JP2007012516A - 荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な装置構成によって試料の周囲部側面や周囲部裏面の検査を行うことができる荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法を提供する。
【解決手段】 荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源1と、荷電粒子ビーム6を、試料室15内に配置された試料8に集束して照射するための対物レンズ5と、荷電粒子ビーム源1と対物レンズ5との間に位置し、荷電粒子ビーム6を偏向させるための偏向手段3と、荷電粒子ビーム6の照射に応じて試料8から発生する情報を検出するための検出器9とを備えた荷電粒子ビーム装置であって、対物レンズ5の後段側に配置され、対物レンズ5を通過した荷電粒子ビーム6を偏向して試料8に照射するための静電電極21と、この静電電極21に偏向電圧を印加するための偏向電圧電源22とを有する。
【選択図】図6
【解決手段】 荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源1と、荷電粒子ビーム6を、試料室15内に配置された試料8に集束して照射するための対物レンズ5と、荷電粒子ビーム源1と対物レンズ5との間に位置し、荷電粒子ビーム6を偏向させるための偏向手段3と、荷電粒子ビーム6の照射に応じて試料8から発生する情報を検出するための検出器9とを備えた荷電粒子ビーム装置であって、対物レンズ5の後段側に配置され、対物レンズ5を通過した荷電粒子ビーム6を偏向して試料8に照射するための静電電極21と、この静電電極21に偏向電圧を印加するための偏向電圧電源22とを有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法に関する。
半導体ウエハ等の試料の検査を行うための装置として、走査形電子顕微鏡(SEM)の構成を備える荷電粒子ビーム装置が開発されている。このような装置においては、荷電粒子ビームとして電子ビームを用い、この電子ビームを試料に走査した際に当該試料から発生する情報を検出する。
通常行われる試料検査としては、電子ビームの走査により試料から発生する2次電子等の被検出電子の検出を行い、この検出に基づいて試料の走査像を取得する。このようにして取得された走査像を確認することにより、試料の検査が実施される。
このような荷電粒子ビーム装置の構成を図1に示す。同図において、1は荷電粒子ビーム源である電子銃である。この電子銃1からは、所定の加速電圧により加速された電子ビーム6が試料8に向けて照射される。試料8は、半導体ウエハ等の検査対象基板であり、図示しない試料ステージによって試料室15内に配置されている。
電子銃1から照射された電子ビーム6は、絞り機構2を通過することにより、その照射電流が適宜制限される。絞り機構2を通過した電子ビーム6は、2つの偏向器3a,3bからなる偏向手段3及び対物レンズ5を介して試料8に到達する。
このとき、偏向手段3は、電子ビーム6を適宜偏向する。偏向手段3には、走査ユニット11が接続されている。これにより、偏向手段3には、走査ユニット11より所定の走査信号が供給される。偏向手段3は、走査ユニット11から供給された走査信号に基づいて駆動され、これにより電子ビーム6は偏向される。
また、対物レンズ5は、電子ビーム6を試料8の表面上に集束させる。対物レンズ5によって集束された電子ビーム6は、偏向手段3よる偏向作用により試料8上を走査する。なお、電子銃1、絞り機構2、偏向手段3、及び対物レンズ5により電子光学鏡筒4が構成される。
試料8において、電子ビーム6によって走査された領域からは、2次電子等の被検出電子7が発生する。この被検出電子7は、試料室15内に配置された電子検出器9により検出される。電子検出器9は、被検出電子7の検出結果に基づいて検出信号を出力する。
電子検出器9により出力された検出信号は、増幅器10により増幅され、試料室15外に配置されたCRT等からなる表示装置12に供給される。この表示装置12には、走査ユニット11から走査信号が供給されている。表示装置12は、走査信号と検出信号とを同期させることにより、当該検出信号に基づく試料8の走査像を表示する。
ここで、図中の13は、電子銃1から放出される電子ビーム6を加速するための加速電圧を供給するための加速電圧電源である。加速電圧電源13は、接地電位に対して所定の負電位となる加速電圧を電子銃1に供給する。
なお、試料8には、必要に応じて別の負電位が電源14により印加される。試料8に負電位が印加されている場合、試料8に照射される電子ビーム6は、試料8に到達する直前に減速されることとなる。これにより、試料8の高分解能観察を行うことができる。
このような構成からなる荷電粒子ビーム装置を用いて試料8の検査を行う場合、図2に示すように、試料8を傾斜させることにより、試料表面の傾斜観察を行うことができる。この場合、試料8を載置している試料ステージ(図示せず)を傾斜させることによって、試料8は傾斜される。
