JP2014115308A - 光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造線速を変化させた場合であっても、作業者が監視しつつ調整作業を行う必要なく、溝の反転角度を安定させることができる光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】ロータリークロスヘッド(RXH)17が備えるダイは、抗張力体に1次被覆層を被覆した下押し3の搬送路を回転軸心として交互反転し、下押し3の1次被覆層の周囲にSZ溝を有する2次被覆層を被覆する。反転角度測定装置20は、ロータリークロスヘッド17の下流側に備えられ、2次被覆層が被覆されたスロット1のSZ溝の反転角度を測定する。制御部22は、反転角度測定装置20で測定したSZ溝の反転角度に基づいて、ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御することで、スロット1の溝の反転角度を自動調整する。
【選択図】図3
【解決手段】ロータリークロスヘッド(RXH)17が備えるダイは、抗張力体に1次被覆層を被覆した下押し3の搬送路を回転軸心として交互反転し、下押し3の1次被覆層の周囲にSZ溝を有する2次被覆層を被覆する。反転角度測定装置20は、ロータリークロスヘッド17の下流側に備えられ、2次被覆層が被覆されたスロット1のSZ溝の反転角度を測定する。制御部22は、反転角度測定装置20で測定したSZ溝の反転角度に基づいて、ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御することで、スロット1の溝の反転角度を自動調整する。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数の光ファイバ心線を溝に収納して保護する光ケーブル用のスロットの製造方法、および製造装置に関する。
光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス(FTTH:Fiber To The Home)の加入者に対して、幹線光ケーブル等からドロップ光ケーブルを用いて光ファイバが引き落されている。加入者宅への光ファイバの引き落しは、例えば、市街の電柱等に布設された幹線光ケーブルを、クロージャと称されている接続函で分岐し、分岐した光ファイバ心線にドロップ光ケーブルを接続している。
幹線光ケーブルは、例えば、図5に示すように、複数条の溝2aを有し、その中心にテンションメンバ(抗張力体)3aを埋設した樹脂製のロッドからなる光ケーブル用のスロット1(スペーサとも言う)が設けられる。テンションメンバ3aの周囲には接着用の1次被覆層3bが被覆される。テンションメンバ3aに1次被覆層3bを被覆した状態の線状体が下押し3である。そして、下押し3の周囲には、溝2aが形成された2次被覆層2が被覆成形される。
1次被覆層3bは、溝2aが形成される2次被覆層2との密着力を高める目的で設けられる。1次被覆層3bは単層構成のみならず多層により構成される場合もある。例えば、径の大きい光ケーブルの場合など、被覆成形工程を複数回(例えば2〜4回)繰り返すことにより多層構成の1次被覆層3bを形成したものもある。通常、2次被覆層2として高密度のポリエチレンが用いられ、1次被覆層3bには低密度のポリエチレンが用いられる。
スロット1の溝2aには、複数本の単心の光ファイバ心線あるいは多心の光ファイバテープ心線4が収納される。光ファイバテープ心線4が溝2aに収納されたスロット1には、上巻きテープ5が巻き付けられ、さらにその外側に保護用の外被6が被覆される。
スロット1の溝2aの軌跡は、光ファイバの伝送特性を確保するために長手方向に撚られている。スロット1は、溝2aの形状により大きく2種類に大別される。1つはHLと称する一方向撚りの溝2aを有するもので、もう1つは、SZと称する長手方向に左右に反転した双方向撚りの溝2aを有するものである。近年では、中間後分岐性に優るSZ型のスロットが主流となっている。
図6は、SZ型のスロットにおける溝の形状を説明する図である。スロット1の溝2aは、光ファイバケーブルの伝送特性を維持するために一定の反転角度θ、及びピッチpを有している。そしてその溝2aの反転角度θの大きさを管理する範囲として反転角度の規格値が定められている。例えば規格値として、中心値±20°の範囲が定められる。一例として反転角度θの中心値が295°であれば、反転角度θが275〜315°の範囲に入るようにスロット1を製造する必要がある。
