JP5586204B2 - 建物の屋根構造 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の屋根構造に関する。
住宅等の建物では、柱や梁等を組み付けて構築される建物本体上に複数の束を立設するとともに複数のブラケットを設置し、それら各束及び各ブラケットによって複数の屋根パネルを支持することにより屋根を形成する屋根構造が採用されている。例えば、寄棟屋根においては、屋根パネルとして、三角形状に形成されたもの、台形形状に形成されたもの等、様々な形状のものが用いられる。かかる屋根パネルは製造工場において予め製造された後、トラックに積載されて施工現場へ搬送される。具体的には、屋根パネルは、トラックにおいて横倒しにした状態で上下に多段積みにされて搬送される。
ところで、トラックによる屋根パネルの搬送は、搬送コストの増大を抑制するためにはできる限り少ない台数で行うのが望ましい。そのため、従来より屋根パネルの運搬効率を向上させるために様々な積載方法が考えられており、例えば特許文献1には、直角三角形状に形成された一対の屋根パネルを、互いの短辺同士を対向させ、かつ、互いの長辺をトラックの荷台の前後方向に向けた状態でトラックに積載する積載方法が示されている。これによれば、直角三角形状の屋根パネルを各段に二つずつ積載することができるため、運搬効率の向上を図ることができる。
特開2001−88603号公報
しかしながら、上記特許文献1の積載方法では、屋根パネルの大きさが所定の大きさを超えると、対にした屋根パネルの長手方向の長さ(つまり、屋根パネルの長辺部が延びる方向の長さ)がトラックの荷台長さよりも大きくなり、その結果二つの屋根パネルをトラックに積載できなくなることが考えられる。そのため、かかる場合には、屋根パネルを各段に一つずつ積載せざるをえず、結果として輸送効率の低下を招くおそれがある。
一方、屋根パネルを上記の積載方法で積載できる大きさに小さく分割することも考えられるが、この場合には屋根パネルの個数が増加し、ひいては屋根パネルを支持するための支持部材の個数が増加することが想定される。そのため、支持部材の設置工数や支持部材に対する屋根パネルの取付工数(つまりは屋根の施工工数)の増大を伴うおそれがある。
また、かかる問題は、三角形状の屋根パネルをトラックに積載する場合においてのみ生じる問題ではなく、その他の形状の屋根パネルにおいても同様に生じうる問題である。例えば、四角形状の屋根パネルをトラックの長手方向に横並びに二つ積載しようとする場合にも同様の問題が生じうる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、屋根パネルの小型化により同屋根パネルの運搬効率を向上させ、しかも屋根施工工数の増大を抑制することができる建物の屋根構造を提供することを主たる目的とするものである。
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の屋根構造は、屋根下地材としての野地板と、前記野地板の裏側に設けられたフレーム材とを有する屋根パネルが、前記フレーム材が建物本体側に連結された状態で複数並設されて屋根が構成される建物の屋根構造であって、隣り合う2つの屋根パネルが、それらの各野地板間に所定の隙間が形成されるようにして配置され、前記隣り合う2つの屋根パネルの少なくともいずれかの屋根パネルは、野地板の側方にはみ出して他方の屋根パネル側に延びる延出部を有し、前記延出部の先端部において前記隣り合う2つの屋根パネルが互いに連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、隣り合う2つの屋根パネルが、それらの各野地板間に所定の隙間が形成されるようにして配置されている。そして、この配置状態において、これら2つの屋根パネルは、少なくともいずれかの屋根パネルが有する延出部の先端部において連結されている。この場合、2つの屋根パネルが隣接配置される構成において、延出部を有する屋根パネルの野地板の大きさを、延出部を有しない通常の屋根パネルの野地板の大きさよりも延出部が形成される分小さくすることができる。したがって、屋根パネルをトラックの荷台に積載して運搬するに際し運搬効率を向上させることができる。
また、隣り合う2つの屋根パネルの少なくともいずれかが有する延出部の先端部において、これら各屋根パネルが互いに連結されているため、その連結部を下方から支持する支持部材を設置等することで、当該支持部材により両屋根パネルを共通に支持することができる。そのため、屋根パネルを小型化しつつも支持部材の個数を増やす必要がなく、その結果支持部材の個数増加に伴う支持部材の設置工数の増大や支持部材に対する屋根パネルの取付工数(つまり屋根の施工工数)の増大等を抑制できる。よって、屋根パネルの小型化により同屋根パネルの運搬効率を向上させ、しかも屋根施工工数の増大を抑制することができる。
第2の発明の建物の屋根構造は、第1の発明において、前記複数の屋根パネルの少なくともいずれかにおいて、前記フレーム材が、その一部が前記野地板の側方にはみ出して設けられており、そのはみ出した部分が前記延出部となっていることを特徴とする。
本発明によれば、屋根パネルのフレーム材を用いて延出部を構成しているため、フレーム材以外の部材を用いて延出部を構成する必要がない。したがって、屋根パネルに延出部を設ける場合において、屋根パネルの構成が煩雑化するのを抑制できる。