また、図3に示すように、対物レンズ5と試料8との間に補助偏向器16を設け、この補助偏向器16を駆動することにより、試料8に入射する電子ビーム6を傾斜させることも検討されている。
さらに、図4に示すように、偏向装置3による偏向作用によって電子ビーム6にオフセット偏向を施し、対物レンズ5の主面に電子ビーム6を傾斜入射させることも検討されている。この場合、対物レンズ5に対して電子ビーム6が傾いて入射することに起因して、電子ビーム6にコマ収差等の収差が生じるので、当該収差を補正するために補助コイル17を設けることが提案されている。
なお、傾斜した試料の高分解能観察を行うため、対物レンズの電子ビーム通路に、電子ビームが通過できる軸対称な電極を配置するものもある(例えば、特許文献1参照)。
半導体ウエハに対してフォトリソグラフィー等の各種処理を施す半導体製造プロセスにおいて、生産工程で発生する不良の多くはウエハ周囲部における不具合に起因して発生している。このような不良は、半導体ウエハの位置合わせを行うためのガイド装置や固定装置によってウエハ周囲部が支持されることに起因して生じることが多い。従って、半導体ウエハの周囲部に発生する不良の問題点を特定することを目的として、ウエハ表面のSEMによる傾斜観察と共に、ウエハ周囲部の側面やウエハ周囲部の裏面の観察を行う必要がある。
上述したSEMの構成を備える荷電粒子ビーム装置を用いて、試料となる半導体ウエハの周囲部側面や周囲部裏面の検査を行おうとした場合、試料ステージを90度以上傾斜させる必要があり、試料ステージの構造が複雑になるとともに非常に大きな物になってしまうという問題が生じる。
また、荷電粒子ビームを偏向手段により偏向する方法では、一次ビームの偏向角度は光軸に対して15度程度までは実現されているが、試料の裏面まで偏向する機能は実現されていない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、簡易な装置構成によって試料の周囲部側面や周囲部裏面の検査を行うことができる荷電粒子ビーム装置及び荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビーム源から加速されて放出された荷電粒子ビームを、試料室内に配置された試料に集束して照射するための対物レンズと、荷電粒子ビーム源と対物レンズとの間に位置し、荷電粒子ビームを偏向させるための偏向手段と、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出するための検出器とを備えた荷電粒子ビーム装置において、対物レンズの後段側に配置され、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向して試料に照射するための静電電極と、この静電電極に偏向電圧を印加するための偏向電圧電源とを有することを特徴とする。
また、本発明に基づく荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法は、対物レンズにより集束された荷電粒子ビームを試料に照射し、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出する試料情報検出方法において、対物レンズの後段側に位置する静電電極により、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向させ、これにより偏向された荷電粒子ビームを試料に照射することを特徴とする。
さらに、本発明に基づく他の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法は、対物レンズにより集束された荷電粒子ビームを試料に照射し、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出する試料情報検出方法において、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを、対物レンズの後段側に配置された第1及び第2の静電電極のうちの何れか一方の静電電極により偏向させ、これによって偏向された荷電粒子ビームを試料に照射することを特徴とする。
本発明においては、対物レンズの後段側に位置する静電電極により、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向させ、これにより偏向された荷電粒子ビームを試料に照射して試料情報を検出する。
よって、試料の周囲部側面もしくは周囲部裏面を静電電極と対向するように配置し、当該周囲部側面もしくは周囲部裏面が静電電極側に位置するようにすれば、この周囲部側面もしくは周囲部裏面の検査を行うことができる。これにより、簡易な装置構成によって試料の周囲部側面や周囲部裏面の検査を行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図5は、本発明における荷電粒子ビーム装置の要部を示す概略構成図である。この荷電粒子ビーム装置は、走査電子顕微鏡(SEM)の構成を備えており、試料8が配置される試料室15内には静電電極21が設けられている。
