JP5587346B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で可視画像化する画像形成装置において、特に、画像形成装置に搭載される現像装置に関する。
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置では、像担持体としての感光体に形成された静電潜像を、現像装置を用いて現像剤中のトナーによってトナー像を顕像化する。
最も一般的な現像装置は、現像剤を収容する現像容器と、現像容器中の現像剤を攪拌・混合しながら搬送する搬送部材と、現像剤を担持して感光体対向部まで搬送する現像剤担持体と、さらには現像剤担持体上の現像剤量を規制する層厚規制部材からなる。
ここで、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を用いる現像装置について述べれば、現像容器に収容された現像剤は、現像容器内で搬送部材である現像スクリューによって攪拌・混合される。現像剤はこの攪拌・混合の過程で摩擦帯電されて電荷が付与される。電荷の付与された現像剤は内部に磁界発生手段としての複数の磁極を有するマグネットを配置した現像剤担持体である現像スリーブに主に磁気的な力による担持される。この現像スリーブは感光体に対向する位置に回転可能に配置されており、現像剤は現像スリーブの回転に従って、感光体の対向部である現像領域まで搬送され現像に供される。現像領域では、現像スリーブに印加される現像バイアスにより現像剤中のトナーが感光体表面に形成された静電潜像に転移し、感光体表面に静電潜像に応じたトナー像が形成される。
このような現像装置では、一般的に現像スリーブの外周面に対して所定のギャップを介して対向するようにして層厚規制部材である規制ブレードが配置されていることが多い。規制ブレードとしては、磁性板であったり、非磁性板であったり、その両者の組合せであったり、あるいは弾性体であったりと様々な提案がなされ、実施もされている。現像スリーブに担持された現像剤は、現像領域に搬送される際に、現像スリーブとブレードの間のギャップを通過する過程で現像領域に搬送される現像剤量が規制され、安定した量が供給されるように調整されている。規制ブレードの対向部には、通常、マグネットの磁極の一つ(カット極と呼ぶ)を対向させて、現像剤溜まりを形成させた上で規制を行われている。このような構成では、規制ブレード直上流部に現像剤を常に一定量確保できるので、安定して現像剤を現像スリーブに供給することが可能となる。
特開平5−035067号 特開2005−092061号
ところが、規制ブレードによって現像スリーブ表面に担持している現像剤の層厚規制を行う現像装置においては、以下のような問題が生じることがある。
図17は、従来から知られている2成分現像剤を用いた場合の規制ブレード位置の上流における2成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図である。現像スリーブ128表面に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ128表面に担持され規制ブレード位置の現像剤搬送方向上流側近傍まで搬送される。規制ブレード130上流側近傍まで搬送された現像剤は一旦滞留し、規制ブレード130のエッジと現像スリーブ128表面との間のギャップ位置で層厚を規制されて一部が通過し現像領域に搬送される。一方、ギャップを通過できなかった残りの現像剤は規制ブレード130直上流部に滞留し、現像剤が移動しない層(以下、現像剤不動層と呼ぶ)が形成される。したがって、規制ブレード130上流位置には現像スリーブ128の回転に追従して搬送される現像剤流動層と規制ブレード130でせき止められた現像剤不動層が形成される。
現像剤流動層と現像剤不動層が形成されると、その境界面において現像剤移動層が現像剤不動層と摺擦されることとなる。その結果、摺擦によって2成分現像剤の場合はトナーがキャリアから離脱し、さらに摺擦による摩擦熱によって境界面上で上記離脱トナー同士が固着気味となりトナー層を形成する。このようなトナー層は、耐久により成長し規制ブレード130と現像スリーブ128のギャップを阻害し、ギャップを通過する現像剤量が低下する。これにより、現像領域に搬送される現像剤量が変動し、濃度変動といった問題が発生する。
上記問題の対策として、規制ブレードに供給される現像剤量を減らしてやり、できるだけ規制ブレード部での滞留を減らし現像剤不動層を少なくすることは、問題の改善に対して有効である。しかしながら、規制ブレードに供給される現像剤量を減らすと、ギャップを通過する現像剤の量が安定しないという新たな問題が発生しやすくなる。したがって、規制ブレード上流側にはある程度の量の現像剤が必要で、現像剤不動層の発生を完全に無くすることは難しい。
特許文献1においては、現像剤不動層の形成を防止するために規制ブレードの直上流に現像スリーブと常に一定な間隔を持って定常的に回転する円柱形状のトナー搬送部材を設けることを提案している。
しかしながら、特許文献1においては、現像剤不動層の発生を防止可能としているが、トナー搬送部材を支持する軸受けや駆動手段が必要となり、構成の複雑化、コスト高は避けられない。しかも、トナー搬送部材は、現像剤担持体と向き合う位置で反対方向に駆動するので、現像剤に強いストレスを与えることになり、現像剤の早期劣化が懸念される。また、高速回転させた場合には、熱の発生により現像剤の溶解や固着等も懸念される。
特許文献2においては、現像剤が滞留して現像剤不動層が形成しやすい位置に現像剤滞留規制部材を設けることにより、現像剤不動層の形成を微小領域に抑える構成を提案している。
しかしながら、特許文献2の構成においては、現像剤不動層の領域があまりに広い場合には、現像剤滞留規制部材が大きくなり、規制ブレード上流部分の現像剤量が極度に減少してしまう場合がある。すると、先に述べたように、規制ブレードに供給される現像剤量が減り、ギャップを通過する現像剤の量が安定しないという問題が発生しやすくなる。したがって、問題の解決には不動層を小さくする、あるいは、無くすことが、やはり必要である。
そこで、本発明は以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、規制部材の直上流部の現像剤不動層の発生を抑制し、長期にわたり現像領域に搬送する現像剤の層厚を安定して維持可能な現像装置を提供することである。
磁性粒子を含む現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、
前記現像剤担持体の内部に設けられ、前記現像剤担持体の内面に対向して設けられた複数の磁極を備えたマグネットと、
前記現像剤担持体と所定の間隙を設けて配置され、前記現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する非磁性からなる規制部材と、
前記現像剤担持体の外部に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記規制部材よりも直上流側にある前記現像剤担持体の領域に対向する前記マグネットの表面から発生する磁界に対して、少なくとも前記現像剤担持体の法線方向成分を打ち消す方向の磁界を発生する磁界発生手段と、を有する現像装置において、