スロット1の製造工程では、まず、抗張力体であるテンションメンバ3aの周囲に、1次被覆層3bを押し出して被覆し、下押し3を成形する。成形された下押し3に対してダイを装着したロータリークロスヘッド(RXH)より2次被覆層2が被覆成形される。このとき、双方向撚りのSZ型のスロット1を成形するために、ダイを左右に交互反転させながら2次被覆層の樹脂材料を押し出す。これにより、特定周期で反転するSZ溝が2次被覆層2に形成される。
このとき、双方向撚りのSZ型のスロット1を成形するためにロータリークロスヘッドよってダイを左右に反転させるが、そのままでは、ダイを回転させるためのモータの負荷が過大になる。このため、製造ライン上のロータリークロスヘッドの手前にトーションキャッチャー(TC)を設置し、トーションキャッチャーによって下押しを把持させる。そして、そのトーションキャッチャーをダイの回転方向とは反対方向に回転させることで、ロータリークロスヘッドのモータの負荷を低減させて光ケーブル用スロットを製造している。
スロットの溝の反転角度が規格値に入っていることを確認するために、溝の反転角度を測定する技術がある。例えば、特許文献1には、光ケーブル用スロットの製造工程において製造線速を高速化しても、目板の慣性力の影響で検出精度が低下することのない測定方法が開示されている。この測定方法は、光ケーブル用スロットの撚りに応じて回転する目板の慣性力を打ち消す慣性力消滅手段を、目板を有したスロット反転角度測定手段と共に光ケーブル用スロット上に配置して、光ケーブル用スロットの反転角度の測定を行うようにしている。
図7は、従来のスロットの製造工程における製造線速に応じた反転角度の変化を示す図である。スロットの製造を行う場合、まず口出線速と呼ばれる低速の製造線速で製造を開始し、製造されたスロットの形状を確認して、ボビンへの巻き付けを行う。そして口出線速から徐々に定常線速と呼ばれる線速まで製造線速を上げていく。定常線速は、生産性やコスト面からできるだけ高速であることが望まれる。
しかしながら、口出線速から製造線速を上げていくと、ロータリークロスヘッドのダイの反転速度(ダイの角速度)も上がることになり、口出線速では所定の規格内であった反転角度が、製造線速を上げるに従って低下し、規格を外れてしまう。
例えば図7に示すように、スロットの溝の反転角度の規格値が一定の範囲で定められているものとする。ここで製造開始時の低速では規格値のほぼ中心に反転角度がある場合でも、徐々に製造線速を上げていくとき、一定の線速を超えると溝の反転角度が急速に低下し、さらに線速を上げていくと反転角度が規格値から外れてしまう。
例えば図7に示すように、スロットの溝の反転角度の規格値が一定の範囲で定められているものとする。ここで製造開始時の低速では規格値のほぼ中心に反転角度がある場合でも、徐々に製造線速を上げていくとき、一定の線速を超えると溝の反転角度が急速に低下し、さらに線速を上げていくと反転角度が規格値から外れてしまう。
製造線速の増大に応じて溝の反転角度が低下してしまう原因としては、下押しを把持するためのトーションキャッチャーの把持ローラで下押しのすべりが生じるためであると推定されている。また、トーションキャッチャーの把持ローラの形状や、その締め付け力、あるいは製造設備周囲の温度、下押しの材料の硬さ、ロータリークロスヘッドの性能や機差等の様々な変動要因があるとされている。
ここで口出線速から製造線速を上げていくときに、途中でロータリークロスヘッドのダイの反転角度やトーションキャッチャーの反転角度を手動で調整することにより、製造線速の増大に対応することもできる。しかしながらこの場合には、反転角度の調整のタイミングや調整量を適切に判断することが難しく、作業者の勘や経験に依存することになり、反転角度の調整を常に正確かつ簡便に行うことは困難であった。従って、安定した製造を行うために、反転角度が規格内に収まる製造線速までしか線速を上げることができない、という課題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、製造線速を変化させた場合であっても、作業者が監視しつつ調整作業を行う必要なく、溝の反転角度を安定させることができる光ケーブル用スロットの製造方法及び製造装置の提供を目的とする。