そして、それ以外の構成については、図1に示す荷電粒子ビーム装置と同様である。すなわち、荷電粒子ビーム源である電子銃1からは所定の加速電圧により加速された電子ビーム(荷電粒子ビーム)6が試料8に向けて照射される。試料8は、半導体ウエハ等の検査対象基板であり、図示しない試料ステージによって試料室15内に配置されている。
ここで、電子銃1には加速電圧電源13が接続されている。この加速電圧電源13は、電子銃1から放出される電子ビーム6を加速するための加速電圧を供給する。この加速電圧は、接地電位に対して所定の負電位とされる。
電子銃1から照射された電子ビーム6は、絞り機構2を通過することにより、その照射電流が適宜制限される。絞り機構2を通過した電子ビーム6は、2つの偏向器3a,3bからなる偏向手段3及び対物レンズ5を介して試料8に到達する。
このとき、偏向手段3は、電子ビーム6を適宜偏向する。偏向手段3には、走査ユニット11が接続されている。これにより、偏向手段3には、走査ユニット11より所定の走査信号が供給される。偏向手段3は、走査ユニット11から供給された走査信号に基づいて駆動され、これにより電子ビーム6は偏向される。対物レンズ5は、電子ビーム6を試料室15内に配置された試料8に集束させるためのものである。なお、試料8の電位は接地電位とされている。
本実施の形態においては、試料室15内であって対物レンズ5の後段側には、上述した静電電極21が配置されている。そして、対物レンズ5による電子ビーム6の集束条件は、静電電極21の先端部21aの表面よりもさらに後段側に電子ビーム6が集束するような条件とする。ここで、静電電極21の先端部21aは、球形状となっている。なお、電子銃1、絞り機構2、偏向手段3、及び対物レンズ5により電子光学鏡筒4が構成される。
静電電極21には、偏向電圧電源22が接続されている。この偏向電圧電源22は、静電電極21に所定の偏向電圧を供給するためのものである。当該偏向電圧は、電子銃1に供給される加速電圧に対して同等以上に設定される。
これにより、対物レンズ5を通過した電子ビーム6は、静電電極21に照射されると、静電電極21の先端部21aの表面において、当該表面に対する入射角度に応じた角度で反射される。
このとき、静電電極21には偏向電圧が印加されており、当該偏向電圧が印加された静電電極21の先端部21aにより形成される電場は放射状に広がることとなる。よって、対物レンズ5を通過した電子ビーム6は、静電電極21の先端部21aにより形成された放射状の電場の作用によって、当該先端部21aの表面への入射角度に応じた角度で反射されることとなる。
このようにして静電電極21により反射された電子ビーム6は、試料8に照射され試料8を走査する。電子ビーム6によって走査された試料8からは、2次電子等の被検出電子7が発生する。この被検出電子7は、試料室15内に配置された電子検出器9により検出される。電子検出器9は、被検出電子7の検出結果に基づいて検出信号を出力する。
電子検出器9により出力された検出信号は、増幅器10により増幅され、試料室15外に配置されたCRT等からなる表示装置12に供給される。この表示装置12には、走査ユニット11から走査信号が供給されている。表示装置12は、走査信号と検出信号とを同期させることにより、当該検出信号に基づく試料8の走査像を表示する。なお、試料8には、必要に応じて別の負電位が電源14により印加することもできる。
次に、このような荷電粒子ビーム装置を用いた試料情報検出方法について説明する。図6は、本発明における試料情報検出方法の第1実施例を示す説明図である。
同図においては、試料8の周囲部(被検出部)8aの裏面を検査する例を示している。この実施例では、試料8の周囲部8aは、被検出部として、対物レンズ5の先端と静電電極21の先端部21aとの間隙の近傍に配置される。
対物レンズ5を通過した電子ビーム6は、静電電極21の先端部21aに向かう。当該電子ビーム6は、静電電極21の先端部21aにより反射され、試料周囲部8aの裏面に照射される。このとき、走査ユニット11から走査手段3に走査信号を供給して走査手段3を駆動することにより、対物レンズ5を通過する電子ビーム6が偏向される。この結果、静電電極21の先端部21aにより反射された電子ビーム6は、試料周囲部8aの裏面を走査する。この試料周囲部8aの裏面は、静電電極側に位置しており、検査対象となる試料面である。
このようにして電子ビーム6が走査された試料周囲部8aの裏面からは被検出電子7(図1参照)が発生する。発生した被検出電子7は電子検出器9により検出され、電子検出器9は検出結果に基づいて検出信号を出力する。当該検出信号は、増幅器10により増幅されて表示装置12に供給される。表示装置12には走査ユニット11から走査信号が供給されており、表示装置12は走査信号と検出信号とを同期させることにより、当該検出信号に基づく走査像を表示する。