前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制部材よりも上流側で前記現像剤担持体と前記磁界発生手段の間に設けられ、前記規制部材の上流側に滞留する現像剤の前記磁界発生手段側への移動を規制する非磁性からなる剤返し部材を備え、
前記複数の磁極のうち前記規制部材に最近接する第1磁極の磁束密度の大きさをA(mT)、前記磁界発生手段の前記第1磁極と最近接する第2磁極の磁束密度の大きさをB(mT)、
前記第1磁極と前記第2磁極間の距離をL(mm)、前記第1磁極と前記第2磁極を結んだ直線上のうち、前記剤返し部材の表面との交点と前記第1磁極との距離をh(mm)、したとき、
h<(A/(A+B))×L
を満たすように前記剤返し部材と前記磁界発生手段が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、規制部材の直上流部の現像剤担持体の法線方向成分の磁界を弱めることで、現像剤不動層の発生を抑制し、長期にわたり現像領域に搬送する現像剤の層厚を安定して維持可能な現像装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態の画像形成装置の概略構成説明図である。 本発明の画像形成装置に用いられる現像装置の構成説明図である。 本発明の画像形成装置に用いられる現像装置の構成説明図である。 本発明の現像装置の規制ブレード直上流部の説明図である。 キャリア間の磁気的相互作用を説明する図である。 現像スリーブから受ける推進力を説明するための図である。 従来例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 本実施例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 比較例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 本実施例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 比較例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 比較例における現像剤に働く磁気力を模式的に示した図である。 磁気力の方向が変化する点を説明するための図である。 本発明の参考例1の現像装置の他の実施形態を説明する図である。 安息角の測定法を説明する図である。 本発明の実施例における境界面の移動を説明するための図である。 従来の現像装置の実施形態を説明する図である。
参考例1)
以下、図示の参考例1に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明が適用できる画像形成装置の一実施形態である、電子写真方式を採用したフルカラー画像形成装置の概略構成図を示す。
本実施形態にて、画像形成装置は、4つの画像形成部P(Pa、Pb、Pc、Pd)を備える。各画像形成部Pa〜Pdは、像担持体としての矢印方向(反時計方向)に回転するドラム状の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)を備える。その周囲には、帯電器2(2a、2b、2c、2d)、感光体ドラム1の図上方に配置した露光手段としてのレーザービームスキャナ3(3a、3b、3c、3d)、現像装置4(4a、4b、4c、4d)を備える。更に、その周囲には転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)、クリーニング装置19(19a、19b、19c、19d)などからなる画像形成手段を有する。
各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは同様の構成とされ、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdに配置された感光体ドラム1a、1b、1c、1dは同じ構成とされる。従って、感光体ドラム1a、1b、1c、1dを「感光体ドラム1」と総称する。同様に、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdに配置された画像形成手段も又、各画像形成部においてそれぞれ同じ構成である。従って、帯電器2a、2b、2c、2d、レーザービームスキャナ3a、3b、3c、3d、現像装置4a、4b、4c、4dは、それぞれ、帯電器2、レーザービームスキャナ3、現像装置4と総称する。また、転写ローラ6a、6b、6c、6d、クリーニング装置19a、19b、19c、19dは、転写ローラ6、クリーニング装置19と総称する。
次に、上記構成の画像形成装置全体の画像形成シーケンスについて説明する。
先ず、感光体ドラム1が、帯電器2によって一様に帯電される。感光体ドラム1は、矢示の時計方向に例えば273mm/secのプロセススピード(周速度)で回転する。
上記一様に帯電された感光体ドラム1は、次に、上記のレーザービームスキャナ3により、画像信号により変調されたレーザー光により走査露光が行われる。レーザービームスキャナ3は、半導体レーザーを内蔵しており、この半導体レーザーは、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置が出力する原稿画像情報信号に対応して制御され、レーザー光を射出する。
これによって、帯電器2によって帯電された感光体ドラム1の表面電位が画像部において変化して、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4によって反転現像され、可視画像、即ち、トナー像とされる。
本実施形態では、現像装置4は、磁性粒子を含む現像剤としてトナーと磁性キャリアを混合した現像剤を使用する2成分接触現像方式を用いている。しかしながら、トナーが磁性体を含んでいればトナーのみを現像剤として用いる1成分現像方式や非接触現像方式でも本発明の効果は得られる。本実施例では磁性キャリアが磁性粒子として用いられている。
又、上記工程を各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pd毎に行うことによって、感光体ドラム1a、1b、1c、1d上に、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像が形成される。
本実施形態では、各画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの下方位置には、中間転写ベルトとされる中間転写体5が配置される。中間転写ベルト5は、ローラ61、62、63に懸架され、矢印方向に移動自在とされる。
上記感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上のトナー像は、一次転写手段としての転写ローラ6(6a、6b、6c、6d)によって一度中間転写体である中間転写ベルト5に転写される。これによって、中間転写ベルト5上にてイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされ、フルカラー画像が形成される。また、感光体ドラム1上に転写されずに残ったトナーはクリーニング装置19に回収される。
