JP5275396B2 - 電子ビーム照射装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、試料面から放出される反射電子や二次電子の試料面側への再反射を防止する反射防止機構の改良をはかった電子ビーム照射装置に関する。
電子ビーム描画装置では、試料表面で反射或いは散乱した電子が対物レンズの下面で再び反射される。この再反射電子は、電子ビームが入射した場所以外の試料表面のレジストを感光する。このような感光は描画精度の低下を招く。これを防止するために、対物レンズの下方に炭素等の低原子番号材料で形成された反射防止板を設置する。この反射防止板には、再反射電子の発生を抑え、反射電子の一部を電子検出器に導くための孔が形成されている。
一方、近年の電子ビーム描画装置においては、パターンの微細化に伴って高いビーム分解能が求められる。このため、軸上磁場強度のピークが試料面へ近くなるような対物レンズが使われるようになっている。この場合、試料面位置からの反射電子軌道は直線状ではなく、磁場の影響で螺旋状となる。このため、反射防止板に設けられた孔が上流へ広がる直線状孔又は試料面と垂直な直線状孔では、反射電子は殆ど通過できない。このような理由から、対物レンズによる軸上磁場強度のピークを試料面近傍に生成した電子ビーム描画装置においては、反射電子検出量及び検出信号のS/N比が小さくなる。
特開平11−54390号公報
本発明の一実施形態は、試料面から放出される反射電子や二次電子の試料面側への再反射を防止すると共に、電子検出器での電子検出量を増大させることのできる電子ビーム照射装置を提供することを目的とする。
実施形態の電子ビーム照射装置は、電子ビームを試料面上に照射するための対物レンズと、対物レンズと試料面との間に配置され、試料面から放出される反射電子或いは二次電子を検出する電子検出器と、電子検出器と試料面との間に配置され、反射電子或いは二次電子の試料面側への再反射を防止する反射防止機構と、を備えている。そして、反射防止機構は、反射電子或いは二次電子の一部を電子検出器に導くために、反射電子或いは二次電子の螺旋軌道に沿った複数の孔を有している。
第1の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図。 第1の実施形態に用いた反射防止機構の構成を示す平面図と断面図。 第2の実施形態に係わる電子ビーム描画装置の要部構成を説明するための平面図と断面図。 第2の実施形態に用いた反射防止板に設けるピン穴及び位置決めピンを説明するための斜視図。 薄板のずらし位相と反射電子通過率の第1の計算例を説明するための、光学系の構成と軸上磁場分布を示す図。 図5の場合の反射電子エネルギー分布を示す図。 反射電子軌道の例を示す図。 図5の場合の反射電子通過率計算結果を示す図。 薄板のずらし位相と反射電子通過率の第2の計算例を説明するための、光学系構成と軸上磁場分布を示す図。 図9の場合の反射電子通過率計算結果を示す図。 薄板のずらし位相と反射電子通過率の第3の計算例を説明するための、光学系構成と軸上磁場分布を示す図。 図11の場合の反射電子通過率計算結果を示す図。 第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置の要部構成を説明するための平面図と断面図。
以下、本実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わる電子ビーム描画装置を示す概略構成図である。
図中の10は電磁コイルからなる対物レンズであり、この対物レンズ10は、高いビーム分解能を実現するために軸上磁場強度のピークが試料面近傍となるように設けられている。なお、対物レンズ10は、例えば電磁レンズであってもよい。図1に示すように、軸上磁場強度のピークは試料面20と対物レンズ10との間に存在する。そして、対物レンズ10の上流側からの電子ビームは、対物レンズ10により集束され、試料面20上に結像照射されるようになっている。
対物レンズ10と試料面20との間で対物レンズ10の下面近傍には、電子を検出するための電子検出器30が設置されている。この電子検出器30は、試料面20での反射電子を検出し、ビームの各種調整に用いられるものである。電子検出器30は、例えば半導体検出器やマイクロチャンネルプレートから形成されている。試料面20と電子検出器30との間には、板状の反射防止機構40が設置されている。反射防止機構40は、試料面20で反射した反射電子が対物レンズ10の下面で再反射し試料面20に戻るのを防止するものである。反射防止機構40は、炭素等の低原子番号材料で形成されている。また、反射防止機構40は反射防止効果を有し、大きな電子通過率を有する。このため、反射防止機構40には、再反射電子の発生を抑えると共に、反射電子の一部を電子検出器30に導くための複数の孔が設けられている。
