JP2850421B2 - 有機酸の分離回収方法 - Google Patents
有機酸の分離回収方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、有機酸の分離回収方法に関する。さらに詳
しくは、澱粉の製造工程で得られる副生有機酸含有水溶
液、すなわち、副生有機酸を含有するとともに、アミノ
酸及び/又は可溶性蛋白質を含有し、場合によりさらに
無機成分をも含有する水溶液から、有機酸を分離回収す
る方法に関する。
しくは、澱粉の製造工程で得られる副生有機酸含有水溶
液、すなわち、副生有機酸を含有するとともに、アミノ
酸及び/又は可溶性蛋白質を含有し、場合によりさらに
無機成分をも含有する水溶液から、有機酸を分離回収す
る方法に関する。
〈従来の技術〉 乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等、自然界に存在
する有機酸は、古代から飲食用として利用されていた
が、今日では、飲料、パン、メン類、漬け物等の食品の
ほか、塗料、皮革、メッキ、洗剤用ビルダー、化粧品等
の非食品分野でも幅広く利用されている。
する有機酸は、古代から飲食用として利用されていた
が、今日では、飲料、パン、メン類、漬け物等の食品の
ほか、塗料、皮革、メッキ、洗剤用ビルダー、化粧品等
の非食品分野でも幅広く利用されている。
このような有機酸は従来、糖液糖を醗酵させて得られ
た有機酸含有水溶液(醗酵法)等から分離することによ
り得られている。醗酵法で生成した有機酸の分離回収
は、有機酸をカルシウム塩として沈澱させて分離し、そ
の後カルシウム塩を遊離の有機酸としてから精製するな
どの処理工程により行われている。
た有機酸含有水溶液(醗酵法)等から分離することによ
り得られている。醗酵法で生成した有機酸の分離回収
は、有機酸をカルシウム塩として沈澱させて分離し、そ
の後カルシウム塩を遊離の有機酸としてから精製するな
どの処理工程により行われている。
しかしこの方法では、有機酸を分離回収する工程が非
常に複雑であって、回収に時間がかかり、また多大なエ
ネルギーや大規模の処理装置を必要とするので、運転経
費や建設費が嵩むなどの欠点を有している。
常に複雑であって、回収に時間がかかり、また多大なエ
ネルギーや大規模の処理装置を必要とするので、運転経
費や建設費が嵩むなどの欠点を有している。
一方、澱粉等の製造過程でも、醗酵等により有機酸が
副生する。このような澱粉等の製造過程で生じる有機酸
含有水溶液(以下、澱粉製造工程液という)は、副生さ
れた有機酸を含有するものの、他の成分を大量に含有
し、また有機酸の成分濃度が低いことが多い。したがっ
て、澱粉製造工程液からの有機酸の経済的な回収は不可
能で、副生した有機酸は未回収のまま処分されている。
例えば、トウモロコシ澱粉の製造過程で得られるトウモ
ロコシの亜硫酸浸漬液中には、通常、5〜30重量%のア
ミノ酸、5〜30重量%の糖、3〜15重量%の無機塩、5
〜30重量%の蛋白質とともに、5〜25重量%の副生した
乳酸が含まれる。しかし、乳酸以外の成分が多いので、
この液から乳酸を経済的に回収することはできず、これ
を濃縮し、コーンスティープリカーとして、主に家畜用
飼料として消費されている。
副生する。このような澱粉等の製造過程で生じる有機酸
含有水溶液(以下、澱粉製造工程液という)は、副生さ
れた有機酸を含有するものの、他の成分を大量に含有
し、また有機酸の成分濃度が低いことが多い。したがっ
て、澱粉製造工程液からの有機酸の経済的な回収は不可
能で、副生した有機酸は未回収のまま処分されている。
例えば、トウモロコシ澱粉の製造過程で得られるトウモ
ロコシの亜硫酸浸漬液中には、通常、5〜30重量%のア
ミノ酸、5〜30重量%の糖、3〜15重量%の無機塩、5
〜30重量%の蛋白質とともに、5〜25重量%の副生した
乳酸が含まれる。しかし、乳酸以外の成分が多いので、
この液から乳酸を経済的に回収することはできず、これ
を濃縮し、コーンスティープリカーとして、主に家畜用
飼料として消費されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 かかる事情に鑑み、本発明者らは、副生有機酸を含有
するとともに、アミノ酸及び/又は可溶性蛋白質、場合
によりさらに無機成分等を不純物として含有する水溶
液、特に澱粉製造工程から得られる副生有機酸を含有す
る水溶液から、有機酸を選択的に効率よく分離回収する
方法を見出すべく、鋭意検討した結果、この有機酸含有
水溶液をまず陽イオン交換樹脂で処理し、次いで処理後
の水溶液を陰イオン交換樹脂と接触処理すると、有機酸
が効率よく陰イオン交換樹脂に吸着することを見出し、
本発明を完成するに至った。
するとともに、アミノ酸及び/又は可溶性蛋白質、場合
によりさらに無機成分等を不純物として含有する水溶
液、特に澱粉製造工程から得られる副生有機酸を含有す
る水溶液から、有機酸を選択的に効率よく分離回収する
方法を見出すべく、鋭意検討した結果、この有機酸含有
水溶液をまず陽イオン交換樹脂で処理し、次いで処理後
の水溶液を陰イオン交換樹脂と接触処理すると、有機酸
が効率よく陰イオン交換樹脂に吸着することを見出し、
