JP4988308B2 - ガス増幅形検出器およびそれを用いた電子線応用装置 - Google Patents
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図1において、対物レンズ7で細く絞られた電子線1が試料2を照射して発生した二次電子3は、対物レンズの磁場10によって巻き上げられ円軌道を辿りながら上方に進行する。また、反射電子4の一部は後方散乱により上方に直進するが、エネルギーが低い場合には対物レンズ磁場によって曲げられ信号選択電極9に衝突して新たな二次電子5を発生する。二次電子3は信号選択電極9の電位が正の場合には信号選択電極9および電界−磁界直交フィルタ8を通過し二次電子検出器6に到達し、負の場合には二次電子の進行が抑制される。なお、電界−磁界直交フィルタ8は二次電子検出器6からの直流電界の影響を補正し加速電圧変更に伴う軸ずれを最小にする機構である。
<実施例1>
図1はシュノーケル形対物レンズを備えた走査電子顕微鏡の装置構成を、図2は該走査電子顕微鏡に本発明を適用した例を示す。なお、図1および図2において電子銃、集束レンズ、電子線走査機構、対物レンズ絞り、試料移動機構、真空排気機構および電源類は省略してある。本発明はシュノーケルタイプの対物レンズを備えた走査電子顕微鏡において最も効果を発揮するが、インレンズやアウトレンズタイプの走査電子顕微鏡に対しても適用可能である。
なお、ここで、ガス増幅形検出器11の配置の範囲は、装置の構造に拠る制約およびシミュレーションによる対物レンズ磁界強度分布10の効果を加味すると、対物レンズ7の下端方向へ最長15mm程度までの範囲が好ましい。
Iout = Ip・β・P・[exp(αd)-1] /α
ここで、P(Pa)は検出器セル14内の圧力、d(m)は隔離膜16−電極15間の距離、β(ion pairs/m・Pa)は入射電子によって生成されるイオン対のイオン化率で、α(ion pairs/m・Pa)は電界によって加速された電子によって生成されるイオン対のイオン化率である。β(ion pairs/m・Pa)は、入射電子エネルギーが50eVから5keVでは1以上となる(D A Moncrieff,etc.,1978)。また、α(ion pairs/m・Pa)は圧力P(Pa)と電界の強さEに対して次のような関係にある。
α= 9・P・exp[-257/(E/P)](Von Engel,1965)
実際には、検出器セル14内で新たに発生した二次電子や反射電子がガス増幅された結果生じた電流がIoutに加算されるが、ここでは省略する。以上の背景から、本実施例のようにd(m)を変化させない場合、入射電子エネルギー、電界、磁界などの変化に対応して検出器セル14内の圧力P(Pa)を最適化する必要がある。
したがって、ガス増幅形検出器11の受光面を試料側に向けて対物レンズ上方に配置すれば、容易に二次電子3の検出が可能になる。なお、シールド電極39は検出器11の電界が電子線1に及ぼす影響を最小にするためのものである。
なお、この応用例では図2で説明した引き込み電圧24は不要である。
Claims (9)
- 電子源と、
前記電子源から放出された電子線を試料上に収束させるための対物レンズを含む磁界レンズ系と、
前記電子線の照射によって前記試料から発生した二次電子および反射電子を検出する電子検出手段と、
前記対物レンズの下方に配置され前記試料を設置する試料室と、
前記電子線が通過する電子線通路を10−2Pa以下の真空度に保持する筐体とを有し、
前記電子検出手段は前記二次電子及び前記反射電子の信号を増幅して検出するガス増幅形検出器であって、前記電子線通路または前記試料室に配置され、
10Pa以上の低真空雰囲気に保持された前記ガス増幅形検出器の内部と、前記10−2Pa以下の真空度を有する領域とが、電子線通過可能な低密度薄膜によって隔離されている
ことを特徴とする電子線応用装置。 - 前記ガス増幅形検出器が、前記磁界レンズ系から発生する磁界強度分布内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子線応用装置。
- 前記ガス増幅形検出器が、前記対物レンズの下端と該下端から下方に15mm程度との範囲に広がる前記磁界レンズ系から発生する磁界強度分布内に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子線応用装置。
- 複数の前記ガス増幅形検出器を同心円状、放射状、あるいは半球状に配置することにより、緯度あるいは経度方向に異なる情報分布を持って発生する反射電子を個別あるいは任意の組み合わせで前記異なる情報分布の検出が可能なことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の電子線応用装置。
- 電子源と、
前記電子源から放出された電子線を試料上に収束させるための対物レンズを含む磁界レンズ系と、
前記電子線の照射によって前記試料から発生した二次電子および反射電子を検出する電子検出手段と、
前記対物レンズの下方に配置され前記試料を設置する試料室と、
前記電子線が通過する電子線通路を10−2Pa以下の真空度に保持する筐体とを有し、
前記対物レンズ上方であって前記電子線通路の周囲領域にガス増幅形検出器を配置し、
10Pa以上の低真空雰囲気に保持された前記ガス増幅形検出器の内部と、前記10−2Pa以下の真空度を有する領域とが、電子線通過可能な低密度薄膜によって隔離され、
入射電子減速機構によって加速された二次電子および反射電子の信号を増幅して検出することが可能であることを特徴とする電子線応用装置。 - 電子源と、
前記電子源から放出された電子線を試料上に収束させるための対物レンズを含む磁界レンズ系と、
前記電子線の照射によって前記試料から発生した二次電子および散乱電子を検出する電子検出手段と、
前記対物レンズの下方に配置され前記試料を設置する試料室と、
前記電子線が通過する電子線通路を10−2Pa以下の真空度に保持する筐体とを有し、
前記試料の下部に複数のガス増幅形検出器を配置し、
10Pa以上の低真空雰囲気に保持された前記ガス増幅形検出器の内部と、前記10−2Pa以下の真空度を有する領域とが、電子線通過可能な低密度薄膜によって隔離され、
透過電子および様々な角度に散乱された前方散乱電子を同時に検出し、明視野並びに暗視野走査透過電子顕微鏡像の同期した観察が可能である
ことを特徴とする電子線応用装置。 - 電子線の照射によって試料から発生した二次電子および散乱電子の信号を増幅して検出を行うガス増幅形検出器であって、
10Pa以上の低真空雰囲気に保持された前記ガス増幅形検出器の内部と、前記10−2Pa以下の真空度を有する領域とが、電子線通過可能な低密度薄膜によって隔離されていることを特徴とするガス増幅形検出器。 - 入射電子エネルギー、電界や磁界強度などの変化に応じて検出器の圧力を制御する機構を備え、
前記電子線の加速電圧などの試料観察条件の変更によって生じるガス増幅率の変化を低減したことを特徴とする請求項7記載のガス増幅形検出器。 - エネルギーフィルタ機構を設けることによってエネルギー選択された二次電子および後方散乱電子信号を検出可能にしたことを特徴とする請求項7又は請求項8に記載のガス増幅形検出器。
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