第3の発明の建物の屋根構造は、第1又は第2の発明において、前記複数の屋根パネルの少なくともいずれかにおいて、前記フレーム材として前記野地板の端縁に沿って延びる端縁フレーム材を備え、前記端縁フレーム材は、その一部が前記野地板の側方にはみ出して設けられており、そのはみ出した部分が前記延出部となっていることを特徴とする。
本発明によれば、屋根パネルの野地板の端縁に沿って延びる端縁フレーム材に延出部を設ける構成としたため、例えば屋根パネルをトラックの荷台において一段につき二つ横倒しで積載する場合には、一方の屋根パネルの延出部と、他方の屋根パネルの野地板とを荷台上において左右(荷台前後方向に対して左右)に並べて配置できる。これにより、より一層屋根パネルの運搬効率を向上させることができる。
第4の発明の建物の屋根構造は、第3の発明において、前記複数の屋根パネルには、前記野地板が直角三角形状に形成された三角屋根パネルが含まれており、前記三角屋根パネルは、前記端縁フレーム材として前記野地板の斜辺に沿って延びる斜めフレーム材を備えることを特徴とする。
直角三角形の場合、同三角形の各辺をそれぞれ底辺とする3つの高さは、斜辺を底辺とする高さが最も小さくなる。そのため、直角三角形状の屋根パネルをトラックの荷台に積載する場合には、その積載効率からすれば、斜辺が荷台前後方向に延びる向きとして配置するのが望ましい。そして、かかる向きで一対の屋根パネルを荷台に積載する場合には、各屋根パネルの野地板が荷台前後方向に並ぶように積載することが考えられる。そこで、本発明ではこの点に鑑みて、直角三角形状の屋根パネルにおいて斜辺に沿って延びる斜めフレーム材に延出部を設ける構成としている。この構成によれば、一対の屋根パネルを上記のように積載する場合に、一方の屋根パネルの延出部を他方の屋根パネルの野地板と左右に並べて配置できるため、荷台への積載性を考慮して野地板を最大限に大きくしつつも、上記第3の発明の効果を得ることができる。
第5の発明の建物の屋根構造は、第4の発明において、大棟と隅棟とを有する寄棟部を有する屋根に適用され、前記三角屋根パネルは、屋根において隅棟と軒先との間の隅部に設けられており、前記斜めフレーム材が隅棟に沿って延びるように、かつ、当該三角屋根パネルの延出部が同延出部により連結される相手側の屋根パネルに向けて延びるように配置されていることを特徴とする。
一般に寄棟部を有する屋根においては、隅棟と軒先との間の隅部に直角三角形状をなした屋根パネルが配設される。そして、かかる屋根パネルは、隅棟に沿って延びる斜辺の大棟側の端部において、隣接する屋根パネルとともに束により支持されるのが通常である。そこで、本発明では、その点に着目し、第4の発明における三角屋根パネルを斜めフレーム材が隅棟に沿って延びるように、かつ、当該三角屋根パネルの延出部が同延出部により連結される相手側の屋根パネルに向けて延びるように配置している。この場合、斜めフレーム材の延出部の端部位置を束により支持される支持位置に合わせつつ野地板の大きさを小さくすることができるため、寄棟部を有する屋根において上記第4の発明の効果を得ることができる。
第6の発明の建物の屋根構造は、第1乃至第5のいずれかの発明において、建物本体には前記屋根パネルを支持する束が設けられており、前記延出部の先端部では、前記束の上端部において前記隣り合う2つの屋根パネルが互いに連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の屋根パネルを束により支持する構成において、隣り合う2つの屋根パネルが延出部の先端部で束の上端部において互いに連結されている。この場合、隣り合う2つの屋根パネルを共通の束により支持することができるため、束の設置本数の増大ひいては束の設置工数の増大を抑制できる。
第7の発明の建物の屋根構造は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記隣り合う2つの屋根パネルの各野地板間に形成された前記隙間には、該隙間を塞ぐための目板が配設され、該目板が前記屋根パネルのフレーム材に連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、隣り合う2つの屋根パネルの各野地板間に形成された隙間に目板を配設することにより、各野地板と目板とにより連続した屋根下地を形成することができる。これにより、上記第1の発明の効果を得つつ、屋根全域に瓦等の床仕上げ材を葺設することが可能となる。
第8の発明の建物の屋根構造は、第7の発明において、前記目板は、前記隣り合う2つの屋根パネルのうちいずれかに対して折り畳み可能に連結されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えば屋根パネルの搬送時においては目板を折り畳んだ状態で屋根パネルをトラックに積載し、施工時においては目板を展開することで目板を隣り合う2つの屋根パネルの各野地板間の隙間に設置することができる。これにより、目板の設置作業を簡易化することができる。
第9の発明の屋根パネルは、複数並設されることにより屋根を構成するとともに、屋根下地材としての野地板と、前記野地板の裏側に設けられ建物本体側に連結されるフレーム材とを備える屋根パネルにおいて、前記野地板は直角三角形状に形成されているとともに、前記フレーム材として前記野地板の斜辺に沿って延びる斜めフレーム材を備え、前記斜めフレーム材は、その長手方向の一端側にて前記野地板の側方にはみ出した延出部を有していることを特徴とする。
本発明における屋根パネル(以下、本屋根パネルという)には、直角三角形状に形成された野地板の斜辺に沿って延びる斜めフレーム材が設けられ、その斜めフレーム材に延出部が設けられている。そのため、その延出部の先端部において本屋根パネルを、本屋根パネルと隣り合う屋根パネル(以下、隣接屋根パネルという)に対して連結させる構成とすれば、本屋根パネルと隣接屋根パネルとを共通の支持部材で支持することが可能となる。したがって、この場合、屋根パネルの設置工数の増大を伴うことがない。
