JP2007149568A - 電子検出器及びそれを備えたビーム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対物レンズ内に引き込まれた被検出電子の検出を支障無くかつ効率的に行うことのできる電子検出器及びそれを備えたビーム装置を提供する。
【解決手段】 対物レンズ4のビーム通過孔24を通過した電子ビーム(一次ビーム)8は、試料6に照射される。これにより試料6上で発生し、対物レンズ4に引き込まれた被検出電子9は、当該ビーム通過孔24に配置された環状の電子検出器5により検出される。この電子検出器5は、電子ビーム8が通過する貫通孔が形成された環状体22と、この環状体22の内側に設けられた検出素子21から構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子ビーム等の一次ビームが照射された試料から発生する被検出電子の検出を行う電子検出器及び当該電子検出器を備えたビーム装置に関する。
観察対象となる試料に電子ビーム等の一次ビームを照射し、これにより試料から発生した二次電子や反射電子等の二次的情報である被検出電子を検出し、当該検出時における検出信号に基づいて試料像を形成して表示するビーム装置として、走査電子顕微鏡が知られている。
この走査電子顕微鏡において、電子ビーム源(一次ビーム源)である電子銃から加速されて放出された電子ビーム(一次ビーム)は、集束レンズ及び対物レンズによって試料上に細く集束されて照射される。このとき、電子ビームは走査コイルにより偏向され、これにより電子ビームは試料上を走査する。
電子ビームの走査(照射)により、試料からは二次電子及び反射電子等の被検出電子が発生する。被検出電子は、電子検出器によって検出される。
電子検出器は、被検出電子の検出に基づいて検出信号を出力する。走査電子顕微鏡は、当該検出信号を基に、試料像となる走査像を形成して表示する。
このような走査電子顕微鏡において、試料から発生して対物レンズ内に引き込まれた被検出電子の検出が検討されており、当該被検出電子を支障無くかつ効率的に検出することが重要となっている。
ここで、対物レンズ内に引き込まれた被検出電子を検出する際に、対物レンズの外側に配置された電子検出器によって検出する構成を採用すると、この被検出電子に電場若しくは磁場(以下、「場」という)を作用させて、当該被検出電子を電子検出器側に誘導する必要がある。
この場合、その場によって、一次ビームである電子ビームの軌道に変化が生じるという問題がある。そして、これを回避するために、電子ビームの軌道が変化しないように更に別の場を作用させる必要があり、装置の構成及び制御が複雑になるという問題点がある。
そこで、対物レンズ内に引き込まれた被検出電子を、対物レンズ内に配置された電子検出器によって検出することが検討されている。
なお、対物レンズ内で反射電子を検出するものとして、ライトガイドに設けられたシンチレータ(検出素子)に、電子ビーム及び二次電子を通過させるための開口部を形成し、この開口部を電子ビームと同軸上に配置するものもある(特許文献1参照)。
特開2000−299078号公報
対物レンズ内に引き込まれた被検出電子を、対物レンズ内に配置された電子検出器により検出する場合に、一次ビームである電子ビームが通過するための開口が形成された平板状の検出器を対物レンズ内部に設け、当該開口を電子ビームの光軸上に位置させるようにすることが考えられる。
しかし、この場合においては、電子ビームの通過する範囲が当該開口の大きさによって制限されることとなる。これにより、試料上での観察視野を大きくすると、電子ビームが当該開口から外れて電子検出器自体によって遮られてしまい、観察視野に制約が生じるという問題があった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、対物レンズ内に引き込まれた被検出電子の検出を支障無くかつ効率的に行うことのできる電子検出器及びそれを備えたビーム装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく電子検出器は、対物レンズのビーム通過孔に配置され、当該ビーム通過孔を通過した一次ビームが照射された試料から発生する被検出電子の検出を行う電子検出器であって、一次ビームが通過する貫通孔を有する環状体からなり、当該環状体の内側面が被検出電子を検出するための検出面となっていることを特徴とする。
また、本発明に基づくビーム装置は、対物レンズのビーム通過孔を通過した一次ビームを試料に照射し、これにより試料から発生した被検出電子の検出を行うビーム装置において、上記電子検出器を当該ビーム通過孔に備えたことを特徴とする。
