JP7094752B2 - 荷電粒子ビーム照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム照射装置に関する。例えば、電子ビームの照射により基板に生じた帯電を低減する手法に関する。
近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、半導体ウェハやリソグラフィマスク等の基板上に形成されているパターンを撮像した測定画像と、設計データ、あるいは基板上の同一パターンを撮像した測定画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一基板上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、パターン設計された設計データをベースに設計画像データ(参照画像)を生成して、それとパターンを撮像した測定データとなる測定画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、検査対象基板はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。検査対象基板には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。検査対象基板を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較回路へ送られる。比較回路では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置では、レーザ光を検査対象基板に照射して、その透過像或いは反射像を撮像することにより、光学画像を取得する。これに対して、検査対象基板上を電子ビームで走査(スキャン)して、電子ビームの照射に伴い検査対象基板から放出される2次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。かかる装置では、電子ビームを基板に照射することによって、基板上面が帯電する問題が発生する。基板面の帯電は検査精度の劣化を招く。そのため、かかる帯電を解消すべく、中和させるためのイオンガスを基板上に流すことが検討されている。例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)のチャンバ内にイオンガスを供給するイオン及びプラズマ発生装置を配置することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる問題は、走査型電子顕微鏡(SEM)等のシングルビームを用いて画像を取得する装置の他、マルチビームを用いて画像を取得する装置においても同様に生じ得る。その他、電子ビーム描画装置といった電子ビームを試料に照射する装置において同様に発生する。しかしながら、イオン発生装置を例えば電子ビームを照射する装置近傍或いは装置内等に配置するとなると、装置が大掛かりになってしまう。また、かかるイオン発生装置が磁場を発生させる場合等は、電子ビーム検査装置の本来の電子ビーム光学系を構成する電磁レンズが発生させる磁場に影響を与えかねないといった問題も起こり得る。
特開2007-149449号公報
そこで、本発明の一態様では、荷電粒子ビームを照射する装置本来の荷電粒子ビーム光学系を構成する電磁レンズが発生させる磁場に影響を与えることなく、帯電の低減が可能な装置を提供する。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム照射装置は、
荷電粒子ビームを放出する放出源と、
荷電粒子ビームを屈折させる電磁レンズと、
電磁レンズの磁場空間に配置されると共に、荷電粒子ビームの通過領域の外側の空間を取り囲むように配置された複数の電極と、
複数の電極によって取り囲まれることによって、前記荷電粒子ビームの通過領域から分かれた空間に、ガスを供給する供給部と、
複数の電極によって取り囲まれることによって、前記荷電粒子ビームの通過領域から分かれた空間にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子の移動を制御するように、複数の電極の電位を制御する電位制御部と、
電磁レンズを通過した荷電粒子ビームが照射される基板を配置するステージと、
を備え、
プラズマにより放射される光を基板に照射することを特徴とする。
また、プラズマは、マグネトロン放電により発生させると好適である。
或いは、プラズマは、ペニング放電により発生させると好適である。
また、空間内のプラズマを加熱する高周波を発生させる高周波発生機構をさらに備えると好適である。
また、プラズマにより放射される光を基板に集光するミラーをさらに備えると好適である。
本発明の一態様によれば、荷電粒子ビームを照射する装置本来の荷電粒子ビーム光学系を構成する電磁レンズが発生させる磁場に影響を与えることなく、帯電の低減ができる。その結果、高精度な検査を行うことができる。