また、このように本屋根パネルと隣接屋根パネルとを隣接配置する場合、本屋根パネルの野地板と隣接屋根パネルの野地板との間には所定の隙間が形成される。したがって、この場合、本屋根パネルの野地板の大きさを、延出部を有しない通常の屋根パネルの野地板の大きさよりも延出部が形成される分小さくすることができるため、屋根パネルの運搬効率を向上させることができる。よって、上記のように本屋根パネルを設置することで、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
さらには、本屋根パネルは野地板が直角三角形状に形成されているとともに、斜めフレーム材に延出部が設けられていることから、上記第2乃至4の発明と同様の効果も得られる。
第10の発明の屋根パネルの運搬方法は、第9の発明の屋根パネルをトラックの荷台に積載し運搬する屋根パネルの運搬方法であって、一対の屋根パネルを、前記荷台上の同一段において各屋根パネルの斜めフレーム材が荷台前後方向に延びかつ各屋根パネルの野地板が荷台前後方向に並び、さらに一方の屋根パネルの延出部と他方の屋根パネルの野地板とが隣り合うようにして配置し、各一対の屋根パネルを多段に積み重ねて運搬することを特徴とする。
本発明によれば、トラックの荷台上の同一段に一対の屋根パネルを積載する場合に、一方の屋根パネルの延出部と他方の屋根パネルの野地板とが隣り合うようにして配置することができるため、上記第4の発明と同様の効果を得ることができる。
建物全体を示す概略図。 屋根全体を示す平面図。 (a)が三角屋根パネルの構成を示す平面図、(b)が三角屋根パネルの構成を示す側面図。 三角屋根パネル周辺の設置構成を示す平面図。 束周辺の構成を示す縦断面図。 三角屋根パネルの積載状態を示す平面図。 目板を平側屋根パネルに折り畳み可能に連結した状態を示す平面図。 別例における三角屋根パネルを示す平面図。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、寄棟屋根を有するユニット式建物について具体化している。なお、図1は、建物全体を示す概略図であり、図2は、屋根全体を示す平面図である。
図1に示すように、建物10は、基礎11上に配設された建物本体12と、建物本体12の上方に配設された屋根13とにより構成されている。建物本体12は、複数の建物ユニット15が連結されてなる二階建ての建物である。建物本体12上には、複数のブラケット16及び複数の束17が設けられており、これら各ブラケット16及び各束17により屋根13が支持される構成となっている。
図2に示すように、屋根13は、その頂部において水平方向に延びる大棟18と、大棟18の両端部から当該屋根の隅部22に向かって延びる隅棟19とを有する寄棟屋根である。屋根13は、大棟18及び隅棟19により区画された4面の屋根からなり、具体的には平側において台形形状に形成された一対の平側屋根13aと、妻側において三角形状に形成された一対の妻側屋根13bとからなる。
本実施形態の屋根13は、形状の違いにより分類される複数の屋根パネル30,40,50により構成されており、これら各屋根パネル30,40,50はパネル製造工場から建物施工現場に運搬する際の都合に合わせて分割されている。屋根パネル30,40,50は、各屋根13a,13bにおいて、軒先21の延びる方向に沿って複数横並びに設けられている。具体的には、平側屋根13aには、平面視において屋根13の隅部22に配置された一対の三角屋根パネル30と、各三角屋根パネル30の間に配置された一対の平側屋根パネル40とが設けられている。三角屋根パネル30(詳細には、野地板31)と平側屋根パネル40(詳細には、野地板41)とは互いに離間して設けられており、これら各屋根パネル30,40の間の開口領域Sには目板60(図2においてハッチングを付して示す)が配設されている。一方、妻側屋根13bには、平面視において屋根13の隅部22に配置された一対の三角屋根パネル30と、各三角屋根パネル30の間に配置された妻側屋根パネル50とが設けられている。三角屋根パネル30(詳細には、野地板31)と妻側屋根パネル50(詳細には、野地板51)とは互いに離間して設けられており、これら各屋根パネル30,50の間の開口領域Sには目板60が配設されている。
なお、各屋根パネル30,40,50の形状について簡単に説明すると、三角屋根パネル30が全体として直角三角形状をなしており、平側屋根パネル40が長方形状の一つの隅が切り欠かれることにより形成された五角形状をなしており、妻側屋根パネル50が略ホームベース形状をなしている。また、各屋根13a,13bには、それぞれ二つずつ三角屋根パネル30が配設されているが、これら二つの三角屋根パネル30は各々の屋根13a,13bにおいて軒先21が延びる方向における中間位置に対して対称形状をなしている。そして、各平側屋根13aには、それぞれ二つずつ平側屋根パネル40が配設されているが、これら二つの平側屋根パネル40は各々の平側屋根13aにおいて軒先21が延びる方向における中間位置に対して対称形状をなしている。さらに、屋根13には8つの三角屋根パネル30が配設されているが、本実施形態ではこれら各三角屋根パネル30の外形寸法が略同じに設定されている。