次に、図7を参照して、本発明における試料情報検出方法の第2実施例を説明する。この実施例では、試料8は、図示しない試料ステージにより傾斜されている。
本実施例においても、上記第1実施例と同様に試料8の周囲部8aを被検出部とし、当該周囲部8aの裏面を検査する例となっている。そして、この周囲部8aは、対物レンズ5の先端と静電電極21の先端部21aとの間隙の近傍に配置されている。
この第2実施例においては、対物レンズ5及び静電電極21の位置と試料8の傾斜位置との位置関係を適切に調整することにより、試料8aの周囲部裏面を垂直に観察することができる。
このとき、図8に示す第3実施例のように、静電電極21を移動可能として静電電極21の位置制御を行うようにしてもよい。なお、静電電極21は、図示しない駆動機構に取り付けられており、当該駆動機構によって静電電極21は移動制御される。
また、図9に示す第4実施例のように、偏向手段3により、電子ビーム6に対してオフセット偏向を施すようにしてもよい。この場合、偏向手段3には、走査ユニット11(図1参照)よりオフセット制御値が供給される。
上記第1〜第4実施例において、静電電極21には、電子ビーム6の加速電圧と等しい電圧もしくは当該加速電圧よりも高い電圧が偏向電圧電源22から印加される。
そして、静電電極21に電子ビーム6の加速電圧と等しい電圧を偏向電圧として印加する場合には、偏向電圧電源22を、電子銃1に加速電圧を印加するための加速電圧電源13と兼用とし、共通のものとすることができる。この場合、偏向電圧電源22は、当該加速電圧電源13から構成されることとなる。
静電電極21により生成される電場は、周辺の構造物により歪むこととなり、SEM観察画像を低収差で観察するためには電場強度を低く抑える必要がある。上記の場合においては、偏向電圧電源22を加速電圧電源13と同じ電源を用いることにより、静電電極先端部21aの表面における電子ビーム(一次ビーム)6のエネルギー差は無くなることとなり、電子は静電電極先端部21aの表面形状に応じた角度に反射される。
また、電源電圧は、周囲の環境の変化、特に温度変化に対して出力電圧が変化する特性がある。上記の場合においては、偏向電圧電源22を加速電圧電源13と共用化することにより、一次ビームとなる電子ビーム6と静電電極21間の相対的電位差を無くすことができ、電子ビーム6を安定して偏向させることができる。
さらに、静電電極21による電場を考慮する場合、電場の広がりによる電場の歪みを考慮する必要がある。すなわち、対物レンズ5や試料8の周辺構造物は、複雑な形状をしているため電場の乱れを生じやすい。
よって、電場の乱れを最小にして電子ビーム6を安定に反射させるため、静電電極21の先端部21aの形状は球面を有することが望ましい。このため、本発明においては、静電電極21の先端部21aは球形状となっている。このように当該先端部21aが球状電極となっていることにより、当該電極により生成される電場は球状に広がることとなり、周辺構造物に起因する電場の乱れを最小にすることができる。
なお、静電電極21に電子ビーム6の加速電圧よりも高い電圧を印加する場合には、偏向電圧電源22を、加速電圧電源13に付加電源(図示せず)を接続してなる重畳電源により構成することができる。
ここで、偏向電圧電源22を、加速電圧電源13から独立した個別の電源ユニットにより構成し、電子ビーム6の加速電圧と等しいもしくはそれ以上の電圧を静電電極21に供給するようにしてもよい。
上述の各実施例における対物レンズ5、試料8、静電電極21、及び電子ビーム6の位置関係は、それぞれ本発明の一例を示すものであり、本発明の特徴は、対物レンズ5の後段側に配置された静電電極21に電子ビーム6の加速電圧相当の電位を印加し、電子ビーム6を偏向させて試料8に照射する点であるので、各実施例において示されたこれらの位置関係に限定されるものではない。
次に、本発明における試料情報検出方法の第5実施例について、図10及び図11を参照して説明する。これらの図に示す例においては、第1の静電電極21及び第2の静電電極31を備える構成となっている。
さらに、本実施例においては、試料室15内において試料8は垂直に配置されている。そして、試料8の周囲部8aは、第1の静電電極21の先端部21aと第2の静電電極31の先端部31aとの間に位置する。ここで、第1及び第2の静電電極21,31には、それぞれ対応する偏向電圧電源22,32が接続されている。
まず、第1及び第2の静電電極21,31に偏向電圧を印加しない場合には、図10に示すように、偏向手段3による電子ビーム6の偏向によって、電子ビーム6が試料周囲部8aの側面8bを走査し、これにより当該側面8bの走査像を取得して検査を行うことができる。
