JP5586384B2 - ガスノズルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体製造用若しくは液晶製造用の成膜装置又はエッチング装置などに用いられるガスノズルおよびその製造方法に関するものである。
従来、半導体製造工程において、半導体ウエハに薄膜を成膜するための成膜装置、および半導体ウエハに微細加工を施すためのエッチング装置が用いられている。成膜装置では、原料ガスが反応室内に定常的に噴射され、この原料ガスを化学反応させることによって、ウエハ上に薄膜を形成する。また、エッチング装置では、原料ガスとしてハロゲン系腐食性ガスが導入され、この原料ガスをプラズマ化してエッチングガスとして用いることにより、半導体ウエハに微細加工を施す。
これらの装置は、原料ガスを導入するためのガスノズルを有している。このようなガスノズルとしては、従来から種々の形状や材質が提案されている。例えば、特許文献1には、Y焼結体からなり、原料ガスの一つであるハロゲン性腐食性ガスの流れる内面が焼成したままの面であるガスノズルが記載されている。
この構成によれば、ガスが流れる内面が焼成したままの面であり、研削加工面の加工紛糾層をなくすことができるため、その加工紛糾層からパーティクルが脱落してウエハ上に付着することを抑制することができるとされている。
特開2000−195807号公報
しかし、ガスが流れる流路の内面を焼成したままの面とするためには、焼成前にその流路を、焼成による寸法変化を考慮して形成しておく必要がある。焼成後の寸法が所望の値となるように、流路を予め形成することは、その流路の形状が複雑であればあるほど、又は長さが長くなればなるほど困難であった。
よって、高い寸法精度で製造することができ、かつパーティクル・ダストの排出を抑制することができるガスノズルおよびその製造方法が求められている。
本発明の一態様に係るガスノズルは、ガスが流れる貫通孔を備えた本体を有するガスノズルであって、前記本体は、前記貫通孔の内周面に環状の段差部を複数有し、前記貫通孔は、前記ガスが流れる方向における前記各段差部よりも下流の領域における下流側内周面が、該各段差部よりも上流の領域における上流側内周面と比較して、前記貫通孔のより中心側に位置しており、前記貫通孔は、前記段差部を境界として軸の方向が変化している
本発明の一態様に係るガスノズルの製造方法は、上記ガスノズルの製造方法であって、前記貫通孔が形成される前の前記本体を準備する準備工程と、前記本体の表面に穴あけ加工を行なうことによって、前記本体を貫通しない第1穴部を形成する第1穴部形成工程と、前記第1穴部の底面に穴あけ加工を行なうことによって、該底面に開口を有する第2穴部を形成する第2穴部形成工程とを備え、該第2穴部形成工程を複数回行なうことによっ
て、前記本体を貫通する前記貫通孔を形成する。
本発明の一態様に係るガスノズルによれば、貫通孔の内周面からパーティクルが脱落したとしても、そのパーティクルが貫通孔の内周面に沿って落下し、段差部に留まるため、パーティクルが貫通孔から排出されることを抑制することができる。
本発明の一態様に係るガスノズルの製造方法によれば、パーティクルの排出を抑制することができるガスノズルを高い寸法精度で製造することができる。
本発明の第1の実施形態によるガスノズルを用いた成膜装置の構成例を示す断面図である。 (a)は本発明の第1の実施形態によるガスノズルの構成例を示す斜視図、(b)は(a)のA1−A1線における断面図である。 本発明の第1の実施形態によるガスノズルの別の構成例を示す断面図である。 (a)は研削部材の構成の概略を示す斜視図であり、(b)は(a)の研削部材を用いて本体に穴あけ加工を行う際の様子を示した模式的な図である。 本発明の一実施形態によるガスノズルの製造方法を示し、特に本体に貫通孔を形成する方法を説明するための模式的な図である。 (a)は本発明の第2の実施形態によるガスノズルの構成例を示す斜視図、(b)は(a)のA3−A3線における断面図である。 