本発明を完成するに至った。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は、澱粉製造工程で得られ、アミノ酸
及び/又は可溶性蛋白質並びに副生有機酸を含有する水
溶液を、陽イオン交換樹脂と接触処理し、次いでこの陽
イオン交換樹脂による処理後の水溶液を陰イオン交換樹
脂と接触処理することにより、有機酸を陰イオン交換樹
脂に吸着させた後、有機酸を吸着したこの陰イオン交換
樹脂を溶離剤と接触させて、有機酸を溶離し、回収する
ことを特徴とする、アミノ酸及び/又は可溶性蛋白質並
びに副生有機酸を含有する水溶液からの有機酸の分離回
収方法である。
及び/又は可溶性蛋白質並びに副生有機酸を含有する水
溶液を、陽イオン交換樹脂と接触処理し、次いでこの陽
イオン交換樹脂による処理後の水溶液を陰イオン交換樹
脂と接触処理することにより、有機酸を陰イオン交換樹
脂に吸着させた後、有機酸を吸着したこの陰イオン交換
樹脂を溶離剤と接触させて、有機酸を溶離し、回収する
ことを特徴とする、アミノ酸及び/又は可溶性蛋白質並
びに副生有機酸を含有する水溶液からの有機酸の分離回
収方法である。
本発明で分離回収の対象となる有機酸は、アミノ基を
有する陰イオン交換樹脂と塩を形成することができるも
のである。このような有機酸としては、例えば、 (1) 乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、トリオキシグルタル酸、オキソグルタル
酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジ
カルボン酸等の脂肪族、芳香族又は複素環のポリカルボ
ン酸、 (2) エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等のポリアミ
ノポリカルボン酸、 (3) 4,4′−カルボニルジイミノビスベンゼンスル
ホン酸、2,2′−カルボニルジイミノビスベンゼンスル
ホン酸等のポリスルホン酸、 (4) 2′−アデニル酸、3′−アデニル酸、5′−
アデニル酸、2′−イノシン酸、3′−イノシン酸、
5′−イノシン酸、2′−グアニル酸、3′−グアニル
酸、5′−グアニル酸、2′−キサンチル酸、3′−キ
サンチル酸、5′−キサンチル酸、2′−シチジル酸、
3′−シチジル酸、5′−シチジル酸、2′−ウリジル
酸、3′−ウリジル酸、5′−ウリジル酸、2′−チミ
ジル酸、3′−チミジル酸、5′−チミジル酸、イノシ
ン−三燐酸、イノシン−二燐酸、アデノシン−三燐酸、
アデノシン−二燐酸、アデノシン−5′−四燐酸、グア
ノシン−三燐酸、グアノシン−二燐酸、グアノシン−
2′,3′−燐酸、ウリジル−三燐酸、ウリジル−二燐
酸、チミジノ−三燐酸、チミジノ−二燐酸、及びこれら
のナトリウム、バリウム、カリウム又はアンモニウム塩
等のヌクレオチド、リボヌクレオチド及びこれらの誘導
体、 (5) 2−ホスホグリセリン酸、3−ホスホグリセリ
ン酸、1,3−ジホスホグリセリン酸、2,3−ジホスホグリ
セリン酸等のグリセリン酸燐酸、ジオキシアセトン燐
酸、グリセロ燐酸、グリセリンアルデヒド−3−燐酸、
ジオキシアセトン−1−燐酸、グリセチルホスホコリン
等のグリセリンの酸エステル、及びこれらのナトリウ
ム、バリウム、カリウム又はアンモニウム塩、 (6) グルコース−1−燐酸、グルコース−6−燐
酸、グルコース−1,6−二燐酸、グルコース硫酸、フル
クトース−1−燐酸、フルクトース−6−燐酸等の糖類
の酸エステル、及びこれらのナトリウム、バリウム、カ
リウム又はアンモニウム塩、ミオイノシトール−1−燐
酸、ホスファチジン酸 などが挙げられる。特に好ましくは、乳酸、酒石酸、ク
エン酸、グルコン酸又はリンゴ酸が挙げられる。
有する陰イオン交換樹脂と塩を形成することができるも
のである。このような有機酸としては、例えば、 (1) 乳酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、シュウ
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シトラコン
酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テ
レフタル酸、トリオキシグルタル酸、オキソグルタル
酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジ
カルボン酸等の脂肪族、芳香族又は複素環のポリカルボ
ン酸、 (2) エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミ
ン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸等のポリアミ
ノポリカルボン酸、 (3) 4,4′−カルボニルジイミノビスベンゼンスル
ホン酸、2,2′−カルボニルジイミノビスベンゼンスル
ホン酸等のポリスルホン酸、 (4) 2′−アデニル酸、3′−アデニル酸、5′−
アデニル酸、2′−イノシン酸、3′−イノシン酸、
5′−イノシン酸、2′−グアニル酸、3′−グアニル
酸、5′−グアニル酸、2′−キサンチル酸、3′−キ
サンチル酸、5′−キサンチル酸、2′−シチジル酸、
