JP3204846U - 二重折板屋根構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】積雪等による荷重がかかっても、上葺折板屋根が大きく撓んだり、破損したりすることを防止する二重折板屋根構造物を提供すること。【解決手段】二重折板屋根構造物は、下葺折板屋根1の凹部上に配置された上葺タイトフレーム取付下地6と、上葺タイトフレーム取付下地6の上かつ上葺折板屋根2の下であって複数の下葺タイトフレーム3各々と対向する位置に上葺折板屋根2の角波形状に沿って取り付けられた上葺タイトフレーム4とを備える。【選択図】図1
Description
本考案は、雪害等による折板屋根破損時の改修により、雪等の荷重に対して強固な構造とすることができる二重折板屋根構造物に関する。
従来、折板屋根が上下に隔設された二重折板屋根構造物が知られている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1記載の二重折板屋根構造物は、梁や母屋等の構造材上に複数のタイトフレームが平行に載設され、当該タイトフレーム上に断面略角波形状の下葺折板屋根が敷設され、各タイトフレームの上方であって下葺折板屋根の凸部上に接続支持金具が取り付けられ、当該接続支持金具上に下葺折板屋根と同様の形状を有する上葺折板屋根が敷設されたものである。
このような二重折板屋根構造物においては、積雪等によって上葺折板屋根に正圧荷重がかかり、当該正圧荷重は上葺折板屋根を下方に押し下げるように作用することがある。この場合、上葺折板屋根にかかる荷重が接続支持金具に集中する。これにより、上葺折板屋根と接続支持金具との接触面の変形、上葺折板屋根における接続支持金具間の変形、下葺折板屋根と接続支持金具接触面の変形、タイトフレームの変形等の破損が生じることがある。
上記のような場合、二重折板屋根構造物の強度が著しく低下してしまう。建物の使用中に、破損した二重折板屋根構造物を改修するには、破損していない既存部分を残して既存設備の工事負担を軽減しつつ、破損部分の取替えを行う必要がある。また、二重折板屋根構造物の強度を補強して再度の破損を防ぐ必要がある。
本考案に係る具体的態様は、積雪等による荷重がかかっても、上葺折板屋根が大きく撓んだり、破損したりすることを防止する二重屋根構造物を提供することを目的の1つとする。
また、本考案に係る別の具体的態様は、破損していない部分を残したまま、強度を増強して改修することができる二重屋根構造物を提供することを目的の1つとする。
また、本考案に係る別の具体的態様は、破損していない部分を残したまま、強度を増強して改修することができる二重屋根構造物を提供することを目的の1つとする。
本考案に係る一態様の二重折板屋根構造物は、それぞれが凹部と凸部が交互に形成されて角波形状の断面を有しており上下に隔設された上葺折板屋根及び下葺折板屋根と、前記下葺折板屋根の前記角波形状に沿って前記下葺折板屋根の下方に互いに平行に配置された複数の下葺タイトフレームとを備え、前記下葺折板屋根の凹部が前記下葺タイトフレームを介して構造材上に取り付けられた二重折板屋根構造物であって、前記下葺折板屋根の凹部上に配置された上葺タイトフレーム取付下地と、前記上葺タイトフレーム取付下地の上であって前記上葺折板屋根の下であり前記複数の下葺タイトフレームの各々と対向する位置に、前記上葺折板屋根の前記角波形状に沿って取り付けられた上葺タイトフレームと、を備えた二重折板屋根構造物である。
上記構成によれば、二重折板屋根構造物に上葺タイトフレーム取付下地と上葺タイトフレームを設けたことにより、上葺折板屋根にかかる荷重を上葺タイトフレームと上葺タイトフレーム取付下地で支えることができるため、上葺折板屋根が大きく撓むことや破損することを防ぎ、強度を増強することができる。また、既設の下葺折板屋根、下葺タイトフレーム等が破損していない場合には、これらを残したまま改修することができる。
上記の二重折板屋根構造物において、隣接する前記上葺タイトフレーム間であって前記上葺タイトフレーム取付下地の上かつ前記上葺折板屋根の下に、前記上葺折板屋根の前記角波形状に沿って取り付けられた中間上葺タイトフレームを更に備えることも好ましい。
上記構成によれば、隣接する上葺タイトフレーム間に中間上葺タイトフレームを取り付けることで、上葺タイトフレーム間の上葺折板屋根にかかる荷重を中間上葺タイトフレームで支えることができるため、上葺折板屋根が大きく撓むことや破損することを防止できる。
上記の二重折板屋根構造物において、前記中間上葺タイトフレームは、隣接する前記上葺タイトフレーム間に2つ以上取り付けられていることも好ましい。
上記構成によれば、中間上葺タイトフレームを隣接する上葺タイトフレーム間に2つ以上取り付けることで、上葺タイトフレーム間に存在する上葺折板屋根にかかる荷重を複数の中間上葺タイトフレームで支えることができるため、強度が増し、上葺折板屋根が大きく撓むことや破損することを防止できる。