本発明において、対物レンズのビーム通過孔に配置される電子検出器は、一次ビームが通過する貫通孔を有する環状体からなり、当該環状体の内側面が被検出電子を検出するための検出面となっている。
この場合、対物レンズのビーム通過孔において、当該環状体の貫通孔の軸はビーム光軸に沿うこととなるので、この環状体によって電子ビームによる観察視野に制約が生じることはない。
以下、図面を参照して、本発明における実施の形態について説明する。図1は、本発明に基づくビーム装置を示す概略構成図である。
同図において、一次ビーム源である電子銃1からは、加速された電子ビーム(一次ビーム)8が試料6に向けて放出される。放出された電子ビーム8は、集束レンズ2及び対物レンズ4により、試料6上に細く集束されて照射される。このとき電子ビーム8は走査コイル3により偏向される。これにより、電子ビーム8は試料6上を走査する。
電子ビーム8の走査(照射)により、試料6からは二次電子及び反射電子等の被検出電子9が発生する。試料6から発生した被検出電子9は、電子検出器5により検出される。ここで、電子検出器5は環状となっており、後述するように対物レンズ4の内部に配置されている。
電子検出器5は、被検出電子9の検出に基づく検出信号を出力する。当該検出信号は、アンプ5aにより増幅された後にA/D変換され、画像処理部5bに送られる。
画像処理部5bは、A/D変換後の検出信号に基づいて画像データ(走査像データ)を作成する。当該画像データは、バスライン10を介して表示部12に送られる。表示部12は、画像データに基づいて、その画像(走査像)を表示する。
ここで、電子銃1には、高圧電源1aにより、駆動用の電圧が印加される。また、集束レンズ2及び対物レンズ4には、それぞれレンズ電源2a,4aにより、レンズ駆動用の電流が供給される。そして、走査コイル3には、コイル電源3aにより、コイル駆動用の電流が供給される。
これら各電源1a,2a,3a,4aは、バスライン10に接続されている。また、バスライン10には、システム制御部11が接続されている。これにより、電子銃1、集束レンズ2、走査コイル3、及び対物レンズ4は、対応する各電源1a,2a,3a,4aを介してシステム制御部11により駆動制御されることとなる。
試料6は、ステージ機構7に載置されている。ステージ機構7は、X方向、Y方向、及びZ方向に試料6を移動させる。ここで、X−Y平面は水平面となっており、Z方向は垂直方向となっている。また、ステージ機構7は、必要に応じて試料6の傾斜や回転を行う。
ステージ機構7には、ステージ駆動部7aが接続されている。ステージ駆動部7aは、ステージ機構7に駆動用の信号を供給する。これによって、ステージ機構7が駆動される。
また、ステージ駆動部7aは、バスライン10を介してシステム制御部11に接続されている。これにより、システム制御部11は、ステージ駆動部7aを介して、ステージ機構7の駆動制御を行う。
なお、バスライン10には入力部13が接続されている。入力部13は、マウス等のポインティングデバイス及びキーボードを備えており、本ビーム装置のオペレータが入力部13を手動操作することにより、本ビーム装置のオペレーションに必要な指示等の入力を行う。
ここで、図2に、対物レンズ4内に配置された環状の電子検出器5を示す。同図に示すごとく、この電子検出器5は、対物レンズ4におけるビーム通過孔24内に設けられている。
詳述すると、対物レンズ4はヨーク部26を備えており、このヨーク部26の中心には、電子ビーム8が通過するためのビーム通過孔24が形成されている。このビーム通過孔24の中心軸は、電子ビーム8の光軸と一致する。
そして、ビーム通過孔24の内側面24aに図示しない絶縁膜を介して電子検出器5が固定され、これにより電子検出器5が当該ビーム通過孔24内に支持されて設けられている。
この電子検出器5は、電子ビーム8が通過する貫通孔を有する金属製の環状体22からなり、その内側に検出素子21が設けられている。これにより、環状体22の内側面は被検出電子を検出するための検出面となっている。この検出素子21は、PNジャンクション(PN接合)素子からなり、図示しない絶縁層を介して環状体22に配置されている。検出素子21にて検出した被検出電子9に基づく検出信号は、検出素子21からアンプ5a(図1参照)に送られる。
なお、対物レンズ4のヨーク部26内にはコイル部25が備えられている。このコイル部25には、レンズ電源4a(図1参照)からレンズ駆動用の電流が供給される。また、対物レンズの先端27は試料6と対向しており、対物レンズ4のビーム通過孔24内に入射した電子ビーム8は、当該先端27を通過して試料6に到達する。ここで、対物レンズ4は、接地電位となっている。