3′−シチジル酸、5′−シチジル酸、2′−ウリジル
酸、3′−ウリジル酸、5′−ウリジル酸、2′−チミ
ジル酸、3′−チミジル酸、5′−チミジル酸、イノシ
ン−三燐酸、イノシン−二燐酸、アデノシン−三燐酸、
アデノシン−二燐酸、アデノシン−5′−四燐酸、グア
ノシン−三燐酸、グアノシン−二燐酸、グアノシン−
2′,3′−燐酸、ウリジル−三燐酸、ウリジル−二燐
酸、チミジノ−三燐酸、チミジノ−二燐酸、及びこれら
のナトリウム、バリウム、カリウム又はアンモニウム塩
等のヌクレオチド、リボヌクレオチド及びこれらの誘導
体、 (5) 2−ホスホグリセリン酸、3−ホスホグリセリ
ン酸、1,3−ジホスホグリセリン酸、2,3−ジホスホグリ
セリン酸等のグリセリン酸燐酸、ジオキシアセトン燐
酸、グリセロ燐酸、グリセリンアルデヒド−3−燐酸、
ジオキシアセトン−1−燐酸、グリセチルホスホコリン
等のグリセリンの酸エステル、及びこれらのナトリウ
ム、バリウム、カリウム又はアンモニウム塩、 (6) グルコース−1−燐酸、グルコース−6−燐
酸、グルコース−1,6−二燐酸、グルコース硫酸、フル
クトース−1−燐酸、フルクトース−6−燐酸等の糖類
の酸エステル、及びこれらのナトリウム、バリウム、カ
リウム又はアンモニウム塩、ミオイノシトール−1−燐
酸、ホスファチジン酸 などが挙げられる。特に好ましくは、乳酸、酒石酸、ク
エン酸、グルコン酸又はリンゴ酸が挙げられる。
有機酸含有水溶液は、アミノ酸及び/又は可溶性蛋白
質、並びに上述の有機酸を含有するものであれば、本発
明の方法による処理の対象とすることができるが、有機
酸を0.1重量%以上含有している溶液において、本発明
の効果が好ましく発揮される。このような有機酸含有水
溶液としては、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、コムギ、
コメ、タピオカ、サゴ等の澱粉の製造過程で得られる澱
粉製造工程液が挙げられる。中でも、前述したトウモロ
コシ澱粉の製造過程で得られるトウモロコシの亜硫酸浸
漬液が特に好ましく用いられる。
質、並びに上述の有機酸を含有するものであれば、本発
明の方法による処理の対象とすることができるが、有機
酸を0.1重量%以上含有している溶液において、本発明
の効果が好ましく発揮される。このような有機酸含有水
溶液としては、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、コムギ、
コメ、タピオカ、サゴ等の澱粉の製造過程で得られる澱
粉製造工程液が挙げられる。中でも、前述したトウモロ
コシ澱粉の製造過程で得られるトウモロコシの亜硫酸浸
漬液が特に好ましく用いられる。
本発明に用いられる陽イオン交換樹脂は、分子中にス
ルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸等の遊離酸性基を有
するものであればよく、樹脂基体、形状及びその製造方
法は特に限定されない。
ルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸等の遊離酸性基を有
するものであればよく、樹脂基体、形状及びその製造方
法は特に限定されない。
かかる陽イオン交換樹脂としては、例えば、 (1) 市販のデュオライトC−20、デュオライトC−
26、アンバーライトIR−120、アンバーライト200(以
上、ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンSK−
1B(三菱化成工業(株)製)、ダウエックス50、ダウエ
ックスMPC−1(以上、ダウ・ケミカル社製)等の分子
中に−SO3Hを有するイオン交換樹脂、 (2) 市販のデュオライトC−464、イマックZ−
5、アンバーライトIRC−50(以上、ローム・アンド・
ハース社製)、スミカイオンKC−506、スミカイオンKC
−508(以上、住友化学工業(株)製)等の分子中に−C
OOHを有するイオン交換樹脂、 (3) 市販のデュオライトC−467(ローム・アンド
・ハース社製)、スミキレートMC−95(住友化学工業
(株)製)等の分子中に−PO3H2を有するイオン交換樹
脂などが挙げられる。
26、アンバーライトIR−120、アンバーライト200(以
上、ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンSK−
1B(三菱化成工業(株)製)、ダウエックス50、ダウエ
ックスMPC−1(以上、ダウ・ケミカル社製)等の分子
中に−SO3Hを有するイオン交換樹脂、 (2) 市販のデュオライトC−464、イマックZ−
5、アンバーライトIRC−50(以上、ローム・アンド・
ハース社製)、スミカイオンKC−506、スミカイオンKC
−508(以上、住友化学工業(株)製)等の分子中に−C
OOHを有するイオン交換樹脂、 (3) 市販のデュオライトC−467(ローム・アンド
・ハース社製)、スミキレートMC−95(住友化学工業
(株)製)等の分子中に−PO3H2を有するイオン交換樹
脂などが挙げられる。
有機酸含有水溶液と陽イオン交換樹脂の接触処理は、
一般には常温以上、好ましくは20〜90℃の温度において
行われる。接触方法は特に制限されるものではなく、例
