JP5586118B2 - 荷電粒子ビームシステムの操作方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微細な構造を形成し、変更し、視認するための荷電粒子ビームシステムの操作方法に関する。
フォトリソグラフィは、集積回路やマイクロマシーンのような微細な構造を作成するために使用されるプロセスである。フォトリソグラフィプロセスは、フォトレジストと呼ばれている放射線感応物質を光パターン又は他の放射線パターンに露光することを必然的に伴う。このパターンは、放射線をマスク、すなわち、表面にパターンを有する基材に通過させることによって一般的に作成される。このパターンはある種の放射線をブロックするか又はその位相を変化させて放射線感応物質上に露光領域と非露光領域を創り出す。創り出すことのできる構造の大きさは、使用する放射線の波長によって制限される。波長が短ければ短いほどより微細な構造を生成することができる。
フォトリソグラフィプロセスは絶えずより微細な構造を生み出すことを求められているので、紫外線やX線までも含む放射線のより短い波長を用いたリソグラフィシステムが開発され続けている。(用語「光」と「フォトリソグラフィ」は一般的意味で使用されるが可視光線以外の放射線も含んでいる。)70nm又はそれよりも小さな寸法を有する構造を生成するフォトリソグラフィシステムは、現在も開発中である。そのような構造は、193nm又は157nmの波長を有する光を用いて製造される。そのような短い波長のためのフォトリソグラフィマスクは、マスク上に透過性のパターンよりもむしろ反射性のパターンを使用する。何故ならば、そのような短い波長の放射線に対してマスク基板が十分な透過性を有しないからである。そのようなマスクにおいては、放射線はマスクからフォトレジストへと反射する。
フォトリソグラフィマスクは、マスクが所望の露光パターンを正確に生成する場合には、欠陥のないものでなくてはならない。最新に製造されたマスクは、パターン材料の欠損や過度の材料のような欠陥を有する。そのようなマスクを使用する前に、度々荷電粒子ビームシステムを用いて、その欠陥は修復されている。イオンビームと電子ビームを有するデュアルビームシステムがマスク修復に使用される。イオンビームは、マスク上の過度の材料を食刻して、マスク上に材料堆積をするか、又は、マスクイメージを形成するために用いられる。電子ビームは、マスクイメージを形成し、そして、ときには材料を堆積するか又はエッチングするために用いられる。主に絶縁基板上に生成されているマスクに荷電粒子が当てられたとき、電荷が基板上に蓄積する傾向がある。この電荷は、ビームスポットの形状と位置に影響を与えて、荷電粒子ビームの動作に悪影響を及ぼす。
蓄積された電荷の中和化又はそれを減少する一つの方法が、必然的に、電子フラッドガンを用いて電子を正に帯電した基板に向けて発射することである。そのようなシステムが、Doherty他の特許文献1に記載されている。また、非常に低エネルギーの陽イオンのビームを使って負の電荷の蓄積を中和する別の方法もCrawfordの特許文献2に記載されている。イオンはイオン発生器内のガスをイオン化する高電圧によって発生し、Crawfordのシステム内で生成されるイオンの数はワークピース上の電荷蓄積に関連しない要素によって決められる。そのようなシステムは、動作条件の変更又は試料特性に対して平衡がとれている必要があるので、容易に使用されなかった。より低電圧で満足のいく撮像を可能にし、ワークピースの帯電を減少することのできる、低真空走査型電子顕微鏡(LVSEM)の導入や、電界放出ガン電子顕微鏡(SEM)の使用増加に伴ってそのようなシステムの使用は衰退した。
一次ビームがワークピース表面を走査しているときに放出される二次粒子、すなわち、後方散乱粒子を集めることによって、ワークピースを撮像するために、荷電粒子ビームを使用することは通有の技術である。像の各点の輝度は、ビームが基材に各点に当たったときに集められた二次粒子の数に対応する。(ここで、用語「二次粒子」は、後方散乱粒子を含めて、ワークピースから剥がれ落ちるいかなる粒子をも含むために用いられる。)絶縁基板の帯電は、一次及び二次粒子の通路に影響して、撮像に影響を及ぼす。
一次電子ビームの衝撃によって放出された二次粒子を検出する一つの技術がMancuso他の特許文献3に記載されており、それはLVSEMに用いられる二次電子検出器を記載している。
この検出機器は、電位が加えられて電界を発生する電極からなる。基板で放出した二次粒子は、その検出器に向かって加速されガス分子と衝突して別の荷電粒子を生成し、それが他のガス分子と衝突してより帯電した粒子をも生成する。そのような方法は「カスケード」効果と呼ばれている。この方法で生成される荷電粒子の極限の数は、基板において放出される二次粒子の数に比例し、それによって二次粒子の数に対応する増幅された信号を生成する。電子源と一次ビームの通路のほとんどは、一次ビームを通過させるがガス分子がカラム内に入るのを阻止する開口によって、高真空に維持されている。
LVSEM検出器において、この検出器ガスを通過する二次粒子の通路長は、適切な増幅を提供するために、ガス分子と十分な衝突を可能にするほど十分に長くなくてはならない。衝突の可能性を増やすために、検出器は、主に、ワークピースから離間して配置され粒子がワークピースから検出器に移動する相当長い通路長を提供する。ガス圧を増やすことも、特定の通路を通過中に衝突の可能性を大きくする。LVSEMのガス圧は、大抵、ワークピースと検出器の間において約70N/m2から700N/m2に維持され、カスケード効果を生み出すのに十分なガス分子を提供する。
LVSEMに検出と電荷中和能を提供するデュアルビームシステムを提供することが望ましい。しかし、LVSEM検出器にとって必要な比較的に高いガス圧は、そのようなシステムを、イオンビームシステム又は高真空SEMのような他の荷電粒子ビームシステムと同じ真空チャンバ内で使用することを不適切にする。何故ならば、そのような荷電粒子ビームシステムがLVSEMにとって必要な比較的に高いガス圧の基では作動できないからである。信号を増幅するのに必要なガス分子は、ビーム中のイオン又は電子と干渉し、解像度を下げ又は信号対ノイズ比を劣化させる。
利用者がLVSEMを使用して、二次ビームを用いる前にポンプで排ガスすることによって真空チャンバを高真空にしても、そのような方法はほとんどの実例にとってあまりにも時間が掛かってしまう。
米国特許第4639301号 米国特許第4249077号 米国特許第4785182号
本発明の課題は、二次高真空ビームの作動圧力を下げる時間を少なくするか又はそれをなくすほどワークピース試料チャンバ内の圧力を十分に低く維持するLVSEMタイプの荷電粒子検出器を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載したような「イオン化チャンバと電子ビームカラムを有する荷電粒子ビームシステムであって、該イオン化チャンバが、イオン化チャンバの長手方向の軸を有し、ワークピースを内蔵するワークピース真空チャンバと、イオン化チャンバの内部領域を画定するイオン化チャンバ壁と、ガスを前記イオン化チャンバの内部領域に供給するガス取り入れ口と、前記ワークピース真空チャンバから荷電粒子が前記イオン化チャンバ内に入ることを可能にする開口と、前記ワークピース真空チャンバからの荷電粒子を加速するための前記イオン化チャンバ内の電極とからなる荷電粒子ビームシステムの操作方法であって、該操作方法が、
光学軸を有する電子ビームカラムによって一次電子のビームが発生される工程と、
前記ワークピース真空チャンバ内の圧力よりも相当大きな作動圧力であって、且つ、前記イオン化チャンバ内でガスイオン化カスケード効果を誘発する程十分高い作動圧力を前記イオン化チャンバ内で維持する工程と、