実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。 実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。 実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と測定用画素との一例を示す図である。 実施の形態1における電磁レンズにより発生する磁場の状態の一例を示す図である。 実施の形態1における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。 実施の形態1における複数の電極が配置された状態を上部電極の上方から見た上面図である。 実施の形態1における複数の電極が配置された状態を外側電極の中間高さ位置から見た上面図である。 実施の形態1における複数の電極のうち下部電極の上面図である。 実施の形態1における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の変形例を示す断面図である。 実施の形態1における帯電低減方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1の変形例における対物レンズ付近の構成の一例を上部電極と下部電極との間の高さ位置から見た上面図である。 実施の形態2における対物レンズ付近の構成の一例を示す断面図である。 実施の形態2における電場と電子軌道とを説明するための図である。 実施の形態2の変形例における対物レンズ付近の構成の一例を上部電極と下部電極との間の高さ位置から見た上面図である。 実施の形態3における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。 実施の形態4における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビームは、シングルビームを用いる場合であっても良いし、マルチビームを用いる場合であっても構わない。また、荷電粒子ビーム照射装置の一例として、電子ビーム検査装置について説明する。但し、荷電粒子ビーム照射装置は、検査装置に限るものではなく、例えば、電子ビーム描画装置等の電磁レンズを光学系に用いた荷電粒子ビームを照射する装置であれば構わない。また、電子ビーム検査装置の一例として、電子ビームによるマルチビームを被検査基板に照射して2次電子像を撮像するマルチビーム検査装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、電子ビーム検査装置の一例である。また、検査装置100は、電子ビーム照射装置の一例である。検査装置100は、画像取得機構150と制御系回路160(制御部)とガス供給装置130とを備えている。画像取得機構150は、電子ビームカラム102(電子鏡筒)、検査室103、検出回路106、チップパターンメモリ123、ステージ駆動機構142、及びレーザ測長システム122を備えている。電子ビームカラム102内には、電子銃201、照明レンズ202、成形アパーチャアレイ基板203、縮小レンズ205、制限アパーチャ基板206、対物レンズ207、偏向器208、プラズマ発生機構209、一括ブランキング偏向器212、ビームセパレーター214、投影レンズ284,286、偏向器288、及びマルチ検出器282が配置されている。
検査室103内には、少なくともXY平面上を移動可能なXYステージ105が配置される。XYステージ105上には、検査対象となる基板101が配置される。基板101には、露光用マスク基板、及びシリコンウェハ等の半導体基板が含まれる。基板101が半導体基板である場合、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されている。基板101が露光用マスク基板である場合、露光用マスク基板には、通常、1つのチップパターンが形成されている。チップパターンは、複数の図形パターンによって構成される。かかる露光用マスク基板に形成されたチップパターンが半導体基板上に複数回露光転写されることで、半導体基板には複数のチップパターン(ウェハダイ)が形成されることになる。以下、基板101が半導体基板である場合を主として説明する。基板101は、例えば、パターン形成面を上側に向けてXYステージ105に配置される。また、XYステージ105上には、検査室103の外部に配置されたレーザ測長システム122から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー215が配置されている。また、マルチ検出器282は、電子ビームカラム102の外部で検出回路106に接続される。検出回路106は、チップパターンメモリ123に接続される。なお、電子ビームカラム102と描画室103内は、図示しない真空ポンプによって真空引きされ、大気よりも十分に低圧の状態(いわゆる真空状態)に維持される。
また、対物レンズ207のポールピース内には、対物レンズ207により生じる磁場を利用したプラズマ発生機構209が配置される。
制御系回路160では、検査装置100全体を制御する制御計算機110が、バス120を介して、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、ステージ制御回路114、レンズ制御回路124、プラズマ制御回路125、ブランキング制御回路126、ガス制御回路127、偏向制御回路128、磁気ディスク装置等の記憶装置109、モニタ117、メモリ118、及びプリンタ119に接続されている。また、偏向制御回路128は、DAC(デジタルアナログ変換)アンプ144に接続される。DACアンプ144は、偏向器208に接続される。
