JP5592588B2 - L−システインを精製する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、L−システインを含有する発酵ブロスからL−システインを精製する方法に関する。
L−システインは、水への溶解度が高く、またSH基の感度が多くの試薬(例えば、酸化剤)に対して高いことから、精製及び単離が非常に困難であり、高額な費用がかかるアミノ酸である。
US2590209には、アミノ酸混合物を酸性、中性および塩基性のアミノ酸に分離するための一般的な方法が記載されており、この方法では、まず、酸性タンパク質加水分解物を陽イオン交換体に通し、次いで、塩基性アミノ酸を保持しつつ、酸性および中性のアミノ酸を水酸化ナトリウムを用いて溶出させる。その後に、カーボナート溶液を用い、これらを陽イオン交換体から流し出す。次いで、酸性アミノ酸のみが結合する下流の陰イオン交換体によって、酸性アミノ酸と中性アミノ酸を分離する。記載の方法は、溶出液として塩基を使用するが、システインは、特に高pH値で酸化されやすいため、システインの精製には適していない。
L−システインの精製に関する問題と、さらに単離に関する従来技術は、EP 1958933 A1に記載されている(US 2008−0190854に対応)。この出願には、5未満のpH値でL−システインを酸化することができる酸化剤を含む、L−システインを含有する発酵ブロスを、5から9のpHでイオン交換体と接触させ、発酵ブロス中で、pHが5未満、好ましくは2未満となる方法が記載されている。ここで、L−システインはイオン交換体に結合し、結合したL−システインをイオン交換体から溶出液によって除去する。その後、分別晶出によって溶出液からL−システイン一塩酸塩一水和物を得ることができる。まず、濃HClを加えることによって、またはHClガスを導入することによって、無機アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンの塩化物、また、塩化アンモニウムを結晶化させる。濾過した後、L−システインを含有する母液を−10℃まで冷却し、L−システイン塩酸塩一水和物を結晶化させる。しかし、収率および純度は、使用するL−システイン含有溶液の純度によって変わり、純度を98重量%より高くするには、さらなる分別晶出および/または再結晶化が必要である。
L−システインを発酵によって調製する方法は、例えば、EP0885962B1(US5972663Aに対応)から既知である。これらの方法によって、大量のL−システインを含有する発酵ブロスを安価に入手することができる。
このようなL−システインを含有する発酵ブロスは、物質の複雑な混合物である。このブロスは、L−システインだけではなく、一般的に、発酵条件下で、特に、酸素が存在することによって酸化によってL−システインから簡単に生成するL−シスチンも含む。例えば、EP0885962B1に記載されるように、アルデヒドまたはケトン存在下、L−システインの対応するヘミチオケタールおよび/またはチアゾリジン誘導体も存在する場合がある。発酵ブロスは、少量のさらなるアミノ酸またはこの誘導体も含有する場合がある。発酵ブロスは、一般的に、炭水化物、有機および無機の陽イオンおよび陰イオンの塩、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩も含み、さらに、痕跡量の重金属塩(例えば、Fe、Cu、Mn、Znなど)、着色剤およびさらなる不純物および添加剤、例えば、発酵中で用いられる微生物の望ましい代謝物を含む。さらに、発酵ブロスは、発酵に使用する原材料および構成物質、例えば、一般的なC源(例えば、グルコース、ラクトース、デンプンなど)、N源(例えば、アンモニア/アンモニウムまたはタンパク質またはタンパク質加水分解物など、さらにS源(例えば、硫化物、亜硫酸物、硫酸物、チオ硫酸物または亜ジチオン酸物など)も含んでいてもよい。L−システインは、硫黄を含有するアミノ酸であるため、L−システインの生成に必要な十分な量の硫黄を与えるために、発酵中にS源(例えば、硫化物、亜硫酸物、硫酸物、チオ硫酸物または亜ジチオン酸塩)が一般的に供給される。さらに、発酵中に導入される酸素の結果、発酵ブロス中に溶存酸素も存在する。これらの発酵ブロスのpHは、例えば、EP0885962B1に記載されるように、通常は7である。