なお、対物レンズ10の上方には、電子銃101、各種レンズ102、各種偏向器103、及び各種アパーチャ104等を収容し、真空排気される電子光学鏡筒100が設けられている。この電子光学鏡筒100の構成は、可変成形ビームを形成するもの、キャラクタアパーチャを有するもの等、種々の変更が可能である。また、対物レンズ10も電子光学鏡筒100内に設置されている。
図2は、本実施形態に用いた反射防止機構40の具体的構成を示す平面図と断面図である。
反射防止機構40は、反射防止効果を有し、大きな電子通過率を有する。図2(a)の平面図に示すように、反射防止機構40の複数の孔42は開口比率を大きく取るためにハニカム構造となっている。また、反射防止機構40の孔42は、図2(b)の断面図に示すように、反射電子の螺旋軌道112に沿ったものとなっている。なお、図中の21は試料面に設置された試料、111は試料面に入射する電子ビームを示している。
ここで、反射防止機構40が必要な理由について説明しておく。電子ビームを試料へ照射させると、ビーム照射点で反射した反射電子は対物レンズの下面や電子検出器でさらに反射して試料へ再反射電子が照射される。この再反射電子は、電子ビーム照射装置においては予定外の照射となるので、照射量が減少する。特に、電子ビーム描画装置では、照射量の減少がパターンの寸法精度を劣化させる原因となる。
そこで、対物レンズの下面に反射防止機構を設けて再反射を防止している。反射防止機構は、例えばアスペクト比の大きい直線状の複数の孔が開いている。これらの孔へ反射電子を取り込むことで反射防止を行う。また、対物レンズの下面と反射防止機構との間には、電子検出器を設けられている。電子検出器は、反射防止機構の孔を通過した反射電子を検出する。描画装置においては、検出電子はビーム調整に用いられる。この検出電子量が小さいとS/N比が小さくなってビーム調整精度が劣化し、ひいては描画精度が劣化する。
従って、反射防止機構は反射防止効果を有し、大きな電子通過率有する。反射防止機構の構造例については特開平11−54390号公報で説明されている。この反射防止機構の開口部は開口比率を大きく取るためにハニカム構造となっている。これらの開口部は、エッチングによって形成できる。
従来の電子ビーム描画装置は、電子検出器と試料の間の対物レンズ軸上磁場強度がゼロ或いは小さかったために、反射電子の軌道は略直線となっている。このため、上記の直線状の孔であっても反射電子を十分に取り込むことができる。
これに対し、本実施形態のように軸上磁場強度のピークが試料面へ近くなるような対物レンズが使われた場合、試料面位置からの反射電子軌道は直線状ではなく、磁場の影響で螺旋状となる。このため、上流側へ広がる直線状孔では、反射電子は殆ど通過できない。よって、試料面と垂直な直線状孔では、反射電子は一部が通過するものの全反射電子に対して1%程度しか通過できないことが計算と実験で確認されている。
そこで本実施形態では、反射防止機構40に設ける孔42の形状を工夫することにより、電子検出におけるS/Nの劣化の問題を解決している。即ち、対物レンズの軸上磁場が試料21の表面と電子検出器30との間に印加され反射電子が磁場の影響を受けて螺旋状の軌道になる場合に反射電子防止機構40の孔42を螺旋軌道112に合わせた形状にする。これによって反射電子の通過率を大きくしている。
図2(a)(b)では、反射電子の螺旋状軌道112と螺旋状孔42を一致させた例について示している。複数の反射電子の軌道は反射電子それぞれの出射角度とエネルギーによって異なるので、全ての反射電子軌道に対して孔42の形状を完全に一致させた反射防止機構40を製作することは難しい。そこで、実際は反射電子全体の通過率が最大になる螺旋角度にする。また、図2(b)に示されるようにビームの軸からの距離が遠い軌道ほど曲率が大きいので、外側の螺旋の曲率を大きく、内側の曲率を小さくすると反射電子の通過率をより大きくすることができる。
このように本実施形態によれば、反射防止機構40に試料表面から放出される反射電子の螺旋軌道112に沿った複数の孔42を形成しているため、反射電子の再反射を防止すると共に、反射電子の通過率を高めることができる。従って、電子検出器30が検出する電子の検出量を増大させることができ、電子検出器30が検出する検出信号のS/N比を向上させ、ひいては描画精度の向上させることができる。
(第2の実施形態)