また、第1及び第2の静電電極21,31の双方に所定の偏向電圧を印加した状態とするとともに、偏向手段3による電子ビーム(一次ビーム)6の偏向量を制御することにより、図11に示すように、第1の静電電極21若しくは第2の静電電極31のうちの何れかに向けて電子ビーム6が選択的に照射され、このとき選択された静電電極の先端部によって電子ビーム6が反射されるようにする。これにより、試料周囲部8aの表面もしくは裏面に電子ビーム6を走査させ、当該表面もしくは裏面の走査像を取得して検査を行うこともできる。
このとき、試料8の電位は接地電位としているので、選択されていない静電電極に偏向電位が印加されていても、電子ビーム6の集束には影響を及ぼさない。なお、静電電極は、必要に応じて2個以上設けるようにしてもよい。
さらに、図12及び図13を参照して、本発明における試料情報検出方法の第6実施例を説明する。本実施例においては、電子銃1、絞り機構2、偏向手段3、及び対物レンズ5から構成される鏡筒4の試料室15に対する傾斜角度が調整可能となっている。
すなわち、図12に示す方向Aに鏡筒4を傾斜させた場合には、電子銃1からの電子ビーム6は第1の静電電極21に向かうこととなる。この場合、電子ビーム6は、第1の静電電極21の先端部21aにより反射され、試料8の周囲部8aにおける一方の面を照射することとなる。これにより、当該一方の面の走査像を取得して検査を行うことができる。
また、図13に示す方向Bに鏡筒4を傾斜させた場合には、電子銃1からの電子ビーム6は第2の静電電極31に向かうこととなる。この場合、電子ビーム6は、第2の静電電極31の先端部31aにより反射され、試料8の周囲部8aにおける他方の面を照射することとなる。これにより、当該他方の面の走査像を取得して検査を行うことができる。
次いで、図14を参照して、本発明における試料情報検出方法の第7実施例を説明する。本実施例においては、上記第6実施例と同様に、鏡筒4の試料室15に対する傾斜角度が調整可能となっている。さらに、この実施例においては、第1及び第2の静電電極21,31間において垂直に配置された試料8が、垂直方向に移動するようになっている。
よって、第1の静電電極21もしくは第2の静電電極31により反射された電子ビーム6が試料8に照射する際に、試料8を垂直方向に移動させるようにすれば、より広い範囲の試料面の検査を行うことができる。
また、さらに図15に示すように、試料8を間に挟んで対向配置された第1及び第2の静電電極21,31を、当該試料8とともに適宜水平方向に移動可能とし、第1の静電電極21もしくは第2の静電電極31のうちの何れか一方の静電電極に電子ビーム6が向かうようにし、これにより当該一方の静電電極の先端部により反射された電子ビーム6が試料8に照射されるようにしてもよい。
ここで、図15に示す例では、第2の静電電極31が当該一方の静電電極となるように位置しており、この第2の静電電極に電子ビーム6が向かうような例となっている。よって、この例においては、第2の静電電極31の先端部31aにより反射された電子ビーム6が試料8に照射される。ここで、さらに第1及び第2の静電電極21,31もしくは試料8のうちの少なくとも一方を垂直方向に移動させるようにすれば、より広い範囲の試料面の検査を行うことができる。
なお、上記第5乃至第7実施例において、第1及び第2の静電電極21,31のうちの一方の静電電極に偏向電圧を印加して当該静電電極により形成された電場によって電子ビーム6を偏向させる際に、他方の静電電極へ印加される偏向電圧を独立に制御してもよく、また、当該他方の静電電極への偏向電圧の印加を停止するようにしてもよい。このようにすることにより、電子検出器9(図1参照)での被検出電子7の検出効率を向上させることができる。
さらに、上記第1乃至第7実施例において、静電電極の先端部は球面形状であることに限定される必要はなく、所望とする曲面に形成されていてもよい。
このように本発明においては、対物レンズの後段側に位置する静電電極により、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向させ、これにより偏向された荷電粒子ビームを試料に照射して、静電電極側に位置する試料面の情報を検出する。
よって、試料の周囲部側面もしくは周囲部裏面を静電電極と対向するように配置し、当該周囲部側面もしくは周囲部裏面が静電電極側に位置するようにすれば、この周囲部側面もしくは周囲部裏面の検査を行うことができる。これにより、簡易な装置構成によって試料の周囲部側面や周囲部裏面の検査を行うことができる。
1…電子銃(荷電粒子ビーム源)、2…絞り機構、3…偏向手段、4…鏡筒、5…対物レンズ、6…電子ビーム(荷電粒子ビーム)、7…被検出電子、8…試料、9…電子検出器、10…増幅器、11…走査ユニット、12…表示装置、13…加速電圧電源、21,31…静電電極、22,32…偏向電圧電源
Claims (17)