ブラケット16は、建物本体12の外周部に沿って複数設けられている。図2では、ブラケット16の設置位置を丸印で示している。ブラケット16には、屋根パネル30,40,50同士が隣接する部位に配置されたブラケット16aと、屋根パネル30,40,50と目板60とが隣接する部位に配置されたブラケット16bとが設けられている。ここで、ブラケット16aが隣接する2枚の屋根パネル30,40,50を支持し、ブラケット16bが1枚の屋根パネル30,40,50を支持する構成となっている。
束17は、平面視において建物本体12の中央側に複数配置されている。図2では、束17の設置位置を四角印で示している。束17には、平側屋根パネル40及び妻側屋根パネル50が隣接する部位に配置された束17aと、平側屋根パネル40同士が隣接する部位に配置された束17bとが設けられている。ここで、束17aが隣接する平側屋根パネル40及び妻側屋根パネル50とともに2枚の隣接する三角屋根パネル30を支持し(その支持構成の詳細は後述する)、束17bが2枚の隣接する平側屋根パネル40を支持する構成となっている。
上記各屋根パネル30,40,50は、屋根下地材としての野地板と、野地板の裏側に設けられたフレーム材とを有しており、フレーム材が建物本体12側に連結されることにより固定されている。本実施形態では、上記各屋根パネル30,40,50のうち、三角屋根パネル30については、フレーム材の一部が野地板からはみ出しており、そのはみ出した部分が建物本体12側に連結されている。本実施形態は、その点に特徴を有しており、以下ではこのはみ出し部分を有する三角屋根パネル30の構成について図3に基づいて説明する。なお、図3は、三角屋根パネル30の構成を示しており、(a)が三角屋根パネル30の平面図、(b)が三角屋根パネル30の側面図である。また、図3では、各屋根13a,13bにおいて軒先21側から見て左側に配置された三角屋根パネル30(図2参照)を示している。
図3に示すように、三角屋根パネル30は、屋根下地材としての野地板31と、野地板31の裏面側に固定されたパネルフレーム32と、屋根13の軒先21に設置される鼻先木33と、目板60を支持するための目板支持材34とを備えている。
野地板31は、直角三角形状をなしており、例えばパーティクルボードにより形成されている。なお、図3(a)では便宜上、野地板31の外形線を仮想線(二点鎖線)で示している。野地板31は、直角部を挟んで隣り合う2つの隣辺31a,31bを有しており、そのうち一方の隣辺31aが屋根13の傾斜方向に沿って延びるように配置され、他方の隣辺31bが軒先21に沿って配置される。
パネルフレーム32は、隅棟フレーム材35と、垂木フレーム材36と、複数の母屋フレーム材37とを備え、これら各フレーム材35〜37が連結されることにより構成されている。
隅棟フレーム材35及び垂木フレーム材36は、野地板31の端縁に沿って延びる端縁フレーム材であり、断面略コ字状の軽量鉄骨材からなる長尺状部材により形成されている。これら各フレーム材35,36は、野地板31の裏側に配置されており、そのうち垂木フレーム材36が野地板31の端縁長さと略同じ長さで設けられているのに対し、隅棟フレーム材35が野地板31から一部はみ出した状態で設けられている。
これら各フレーム材35,36について詳しく説明すると、垂木フレーム材36は、野地板31の隣辺31aの長さと略同じ長さで形成されており、そのコ字状開口部を内側に向けた状態で野地板31の隣辺31aに沿って延びるように設けられている。一方、隅棟フレーム材35は、野地板31の斜辺31cの長さよりも長い長さ寸法を有して形成されており、そのコ字状開口部を内側に向けた状態で野地板31の斜辺31cに沿って延びるように設けられている。隅棟フレーム材35は、その長手方向の一端部が野地板31の隣辺31aからはみ出しており、そのはみ出した部分が延出部35aとなっている。また、隅棟フレーム材35は、垂木フレーム材36の隅棟フレーム材35側の端部に連結金具38により連結されている。なお、詳細には、隅棟フレーム材35は、その上下のフランジ部が屋根13の傾斜に合わせて曲げられているため、その断面形状がコ字状を若干変形させたものとなっている。
隅棟フレーム材35の延出部35aの先端部には、平板状の固定プレート39が溶接により固定されている。固定プレート39は、三角屋根パネル30を束17(詳細には束17a)に固定するための固定部材である。固定プレート39は、隅棟フレーム材35の下フランジ35bの上面(内側面)に固定されており、下フランジ35bよりも側方に突出するように設けられている。固定プレート39には、隅棟フレーム材35と重なり合う部位に後述する固定ボルト71が挿通される固定用孔39aが設けられ、上記突出した部位に三角屋根パネル30の位置決めに用いられるしの孔39bが設けられている。なお、隅棟フレーム材35の下フランジ35bには、固定プレート39の固定用孔39aと対応する位置に逃がし孔(図示略)が設けられている。
母屋フレーム材37は、木質系材料よりなる角材により形成されている。各母屋フレーム材37は、野地板31の隣辺31bに沿って延びる向きで、かつ、隅棟フレーム材35と垂木フレーム材36との間に所定間隔をおいて架け渡されている。各母屋フレーム材37は、その長手方向両端部がそれぞれ隅棟フレーム材35及び垂木フレーム材36に対しビス等で固定されており、これによりパネルフレーム32が一体化されている。そして、野地板31は、パネルフレーム32において各母屋フレーム材37の上面に設置され、その設置状態でビス等により各母屋フレーム材37に固定されている。
鼻先木33は、野地板31の隣辺31bと略同じ長さに形成されており、野地板31の裏側において野地板31の隣辺31bに沿って隅棟フレーム材35及び垂木フレーム材36の端部間に架け渡されている。鼻先木33は、その長手方向の両端部が隅棟フレーム材35及び垂木フレーム材36に対しビス等により固定されている。