また、チップパターンメモリ123は、比較回路108に接続されている。また、XYステージ105は、ステージ制御回路114の制御の下に駆動機構142により駆動される。駆動機構142では、例えば、X方向、Y方向、θ方向に駆動する3軸(X-Y-θ)モータの様な駆動系が構成され、XYステージ105が移動可能となっている。これらの、図示しないXモータ、Yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。XYステージ105は、XYθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、XYステージ105の移動位置はレーザ測長システム122により測定され、位置回路107に供給される。レーザ測長システム122は、ミラー215からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でXYステージ105の位置を測長する。
電子銃201には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃201内の図示しないフィラメントと引出電極間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、所定の引出電極(ウェネルト)の電圧の印加と所定の温度のカソードの加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビーム200となって放出される。照明レンズ202、縮小レンズ205、対物レンズ207、及び投影レンズ284,286は、例えば電磁レンズが用いられ、共にレンズ制御回路124によって制御される。また、ビームセパレーター214もレンズ制御回路124によって制御される。一括ブランキング偏向器212、及び偏向器288は、それぞれ少なくとも2極の電極群により構成され、ブランキング制御回路126によって制御される。偏向器208は、少なくとも4極の電極群により構成され、電極毎に配置されるDACアンプ144を介して、偏向制御回路128によって制御される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、実施の形態1における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板203には、2次元状の横(x方向)m列×縦(y方向)n段(m,nは2以上の整数)の穴(開口部)22がx,y方向に所定の配列ピッチで形成されている。図2の例では、23×23の穴(開口部)22が形成されている場合を示している。各穴22は、共に同じ寸法形状の矩形で形成される。或いは、同じ外径の円形であっても構わない。これらの複数の穴22を電子ビーム200の一部がそれぞれ通過することで、マルチビーム20が形成されることになる。ここでは、横縦(x,y方向)が共に2列以上の穴22が配置された例を示したが、これに限るものではない。例えば、横縦(x,y方向)どちらか一方が複数列で他方は1列だけであっても構わない。また、穴22の配列の仕方は、図2のように、横縦が格子状に配置される場合に限るものではない。例えば、縦方向(y方向)k段目の列と、k+1段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法aだけずれて配置されてもよい。同様に、縦方向(y方向)k+1段目の列と、k+2段目の列の穴同士が、横方向(x方向)に寸法bだけずれて配置されてもよい。
画像取得機構150は、電子ビームによるマルチビーム20を用いて、図形パターンが形成された基板101から図形パターンの被検査画像を取得する。以下、検査装置100における画像取得機構150の動作について説明する。
電子銃201(放出源)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ基板203全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板203には、図2に示すように、矩形の複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム200は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム200の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、例えば矩形の複数の電子ビーム(マルチビーム)20a~20d(図1の実線)が形成される。