この中間転写ベルト5上のフルカラー画像は、給紙カセット12から取り出され、給紙ローラ13、給紙ガイド11を経由して進行した紙などの転写材Sに、二次転写手段としての二次転写ローラ10の作用により転写される。転写されずに中間転写ベルト5表面に残ったトナーは中間転写ベルトクリーニング装置18に回収される。
一方、トナー像が転写された転写材Sは、定着器(熱ローラ定着器)16に送られ、画像の定着が行われ、排紙トレー17に排出される。
尚、本実施形態では、像担持体として、通常使用されるドラム状の有機感光体である感光体ドラム1を使用したが、勿論、アモルファスシリコン感光体等の無機感光体を使用することもできる。また、ベルト状の感光体を用いることも可能である。
帯電方式、現像方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
次に、図2及び図3を参照して、現像装置4の動作を説明する。図2及び図3は本実施形態に係る現像装置4の断面図である。
本実施形態に係る現像装置4は、現像容器22を備え、現像容器22内に現像剤としてトナーとキャリアを含む2成分現像剤が収容されている。また、現像容器22内に、現像剤担持体としての現像スリーブ28と、現像スリーブ28上に担持された現像剤の穂を規制する規制部材としての規制ブレード30を有している。規制ブレード30は、現像スリーブ28の表面に所定の間隙を設けて対向して設けられている。
本実施形態にて、現像容器22の内部は、その略中央部が紙面に垂直方向に延在する隔壁27によって現像室23と攪拌室24に上下に区画されており、現像剤は現像室23及び攪拌室24に収容されている。
現像室23及び攪拌室24には、現像剤攪拌・搬送手段として第1及び第2の搬送スクリュー25、26がそれぞれ配置されている。第1の搬送スクリュー25は、現像室23の底部に現像スリーブ28の軸方向に沿ってほぼ平行に配置されており、図示の矢印方向(反時計回り方向)に回転して現像室23内の現像剤を軸線方向に沿って一方向に搬送する。反時計回りとした理由は、現像スリーブ28への現像剤の供給という観点で有利だからである。また、第2の搬送スクリュー26は、攪拌室24内の底部に第1の搬送スクリュー25とほぼ平行に配置され、第1の搬送スクリュー25と反対方向(時計回り)に回転して攪拌室24内の現像剤を第1の搬送スクリュー25と反対方向に搬送する。このように、第1及び第2の搬送スクリュー25、26の回転による搬送によって、現像剤が隔壁27の両端部の開口部(即ち、連通部)11、12を通じて現像室23と攪拌室24との間で循環される。
本実施形態においては、現像容器22の感光体ドラム1に対向した現像領域に相当する位置には開口部があり、この開口部に現像スリーブ28が感光体ドラム1方向に一部露出するように回転可能に配設されている。
ここで、現像スリーブ28の直径は20mm、感光体ドラム1の直径は80mm、又、この現像スリーブ28と感光体ドラム1との最近接領域を約300μmの距離としている。こうすることによって、現像部に搬送した現像剤を感光体ドラム1と接触させた状態で、現像が行なえるように設定されている。なお、この現像スリーブ28はアルミニウムやステンレスのような非磁性材料で構成され、その内部には磁界手段であるマグネットローラ29が非回転状態で設置されている。このマグネットローラ29は、現像部における感光体ドラム1に対向して配置された現像極S2を有する。更に、規制ブレード30に対向して配置された磁極S1、前記磁極S1、S2の間に配置された磁極N2、現像室23及び撹拌室24にそれぞれ対向して配置された磁極N1及びN3を有している。各々の磁極の磁束密度の大きさは40mT〜70mTとしたが、現像に供されるS1極は100mTとした。
而して、現像スリーブ28は、現像時に図示矢印方向(時計方向)に回転し、前記規制ブレード30による磁気ブラシの穂切りによって層厚を規制された2成分現像剤を担持する。現像スリーブ28は、担持された現像剤を感光体ドラム1と対向した現像領域に搬送し、感光体ドラム1上に形成された静電潜像に現像剤を供給して潜像を現像する。この時、現像効率、つまり、潜像へのトナーの付与率を向上させるために、現像スリーブ28には電源から直流電圧と交流電圧を重畳した現像バイアス電圧が印加される。本実施形態では、−500Vの直流電圧と、ピーク・ツウ・ピーク電圧Vppが800V、周波数fが12kHzの交流電圧とした。しかし、直流電圧値、交流電圧波形はこれに限られるものではない。また、一般に、2成分磁気ブラシ現像法においては、交流電圧を印加すると現像効率が増して画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生し易くなる。このため、現像スリーブ28に印加する直流電圧と感光体ドラム1の帯電電位(即ち白地部電位)との間に電位差を設けることにより、かぶりを防止している。
現像領域に於いては、現像装置4の現像スリーブ28は、共に感光体ドラム1の移動方向と順方向で移動し、周速比は、対感光体ドラム1.75倍で移動している。この周速比に関しては、0〜3.0倍の間で設定され、好ましくは、0.5〜2.0倍の間に設定されればよい。移動速度比は、大きくなればなるほど現像効率はアップするが、あまり大きすぎると、トナー飛散、現像剤劣化等の問題点が発生するので、上記の範囲内で設定することが好ましい。
また、前記穂切り部材である規制ブレード30は、現像スリーブ28の長手方向軸線に沿って延在した板状のアルミニウムなどで形成された非磁性部材30で構成され、感光体ドラム1よりも現像スリーブ回転方向上流側に配設されている。そして、この規制ブレード30の先端部と現像スリーブ28との間を現像剤のトナーとキャリアの両方が通過して現像領域へと送られる。尚、規制ブレード30の現像スリーブ28の表面との間隙(ギャップ)を調整することによって、現像スリーブ28上に担持した現像剤磁気ブラシの穂切り量が規制されて現像領域へ搬送される現像剤量が調整される。本実施形態においては、規制ブレード30によって、現像スリーブ28上の単位面積当りの現像剤コート量を30mg/cmに規制している。また、本実施例では、現像スリーブ内のマグネットの磁極のうち、現像スリーブに最近接する磁極(カット極)を現像ブレードよりも現像スリーブ回転方向上流側に設けている。この構成とすることで、規制ブレードの対向部に、現像剤溜まりを形成させた上で規制を行われている。このような構成では、規制ブレード直上流部に現像剤を常に一定量確保できるので、安定して現像剤を現像スリーブに供給することが可能となる。
なお、規制ブレード30と現像スリーブ28は、間隙を200〜1000μm、好ましくは300〜700μmに設定される。本実施形態では500μmに設定した。
ここで、本実施例の特徴的な部分である規制ブレード位置上流の剤の動きについて更に詳しく説明する前に、従来の構成での規制ブレード位置上流の剤の動きについて説明する。図17は、従来例の規制ブレード位置の上流における2成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図である。