えば、有機酸含有水溶液中へ陽イオン交換樹脂を浸漬す
る方法、陽イオン交換樹脂を充填した塔中へ有機酸含有
水溶液を通液する方法などが一般に採用される。処理操
作が容易であることから、陽イオン交換樹脂を充填した
塔中へ有機酸含有水溶液を通液する方法が好ましく用い
られる。
一般には常温以上、好ましくは20〜90℃の温度において
行われる。接触方法は特に制限されるものではなく、例
えば、有機酸含有水溶液中へ陽イオン交換樹脂を浸漬す
る方法、陽イオン交換樹脂を充填した塔中へ有機酸含有
水溶液を通液する方法などが一般に採用される。処理操
作が容易であることから、陽イオン交換樹脂を充填した
塔中へ有機酸含有水溶液を通液する方法が好ましく用い
られる。
陽イオン交換樹脂の使用量は、処理対象である有機酸
含有水溶液の組成、用いるイオン交換樹脂の種類等によ
っても変わり、それぞれの条件に応じて適宜設定される
が、一般には、カチオン性不純物の0.5倍当量以上の交
換容量に相当する量使用するのが好ましい。
含有水溶液の組成、用いるイオン交換樹脂の種類等によ
っても変わり、それぞれの条件に応じて適宜設定される
が、一般には、カチオン性不純物の0.5倍当量以上の交
換容量に相当する量使用するのが好ましい。
有機酸含有水溶液を陽イオン交換樹脂で処理する目的
は、有機酸含有水溶液中に共存するアミノ酸や無機陽イ
オンを陽イオン交換樹脂に吸着させ、次工程の陰イオン
交換樹脂による処理において、有機酸が効率よく陰イオ
ン交換樹脂に吸着されるようにすることにある。
は、有機酸含有水溶液中に共存するアミノ酸や無機陽イ
オンを陽イオン交換樹脂に吸着させ、次工程の陰イオン
交換樹脂による処理において、有機酸が効率よく陰イオ
ン交換樹脂に吸着されるようにすることにある。
したがって、上記処理後の陽イオン交換樹脂には、金
属イオンやアミノ酸が吸着しているので、この陽イオン
交換樹脂は、適宜水洗・洗浄後、溶離剤と接触させて、
吸着された金属イオンやアミノ酸を溶離除去した後、再
使用に付される。ここで用いる溶離剤は、吸着された金
属イオンやアミノ酸を溶離できるものであれば特に制限
されないが、一般には、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等の鉱
酸の水溶液が用いられる。溶離剤として用いられる鉱酸
水溶液の濃度は、約0.1規定以上、さらには0.5〜4規定
であるのが好ましい。濃度が約0.1規定未満の場合に
は、溶離性が悪くなるので好ましくない。溶離剤の使用
料、温度及び接触時間は特に制限されるものでなく、溶
離剤の種類及び濃度、イオン交換樹脂の種類、吸着され
た金属イオンやアミノ酸の種類及び量などによって変わ
り、これらは適宜予備実験を行うことにより設定するこ
とができる。接触方法も特に制限されるものではなく、
前記の有機酸含有水溶液を陽イオン交換樹脂で処理する
場合と同様な方法が採用できる。
属イオンやアミノ酸が吸着しているので、この陽イオン
交換樹脂は、適宜水洗・洗浄後、溶離剤と接触させて、
吸着された金属イオンやアミノ酸を溶離除去した後、再
使用に付される。ここで用いる溶離剤は、吸着された金
属イオンやアミノ酸を溶離できるものであれば特に制限
されないが、一般には、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等の鉱
酸の水溶液が用いられる。溶離剤として用いられる鉱酸
水溶液の濃度は、約0.1規定以上、さらには0.5〜4規定
であるのが好ましい。濃度が約0.1規定未満の場合に
は、溶離性が悪くなるので好ましくない。溶離剤の使用
料、温度及び接触時間は特に制限されるものでなく、溶
離剤の種類及び濃度、イオン交換樹脂の種類、吸着され
た金属イオンやアミノ酸の種類及び量などによって変わ
り、これらは適宜予備実験を行うことにより設定するこ
とができる。接触方法も特に制限されるものではなく、
前記の有機酸含有水溶液を陽イオン交換樹脂で処理する
場合と同様な方法が採用できる。
かかる方法で溶離再生された陽イオン交換樹脂は、そ
のまま、又は必要に応じて適宜水洗洗浄処理された後、
再使用される。
のまま、又は必要に応じて適宜水洗洗浄処理された後、
再使用される。
有機酸含有水溶液と陽イオン交換樹脂との接触処理に
より得られた水溶液は、次に陰イオン交換樹脂と接触処
理され、その中の有機酸を陰イオン交換樹脂に吸着させ
る。ここで用いる陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹
脂により処理された水溶液中の有機酸を吸着する能力を
有するものであればよく、樹脂基体、形状及びその製造
方法は特に制限されないが、一般には、分子中に1級、
2級又は3級のアミノ基からなる官能基を有する弱塩基
性陰イオン交換樹脂が、処理水溶液中の有機酸に対する
吸着性に優れるので好ましく、特にポリアルキレンポリ
アミノ基を有する樹脂が好ましく用いられる。
より得られた水溶液は、次に陰イオン交換樹脂と接触処
理され、その中の有機酸を陰イオン交換樹脂に吸着させ
る。ここで用いる陰イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹
脂により処理された水溶液中の有機酸を吸着する能力を