形成されたマルチビーム20a~20dは、その後、クロスオーバー(C.O.)を形成し、マルチビーム20の各ビームのクロスオーバー位置に配置されたビームセパレーター214を通過した後、縮小レンズ205によって、縮小され、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、成形アパーチャアレイ基板203と縮小レンズ205との間に配置された一括ブランキング偏向器212によって、マルチビーム20a~20d全体が一括して偏向された場合には、制限アパーチャ基板206の中心の穴から位置がはずれ、制限アパーチャ基板206によって遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器212によって偏向されなかったマルチビーム20a~20dは、図1に示すように制限アパーチャ基板206の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器212のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板206は、一括ブランキング偏向器212によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチビーム20a~20dを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板206を通過したビーム群により、検査用のマルチビーム20a~20dが形成される。制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20a~20dは、対物レンズ207により試料101面上に焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像(ビーム径)となり、偏向器208によって、制限アパーチャ基板206を通過したマルチビーム20全体が同方向に一括して偏向され、各ビームの基板101上のそれぞれの照射位置に照射される。実施の形態1では、XYステージ105を連続移動させながらスキャンを行う。そのため、偏向器208は、さらにXYステージ105の移動に追従するように、トラッキング偏向を行う。一度に照射されるマルチビーム20は、理想的には成形アパーチャアレイ基板203の複数の穴22の配列ピッチに上述した所望の縮小率(1/a)を乗じたピッチで並ぶことになる。このように、電子ビームカラム102は、一度に2次元状のm×n本のマルチビーム20を基板101に照射する。基板101の所望する位置にマルチビーム20が照射されたことに起因して基板101からマルチビーム20の各ビームに対応する、反射電子を含む2次電子の束(マルチ2次電子300)(図1の点線)が放出される。
基板101から放出されたマルチ2次電子300は、対物レンズ207によって、マルチ2次電子300の中心側に屈折させられ、制限アパーチャ基板206に形成された中心の穴に向かって進む。制限アパーチャ基板206を通過したマルチ2次電子300は、縮小レンズ205によって光軸とほぼ平行に屈折させられ、ビームセパレーター214に進む。
ここで、ビームセパレーター214はマルチビーム20が進む方向(光軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。そのため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。ビームセパレーター214に上側から侵入してくるマルチビーム20(1次電子ビーム)には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチビーム20は下方に直進する。これに対して、ビームセパレーター214に下側から侵入してくるマルチ2次電子300には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ2次電子300は斜め上方に曲げられる。
斜め上方に曲げられたマルチ2次電子300は、投影レンズ284,286によって、屈折させられながらマルチ検出器282に投影される。マルチ検出器282は、投影されたマルチ2次電子300を検出する。マルチ検出器282は、例えば、図示しないダイオード型の2次元センサを有する。そして、マルチ2次電子300の各2次電子がダイオード型の2次元センサに衝突して、電子を発生し、2次電子画像データを後述する画素毎に生成する。また、XYステージ105を連続移動させながらスキャンを行うため、上述したようにトラッキング偏向が行われる。かかるトラッキング偏向に伴う偏向位置の移動に合わせて、偏向器288は、マルチ2次電子300をマルチ検出器282の受光面における所望の位置に照射させるように偏向する。
図3は、実施の形態1における半導体基板に形成される複数のチップ領域の一例を示す図である。図3において、基板101が半導体基板(ウェハ)である場合、半導体基板(ウェハ)の検査領域330には、複数のチップ(ウェハダイ)332が2次元のアレイ状に形成されている。各チップ332には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のマスクパターンが図示しない露光装置(ステッパ)によって例えば1/4に縮小されて転写されている。各チップ332内は、例えば、2次元状の横(x方向)m列×縦(y方向)n段(m,nは2以上の整数)個の複数のマスクダイ33に分割される。実施の形態1では、かかるマスクダイ33が単位検査領域となる。