現像スリーブ28表面に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ128表面に担持され規制ブレード30の位置の現像剤搬送方向上流側近傍まで搬送される。規制ブレード130上流側近傍まで搬送された現像剤は一旦滞留し、規制ブレード130のエッジと現像スリーブ128表面との間のギャップ位置で層厚を規制されて一部が通過し現像領域に搬送される。一方、ギャップを通過できなかった残りの現像剤は規制ブレード130上流側近傍に滞留し現像剤不動層となる。したがって、規制ブレード130上流位置には現像スリーブ128の回転に追従して搬送される現像剤流動層と規制ブレード130でせき止められた現像剤不動層が形成されるのは従来の技術の項で述べたとおりである。
現像剤流動層と現像剤不動層が形成されると、その境界面において現像剤移動層が現像剤不動層と摺擦されることとなる。その結果、摺擦によってトナーがキャリアから離脱し、さらに摺擦による摩擦熱によって境界面で上記離脱トナーが固着気味となりトナー層を形成する。このようなトナー層は、耐久により成長し規制ブレード30と現像スリーブ28のギャップを阻害し、ギャップを通過する現像剤量が低下する。これにより、現像領域に搬送される現像剤量が変動し、濃度変動といった問題が発生するのも従来の技術の項で述べたとおりである。
上記問題の対策としては、現像剤不動層の発生そのものを抑えることができれば、流動層との境界面も存在しないため、トナー層の発生は当然起きない。しかしながら、現像スリーブ128上の現像剤量をある程度安定させるためには、規制ブレード128裏にある程度まとまった量の現像剤が必要である。その場合、規制ブレード28と現像スリーブ30の間のギャップを通過できなかった現像剤が現像剤不動層となることは避けがたい。そのため、現像剤不動層そのものの発生を完全に無くすことは難しい。
しかしながら、現像剤不動層そのものの発生を完全に抑えることができなくても、現像剤不動層と流動層の境界面を現像スリーブ28から遠く離れた位置に形成することができればよい。なぜなら、境界面に仮にトナーの固着層が発生しても規制ブレード30と現像スリーブ28のギャップを阻害することがない構成であるので問題は発生することがないからである。また、仮に問題発生にいたるとしても、発生までの時間を大幅に延ばすことが可能となるため、カートリッジ寿命やメンテナンス間隔も延ばすことができ、ユーザーやサービスマンにメリットが得られる。
そこで、本発明においては、現像剤不動層そのものの発生を抑えるのではなく、従来現像剤不動層であった領域の現像剤の動きをより活発にすることによって、問題発生の防止および抑制を行っている。現像剤不動層であった領域の現像剤の動きを活発にすることは現像スリーブ中のマグローラのマグネットパターンを変更することでも可能である。しかし、現像スリーブの本来持つ現像剤を安定量規制して現像領域まで搬送するという機能との両立を考えると現像スリーブ中のマグローラ以外で対応するほうがより好ましい。
そこで、本発明は、現像スリーブ28の回転方向に関して規制ブレード30よりも直上流側にある現像スリーブ28に生じている磁界に対して、少なくともスリーブ法線方向成分の磁界を打ち消す磁界を発生させる磁石を現像スリーブの外部に設ける構成とする。具体的には、規制ブレード30よりも直上流側にある現像スリーブ28の内面と対向するマグネットローラ29の表面の磁化領域と同極の磁石を対向配置させる。こうすることで、現像剤不動層であった領域の現像剤の動きをより活発にし、課題を解決しているのが特徴である。
図4には、本実施例の規制ブレード位置の上流における2成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図を示した。磁界発生手段である磁石40が現像スリーブの長手方向軸線に沿って配置されている。こうすることで、現像スリーブ28によって規制ブレード30の上流側まで搬送され溜まった現像剤は、図17に示したような磁石を配置しない従来例よりも流れが速く、不動層の領域もはるかに狭くなっていることが確認できる。
磁石を配置した場合に現像剤不動層であった領域の動きが活発になる理由を次に詳細に述べるが、その前に、従来の磁石を配置しない場合に現像剤不動層がどのように形成されるかについて述べる。
一般的に、規制ブレード30上流側の領域において、現像剤の搬送速度は現像スリーブ28近傍が最も速く、現像スリーブ28から離れるにつれて徐々に遅くなる。そして、最後には現像剤の搬送速度がなくなり、現像剤不動層となる。現像剤の搬送速度が現像スリーブ28から離れるにつれて徐々に遅くなる理由は、規制ブレード30上流側の領域において現像剤層にかかる力を考えることで理解できる。
規制ブレード30上流側の現像剤は現像スリーブ28の回転に伴い推進力を得て搬送される。この時、現像スリーブ30に接触した現像剤は現像スリーブ30から直接推進力を得て搬送される。さらに、キャリアのような磁性材料を含む現像剤が磁界中に配置されている場合は、現像剤は磁界により穂立ちを形成し、まとまって動く性質がある。このため、穂立ちの付け根にあたる現像剤が現像スリーブに接して搬送されることによって、現像スリーブに接触していない現像剤も推進力を得て搬送される。この点を詳しく述べれば、これは、キャリアのような磁性材料磁界中に配置された場合、外部磁場によってキャリア中に磁気モーメントが誘起され、各々のキャリアに誘起された磁気モーメント同士が相互作用することによる。外部磁場中の2つのキャリアを考えた場合、各々のキャリアには磁気モーメントが磁場方向に誘起されるが、図5(a)のように磁気モーメントが直列になるように並んだ場合(キャリアが磁力線に沿って並んだ場合)に一番強い引力が働く。一方で、図5(b)のように、磁気モーメントが並列になるように並んだ場合(キャリアが磁力線に垂直な方向に並んだ場合)には一番強い斥力が働く。これらの引力や斥力は外部磁場による吸引力と同等かそれ以上の大きさを持つ。そのため、図5(c)に示したように磁界中のキャリアは磁力線に沿って伸びるように連なりつつ、連なり同士は斥力によってお互いには間隔を保った状態、つまり穂立ちを形成する。このように磁気相互作用により形成された穂立ちは、穂立ちを形成した状態が最もエネルギー的に低い(安定)状態のため、移動する時も穂立ちを保ったまま移動する傾向がある。そのため、穂立ちの付け根で現像スリーブ28に接した現像剤が、現像スリーブ28の回転により動くと、現像スリーブ28に接触していない現像剤も推進力を得ることとなる。
上述の話からは、穂立ちを形成している限りは、現像剤の搬送速度は現像スリーブ28近傍であろうが現像スリーブ28から離れていようが変わらないように思われる。しかしながら、実際には、規制ブレード30上流の剤溜まり部においては、現像剤の搬送速度が現像スリーブ28から離れるに従って徐々に遅くなっていき、最後には搬送力がなくなり不動層が形成される様子が確認できる。これは現像剤がマグローラ29からの磁気力(吸引力)やその他の現像剤の重みを受けて押し付けられていることによって、押し付け力(垂直応力)に起因する摩擦が発生していることによる。この点を以下に詳しく述べる。
図6のように現像スリーブ28上の第1層目のキャリア層と第2層目のキャリア層を考える。現像スリーブ28より第1層目のキャリア層に与えられた推進力をFsとすると、先に述べたキャリア層の磁気相互作用による穂立ち的振る舞いからは、Fsは第2層目にもそのまま伝わると考えられる。しかしながら、現像剤層へは垂直応力(先に述べた押し付け力)に起因する摩擦力が働くため、第2層目の推進力Fs2は第1層目の推進力Fs1より摩擦力μσ分だけ小さくなる。第3層目の推進力fs3はfs2からさらに摩擦力分だけ小さくなり、第4層目以降も同様である。したがって、すべり面に働く現像スリーブ28からの推進力fsは現像スリーブからの距離が離れるに応じて減っていく。よって、現像剤の搬送速度も現像スリーブより離れるに従って速度が遅くなる。その結果、最後には搬送力がなくなり不動層が形成されるにいたる。