なお、本実施形態では、平側屋根パネル40及び妻側屋根パネル50にも同様に、予め鼻先木43,53(図4参照)が取り付けられるようになっている。
目板支持材34は、木質系の角材よりなる長尺状部材であり、垂木フレーム材36の外側面(詳細にはウェブ面)に対し当該垂木フレーム材36に沿ってビス等により取り付けられている。詳細には、目板支持材34は、その上面が母屋フレーム材37の上面と略面一となるように垂木フレーム材36に取り付けられている。なお、目板支持材34は、長手方向の中間部においてその一部が取り除かれており、その取り除かれた部位にはブラケット16が配設されるようになっている。
次に、上記のように構成される三角屋根パネル30の設置構成について図4に基づいて説明する。なお、図4は三角屋根パネル30周辺の設置構成を示す平面図である。
図4に示すように、三角屋根パネル30は、各屋根13a,13bの隅部において、隅棟フレーム材35が屋根13の隅棟19に沿って延びるように、かつ、隅棟フレーム材35の延出部35aが平側屋根パネル40側又は妻側屋根パネル50側を向くように設けられている。この設置状態において、隅棟フレーム材35は、延出部35aの先端部が同先端部の下方に配設された束17aにより支持されている。具体的には、隅棟19を挟んで隣接配置されている一対の三角屋根パネル30の各隅棟フレーム材35がそれぞれ延出部35aの先端部において共通の束17aにより支持されている。
ここで、三角屋根パネル30の束17aに対する支持構成について図4に加え図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、束17a周辺の構成を示す縦断面図であり、図4のA−A線断面図である。
図5に示すように、束17aは、建物ユニット15(詳細には上階の建物ユニット)の天井大梁25上に設けられた平板状のベースプレート63と、ベースプレート63から上方に延びる束本体64と、束本体64の上端部に固定された一対のパネル支持部65,66とを備えている。ベースプレート63は、建物ユニット15の天井大梁25の上面に設けられており、天井大梁25の上面に対してボルト等により固定されている。束本体64は、角形鋼管により構成されている。
一対の各パネル支持部65,66は、図4に示すように、束本体64から直交する2方向に略水平に延びるように設けられ、平面視において略L字状をなしている。具体的には、一方のパネル支持部65が大棟18の延びる方向に沿って平側屋根パネル40側に向かって延びており、他方のパネル支持部66が大棟18と直交する方向に沿って妻側屋根パネル50側に向かって延びている。各パネル支持部65,66は、鋼板が折り曲げられることにより形成されており、束本体64の軒先21側の側面に固定された固定板部65a,66aと、固定板部65a,66aの上端部から斜め上方に屋根13の傾斜面に沿って延びる支持板部65b,66bとを有している。支持板部65b,66bには、軒先21の延びる方向における両端部に一対の固定用孔67,68が設けられ、これら各固定用孔67,68の中間位置にしの孔(図示略)が設けられている。
パネル支持部65の支持板部65b上には、三角屋根パネル30の隅棟フレーム材35の延出部35aが、詳細にはその先端部が支持されている。三角屋根パネル30は、固定プレート39の固定用孔39aが支持板部65bの固定用孔67と位置合わせされた状態で、固定ボルト71が両固定用孔39a,67に挿通されてナット(図示略)と締結されることにより束17aに固定されている。なお、三角屋根パネル30の位置合わせは、固定プレート39に設けられたしの孔39bとパネル支持部65のしの孔とを用いて行われる。
また、パネル支持部65の支持板部65bの上面には、さらに平側屋根パネル40の
三角屋根パネル30側の端縁部(換言すれば目板60と隣接する側の端縁部)が支持されている。詳細には、平側屋根パネル40の裏面には同端縁部に沿って垂木フレーム材46が延びるように設けられており、その垂木フレーム材46の隅棟19側端部が支持板部65b上に支持されている。平側屋根パネル40は、垂木フレーム材46に予め設けられた固定用孔(図示略)が支持板部65bの固定用孔68と位置合わせされた状態で支持されており、その支持状態で固定ボルト72が両固定用孔68に挿通されてナット(図示略)と締結されることにより束17aに固定されている。以上のように、パネル支持部65には、三角屋根パネル30と平側屋根パネル40とが固定されている。
一方、パネル支持部66の上面には、三角屋根パネル30と妻側屋根パネル50とが支持されており、それぞれ固定ボルト71,72によりパネル支持部66に固定されている。パネル支持部66に対する三角屋根パネル30及び妻側屋根パネル50の支持固定の構成は、上述したパネル支持部65側の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図4の説明に戻り、上述したように三角屋根パネル30は、延出部35aが隣り合う平側屋根パネル40側又は妻側屋根パネル50側に延びているのに対し、その野地板31が平側屋根パネル40(詳細には野地板41)又は妻側屋根パネル50(詳細には野地板51)と離間して配置されている。三角屋根パネル30の目板支持材34はその離間配置により形成された開口領域Sに面して設置されており、平側屋根パネル40及び妻側屋根パネル50にも目板支持材34と開口領域Sを挟んで対向するように目板支持材44,54が取り付けられている。詳細には、目板支持材44,54は垂木フレーム材46の開口領域Sに面した側面に対し、その上面が三角屋根パネル30の目板支持材34の上面と略面一となるように取り付けられている。また、三角屋根パネル30の鼻先木33は、屋根13の軒先21に沿って配置され、同様に平側屋根パネル40の鼻先木43及び妻側屋根パネル50の鼻先木53も軒先21に沿って配置される。