図3(a)(b)は、第2の実施形態に係わる電子ビーム描画装置の要部構成を説明するためのもので、(a)は反射防止機構の構成を示す平面図、(b)は反射電子の軌道及び反射防止機構の構成を示す断面図である。なお、対物レンズ10及び他の電子光学系の構成は、先に説明した第1の実施形態と同様であるので、ここでは省略する。
第1の実施形態で説明したように、前記図2(b)に示すように反射電子は、ビーム軸からの距離が遠い軌道ほど曲率が大きい。よって、外側の螺旋の曲率を大きく、内側の曲率を小さくすると、反射電子の通過率を大きくすることができる。しかし、このような孔を1枚の板で形成するのは難しい。
そこで本実施形態では、図3(a)(b)に示すように、複数の薄板を積層させる方法によってこれを実現している。
中心軸(ビーム軸)に対して複数の開口(孔)52が軸対象に設けられた薄板51を複数枚(n枚)用意し、複数の薄板51(511 〜51n、nは自然数)を、電子ビーム111の光軸と一致させる位置を中心として、周方向へ位相θ(°)ずらして積層させる。例えば、電子ビーム111の最も下流に位置する薄板511 を基準にし、薄板512 〜51n のそれぞれの対象軸を合わせ、θずつ回転させて積層させる。なお、開口52はハニカム構造であり、各薄板511 〜51n で開口52(521 〜52n )の配置位置は同一となっている。
積層位相の位置決めは、図4(a)(b)に示すようにピンによって行う。図4(a)に示すようにそれぞれの薄板51に、開口52とは別に周辺部に位置決めのためのピン孔53を形成し、積層する順にこの位置をθずつ回転させてずらす。即ち、最下層から順番にピン孔53の位置をθ×n(nは積層枚数で自然数)回転させて積層する。そして、積層時にピン孔53にピン54を挿入することにより、各薄板51を位置決めして積層する。
次に、薄板51のずらし量(位相に相当する)θと反射電子通過率との関係についての計算例を、図5〜図12を参照して説明する。図5(a)では、試料21と反射防止機構50との距離が19mm、反射防止機構50は厚さ0.1mmの薄板51を10枚積層させたものとした。電子ビーム111は試料21の反射点117において反射し、反射電子の角度分布はCOS(β)分布(βは光軸Z119との反射角度)とした。対物レンズ10による軸上磁場分布は、図5(b)に示すように光軸Zに対して一定で0.36Teslaとした。
図6は試料21で反射したそれぞれの反射電子のエネルギー分布を示す図である。横軸は、試料21に入射する電子ビームのエネルギー(50keV)と試料21で反射した反射電子のエネルギーの比を示す。縦軸は、試料21で反射した反射電子の反射電子率を示す。図6に示すように、反射電子は様々な反射電子率及び反射電子エネルギーを有する。
電子ビーム111のエネルギーは50keVとした。反射防止機構50の孔の寸法は正六角形の対面距離を400μm、縁の幅を50μmとした。
図7(a)〜(d)には反射電子軌道の例を示す。図7(a)は反射エネルギー30keV、反射角度β=60度の場合、図7(b)はエネルギー30keV、β=30度の場合、図7(c)はエネルギー50keV、β=60度の場合、図7(d)はエネルギー50keV、β=30度の場合である。反射電子エネルギー、反射角度βによって軌道は異なるが、何れも螺旋を描いて上流へ向かっている。
反射防止機構50の薄板51の位相ずらしピッチと反射電子通過率の関係の計算結果を図8に示す。反射電子通過率とは全反射電子数に対する反射防止板通過電子数の割合である。薄板51の位相をずらさない場合、即ち直線孔とした場合の反射電子通過率は2%であった。これに対し、薄板51の位相をずらすと反射電子通過率が上昇し、位相ずらしピッチ1.5度にて最大の8%となった。つまり、薄板51の位相をずらすことにより、反射電子通過率を最大で4倍まで上げることができた。
図9(a)では、試料21と反射防止機構50の距離が18mm、反射防止機構50は厚さ0.2mmの薄板51を10枚積層させたものとした。対物レンズ10による軸上磁場分布は、図9(b)に示すように光軸Zに対して一定で0.36Teslaとした。
図10に、この場合の反射電子通過率の計算結果を示す。位相ずらしピッチ0度では反射電子通過率は0.4%であった。位相ずらしピッチを3度とすると反射電子通過率は3.6%となり、反射電子通過率を最大で9倍まで上昇させることができた。
これは、対物レンズ10の磁場が試料面近傍まで強い場合、再反射を防止するための薄板51をずらさないと反射電子は反射防止機構50を殆ど通過せず、薄板51をずらして積層することにより十分な電子検出が可能になることを意味する。つまり、本実施形態のように複数の薄板51をずらして積層させることは、対物レンズ10の磁場が試料面近傍まで強い場合に有効である。