ここで、摩擦力μσについて述べれば、摩擦力は押し付ける力(垂直応力)σに比例して増える力である。ここで、垂直応力σは、主に現像剤がマグローラ29から受ける磁気力のうち現像スリーブ28表面に垂直な法線成分Frと現像剤がその他の現像剤より受ける重みW(=mg)との和からなる。摩擦係数μは一般にtanφと表記され、φを内部摩擦角と呼ぶ場合が多いが、その定義からも、現像剤に当てはめた場合は安息角と同義のもので、まさに現像剤のすべり出しはじめる角度を指す。
以上をまとめれば、キャリア層の磁気相互作用による穂立ち的振る舞いから、現像スリーブ28に接している現像剤が現像スリーブ28の回転により推進力を得ると、現像剤層は全体がまとまって動こうとする。しかしながら、実際には現像剤層が現像スリーブ28に押し付けられる押し付け力(垂直応力)に起因する摩擦力の存在により、現像スリーブ28から離れるに連れて現像剤の搬送速度は遅くなり、最後には不動層が形成されるにいたる。この時、垂直応力は主に現像剤に働く磁気力の内の法線成分Frと現像剤が受ける重みである。
以上から、現像剤に働く磁気力か現像剤が受ける重みを変化させれば、不動層の形成状態も変化することが期待できる。現像剤が受ける重みに関しては、現像剤溜まり量を減らすことで不動層を減らすことができそうだが、先に述べたように現像剤溜まり量を減らすことは現像スリーブ上の現像剤コート不安定性を招きかねない。そこで、本発明は磁界発生手段である磁石を配置することで、現像剤に働く磁気力を変化させて、現像剤動きが活発にしたのが特徴である。具体的には、現像剤に働く磁気力の内の法線成分Fr成分を小さくすることで不動層の原因となる垂直応力を小さくしている。以下に現像剤に働く磁気力に着目して詳しく述べる。
まず、比較例として従来の磁石を配置しない場合について述べると、図7には比較例である従来の磁石を配置しない場合の現像剤がマグローラ29から受ける磁気力を模式的に示した。矢印はその位置における力の方向、矢印の長さは力の大きさを表している。この図からも分かるように、現像剤に働く磁気力はどの位置でもほぼマグローラ29方向を向いており、磁気力を現像スリーブ28表面の接線成分Fθと法線成分Frに分解した場合、磁気力はほぼ法線成分Frからなっているといえる。磁気力の法線成分Frは先に述べたように垂直応力となり、結果として現像剤の摩擦力として働くものである。一方で、磁気力の接線成分Fθは垂直応力とはならず、むしろ現像剤の動きを活発にするものといえるが、図7に示した従来の磁石を配置しない場合においてはFθほとんど存在しないことが分かる。
図8には本実施例である従来の構成に磁界発生手段である磁石40を配置した場合の現像剤がマグローラ29から受ける磁気力を模式的に示した。磁石は片面がS面、もう片面がN面となるよう着磁されたものを用い、現像スリーブ28の長手方向軸線に沿って延在するように配置した。現像容器22の外側になお、後で理由を述べるように、磁石40はマグローラ29のうち規制ブレード30直近上流位置の極(以後カット極と呼ぶ)と反発磁界を形成するように同極同士で対向するように配置した。つまり、カット極S1に対して同極のS極面が略対向するように配置している。この図からも分かるように、従来の磁石40を配置しなかった場合の磁気力がほぼマグネットローラ29方向を向いていたのに対して、本実施例においては磁石40を配置した効果により磁気力が接線方向にも延びている。先にも述べたように、磁気力の法線成分Frが垂直応力となり結果として摩擦力につながるのに対して、磁気力の接線成分Fθは現像剤の動きをむしろ活発にするものである。したがって、従来不動層となっていた領域の現像剤が、磁石40を置いた効果により動き出しはじめることが期待されるが、実際、発明者らの検討によれば、実際に不動層の領域が小さくなるのが確認でき、発明の効果が得られた。更に、本実施例の構成にすることで、従来の構成よりも磁気力の法線成分Frを早く減衰させることができる。従って、不動層の発生の原因となる垂直応力を小さくすることができる。
ここで、磁石40の配置に関して述べておくと、磁石40はマグローラの規制ブレード直近上流位置の極(カット極)と反発磁界を形成するように配置する必要がある。そのためには、先に少し述べたように、カット極に対して同極を略対向して配置するのがよい。この点について、以下に述べる。
図9には比較例として、カット極S1に対して異極であるN極面を略対向させて磁石40を配置し場合の現像剤が受ける磁気力を模式的に示した。この図から分かるように、磁石40を配置した効果により、この比較例においても磁気力が法線方向だけでなく接線方向にも延びていることがわかる。このことから、磁気力の接線成分Fθにより現像剤の動きが促進されることが期待されるが、発明者らの検討に拠れば、実際にはむしろ現像剤の動きは停滞する方向に変化した。
その理由は、先に実施例として示した図8と比較してみるとよくわかる。図8のように同極を略対向させた場合はマグローラ29のカット極S1と磁石40を結ぶ領域から外側に向かって発散する方向に磁気力が働いている。これに対して、図9の比較例のように異極を略対向させ場合は、マグローラ29のカット極S1と磁石40を結ぶ領域に向かって内側に向かって磁気力が働いているのが分かる。この磁気力は強い吸引力となっている。そのため、現像剤はマグローラ29と磁石40の間の領域に大量に引き付けられ、身動き取れない状態に陥る。その結果、異極を略対向させた場合は、現像剤は動かなくなり、磁石40を配置することで不動層はむしろ増えることとなる。
一方、図8で実施例として述べた同極を対向させた場合は、発散するように外側に向かって磁気力が働いているので、異極を略対向させた場合のように大量に引き付けられ身動き取れなくなるということがない。ここでは、反発磁界が形成されていることが重要である。なぜなら、反発磁界の反発力により、現像剤が強く吸引されたり拘束されたりすることがなく、現像剤の動きを促進させることができるからである。従って、反発磁界を形成するように磁石を配置することが、本発明の課題解決には必要な条件である。同極同士が完全に対向していなくとも、反発磁界が形成されていれば、本発明の効果は得られる。また、磁石の配置位置は規制ブレードより現像剤搬送方向下流側に配置しても、反発磁界が形成されていればかまわない。逆にいえば、異極を対向させて配置した場合のように、強い吸引を促すように磁石を配置した場合は、仮に磁石を配置しても本発明の効果が十分得られない。
なお、ここでいう反発磁界を形成するように磁石を配置するとは、より正確には、反発する磁界が形成されるように磁石を配置することを述べており、その結果、磁石とマグローラ間には磁束密度の大きさがほぼ0となる領域が存在するような配置を指している。一方、反発磁界が形成されない場合は、磁石とマグローラ間には強い磁力線が形成されており、磁石とマグローラ間の磁束密度の大きさは周囲に比較して大きく、現像剤が磁石とマグローラ間に強く引きつけられる状況を指す。磁束密度の大きさは後に述べる方法で測定可能なので、磁束密度の大きさを測定すれば、反発磁界を形成するように磁石が配置されているかの確認をすることができる。