三角屋根パネル30の野地板31と平側屋根パネル40の野地板41との間及び三角屋根パネル30の野地板31と妻側屋根パネル50の野地板51との間(つまり開口領域S)には、目板60が配設されている。目板60は、各屋根パネル30,40,50の野地板31,41,51と同一の素材からなり、例えば野地板31,41,51を形成する際に発生する端材を用いて形成されている。目板60は、各屋根パネル30,40,50の目板支持材34,44,54上に載置されており、その状態で目板支持材34,44,54にビス等で固定されている。これにより、各屋根パネル30,40,50と目板60とにより連続した屋根下地面が形成され、この屋根下地面上に瓦等の床仕上げ材が葺設されることで屋根13が形成される。なお、目板60の設置後、目板60の軒先21側端部における下面側には、同端部に沿って鼻先木62が取り付けられる。これにより、当該鼻先木62と各屋根パネル30,40,50の鼻先木33,43,53とにより軒先21全域に鼻先木33,43,53,62が設置される。
ところで、屋根パネル30,40,50は、予め工場において製造された後、トラックに積載され施工現場まで搬送される。具体的には、トラックの荷台75は左右の横幅よりも前後幅の方が長い矩形形状をなしており、この荷台75に複数の屋根パネル30,40,50が多段に積み重ねられて積載される。そこで、以下において、三角屋根パネル30の積載方法について図6を参照しつつ説明する。なお、図6は、三角屋根パネル30の積載状態を示す平面図である。
図6に示すように、三角屋根パネル30は、トラックの荷台75において、野地板31が上側に位置する状態で1段につき2つ積載される。図6では、各屋根13a,13bにおいて軒先21側から見て左側に配置された三角屋根パネル30(図2参照)を二つ一組で積載した状態を示している。各三角屋根パネル30は、荷台75上において、隅棟フレーム材35が荷台75の前後方向(長手方向)に延びた状態で、かつ、各三角屋根パネル30の野地板31が荷台75の前後方向に並んだ状態で積載される。また、各三角屋根パネル30は、一方の三角屋根パネル30の隅棟フレーム材35の延出部35aと他方の三角屋根パネル30の野地板31とが荷台75の左右方向(幅方向)に隣り合うようにして配置されており、全体としては一対の三角屋根パネル30は平面視平行四辺形状を形成する。この場合、荷台75への積載性を考慮して野地板31を最大限に大きくしつつも延出部35aが積載の邪魔になるのを抑制することができるため、三角屋根パネル30の積載効率の向上を図ることができる。
なお、この積載状態において、荷台75の前側に設けられた三角屋根パネル30の鼻先木33は当該屋根パネル30において前側に配置され、荷台75の後ろ側に設けられた三角屋根パネル30の鼻先木33は当該屋根パネル30において後ろ側に配置される。そのため、屋外側に露出した状態で設置される鼻先木33が他方の三角屋根パネル30に干渉し傷付くのを抑制できる。
なお、上下に隣接する各屋根パネル30,40,50の間には毛布等のシート類を介在させておき、隣接する屋根パネル30,40,50同士が擦れ合ったりすることで損傷するのを防止するのが望ましい。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
隣り合う二つの屋根パネル30,40(又は50)を各野地板31,41(又は51)間に開口領域Sが形成されるように配置するとともに、三角屋根パネル30において野地板31の斜辺31cに沿って延びる隅棟フレーム材35には野地板31からはみ出して他方の屋根パネル40(又は50)側に延びる延出部35aを設けた。そして、その延出部35aの先端部において、これら二つの屋根パネル30,40(又は50)を束17aを介して連結させた。この場合、三角屋根パネル30と平側屋根パネル40(又は妻側屋根パネル50)とが隣接配置される構成において、三角屋根パネル30の野地板31の大きさを、延出部を有しない通常の三角屋根パネルの野地板の大きさよりも開口領域Sの大きさ分小さく形成することができる。したがって、三角屋根パネル30をトラックの荷台75に積載するに際し、積載効率を向上させることができる。
また、延出部35aの先端部において三角屋根パネル30と平側屋根パネル40(又は妻側屋根パネル50)とを束17aにより共通に支持することができるため、三角屋根パネル30を小型化しつつも束17aの個数を増やす必要がなく、その結果束17の個数増加に伴う屋根パネルの設置工数増大を抑制できる。よって、以上より三角屋根パネル30の小型化により三角屋根パネル30の積載効率を向上させ、しかも三角屋根パネル30の設置工数の増大を抑制できる。
建物本体12には屋根パネル30,40,50を支持する束17が設けられており、延出部35aの先端部では、隣り合う2つの屋根パネル30,40(又は50)が束17aの上端部(詳細にはパネル支持部65,66)において互いに連結されている。この場合、隣り合う2つの屋根パネル30,40(又は50)を共通の束17aにより支持することができるため、束17の設置本数の増大ひいては束17の設置工数の増大を抑制できる。