本発明による光ケーブル用スロットの製造方法は、抗張力体の表面に被覆された1次被覆層の周囲に、特定周期で反転するSZ溝を有する2次被覆層を被覆して光ケーブル用スロットを製造する製造方法である。この製造方法は、抗張力体の搬送路を回転軸心として交互反転するダイにより2次被覆層を被覆し、搬送路上でダイの下流側に備えられた反転角度測定装置により、SZ溝の反転角度を測定する。そして反転角度測定装置で測定したSZ溝の反転角度に基づいて、ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御することを特徴とする。
また、上記の製造方法において、搬送路上の前記ダイの上流側で1次被覆層を把持し、搬送路を回転軸心として交互反転する把持部の反転角度を、ダイの反転角度の制御に応じて自動的に制御するようにしてもよい。
また、上記の製造方法において、上記のダイの反転角度の制御は、2次被覆層を被覆する製造装置の製造線速度の変化によりSZ溝の反転角度が低下した際に、低下した反転角度を増大させるようにダイの反転角度を増大させる制御とすることができる。
また、上記の製造方法において、上記のダイの反転角度の制御は、2次被覆層を被覆する製造装置の製造線速度の変化によりSZ溝の反転角度が低下した際に、低下した反転角度を増大させるようにダイの反転角度を増大させる制御とすることができる。
本発明による光ケーブル用スロットの製造装置は、1次被覆層を被覆した抗張力体の搬送路を回転軸心として交互反転するダイを備え、ダイにより、1次被覆層の周囲に特定周期で反転するSZ溝を有する2次被覆層を被覆して光ケーブル用スロットを製造する製造装置である。この製造装置は、搬送路上でダイの下流側に備えられ、SZ溝の反転角度を測定する反転角度測定装置と、反転角度測定装置で測定したSZ溝の反転角度に基づいて、ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、SZ溝を有する光ケーブル用スロットを製造する際に、製造線速を変化させた場合であっても、作業者が監視しつつ調整作業を行う必要なく、溝の反転角度を安定させることができるようになる。
本発明は、SZ型の光ケーブルの用スロットを製造する際に、スロットの製造線速を上げたときの溝の反転角度の低下を検出し、反転角度の低下を自動的に補正することで、製造線速にかかわらず常に安定して規格内の反転角度が得られるようにした光ケーブル用のスロットの製造方法及び製造装置を提供するものである。
本発明により製造されるスロットの構成例は、上記図5に示すように、テンションメンバ3aの周囲に1次被覆層3bが被覆された下押し3に対して、さらにSZ型の溝2aが形成された2次被覆層2を有するものである。
本発明により製造されるスロットの構成例は、上記図5に示すように、テンションメンバ3aの周囲に1次被覆層3bが被覆された下押し3に対して、さらにSZ型の溝2aが形成された2次被覆層2を有するものである。
図1は、本発明に係る光ケーブル用スロットを製造する装置構成例を説明するための図である。鋼線等のテンションメンバ3aは、繰り出し装置10から繰り出され、1次被覆用の押出機11のクロスヘッド12にて周囲に1次被覆層3bが被覆され、下押し3が成形される。ここでは1次被覆層3bを単層で成形する例を示しているが、1次被覆層3bは多層成型により構成してもよい。この場合、例えば、被覆成形工程を複数回(例えば2〜4回)繰り返して多層構成による1次被覆層3bを成形する。成形された下押し3は、冷却槽13で冷却されて1次被覆層3bが冷却固化される。そして下押し3は、予熱装置14にて所定の温度条件にて予熱される。予熱装置14としては、温度調整した温風を吹き付けるチャンバなどを用いることができる。