図4は、実施の形態1におけるマルチビームの照射領域と測定用画素との一例を示す図である。図4において、各マスクダイ33は、例えば、マルチビームのビームサイズでメッシュ状の複数のメッシュ領域に分割される。かかる各メッシュ領域が、測定用画素36(単位照射領域)となる。図4の例では、8×8列のマルチビームの場合を示している。1回のマルチビーム20の照射で照射可能な照射領域34は、(基板101面上におけるマルチビーム20のx方向のビーム間ピッチにx方向のビーム数を乗じたx方向サイズ)×(基板101面上におけるマルチビーム20のy方向のビーム間ピッチにy方向のビーム数を乗じたy方向サイズ)で定義される。図4の例では、照射領域34がマスクダイ33と同じサイズの場合を示している。但し、これに限るものではない。照射領域34がマスクダイ33よりも小さくても良い。或いは大きくても構わない。そして、照射領域34内に、1回のマルチビーム20の照射で照射可能な複数の測定用画素28(1ショット時のビームの照射位置)が示されている。言い換えれば、隣り合う測定用画素28間のピッチがマルチビームの各ビーム間のピッチとなる。図4の例では、隣り合う4つの測定用画素28で囲まれると共に、4つの測定用画素28のうちの1つの測定用画素28を含む正方形の領域で1つのサブ照射領域29を構成する。図4の例では、各サブ照射領域29は、4×4画素36で構成される場合を示している。
実施の形態1におけるスキャン動作では、マスクダイ33毎にスキャン(走査)される。図4の例では、ある1つのマスクダイ33を走査する場合の一例を示している。マルチビーム20がすべて使用される場合には、1つの照射領域34内には、x,y方向に(2次元状に)m×n個のサブ照射領域29が配列されることになる。1つ目のマスクダイ33にマルチビーム20が照射可能な位置にXYステージ105を移動させる。そして、偏向器208によって、XYステージ105の移動に追従するように、トラッキング偏向を行いながら、トラッキング偏向されている状態で、当該マスクダイ33を照射領域34として当該マスクダイ33内を走査(スキャン動作)する。マルチビーム20を構成する各ビームは、互いに異なるいずれかのサブ照射領域29を担当することになる。そして、各ショット時に、各ビームは、担当サブ照射領域29内の同じ位置に相当する1つの測定用画素28を照射することになる。図4の例では、偏向器208によって、各ビームは、1ショット目に担当サブ照射領域29内の最下段の右から1番目の測定用画素36を照射するように偏向される。そして、1ショット目の照射が行われる。続いて、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括してy方向に1測定用画素36分だけビーム偏向位置をシフトさせ、2ショット目に担当サブ照射領域29内の下から2段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。同様に、3ショット目に担当サブ照射領域29内の下から3段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。4ショット目に担当サブ照射領域29内の下から4段目の右から1番目の測定用画素36を照射する。次に、偏向器208によってマルチビーム20全体を一括して最下段の右から2番目の測定用画素36の位置にビーム偏向位置をシフトさせ、同様に、y方向に向かって、測定用画素36を順に照射していく。かかる動作を繰り返し、1つのビームで1つのサブ照射領域29内のすべての測定用画素36を順に照射していく。1回のショットでは、成形アパーチャアレイ基板203の各穴22を通過することによって形成されたマルチビームによって、最大で各穴22と同数の複数のビームショットに応じたマルチ2次電子300が一度に検出される。
以上のように、マルチビーム20全体では、マスクダイ33を照射領域34として走査(スキャン)することになるが、各ビームは、それぞれ対応する1つのサブ照射領域29を走査することになる。そして、1つのマスクダイ33の走査(スキャン)が終了すると、隣接する次のマスクダイ33が照射領域34になるように移動して、かかる隣接する次のマスクダイ33の走査(スキャン)を行う。かかる動作を繰り返し、各チップ332の走査を進めていく。マルチビーム20のショットにより、その都度、照射された測定用画素36から2次電子が放出され、マルチ検出器282にて検出される。実施の形態1では、マルチ検出器282の単位検出領域サイズは、各測定用画素36から上方に放出された2次電子を測定用画素36毎(或いはサブ照射領域29毎)に検出する。
以上のようにマルチビーム20を用いて走査することで、シングルビームで走査する場合よりも高速にスキャン動作(測定)ができる。なお、ステップアンドリピート動作で各マスクダイ33のスキャンを行っても良いし、XYステージ105を連続移動させながら各マスクダイ33のスキャンを行う場合であってもよい。照射領域34がマスクダイ33よりも小さい場合には、当該マスクダイ33中で照射領域34を移動させながらスキャン動作を行えばよい。
基板101が露光用マスク基板である場合には、露光用マスク基板に形成された1チップ分のチップ領域を例えば上述したマスクダイ33のサイズで短冊状に複数のストライプ領域に分割する。そして、ストライプ領域毎に、上述した動作と同様の走査で各マスクダイ33を走査すればよい。露光用マスク基板におけるマスクダイ33のサイズは、転写前のサイズなので半導体基板のマスクダイ33の4倍のサイズとなる。そのため、照射領域34が露光用マスク基板におけるマスクダイ33よりも小さい場合には、1チップ分のスキャン動作が増加する(例えば4倍)ことになる。しかし、露光用マスク基板には1チップ分のパターンが形成されるので、4チップよりも多くのチップが形成される半導体基板に比べてスキャン回数は少なくて済む。