発酵ブロスの組成が複雑ということ以外にも、ブロスが生物学的プロセスの産物であるため、個々の構成物質の比率が自然に変動することもさらに起こる。
米国特許第2590209号明細書 欧州特許出願公開第1958933号明細書 欧州特許第0885962号明細書
本発明の目的は、L−システインを含有する発酵ブロスから、精製したL−システイン含有溶液を製造する、単純で、安価で、産業的に実施可能な方法を提供することである。
この目的は、L−システインを含有する発酵ブロスを、6から9のpHで塩基性陰イオン交換体と接触させ、L−システインが陰イオン交換体に結合し、陰イオン交換体が第1の洗浄溶液で流され、結合したL−システインは、酸によって陰イオン交換体から除去され、溶出液に移され、この溶出液を4以下のpHで酸性陽イオン交換体と接触させ、L−システインが陽イオン交換体に結合し、陽イオン交換体が第2の洗浄溶液で流され、結合したL−システインが強酸によって陽イオン交換体から除去される方法によって達成される。
本発明の方法は、L−システインが、すべての並存する物質から信頼性高く実質的に完全に分離されるため、常に、発酵ブロスの組成変動にかかわらず、均一な溶液が得られる。次いで、必要な場合、この溶液から、L−システイン、L−システイン塩酸塩またはL−システイン塩酸塩一水和物を固体として得ることができる。この目的のために、得られた溶液を、好ましくは、望ましい生成物、好ましくはL−システイン塩酸塩一水和物が晶出するまで濃縮する。この様式で得られたL−システイン塩酸塩一水和物は、純度が98重量%より高い。EP1958933A1に記載される分別晶出は必要ではない。
L−システインを含有する発酵ブロスは、好ましくは、細胞および固体を分離した後に、まず、塩基性イオン交換体を用い、次いで酸性イオン交換体を用いて本発明の方法を用いて精製される。
酸性および塩基性のイオン交換体が知られており、市販されている。種々の適切な材料の選択がUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Vol.A14、p.451に報告されている。活性なイオン交換基として、これらのイオン交換基は、例えば、カルボン酸基(弱酸性イオン交換体)、スルホン酸およびホスホン酸基(強酸性イオン交換体)、四級アンモニウム基(強塩基性イオン交換体)またはアミン基(弱塩基性イオン交換体)を含む。活性イオン交換基に対する対イオンとして、陽イオンまたは陰イオンをイオン交換体に結合してもよい。酸性イオン交換体は、よくプロトン化H形態で用いられるが、さらに、一般的な対イオンは、例えば、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンである。塩基性、特に、強塩基性のイオン交換体は、よくOH形態で用いられるが、さらに、一般的な対イオンは、例えば、塩素および従来技術で記載されるさらなる陰イオンでもある。
強酸性および強塩基性のイオン交換体を用いることが好ましい。陰イオン交換体は、好ましくはOH形態で用いられ、一方、陽イオン交換体は、好ましくはH形態で用いられる。しかし、原理的に、他の対イオンを含むイオン交換体を使用することも可能である。
L−システインを含有する発酵ブロスを、好ましくは、まず、強塩基性陰イオン交換体と接触させ、その後、陰イオン交換体からのL−システイン含有溶出液を強酸性陽イオン交換体と接触させる。これは、例えば、対応するイオン交換体が封入されたカラムを介して圧送される発酵ブロスまたは溶出液によって行われてもよい。適用される発酵ブロスのpHは、発酵中のpHに対応し、pH6から9、好ましくは6から8の範囲である。
陰イオン交換体からのL−システイン含有溶出液を、好ましくは、1から4のpHで陽イオン交換体に適用する。
第1の洗浄溶液は、好ましくは、pH6から8の範囲の水であり、特に好ましくは、pH7の水(中性水)である。この洗浄溶液を用いた洗浄によって、陰イオン交換体から、発酵ブロスの中性および陽イオン性の構成要素が除去される。
第2の洗浄溶液は、好ましくは、pH4から8の範囲の水であり、特に好ましくは、5から7のpHの水である。中性から弱酸性の水を用いた洗浄によって、陽イオン交換体から陰イオン性不純物が除去される。