予熱装置14で予熱された下押し3は、トーションキャッチャー15の把持ローラ15aに把持され、その後2次被覆用の押出機16に取り付けられたロータリークロスヘッド(RXH)17にて1次被覆層3bの周囲に2次被覆層2が被覆される。2次被覆層2には、ロータリークロスヘッド17のダイによって溝2aが形成される。このとき、ダイが抗張力体3aの搬送路を回転軸心として交互反転動作を行いながら回転することによりSZ形状の溝2aとなる。トーションキャッチャー15は、同じく抗張力体3aの搬送路を回転軸心としてその全体が交互反転される。トーションキャッチャー15の交互反転は、ロータリークロスヘッド17のダイの交互反転と同期され、その回転方向が逆になっている。トーションキャッチャー15は、本発明の把持部に相当するものである。
2次被覆層2が被覆されたスロット1は、冷却槽18で冷却され、引取機19で引き取られる。そして、引き取られたスロット1は、反転角度測定装置20によってその溝の反転角度が測定され、巻取機21で巻き取られる。
トーションキャッチャー15の反転角度は、例えば、ロータリークロスヘッド17のダイの反転角度とロータリークロスヘッド17で成形されたスロット1の溝の反転角度とが等しくなるように設定されている。これにより、ロータリークロスヘッド17で成形されているスロット1には殆ど捻じれが生じないことになり、安定した製造条件でスロット1を製造できるようにしている。また、トーションキャッチャー15の反転角度を、ロータリークロスヘッド17のダイの反転角度よりも大きく設定してもよい。トーションキャッチャーの反転角度は、ロータリークロスヘッド17のダイの反転角度に応じて定めることができる。
しかしながら、トーションキャッチャー15の反転角度とロータリークロスヘッド17のダイの反転角度とを調整することなく一定の値のままにしておくと、スロットの製造線速を上げていったときに、スロット1の反転角度が低下して規格から外れる現象が生じる。
これを解決するために、本発明に係る実施形態では、反転角度の測定を行う反転角度測定装置20により、成形されたスロット1の溝の反転角度をオンラインで測定し、この測定結果に基づいてロータリークロスヘッド17とトーションキャッチャー15の反転角度を自動的に制御する。これにより、製造線速が変化しても、スロット1の溝の反転角度を常に目的の規格内に設定することができるようになる。
これを解決するために、本発明に係る実施形態では、反転角度の測定を行う反転角度測定装置20により、成形されたスロット1の溝の反転角度をオンラインで測定し、この測定結果に基づいてロータリークロスヘッド17とトーションキャッチャー15の反転角度を自動的に制御する。これにより、製造線速が変化しても、スロット1の溝の反転角度を常に目的の規格内に設定することができるようになる。
図2は、反転角度測定装置の構成例を説明する図で、図2(A)は、反転角度測定装置が備える目板がスロット1の溝に装着される状態を概略的に示す図、図2(B)は、目板をスロットの軸方向から見た概略図である。
反転角度測定装置20は、スロット1の溝の形状に適合する形状の孔部100aを備えた目板100を有している。目板100は、引取機19から繰り出されたスロット1に装着されて、ライン上を進行するスロット1の溝の撚りに応じて回転する。そして目板100の回転量を検出することでスロット1の溝の反転角度を測定することができる。
反転角度測定装置20は、スロット1の溝の形状に適合する形状の孔部100aを備えた目板100を有している。目板100は、引取機19から繰り出されたスロット1に装着されて、ライン上を進行するスロット1の溝の撚りに応じて回転する。そして目板100の回転量を検出することでスロット1の溝の反転角度を測定することができる。
図2(C)は、反転角度を検出するための目板の慣性力を消滅させるための第2の目板を備えた反転角度測定装置の構成を概略的に示す図である。ここでは溝の反転角度を測定するための目板100を第1の目板とし、その慣性力を消滅させるための目板101を第2の目板とする。第2の目板101は、第1の目板100と同じ形状を有するものであり、スロット1上で、第1の目板100の下流側にスロット1の溝の半周期ピッチ分の距離Lだけずらした位置に設置される。
第1の目板100は、図示しないギヤに連結され、ギヤを介して第1の目板100の角度を検出することにより、スロット1の溝の反転角度を測定する。反転角度の測定には、例えばロータリーエンコーダを用いることができる。