以上のように、画像取得機構150は、マルチビーム20を用いて、図形パターンが形成された被検査基板101上を走査し、マルチビーム20が照射されたことに起因して被検査基板101から放出される、マルチ2次電子300を検出する。マルチ検出器282によって検出された各測定用画素36からの2次電子の検出データ(測定画像:2次電子画像:被検査画像)は、測定順に検出回路106に出力される。検出回路106内では、図示しないA/D変換器によって、アナログの検出データがデジタルデータに変換され、チップパターンメモリ123に格納される。このようにして、画像取得機構150は、基板101上に形成されたパターンの測定画像を取得する。そして、例えば、1つのチップ332分の検出データが蓄積された段階で、チップパターンデータとして、位置回路107からの各位置を示す情報と共に、比較回路108に転送される。
参照画像作成回路112は、基板101にパターンを形成する基になった設計データ、或いは基板101に形成されたパターンの露光イメージデータに定義された設計パターンデータに基づいて、マスクダイ毎に、参照画像を作成する。具体的には、以下のように動作する。まず、記憶装置109から制御計算機110を通して設計パターンデータを読み出し、読み出された設計パターンデータに定義された各図形パターンを2値ないしは多値のイメージデータに変換する。
ここで、設計パターンデータに定義される図形は、例えば長方形や三角形を基本図形としたもので、例えば、図形の基準位置における座標(x、y)、辺の長さ、長方形や三角形等の図形種を区別する識別子となる図形コードといった情報で各パターン図形の形、大きさ、位置等を定義した図形データが格納されている。
かかる図形データとなる設計パターンデータが参照画像作成回路112に入力されると図形ごとのデータにまで展開し、その図形データの図形形状を示す図形コード、図形寸法などを解釈する。そして、所定の量子化寸法のグリッドを単位とするマス目内に配置されるパターンとして2値ないしは多値の設計パターン画像データに展開し、出力する。言い換えれば、設計データを読み込み、検査領域を所定の寸法を単位とするマス目として仮想分割してできたマス目毎に設計パターンにおける図形が占める占有率を演算し、nビットの占有率データを出力する。例えば、1つのマス目を1画素として設定すると好適である。そして、1画素に1/2(=1/256)の分解能を持たせるとすると、画素内に配置されている図形の領域分だけ1/256の小領域を割り付けて画素内の占有率を演算する。そして、8ビットの占有率データとして参照回路112に出力する。かかるマス目(検査画素)は、測定データの画素に合わせればよい。
次に、参照画像作成回路112は、図形のイメージデータである設計パターンの設計画像データに適切なフィルタ処理を施す。測定画像としての光学画像データは、光学系によってフィルタが作用した状態、言い換えれば連続変化するアナログ状態にあるため、画像強度(濃淡値)がデジタル値の設計側のイメージデータである設計画像データにもフィルタ処理を施すことにより、測定データに合わせることができる。作成された参照画像の画像データは比較回路108に出力され、比較回路108内の図示しないメモリに格納される。
そして、比較回路108(検査部)は、マルチ検出器222により検出されたマルチ2次電子ビーム300の情報を用いて、基板101に形成されたパターンを検査する。具体的には、以下のように動作する。
まず、比較回路108は、被検査画像となるマスクダイ画像と参照画像となるマスクダイ画像との位置合わせを行う。例えば、最小2乗法を用いて位置合わせを行う。ここでは、被検査画像として、例えば、マスクダイ画像を用いる。
次に、比較回路108は、比較回路108は、基板101から測定された測定画像と、対応する参照画像とを比較する。具体的には、位置合わせされた被検査画像と参照画像とを、画素毎に比較する。所定の判定閾値を用いて所定の判定条件に従って画素毎に両者を比較し、例えば形状欠陥といった欠陥の有無を判定する。例えば、画素毎の階調値差が判定閾値Thよりも大きければ欠陥候補と判定する。そして、比較結果が出力される。比較結果は、記憶装置109、モニタ117、若しくはメモリ118に出力される、或いはプリンタ119より出力されればよい。
上述したダイ-データベース検査の他に、ダイ-ダイ検査を行っても良い。ダイ-ダイ検査を行う場合、同一基板101上の異なる場所の同一パターンを撮像した測定画像データ同士を比較する。そのため、画像取得機構150は、マルチビーム20(電子ビーム)を用いて、同じ図形パターン同士(第1と第2の図形パターン)が異なる位置に形成された基板101から一方の図形パターン(第1の図形パターン)と他方の図形パターン(第2の図形パターン)のそれぞれの2次電子画像である測定画像を取得する。かかる場合、取得される一方の図形パターンの測定画像が参照画像となり、他方の図形パターンの測定画像が被検査画像となる。取得される一方の図形パターン(第1の図形パターン)と他方の図形パターン(第2の図形パターン)の画像は、同じチップパターンデータ内にあっても良いし、異なるチップパターンデータに分かれていてもよい。検査の仕方は、ダイ-データベース検査と同様で構わない。