三角屋根パネル30の延出部35aを隅棟フレーム材35を用いて構成したため、フレーム材以外の部材を用いて延出部を構成する必要がない。これにより、三角屋根パネル30に延出部を設ける場合に、三角屋根パネル30の構成が煩雑化するのを抑制できる。また、隣り合う二つの屋根パネル30,40(又は50)の各野地板31,41(又は51)間に隙間が形成される構成においても、隅棟19全域にわたってフレーム材を連続して設けることができる。
三角屋根パネル30の野地板31と平側屋根パネル40の野地板41(又は妻側屋根パネル50の野地板51))との間に形成された開口領域Sに目板60を配設したため、各野地板31,41(51)と目板60とにより連続した屋根下地を形成することができる。これにより、上記効果を得つつ、屋根13全域に瓦等の床仕上げ材を葺設することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、隣り合う二つの屋根パネル30,40(又は50)のうち三角屋根パネル30のみに延出部35aを設ける構成としたが、隣り合う二つの屋根パネル30,40(又は50)の両方に延出部を設ける構成としてもよい。例えば、三角屋根パネルの野地板と平側屋根パネルの野地板との間に所定の隙間が形成される構成において、三角屋根パネルには平側屋根パネル側に延びる延出部を設けるとともに、平側屋根パネルには三角屋根パネル側に延びる延出部を設ける。そして、それら各屋根パネルの各々の延出部の先端部を束17bの上端部に連結させる構成が考えられる。この場合、各屋根パネルについて、野地板の大きさを、延出部を有しない通常の屋根パネルの野地板の大きさよりも延出部が形成される分小さくすることができるため、各屋根パネルについて積載効率の向上を図ることができる。
(2)目板60を、平側屋根パネル40又は妻側屋根パネル50に対して折り畳み可能に連結してもよい。具体的には、例えば図7に示すように、目板60を、ヒンジ81を介して平側屋根パネル40と連結することで折り畳み可能とすることが考えられる。この場合、平側屋根パネル40の搬送時においては、図7(a)に示すように目板60を折り畳むことができ、施工時においては図7(b)に示すように目板60を展開することで目板60を所定位置に設置できる。これにより、目板60の設置作業を簡易化することができる。
なお、ヒンジ81に代えて、短冊状の板金を平側屋根パネル40と目板60とを跨ぐように取り付けてもよい。具体的には、板金に予め折り目を付けておきその折り目が平側屋根パネル40と目板60との端部に沿うようにして板金を取り付ける。そうすれば、折り目に沿って目板60を平側屋根パネル40に対し折り畳むことができるため、簡素な構成で上記の効果を得ることができる。
(3)延出部35aを有する隅棟フレーム材35の構成は上記実施形態のものに限定されることはなく、その他の構成としてもよい。例えば、野地板31に固定される固定フレーム材と、野地板31に固定されず固定フレーム材に対してスライド可能なスライドフレーム材とを有する隅棟フレーム材を、上記実施形態の隅棟フレーム材35に代えて用いてもよい。その具体例を図8に示す。図8に示す隅棟フレーム材85は、第一フレーム材86と第二フレーム材87とから構成されている。第一フレーム材86は、野地板31の斜辺31cに沿って延びるように設けられており、その長手方向の一端部が野地板31の隣辺31aからはみ出した延出部86aとなっている。第一フレーム材86の延出部86aには、第二フレーム材87が第一フレーム材86の長手方向に延びる向きで、かつ、その一部を延出部86aに内側から重ならせた状態で設けられている。この場合、隅棟フレーム材85の延出部85aは、第一フレーム材86の延出部86aと第二フレーム材87とから構成される。
第二フレーム材87は、第一フレーム材86に沿ってスライド可能とされており、スライドさせることにより隅棟フレーム材85の延出部85aの長さを調整できるようになっている。第二フレーム材87の第一フレーム材86側の端部にはスライド方向に沿って複数(図8では4つ)の固定孔88が等間隔で設けられている。一方、第一フレーム材86の第二フレーム材87側の端部には周囲にめねじが形成された一対の固定孔(図示略)が上記固定孔88同士と同じ間隔で設けられている。したがって、複数の各固定孔88のうち隣り合う一対の固定孔88にボルト89を挿通し、第一フレーム材86の固定孔に同ボルト89を締結させることで、第二フレーム材87を第一フレーム材86に固定することができる。
上記構成によれば、三角屋根パネルの野地板31と平側屋根パネル40との離間距離に応じて延出部85aの長さを調整することができる。そのため、屋根面の大きさ等に応じて開口領域Sが相違しても、長さ調整可能な範囲内においては延出部85aの先端部を束17a(詳細にはパネル支持部65,66)に連結させることができる。よって、この場合、上記実施形態の効果を実現するに際して都合が好い。
(4)上記実施形態では、目板60を野地板と同じパーティクルボードにより形成したが、目板60を野地板とは異なる素材により形成してもよい。例えば、目板をゴム板により形成することが考えられる。この場合、目板を隣接する屋根パネル30,40,50と端部同士密着させた状態で開口領域Sに配設すれば、目板と屋根パネル30,40,50との間を通じて水漏れするのを抑制することができる。また、目板の一部に開口部を設け、その開口部に天窓を配設したり、煙突を配設したりしてもよい。