次に、図3を参照して、本発明における電子検出器の第1実施例について説明する。この電子検出器5には、連続して形成された検出素子21が絶縁層(図示せず)を介して金属製の環状体22に設けられている。そして、同図に示すごとく、環状体22には、切換スイッチS1を介して接地電位もしくは正のバイアス電位が印加できるようになっている。このバイアス電位は可変となっており、所望の電位の設定が可能となっている。
図3に示す状態では、切換スイッチS1の可動接点T1は接点P1に接触しており、これにより環状体22は接地電位とされている。この状態で、対物レンズ4のビーム通過孔24内に引き込まれた被検出電子9は、接地電位とされた環状体22に引き寄せられる。この結果、当該被検出電子9は、検出素子21により検出される。
ここで、検出素子21による被検出電子9の検出効率をさらに上げる場合には、切換スイッチS1の切換動作を行って可動接点T1を接点Q1に接触させ、これにより環状体22に正のバイアス電位を印加する。この結果、被検出電子9は、正電位とされた環状体22にさらに引き寄せられることとなり、検出素子21による検出効率が向上する。
次に、図4を参照して、本発明における電子検出器の第2実施例について説明する。この電子検出器5においては、環状体22の貫通孔に、電子ビーム8の光軸に沿って互いに離間して個別に配置された複数の検出素子31が多段に設けられている。これら複数の検出素子31は、絶縁層(図示せず)を介して環状体22に固定されている。
各検出素子31について、個別に検出信号がアンプ5aに出力されるようになっている。これにより、環状体22の内側面において、各位置の検出素子31ごとの被検出電子9の検出結果がわかる。よって、環状体22の内側面における特定の位置範囲にある複数の検出素子31を指定し、当該位置範囲での被検出電子9の検出結果を取得することができる。従って、被検出電子9のうちの二次電子及び反射電子の当該内側面における検出位置範囲が異なる場合には、何れか一方の被検出電子のみについての検出結果を得ることができる。
すなわち、環状体22の内側面における試料6に近い側の位置範囲では、試料6から発生した二次電子が主に検出される。試料6からの二次電子を検出することにより試料6の表面情報を得ることができるので、表面情報を取得したい場合には、当該位置範囲にある複数の検出素子31を指定し、二次電子を選択検出する。
また、環状体22の内側面における試料6から遠い側の位置範囲では、試料6から発生した反射電子が主に検出される。試料6からの反射電子を検出することにより試料6の組成情報を得ることができるので、組成情報を取得したい場合には、当該位置範囲にある複数の検出素子31を指定し、反射電子を選択検出する。
さらに、この第2実施例においても、環状体22には、切換スイッチS2を介して接地電位もしくは正のバイアス電位が印加できるようになっている。そして、このバイアス電位は可変となっており、所望の電位の設定が可能となっている。
図4に示す状態では、切換スイッチS2の可動接点T2は接点P1に接触しており、これにより環状体22は接地電位とされている。この状態で、対物レンズ4のビーム通過孔24内に引き込まれた被検出電子9は、接地電位とされた環状体22に引き寄せられる。この結果、当該被検出電子9は、検出素子21により検出される。
ここで、検出素子21による被検出電子9の検出効率をさらに上げる場合には、切換スイッチS2の切換動作を行って可動接点T2を接点Q2に接触させ、これにより環状体22に正のバイアス電位を印加する。この結果、被検出電子9は、正電位とされた環状体22にさらに引き寄せられることとなり、検出素子21による検出効率が向上する。
さらに、図5を参照して、上記第2実施例における変形例について説明する。図5は、当該変形例における電子検出器の断面の一方側を示す図である。
同図に示すごとく、電子検出器5を構成する環状体32の内側面には複数の凸部32aが形成されている。そして、各凸部32aにおける被検出電子9が入射する側の面32bには、検出素子31が個別に設けられている。
従って、各検出素子31は、被検出電子9の入射方向に面するように傾斜して配置されることとなる。この構成により、各検出素子31による被検出電子9の検出効率をさらに向上させることができる。なお、この変形例においても、上述のごとく環状体32に正のバイアス電位を印加したり、接地電位とすることができるようにしても良い。
そして、本発明におけるビーム装置は、図1に示すように対物レンズ4を介して一次ビームである電子ビーム8を試料6に照射し、これにより試料6から発生した被検出電子9の検出を行うものであって、図2に示すように、対物レンズ4において電子ビーム8が通過するビーム通過孔24内に上記電子検出器5のうちの何れかを備えた装置である。これにより、対物レンズ4のビーム通過孔24内に引き込まれた被検出電子9を、当該電子検出器5によって効率良く検出することができる。