有するものであればよく、樹脂基体、形状及びその製造
方法は特に制限されないが、一般には、分子中に1級、
2級又は3級のアミノ基からなる官能基を有する弱塩基
性陰イオン交換樹脂が、処理水溶液中の有機酸に対する
吸着性に優れるので好ましく、特にポリアルキレンポリ
アミノ基を有する樹脂が好ましく用いられる。
かかる陰イオン交換樹脂としては、例えば、スミカイ
オンKA−800、スミカイオンKA−850、スミカイオンKA−
890(以上、住友化学工業(株)製)、ダイヤイオンWA2
0、ダイヤイオンWA10、ダイヤイオンCR−20(以上、三
菱化成工業(株)製)、アンバーライトIR−4B、アンバ
ーライトIR−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)
などが挙げられる。
オンKA−800、スミカイオンKA−850、スミカイオンKA−
890(以上、住友化学工業(株)製)、ダイヤイオンWA2
0、ダイヤイオンWA10、ダイヤイオンCR−20(以上、三
菱化成工業(株)製)、アンバーライトIR−4B、アンバ
ーライトIR−45(以上、ローム・アンド・ハース社製)
などが挙げられる。
陽イオン交換樹脂で処理された水溶液と陰イオン交換
樹脂との接触は、一般には常温以上、好ましくは20〜90
℃の温度において行われる。接触方法は特に制限される
ものでなく、例えば、上記水溶液中へ陰イオン交換樹脂
を浸漬する方法、陰イオン交換樹脂を充填した塔中へ上
記水溶液を通液する方法などが採用される。一般には、
処理操作が容易であることから、陰イオン交換樹脂を充
填した塔中へ水溶液を通液する方法が好ましく採用され
る。
樹脂との接触は、一般には常温以上、好ましくは20〜90
℃の温度において行われる。接触方法は特に制限される
ものでなく、例えば、上記水溶液中へ陰イオン交換樹脂
を浸漬する方法、陰イオン交換樹脂を充填した塔中へ上
記水溶液を通液する方法などが採用される。一般には、
処理操作が容易であることから、陰イオン交換樹脂を充
填した塔中へ水溶液を通液する方法が好ましく採用され
る。
陰イオン交換樹脂の使用量は、処理対象とする有機酸
を含有する水溶液中の有機酸濃度、用いるイオン交換樹
脂の種類等によっても変わり、それぞれの条件に応じて
適宜設定される。一般には、処理対象の水溶液中の有機
酸に対して、0.5〜3倍当量の交換容量に相当する量用
いるのが好ましい。
を含有する水溶液中の有機酸濃度、用いるイオン交換樹
脂の種類等によっても変わり、それぞれの条件に応じて
適宜設定される。一般には、処理対象の水溶液中の有機
酸に対して、0.5〜3倍当量の交換容量に相当する量用
いるのが好ましい。
有機酸を吸着せしめた陰イオン交換樹脂は、必要に応
じて水で洗浄される。その後、溶離剤を陰イオン交換樹
脂に接触させ、吸着されていた有機酸を溶離し、回収す
る。ここで用いる溶離剤としては、陰イオン交換樹脂に
吸着した有機酸を溶離し、その溶離液から有機酸を分離
できるものであれば特に制限されないが、一般には、硫
酸、塩酸、硝酸、燐酸等の鉱酸、又は水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等
の塩基性化合物の水溶液が用いられる。溶離剤は、有機
酸の分離に差し支えない限り、有機溶媒を含んでいても
よい。
じて水で洗浄される。その後、溶離剤を陰イオン交換樹
脂に接触させ、吸着されていた有機酸を溶離し、回収す
る。ここで用いる溶離剤としては、陰イオン交換樹脂に
吸着した有機酸を溶離し、その溶離液から有機酸を分離
できるものであれば特に制限されないが、一般には、硫
酸、塩酸、硝酸、燐酸等の鉱酸、又は水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等
の塩基性化合物の水溶液が用いられる。溶離剤は、有機
酸の分離に差し支えない限り、有機溶媒を含んでいても
よい。
溶離剤の使用量は特に制限されるものでなく、溶離剤
の種類及び濃度、イオン交換樹脂の種類、吸着された有
機酸の種類及び量などによって変わるので、適宜予備実
験を行うことにより設定することができるが、一般に
は、回収する有機酸の0.5倍当量以上、好ましくは1.0〜
10倍当量用いられる。
の種類及び濃度、イオン交換樹脂の種類、吸着された有
機酸の種類及び量などによって変わるので、適宜予備実
験を行うことにより設定することができるが、一般に
は、回収する有機酸の0.5倍当量以上、好ましくは1.0〜
10倍当量用いられる。
溶離剤として用いられる鉱酸水溶液の濃度は、約0.1
規定以上、さらには0.5〜4規定であるのが好ましい。
濃度が約0.1規定未満の場合には、有機酸の溶離性が悪
く、大量の溶離液を用いる必要があり、溶離液から有機
酸を分離するのが難しくなるので、好ましくない。
規定以上、さらには0.5〜4規定であるのが好ましい。
濃度が約0.1規定未満の場合には、有機酸の溶離性が悪
く、大量の溶離液を用いる必要があり、溶離液から有機
酸を分離するのが難しくなるので、好ましくない。
有機酸を吸着した陰イオン交換樹脂と溶離剤の接触温
度は、特に制限されるものではない。ただし、鉱酸を用
いる場合等、温度が低いと有機酸がイオン交換樹脂中に
析出してしまい、好ましくない場合がある。また、溶離