本発明の一実施形態によるガスノズルの製造方法を示し、特に本体に貫通孔を形成する方法を説明するための模式的な図である。 (a)は本発明の第2の実施形態によるガスノズルの別の構成例を示す斜視図、(b)は(a)のA4−A4線における断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の第1の実施形態によるガスノズルを用いた成膜装置1は、例えばプラズマCVD法により基板に薄膜を成膜する装置である。成膜装置1は、薄膜を成膜するための反応室2と、反応室2内に原料ガスを導入するガス導入管3と、反応室2内においてガス導入管3に接続されたガスノズル4とを備えている。ウエハ等の基板5は、内部電極6を備えた静電チャックなどのウエハ保持部7上に載置される。内部電極6は、反応室2の外部のバイアス電源8に接続される。さらに、反応室2の外部には、反応室2内にプラズマを生成するためのコイル9および電源10が設けられている。
このような成膜装置1において、基板5の上方では、ガスノズル4から供給された原料ガスが、コイル9および電源10によってプラズマ化され、基板5上に薄膜が堆積形成される。例えば、基板5上にSiO絶縁薄膜を形成するときは、SiH(シラン)ガス、Arガス、およびOガス等の原料ガスが供給され、不要堆積物をクリーニングするときはNF(三フッ化窒素)ガス、又はC8(オクタフルオロプロパン)ガス等のク
リーニングガスが供給される。
次に、成膜装置1に使用されるガスノズル4について説明する。図2に示すように、本発明の第1の実施形態によるガスノズル4は、ガスが流れる貫通孔12を備えた本体13を有する。本体13は、例えば円柱状である。貫通孔12は、ガスが流れる流路であり、
ガスが供給される供給口14とガスが排出される排出口15とを有する。図2に示したガスノズル4では、供給口14および排出口15が、円柱の上面および下面にそれぞれ設けられている。図2のガスノズル4では、貫通孔12の個数は4つであり、本体13を上面視したときに、4つの供給口14が、本体13の中心から等しい距離にあるように配置されている。
また、本体13は、貫通孔12の内周面に環状の3つの段差部16a,16b,16cを有する(以下、段差部16a,16b,16cを区別しない場合には、単に「段差部16」と表記する)。これらの貫通孔12は、ガスが流れる方向における各段差部16a,16b,16cよりも下流の領域における下流側内周面が、該各段差部16a,16b,16cよりも上流の領域における上流側内周面と比較して、貫通孔12のより中心側に位置している。ここで、ガスが流れる方向は、図2において矢印Fで示している。
上記ガスノズル4では、貫通孔12の内周面に複数の段差部16a,16b,16cが設けられ、貫通孔12が、ガスが流れる方向における各段差部16a,16b,16cよりも下流の領域における下流内周面が、各段差部16a,16b,16cよりも上流の領域における上流内周面と比較して、貫通孔12のより中心側に位置していることから、ガスの流れと共に、貫通孔12の内周面からパーティクルが脱落したとしても、そのパーティクルが貫通孔12の内周面に沿って落下し、段差部16に留まるため、パーティクルが貫通孔12の排出口15からガスと共に排出されることを抑制することができる。
なお、パーティクルとは、研削加工面の加工紛糾層から脱落するパーティクルだけでなく、洗浄不足により、もともと貫通孔12の内部に付着していた汚れから発生するパーティクルなども含む。
また、貫通孔12は、上流側内周面と下流側内周面との間に接続される面(段差部16の表面)と、上流側内周面との間のなす角度が、0°以上90°以下であることが好ましい。なお、図2に示した構成は、この角度が90°の場合である。このような角度であると、段差部16aにおいてパーティクルが留まりやすくなる。
なお、図2には、段差部3を3つのみ記載しているが、これらの段差部3は、複数設ければよく、3つに限らない。また、図2に示したガスノズル4では、貫通孔12は4つ設けられているが、基板5上に安定したプラズマを発生させ、均一な膜厚の薄膜を形成するために、より多くの貫通孔12が設けられてもよい。