前記一次電子のビームを前記ワークピースに向けるが、該一次電子のビームが作動圧力のイオン化チャンバを通らないようにする工程と、
前記ワークピースからの荷電粒子であって前記イオン化チャンバ内のガスにイオン化を引き起こすものを前記開口を介して前記イオン化チャンバに引きつける工程であって、前記光学軸と共軸でない長手方向の軸を有する前記イオン化チャンバに荷電粒子を引きつける工程と、
前記イオン化チャンバ内のガスのイオン化によって生じたイオンを引き出してワークピース表面の電荷を中和する工程とからなることを特徴とする方法」を提供するものである。


本発明は、このように、一又はそれ以上の圧力制限開口によってワークピース真空チャンバとは分離されたイオン化チャンバを提供するものであるが、イオン化チャンバの圧力を十分に高く維持して、二次粒子のガス分子との衝突を通してイオンを発生することによって二次粒子信号を増幅するが、一方ワークピース真空チャンバ内の圧力は十分に低くして、LVSEMの作動圧力からチャンバを排気するのに必要な時間に比べて、システムを排気して非LVSEM荷電粒子ビームシステムが作動するのに適した圧力にするのに必要な時間を非常に短くする。本発明は、荷電粒子ビームシステムにおいて、例えば、石英を成分とするリソグラフィマスクの撮像やそのような基板上の表面電位を制御するのに役立つ。本発明の好適な実施の形態は、一次荷電粒子ビームの基板との衝突によって発生された二次荷電粒子の衝突によって好適にイオン化されたガスを用いたイオン発生器である。別の好適な実施の形態において、イオン発生器は、化学支援荷電粒子ビームエッチング又は堆積のためのガスを提供するのにも使用される。
上記は、本発明の好適なシステムの諸相の特徴と技術的な利点のいくつかをむしろ広範に概括したものであり、以下の発明の詳細な説明を読むことによって十分理解できるものである。別の本発明の特徴と利点も以下に説明される。ここに開示された概念と特定の実施の形態が本発明と同じ目的を遂行する他の構造物を改作し又は設計するための根拠として容易に利用されることを業界で通常の知識を有する者は理解すべきである。それに均等な構造も本明細書に添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神と範囲を逸脱しないことも、業界で通常の知識を有する者は理解すべきである。フォトマスクを修復する好適なシステムにより以下に記載する発明の諸相の多くが実現されるが、特定の実現の目的に応じて個別に又はいかなる組み合わせと共に、多くの発明の諸相が応用されることも理解されるべきである。
上記の課題解決手段によれば、本発明は、二次高真空ビームの作動圧力を下げる時間を少なくするか又はそれをなくすほどワークピース試料チャンバ内の圧力を十分に低く維持するLVSEMタイプの荷電粒子検出器を提供することができるという効果を奏する。
また、上記の課題解決手段によれば、本発明は、一次荷電粒子ビームと基板との衝突によって発生された二次荷電粒子の衝突によって好適にイオン化されたガスを用いたイオン発生器を提供することができるという効果も奏する。
本発明の好適な実施の形態は、荷電粒子ビームシステムにおいて絶縁試料の負電荷を中和するためにイオン発生器を用いる。フォトリソグラフィマスクが主に、石英のような絶縁基板上に製造されるものなので、本発明は、フォトリソグラフィマスク上の荷電粒子ビーム動作にとって有用である。
このイオン発生器は、好適には、低真空走査電子顕微鏡(LVSEM)における検出作業と同様の方法で、ワークピースから放射された二次電子若しくは後方散乱電子を用いてガスをイオン化する。この二次粒子は、その粒子がガスを通過するときに、ガス分子と衝突しそれをイオン化して、自由電子を生み出し、それがカスケード反応において他のガス分子に衝突しそれをイオン化する。このイオン化プロセスは、絶縁基板上の電荷を安定化するために用いられるか、若しくは、撮像のために大量のイオンを発生することを可能にする。
ワークピースからの二次電子を用いてイオンを発生することによって、発生されるイオンの数は、荷電粒子ビームからワークピースに衝突する電荷量に関連する。荷電粒子ビームによるワークピースの電位の変化は、ワークピースに到達するイオンの数を自動的に調整するように働く。このように、このシステムは荷電粒子ビームシステムにおいてワークピース上の電荷を中和するための自己安定イオン発生器を提供することができる。一度ガス圧とイオン発生器が電荷を制御するために設定されると、ビームエネルギーや走査速度やビーム電流のような他の電子顕微鏡パラメータはその制御を台無しにすることなく変更されうる。このシステムは自己調整可能である。
本発明のある種の実施の形態は、低真空走査電子顕微鏡(LVSEM)検出器を用いるが、それは二次電子信号を増幅するイオンを発生するとともに、ワークピース上の電荷を中和するためのイオンを提供する。本発明の他の実施の形態は、LVSEM検出器とは別のデバイスでありそれとは接続していないイオン発生器を用いる。
LVSEM検出器はイオンを発生し、それらのイオンが電荷中和に使用されるが、LVSEMは、LVSEMや集束イオンビーム(FIB)カラムを含むデュアルビームシステムのような多重ビームシステム内の使用には不適であった。LVSEMは、一般的に、約70N/m2乃至700N/m2の圧力で作動するが、一方、集束イオンビームは、一般的に、約0.01N/m2の圧力で作動する。このように、LVSEMと集束イオンビーム(FIB)カラムを含むデュアルビームシステムにおいては、LVSEMを利用するときからFIBを利用するときには、利用者は試料真空チャンバ内の圧力を70N/m2から0.01N/m2に下げねばならなかった。真空チャンバをポンプを用いて排気して70N/m2から0.01N/m2に下げるのに必要な時間はほとんどの商業上の用途においてFIBと共にLVSEMを使用する場合には重大な不利益となっていた。LVSEM検出器が検出器ガスでチャンバを充填させると言うよりはむしろ、検出器領域に配置されたガス噴出器を使用する場合ですら、チャンバは検出器ガスで充填されたままであり、そのことはイオンビームの使用前に排気を実行しなくてはならない。
本発明のある種の実施の形態は、同じ真空チャンバ内にLVSEMとFIB又はSEMの共用を実際に行っている。ある種の実施の形態においては、このシステムは、得てしてイオン発生器の近くに比較的に少量のガスを局在するように設計されている。そのような実施の形態においては、システムはそのシステム内の異なる箇所において異なる圧力を維持して、ガス圧がイオンが発生されるべき箇所においてより高く、システム内の他の部分において低くし荷電粒子ビームによる干渉を少なくするようにする。たとえば、一つの実施の形態においては、LVSEM検出器の近くの少量のガス圧は約70N/m2であり、チャンバのバックグランド圧力は約0.1N/m2に維持されている。FIBに切り替えるときには、チャンバはポンプを用いて排気して70N/m2から0.01N/m2に下げる代わりに、0.1N/m2から0.01N/m2に下げることだけが必要である。このように、LVSEM操作からFIB操作への切換ははるかに迅速に行われ、デュアルビームLVSEM−FIBシステムは、マスク修復と他の用途にとって実用的である。ある種の実施の形態では、LVSEM検出器又は他のイオン発生器とFIBを同時に操作することも可能である。
LVSEM検出器又は他のイオン発生器によって発生されたイオンのいくつかをワークピースに戻して電荷を中和することによって、LVSEM又は他の撮像システムは2nm未満の解像度でクローム吸収材上の特徴を示す像を形成することが可能となる。イオン発生器によって提供される電荷中和は、部分的にガス又はガス混合物の圧力と同一性を制御することによって制御される。イオン発生に使用される各種のガスとガス混合物は、欠陥を修復するための荷電粒子ビーム支援エッチング又は堆積にも使用される。荷電粒子ビームの存在の下でエッチング又は堆積用に各種のガスを使用することは、「ビーム化学」と称されている。ある種の実施の形態では、電荷中和のためにイオン発生器からの各種ガスはエッチング又は堆積用の別の各種ガスに変えられるし、他の実施の形態においては、ガス混合物も使用されることがある。