液を冷却して結晶析出により有機酸を回収する場合に
は、鉱酸等からなる溶離剤を少量用いて溶離液中の有機
酸の濃度を高くするほうが望ましいが、このためには、
接触温度は高いほうが好ましい。ただし、温度があまり
高すぎると、イオン交換樹脂の官能基の劣化が起こる。
したがって、最適な温度は、有機酸及び陰イオン交換樹
脂の種類、陰イオン交換樹脂に吸着された有機酸の量、
溶離剤の種類及び濃度等によって変わるので、適宜予備
実験を行うことにより設定できるが、通常は、約20〜90
℃の温度において実施される。この温度は、溶離剤を加
熱すること及び/又は陰イオン交換樹脂の入っている容
器を外部から加熱することにより達せられる。接触時間
も特に制限されるものではない。
度は、特に制限されるものではない。ただし、鉱酸を用
いる場合等、温度が低いと有機酸がイオン交換樹脂中に
析出してしまい、好ましくない場合がある。また、溶離
液を冷却して結晶析出により有機酸を回収する場合に
は、鉱酸等からなる溶離剤を少量用いて溶離液中の有機
酸の濃度を高くするほうが望ましいが、このためには、
接触温度は高いほうが好ましい。ただし、温度があまり
高すぎると、イオン交換樹脂の官能基の劣化が起こる。
したがって、最適な温度は、有機酸及び陰イオン交換樹
脂の種類、陰イオン交換樹脂に吸着された有機酸の量、
溶離剤の種類及び濃度等によって変わるので、適宜予備
実験を行うことにより設定できるが、通常は、約20〜90
℃の温度において実施される。この温度は、溶離剤を加
熱すること及び/又は陰イオン交換樹脂の入っている容
器を外部から加熱することにより達せられる。接触時間
も特に制限されるものではない。
接触方法も特に制限されるものではなく、例えば、有
機酸を吸着した陰イオン交換樹脂を充填した塔中へ溶離
剤を通液する方法、溶離剤の中へ有機酸を吸着した陰イ
オン交換樹脂を浸漬し、次いで濾過分離する方法などが
採用される。一般には、有機酸を吸着した陰イオン交換
樹脂を充填した塔中へ溶離剤を通液する方法が、操作性
の点から好ましく採用され、特に鉱酸を用いる場合等、
溶離時に有機酸の析出が起こりやすい場合には、析出に
よる目詰まりを防止するために、上向流で通液する方法
が好ましく採用される。
機酸を吸着した陰イオン交換樹脂を充填した塔中へ溶離
剤を通液する方法、溶離剤の中へ有機酸を吸着した陰イ
オン交換樹脂を浸漬し、次いで濾過分離する方法などが
採用される。一般には、有機酸を吸着した陰イオン交換
樹脂を充填した塔中へ溶離剤を通液する方法が、操作性
の点から好ましく採用され、特に鉱酸を用いる場合等、
溶離時に有機酸の析出が起こりやすい場合には、析出に
よる目詰まりを防止するために、上向流で通液する方法
が好ましく採用される。
陰イオン交換樹脂からの溶離液中に含まれる有機酸の
濃度が低い場合には、この溶離液を、溶離剤の全部又は
一部として再度使用することができる。この方法によ
り、溶離費用の低減と廃水負荷の低減が可能となるとと
もに、有機酸濃度の高い溶離液が得られるので、こうし
て有機酸濃度の高められた溶離液からの有機酸の回収が
容易になる。
濃度が低い場合には、この溶離液を、溶離剤の全部又は
一部として再度使用することができる。この方法によ
り、溶離費用の低減と廃水負荷の低減が可能となるとと
もに、有機酸濃度の高い溶離液が得られるので、こうし
て有機酸濃度の高められた溶離液からの有機酸の回収が
容易になる。
有機酸は、上記の方法による得られた溶離液から、結
晶として析出され、分離回収される。
晶として析出され、分離回収される。
溶離剤として、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等
を用いる場合、生ずる有機酸の塩は水への溶解度が大き
い。したがって、鉱酸を溶離剤として用いるときに懸念
される有機酸の析出の問題はなくなるが、溶離液の冷却
による有機酸の回収が困難となるので、冷却により有機
酸を析出させて回収するためには、鉱酸等により、有機
酸が遊離の状態で存在するように溶離液のpHを調整をす
る必要がある。
を用いる場合、生ずる有機酸の塩は水への溶解度が大き
い。したがって、鉱酸を溶離剤として用いるときに懸念
される有機酸の析出の問題はなくなるが、溶離液の冷却
による有機酸の回収が困難となるので、冷却により有機
酸を析出させて回収するためには、鉱酸等により、有機
酸が遊離の状態で存在するように溶離液のpHを調整をす
る必要がある。
溶離液から有機酸の結晶を生成させ、この結晶を分離
回収する方法としては、 溶離液を静置する方法、 溶離液を冷却し、結晶を析出させる方法、 有機酸に対して貧溶性の溶媒を溶離液に加えて有機
酸の溶解度を低下させ、有機酸を結晶として析出させ
て、この結晶を分離回収する方法、 溶離液の一部又は全量を濃縮し、有機酸を結晶とし
て分離回収する方法、 溶離液に水酸化カルシウムや塩化カルシウムを加え
て、有機酸の難溶性塩を析出させ、有機酸の塩として分
離回収する方法 など、公知の方法が採用され、有機酸の種類、溶離液中
の有機酸濃度、溶離液の種類等により、適宜適した処方
を採用すればよい。
回収する方法としては、 溶離液を静置する方法、 溶離液を冷却し、結晶を析出させる方法、 有機酸に対して貧溶性の溶媒を溶離液に加えて有機