次に、図6を参照して、本発明におけるビーム装置の第1の変形例について説明する。同図に示すごとく、対物レンズ4のビーム通過孔24内において、電子検出器5が配置されているとともに、この電子検出器5を間に挟んで電子ビーム(一次ビーム)8の照射方向での下流側には第1の電極41が設けられており、さらに当該照射方向での上流側には第3の電極43が設けられている。これら第1及び第3の電極41,43も、対物レンズ4のビーム通過孔24内に配置されている。
第1の電極41は、電子ビーム8が通過する貫通孔が形成された環状の形状を備えている。また、第3の電極43も、同様に電子ビーム8が通過する貫通孔が形成された環状の形状を備えている。
そして、第1の電極41には第1の負のバイアス電圧が印加されるとともに、第3の電極43には第3の負のバイアス電圧が印加される。図6に示す例では、電子検出器5は接地電位とされている。なお、各バイアス電圧は可変となっており、適宜設定可能であるが、第3の負のバイアス電圧の大きさ(絶対値)は、第1の負のバイアス電圧の大きさよりも大きく設定される。
この場合でのポテンシャルの分布図が、同図の左側に示されている。この分布図において、−Z方向は電子ビーム8の照射方向(垂直下方方向)に対応し、ポテンシャルの方向は負電位の大きさに対応する。
図6の例において、被検出電子9に含まれる二次電子9aは、第1の負のバイアス電圧が印加された第1の電極41によるポテンシャルの障壁を通過することができない。一方、二次電子9aよりもエネルギーが高い反射電子9bは、当該ポテンシャルの障壁を通過することができ、当該通過後、電子検出器5により検出される。なお、電子検出器5を間に挟んで第1の電極41の反対側には第3の電極43が配置されており、この電極43に印加された第3の負のバイアス電圧によるポテンシャルによって、反射電子9bの上方へのさらなる移動が妨げられる。これにより、電子検出器5による反射電子9bの検出を効率良く行うことができる。
このような構成によれば、二次電子9aを除外した状態で反射電子9bのみの検出を確実かつ効率良く行うことができる。
さらに、図7を参照して、本発明におけるビーム装置の第2の変形例について説明する。同図に示す例においても、対物レンズ4のビーム通過孔24内において、電子検出器5が配置されているとともに、この電子検出器5を間に挟んで電子ビーム(一次ビーム)8の照射方向での下流側には第1の電極41が設けられており、さらに当該照射方向での上流側には第3の電極43が設けられている。
第1の電極41及び第3の電極43は、電子ビーム8が通過する貫通孔が形成された環状の形状を備えている。
さらに、この例においては、第1の電極41の下流側には、第2の電極42が設けられている。この第2の電極42も、同様に電子ビーム8が通過する貫通孔が形成された環状の形状を備えている。これらこれら第1、第2及び第3の電極41,42,43も、対物レンズ4のビーム通過孔24内に配置されている。
そして、第1の電極41には正のバイアス電圧が印加されるとともに、第2の電極42には第2の負のバイアス電圧が印加される。図7に示す例では、電子検出器5は接地電位とされている。なお、各バイアス電圧は可変となっており、適宜設定可能であるが、第3の負のバイアス電圧の大きさは、第2の負のバイアス電圧の大きさよりも大きく設定される。
この場合でのポテンシャルの分布図が、同図の左側に示されている。この分布図においても、−Z方向は電子ビーム8の照射方向(垂直下方方向)に対応し、ポテンシャルの方向は負電位の大きさに対応する。
図7の例において、被検出電子9に含まれる二次電子9aは、第2の負のバイアス電圧が印加された第2の電極42によるポテンシャルの障壁を通過することができない。一方、二次電子9aよりもエネルギーが高い反射電子9bは、当該ポテンシャルの障壁を通過することができる。このとき、反射電子9bは、第1の電極に印加された正のバイアス電圧により加速されることとなり、当該ポテンシャルの障壁をより確実に通過することができる。
さらに、当該ポテンシャルの障壁を通過した反射電子9bは、当該正のバイアス電圧により加速された結果、運動エネルギーが高い状態となって電子検出器5の検出素子に衝突されて検出されので、検出効率が向上する。なお、電子検出器5を間に挟んで第1の電極41の反対側には第3の電極43が配置されており、この電極43に印加された第3の負のバイアス電圧によるポテンシャルによって、反射電子9bの上方へのさら移動が妨げられる。これにより、電子検出器5による反射電子9bの検出をさらに効率良く行うことができる。
このような構成によれば、二次電子9aを除外した状態で反射電子9bのみの検出をより確実かつ効率良く行うことができる。
なお、上記各変形例において、必要があれば、電子検出器5に正のバイアス電圧を印加するようにしても良い。
