JP5593952B2 - 光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置 - Google Patents

光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置 Download PDF

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本発明は、複数の光ファイバ心線を溝に収納して保護する光ケーブル用のスロットの製造方法、および製造装置に関する。
光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス(FTTH:Fiber To The Home)の加入者に対して、幹線光ケーブル等からドロップ光ケーブルを用いて光ファイバが引き落されている。加入者宅への光ファイバの引き落しは、例えば、市街の電柱等に布設された幹線光ケーブルを、クロージャと称されている接続函で分岐し、分岐した光ファイバ心線にドロップ光ケーブルを接続している。
幹線光ケーブルは、例えば、図5に示すように、複数条の溝2aを有し、その中心にテンションメンバ(抗張力体)3aを埋設した樹脂製のロッドからなるスロット1(スペーサとも言う)が設けられる。テンションメンバ3aの周囲には接着用の1次被覆層3bが被覆される。テンションメンバ3aに1次被覆層3bを被覆した状態の線状体が下押し3である。そして、下押し3の周囲には、溝2aが形成された2次被覆層2が被覆成形される。
1次被覆層3bは、溝2aが形成される2次被覆層2との密着力を高める目的で設けられる。1次被覆層3bは単層構成のみならず多層により構成される場合もある。例えば、径の大きい光ケーブルの場合など、被覆成形工程を複数回(例えば2〜4回)繰り返すことにより多層構成の1次被覆層3bを形成したものもある。通常、2次被覆層2として高密度のポリエチレンが用いられ、1次被覆層3bには低密度のポリエチレンが用いられる。
スロット1の溝2aには、複数本の単心の光ファイバ心線あるいは多心の光ファイバテープ心線4が収納される。光ファイバテープ心線4が溝2aに収納されたスロット1には、上巻きテープ5が巻き付けられ、さらにその外側に保護用の外被6が被覆される。
スロット1の溝2aの軌跡は、光ファイバの伝送特性を確保するために長手方向に撚られている。スロット1は、溝2aの形状により大きく2種類に大別される。1つはHLと称する一方向撚りの溝2aを有するもので、もう1つは、SZと称する長手方向に左右に反転した双方向撚りの溝2aを有するものである。近年では、中間後分岐性に優るSZ型のスロットが主流となっている。
スロット1の製造工程では、まず、抗張力体であるテンションメンバ3aの周囲に、1次被覆層3bを押し出して被覆し、下押し3を成型する。図6に示すように、下押し3は予熱装置14によって予熱された後、ダイ16aを装着したロータリクロスヘッド(RXH)16により2次被覆層2が被覆成形される。このとき、双方向撚りのSZ型のスロット1を成形するために、ダイ16aを左右に反転させながら2次被覆層2の樹脂材料を押し出す。これにより、2次被覆層2にSZ形状の溝2aが形成される。
図7は、SZ型のスロットにおける溝の形状を説明する図である。スロット1の溝2aは、光ファイバケーブルの伝送特性を維持するために一定の反転角度θ、及びピッチpを有している。そしてその溝2aの反転角度θの大きさは、管理範囲が定められている。例えば管理範囲として、中心値±20°の範囲が定められる。一例として反転角度θの中心値が300°であれば、反転角度θが280〜320°の範囲に入るようにスロット1を製造する必要がある。
図8は、製造線速に応じた反転角度の変化例を示す図である。生産性を向上させるために製造線速(ライン速度)を上げていくと、ダイの反転速度(ダイの角速度)も上がることになり、テンションメンバがダイの反転動作に追従して共回りして捻れてしまう。この結果、製造線速の増大に応じて、成形された溝2aの反転角度θが小さくなり、必要な反転角度が確保できなくなる。つまり、製造線速を上げると反転角度θが低下し、一定の製造線速を超えると管理範囲から外れるため、生産性向上の阻害要因となっている。
溝の反転角度の変動を防止するための先行技術として、例えば特許文献1には、クロスヘッドダイの前段に冷却装置を配して、テンションメンバとなる金属線材を冷却し、クロスヘッドダイに供給する金属線材の温度を0℃以上30℃未満とするスロットの製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、回転ダイの上流側に、テンションメンバをその軸周りに回転可能に把持する把持部を備え、回転ダイの交互反転に同期させて、回転ダイの交互反転方向とは逆方向にテンションメンバを交互反転させるようにしたスロットの製造方法が開示されている。
