻密なコート層を形成することができる。
本発明の非水系二次電池は、本発明の負極を備え、正極及び電解液は、公知のものを用いることができる。正極は、非水系二次電池で使用可能なものであればよい。正極は、集電体と、集電体上に結着された正極活物質層とを有する。正極活物質層は、正極活物質と、結着剤とを含み、さらには導電助剤を含んでも良い。正極活物質、導電助材および結着剤は、特に限定はなく、リチウムイオン二次電池で使用可能なものであればよい。
正極活物質としては、金属リチウム、LiCoO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Co0.2Mn0.3O2、Li2MnO3、硫黄などが挙げられる。集電体は、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼など、リチウムイオン二次電池の正極に一般的に使用されるものであればよい。導電助剤および結着剤は上記の負極で記載したものと同様のものが使用できる。
上記した正極及び負極を用いる本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されない公知の電解液、セパレータを用いることができる。電解液は、有機溶媒に電解質であるリチウム金属塩を溶解させたものである。電解液は、特に限定されない。有機溶媒として、非プロトン性有機溶媒、たとえばプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等から選ばれる一種以上を用いることができる。また、溶解させる電解質としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiI、LiClO4、LiCF3SO3等の有機溶媒に可溶なリチウム金属塩を用いることができる。
例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどの有機溶媒にLiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム金属塩を0.5mol/lから1.7mol/l程度の濃度で溶解させた溶液を使用することができる。また充放電時の膨張・収縮の繰り返しによる負極活物質層のクラックの補修用などに、電解液に添加剤を添加することもできる。このような添加剤のうち、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、フルオロベンゼン(FB)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、1,3-プロパンスルトン(PS)、リチウム・ビスオキサレートボレート(LiBOB)、リチウム・ジフルオロオキサレートボレート(LiBF2(C2O4))から選ばれる少なくとも一種の添加剤が望ましい。このような添加剤を電解液中に含むことで、電解液が分解しにくくなる効果が発現されるため、繰り返し充放電後もさらに高い電池特性を維持することができる。
セパレータは、正極と負極とを分離し電解液を保持するものであり、ポリエチレン、ポリプロピレン等の薄い微多孔膜を用いることができる。また、これらの微多孔膜は無機物を主とする耐熱層が設けられていてもよく、用いられる無機物としては酸化アルミニウムや酸化チタンが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、形状に特に限定はなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々の形状を採用することができる。いずれの形状を採る場合であっても、正極および負極にセパレータを挟装させて電極体とし、正極集電体および負極集電体から外部に通ずる正極端子および負極端子までの間を、集電用リード等を用いて接続した後、この電極体を電解液とともに電池ケースに密閉して電池となる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施形態を更に詳しく説明する。
<正極の作製>
正極活物質としてのLiNi0.5Co0.2Mn0.3O2が94質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)が3質量部と、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)が3質量部と、を含む混合スラリーをアルミニウム箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥させて約40μmの厚さの正極活物質層を形成した。その後120℃で12時間真空乾燥して正極を得た。
<負極の作製>
先ずSiO粉末(シグマ・アルドリッチ・ジャパン社製、平均粒径5μm)を900℃で2時間熱処理し、平均粒径5μmのSiOx粉末を調製した。この熱処理によって、SiとOとの比が概ね1:1の均質な固体の一酸化ケイ素SiOであれば、固体の内部反応によりSi相とSiO2相の二相に分離する。分離して得られるSi相は非常に微細である。
このSiOx粉末32質量部と、天然黒鉛50質量部と、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)8質量部と、結着剤としてのポリアミドイミド(PAI)10質量部とを混合し、スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ18μmの電解銅箔(集電体)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、銅箔上に約15μmの厚さで負極活物質層をもつ負極前駆体を作製した。
硝酸ランタンを0.5mmol/L、尿素を20g/L、H3PO4を5mmol/L溶解した混合水溶液を調製した。この混合水溶液に負極前駆体を浸漬し、混合水溶液を撹拌しながら60℃にて20分間保持した。尿素の分解によりアンモニア水が生成し、混合水溶液のpHが上昇した。これにより電位−pH図が高pH側へシフトする。したがって不導態域の上限電位(平衡電位)がさらに卑となるため、リン酸ランタンが析出しやすくなる。その後引き上げて水とエタノールで洗浄し、120℃で12時間の真空乾燥を行って、リン酸ランタンを含む負極を得た。
<リチウムイオン二次電池の作製>
非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)を3:3:4(体積%)で混合した有機溶媒に、LiPF6を1モルの濃度で溶解したものを用いた。
そして上記の正極および負極の間に、セパレータとして厚さ20μmの微孔性ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン積層フィルムを挟装して電極体とした。この電極体をポリプロピレン製ラミネートフィルムで包み込み、周囲を熱融着させてフィルム外装電池を作製した。最後の一辺を熱融着封止する前に上記の非水電解液を注入し、電極体に含浸させて、本実施例のリチウムイオン二次電池を作製した。
[比較例1]
リン酸ランタンからなるコート層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様の負極を用い、他は実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
<試験例>
実施例1と比較例1のリチウムイオン二次電池について、それぞれ温度60℃、1CのCCCV充電の条件下において電池電圧4.32Vまで充電した後、60℃で6日間保存する保存試験を行った。
保存試験前後の各々のリチウムイオン二次電池について、温度25℃において1CのCCCV充電の条件下において電池電圧4.5Vまで充電し、30分間休止した後、0.33CのCCCV放電又は1CのCCCV放電で2.5Vまで放電したときの放電容量をそれぞれ測定した。保存試験前後の放電容量を表1に示す。また保存試験前後の放電容量から容量維持率を算出し、結果を表1に併せて示す。
Figure 0006124061
実施例1のリチウムイオン二次電池は、比較例1に比べて放電容量が大きく、容量維持率が高い。これはリン酸ランタンからなるコート層を形成した効果であることが明らかである。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用、パソコン、携帯通信機器、家電製品、オフィス機器、産業機器などに利用されるリチウムイオン二次電池に有用であり、そのリチウムイオン二次電池は特に、大容量、大出力が必要な電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用に最適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 集電体と該集電体に結着された負極活物質層とを含み、該負極活物質層は負極活物質粒子と該負極活物質粒子の少なくとも一部表面に形成されたコート層とを含み、
    該コート層はリン酸又はホウ酸と希土類元素との塩であるリン酸塩又はホウ酸塩を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記負極活物質層は酸化ケイ素(SiOx:xは0.5≦x≦1.6)を含む請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記塩は前記負極活物質層中に0.1〜5質量%含まれている請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の前記負極を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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