- 荷電粒子ビーム源と、荷電粒子ビーム源から加速されて放出された荷電粒子ビームを、試料室内に配置された試料に集束して照射するための対物レンズと、荷電粒子ビーム源と対物レンズとの間に位置し、荷電粒子ビームを偏向させるための偏向手段と、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出するための検出器とを備えた荷電粒子ビーム装置において、対物レンズの後段側に配置され、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向して試料に照射するための静電電極と、この静電電極に偏向電圧を印加するための偏向電圧電源とを有することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。
- 前記偏向電圧電源として、前記荷電粒子ビームを加速するための加速電圧電源を兼用することを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記偏向電圧電源により印加される偏向電圧は、前記荷電粒子ビームの加速電圧よりも高いことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記偏向電圧電源は、前記荷電粒子ビームを加速するための加速電圧電源に付加電源を接続してなる重畳電源により構成されることを特徴とする請求項3記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記静電電極の先端部は球面又は曲面に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記静電電極は複数個設けられていることを特徴とする請求項1乃至5何れか記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記静電電極を移動させるための駆動機構を有することを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の荷電粒子ビーム装置。
- 前記荷電粒子ビーム源、偏向手段、及び対物レンズにより鏡筒が構成され、当該鏡筒の前記試料室に対する傾斜角度が調整可能であることを特徴とする請求項1乃至7何れか記載の荷電粒子ビーム装置。
- 対物レンズにより集束された荷電粒子ビームを試料に照射し、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出する試料情報検出方法において、対物レンズの後段側に位置する静電電極により、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを偏向させ、これにより偏向された荷電粒子ビームを試料に照射することを特徴とする荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記試料の被検出部を、前記対物レンズと前記静電電極との間隙の近傍に配置し、静電電極側に位置する試料面の情報を検出することを特徴とする請求項9記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記試料を傾斜させ、この状態で静電電極側に位置する試料面の情報を検出することを特徴とする請求項9若しくは10記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記静電電極を移動させ、当該移動時における前記試料面の情報を検出することを特徴とする請求項11記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記対物レンズにより集束される荷電粒子ビームは、当該対物レンズの前段側に位置する偏向手段により偏向されることを特徴とする請求項11記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 対物レンズにより集束された荷電粒子ビームを試料に照射し、荷電粒子ビームの照射に応じて試料から発生する情報を検出する試料情報検出方法において、対物レンズを通過した荷電粒子ビームを、対物レンズの後段側に配置された第1及び第2の静電電極のうちの何れか一方の静電電極により偏向させ、これによって偏向された荷電粒子ビームを試料に照射することを特徴とする荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記試料の被検出部を、前記第1及び第2の静電電極の間に配置することを特徴とする請求項14記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記対物レンズにより集束される荷電粒子ビームは、当該対物レンズの前段側に位置する偏向手段により偏向されることを特徴とする請求項14若しくは15記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
- 前記第1及び第2の静電電極が試料とともに移動可能とされ、第1の静電電極若しくは第2の静電電極のうちの何れか一方に向かう荷電粒子ビームが、当該一方の静電電極により偏向されることを特徴とする請求項15記載の荷電粒子ビームを用いた試料情報検出方法。
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