特開2002−296471号公報 特開平11−95077号公報
上記のように、溝の反転角度が小さくなる要因は、スロットの製造線速の増加に伴う下押しの共回りにある。このような共回りによる反転角度の低下を防止するために、特許文献2のように、回転ダイの上流側に備えた下押把持部を回転ダイの交互反転に同期させて逆方向に交互反転させる技術が存在する。しかしながら、このような技術を用いても、スロットの製造線速を上げていくと下押と把持部との間で滑りが生じ、安定した反転角度を得ることができない。また、このような滑りを防止すべく下押しの把持力を増大させるようにすると、下押に傷が付きやすくなるなどの問題が生じ、根本的な解決には至らない。
また、特許文献1は、クロスヘッドダイに供給する金属素材のテンションメンバを0℃以上30℃未満に管理するようにしている。しかしながら、製造線速が増大していくと共回りの状態も変化していく。共回りは、後述するように下押しに対して2次被覆を施すときの下押しの温度に依存するため、製造線速を考慮することなく温度管理を行っても安定した反転角度を得ることはできない。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、製造線速を変化させた場合であっても、溝の反転角度を安定させることができる光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
本発明による光ケーブル用スロットの製造方法は、抗張力体の表面に接着用の1次被覆層を被覆する1次被覆工程と、1次被覆工程で被覆した1次被覆層を抗張力体ともに予熱する予熱工程と、予熱工程で予熱した一次被覆層の周囲に2次被覆層を押し出して溝付のスロットを成形する2次被覆工程とを有し、2次被覆工程で2次被覆層を被覆するために用いるダイを反転させながら回転動作させることにより特定の反転角度を有するSZ溝を形成する方法である。そして上記の予熱工程は、2次被覆工程のダイを通過するときの1次被覆層の表面温度を40〜70℃の範囲になるように予熱の条件を制御し、40〜70℃の範囲内で、光ファイバ用スロットの製造線速の増大に応じて、2次被覆工程のダイを通過するときの1次被覆層の表面温度を低下させる。また、上記予熱工程において、T=−A×V+B 但し、Tは前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度、Vは前記光ファイバ用スロットの製造線速、Aは、0.4≦A≦0.8の範囲の予め設定した値、Bは光ファイバ用スロットの製造装置において設定可能な製造線速の全範囲において40℃≦T≦70℃となる範囲で予め設定した値、に従って、予熱の温度条件を制御する。
らに本発明は、上記Aを0.6とする。
また、本発明による光ケーブル用スロットの製造装置は、抗張力体の表面に接着用の1次被覆層を被覆する1次被覆部と、1次被覆部で被覆した1次被覆層を抗張力体ともに予熱する予熱部と、予熱部で予熱した前記一次被覆層の周囲に2次被覆層を押し出して溝付のスロットを成形する2次被覆部とを有し、2次被覆部で2次被覆層を被覆するために用いるダイを反転させながら回転動作させることにより特定の反転角度を有するSZ溝を形成する装置である。そして上記の予熱部は、2次被覆部のダイを通過するときの1次被覆層の温度を40〜70℃の範囲になるように予熱の条件を制御し、40〜70℃の範囲内で、光ファイバ用スロットの製造線速の増大に応じて、2次被覆部のダイを通過するときの1次被覆層の温度を低下させ、前記予熱部は、T=−A×V+B 但し、Tは前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度、Vは前記光ファイバ用スロットの製造線速、Aは、0.4≦A≦0.8の範囲の予め設定した値、Bは光ファイバ用スロットの製造装置において設定可能な製造線速の全範囲において40℃≦T≦70℃となる範囲で予め設定した値、に従って、前記予熱の温度条件を制御することを特徴とする。
本発明によれば、製造線速を変化させた場合であっても、反転角度が安定した溝をもつスロットを製造することがでる。本発明では、一定の反転角度の溝を備えるSZ型のスロットを製造する際に、下押しの表面温度を40〜70°の範囲になるように制御し、この40〜70°の範囲内で製造線速の増大に応じて下押しの表面温度を低下させることにより、下押しと2次被覆層との密着力が低減されて下押とダイとが共回りしなくなり、製造線速を増大させてもスロットの溝の反転角度が低下することなく、安定した反転角度でスロットを製造することができるようになる。