このように、本発明においては、対物レンズのビーム通過孔に配置される電子検出器は、一次ビームが通過する貫通孔を有する環状体からなり、当該環状体の内側面が被検出電子を検出するための検出面となっている。
この場合、この場合、対物レンズのビーム通過孔において、当該環状体の貫通孔の軸はビーム光軸に沿うこととなるので、この環状体によって電子ビームによる観察視野に制約が生じることはない。ここで、環状体からなる電子検出器が、ビーム光軸を中心として軸対称となる位置に配置されるので、電子ビームの軸補正を小さくすることができる。
そして、環状とされた電子検出器を対物レンズのビーム通過孔内に配置しているので、電子検出器が占有するスペースが小さくできるとともに、被検出電子の検出面積を大きくすることができ、また電子検出器が信号源となる試料表面に接近しかつ信号(被検出電子)自体を取り囲む構成となっているので、検出効率が向上する。
また、複数段の検出素子と電極への電圧印加の組み合わせにより、混合する二次電子及び反射電子のエネルギー帯を連続的に調整することができ、観察目的に応じた画像の最適なコントラストを得ることが可能となる。
さらに、0.5〜2.0kV程度の低エネルギーの反射電子の検出効率を上げることが可能となる。
そして、複数の検出素子を多段に配置することにより、放出角度に依存した反射電子の検出を行うことが可能となる。
なお、上記の例においては、環状体は一体のものであったが、これに限らす、当該環状体は、貫通孔の軸方向と平行な複数の境界線により分割された複数の構成体から組み立てられ、個々の構成体ごとに個別に被検出電子の検出が行えるようにしてもよい。
本発明に基づくビーム装置を示す概略構成図である。 対物レンズ内に配置された電子検出器を示す図である。 本発明に基づく電子検出器の第1実施例を示す図である。 本発明に基づく電子検出器の第2実施例を示す図である。 本発明に基づく電子検出器の第2実施例の要部を示す図である。 本発明に基づくビーム装置の第1の変形例を示す図である。 本発明に基づくビーム装置の第2の変形例を示す図である。
符号の説明
1…電子銃、2…集束レンズ、3…走査コイル、4…対物レンズ、5…電子検出器、6…試料、7…ステージ機構、8…電子ビーム(一次ビーム)、9…被検出電子、21…検出素子、22…環状体、24…ビーム通過孔

Claims (10)

  1. 対物レンズのビーム通過孔に配置され、当該ビーム通過孔を通過した一次ビームが照射された試料から発生する被検出電子の検出を行う電子検出器であって、一次ビームが通過する貫通孔を有する環状体からなり、当該環状体の内側面が被検出電子を検出するための検出面となっている電子検出器。
  2. 環状体の内側面には、一次ビームの光軸に沿って互いに離間して配置された複数の検出素子が多段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子検出器。
  3. 各検出素子は、被検出電子の入射方向に面するように傾斜して設けられていることを特徴とする請求項2記載の電子検出器。
  4. 対物レンズのビーム通過孔を通過した一次ビームを試料に照射し、これにより試料から発生した被検出電子の検出を行うビーム装置において、請求項1乃至3何れか記載の電子検出器を当該ビーム通過孔に備えたことを特徴とするビーム装置。
  5. 対物レンズのビーム通過孔において、電子検出器の下流側には、一次ビームが通過する貫通孔が形成された環状の第1の電極が配置されていることを特徴とする請求項4記載のビーム装置。
  6. 第1の電極には、負のバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項5記載のビーム装置。
  7. 対物レンズのビーム通過孔において、第1の電極の下流側には、一次ビームが通過する貫通孔が形成された環状の第2の電極が配置されていることを特徴とする請求項5記載のビーム装置。
  8. 第1の電極には正のバイアス電圧が印加され、第2の電極には負のバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項7記載のビーム装置。
  9. 電子検出器には、正のバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項4乃至8何れか記載のビーム装置。
  10. 対物レンズのビーム通過孔において、電子検出器の上流側には、一次ビームが通過する貫通孔が形成された環状の第3の電極が配置され、当該第3の電極には負のバイアス電圧が印加されることを特徴とする請求項5乃至9何れか記載のビーム装置。
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