第1の目板100には、スロット1の溝の撚りが反転する際に、第1の目板100の慣性重量によってそれまでの回転を維持しようとする慣性力(回転モーメント)が働く。このときに第2の目板101は、第1の目板100の下流側でスロット1の溝の反周期ピッチ分の距離Lだけ離れているため、第2の目板101の装着位置におけるスロット1の溝の撚りは、第1の目板100の装着位置における溝の撚りに対して反転した撚りになっている。従って、第2の目板101には、第1の目板100に作用する慣性力と大きさが同一で向きが逆の慣性力が発生し、第1の目板100が発生する慣性力を相殺して消滅させることができる。
第1の目板100には、スロット1の溝の撚りが反転する際に、第1の目板100の慣性重量によってそれまでの回転を維持しようとする慣性力(回転モーメント)が働く。このときに第2の目板101は、第1の目板100の下流側でスロット1の溝の反周期ピッチ分の距離Lだけ離れているため、第2の目板101の装着位置におけるスロット1の溝の撚りは、第1の目板100の装着位置における溝の撚りに対して反転した撚りになっている。従って、第2の目板101には、第1の目板100に作用する慣性力と大きさが同一で向きが逆の慣性力が発生し、第1の目板100が発生する慣性力を相殺して消滅させることができる。
この構成により、第1の目板100の慣性力によって生じるスロット1の捩り変形を防止することができ、スロット1の製造線速が高速化した場合でも、慣性力により検出精度が低下することがなく、スロット1の反転角度を高精度に検出することができる。反転角度測定装置20は、第1の目板100によって測定したスロットの溝の反転角度の測定結果を出力する。
なお、スロット1の溝の反転角度を測定する反転角度測定装置20としては、上記の構成例に限定されることなく、溝の反転角度を測定できる公知の技術を適宜適用してもよい。
なお、スロット1の溝の反転角度を測定する反転角度測定装置20としては、上記の構成例に限定されることなく、溝の反転角度を測定できる公知の技術を適宜適用してもよい。
図3は、反転角度測定装置により反転角度の測定結果に基づく反転角度の自動制御を行うシステムの構成概略を示す図である。
スロット1の製造ライン上には、トーションキャッチャー(TC)15、ロータリークロスヘッド(RXH)17、及び反転角度測定装置20が配置されている。トーションキャッチャー15及びロータリークロスヘッド17のダイは、それぞれモータ23,24によって駆動され、抗張力体の搬送路を回転軸心として回転し、その回転方向が交互反転する。トーションキャッチャー15の交互反転は、ロータリークロスヘッド17のダイの交互反転と同期され、かつ、ロータリークロスヘッド17のダイの回転方向とは逆方向(逆位相)に回転駆動される。
スロット1の製造ライン上には、トーションキャッチャー(TC)15、ロータリークロスヘッド(RXH)17、及び反転角度測定装置20が配置されている。トーションキャッチャー15及びロータリークロスヘッド17のダイは、それぞれモータ23,24によって駆動され、抗張力体の搬送路を回転軸心として回転し、その回転方向が交互反転する。トーションキャッチャー15の交互反転は、ロータリークロスヘッド17のダイの交互反転と同期され、かつ、ロータリークロスヘッド17のダイの回転方向とは逆方向(逆位相)に回転駆動される。
反転角度測定装置20からは、ロータリークロスヘッド17で成形されたスロット1の溝の反転角度の測定結果が出力される。
制御部22では、反転角度測定装置20から出力された測定結果に平均化処理22aを行って平均化する。例えば、反転角度測定装置20により反転角度の測定が行われるごとにその測定結果が出力されると、制御部22では、その測定結果の平均を算出する。そして、制御信号生成処理22cでは、平均化処理を行った測定結果と、予め所定の記憶手段に記憶している設定値22bとを比較する。
制御部22では、反転角度測定装置20から出力された測定結果に平均化処理22aを行って平均化する。例えば、反転角度測定装置20により反転角度の測定が行われるごとにその測定結果が出力されると、制御部22では、その測定結果の平均を算出する。そして、制御信号生成処理22cでは、平均化処理を行った測定結果と、予め所定の記憶手段に記憶している設定値22bとを比較する。