また、図2(b)に示すように、貫通孔12は、段差部16を境界として複数の部位S1〜S4に分割することができる。ここで、第1部位S1は、供給口14と段差部16a(以下、「第1の段差部16a」ともいう)との間の部位を示し、第2部位S2は、第1の段差部16aと段差部16b(以下、「第2の段差部16b」ともいう)との間の部位を示す。また、第3部位S3は、第2の段差部16bと段差部16c(以下、「第3の段差部16c」ともいう)との間の部位を示し、第4部位S4は、第3の段差部16cと排出口15との間の部位を示す。
例えば、図2(b)に示した第4部位S4のように、第3の段差部16cを境界として貫通孔12の軸の方向が変化している場合は、貫通孔12内でパーティクルが発生したとしても、第3の段差部16cにおいてパーティクルが留まりやすくなり、そのパーティクルが排出口15からガスと共に排出されることをより効果的に抑制することができる。
さらには、貫通孔12が、供給口14と段差部16aとの間、段差部16cと排出口15との間、又は段差部16同士の間において曲がっている場合も、その曲がっている部分
においてパーティクルがより留まりやすくなることから、そのパーティクルがガスと共に排出口15から排出されることをより効果的に抑制することができる。なお、ガスが流れる方向におけるこの曲がっている部分の前方と後方とで、貫通孔12の内周面は中心軸に対して同じ距離だけ離れた位置にある、すなわち径方向において同じ位置にある。
なお、本実施形態によるガスノズル4において、貫通孔12は、第3の段差部16cを境界として軸の方向が変化しているが、第1又は第2の段差部16a,16bを境界として軸の方向が変化していてもよい。ただし、第3の段差部16cを境界として貫通孔12の軸方向を変化させ、第4部位S4を傾斜させれば、複数の排出口15を本体13の下面に分散させて設けることができ、より好ましい。この場合は、基板5上に形成する薄膜の膜厚分布のばらつきを低減することができる。また、同様の理由で、貫通孔12を途中で曲げる場合にも、段差部16cと排出口15との間で貫通孔12を曲げることが好ましい。
なお、図2(b)に示した第4部位S4の傾斜角度、すなわち第3部位S3の軸方向と第4部位S4の軸方向とのなす角度は、本体13の下面において排出口15をどのように配置するかに応じて、適宜設定すればよい。このとき、0°以上90°以下の範囲において上記角度が大きいほど、パーティクルを留める効果が大きくなる。
さらに、上述したように、段差部16を境界として貫通孔12の軸方向を変化させる、又は貫通孔12を途中で曲げる場合には、貫通孔12の排出口15を本体13の下面ではなく、側面に設けることもできる。
上述したガスノズル4は、少なくとも貫通孔12の内周面が、原料ガスに対する耐腐食性の観点からセラミックスからなることが好ましい。このセラミックスの一例として、酸化アルミニウム(アルミナ)が挙げられる。また、原料ガスとして腐食性ガスを用いた場合は、貫通孔12の内周面も腐食性ガスのプラズマに晒されることから、さらに耐腐食性を向上させるために、希土類を含むセラミックスを用いることが好ましい。一例としては、イットリア、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)などが挙げられる。特に貫通孔12の内周面における排出口15に近い部位は、プラズマに晒される可能性が高いため、これらのセラミックスによって形成することが好ましい。
また、本体12全体が希土類を含むセラミックス、例えばY焼結体からなる場合には、本体13の外表面もプラズマに対する耐食性が向上するため、ガスノズル4が腐食性ガスのプラズマに曝される環境下またはプラズマ密度の高い環境下で用いられたとしても、長い寿命を保持することができる。