図11(a)では、厚さ0.1mmの薄板51をそれぞれ10枚、7枚、4枚積層させ、試料21と反射防止機構50との距離をそれぞれ6mm,6.3mm,6.6mmとしている。対物レンズ10による軸上磁場分布は、図11(b)に示すように、一定ではなく、試料面近傍で大きく変わるものとした。
この場合の反射電子通過率の計算結果を図12に示す。積層枚数が多い方が通過率は小さくなった。積層枚数に拘わらず位相ずらしピッチ1°の場合に反射電子通過率が最大となった。なお、積層枚数が多いほど再反射電子の防止には有効である。そして、積層枚数10枚の場合で位相ずらしピッチ0°の反射電子通過率は0.12%、位相ずらしピッチ1°の場合は7.6%であり、位相をずらすことにより反射電子通過率を60倍も大きくすることができた。
これは、対物レンズ10の軸状磁場のピークが試料面近傍に形成され再反射を防止するために薄板51を10枚又はそれ以上に積層した場合、薄板51をずらさないと反射電子は反射防止機構50を殆ど通過しないことを示す。また、薄板51を位相ずらしピッチ1°でずらすことにより十分な電子検出が可能になることがわかる。つまり、本実施形態のように複数の薄板51をずらして積層させることは、対物レンズ10の軸状磁場のピークが試料面近傍に形成される場合に有効である。
前記図2に示す厚板1枚へ螺旋孔を形成する加工は難しいが、積層位相をずらす本実施形態では、外側の曲率が大きく内側の曲率が小さい螺旋孔を低コストで製作することができる。また、反射電子検出器30で再反射した電子が従来の直線孔の場合と比較して試料上へ戻り難くなる。よって、通過率だけでなく反射防止効果も向上させることができる。これは反射防止機構50が反射電子の螺旋軌道に沿った螺旋孔を有することにより、反射防止機構50の螺旋孔に電子が入りやすくなっているからである。
このように本実施形態によれば、反射防止機構50に試料21の表面から放出される反射電子の螺旋軌道に沿った複数の孔52を設けているので、反射電子の一部を電子検出器30に効率良く導くことができる。従って、試料21の表面から放出される反射電子の試料面側への再反射を防止すると共に、電子検出器30での電子検出量を増大させることができる。これは、ビーム調整精度が向上し、ひいては描画精度の向上に寄与することができる。
また、反射防止機構50を複数の薄板51の積層で形成しているので、反射電子の螺旋軌道に沿った孔を容易に実現することができ、製造コストの低減をはかることが可能である。
また、反射電子の速度及び磁場の強度によって螺旋軌道の曲率は変わるが、本実施形態では、薄板51間のずれ量θを変えることで対応することが可能となる。従って、対物レンズ10の仕様に合わせて反射防止機構50を用意する必要はなく、各種の装置に適用することができる。また、薄板51はピン孔53の位置を変えるだけで良いため、薄板51を作製するコストの上昇を避けることもできる。
なお、本実施形態では、前記図7に示すように、反射電子の螺旋軌道は広がることなく一定の直径を有するものと仮定した。しかし、試料面から電子検出器30までのビーム軸方向沿った磁場が大きく変わる場合、反射電子は螺旋軌道を取りながら広がる又は収束することになる。例えば、試料面で磁場強度がピークを有し試料面から離れるに従い急激に弱くなる場合、反射電子は螺旋軌道を取りながら広がることになる。この場合、各薄板の開口は中心に対して同じ位置にするよりも、中心に対する開口の位置を積層位置に応じて変えた方が望ましい。
(第3の実施形態)
図13(a)(b)は、第3の実施形態に係わる電子ビーム描画装置の要部構成を説明するためのものである。図13(a)は反射防止機構をビームの上流から見た図、図13(c)は反射防止機構をビームの下流から見た図である。図13(b)は図13(c)のA−A断面の下流開口部と図13(a)のB−B断面の上流開口部を結ぶ直線孔を示す断面図である。
反射防止機構60の底面と上面では、ビーム軸を中心にして開口の位置が周方向に角度Qだけずれている。反射防止機構60には底面と上面の開口を繋ぐ直線状の孔62が形成されている。ビーム軸を中心として孔62の位置をずらしていることから、中心に近い部分よりも遠い部分の方が孔62のずれ量が大きくなる。よって、反射防止機構60に貫通して形成された孔62の傾き角度は、図13(b)に示すようにビーム軸から外側に向かって大きくなっている。