本特許出願に報告されているすべてのpH値は、25℃で決定したpHに関するものである。
本発明に導かれる実験において、驚くべきことに、大気中の酸素または他の酸化剤を用い、L−システインは7より高いpH値で簡単にL−シスチンに変換されるが、このL−システインが、塩基性イオン交換体に吸着し、適切な酸化を行うことなく再び塩基性イオン交換体から溶出することを発見した。このことは、酸性陽イオン交換体に結合したL−システインの溶出に塩基(例えば、アンモニア水溶液)を用いたときにL−システインからL−シスチンへの顕著な酸化が観察されるため、特に驚くべきことであった。この酸化によって、直接的で顕著な収率の低下(例えば、例3および6)が引き起こされ、従って、この方法の経済性は、もはや満足のいくものではない。
中性のL−システイン含有溶液または発酵ブロスを、陰イオン交換体、好ましくはOH形態の陰イオン交換体、に接触させると、L−システインは、この作業で実質的に定量的に陰イオン交換体に結合する。ここで、発酵ブロス中に存在し得る他のアミノ酸(例えば、L−シスチン)および/またはさらなる陰イオンも、イオン交換樹脂に結合してもよい。多くのさらなる不純物(例えば、中性化合物または陽イオンまたはこれらの対応する塩基)は、陰イオン交換樹脂に結合せず、流出物中に存在する。
酸を用いた溶出の後、L−システイン含有溶液を陽イオン交換体、好ましくはH形態の強酸性陽イオン交換体と接触させると、L−システインが陽イオン交換体に定量的に結合する。陰イオン性不純物は、陽イオン交換樹脂に結合せずに存在し、流出物中に存在する。
溶出液として、強酸を用いることが好ましく、本発明の目的のために、好ましくは、pKaが4.5未満の酸、特に好ましくは塩酸を用いることが好ましい。塩酸水溶液が特に有用である。
塩酸を用いる溶出において、塩酸水溶液、好ましくは、異なる規定度の塩酸、さらに好ましくは、0.01から12NのHCl、特に好ましくは、0.01から1NのHClを、L−システインを保持する陰イオン交換体を通して圧送する。溶出中にHCl濃度が初期の0.01Nから1Nまで上がるような溶出液が特にきわめて好ましい。
塩酸を用いる溶出において、異なる規定度の塩酸水溶液、好ましくは0.1から12NのHCl、特に好ましくは、1から2NのHClを、L−システインを保持する陽イオン交換体を通して圧送する。
保持、洗浄方法および溶出は、好ましくは、25℃、周囲雰囲気の圧力(即ち、900から1100hPa)で行われる。しかし、これより低いか、または高い温度および圧力で行うこともできる。
塩酸を用いたL−システインの溶出によって、L−システインの精製したHCl溶液を与える。この溶液は、場合により濃縮されてもよく、例えば、活性炭素を用いて脱色されてもよい。場合により、HClを加えた後、産業的に特に重要な生成物であるL−システイン塩酸塩一水和物が結晶化する。二重のイオン交換体を用いた精製によって、もともと適用される発酵プロセスの組成にかかわらず、L−システインを高純度で得ることができる。さらなる精製(例えば、分別晶出による。)は必要ではない。
本発明の方法によって、L−システインを含有する発酵ブロスから出発して、良好な収率で、経済的にL−システインを効率よく精製することができる。必要な場合または所望な場合、L−システインの任意の誘導体、例えば、達成される収率を高めるために、存在し得るL−シスチンまたはチアゾリジン誘導体を、例えば、特定の方法条件下でL−システインに変換することができる。従って、例えば、強酸性陽イオン交換体の上にあるシステインチアゾリジン誘導体の開裂は既知であり、EP 1059288 B1に記載されている。適切な還元剤を加え、L−シスチンを開裂させてL−システインを生成することも同様に想像できる。
記載される方法は、もともとの適用される発酵ブロスの組成にかかわらず、外来のアミノ酸含有量をL−システインを基準として5重量%未満、好ましくは1重量%未満に減らすことができる。さらに、L−システインを基準として10重量%未満、好ましくは1重量%未満まで塩含有量を減らすことも可能である。それに加え、記載された方法は、例えば、分別晶出によってさらに精製することなく、L−システインを含有する発酵ブロスから、98重量%を超える純度で、99%を超える光学純度で、L−システインまたはL−システイン塩酸塩またはL−システイン塩酸塩一水和物の調製を可能にする。