設定値22bは、例えば予め定めた反転角度の規格範囲を示す値であり、制御信号生成処理22cでは、反転角度測定装置20から出力された反転角度の測定結果と設定値22bとを比較し、実測の反転角度が規格範囲から外れているか否かを判断する。そして実測の反転角度が規格範囲から外れている場合には、実測の反転角度と設定値の差分量に基づき、反転角度が規格範囲に入るようにロータリークロスヘッド17及びトーションキャッチャー15の反転角度を制御する制御信号を生成し、ロータリークロスヘッド17のダイ及びトーションキャッチャー15を駆動するそれぞれのモータ24、23に出力する。
制御信号は、ロータリークロスヘッド17の交互反転駆動を制御するための設定値に補正を加えることで、製造線速の増大によりスロット1の溝の反転角度が低下したときに、ロータリークロスヘッド17の反転角度を大きくするように制御するものとすることができる。そして、トーションキャッチャー15の交互反転制御には、ロータリークロスヘッド17の交互反転と同期し、かつ回転方向(位相)が逆となるような制御信号を生成することができる。トーションキャッチャー15の反転角度の制御量は、ロータリークロスヘッド17のダイの反転角度の制御に応じて定めることができる。例えば、トーションキャッチャー15の反転角度を、ダイの反転角度と同じ角度とするか、もしくは所定条件に基づく大きい角度に設定することができる。いずれにしても、ロータリークロスヘッド17のダイの反転角度と、トーションキャッチャー15の反転角度とを調整することにより、その製造線速において、所定の規格範囲内にスロット1の溝の反転角度が入るように、各反転角度が制御される。
図4は、反転角度の測定結果に基づく反転角度の調整結果の一例を示す図である。
図4(A)は、反転角度測定装置におけるスロットの実測の反転角度を示すもので、Aは反転角度の自動調整を行わない従来の製造装置におけるスロットの反転角度、Bは反転角度測定装置により測定した反転角度に基づき自動調整したときのスロットの溝の反転角度を示している。Aに示すように、従来の製造装置の場合には、一定の製造線速を超えるとスロットの溝の反転角度が低下し、さらに製造線速が増大すると反転角度が規格外となってしまう。これに対して、本発明の実施形態に係る製造装置によって、実測の反転角度に基づきロータリークロスヘッド等の反転角度を自動調整したときのスロットの反転角度Bは、製造線速が増大しても所定範囲の規格内を安定して維持させることができる。
図4(A)は、反転角度測定装置におけるスロットの実測の反転角度を示すもので、Aは反転角度の自動調整を行わない従来の製造装置におけるスロットの反転角度、Bは反転角度測定装置により測定した反転角度に基づき自動調整したときのスロットの溝の反転角度を示している。Aに示すように、従来の製造装置の場合には、一定の製造線速を超えるとスロットの溝の反転角度が低下し、さらに製造線速が増大すると反転角度が規格外となってしまう。これに対して、本発明の実施形態に係る製造装置によって、実測の反転角度に基づきロータリークロスヘッド等の反転角度を自動調整したときのスロットの反転角度Bは、製造線速が増大しても所定範囲の規格内を安定して維持させることができる。
図4(B)は、ロータリークロスヘッドに設定する反転角度を示す図で、Cは従来の製造装置におけるロータリークロスヘッドに設定する反転角度、Dは反転角度測定装置により測定した反転角度に基づき自動調整したときのロータリークロスヘッドの反転角度を示している。Cに示すように、従来の製造装置の場合には、製造線速が増大してもロータリークロスヘッドに設定する反転角度は一定である。このため、図4(A)に示すように製造線速の増大により実際のスロットの反転角度が低下し、規格外となってしまう。
これに対して、本発明の実施形態に係る製造装置によって、実測の反転角度に基づきロータリークロスヘッドの反転角度Dを自動調整した場合、実測のスロット1の反転角度の低下に応じて、ロータリークロスヘッドに設定する反転角度が大きくなるように制御される。また、このときにロータリークロスヘッドの反転角度の調整に応じて、トーションキャッチャーの反転角度も調整される。これにより、図4(A)に示すように、スロットの反転角度は製造線速が増大しても所定範囲の規格内を安定して維持させることができる。