次に、本実施形態によるガスノズルの製造方法の一例を説明する。以下では、本体13をセラミック焼結体で形成する場合について説明する。まず、本体13をアルミナ焼結体で形成する場合、主原料として、純度99%以上のアルミナ粉体に、助剤成分としてSiO2、MgO、およびCaOをそれぞれ添加するとともに、有機バインダーを添加して、
ボールミル、アトラクションミル、ピンミル、又は振動ミル等により混練し、泥漿(スラリー)を作製する。そして、このスラリーを押出成形法、射出成形法、鋳込成形法、又はテープ成形法等のセラミック成形手段により所定の形状に成形する。なお、このセラミック成形法の代わりに、上記スラリーをスプレードライヤにより造粒して顆粒を製作し、金型プレス、又はラバープレス等のセラミック成形法により所定の形状に成形してもよい。
そして、得られた成形体を大気雰囲気中にて1400〜1700℃の温度にて本焼成することにより、アルミナ焼結体を得ることができる。
また、本体13をY焼結体で形成する場合、まず、Y焼結体を形成する場合についても以下に説明する。まず、イオン交換水を溶媒として、Y粉末をボールミ湿式解粉した後、有機バインダーを添加して、スラリーを作製する。その後、スラリーをスプレードライにて造粒する。造粒したY粉末を用いて、金型プレス、又はラバープレス等のセラミック成形法により所定の形状に成形する。この成形法の代わりに、鋳込み成形、押し出し成形、射出成形、テープ成形により所定の形状に成形してもよい。そして、このような方法で成形したY成形体を必要に応じ400〜600℃で脱脂して有機バインダーを分解した後、大気雰囲気中または酸素雰囲気中の何れかにて1400〜1700℃で焼成することにより、Y焼結体を得ることができる。
以上のようにして得られたアルミナ又はYからなる焼結体は、本体13の貫通孔12が形成される前の焼結体であり、以下では、「本体用焼結体」という。
次に、本体用焼結体26に貫通孔12を形成する。この貫通孔12は、種々の方法により形成することができるが、以下では、一例として研削により形成する方法を説明する。
まず、本体用焼結体26の表面に研削により穴あけ加工を行う。これは、例えば、図4に示すような研削部材27aを用いて行うことができる。この研削部材27aは、先端28にダイヤモンド砥粒が付着されており、この先端28を本体用焼結体26の表面に挿入して、該表面を研削することにより、本体用焼結体26の表面に穴部(以下、「第1穴部」ともいう。)30を形成することができる。この研削部材27aは、先端28と反対側の端部29が外部装置に取り付けられ、その外部装置によって先端28の上下移動および回転駆動が制御される。また、この研削は、図5に示すように、加工点に研削液31を流しながら行う。この工程で形成された第1穴部30は、本体用焼結体26を貫通するものではなく、本体用焼結体26の内部に底面32を有する。
次に、先端の径が研削部材(以下、「第1の研削部材」ともいう。)27aよりも小さい研削部材(以下、「第2の研削部材」ともいう。)27bを用いて、穴あけ加工を行う。これは、第2の研削部材27bの先端を、第1穴部30の底面32に挿入して該底面32を研削することにより行う。これにより、底面32に開口を有する穴部(以下、「第2穴部」ともいう。)33を形成する。この工程で形成された第2穴部33は、第1穴部30よりも径が小さい。また、第2穴部33は、本体用焼結体26を貫通するものではなく、本体用焼結体26の内部に底面34を有する。なお、この底面32は、貫通孔16の上流側内周面と流側内周面との間に接続される面となる。
その後も同様に、直前に用いた研削部材よりも先端の径が小さい研削部材を用いて、直前に作製した穴部の底面に開口を有する穴部35を形成する。そして、最後に形成する穴部35は、本体用焼結体26の表面に到達し、その結果本体13を貫通する。この貫通によって本体用焼結体26の表面に形成された開口は、排出口15となる。
図5に示すように貫通孔12の内周面に2つの段差部16a,16bを形成する場合、3種類の研削部材を用いて穴あけ加工を行うことにより、貫通孔12を形成することができる。3種類の研削部材の先端の径は、例えば、第1の研削部材27aがφ3、第2の研削部材27bがφ4、第3の研削部材27cがφ5である。