本発明に係る光ケーブル用スロットを製造する装置構成例を説明するための図である。 下押しの表面温度と反転角度θとの相関例を示す図である。 下押しの表面温度をスロットの製造線速に応じて最適に制御した際の反転角度を示す図である。 下押しの表面温度を変化させてスロットを製造し、それを評価した結果を示す表である。 SZ型のスロットを使用した光ケーブルの構成例を示す図である。 従来の製造工程において下押しに2次被覆層を被覆成形する工程を説明する図である。 SZ型のスロットにおける溝の形状を説明する図である。 従来の製造工程において製造線速に応じた反転角度の変化例を示す図である。
本発明は、SZ型の光ケーブル用スロットを製造する際に、ロータリクロスヘッドのダイの回転に対する下押しの共回りを防止し、製造線速にかかわらずSZ溝の反転角度を安定化させる製造方法及び製造装置を提供するものである。本発明により製造される光ケーブル用スロットは、上記図5に示すような構成を有するもので、テンションメンバ3aの周囲に1次被覆層3bが被覆された下押し3に対して、さらにSZ型の溝2aが形成された2次被覆層2を有するものである。
図1は、本発明に係る光ケーブル用スロットを製造する装置構成例を説明するための図である。鋼線等のテンションメンバ3aは、繰り出し装置10から繰り出され、1次被覆用の押出機11のクロスヘッド12にて周囲に1次被覆層3bが被覆され、下押し3が成形される。ここでは1次被覆層3bを単層で成形する例を示しているが、1次被覆層3bは多層成型により構成してもよい。この場合、例えば、被覆成形工程を複数回(例えば2〜4回)繰り返して多層構成による1次被覆層3bを成形する。成形された下押し3は、冷却槽13で冷却されて1次被覆層3bが冷却固化される。そして下押し3は、予熱装置14にて所定の温度条件にて予熱される。予熱装置14としては、温度調整した温風を吹き付けるチャンバなどを用いることができる。
予熱装置14で予熱された下押し3は、2次被覆用の押出機15に取り付けられたロータリクロスヘッド16にて1次被覆層3bの周囲に2次被覆層2が被覆される。2次被覆層2には、ロータリクロスヘッド16のダイによって溝2aが形成される。このとき、ダイが反転動作を行いながらテンションメンバ3aの軸心回りに回転することによりSZ形状の溝2aとなる。2次被覆層2が被覆されたスロット1は、冷却槽17で冷却され、巻取機18で巻き取られる。1次被覆層用の押出機11とクロスヘッド12は、本発明の1次被覆部に相当し、予熱装置14は本発明の予熱部に相当する。また、2次被覆用の押出機15とロータリクロスヘッド16は本発明の2次被覆部に相当する。
本発明に係る実施形態では、下押し3の予熱条件を調整することによりロータリクロスヘッド16における下押し3の温度を最適化することで、製造線速を変えても安定した反転角度θを得ることができるようにする。
下押し3とダイとが同じ方向に共回りしてしまう要因の一つに、ロータリクロスヘッドで押し出した2次被覆層2と、下押し3との密着性が挙げられる。共回りを生じないようにするには、ダイを通過する下押し3とダイで押し出された2次被覆層2との密着力を下げる必要がある。下押し3と2次被覆層2との密着力が低くなると、ダイスとともに回転する2次被覆層が下押し3を回転させようとする力が弱くなり、この結果、ダイスの回転に伴う下押し3の共回りを抑えることができる。
下押し3と2次被覆層2との密着力を下げる上で重要な条件は、ロータリクロスヘッド16に入る前の下押し3の表面温度である。上述した図8の例は、下押し3の表面温度を一定に保ったまま製造線速を変化させたときの反転角度θを示すもので、この場合には製造線速の増大ともに反転角度θの低下が生じた。
本発明に係る実施形態では、ロータリクロスヘッド16の上流側の予熱装置14による下押し3の予熱条件を製造線速に応じて変化させることにより、ロータリクロスヘッド16を通過するときの下押し3の表面温度を操作する。これにより、ロータリクロスヘッド16における下押し3とその周囲に被覆する2次被覆層2との密着性を最適化することができ、どのような製造線速域であっても、安定した反転角度θを得られるようにしている。
図2は、下押しの表面温度と反転角度θとの相関例を示す図である。ここでは、線速A,C,Eの3つの製造線速(A<C<E)でスロット1を製造した。ここでSZ溝のピッチは一定であるものとする。