ここで、磁石の配置に関してさらに述べておくと、反発磁界を形成するようにマグローラのカット極に対して同極が略対向するように磁石を配置した場合でも、磁石をカット極のあまりに近くに配置した場合は、むしろ不動層の領域が増加する場合がある。これは、磁石をマグローラの磁極の近くに配置した結果、規制ブレード上流側の現像剤の一部を、新たに置いた磁石自身が拘束しまうためである。
磁石を配置した場合、反発磁界を形成するように配置したとしても、磁石とマグローラの間の空間に新たに磁石方向への磁気力が発生することとなる。この磁気力に引かれて現像剤が磁石に付着すると、その現像剤はその場に留まりつづけることとなり、新たな不動層となってしまう。これは、磁石が直接現像剤に触れないように、例えば現像容器の外側に磁石を配置した場合でも、現像容器越しに現像剤が付着してしまうので同じことである。現像スリーブのようにマグローラに引かれた現像剤を表面が移動することで搬送する機構を備えていれば、現像剤が留まらずに入れ替わることが可能だが、構成が複雑になるのでスペースやコストの観点でデメリットが大きい。
そこで、本発明においては、規制ブレード上流側の現像剤が存在している領域において、磁石方向に向かう磁気力が発生しないようにしている。具体的には、磁石の磁力の大きさや位置を調整して配置することで、上記問題を解決している。以下、詳細に述べる。
図10には、磁石40を現像スリーブ28から45mm離れた位置に配置した場合の現像剤中のキャリアに働く磁気力を示した。この時、磁石40の断面の大きさは縦4mm、横8mmで、磁束密度の大きさはカット極S1の磁束密度の大きさと略同じとした。本実施例においては、カット極S1の磁束密度の大きさが約50mTなので、磁石の磁束密度の大きさも50mTとした。また、この時、規制ブレードの上流側の剤溜まりはスリーブから約20mmの領域を覆うように存在しているとする。図10からも分かるように、この例においては、現像剤中のキャリアに働く磁気力が磁石40方向に向いている場所が、現像剤の存在領域(現像剤溜まり)に存在しない。従って、この例においては磁石40に現像剤が拘束されて動かなくなるということがない。まれに現像剤がつくことがあっても微量である。
図11には比較例として、磁石40の配置する位置を現像スリーブ28から30mmに近づけた場合の現像剤中のキャリアに働く磁気力を示した。磁石40の配置を変えた以外の条件は先の例と同じである。図からも分かるように、この例においては、現像剤中のキャリアに働く磁気力が磁石方向に向いている場所が、現像剤溜まり部分に存在する。そのため、現像剤溜まりにある現像剤のうちの一部が磁石により吸引され拘束される。現像剤溜まり部には次々と現像剤が供給されるが、それらの一部が次々と磁石に拘束され留まり続けることになるので、結果としてその箇所が不動層となってしまい、発明の効果が十分得られない。
図12にはさらに比較例として、図10の実施例に対し、磁石40の配置は45mmのまま磁石40の磁束密度の大きさを100mTにした場合の現像剤中のキャリアに働く磁気力を示した。この場合、カット極S1の磁力に比較して磁石40の磁力が大きいため、磁石方向への吸引力がよりマグローラよりの位置まで働くようになる。その結果、現像剤中のキャリアに働く磁気力が磁石40方向に向く場所が、剤溜まり部分に存在するようになる。そのため、現像剤溜まりにある現像剤のうちの一部が磁石40により吸引され拘束されるので、結果として、図11で述べた先の比較例と同様にその箇所が不動層となり、発明の効果が十分得られない。
以上の例から、現像剤中に働く磁気力が磁石方向に向いている場所が、剤溜まり部分に存在しないようにするために、磁石の配置や磁石の磁束密度の強さを調整することで、不動層の発生を抑制することができることが分かる。
現像剤に働く磁気力が磁石方向に向いている場所が剤溜まり部分に存在しないようにするには、剤溜まりに磁石自らの吸引力が及ばないように、剤溜まりからなるべく離れた位置に配置すればよい。しかしながら、離れた場所に磁石を配置すると本来の発明効果が得られにくいので、磁石の磁束密度の大きさは大きい方が好ましい。ただし、あまりに大きくすると、剤溜まり部分に磁石方向への磁気力が働く場合があるのは先に述べたとおりであり、磁気力が磁石方向に向く場所が存在しない範囲で、なるべく大きくすることで、発明の効果をより有効に得ることが可能である。この点で、磁石の磁束密度の大きさはカット極の磁束密度の大きさの少なくとも半分以上、好ましくはカット極の磁束密度の大きさ以上あることが望ましい。ただし、カット極の磁束密度の大きさより3倍以上大きくすると、磁石の吸引力が強くなりすぎて問題が生じる。
なお、ここで述べた磁性体である磁性キャリアにはたらく力(磁気力)Fは以下のように測定することができる。
これまで、現像スリーブの法線方向と周(接線)方向の2次元で話を進めてきたが、これは端部を除いて磁束密度Bの長手方向成分がほぼ0なので、2次元で話を進めても問題がないからである。磁束密度Bの長手方向成分がほぼ0となる理由は、以下のように考えれば理解することができる。即ち、ある単位長さの短いマグローラが複数連なってマグローラを形成していると考えた場合に、繰り返し境界条件が適用されるとすれば、同等のものが並んでいるのにどちらかに磁力線が伸びるということが起こりえないことからも理解できる。したがって、以下においても、現像スリーブの法線方向と周(接線)方向の2次元で話を進めることにする。
磁気力Fは外部磁界(磁束密度)をBとして以下の表せる。
F=(m・▽)B
ただし、F=(Fr,Fθ)
この時磁気力大きさは|F|=(Fr+Fθ1/2
ここで、上記式中の磁性キャリア中の磁気双極子モーメントmは、一般的に外部磁界に比例した磁化を持つので、以下のように表せる。
m=|A|B
F=|A|(B・▽)B
=−|A|▽B
Fr(r,θ)=−|A|{B(r,θ)−B(r+Δr,θ)}/Δr
Fθ(r,θ)=−|A|{B(r,θ)−B(r,θ+Δθ)}/rΔθ
ただし、|A|は透磁率などを含む関数であり、
キャリアが球形の場合は以下のように表せる。
|A|=(4π/μ)×(μ−1)/(μ−2)×r
ここで、rはキャリアの半径、μはキャリアの比透磁率、μ0は真空透磁率である。
以上から磁界の強さ|B|(={Br+Bθ1/2)に変化がある場合、磁束密度の小さい地点から磁束密度の大きな方向に向かい磁気力が生じることがわかる。逆に磁界の強さ|B|に変化がない方向には磁気力が働かないといえる。したがって、磁気力を知りたい領域において、磁界の大きさ(磁束密度)を連続的に測定していけば、その差分より上記式を元に磁気力Fの大きさおよび方向を求めることが可能である。
外部磁界の大きさ(磁束密度)|B|は市販のガウス(テスラ)メータで測定することが可能である。発明者らはベル社製ガウスメータ モデル640を用いた。ガウスメータによりプローブ先端部における1方向の磁束密度の測定が可能なため、r軸、およびθ軸、の2種類のプローブを用いて2方向の磁束密度(BrとBθ)を測定し、その結果より磁界の強さを導き出した。このように、磁束密度の測定を繰り返すことにより、磁界の強さの分布を導き、その結果を元に磁気力Fの大きさおよび方向を求めた。