また、上述の研削部材27a,27b,27cは、柱状の先端28を有する。この柱状の先端28は、貫通孔12の軸方向に垂直な断面と同じ形状の底面を有する。これにより、図2に示すような階段状の段差部16を形成することができる。
本実施形態によるガスノズル4では、本体用焼結体26を貫通する孔を一度の工程で形
成するのではなく、複数の工程を経て形成する。そして、各工程において、長さが短い各部位S1,S2,S3,S4を個別に形成する。各部位S1,S2,S3,S4は長さが短いために、それぞれの部位を高い寸法精度で形成することができ、結果として、貫通孔12全体を高い寸法精度で形成することができる。よって、貫通孔12が多少長い場合であっても、貫通孔12を精度良く形成することができる。
また、本実施形態によるガスノズルの製造方法によれば、本体13を貫通する孔を複数の穴あけ工程によって形成するため、各穴あけ工程における加工深さを小さくすることができる。よって、一度の穴あけ工程で貫通孔12を形成する場合と比較して、加工力を小さくすることができ、本体用焼結体26に与えるダメージを小さくすることができる。なお、上記加工力とは、研削部材27の先端28によって本体用焼結体26の表面に加えられる押圧力や回転力などである。
このように本体用焼結体26に与えるダメージが小さいと、穴あけ加工後の本体13において貫通孔12の内周面に加工によるダメージが残ることを抑制することができ、ダメージのあった表面が剥離するなどして、パーティクルが発生することを抑制することができる。
なお、上述の製造方法の効果は、本体13の材質がセラミック焼結体以外の材質である場合にも得られる。
また、本体13が、比較的強度が低いY焼結体からなる場合は、一度の穴あけ工程で貫通孔12を形成するよりも、複数の工程を経て貫通孔12を形成する方が、本体13に与えるダメージが小さいため、より好ましい。本実施形態による製造方法によれば、本体13が比較的強度が低い材質からなる場合でも、複雑な形状を有する貫通孔12を比較的容易に形成することができる。
なお、上述の説明では、貫通孔12を形成するための方法として、研削部材を用いた穴あけ加工を例に挙げたが、その他の方法であってもよい。例えば、レーザー加工、又は超音波加工等であってもよい。さらには、本体13の焼成前に、例えば仮焼成の段階で、各部位S1,S2,S3,S4を切削加工し、その後焼成を行ってもよい。その場合であっても、各部位S1,S2,S3,S4は長さが短いために比較的精度良く形成することができるため、従来のように、焼成前に一度に貫通孔12を形成する場合と比較して、高い寸法精度で貫通孔12を形成することができる。
なお、貫通孔12を上述した研削加工によって形成する場合、本実施の形態によるガスノズル4によれば、貫通孔が複数の段差部16を有し、深さ方向に沿って各段差部16の上方よりも下方において貫通孔12の径が小さいため、深さ方向に径が同じである貫通孔12と比較して、研削液を加工点(本体13の表面と先端28が接触している点)に供給しやすく、加工速度を維持しながら精度よく研削を行うことができる。
また、貫通孔12を深さ方向に径を等しくして形成することは、深さが深くなればなるほど困難であり、例えば研削部材が最初に挿入される開口部において径が大きくなるといった不具合が生じやすい。本実施の形態によるガスノズル4では、貫通孔12を複数の工程により形成することから、貫通孔12を比較的容易に、かつ精度良く形成することができる。
また、本体13がセラミック焼結体からなる場合、各部位S1,S2,S3,S4の1つ以上において、貫通孔12の内周面が焼成したままの非加工面であってもよい。焼成したままの面は、加工破砕層を含まないため、パーティクルが脱落して落下することを抑制