個々の電子最終レンズの構成は、一般的に、二次電子検出及び/又は電荷中和のために中和用のイオンを生成するために異なる設計を必要とする。以下に記載のいくつかの実施の形態は、異なるタイプの電子レンズと共に使用される設計例を提供するが、これらの例と開示された原理を使用することによって、業界で通常の知識を有する者は、他のタイプのレンズと一緒に作動する検出/中和の構成を設計することができる。
図1Aは、本発明を組み込むことができる、たとえば、高性能なマスク修復と測定のために使用されるデュアルビームシステム100を略式に図示している。本発明はデュアルビームシステムにおける使用に限らず、シングルビームシステム又は多重ビームシステムにも使用される。システム100は第1の荷電粒子ビームカラム102と第2の荷電粒子ビームカラム104を具備しており、両カラム102と104の軸は互いに略平行に配設されており、ワークピース106の表面に略垂直である。ワークピースホルダー又はステージ108は、ワークピース106を移動してそれをいずれかのカラムの下に正確に位置決めする。両カラム102と104とワークピース106は真空チャンバ110内に内蔵されている。
本発明は特定のタイプのカラムに限定されるものではない。たとえば、本発明のある実施の形態は、集束ビームカラム又は成形ビームカラムのようなイオンビームカラムとLVSEMカラムや非LVSEMカラムのような電子ビームカラムの組み合わせを具備することもある。ここで用いられる、用語LVSEMは、二次電子又は後方散乱電子によってガスをイオン化して電荷中和のためのイオンを発生するいかなる電子カラム構成及び/又は差圧ポンプを用いて電子カラムを高真空に維持する検出器の一部としての電子カラム構成にも広く適用される。
図1Aは、例えば、液浸レンズカラム104と共に用いられるLVSEM検出器120と、非液浸レンズカラム102と共に使用される電荷中和用のセパレート式イオン発生器122を図示している。カラム102は、シンチレーター検出器又はチャンネルプレート検出器のような非LVSEM二次粒子検出器124も有する。この2つの電子カラムは試料の異なる視点を提供する。液浸レンズカラムは、対称型の検出器によって高解像度を付与し、一方、非液浸レンズカラムは画像の方向成分を提供する検出器を可能にする。イオン発生器122は、電荷中和及び信号検出兼用のLVSEM検出器と代替可能である。別の実例では、LVSEM検出器と(Everhart-Thornley検出器やチャンネルエレクトロン増倍器(CEM)やマイクロチャンネルプレート(MCP)のような)非LVSEM検出器とイオン発生器の異なる組み合わせを使用することもある。
図1Bは、第1の荷電粒子ビームカラム152と第2の荷電粒子ビームカラム154のそれぞれのビームが一致するか又は近接するようにそれらのカラムが配設されているシステム150を図示している。すなわち、一方のカラムは他方のカラムに対して傾斜されており、両ビームがワークピースに対して同じポイント又はその近くで衝突する。衝撃点がずれていれば、ワークピースホルダー108はワークピース106を移動してそれをいずれかのカラムの衝撃点の下に正確に位置決めする。カラム152と154とワークピース106は真空チャンバ160内に内蔵されている。カラム152と154は、その一方のカラムの傾斜がいくつかの組み合わせの実現を物理的に難しくしてはいるが、LVSEMイオン発生器と非LVSEMイオン発生器と従来の検出器又は電荷中和器のいずれかの組み合わせを使用することもある。図1Bは、電荷中和を提供する電荷発生器156を図示している。電荷発生器156は、電子フラッドガン又はLVSEMタイプのイオン発生器であってもよい。
マスク修復のために使用されるデュアルビームシステムにおいて2つのカラムのうちの少なくとも一方は、好適には、ワークピース表面に対して傾斜しているか、又は傾斜可能である。傾斜ビームを用いることでワークピースについての3次元情報を提供することができる。3次元情報は、例えば、位相シフトマスク上の石英バンプ欠陥(quartz bump defects)の修復に有効である。そのような欠陥は、基板と同じ材料でできているので、映像において基板とはっきりとしたコントラストを示さず、基板を傷付けずに修復することが困難である。「荷電粒子ビームと走査プローブ顕微鏡からの地形データを用いたフォトマスクの欠陥修復」と題する米国特許出願第10/636309号は、位相シフトマスクの欠陥を修復するために3次元地形情報を使用する方法を記載している。傾斜した荷電粒子ビームは、米国特許出願第10/636309号に記載された走査プローブ顕微鏡の代わりに、3次元映像を提供するために使用される。荷電粒子ビームシステムが3次元データを提供する場合、情報を得るために真空チャンバからワークピースを取り出す必要はなくなり、それによって、生産性が向上する。
図2は、真空チャンバ206内に配設された、イオンビームカラム202と低真空走査電子顕微鏡カラム204を具備したシステム200を図示している。低真空走査電子顕微鏡カラム204は、ワークピースに強磁界を付与する磁気液浸対物レンズ207を有する。集束イオンビームカラム202は、好適には液状金属ガリウムイオン源(LMIS)であるイオン源203を有している。本発明はいかなる特定のイオン源に限定されるものではなく、シリコン/金共晶LMIS又はプラズマイオン源のような他のイオン源も使用することができる。集束イオンビームカラム202は、集束ビーム又は成形ビームを使用することもできる。集束イオンビームカラム202は、スパッタリング又は化学支援エッチングによってワークピース208の表面から材料を取り除くために使用することもでき、又は、イオンビームの存在下で前駆体ガスが分解してワークピース表面に堆積物を残すイオンビーム支援堆積を用いてワークピース208の表面に材料を堆積するのに使用することもできる。
大きな平坦検出器210と大きな平坦ワークピース208の組み合わせは、検出器ガスのある種の閉じこめを提供し、真空ポンプ214が検出器210とワークピース208の間の圧力をチャンバ206の他の部分の一般的な圧力よりも数桁大きくするように維持することを可能にする。
LVSEMカラム204は、増幅器216と接続したLVSEMタイプの検出器210とワークピース208から放出された二次粒子を増幅するために使用されるガスを提供するガス噴出器218を有する。そのガスは、化学支援電子ビームエッチング又は堆積にも使用される。ステージ220は、所望に応じて、カラム202又はカラム204のいずれかの下にワークピース208を位置決めする。
図3は、非液浸レンズ(ワークピースに弱磁界を提供するレンズ)と電子ビームカラムの操作によってワークピース上に堆積した電荷を中和するための自己安定型イオン発生器を用いた本発明の実施の形態を図示している。図3は、例えば、集束イオンビームシステムのような二次荷電粒子ビームカラムを内蔵することもできるシステム真空チャンバ308に内蔵されているワークピース307上に電子ビーム306を集束する非液浸対物レンズ305を有する電子ビームカラム304を図示している。
イオン発生器302は、イオン314を管310から出して電子ビーム306がワークピース307に衝突する衝撃点316に到達させるオリフィス312を設けた閉鎖管310を有する。高電圧電極317は、管310内部で二次粒子を加速する。管318は、矢示319に示すようにガスを管310に導入する。