上述したように、検査装置100のような電子ビーム(ここでは、マルチビーム20)を基板101に照射する装置では、電子ビームを基板101に照射することによって、基板101上面が帯電する問題が発生する。基板101面の帯電は検査精度の劣化を招く。そのため、かかる帯電を解消すべく、実施の形態1では、帯電した基板101面に、プラズマにより発生するVUV(真空紫外)光、若しくは軟X線を照射して、帯電を解消させる。
図5は、実施の形態1における電磁レンズにより発生する磁場の状態の一例を示す図である。照明レンズ202、縮小レンズ205、及び対物レンズ207といったマルチビーム20(若しくは電子ビーム200)を屈折させる各電磁レンズは、マルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の光軸を取り囲むように配置されるコイルとコイルを取り囲むポールピース(ヨーク)で構成される。そして、ポールピース(ヨーク)には、コイルで作られた高密度な磁力線をマルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の光軸側に漏洩させる開放部(隙間、或いはギャップともいう。)が形成されている。ここでは、一例として、対物レンズ207について説明する。図5において、対物レンズ207は、ポールピース(ヨーク)216とコイル217を有している。ポールピース216は、縦長(光軸側に長い)に形成され、縦長のコイル217を内側に配置する。ポールピース216は、上下面の中央部が電子ビームの通過領域を確保するため開口されており、また、電子ビーム200の光軸側に向けて開放された形状になっている(開放部が形成される)。コイル217は、ポールピース216によって上下面及び外周面の3方向が囲まれた空間内の外周側に寄った位置に配置される。かかる状態でコイル217に電流を流すことによって、コイル217は、コイル217よりも内側(光軸側)の空間においてマルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の進む方向(図5では下向き)に磁力線を発生させる。図5の例では、マルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の光軸11の右手側の断面において、コイル217によって発生させられた磁力線がポールピース216自体の内部を、ポールピース構造内部を含めて、左回りに回っている。そして、ポールピース216の上面光軸側端から光軸側の開放空間を介して下面光軸側端に磁力線が進むことでループを形成する。逆に、電子ビーム200の光軸11の左手側の断面では、コイル217によって発生させられた磁力線がポールピース216自体の内部を、ポールピース構造内部を含めて、右回りに回っている。そして、ポールピース216の上面光軸側端から光軸側の開放空間を介して下面光軸側端に磁力線が進むことでループを形成する。以上のように、コイル217よりも内側(光軸側)の空間においてマルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の進む方向(図5では下向き)に磁場が発生させられている。そこで、実施の形態1では、かかるコイル217よりも内側(光軸側)の空間に発生する磁場を利用して、プラズマを発生させることにより、VUV(真空紫外)光、若しくは軟X線を生成する。
図6は、実施の形態1における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。図6において、対物レンズ207のポールピース216内にプラズマ発生機構209が配置される。ポールピース216内のコイル217よりも内側(光軸側)の対物レンズ207の磁場空間に外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極が配置される。2段の下部電極226,227の下には透過窓225が配置される。図6に示すように、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極は、マルチビーム20の通過領域12の外側の空間14を取り囲むように配置される。また、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び透過窓225によって囲まれた空間14を密閉空間にするように、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び透過窓225間の隙間を封止壁223によって封じている。封止壁223として、例えば、セラミック材が用いられると好適である。なお、外側電極220、内側電極222、上部電極224、透過窓225、及び封止壁223によって密閉された空間14は、電子ビームカラム102内及び検査室103内と同様、図示しない真空ポンプによって真空引きされている。
図7は、実施の形態1における複数の電極が配置された状態を上部電極の上方から見た上面図である。
図8は、実施の形態1における複数の電極が配置された状態を外側電極の中間高さ位置から見た上面図である。