以下、本考案の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本考案の第1実施形態に係る二重折板屋根構造物において、構造材7との接続部分を通り当該構造材7の長手方向に沿った縦断面図であり、図2は構造材7間に位置する二重折板屋根構造物において、当該構造材7の長手方向に沿った縦断面図であり、図3は二重折板屋根構造物における凸部頂点部分を通り構造材7の長手方向と直交する方向に沿った縦断面図である。
これらの図に示すように、本考案の第1の実施形態に係る二重折板屋根構造物は、それぞれが凹部と凸部が交互に形成されて断面略角波形状を有し、上下に隔設された下葺折板屋根1及び上葺折板屋根2を備えている。
下葺折板屋根1は、その下に設けられている下葺タイトフレーム3を介して母屋や梁等の構造材7上に支持固定されている。
構造材7は建物の母屋や梁であり、構造材7は所定ピッチで平行に複数配置されている。本実施形態では、構造材7をH型綱で構成しているが、構造材7はH型綱に限らず、例えば、C型綱やリップ溝型綱であってもよい。
下葺タイトフレーム3は、構造材7の上に載設され、下葺折板屋根1を構造材7上に固定するための部材である。下葺タイトフレーム3は、帯状の金属板材であり、下葺折板屋根1の角波形状に沿うように、略U字型に曲げ加工することにより形成されている。下葺タイトフレーム3は、構造材7上に載設される際に、その端部同士が連結され、側面視で下葺折板屋根1と同様の角波形状を形成する。下葺タイトフレーム3は、構造材7の長手方向に沿って載設され、構造材7のピッチと同じピッチで互いに平行となるように並設される。下葺タイトフレーム3の凹部は、溶接或いはボルト・ナットによる固着具等の固着手段にて構造材7に固着される。
下葺折板屋根1は、複数の下層側屋根板材から構成されている。下層側屋根板材は、矩形の鋼板を折り曲げて、短手方向断面が略U字型となるように形成される。複数の下層側屋根板材の長手方向縁部同士を連結することにより、下葺折板屋根1が構成される。
上葺折板屋根2は、下層側屋根板材と同様に複数の上層側屋根板材から構成されており、下葺折板屋根1と同様の形状を有している。
複数の下層側屋根板材は、開口部を上にして、その長手方向が構造材7(及び下葺タイトフレーム3)の長手方向に直交するように、かつ、当該下葺タイトフレーム3の角波形状に沿って、下葺タイトフレーム3上に並設され、各下層側屋根板材同士の長手方向端部同士が馳締により連結されている。これにより、当該構造材7の長手方向における下葺折板屋根1の縦断面は、連続した角波形状を形成する。下葺折板屋根1の凹部は、下葺タイトフレーム3を介して構造材7上に取り付けられている。
同様に、複数の上層側屋根板材は、開口部を上にして、その長手方向が構造材7の長手方向に直交するように、かつ、当該上層側屋根板材の下に配置される上葺タイトフレーム4の角波形状に沿って並設され、各上層側屋根板材同士の長手方向端部同士が馳締により連結されている。これにより、当該構造材7の長手方向における上葺折板屋根2の縦断面は、下葺折板屋根1と同様に連続した角波形状を形成する。
なお、下層側屋根板材同士及び上層側屋根板材同士の接合方法は、馳締に限らず、嵌合、重合等の公知の方法を用いてもよい。
下葺折板屋根1の凹部上には、上面に上葺タイトフレーム4を取り付けるための角筒状の上葺タイトフレーム取付下地6が配置されている。上葺タイトフレーム取付下地6は、下葺折板屋根1の凹部が延びる方向、すなわち、構造材7の長手方向と直交する方向に2本延設されている。
上葺タイトフレーム取付下地6の材質としては、鋼材、木材等が考えられる。上葺タイトフレーム取付下地6の材質は、積雪荷重や、上葺折板屋根2の重量を考慮して決めることができる。
なお、上葺タイトフレーム取付下地6の形状は、角筒状に限らず、上方に上葺タイトフレーム4を取り付けることができる形状であればよく、例えば柱状であってもよい。
図1及び図3に示すように、上葺タイトフレーム取付下地6の上かつ上葺折板屋根2の下であって、複数の下葺タイトフレーム3の各々と対向する位置に、上葺折板屋根2の角波形状に沿って取り付けられた上葺タイトフレーム4が設けられている。
上葺タイトフレーム4は、下葺タイトフレーム3と同様の形状及び材質を有しており、構造材7の長手方向に、下葺折板屋根1及び下葺タイトフレーム3との距離が一定となるように配置されている。
このように、上葺タイトフレーム取付下地6の上であって、複数の下葺タイトフレーム3の各々と対向する位置に上葺タイトフレーム4を設置し、当該上葺タイトフレーム4上に上葺折板屋根2を敷設することで、上葺折板屋根2にかかる荷重を上葺タイトフレーム4及び上葺タイトフレーム取付下地6で支えることができるため、上葺折板屋根2が大きく撓むことや破損することを防ぎ、強度を高めることができる。また、改修時に既設の下葺折板屋根1や下葺タイトフレーム3が破損していない場合には、これらを残したまま上葺タイトフレーム取付下地6、上葺タイトフレーム4及び上葺折板屋根2を敷設することができる。