好ましくは、このイオン発生管310は、好適には、約10Vと約500Vの間にあり、一般的には約200Vである正の小バイアス電圧が掛かっていて、二次電子320のいくつかを管内に引き込む。好適には、約300Vと約2000Vの間にあり、一般的には約500Vである電位に維持された高電圧電極317は、更に管310内で二次電子320を加速し、管310内のガスイオン化カスケード反応を引き起こす。イオン314は、電極317からあふれ出てオリフィス312から外に出る。管に加えられた正のバイアスと(試料の電荷)は、試料に向かってイオンを加速する。過度のイオンが存在したとしても、試料は正に帯電することとなり、そのことは試料へのイオン流を減少させ過度のイオンを対物レンズに流すようにするか又は管に戻るようにする。このように、中和が自己制御される。この自己制御は、アースされるか又はバイアスが掛けられて過度のイオンをレンズよりもむしろ電極に流すようにする電極330を追加することによって強化されることもある。
撮像と分析のために大部分の二次粒子を収集することと検出することは、シンチレーター検出器又はチャンネルプレート検出器のような従来の高真空検出器322を用いて行うことができる。二次粒子は、図3に示すようにワークピース近くで軸からずれて集められるか、又は、レンズを通して集められる。このように、イオン発生器302を使用することによって、イオン発生器による電荷中和を提供しつつも非LVSEM検出器を使用することのできるシステムが達成される。真空チャンバはガスによって充填されておらず、比較的に短いポンプ排気と同時又はその後のいずれかにおける非LVSEMタイプの荷電粒子ビームの操作を排除する。
電子カラム304の使用からチャンバ308内のイオンビームカラム(図示せず)の使用への切換は非常に迅速に行われる。オリフィス312は、システム真空チャンバ308へのガス漏洩が少ない程度に十分に小さく、チャンバ308のガス圧はLVSEM検出器のよりオープンなイオン発生器設計における圧力よりも低いレベルに維持される。カラム304の使用からイオンビームの使用に切り替えるために、操作者は一般的にイオン発生器へのガスを止めて小容量のイオン発生器ガスをメインチャンバに排気するようにする。それとは別に、弁をオリフィス312に配置するようにしてもよい。ある種の実施の形態においては、ガス噴射機としてイオン発生器を使用する、すなわち、ワークピースに向かってエッチング強化ガス、又は荷電粒子ビームの存在下で分解して材料を堆積するガスを発射することもできる。
LVSEMの不利益は、比較的に緩慢な撮像速度であり、一般的には画素当たり1ms未満である。イオン発生器302のようなイオン発生器を使用することによって、より高速の撮像速度の非LVSEM検出器を使用することができて、イオン発生器の電荷中和の利益が得られる。少なくとも一つのカラムが非LVSEM検出器を使用している場合には、この利点はシングルビームシステム又は多重ビームシステムでも得られる。
イオン発生器の増幅効果のために、電荷中和にとって十分なイオンを発生するためには、比較的に少数の二次粒子のみが集められる必要があり、従って、ほとんどの二次粒子は撮像システムのために集められて利用される。イオン発生器が二次粒子信号の増幅器として使用されるのではなく電荷中和のために使用される場合には、相当小さな増幅が用いられる。増幅は管310内のガス圧に依存するので、低圧力が用いられるが、それはチャンバ308内の圧力を低下することとなる。
管310内の適切な圧力は、イオン発生器内部の電極に印加された電圧と取り込まれた二次粒子の数とそのエネルギーに依存するが、それらのファクターは用途に関して変化する。特定の実施の形態のための適切な圧力を決定するためには、イオン発生を監視するために電極の電子信号を測定し、ガス圧又は電圧を調整して基板を中和するのに十分なイオンを得るようにしてもよい。イオンがLVSEMタイプの信号増幅に用いられていない実施の形態の場合にはガス圧を減少することもできる。
イオン発生器302のガス圧は、好適には10N/m2を越え、より好適には約40N/m2を越える。約70N/m2の管内の好適圧力は、大きなイオン倍率を許容する。この圧力は、好適には100N/m2未満であり、より好適には約90N/m2未満である。約0.2mmのオリフィスは、ガス流を制限してチャンバを0.01N/m2範囲内に維持する。オリフィスの大きさはシステムパラメータによって変化する。オリフィスは、多数の二次電子が管310内に入り、ほとんどのイオンが管310のオリフィスから外に出るのを可能にするほど十分大きなものにすべきである。業界で通常の知識を有する者は、上記のガイダンスに基づいて適切なオリフィスの大きさを決定することができる。イオン発生器の作動中のチャンバ内の圧力は、好適には10N/m2未満であり、より好適には1N/m2未満であり、さらに好適には約0.1N/m2未満であり、もっとも好適には約0.01N/m2以下である。
LVSEM検出器の使用に適切であると知られているガスは、一般にイオン発生器302の使用にも適切なガスである。適切なガスの好ましい特性は、低イオン化エネルギー、低酸化性であり、耐腐食性を有することである。例えば、水蒸気は二次粒子信号を増幅する好適な検出器ガスである。他の適切なガスは、窒素、アルゴン、一酸化炭素のガスである。検出器ガスは、荷電粒子ビーム支援堆積又はエッチングに使用される他のガスと混合することもできる。例えば、二フッ化クセノン(xenon difluoride)は、シリコンを含むいくつかの材料のエッチングを補強する。ガス分子は、ワークピース表面に移動し荷電粒子ビームによって活性化されたときには、その表面をエッチングする。他の例として、六フッ化タングステン(tungsten hexafluoride)と六カルボニルタングステン(tungsten hexacarbonyl)は、電子ビームの存在下で分解して、タングステンを堆積する。
ある種の実施の形態において、図3のイオン発生器は、液浸レンズとともに使用されることもある。このレンズからの磁界は、通常二次電子がイオン発生器管に到達することを阻止する。この場合、(磁界から逃れることができる)高エネルギーの後方散乱電子が管内に入りイオン発生プロセスを引き起こすような位置にイオン発生器を配置することもできる。磁界は必ずしもイオンを外に流すように作用するわけではない。イオン発生器の構成は、高真空で作動して、液浸レンズと一体又はそれの上に設けられたいわゆる「レンズ透過(through the lens)」検出器の使用を可能にする。
図4(A)と図4(B)は、バイナリーマスクの電子ビームイメージであり、図4(A)はマスクが電子ビームによって帯電したときに取られた(電荷中和されていない)イメージであり、図4(B)は本発明の実施の形態に関連してマスク上の電荷が中和されたときにとられたイメージである。
図3の実施の形態は、イオン発生器の管310内において局所的に発生する高圧領域を用い、真空チャンバが超低圧に維持されうるようにしている。以下に説明する実施の形態は、局所発生高圧領域の概念と液浸レンズを用いたLVSEM検出器の使用を組み合わせたものである。以下に説明する実施の形態は、有効な電子検出と低チャンバ圧力を維持しながら電子ビーム電荷制御を可能にするが、それは電子ビーム化学とデュアルビーム作動にとって好適である。
図3の実施の形態は検出器とは別個のイオン発生器を使用したが、以下の実施の形態は二次粒子検出用にも用いられるイオン発生器を使用する。これらの実施の形態は、LVSEMのような二次粒子検出を可能にするとともに、特に磁気液浸対物レンズと共に使用されたときには電荷制御及び化学的に増強された荷電粒子ビーム作動を可能にする。例示されたある種の実施の形態は、ガス環境に関連して磁界と静電界の特定の組み合わせを用いることによって改良された信号増幅と電荷制御を提供する。