酸の溶解度を低下させ、有機酸を結晶として析出させ
て、この結晶を分離回収する方法、 溶離液の一部又は全量を濃縮し、有機酸を結晶とし
て分離回収する方法、 溶離液に水酸化カルシウムや塩化カルシウムを加え
て、有機酸の難溶性塩を析出させ、有機酸の塩として分
離回収する方法 など、公知の方法が採用され、有機酸の種類、溶離液中
の有機酸濃度、溶離液の種類等により、適宜適した処方
を採用すればよい。
こうして析出した有機酸の結晶は、濾過等により溶離
液から分離回収される。分離回収された有機酸の結晶
は、そのまま、又は必要に応じ再結晶等による精製を行
い、さらに必要に応じて乾燥することにより、有機酸の
それぞれの用途に供される。
液から分離回収される。分離回収された有機酸の結晶
は、そのまま、又は必要に応じ再結晶等による精製を行
い、さらに必要に応じて乾燥することにより、有機酸の
それぞれの用途に供される。
鉱酸を溶離剤として用いた場合、有機酸を分離回収し
た後の溶離液は、必要により濃度調整等を行った後、溶
離剤として再使用することができる。不純物が蓄積しな
い範囲で循環再使用することにより、溶離剤の使用量及
び、加熱、冷却のエネルギーが少なくてすみ、かつ廃水
負荷が大幅に低減される。
た後の溶離液は、必要により濃度調整等を行った後、溶
離剤として再使用することができる。不純物が蓄積しな
い範囲で循環再使用することにより、溶離剤の使用量及
び、加熱、冷却のエネルギーが少なくてすみ、かつ廃水
負荷が大幅に低減される。
有機酸を溶離した後の陰イオン交換樹脂は、そのま
ま、あるいは必要に応じて、水又は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、アンモニア等の塩基性化合物、又は塩酸、硫
酸、燐酸等の鉱酸の水溶液で処理した後、再び有機酸回
収用の塩基性イオン交換樹脂として繰り返し用いること
ができる。
ま、あるいは必要に応じて、水又は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネ
シウム、アンモニア等の塩基性化合物、又は塩酸、硫
酸、燐酸等の鉱酸の水溶液で処理した後、再び有機酸回
収用の塩基性イオン交換樹脂として繰り返し用いること
ができる。
〈発明の効果〉 本発明によれば、従来経済的な有機酸の回収が困難で
あった澱粉製造工程液、すなわち、アミノ酸、蛋白質、
無機成分等を多量に含有する水溶液から、簡単な操作方
法及び設備で、有用な有機酸の回収が可能となる。した
がって、その工業的価値は極めて高いものがある。
あった澱粉製造工程液、すなわち、アミノ酸、蛋白質、
無機成分等を多量に含有する水溶液から、簡単な操作方
法及び設備で、有用な有機酸の回収が可能となる。した
がって、その工業的価値は極めて高いものがある。
〈実 施 例〉 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されない。
発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1 トウモロコシを亜硫酸に浸漬し、澱粉を除去して得ら
れた、乳酸40g/、アミノ酸4.5g/、無機金属イオン
1.9g/、蛋白質その他有機固形成分の合計42.2g/の
組成からなる有機酸含有水溶液2を、陽イオン交換樹
脂であるデュオライトC−26(ローム・アンド・ハース
社製)500mlを充填した内径40mmφのカラムに、次い
で、分子中に1級及び2級のアミノ基からなるポリアル
キレンポリアミノ基を有する陰イオン交換樹脂であるス
ミカイオンKA−890(住友化学工業(株)製)500mlを充
填した内径40mmφのカラムに、液温度40℃、通液速度SV
2hr-1で、順次通液し、有機酸を陰イオン交換樹脂に吸
着させた。その後、有機酸を吸着した陰イオン交換樹脂
に25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液1と水1を
順次、通液速度SV2hr-1にて通液し、計2の溶離液を
得て、有機酸を溶離回収した。各工程毎の分析結果を表
1に示した。
れた、乳酸40g/、アミノ酸4.5g/、無機金属イオン
1.9g/、蛋白質その他有機固形成分の合計42.2g/の
組成からなる有機酸含有水溶液2を、陽イオン交換樹
脂であるデュオライトC−26(ローム・アンド・ハース
社製)500mlを充填した内径40mmφのカラムに、次い
で、分子中に1級及び2級のアミノ基からなるポリアル
キレンポリアミノ基を有する陰イオン交換樹脂であるス
ミカイオンKA−890(住友化学工業(株)製)500mlを充
填した内径40mmφのカラムに、液温度40℃、通液速度SV
2hr-1で、順次通液し、有機酸を陰イオン交換樹脂に吸
着させた。その後、有機酸を吸着した陰イオン交換樹脂
に25℃の1規定水酸化ナトリウム水溶液1と水1を
順次、通液速度SV2hr-1にて通液し、計2の溶離液を
得て、有機酸を溶離回収した。各工程毎の分析結果を表
1に示した。
なお表1中の数値は、各工程において使用し、又は流
出した水溶液の全量(いずれも2)中の各成分の含量
である。
出した水溶液の全量(いずれも2)中の各成分の含量
である。
実施例2 アミノ酸20g/、L−グルコース100g/、グルコン