次に、本考案の第2実施形態について説明する、図4は本考案の第2実施形態に係る二重折板屋根構造物において、構造材7との接続部分を通り当該構造材7の長手方向に沿った縦断面図であり、図5は構造材7間に位置する二重折板屋根構造物において、当該構造材7の長手方向に沿った縦断面図であり、図6は二重折板屋根構造物における凸部頂点部分を通り構造材7の長手方向と直交する方向に沿った縦断面図である。
本実施形態では、隣接する上葺タイトフレーム4間であって、上葺タイトフレーム取付下地6の上かつ上葺折板屋根2の下に、上葺折板屋根2の角波形状に沿って、中間上葺タイトフレーム5が取り付けられている。これ以外の構成は第1実施形態と同様であるため、重複した説明を省略する。
このように、隣接する上葺タイトフレーム4間に中間上葺タイトフレーム5を取り付けることにより、下方に上葺タイトフレーム4が存在しない上葺折板屋根2の領域を中間上葺タイトフレーム5で支えることができるため、積雪荷重等による正圧荷重が上葺折板屋根2にかかっても、上葺折板屋根2が大きく撓むことや破損することを防止できる。
なお、隣接する上葺タイトフレーム4間に設ける中間上葺タイトフレーム5の数は1つに限らず、複数であってもよい。
隣接する上葺タイトフレーム4間に設ける中間上葺タイトフレーム5の数が多いほど、上葺折板屋根2にかかる荷重を複数の中間上葺タイトフレーム5で分担して支えることができるため、上葺折板屋根2が大きく撓んだり破損したりするのを防止する効果が大きくなる。
なお、上述した実施形態では、二重折板屋根構造物として、馳式折板屋根構造物について説明したが、これに限定されることはなく、例えば、重ね式折板屋根構造物、嵌合式折板屋根構造物等であってもよい。また、本考案は、既設の改修工事のみならず、新設工事の場合にも適用可能である。また、上記説明では下葺折板屋根と上葺折板屋根の凹部、凸部の幅がほぼ同じ場合を例にして説明していたが、これらの幅は、両者が干渉しない限りにおいて互いに異なる幅としてもよい。また、上記説明では上葺タイトフレーム取付下地については一体となった1つの部材を例にして説明していたが、複数の部材を組み合わせて(例えば積層して)上葺タイトフレーム取付下地が構成されていてもよい。
1 下葺折板屋根
2 上葺折板屋根
3 下葺タイトフレーム
4 上葺タイトフレーム
5 中間上葺タイトフレーム
6 上葺タイトフレーム取付下地
7 構造材
2 上葺折板屋根
3 下葺タイトフレーム
4 上葺タイトフレーム
5 中間上葺タイトフレーム
6 上葺タイトフレーム取付下地
7 構造材
Claims (3)
- それぞれが凹部と凸部が交互に形成されて角波形状の断面を有しており上下に隔設された上葺折板屋根及び下葺折板屋根と、前記下葺折板屋根の前記角波形状に沿って前記下葺折板屋根の下方に互いに平行に配置された複数の下葺タイトフレームとを備え、前記下葺折板屋根の凹部が前記下葺タイトフレームを介して構造材上に取り付けられた二重折板屋根構造物であって、
前記下葺折板屋根の凹部上に配置された上葺タイトフレーム取付下地と、
前記上葺タイトフレーム取付下地の上であって前記上葺折板屋根の下であり前記複数の下葺タイトフレームの各々と対向する位置に、前記上葺折板屋根の前記角波形状に沿って取り付けられた上葺タイトフレームと、
を備えた二重折板屋根構造物。 - 隣接する前記上葺タイトフレーム間であって前記上葺タイトフレーム取付下地の上かつ前記上葺折板屋根の下に、前記上葺折板屋根の前記角波形状に沿って取り付けられた中間上葺タイトフレームをさらに備えた、
請求項1に記載の二重折板屋根構造物。 - 前記中間上葺タイトフレームは、隣接する前記上葺タイトフレーム間に2つ以上取り付けられている、
請求項2に記載の二重折板屋根構造物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016001638U JP3204846U (ja) | 2016-04-08 | 2016-04-08 | 二重折板屋根構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3204846U (ja) |
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2016
- 2016-04-08 JP JP2016001638U patent/JP3204846U/ja active Active
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