特開平5−174768号は、対物レンズからの磁界が電界に平行しているカラム構成を開示しているが、この出願は、二次電子が磁束線の周りでトラップされて、それによって通路長と増幅度を増加することを教示している。上記の「粒子光学デバイスと検出機器」は、より長い通路が電界の形状の適切な選択によって提供され、いわゆる「磁気ペニング機構」を実現することを示している。このより長い通路長は、減衰振動の形態をとる。電界が磁界に直交する成分を有するように電極を構成してもよい。そのような構成は、電子が磁界に垂直な半径方向の電界の存在下で円形軌道を移動するマグネトロンとして知られている構造に類似している。この構成は、電子通路長を大きく延長し、ガスの存在下で大きなガス増幅を提供する。
この原理を例示するために、図5は内部の円筒電極502と外部の円筒電極504である2つの共軸の円筒電極からなるマグネトロン構造500を示している。内部円筒電極502は接地されており、外部円筒電極504は正の電位にある。この電位差は、両電極間に図5にEと矢示された半径方向の電界を生じさせる。更に、×として示され紙面に垂直に向かうBとして表示され、好適には両円筒電極間の空間において均一である磁界も存在する。電子は両円筒電極間の箇所に発生し、図6に示された通路と同様の通路を移動する。
高真空下で、電界(E)と磁界(B)の適正な値を有して、電子は無期限にその構造回りを移動することができる。しかし、ガスが存在する場合には、電子はガス分子と衝突をする。電子のエネルギーが十分に大きい場合、ガス分子はイオン化され、そして、2つの電子が存在する。これらの2つの電子は電極504に向かって外側に更に移動し始め、図6と同様の通路内において電極502よりも大きな半径を有して該電極502の周囲を移動する。これら2つの電子は更にガス分子と衝突をして増倍プロセスを繰り返す。増大した通路長は大きな増幅を発生することができる。しかし、最大の増幅は適正な電界Eと磁界Bの組み合わせの場合にのみ発生する。
2つの効果、すなわち、磁界と平行な電界の成分に起因する磁気ペニング効果と磁界に垂直な電界成分に起因する「マグネトロン」効果の組み合わせは、大きく増強された信号増幅を創り出す。一つの実施の形態において両方の方法を同時に用いて増幅を達成するためには、3つの一次パラメータ,すなわち、ガス圧と磁界強度と電界強度であるパラメータの特定の組み合わせが必要である。
図7は、液浸レンズ702の第二極710に載置されたステージ708に載置されたワークピース706上に電子ビーム704を集束する液浸レンズ702を有する荷電粒子ビームシステム700からなる実施の形態を図示している。システム700は、検出器として、増幅器716に接続された電極プレート714を使用する。圧力制限開口717は、液浸レンズ702へのガス流を減少することによって検出器空間718と液浸レンズ702の間の圧力差を維持する。電極プレート714は、好適には、磁界722と実質的に共軸である、実質的に円形の中央開口719を有する単純で薄い導体プレートである。100Vから2000Vの範囲の正電圧が作動中電極プレート714に加えられる。この電極プレート714へのバイアス電圧は、開口719のために、一部が液浸レンズ702によって生成された磁界722と平行であり一部がそれと垂直である電界を生み出し、そして、システム700はしたがって上記の磁気ペニング効果とマグネトロン効果による二次粒子信号増幅を達成することができる。
大きな開口719は、磁界722に垂直な電界を電極714の近傍で生成し、それによって、マグネトロン効果による増幅を達成することができる領域を提供する。しかし、開口が小さすぎると、マグネトロン効果が得られない。一方、開口が大きすぎると、磁気ペニング効果による増強が得られない。磁界と電界とガス圧のある対応する値と共に、ある一定の開口直径が、両方の増幅機構を同時に達成することができる。これらの条件が満足される場合には、磁気ペニング機構により増幅された信号がマグネトロン機構によって複合的に増幅され対応する大きな全体の増幅を達成する。
二次電子信号の増幅も、試料の荷電を排除するのに必要な陽イオンを生み出す。しかし、上記2つの機構によって生み出された非常に大きな増幅はあまりにも多くのイオンを創り出してしまう。接地され、又はバイアスを加えられた別のプレート730が、余分なイオンを集めるために提供される。このプレートは、検出信号を提供するために、増幅器に接続されてもよい。
前記複合機構を達成する、開口直径と磁界強度と電界強度とガス圧には多くの組み合わせが存在する。しかし、特定の開口直径にとっては、バイアス電圧と磁界のある一定の組み合わせしかこの複合効果を生み出すことはない。
磁気ペニング機構による増幅は、電子ビームの軸に沿ってピークとなる電位がガスのイオン化電位を越えた場合にのみ生じる。マグネトロン効果による増幅は、半径方向の電界(E)と磁界(B)が式2*m*(E/B)2/qがガスのイオン化エネルギーを越えるような場合にのみ生じる。ここで、mは電子の質量であり、qは電子の電荷である。業界で通常の知識を有する者は、このガイダンスを用いて特定の用途のための適正な開口直径を決定することができる。一例として、5000倍を越える高増幅の場合には、3mmの陽極開口直径と400Vの正電圧と0.1Teslaの磁界と40N/m2の圧力の水蒸気が必要である。
大きな全体の増幅を達成することによって、ワークピースから検出器への距離が短くなるように維持され、それはレンズの作動距離を小さくしその解像度を大きくする。また、検出器のガス圧は少なくできるが、そのことはチャンバ全体のガス圧を減少し、それによって、LVSEM動作からFIB又は他の非LVSEMビーム動作への切換に必要な時間を少なくするか又はそれを排除する。検出器空間718の圧力は、約70N/m2から約40N/m2又はそれ以下に、若しくはある種の実施の形態においては10N/m2又はそれ以下に減少することもある。収集器におけるガス圧の減少によって、更に、検出器とは離れた真空チャンバ内のガス圧が減る。
ワークピースが、例えば、フォトリソグラフィマスク又は半導体ウェハのような大きくて平坦なものである適切な形状を有し、検出器がワークピースの近くに配置される場合、その幾何学的配置関係は、増幅が生じる領域のガスにある種の閉じこめを提供する。従って、ガス圧は検出器とワークピースの間の空間内により大きく、検出器から離れたチャンバにおいてはより小さく残存する傾向にある。ある種の実施の形態は、増幅領域に1/10Torr又はそれ以上の作動圧力を提供するが、一方一般に真空チャンバの圧力は減少したままにする。増幅領域のガス圧と真空チャンバの残りの部分のガス圧は、ガスがさほど閉じこめられていないので、LVSEM検出器を使用してチャンバ圧力が一般的に若干高いけれども、図3のシステムに関連して記載されたものと同様であることもある。
従って、本発明のある種の実施の形態のLVSEM検出器は、他の荷電粒子ビームシステムを内蔵する真空チャンバ内で作動することができるが、そこではその他の荷電粒子ビームカラムと検出器ガスが最小限に干渉するか又は全くしないか、又は、その他のカラムを作動するために比較的迅速にそのチャンバが排気される程度にチャンバ内のガス圧を上昇しておく。
図8の実施の形態は、磁気液浸レンズ802を有し、上記の二次粒子信号増幅原理を用いる電子ビームシステム800の基部を図示している。システム800は、ガスを局所に集中するためのガス分離を提供して、同じ真空チャンバ内の他の荷電粒子ビームカラムの動作との干渉を減少する。システム800は、圧力制限開口を有する部材806と環状の検出器電極808を支持する絶縁体804を有する。イオントラップ810は、検出器電極808と絶縁体804と液浸レンズ802の先端部と圧力制限開口を有する部材806の組み立て体を囲繞する。ワークピース814は、イオントラップの下側近くに配設される。管812は、ガスを検出器領域に供給するために使用される。少量のガスが、圧力制限開口を有する部材806の開口から電子カラムに逃げるが、その流れは電子カラムが必要な高真空レベルに維持される程度に十分小さいものである。少量のガスは、また、イオントラップと試料の間を通過するが、その流れも試料チャンバの真空ポンプがチャンバ内のガス圧を極低圧に維持することできる程度に十分小さいものである。
