JP5588765B2 - ショットキーバリアダイオード及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このSBDは、順方向に所定の電圧を印加した場合に、電圧降下が小さく、かつ、逆方向に所定の電圧を印加した場合に、漏れ電流が小さいことが好ましいとされている。
このSBD1は、シリコン基板2の表面2aにトレンチ3を形成し、このトレンチ3の内面に絶縁膜4を形成し、この絶縁膜4により囲まれたトレンチ3内に多結晶シリコンからなる導電体を埋め込み、この導電体の上面をエッチングにより平坦化することにより、得られた導電体5の平坦な上面5aを表面2aと面一とし、この平坦な上面5aを覆うようにバリア金属層6及び電極金属層7を積層することにより作製することができる。
また、導電体5の上面5aが平坦化されないと、この導電体5の形状が所望の形状から外れた異形となり、この導電体5上に形成されたバリア金属層6に応力が生じた場合、この応力が導電体5に局部的に集中し、その結果、逆方向電流(IR)が大きくなるという問題点があった。
このショットキーバリアダイオードでは、導電体の高さを、トレンチの深さの30%以上かつ95%以下としたことにより、導電体の形状がトレンチの内部形状と同一の形状となり、導電体が異形になるのをさらに防止する。
これにより、絶縁膜の上に形成されたバリア金属層のうちトレンチの側壁上面との接触部分に角部ができ難くなり、また、バリア金属層の伸縮に起因する応力がトレンチ内の導電体に加わった場合においても、この応力が導電体に局部的に集中することが無くなる。よって、バリア金属層のカバレッジが向上し、逆方向電流が極めて小さなショットキーバリアダイオードを、容易かつ安価に製造することが可能になる。
また、導電体の異形化を防止することができ、バリア金属層に起因する応力が導電体に局部的に集中するのを防止することができる。したがって、逆方向電流(漏れ電流)を小さくすることができる。
以上により、バリア金属層のカバレッジが向上し、かつ、逆方向電流(IR)特性に優れたショットキーバリアダイオードを提供することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態のトレンチ構造型のショットキーバリアダイオード(SBD)を示す断面図であり、図1においては、図4と同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図1において、符号11はショットキーバリアダイオード(SBD)であり、シリコン基板(半導体基板)2の表面(一主面)2aに断面矩形状のトレンチ3が形成され、このトレンチ3の内面にはシリコン酸化膜からなる絶縁膜12が形成され、この絶縁膜12が形成されたトレンチ3内には、多結晶シリコンからなる導電体13が埋め込まれ、これらシリコン基板2の表面2a、絶縁膜12及び導電体13を覆うようにバリア金属層14が形成され、このバリア金属層14上には電極金属層15が積層されている。
この導電体13では、その上面を、周縁部から中心部に向かって湾曲する凹面21としたことにより、電極金属層15に起因する引っ張り応力等の外部応力がバリア金属層14を介して導電体13に加わった場合においても、この外部応力を凹面21で分散させて緩和することで、この外部応力が導電体13の一部に局部的に集中することが無くなる。
なお、導電体13の高さhがトレンチ3の深さdの100%を超えると、この導電体13の上部がトレンチ3から上方に突出し、導電体13の断面形状がトレンチ3の内部形状により拘束されず異形になるので好ましくない。
また、導電体3が異形になるのを防止することで、この導電体13としての電気的特性を保持することができ、したがって、導電体13の有する電気的な機能を十分に発揮することができる。
この傾斜面22とシリコン基板2の表面2aとのなす傾斜角θ、換言すると傾斜面22のシリコン基板2の表面2aに平行な面に対する傾斜角θは、30°以上かつ60°以下が好ましく、より好ましくは40°以上かつ50°以下である。
この傾斜角θが上記の範囲を外れた場合、バリア金属層14とトレンチ3の側壁上面3aとの接触部分に角部ができ易くなり、その結果、バリア金属層14のカバレッジが低下する虞があるので好ましくない。
なお、絶縁膜12の最上面12aは、トレンチ3の側壁上面3aから導電体13の凹面21に至るまでを滑らかな面とする形状であればよく、曲面であってもよい。
まず、図3(a)に示すように、シリコン基板2の表面2aを熱酸化し、トレンチ形成用マスクとなるシリコン酸化膜31を形成する。
次いで、このシリコン酸化膜31上にレジスト32を塗布し、露光及び現像を行い、レジスト32のトレンチに対応する位置に開口32aを形成する。
次いで、開口32aが形成されたレジスト32をマスクとして、フッ酸を用いてシリコン酸化膜31を異方性エッチングし、このシリコン酸化膜31のトレンチに対応する位置に開口31aを形成する。
次いで、シリコン酸化膜33上に、熱CVD法により多結晶シリコンを堆積させる。これにより、トレンチ3内を含むシリコン酸化膜33全面に多結晶シリコンからなる導電体34が堆積されることとなる。
その後、フッ酸を用いてトレンチ3内を除く部分のシリコン酸化膜33を除去する。
以上により、シリコン基板2の表面2aからトレンチ3の側壁上面3aを経由して導電体13の凹面21に至るまでが、滑らかな面となる。
次いで、蒸着法により、バリア金属層14上に、アルミニウム等の電極用金属を堆積させ、電極金属層15を形成する。
以上により、本実施形態のトレンチ構造型のSBD11を作製することができる。
また、導電体13の上面を凹面22としたので、導電体13に加わる外部応力をさらに緩和することができ、この外部応力が導電体13の一部に局部的に集中しないようにすることができる。したがって、逆方向電流(漏れ電流)をさらに小さくすることができる。
2 シリコン基板(半導体基板)
2a 表面(一主面)
3 トレンチ
3a 側壁上面
12 絶縁膜
12a 最上面
13 導電体
14 バリア金属層
15 電極金属層
21 凹面
21a 最上端部
22 傾斜面
31 シリコン酸化膜
31a 開口
32 レジスト
32a 開口
33 シリコン酸化膜
33a 最上面
34 導電体
Claims (3)
- 半導体基板の一主面にトレンチが形成され、該トレンチの内面に絶縁膜が形成されるとともに、該トレンチ内に導電体が埋め込まれ、該導電体上にバリア金属層が形成されたショットキーバリアダイオードにおいて、
前記導電体の上面は前記トレンチの側壁上面より下方に位置しており、
前記絶縁膜の最上面は、前記トレンチの側壁上面と前記導電体の上面とを接続する曲面または傾斜面であり、
前記導電体の上面は、周縁部から中心部に向かって湾曲する凹面であることを特徴とするショットキーバリアダイオード。 - 前記導電体の高さは、前記トレンチの深さの30%以上かつ95%以下であることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 半導体基板の一主面にトレンチを形成し、該トレンチの内面に絶縁膜を形成し、前記絶縁膜が形成されたトレンチ内に導電体を埋め込み、該導電体の上面及び前記絶縁膜の最上面を選択除去することにより、前記導電体の上面を前記トレンチの側壁上面より下方に位置させるとともに、前記絶縁膜の最上面を前記トレンチの側壁上面と前記導電体の上面とを接続する曲面または傾斜面とし、前記導電体の上面を周縁部から中心部に向かって湾曲する凹面とし、前記導電体上にバリア金属層を形成することを特徴とするショットキーバリアダイオードの製造方法。
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JP2010146349A JP5588765B2 (ja) | 2010-06-28 | 2010-06-28 | ショットキーバリアダイオード及びその製造方法 |
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