(5)上記実施形態では、三角屋根パネル30の設置の際、しの孔39bを用いて三角屋根パネル30の位置合わせを行ったが、その他の方法により位置合わせを行ってもよい。例えば、固定用孔39aに固定ボルトを挿通させた状態で同ボルトを予め固定プレート39に溶接固定しておき、三角屋根パネル30の設置の際にその固定ボルトを固定用孔67に挿通させることで位置決めしてもよい。この場合、固定ボルトの固定用孔67への挿通作業と三角屋根パネル30の位置決め作業とを同時に行うことができるため、三角屋根パネル30の設置作業の負荷軽減を図ることができる。
(6)上記実施形態では、各屋根パネル30,40,50に予め鼻先木33,43,53を設ける構成としたが、屋根パネル30,40,50に予め鼻先木33,43,53を設けない構成としてもよい。この場合、施工現場において屋根パネル30,40,50を設置した後、鼻先木33,43,53を屋根パネル30,40,50に取り付ければよい。
(7)上記実施形態では、野地板31の端縁に沿って設けられた隅棟フレーム材35を用いて延出部35aを構成したが、その他のフレーム材を用いて延出部を構成してもよい。例えば、野地板31の端縁に沿って設けられていない母屋フレーム材37を用いて延出部を構成してもよい。但し、この場合、束の設置位置を変更する必要がある点に留意する。また、延出部は必ずしもフレーム材を用いて構成する必要はなく、三角屋根パネル30に別途専用部材を設けて延出部を構成してもよい。
(8)上記実施形態では、直角三角形状の野地板31を有する三角屋根パネル30に対して本発明を適用したが、四角形状等その他の形状の屋根パネルにも本発明を適用することができる。例えば、四角形状の野地板を有する屋根パネルにおいて、野地板の端縁部に沿って設けられたフレーム材(以下端縁フレーム材という)を野地板から一部はみ出させ、そのはみ出した部分を延出部とすることが考えられる。この場合においても、二つの屋根パネルを、トラックの荷台75上の同一段において、端縁フレーム材が荷台75の前後方向に延びるように、かつ、各屋根パネルの野地板が荷台75の前後方向に並ぶようにして積載し、さらに一方の屋根パネルの延出部と他方の屋根パネルの野地板とを荷台75の左右方向に並ぶように配置することで、屋根パネルの運搬効率を向上させることができる。
(9)上記実施形態では、ユニット式建物への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物や、在来木造工法により構築される建物等、他の構造の建物にも本発明を適用することができる。
10…建物、12…建物本体、13…屋根、17…束、18…大棟、19…隅棟、30…屋根パネル及び三角屋根パネルとしての三角屋根パネル、31…野地板、35…フレーム材、端縁フレーム材及び斜めフレーム材としての隅棟フレーム材、35a…延出部、40…屋根パネルとしての平側屋根パネル、50…屋根パネルとしての妻側屋根パネル、60…目板、75…荷台、S…隙間としての開口領域。

Claims (7)

  1. 屋根下地材としての野地板と、前記野地板の裏側に設けられたフレーム材とを有する屋根パネルが、前記フレーム材が建物本体側に連結された状態で複数並設されて屋根が構成される建物の屋根構造であって、
    前記建物本体には前記屋根パネルを支持する束が設けられており、
    隣り合う2つの屋根パネルが、それらの各野地板間に所定の隙間が形成されるようにして配置され、前記隣り合う2つの屋根パネルの少なくともいずれかの屋根パネルは、野地板の側方にはみ出して他方の屋根パネル側に延びる延出部を有しており
    前記延出部の先端部では、前記束の上端部において前記隣り合う2つの屋根パネルが互いに連結されていることを特徴とする建物の屋根構造。
  2. 前記複数の屋根パネルの少なくともいずれかにおいて、前記フレーム材が、その一部が前記野地板の側方にはみ出して設けられており、そのはみ出した部分が前記延出部となっていることを特徴とする請求項1に記載の建物の屋根構造。
  3. 前記複数の屋根パネルの少なくともいずれかにおいて、前記フレーム材として前記野地板の端縁に沿って延びる端縁フレーム材を備え、
    前記端縁フレーム材は、その一部が前記野地板の側方にはみ出して設けられており、そのはみ出した部分が前記延出部となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の屋根構造。
  4. 前記複数の屋根パネルには、前記野地板が直角三角形状に形成された三角屋根パネルが含まれており、
    前記三角屋根パネルは、前記端縁フレーム材として前記野地板の斜辺に沿って延びる斜めフレーム材を備えることを特徴とする請求項3に記載の建物の屋根構造。
  5. 大棟と隅棟とを有する寄棟部を有する屋根に適用され、
    前記三角屋根パネルは、屋根において隅棟と軒先との間の隅部に設けられており、前記斜めフレーム材が隅棟に沿って延びるように、かつ、当該三角屋根パネルの延出部が同延出部により連結される相手側の屋根パネルに向けて延びるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の建物の屋根構造。
  6. 前記隣り合う2つの屋根パネルの各野地板間に形成された前記隙間には、該隙間を塞ぐための目板が配設され、該目板が前記屋根パネルのフレーム材に連結されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の建物の屋根構造。
  7. 前記目板は、前記隣り合う2つの屋根パネルのうちいずれかに対して折り畳み可能に連結されていることを特徴とする請求項に記載の建物の屋根構造。
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