上記のように、本発明に係る実施形態によれば、スロットの製造装置においてオンラインでスロットの溝の反転角度を測定し、その測定結果をフィードバックして所定の規格内に反転角度が入るように、ロータリークロスヘッド、及びトーションキャッチャーの反転角度を自動調整する。このように、オンラインで測定した測定結果を利用して自動制御を行うことにより、スロットの品種やトーションキャッチャー等の機器の機差等のよる変動要因を調査し、調整する必要がなくなる。また、トーションキャッチャーの把持ローラの劣化等に起因する経時的な設備上の変化があっても、確実かつ簡便に調整を行うことができるようになる。そしてこれにより、製造線速を変化させた場合であっても、作業者が監視しつつ調整作業を行う必要なく、また作業者のスキルや能力による影響を考量する必要なく、スロットの溝の反転角度を安定させることができ、安定した品質で生産性を向上させることができるようになる。
1…スロット、2…2次被覆、3…下押し、2a…溝、3a…テンションメンバ(抗張力体)、3a…抗張力体、3b…次被覆層、4…光ファイバテープ心線、5…テープ、6…外被、10…繰り出し装置、11…押出機、12…クロスヘッド、13…冷却槽、14…予熱装置、15…トーションキャッチャー、15a…把持ローラ、16…押出機、17…ロータリークロスヘッド、18…冷却槽、19…引取機、20…反転角度測定装置、21…巻取機、22…制御部、22a…平均化処理、22b…設定値、22c…制御信号生成処理、23,24…モータ、100…目板、100a…孔部、101…目板。
Claims (4)
- 抗張力体の表面に被覆された1次被覆層の周囲に、特定周期で反転するSZ溝を有する2次被覆層を被覆して光ケーブル用スロットを製造する製造方法であって、
前記抗張力体の搬送路を回転軸心として交互反転するダイにより前記2次被覆層を被覆し、前記搬送路上で前記ダイの下流側に備えられた反転角度測定装置により、前記SZ溝の反転角度を測定し、前記反転角度測定装置で測定した前記SZ溝の反転角度に基づいて、前記ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御することを特徴とする光ケーブル用スロットの製造方法。 - 前記搬送路上の前記ダイの上流側で前記1次被覆層を把持し、前記搬送路を回転軸心として交互反転する把持部の反転角度を、前記ダイの反転角度の制御に応じて自動的に制御することを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル用スロットの製造方法。
- 前記ダイの反転角度の制御は、前記2次被覆層を被覆する製造装置の製造線速度の変化により前記SZ溝の反転角度が低下した際に、前記低下した反転角度を増大させるように前記ダイの反転角度を増大させる制御であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ケーブル用スロットの製造方法。
- 1次被覆層を被覆した抗張力体の搬送路を回転軸心として交互反転するダイを備え、前記ダイにより、前記1次被覆層の周囲に特定周期で反転するSZ溝を有する2次被覆層を被覆して光ケーブル用スロットを製造する製造装置であって、
前記搬送路上で前記ダイの下流側に備えられ、前記SZ溝の反転角度を測定する反転角度測定装置と、前記反転角度測定装置で測定した前記SZ溝の反転角度に基づいて、前記ダイの交互反転による反転角度を自動的に制御する制御部と、を有することを特徴とする光ケーブル用スロットの製造装置。
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JP2015004640A (ja) * | 2013-06-24 | 2015-01-08 | 住友電気工業株式会社 | 光ケーブル用スロットの反転角測定装置 |
Citations (1)
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JPH1195077A (ja) * | 1997-09-22 | 1999-04-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光ケーブル用スペーサの製造方法及びその製造装置 |
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2012
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