測定の際、Δr、Δθは、小さくすればする程磁界の分布は正確に把握できるが、測定に時間がかかる問題がある。そこで、ΔrおよびrΔθは概ね5mm間隔で測定し、その間に関しては内挿することで近似的に把握することとした。その際、プローブはxyzステージに固定し、移動させながら連続的に測定を行った。
上記、測定結果および上記式を元にキャリアに働く磁気力が求まる。
例えば、半径が17.5μm、比透磁率μが12、真比重ρが4.8g/cmの球形と近似したキャリアの場合、真空の透磁率は4π×10−7なため、|A|=2.46×10−6となり、磁界の強さの2乗Bの測定値を元に磁気力が求まる。
Fr=|A|ΔBr/Δr=(2.5×10−6)/(2.5×10−4)×ΔBr
=10−2×ΔBr(N)
=10−2×(B −Br+Δr )(N)
磁界の強さの2乗の差分なので、磁界の強さが大きいほど、また差が大きいほど磁気力は大きくなる。磁界の強さがが小さい場合は差がある程度大きくても磁気力は小さい。これは実際の現象と一致する。
以上のようにすれば磁気力を把握することが可能であるが、ここで知りたいのは磁気力の向きが磁石方向に変化する場所であり、特にマグローラの磁極と磁石の間の領域なので、その領域に焦点をあてて測定すればよい。
例えば発明者らは、まずマグローラと磁石の間の領域をマグローラ側から磁石方向に向かって5mm毎にBrとBθを測定し、磁束密度Bの大きさの2乗|B|を各点で求めた。マグローラから離れるにつれて|B|の値が小さくなるが、しばらくすると大きくなりはじめる点があるので、その部分のみ細かく測定して、より正確に|B|の大きさが上昇に転じる点を把握した。
そして、その点より磁石側の領域は磁気力が磁石側に向いている領域とした。
先の図10〜図12は、以上のような測定結果を元にしている。
このような測定を元に、磁気力が磁石側に向いている領域を把握した上で、現像剤が存在している領域と磁気力が磁石側に向いている領域が重ならないよう、磁石の磁力や配置を調整すれば、本発明が解決しようとしている課題を解決することができる。
なお、磁石の位置や大きさを調整することは過度の試行錯誤を強いると思われるかもしれないが、現像剤に働く磁気力が磁石方向に向きはじめる位置は、以下のように予測することが可能であり、過度の試行錯誤を強いるものではない。
磁石の磁力とマグローラのカット極の磁力が同じ場合、現像剤に働く磁気力が磁石方向に向きはじめる位置は両者のほぼ中間の位置である。ここで、磁石の磁力を大きくすると、磁気力が磁石方向に向きはじめる位置がマグローラ側にずれる。一方、マグローラのカット極の磁力を大きくすると、磁石側にずれる。これは、磁石から磁気力の向きが変わる位置までの距離とマグローラのカット極から磁気力の向きが変わる位置までの距離が、各々の磁束密度の大きさの比によって決まっているからである。図13を用いて説明する。マグローラのカット極位置と磁石の距離をL(mm)とする。距離Lは、磁石のうち、カット極と対向する面における磁束密度のピーク位置と、カット極を結んだ距離とする。また、マグローラのカット極の磁束密度の大きさをA(mT)、磁石の前記ピーク位置における磁束密度の大きさをB(mT)とする。この場合、磁気力がマグローラ方向から磁石方向に向きを変える位置は、マグローラのカット極位置と磁石を結んだ線を概ねA:Bに分割する点Pである。従って、この点Pが剤溜まり部の外に存在するようにすれば、本発明の課題を解決することが可能である。
さらに、マグローラのカット極から磁気力が磁石方向に向きはじめる位置までの距離a(mm)、磁石から磁気力がマグローラ方向に向きはじめる位置までの距離をb(mm)は、それぞれ、a=(A/(A+B))×L、b=(B/(A+B))×Lと表せる。この時の、規制ブレード裏の現像剤溜まりの存在する領域のマグローラからの距離をh(mm)とすると、h<aを満足していれば、磁気力がマグローラ方向から磁石方向に向きを変える点Pが剤溜まりの外側に存在することになる。従って、次式
h<(A/(A+B))×L
を満足するように、磁石の磁力Bや磁石の位置Lを調整することで、本発明の課題を解決することが可能である。
先に述べた実施例および比較例について表1にまとめた。この表から、hが(A/(A+B))×Lよりも小さくなるように調整されていれば、現像剤量変動が良好(○)で、逆にhが(A/(A+B))×Lよりも大きい場合は、現像剤量変動が発生(×)していることが分かる。
ここで、マグローラのカット極位置と磁石の距離L(mm)について述べる。本発明においては、現像装置4を現像スリーブ29の軸方向に垂直な平面で切り取った断面(図13)で、マグローラ28のカット極S1の磁束密度の法線成分Brがピークとなる位置を一端とする。さらに、磁石40のカット極S1と同極面の中央位置(磁石40のカット極S1と同極面いおける磁束密度ピーク位置)をもう一端とする直線をひいた時の、直線の距離をマグローラのカット極位置と磁石の距離L(mm)とした。
また、規制ブレード裏の現像剤溜まりの存在する領域のマグローラからの距離h(mm)に関しては、上記直線上で現像剤溜まりの存在する領域の長さをh(mm)とした。
ただし、現像剤溜まり量は製品の設置された環境や耐久状況などにより多少変化する可能性がある。しかし、カット極の磁力により規制ブレード裏側の現像剤量を確保している構成なら、現像剤溜まり量は大きく変化することはない。そのため、以下に述べる標準仕様状態において測定されたh(mm)が先に述べた条件式を満たしていれば問題はほとんどない。尚、現像剤溜まりの存在する領域の長さhは、以下のように調整することができる。即ち、現像剤溜まりの存在する領域の長さをhは、剤溜まり領域に流入するトナー量と流出するトナー量で決定される。トナー流出量は、ブレードとスリーブのギャップ及び現像スリーブの回転速度で決まる。一方、トナー流入量は、現像スリーブへのトナーの汲み上げ量で調整することができる。具体的には、トナーを汲み上げる量を多くするには、汲み上げ極(図7のN1)のピーク磁力を大きくすればよい。また、汲み上げ極の半値幅を調整することでもトナーの汲み上げ量を調整することができる。ここで、汲み上げ極とは、反発極のスリーブ回転方向下流側の極のことを指す。本実施例では、汲み上げ極の磁力ピークを調整することで現像剤溜まりの存在する領域の長さhを調整した。
本発明においては、現像剤の帯電量が大きく嵩が増えやすい低湿度(湿度5%温度23℃)環境において、各色の画像比率が10%の標準的な画像をA4で1万枚耐久した場合における現像剤溜まりの存在する領域の長さをh(mm)とした。
上述したように、上記1万枚耐久までに現像剤溜まりの存在する領域の長さhが一時的に変動する場合があっても、1万枚耐久した時点においてh<(A/(A+B))×Lを満たしていれば本発明の効果を得ることができる。
磁石の配置に関してさらに述べると、図4に示したように本実施例においては磁石40を現像容器22の外側に配置した。これは、磁石に直接現像剤が触れないようにするためである。磁石に直接現像剤がくっつくと、その現像剤を剥すのは難しいため、予め直接触れない場所に配置している。
なお、規制ブレードの構成に関して、これまで非磁性板による規制ブレードについてメインに述べてきたが、その他の構成においても同様の議論が可能であり、効果も得られる。しかしながら、非磁性版と磁性板の組み合わせた規制ブレードや磁性板のみからなる規制ブレードについては、磁性板に向かって吸引力が働くので、その部分が現像剤不動層となりやすい。一方、本実施例で述べたような非磁性版のみで構成された規制ブレードの場合は、上記懸念点がない点でメリットがある。