本発明の方法を行う前に、微生物細胞および/または不溶性構成物質を、好ましくは方法の第1のステップでL−システインを含有する発酵ブロスから分離する。このことは、例えば、遠心分離、濾過、デカンテーション、膜濾過、または当業者にとって細胞/固体を発酵ブロスから分離するのに有名な別の方法によって行われる。分離は、場合により、セライト(登録商標)、活性炭または珪藻土のような濾過助剤を加えて行われる。方法のこのステップにおいて、細胞以外のさらなる不溶性の構成物質(例えば、溶液から析出したシスチンまたは他のやや溶けにくい構成物質の沈殿)が、微生物による発酵中に生成してもよく、有利なことに、これも発酵ブロスから分離される。さらに、タンパク質のような高分子は、例えば、場合により使用される濾過助剤または活性炭などから分離し、またはこれらに吸着し、このようにして、この方法のステップで分離されてもよい。本発明の目的のため、この前処理によって得られるL−システイン含有溶液も発酵ブロスという用語に含まれる。
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つ。
[実施例1]:本発明の方法による、L−システインを含有する発酵ブロスの精製
500mlの細胞を含まない発酵ブロス(24g/lのL−システイン、1.2g/lのL−シスチン、18g/lのN−アセチルセリン)を、中性pH(pH:7)でAmberlite(登録商標)FPA 42Clの名称でRohm & Haasから市販される陰イオン交換樹脂(OH形態)150mlに適用した。次いで、この樹脂を250mlの水(pH7)で洗浄し、1750mlのHClを用いて溶出させた。ここで、酸濃度を250mlごとに、0.01M HClから0.1M HCl、さらに0.25M HClから0.5M HClまで段階的に上げた。
溶出画分のシステイン含有量は、それぞれの場合にHPLCを用いて決定され、システインを含有する画分を合わせた。この合わせた溶液の中で、500mlをAmberlite(登録商標)FPA 14−Naの名称でRohm & Haasから市販される陽イオン交換樹脂(H形態)120mlに適用した。次いで、この樹脂を120mlの水で洗浄し、720mlの1M HClを用いて溶出させた。
陰イオン交換体からの溶出液のうち、システインを含有する画分は、適用される発酵ブロス中に存在するL−システインのうち、85%より多くを含んでおり、陽イオン交換樹脂からの溶出液の生成物画分中のL−システインの収率は、定量的であった。
[例2]:比較例:陽イオン交換体による、排他的なL−システインを含有する発酵ブロスの精製(EP 1958933 A1中の方法に対応)、溶出液:HCl
6500mlのpH7の細胞を含まない発酵ブロスを6M HClを用いてpH=1まで酸性にし、1時間後に遠心分離処理をし、変性タンパク質および他の固体を分離した。5350mlの透明なHCl含有溶液(19g/lのL−システイン、1.4g/lのL−シスチン、8g/lのN−アセチルセリン)を陽イオン交換体(1100mlのAmberlite(登録商標)FPC 14−Na、H形態)を用いて精製した。この溶液をイオン交換体に適用し、カラムを3300mlの水で洗浄し、5500mlの1M HClを用いて溶出させた。溶出液のうち、システインを含有する画分は、使用されるシステインの量の85%を含んでおり、さらに、溶液中に存在するカチオンも含んでいた。
[例3]:比較例:陽イオン交換体による、塩基性条件でのL−システインを含有する発酵ブロスの精製、溶出液:NHOH
100mlのpH7の細胞を含まない発酵ブロスを6M HClを用いてpH=1まで酸性にし、1時間後に遠心分離処理をし、変性タンパク質および他の固体を分離した。透明なHCl含有溶液(20g/lのL−システイン、1.2g/lのL−シスチン、8g/lのN−アセチルセリン)を陽イオン交換体(20mlのAmberlite(登録商標)FPC 14−Na、H形態)を用いて精製した。この溶液をイオン交換体に適用し、カラムを60mlの水で洗浄し、100mlの2M NHを用いて溶出させた。生成物の画分は、適用された発酵ブロス中に存在するL−システインの約50%を含んでおり、さらに、初期の量と比較して、顕著に多い量のシスチンも含む。