ガスが排出される検出器808の開口820は、好適には、システムパラメータに依存して、mm程度の大きさを有する。利用者は、イメージが焦点を結ぶときの液浸レンズの磁界を変更する。検出器の電位は、自動又は手動で、調整されて必要な電界を生成し検出器を再び最適化する。レンズ802は、検出器領域を通じて必要な磁界を提供する。
磁気液浸レンズと共に使用される代表的なガス検出器は、最適には、チャンバ内で約70N/m2のガス圧と一次粒子の通路内で働く。この実施の形態は、上記の改善された信号増幅と電荷制御を生成するが、増幅が生じる領域内にガスを濃縮することによって非常に低いチャンバ圧力での作動も提供する。この実施の形態は、特に、平坦で直径が大きなフォトマスク又は他の同様のワークピースの撮像又は改作に適している。
図9の実施の形態は、図8に図示されたものと非常に似ていて同じ部材が同じ名称を有する電子ビームシステム900の基部を図示している。システム900は、試料914のような小さくて不規則な形状の試料を撮像又は改作するためにより適している。システム900は異なる方法によってガスを局在化する。検出器の電極は、2つの極板908を有し、外部ガス源から管912を通じて2つの極板間にガスを流入する。開口920は図8の開口820と同様である。出願人は主な信号増幅とイオン発生が検出器電極の近くの強電界領域において起きることを見つけた。この実施の形態においては、電極は中空でありガスが電極内を通過して検出器領域に入る。このことは、電極近くに高ガス圧を発生させ高増幅と高イオン発生を提供する。そして、ガスは残りの領域に膨張してビーム軸でのガス圧が非常に低下する。このことは、ビーム通路内のガスが(特に低ビーム電圧で)軸外の電子の「スカート」を発生するので大きな利点であるが、いくつかの望ましくない結果も発生する。すなわち、この軸外の電子は電子イメージのバックグランド信号を生成しイメージコントラストを減少することである。また、この軸外の電子は、電子ビーム化学におけるビーム衝撃領域の外側にエッチング/堆積を生じることである。ビーム通路内のガスを減少することによって、これらの望ましくない結果が低減され、又は、排除される。不規則な形状の試料に対するデュアルビーム用途の設計の他の大きな利点は、チャンバ圧が非常に低くて電子ビーム作動とイオンビーム作動の間の切換時間を少なくすることができることである。
ある種の実施の形態においては、検出器電極又はイオントラップの開口を形成し、又は、イオントラップの開口を通して試料へのイオンの流れを好適に制御するようにイオントラップにバイアスを加えることもある。実施の形態は電荷を中和するためだけに使用されるのではなく、マスク又は他のワークピースへの電気的バイアスを制御するためにも使用される。バイアスを制御することで、最適の撮像を提供できビーム化学の使用、すなわち、材料堆積又はエッチング強化のためのガスの使用を改善できる。
上記の各実施の形態は、イオン化領域のガスを十分な圧力に維持して二次粒子による適切なイオン化を支持し、荷電粒子ビーム堆積又は化学支援荷電粒子ビームエッチングのためにワークピースに向かうガスの使用を可能にするために、システム残りのチャンバ内の圧力を十分に低いか、又は早急に排気されるように維持する。この圧力は、真空チャンバの他の部分においては十分低く、一次ビームカラムの作動と干渉しない。
[別の実施の形態]
図10A乃至10Dは、図3に示されたようなシステムにおけるように、非液浸レンズ電子カラムを用いたイオン発生器の別の実施の形態を図示している。図示されたイオン発生器は、イオンの発生と試料へのストリーミングと、ワークピース撮像のための二次電子を検出することの双方ができる。それはワークピースでの圧力とイオン発生又は電子増倍若しくは化学処理のために使用されるガスに関して異なる圧力の迅速な変更及び/又は維持が望ましいデュアルビーム環境の基でよく作動する。それは、個別の圧力又はガス環境の維持が有益な他のシステムにも使用される。そのようなシステムは、SEMやLVSEMやFIBや他の撮像荷電粒子ビームシステムを有するがそれに限定されるものではない。
図示の実施の形態において、イオン発生器は、後部1002とそれに取り付けられているが電気的には互いに絶縁されている前部1004から構成される本体1000を有する。これらの本体部分は、ここに説明される他の構成部分と共に、各電極を内蔵しそして支持するように構成されている。本体の前後部は共に、一般的に、導電性であり、後部1002は接地され前部1004は正の相当高い電圧が印加されワークピースの二次電子をイオン発生器に引き付けるようにする。後部1002は、ガス取り入れ口オリフィス1003を有し、一方、前部1004はガス排出開口1005を有する。オリフィス1003はイオン発生と撮像の両方に適するガスを受け入れるために非制限的な取り入れ口である。処理ガスは、また、入力ガスストリーム内に入れられることもある。開口1005は、イオン発生器1000からの、又は、ワークピースチャンバへの撮像ガス流を制限する開口又は他の制限開口を画定する。
図示されたイオン発生器は、また、検出器電極1007とチャンネル電極(案内又は送出電極)1008から構成されるイオン発生器セル1006を有する。図示の実施の形態において、検出器電極1007は円盤状であり、円錐形状のチャンネル電極1008に隣接してはいるが電気的に絶縁されている。この円盤は、多孔でありオリフィス1003からのガスをより有効にイオン発生器セル1006の内部1010内へ拡散することができるようにする。図示の実施の形態において、チャンネル電極1008は、本体前部1004から分離されているが、他の実施の形態においては、本体前部1004と一体に成形されることもある。
チャンネル電極1008は、検出器電極1007に隣接して比較的に大きな開口を有する。この開口を検出器電極1007によって封鎖するように接続してもよいし、しなくてもよいが、しかし、電気的にはそれから絶縁されているべきである。他の端部において、チャンネル電極1008は開口1005に隣接して荷電粒子、例えば、−によって示された電子と+によって示された正に帯電されたイオンをイオン発生器セル1006へ又はそれから通過させるためのより小さな開口1009を有する。イオン発生器セル1006の内部1010は、正に帯電されたイオンを発生すると共に負に帯電した電子を増倍するために使用される大量の高圧ガスが充填されている。所望の作動パラメータに依存して、内部1010のガス圧はイオン発生器セル1006の外側ではあるがイオン発生器本体1000の内部のガス圧と同等かそれよりも高くすることができる。
検出器電極1007はそれに向かって電子を引き付けてガスカスケードを誘引するが、それは電荷中和のために正に帯電したイオンと増幅撮像信号のための自由電子を発生する。検出器電極1007は、撮像信号を発生するための電子を集め、それは増幅器1017によって更に増幅されて、撮像システム1019に送られる。しかし、他のイメージ検出方式も使用されうることも理解されるべきである。例えば、(1)(例えば米国特許第4785182号によって教示されているような)ガス内で発生されたイオンを検出ことと、(2)(例えば米国特許第4992662号によって教示されているような)カスケードプロセス中にガス内で発生された光を検出することのような他のガスカスケード技術でも実現されうる。チャンネル電極1008は、静電構造体であり、ワークピースの撮像領域の方向におけるイオン発生器セルからのイオンの有効な移動を容易にする。