図2に示すように、いずれの製造線速においても、下押し3の表面温度が低下するに従って反転角度θが増大する。これは、予熱を抑えて下押し3の表面温度を低くしていくと、ロータリクロスヘッド16で2次被覆層2を押し出す際に下押し3と2次被覆層2との密着性が低下することによる。密着性が低下すると、下押し3がダイとが共周りしにくくなり、反転角度θは大きくなっていく。
製造線速を変化させても反転角を一定レベルに維持するためには、製造線速の変化に応じて下押し3の温度を最適に制御すればよい。
例えば、図2に示す条件で製造線速をA→C→Eと上げていく場合、製造線速の増大に応じて、図中矢印で示すように下押し3の表面温度を70℃→60℃→55℃と低下させる。これにより、反転角度θを管理範囲の中心値付近でほぼ一定に保つことができる。なお、ここでいう表面温度とは、ロータリクロスヘッド16を通過するときの下押し3の表面温度(つまり1次被覆層3bの表面温度)であり、ロータリクロスヘッド16の上流側に配置した予熱装置14の予熱条件を調整することで、ロータリクロスヘッド16の通過時の下押し3の表面温度を制御する。
図3は、下押しの表面温度をスロットの製造線速に応じて最適に制御した際の反転角度を示す図である。ここでは、製造線速のAからEへ変化させ、その製造線速の上昇に応じて下押し3の表面温度を低下させた。これにより、高速域における反転角度θの減少を防止することができ、この例では、製造速度を変化させても反転角度θを中心値±5°以内で安定させることができた。
図4は、下押しの表面温度を変化させてスロットを製造し、それを評価した結果を示す表である。この評価においては、それぞれのサンプルについて製造線速を2点で設定し、その低速時と高速時における下押し3の表面温度をそれぞれ制御して、スロットの溝2aの反転角度θを評価した。反転角度θは、目標反転角度の中心値に近いほどよく、中心値±20°であれば許容範囲内とする。
試験例1では、低速時と高速時とで下押しの表面温度を一定(55℃)とした。従って製造線速に対する表面温度の傾き(℃/(m/分))は0となる。この場合、低速時において溝の反転角度θが中心値±3°で安定していたものが、高速時では中心値−30°となり、反転角度θが大幅に低下して許容範囲外となった。
一方、試験例2〜6では、下押しの表面温度を低速時よりも高速時に低くして、得られたスロットの反転角度θを評価した。実施例1〜5のいずれも低速時の温度を70℃とし、高速時には、試験例2〜6で順に60℃、55℃、50℃、40℃、30℃とした。この場合の製造線速に対する温度の傾き(℃/(m/分))は順に、−0.2、−0.4、−0.6、−0.8、−1.0となった。
試験例2〜6において、反転角度θが最も良好であったのは試験例4であり、高速時の反転角度は中心値±5°に維持されている。この他、試験例3、5においても反転角度θが中心値+10°、もしくは−10°であり、反転角度θの乱れが低速時よりも若干増大しているものの許容範囲内であった。これらの結果から、ロータリクロスヘッド16を通過するときの下押し3の表面温度は、40〜70℃の範囲とすることが適切である。
なお、上記の試験例1と試験例2〜6では、ダイの動作反転角度が異なっている。
試験例2〜6では試験例1よりも低速時の下押し3の表面温度を高くしているため、下押し3と2次被覆層2との密着性が高く、反転角度θが減少し易い。従って、同じ低速時に試験例1と試験例2〜6とで同等の反転角度を得るためには、試験例2〜6にてダイの動作反転角度を大きくする必要がある。
このように、ダイの動作反転角度を調整することによって、上記の40〜70℃以外の範囲でも、溝の反転角度を中心値付近に合わせることは可能である。しかしながら、下押し3の表面温度が高すぎると、一定以上の速度でダイを回転させながら動作反転角度を大きくする必要が生じ、設備の大型化を招来するというデメリットがある。
一方、下押し3の表面温度が低すぎると、下押し3とその周囲に被覆する2次被覆層2との密着力が低下してスロットとしての強度を保つことができなくなる。従ってこれらのことから、ロータリクロスヘッド16における下押し3の表面温度は、40〜70℃の範囲とすることが必要となる。
ここで、ロータリクロスヘッドおける下押し3の表面温度をT、スロット1の製造線速をV、製造線速Vに対して下押し3の表面温度を変化させる傾きを係数Aとする。この場合、
T=−A×V+B ・・・・式(1)
の式に従って製造線速に応じた下押し表面温度Tを算出することで、製造線速を変化させたときの下押し温度Tの値を得ることができる。