することができる。特に、排出口15に最も近い(第4部位S4)は、ガスが流れる方向において後方に段差部16が存在しないことから、その内周面が焼成したままの面であると、パーティクルが脱落することを抑制することができ、より好ましい。この場合、本体用焼結体26には、第4部位S4における穴部が予め形成されていることになるため、その穴部の位置を考慮して、各部位S1〜S3における穴部を形成するとよい。ただし、貫通孔12の寸法精度をより高めたい場合には、各部位S1,S2,S3,S4のいずれか1つのみにおいて内周面が焼成したままの面であってよく、又は全ての部位において内周面を研削面にしてもよい。その場合には、上述したように、貫通孔12の軸方向を変化させるなどして、パーティクルの排出口からの噴射を抑制することができる。
なお、貫通孔12全体の長さを所望の長さにすることができれば、貫通孔12の開口部と段差部16との間の距離、および隣接する2つの段差部16間の距離は任意であってよい。しかし、貫通孔12において供給口14に近い部位は、ガス導入管3からガスが直接吹き付けられることによりパーティクルが発生しやすいため、供給口14からあまり距離をあけないようにして段差部16を形成することが好ましい。また、排出口15と排出口15に最も近い段差部16との間の部位は、ガスが流れる方向において後方に段差部16が存在しないことから、距離をあまり長くしないほうがよい。よって、貫通孔12の開口部と段差部16との間の距離は、隣接する2つの段差部16間の距離よりも小さいことが好ましい。また、貫通孔12の開口部と貫通孔12の中央部との間に段差部16を設けることができれば、これらの段差部16、すなわち供給口14に最も近い段差部16と、排出口15に最も近い段差部16と間には、それほど多くの段差部16を設ける必要はなく、ガスの種類や貫通孔12の長さによっては、段差部16が設けられなくてもよい。
(第2の実施形態)
図6に示すように、第2の実施形態によるガスノズル44は、第1の実施形態によるガスノズルと同様に、本体13に4つの貫通孔12が設けられている。しかし、本実施形態によるガスノズル44は、これらの貫通孔12が、供給口14と該供給口14に最も近い段差部16aとの間の部位を共有している。
具体的に、各貫通孔12は、3つの部位を有している。第1部位S1は、供給口14と第1の段差部16aとの間の部位であり、第2部位S2は、第1の段差部16aと第2の段差部16bとの間の部位であり、第3部位S3は、第2の段差部16bと排出口15との間の部位である。ガスノズル54は、4つの貫通孔12が、第1部位S1を共有している。
このようなガスノズル44の製造方法は、本体用焼結体26の製造までは、第1の実施形態によるガスノズルの製造方法と同様であるが、本体用焼結体26に貫通孔12を形成する方法が異なる。
貫通孔12を研削によって形成する場合、まず、本体用焼結体26の表面に穴あけ加工を行う。これは、第1の実施形態によるガスノズルを製造する場合に用いた第1の研削部材27aよりも先端の径が大きい第4の研削部材27dを用いて行う。これにより、本体用焼結体26の表面に第1穴部45を形成する。この工程で形成された第1穴部45は、本体用焼結体26を貫通するものではなく、本体用焼結体26の内部に底面46を有する。なお、この第1穴部45は、各貫通孔12の第1部位S1となる。
次に、先端の径が第4の研削部材27dよりも小さい第5の研削部材27eを用いて、穴あけ加工を行う。これは、第5の研削部材27eの先端を、第1穴部45の底面46に挿入して研削することにより行う。これにより、底面46に開口を有する穴部(以下、「第2穴部」ともいう。)47を形成する。ここで、形成される穴部の個数は、貫通孔12
の個数と同じである。すなわち、第5の研削部材27eを用いて、底面46に開口を有する4つの穴部を形成する。
この工程において、底面46に開口を有する第2穴部47は、第1穴部45よりも径が小さい。また、第2穴部47は、本体用焼結体26を貫通するものではなく、本体用焼結体26の内部に底面48を有する。
その後も同様に、直前に用いた研削部材よりも先端の径が小さい研削部材を用いて、直前に作製した穴部の底面に開口を有する穴部49を形成する。そして、最後に形成する穴部49は、本体用焼結体26を貫通し、その貫通により本体用焼結体26の表面に形成された開口は、排出口15となる。