酸13g/、無機金属イオン3.9g/の組成からなる水溶
液5を処理対象の有機酸含有水溶液として用いた以外
は、実施例1と同様の処理を行った。その結果、得られ
た溶離液2中のグルコン酸、アミノ酸、L−グルコー
ス及び無機金属イオンの含有量は、各々次のとおりであ
った。
酸13g/、無機金属イオン3.9g/の組成からなる水溶
液5を処理対象の有機酸含有水溶液として用いた以外
は、実施例1と同様の処理を行った。その結果、得られ
た溶離液2中のグルコン酸、アミノ酸、L−グルコー
ス及び無機金属イオンの含有量は、各々次のとおりであ
った。
グルコン酸 :58.3g アミノ酸 : 0.1g未満 L−グルコース: 0.1g未満 無機金属イオン: 0.1g未満 以上の実施例から明らかなように、本発明の方法は、
従来経済的な有機酸の回収が困難であった澱粉製造工程
液、すなわち、副生有機酸とともに、アミノ酸、蛋白
質、無機成分等を含有する水溶液からの有機酸の回収に
有効である。
従来経済的な有機酸の回収が困難であった澱粉製造工程
液、すなわち、副生有機酸とともに、アミノ酸、蛋白
質、無機成分等を含有する水溶液からの有機酸の回収に
有効である。
Claims (5)
- 【請求項1】澱粉製造工程で得られ、アミノ酸及び/又
は可溶性蛋白質並びに副生有機酸を含有する水溶液を、
陽イオン交換樹脂と接触処理し、次いで該陽イオン交換
樹脂による処理後の水溶液を陰イオン交換樹脂と接触処
理して、有機酸を陰イオン交換樹脂に吸着せしめた後、
有機酸を吸着した該陰イオン交換樹脂を溶離剤と接触さ
せることにより、有機酸を溶離し、回収することを特徴
とする副生有機酸含有水溶液からの有機酸の分離回収方
法。 - 【請求項2】副生有機酸を含有する水溶液が、トウモロ
コシの亜硫酸浸漬液である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】有機酸が、乳酸、酒石酸、クエン酸、リン
ゴ酸又はグリコン酸である請求項1記載の方法。 - 【請求項4】陰イオン交換樹脂が、1級、2級又は3級
のアミノ基からなる官能基を有する弱塩基性陰イオン交
換樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】アミノ基がポリアルキレンポリアミノ基で
ある請求項4記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32221889A JP2850421B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 有機酸の分離回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32221889A JP2850421B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 有機酸の分離回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03183487A JPH03183487A (ja) | 1991-08-09 |
JP2850421B2 true JP2850421B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=18141268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32221889A Expired - Lifetime JP2850421B2 (ja) | 1989-12-11 | 1989-12-11 | 有機酸の分離回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2850421B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006212617A (ja) * | 2005-02-04 | 2006-08-17 | Hiroyuki Yoshida | リン酸、有機酸、アミノ酸の分離・回収方法、および有機物の処理方法 |
DE102011007790A1 (de) * | 2011-04-20 | 2012-10-25 | Wacker Chemie Ag | Verfahren zur Reinigung von L-Cystein |
KR102657247B1 (ko) * | 2017-06-22 | 2024-04-16 | 아처 다니엘 미드랜드 캄파니 | 다카르복실산-함유 혼합물의 분리 및 정제 방법 |
JP7082003B2 (ja) * | 2018-07-25 | 2022-06-07 | 日東電工株式会社 | ギ酸溶液の濃縮方法、及びギ酸溶液の製造方法 |
-
1989
- 1989-12-11 JP JP32221889A patent/JP2850421B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03183487A (ja) | 1991-08-09 |
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