このとき、上記式(1)において、図4の結果からAは0.60とすることが好適であり、少なくとも0.6±0.2の範囲で予め設定しておく。また、Bは、製造線速Vの設定可能範囲の全範囲でT=40〜70(℃)となるように予め定めた値とする。
これにより、例えば、製造線速V1のときの下押しの表面温度T1は、40〜70℃の範囲内の所定値となる。この場合−AVの値は、−0.6V1である。そして製造線速V2に増速したときに、−AVの値は−0.6V2(V1<V2)となり、製造線速V2のときの下押し3の表面温度T2は、−0.6×(V2−V1)だけT1より低下することになる。また、T2についても40〜70℃の範囲内にあるようにBが設定されている。
このような設定に基づいて下押し3の表面温度Tを制御することにより、設定可能な全線速域において溝の反転角度θを安定させて製造することができる。特にAの値を0.6±0.2の範囲で予め設定すれば、反転角θを中心値±20°以内で安定させることが可能となる。さらにAの値を0.6に設定すれば、反転角度を中心値±5°の範囲で安定させることができる。
1…スロット、2…2次被覆層、2a…溝、3a…テンションメンバ、3b…次被覆層、4…光ファイバテープ心線、5…テープ、6…外被、10…繰り出し装置、11…1次被覆用の押出機、12…クロスヘッド、13…冷却槽、14…予熱装置、15…2次被覆用の押出機、16…ロータリクロスヘッド、16a…ダイ、17…冷却槽、18…巻取機。

Claims (3)

  1. 抗張力体の表面に接着用の1次被覆層を被覆する1次被覆工程と、前記1次被覆工程で被覆した1次被覆層を前記抗張力体ともに予熱する予熱工程と、前記予熱工程で予熱した前記一次被覆層の周囲に2次被覆層を押し出して溝付のスロットを成形する2次被覆工程とを有し、前記2次被覆工程で2次被覆層を被覆するために用いるダイを反転させながら回転動作させることにより特定の反転角度を有するSZ溝を形成する光ケーブル用スロットの製造方法であって、
    前記予熱工程は、前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度を40〜70℃の範囲になるように前記予熱の条件を制御し、前記40〜70℃の範囲内で、前記光ファイバ用スロットの製造線速の増大に応じて、前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度を低下させ
    前記予熱工程は、
    T=−A×V+B
    但し、Tは前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度、
    Vは前記光ファイバ用スロットの製造線速、
    Aは、0.4≦A≦0.8の範囲の予め設定した値
    Bは光ファイバ用スロットの製造装置において設定可能な製造線速の全範囲において40℃≦T≦70℃となる範囲で予め設定した値、
    に従って、前記予熱の温度条件を制御することを特徴とする光ケーブル用スロットの製造方法。
  2. 前記Aは、0.6であることを特徴とする請求項に記載の光ケーブル用スロットの製造方法。
  3. 抗張力体の表面に接着用の1次被覆層を被覆する1次被覆部と、前記1次被覆部で被覆した1次被覆層を前記抗張力体ともに予熱する予熱部と、前記予熱部で予熱した前記一次被覆層の周囲に2次被覆層を押し出して溝付のスロットを成形する2次被覆部とを有し、前記2次被覆部で2次被覆層を被覆するために用いるダイを反転させながら回転動作させることにより特定の反転角度を有するSZ溝を形成する光ケーブル用スロットの製造装置であって、
    前記予熱部は、前記2次被覆部のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度を40〜70℃の範囲になるように前記予熱の条件を制御し、前記40〜70℃の範囲内で、前記光ファイバ用スロットの製造線速の増大に応じて、前記2次被覆部のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度を低下させ
    前記予熱部は、
    T=−A×V+B
    但し、Tは前記2次被覆工程のダイを通過するときの前記1次被覆層の表面温度、
    Vは前記光ファイバ用スロットの製造線速、
    Aは、0.4≦A≦0.8の範囲の予め設定した値
    Bは光ファイバ用スロットの製造装置において設定可能な製造線速の全範囲において40℃≦T≦70℃となる範囲で予め設定した値、
    に従って、前記予熱の温度条件を制御することを特徴とする光ケーブルスロットの製造装置。
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