本実施の形態によるガスノズル44によれば、複数の貫通孔12の間で第1部位S1を共通にすることにより、上面視したとき(図7の矢印B方向から視たとき)の段差部16aの面積が大きくなり、段差部16aにおけるガスが流れる方向に垂直な面の面積が大きくなるために、パーティクルの脱落をより効果的に抑制することができる。
また、図8に示すように、本体13に設けられた複数の貫通孔12が、供給口14と該供給口14に最も近い段差部16aとの間の部位、および段差部16aと段差部16bとの間の部位を共有していてもよい。その場合には、上面視したときの段差部16aおよび段差部16bの面積が大きくなるために、パーティクルの脱落をより効果的に抑制することができる。一般に、設計上の都合による形状の制約による問題が大きいが、このように段差部16におけるガスが流れる方向に垂直な面の面積が大きいと、パーティクルの脱落をより効果的に抑制することができる。
1 成膜装置
2 反応室
3 ガス導入管
4,44,54 ガスノズル
5 基板
12 貫通孔
13,26 本体
14 供給口
15 排出口
16a,16b,16c, 段差部
27 研削部材
28 先端

Claims (8)

  1. ガスが流れる貫通孔を備えた本体を有するガスノズルであって、
    前記本体は、前記貫通孔の内周面に環状の段差部を複数有し、前記貫通孔は、前記ガスが流れる方向における前記各段差部よりも下流の領域における下流側内周面が、該各段差部よりも上流の領域における上流側内周面と比較して、前記貫通孔のより中心側に位置しており、
    前記貫通孔は、前記段差部を境界として軸の方向が変化していることを特徴とするガスノズル。
  2. 前記貫通孔の開口部と前記段差部との間の距離は、隣接する2つの前記段差部間の距離よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のガスノズル。
  3. 前記貫通孔は、該貫通孔の開口部と前記段差部との間、または隣接する2つの前記段差部の間において曲がっていることを特徴とする請求項1または請求項のいずれかに記載のガスノズル。
  4. 前記本体は、複数の前記貫通孔を有し、これら貫通孔が前記ガスが供給される供給口と該供給口に最も近い前記段差部との間の部位を共有していることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のガスノズル。
  5. 前記本体は、セラミック焼結体からなり、前記貫通孔の前記内周面は、前記ガスが排出される排出口と該排出口に最も近い段差部との間において、焼成したままの非加工面であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載のガスノズル。
  6. 前記セラミック焼結体は、少なくとも希土類元素を含む請求項に記載のガスノズル。
  7. 請求項1からのいずれかに記載のガスノズルの製造方法であって、
    前記貫通孔が形成される前の前記本体を準備する準備工程と、
    前記本体の表面に穴あけ加工を行なうことによって、前記本体を貫通しない第1穴部を形成する第1穴部形成工程と、
    前記第1穴部の底面に穴あけ加工を行なうことによって、該底面に開口を有する第2穴部を形成する第2穴部形成工程と
    を備え、
    該第2穴部形成工程を複数回行なうことによって、前記本体を貫通する前記貫通孔を形
    成することを特徴とするガスノズルの製造方法。
  8. 前記第1穴部形成工程では、前記本体の表面に第1研削部材の先端を挿入して研削することにより前記第1穴部を形成し、前記第2穴部形成工程では、前記第1穴部の底面に前記第1研削部材の先端よりも径の小さい第2研削部材の先端を挿入して研削することにより、前記第2穴部を形成することを特徴とする請求項に記載のガスノズルの製造方法。
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