また、本実施例は規制ブレードの現像剤搬送方向上流側にS1の次に異極N1が続く構成についてメインで述べたが、図14のようにS1の上流に同極S3が続く構成でも同様な効果が得られる。このような構成の場合S1からS3極の間は反発磁界が形成されているので、S1、S3間では磁気力が弱まっているが、カット極S1近傍の磁気力は本実施例で述べたカット極S1の上流側に異極N1が続く構成とほぼ同じである。従って、現像剤の振る舞いも規制ブレード直近部分に関して言えば、ほぼ同様である。従って、本実施例述べた発明の効果は、カット極S1の上流に同極S3が続く構成でも同じように得ることが可能である。
本実施例に用いた磁石は磁界を自ら発生するものであれば何でもよいが、例えば、鉄を含む各種金属元素や希土類元素で構成された合金磁性粉を着磁して得られる磁石を用いればよい。磁石は一面がS極、裏面がN極で構成されるようにすると、マグローラの軸方向全域に渡って反発磁界を形成しやすいので、本実施例においてもそのような構成のものを用いた。
最後に、本発明で用いられる現像剤について述べておけば、本実施例では非磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤についてメインに述べたが、これに限らない。それ以外の現像剤でも少なくとも磁性体を含む現像剤であれば、例えば磁性トナーのみからなる現像剤でもであっても同様の効果が得られる。
また、現像剤の安息角φは現像剤同士の摩擦係数の観点で、本発明の構成に影響を与える。実際、摩擦力求める際にも内部摩擦角φという形で式に含まれていた。発明者の検討に拠れば、安息角φに関しては20°〜70°の範囲にあることが必要であり、好ましくは30°〜60°の範囲、より好ましくは35°〜50°の範囲に設定されていることが好ましい。
安息角φの値が大きくなると、tanφが大きくなり、摩擦力μσ=(W+fr)tanφも大きくなり、例え、磁石を配置したとしても効果がでにくいという問題が起きる。一方、安息角の値が小さくなると、現像剤の流動性があまりに高くなり、本発明の課題以前に現像剤能力が低くなったり、飛散や漏れといった問題が発生したりする。
なお、現像剤の安息角とは、図15に示したように、上部から現像剤Dをふるい落としたときに下部にできる山の角度、即ち、図中の角度φである。この角度φ以下では、現像剤Dは自重で滑り落ちることはない。
安息角の測定は、例えば以下のような方法で可能である。
パウダーテスター(ホソカワミクロン社製:PT−N型)を用い、振動台に246μmの篩をセットし、その中に試料を250cc入れ、180秒振動させ、安息角測定用テーブル上のトナーの安息角を角度測定アームにより測定する。
本実施例では、現像スリーブの外部に磁石を配置することで反発磁界を形成する構成を説明をしたが、これに限らない。例えば、コイルに電流を流して磁界を発生させる電磁石の構成であってもよい。その場合、現像剤溜まりの存在する領域の長さhは、カット極に対向する側のコイルの端部におけるコイルの巻き中心と、カット極を結んだ直線上で規定すればよい。
(実施例
この実施例は、以下に述べる点で前記参考例1と相違しているが、他の点では前記参考例1と同様に構成されている。そのため、この実施例の説明において、前記参考例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
参考例1においては、現像剤に働く磁気力が磁石方向に向く領域が剤溜まり中に存在しないように磁石を配置していた。この構成においては、剤溜まり中の磁気力の向きが磁石方向に向いていないため、磁石に現像剤が急激に溜まることはない。しかしながら、長期間の耐久の中では、徐々に磁石近傍に現像剤が蓄積する可能性がある。磁石近傍に現像剤が蓄積してもすぐに影響が出るわけではないが、実質的な現像剤量が減ってしまうことや、磁石の引力で蓄積した現像剤が振動等の要因で落下すると、周りの現像剤と帯電量などが異なるために、濃度ムラとして最終画像に現れる可能性がある。
そこで、本実施例においては、現像剤に働く磁気力が磁石方向に向いている領域を剤返し部材によって埋めてしまったことが特徴である。
図16には、本実施例の規制ブレード位置の上流における2成分現像剤の状態を模式的に表した断面概略図を示した。マグローラ29や磁石40の磁力および磁石40の配置などは参考例1の図10と同じである。ただし、本実施例の特徴である剤返し部材41が新たに配置されているのが特徴である。剤返し部剤41は、磁気力の向きが磁石40方向に向いている領域を覆うように配置しているため、現像剤が磁石40に引きつけられることがなく、先に述べたような懸念がない点で参考例1よりメリットがある。ただし、部材が増える分コストが高くなるので、製品に要求されるコストや寿命などのスペックに応じて、適宜配置すればよい。
なお、剤返し部剤は中が空洞でも同様の効果が得られる。また材質に関しては非磁性材料で構成されていることが好ましい。磁性材料で構成されると、磁界中で磁化されるため、現像剤が付着してしまう。本実施例では、現像容器と同様にABS樹脂を用いた。
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像装置
28 現像スリーブ
30 規制ブレード
40 磁石
41 剤返し部材

Claims (1)

  1. 磁性粒子を含む現像剤を担持する回転可能な現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体の内部に設けられ、前記現像剤担持体の内面に対向して設けられた複数の磁極を備えたマグネットと、
    前記現像剤担持体と所定の間隙を設けて配置され、前記現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する非磁性からなる規制部材と、
    前記現像剤担持体の外部に設けられ、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記規制部材よりも直上流側にある前記現像剤担持体の領域に対向する前記マグネットの表面から発生する磁界に対して、少なくとも前記現像剤担持体の法線方向成分を打ち消す方向の磁界を発生する磁界発生手段と、を有する現像装置において、
    前記現像剤担持体の回転方向に関して、前記規制部材よりも上流側で前記現像剤担持体と前記磁界発生手段の間に設けられ、前記規制部材の上流側に滞留する現像剤の前記磁界発生手段側への移動を規制する非磁性からなる剤返し部材を備え、
    前記複数の磁極のうち前記規制部材に最近接する第1磁極の磁束密度の大きさをA(mT)、前記磁界発生手段の前記第1磁極と最近接する第2磁極の磁束密度の大きさをB(mT)、
    前記第1磁極と前記第2磁極間の距離をL(mm)、前記第1磁極と前記第2磁極を結んだ直線上のうち、前記剤返し部材の表面との交点と前記第1磁極との距離をh(mm)、したとき、
    h<(A/(A+B))×L
    を満たすように前記剤返し部材と前記磁界発生手段が設けられていることを特徴とする現像装置。
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