検出器電極1007は、一般的に、はるかに高い電圧レベル(例えば、400乃至1000Vである)に固定されるが、チャンネル電極1008は一般的により低い正の値に偏倚されている。したがって、この電圧レベルと、検出器とチャンネル電極の配置関係とによって画定される電界は、イオン発生器チャンバ内部1010内の荷電粒子に作用する。検出器電極1007に近接して、チャンネル電極1008からの電界によるよりも更に検出器電極1007によって生成された電界によって荷電粒子が影響されることは通常望ましい。このことは、様々の方法で達成される。例えば、チャンネル電極への電圧バイアスはチャンネル電極表面に亘って変化し、その電圧値は検出器電極から離れる部分にしたがってより大きくなる。このようなチャンネル電極1008に掛かる非均一な電圧は、個別にバイアスがかけられ電気的に絶縁された多くの電極部材からチャンネル電極1008ができていることによって得られる。それとは別に、図示された円錐形状のチャンバ電極に関して、そのようなフィールド電極は、(例えば、非均一な半径を有する)適正に形成されたチャンネル電極1008によっても達成され、一般的に検出器電極1007のそれよりも少ない単独の値でバイアスをかけられたチャンネル電極1008によって所望の電界分布を得ることができる。
図示されたイオン発生器は、イオン発生器セル106に関連して実質的に共軸上に取り付けられ、イオン発生器開口1005に隣接する環状の磁界(及び/又は静電界)発生機構1012(レンズと同様)を有する。この環状の磁界(及び/又は静電界)発生機構1012は、開口1005からイオン発生器セル1006内に電子を注ぎ込むために発生された磁界又は電界を調整するために制御可能にすることも可能である。ワークピースの撮像領域に衝突するイオンの数及び/又はその濃度を制御するための(環状であることも可能な)電極1014も図示の実施の形態に含まれている。これらの構造体はイオン発生器本体と一体に又はそれとは別個に成形することができる。このことは、特定の用途と、イオン発生器本体とイオン発生器セル1006の配置とバイアスに依存している。これらの構造体と共に、イオン発生器セル1006内の撮像ガス圧を調整することは、ワークピースの撮像領域に供給されるイオンの数とその濃度を制御するために使用されることもある。
図11は、図10A乃至図10Dの軸外イオン発生器の軸上版であるものを図示している。ガスが開口1103からイオン発生器1100の後部1102に入る。図11のイオン発生器は、以下の例外を除いて前記軸外の実施の形態と同様に作動する。イオン発生器1100は、軸1118に沿って荷電粒子ビームを通過させるための開口1117を具備する別の上部円盤電極1116を有する。この電極は、検出器電極1107やチャンネル電極1108と同様に、ワークピースからイオン発生器開口1105を通じて低圧ビーム空間1111に電子を引き付けるために正のバイアスがかけられ、開口1105から正に帯電したイオンを強制的に外に出してワークピースに送る。円筒形の電極1114は環状のスリット開口1115を有し、そこから環状スリット開口1109を通してイオン発生器セル1106に電子と低圧ビーム空間1111にイオンの双方を通過させる。ビーム空間1111内の電子が環状スリット開口1115に近づいたときに、それらの電子は検出器電極1107とチャンネル電極1108によってより影響を受けることとなり、そのことが電子をその開口から入ってイオン発生器セル1106内を通り、イオン発生と検出器電極1107へ衝突する電子撮像信号の増幅を引き起こす結果となる。反対に、検出器電極1107とチャンネル電極1108によって支配される静電力は、イオンを開口1109と1115を通じてイオン発生器セル1106から外に出しビーム空間1111に入れる。一旦そこに入ると、円盤電極1116から働く力が支配してイオンを開口1105に通してワークピースに向かわせる。磁界発生構造体1112は、開口1115を通して高圧のイオン発生空間1110に電子を注ぎ込むために、発生された磁界を調整するように制御される。この実施の形態においては、円筒電極1114は、低圧ビーム空間1111と内部の高圧イオン発生器空間1110の間のガス圧バリアとして作用するが、バイアスを加えてイオンと電子の流れの制御を支援することもある。
本発明はいかなる特定の用途に限定されるものではなく、ある種の実施の形態は、光線、X線、超紫外線(EUV)その他の吸収材を含む、特には70nmのリソグラフィノード及びそれを越えるもののために使用されるマスクである、リソグラフィマスクの修復又はレベンソン型位相シフトマスク(APSM)のために特に使用される。
上記のようにこの明細書と図面で本発明とその利点を詳細に説明してきたが、特許請求の範囲に記載された発明の精神と範囲を逸脱することなく、各種の変更と代替と改変をなすことが可能であることは理解されるべきである。更に、本願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、工程の特定の実施の形態に限定されることを意味するものではない。本発明の開示事項から業界で通常に知識を有する者は、容易に理解できるので、現在存在しているか又は今後開発されるであろうプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、工程であってここに説明された各対応実施の形態と実質的に同じ機能を行うか又は実質的に同じ効果達成するものは、本発明に従って利用される。よって、特許請求の範囲の記載は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、工程を含むことを意図するものである。
上述したように、本発明の荷電粒子ビームシステムの操作方法は、リソグラフィマスクの撮像や修復などに利用される。また、化学支援荷電粒子ビームエッチング又は堆積のためにも利用される。
(A)は2つの荷電粒子ビーム光学カラムが互いに略平行に配設された本発明のデュアルビームシステムの実施の形態を示す略図、(B)は2つの荷電粒子ビーム光学カラムが互いに非平行に配設された本発明のデュアルビームシステムの実施の形態を示す略図である。 イオンを発生するLVSEM検出器と共に磁気液浸対物レンズを有する電子カラムと共に使用された場合のデュアルビームシステムを具備する本発明の一実施の形態を示す略図である。 非液浸磁気対物レンズを有する電子カラムと共に使用された場合の電荷中和のためのイオン発生器を用いた本発明の一実施の形態を示す略図である。 マスクが帯電したときに取られた、バイナリーマスクの電子ビームイメージである。 LVSEMタイプの中和器に関連して電荷が中和されたときにとられた、バイナリーマスクの電子ビームイメージである。 磁気液浸レンズと共に使用されるイオン発生器又は検出器の磁界及び電界構造とその電界構造における電子の軌跡を示す図である。 磁気液浸レンズと共に使用されるイオン発生器又は検出器の磁界及び電界構造とその電界構造における電子の軌跡を示す図である。 液浸磁気レンズと共にLVSEM検出器を使用した本発明の一実施の形態を示す略図である。 ガス通路がLVSEM検出器に組み込まれてワークピースが検出器の近くに存在する本発明の一実施の形態を示す略図である。 ガス通路がLVSEM検出器の陽極を通じて組み込まれている本発明の一実施の形態を示す略図である。 (A)は検出器を具備したイオン発生器の一実施の形態を示す斜視図、(B)は(A)のイオン発生器の側断面図、(C)は(A)のイオン発生器の10C−10C線端面図、(D)は(A)のイオン発生器の10D−10D線断面図である。 検出器を具備したイオン発生器の軸上の実施の形態を示す側断面図である。
符号の説明