[実施例4]:実施例1から得たHCl溶出液からL−システイン塩酸塩一水和物の結晶化
500mlの実施例1から得られたL−システインを含有する精製溶液(1M HClを用いて得られた溶出液)をロータリーエバポレーターによって、結晶化が起こるまで45℃、50mbarで蒸発させ、次いで、この溶液を室温までゆっくりと戻し、その後、温度を連続して−18℃まで下げた。3時間攪拌した後、あらかじめ冷却しておいた吸引フィルターで沈殿を吸引しつつ濾別し、空気中で乾燥させた。
収量:6.5gの微細な結晶性固体、98重量%超のシステイン塩酸塩一水和物(出発溶液=細胞を含まない発酵ブロスを基準として、システインの合計収率70%に対応する。)。
[例5]:比較例:例2から得たHCl溶出液からL−システイン塩酸塩一水和物の結晶化
5500mlの例2から得られたL−システインを含有する精製溶液(1M HClを用いて得られた溶出液)をロータリーエバポレーターによって、結晶化が起こるまで45℃、50mbarで蒸発させ、次いで、この溶液を室温までゆっくりと戻し、その後、温度を連続して−18℃まで下げた。3時間攪拌した後、あらかじめ冷却しておいた吸引フィルターで沈殿を吸引しつつ濾別し、空気中で乾燥させた。
収量:120gの微細な結晶性固体、79重量%のシステイン塩酸塩一水和物(出発溶液=細胞を含まない発酵ブロスを基準として、システインの合計収率64%に対応する。)。
[例6]:比較例:例3から得たNH溶出液からL−システインの結晶化
100mlの例3から得られたL−システインを含有する精製溶液(2M NHを用いて得られた溶出液)をロータリーエバポレーターによって、結晶化が起こるまで45℃、50mbarで蒸発させ、次いで、この溶液を室温までゆっくりと戻し、その後、温度を連続して−18℃まで下げた。3時間攪拌した後、あらかじめ冷却しておいた吸引フィルターで沈殿を吸引しつつ濾別し、空気中で乾燥させた。
収量:得られた生成物の分析では、使用したL−システインの約90%がこれらの条件でL−シスチンに変換されたことを示した。

Claims (8)

  1. L−システインを含有する発酵ブロスから、精製したL−システイン含有溶液を調製する方法であって、前記L−システインを含有する発酵ブロスを、6から9のpHで塩基性陰イオン交換体と接触させ、前記L−システインを前記陰イオン交換体に結合し、前記陰イオン交換体が第1の洗浄溶液で流され、前記結合L−システインは、酸によって前記陰イオン交換体から除去され、溶出液に移され、前記溶出液を4以下のpHで酸性陽イオン交換体と接触させ、前記L−システインが前記陽イオン交換体に結合し、前記陽イオン交換体が第2の洗浄溶液で流され、前記結合L−システインが強酸によって前記陽イオン交換体から除去されることを特徴とする、方法。
  2. 強酸性および強塩基性のイオン交換体を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 陰イオン交換体をOH形態で使用し、陽イオン交換体をH形態で使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 第1の洗浄溶液が、pH6から8の範囲の水であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 第2の洗浄溶液が、pH4から8の範囲の水であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 細胞および固体が、発酵ブロスから最初に分離されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 結合L−システインを陽イオン交換体から除去することにより得られた溶液をまず濃縮し、続いて、濃縮した溶液からL−システイン塩酸塩一水和物を結晶化させることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 得られたL−システイン塩酸塩一水和物が、98重量%より高い純度を有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
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