反射防止機構60の孔62は、反射電子或いは二次電子の螺旋軌道と同じ位相方向に傾いている直線孔である。孔62は、ビームの軸に対して内側の孔よりも外側の孔の方で、反射防止機構60の底面と垂直な軸に対する傾き角度を大きくしている。即ち、反射電子の螺旋軌道に近似した直線孔62を形成している。また、孔62の開口は先の実施形態と同様にハニカム構造となっている。
孔62の貫通形状は直線状であり反射電子軌道の螺旋位相方向と同じ方向へ同程度傾いている。孔62の貫通経路は、ビーム軸(光軸)に対して遠い孔ほど反射防止機構60の底面に垂直な軸に対して大きく傾いている。孔62の貫通経路は、ビーム軸に対して近い孔ほど反射防止機構60の底面に垂直な軸に対して小さく傾いている。これにより、前記図2や図3の螺旋孔形状と近似できるため、反射電子通過率を大きくすることができる。
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。
実施形態の説明では開口をハニカム構造として示したが、開口部の形状はN角形、円形などであっても構わない。また、薄板のずらしピッチが等しい場合について示したが、反射電子通過率が最大になるピッチであれば各ずらし角度ピッチは等しくなくても良い。また、最適なθについては薄板の厚さによっても変わるので厚さに応じて最適な位相にすると良い。
また、実施形態では電子ビーム描画装置を例に取り説明したが、本発明は必ずしも電子ビーム描画装置に限らず、イオンビーム描画装置に適用することもできる。さらに、必ずしも描画装置に限らず、対物レンズにより試料面に電子ビームを照射結像する構成を備えたものであれば適用することが可能である。
また、実施形態では試料面からの反射電子に関して説明したが、反射電子に限らず、エネルギーの照射により試料面から放出される二次電子に関しても反射電子と同様の問題がある。従って、本発明は反射電子に限らず、二次電子の再反射防止と電子検出を行う場合についても適用することができる。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…対物レンズ
20…試料面
21…試料
30…電子検出器
40,50,60…反射防止機構
42,52(521 〜52n ),62…孔
51(511 〜51n )…反射防止薄板
53…ピン孔
54…位置決めピン
100…電子光学鏡筒
101…電子銃
102…各種レンズ
103…各種偏向器
104…各種アパーチャ
111…電子ビーム
112…反射電子の螺旋軌道
117…反射点
119…光軸

Claims (4)

  1. 電子ビームを試料面上に照射するための対物レンズと、
    前記対物レンズと前記試料面との間に配置され、前記試料面から放出される反射電子或いは二次電子を検出する電子検出器と、
    前記電子検出器と前記試料面との間に配置され、前記試料面から放出される反射電子或いは二次電子の螺旋軌道に沿った複数の孔を有し、前記反射電子或いは二次電子の前記試料面側への再反射を防止し、且つ前記反射電子或いは二次電子の一部を前記電子検出器に導くための反射防止機構と、
    を具備し、
    前記反射防止機構は、複数の開口を持つ同一の薄板を複数枚重ねて構成され、前記複数の薄板を前記電子ビームの軸を中心に位相をずらして積層させることで、前記孔を前記螺旋軌道に沿った形状にしたことを特徴とする電子ビーム照射装置。
  2. 電子ビームを試料面上に照射するための対物レンズと、
    前記対物レンズと前記試料面との間に配置され、前記試料面から放出される反射電子或いは二次電子を検出する電子検出器と、
    前記電子検出器と前記試料面との間に配置され、前記試料面から放出される反射電子或いは二次電子の螺旋軌道に沿った複数の孔を有し、前記反射電子或いは二次電子の前記試料面側への再反射を防止し、且つ前記反射電子或いは二次電子の一部を前記電子検出器に導くための反射防止機構と、
    を具備し、
    前記反射防止機構の孔は、前記電子ビームの軸方向から眺めたときの前記反射電子或いは二次電子の螺旋軌道と同じ位相方向に傾いている直線孔であって、前記ビームの軸に対して内側の孔よりも外側の孔の方で、前記反射防止機構の底面と垂直な軸に対する傾き角度を大きくしたことを特徴とする電子ビーム照射装置。
  3. 前記薄板に設ける開口はハニカム構造であることを特徴とする請求項に記載の電子ビーム照射装置。
  4. 前記対物レンズは、電磁レンズであり、前記電磁レンズによる前記電子ビームの軸方向の磁場のピークを前記試料面近傍に生成するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子ビーム照射装置。
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