100…デュアルビームシステム、102…非液浸レンズカラム、104…液浸レンズカラム、106…ワークピース、108…ステージ、110…真空チャンバ、120…LVSEM検出器、122…セパレート式イオン発生器、124…非LVSEM二次粒子検出器、150…システム、152、154…荷電粒子ビームカラム、156…電荷発生器、160…真空チャンバ、200…システム、202…集束イオンビームカラム、204…低真空走査電子顕微鏡(ESEM、203…イオン源、206…真空チャンバ、207…磁気液浸対物レンズ、208…ワークピース、210…検出器、214…真空ポンプ、216…増幅器、218…ガス噴出器、220…ステージ、302…イオン発生器、304…電子ビームカラム、305…非液浸対物レンズ、306…電子ビーム、307…ワークピース、308…真空チャンバ、310…密閉管、312…オリフィス、314…イオン、316…衝撃点、317…高電圧電極、318…管、319…矢示、320…二次電子、330…電極、500…マグネトロン構造、502…内部の円筒電極、504…外部の円筒電極、700…荷電粒子ビームシステム、702…液浸レンズ、704…電子ビーム、706…ワークピース、708…ステージ、710…第二極、714…電極プレート、716…増幅器、717…圧力制限開口、718…検出器空間、719…中央開口、722…磁界、730…プレート、800…電子ビームシステム、802…磁気液浸レンズ、804…絶縁体、806…圧力制限開口を有する部材、808…環状の検出器電極、810…イオントラップ、812…管、814…ワークピース、820…開口、900…電子ビームシステム、908…極板、912…管、914…試料、920…開口、1000…イオン発生器本体、1002…前部、1003…ガス取り入れ口オリフィス、1004…後部、1005…ガス排出開口、1006…イオン発生器セル、1007…検出器電極、1008…チャンネル電極、1009…小さな開口、1010…内部、1012…磁界(及び/又は静電界)発生機構、1014…電極、1017…増幅器、1019…撮像システム、1100…イオン発生器、1102…後部、1103…開口、1105…イオン発生器開口、1106…イオン発生器セル、1106、1107…検出器電極、1108…チャンネル電極、1109…環状スリット開口、1110…高圧イオン発生器空間、1111…低圧ビーム空間、1112…磁界発生構造体、1114…電極、1115…スリット開口、1116…上部円盤電極、1117…開口、1118…ビーム軸

Claims (12)

  1. イオン化チャンバと電子ビームカラムを有する荷電粒子ビームシステムであって、該イオン化チャンバが、イオン化チャンバの長手方向の軸を有し、ワークピースを内蔵するワークピース真空チャンバと、イオン化チャンバの内部領域を画定するイオン化チャンバ壁と、ガスを前記イオン化チャンバの内部領域に供給するガス取り入れ口と、前記ワークピース真空チャンバから荷電粒子が前記イオン化チャンバ内に入ることを可能にする開口と、前記ワークピース真空チャンバからの荷電粒子を加速するための前記イオン化チャンバ内の電極とからなる荷電粒子ビームシステムの操作方法であって、該操作方法が、
    光学軸を有する電子ビームカラムによって一次電子のビームが発生される工程と、
    前記ワークピース真空チャンバ内の圧力よりも相当大きな作動圧力であって、且つ、前記イオン化チャンバ内でガスイオン化カスケード効果を誘発する程十分高い作動圧力を前記イオン化チャンバ内で維持する工程と、
    前記一次電子のビームを前記ワークピースに向けるが、該一次電子のビームが作動圧力のイオン化チャンバを通らないようにする工程と、
    前記ワークピースからの荷電粒子であって前記イオン化チャンバ内のガスにイオン化を引き起こすものを前記開口を介して前記イオン化チャンバに引きつける工程であって、前記光学軸と共軸でない長手方向の軸を有する前記イオン化チャンバに荷電粒子を引きつける工程と、
    前記イオン化チャンバ内のガスのイオン化によって生じたイオンを引き出してワークピース表面の電荷を中和する工程とからなることを特徴とする方法。
  2. 更に、前記イオン化チャンバ内のガスのイオン化によって発生された電子を検出して、ワークピース表面の映像を構成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 更に、前記イオン化チャンバの外側に場を発生することによってワークピースに衝突するイオンの数を制御する工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 更に、前記イオン化チャンバ内で前記電極と開口の間に取り付けられたチャンネル電極に電位を提供して、二次電子を検出器電極に向けて導く工程を有することを特徴とする前記請求項1から3のうちのいずれか1つに記載の方法。
  5. 更に、前記ワークピースからの荷電粒子を前記開口に案内するために、前記開口の近くに磁場を提供する工程を有することを特徴とする前記請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の方法。
  6. 更に、前記ワークピースからの荷電粒子を前記開口に案内するために、前記開口の近くに制御可能な静電発生構造物を提供する工程を有することを特徴とする前記請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ワークピース真空チャンバ内の圧力よりも相当大きな作動圧力であって、且つ、前記イオン化チャンバ内でガスイオン化カスケード効果を誘発する程十分高い作動圧力を前記イオン化チャンバ内で維持する工程が、前記イオン化チャンバの内部領域を約10N/m2を越える圧力に維持すると共に、前記ワークピース真空チャンバの圧力を約1.5N/m2未満の圧力に維持する工程を含んでいることを特徴とする前記請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ワークピース真空チャンバ内の圧力よりも相当大きな作動圧力であって、且つ、前記イオン化チャンバ内でガスイオン化カスケード効果を誘発する程十分高い作動圧力を前記イオン化チャンバ内で維持する工程が、前記イオン化チャンバの内部領域を約40N/m2を越える圧力に維持すると共に、前記ワークピース真空チャンバの圧力を約0.1N/m2未満の圧力に維持する工程を含んでいることを特徴とする前記請求項1から7のうちのいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ワークピース真空チャンバ内の圧力よりも相当大きな作動圧力であって、且つ、前記イオン化チャンバ内でガスイオン化カスケード効果を誘発する程十分高い作動圧力を前記イオン化チャンバ内で維持する工程が、前記イオン化チャンバの内部領域を約50N/m2を越える圧力に維持すると共に、前記ワークピース真空チャンバの圧力を約0.1N/m2未満の圧力に維持する工程を含んでいることを特徴とする前記請求項1から8のうちのいずれか1項に記載の方法。
  10. 更に、ワークピースに向かってイオンビームを発射して該ワークピースを変更して、電子ビームがワークピースから二次粒子を発生する工程を有することを特徴とする前記請求項1から9のうちのいずれか1項に記載の方法。
  11. 更に、ワークピースに向かって一次電子のビームを発射して、該一次電子ビームがワークピースから二次粒子を発生する工程を有することを特徴とする前記請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記イオン化チャンバが、二次電子を該イオン化チャンバに入れるには十分に大きいがイオン化チャンバの圧力をワークピース真空チャンバの圧力に比べてはるかに高く維持するには十分に小さい環状の開口を有する円筒形の電極を有することを特徴とする前記請求項1から11のうちのいずれか1項に記載の方法。
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