図9は、実施の形態1における複数の電極のうち下部電極の上面図である。図7~9に示すように、外側電極220は円筒状に形成され、同じく円筒状に形成された内側電極222の外周面を取り囲むように配置される。外側電極220及び内側電極222の高さ寸法は、ポールピース216の上面部と下面部との間の空間に配置可能なサイズで形成される。上部電極224は、中央部がマルチビーム20の通過用に開口した円盤状に形成され、外側電極220と内側電極222とによって挟まれた空間14の上部に蓋をするように、外側電極220と内側電極222の上方に配置される。下部電極226,227は、中央部がマルチビーム20の通過用に開口した円盤状に形成され、外側電極220と内側電極222とによって挟まれた空間14の下部に蓋をするように、外側電極220と内側電極222の下部に配置される。但し、プラズマによって生じたVUV光(若しくは軟X線)が下部電極226,227を透過できるように、下部電極226,227は、複数の通過孔が形成された、例えば、格子形状に形成される。言い換えれば、グリッド構造に形成される。
外側電極220及び内側電極222は、ポールピース216の上面部と下面部との間の空間に配置される。或いは、少なくとも外側電極220は、ポールピース216の上面部と下面部との間の空間に配置され、内側電極222は、外側電極220よりも内側(光軸側)であって、電子ビーム200の通過領域12の外側に配置される。図6の例では、内側電極222は偏向器208の外側に配置される。上部電極224、及び下部電極226,227についても、ポールピース216の上面部と下面部との間の空間に配置される。また、上部電極224には、ガス供給ライン132(供給部)が接続される、或いは、貫通する。なお、図6~図8では、プラズマ発生に関与しない偏向器208については点線で示している。電極220、222,224,226,227の材料としては、イオン衝撃によるスパッタの少ない材料、例えばガラス状炭素を用いることが出来る。
なお、各電極は高温のプラズマに面する為、プラズマの条件によってはプラズマからの熱流入が大きくなる。そこで、冷却手段を設けておく。例えば電極外部に水冷配管を取り付けておき、絶縁物で出来た配管を介して恒温水循環装置133を用いて冷却水を循環させる様にしておくと良い。これは他の実施の形態でも同様である。
実施の形態1におけるプラズマ制御回路125(電位制御部)は、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極によって取り囲まれた空間14にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、及び電子の移動を制御するように、複数の電極の電位を制御する。具体的には、以下のように動作する。かかる外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226といった複数の電極と、対物レンズ207の磁場空間とを用いて、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226といった複数の電極によって取り囲まれた、真空状態にある空間14にプラズマを発生させる。また、ガス供給ライン132(供給部)は、複数の電極220,222,224,226(或いは227)によって取り囲まれた空間に、ガスを供給する。
かかるプラズマは、例えば、ペニング放電により発生させる。外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227によって取り囲まれた空間14に、対物レンズ207により強い縦磁場を発生させた状態で、ガス供給ライン132から所定のガスを流しながら、プラズマ制御回路124から外側電極220に電位Voutを印加し、内側電極222に電位Vinを印加する。かかる場合に、外側電極220の電位Voutと内側電極222の電位Vinとして、同電位を印加する。外側電極220の電位Voutと内側電極222の電位Vinとが上部電極224、及び下部電極226の電位に対して所定の電位よりも高くなると空間14にペニング放電によるプラズマを発生させることができる。5つの電極220,222,224,226,227が配置された空間は、隙間が封止壁223によって塞がれているので、気密性が保たれており、供給したガスが空間14から流出するのを抑制できる。このことはガス供給量を抑える上で有効である。また、マルチビーム20が通過する領域の真空維持に必要な排気システムの負荷を抑制できる。更に、例えば上部電極224のガス供給ライン132とは位相が異なる位置に外部から図示しない真空排気用配管をつないで空間14の真空排気を行う。さらに、この真空排気用配管の排気速度を変えられる様にすることは、空間14の圧力の制御性向上に有効である。放電開始を効率良く行う為に、上部電極224近くにタングステンフィラメント等の加熱により熱電子を放出する材料を設置しておき、外部電源により電流を流して加熱することで電子を放出させて放電を開始させることも出来る。通常放電開始後はフィラメント電流を停止しても放電は継続する。放電を補助する機構として、高周波を発生させても好適である。
図10は、実施の形態1における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の変形例を示す断面図である。図10において、高周波発生機構231が追加された点以外は、図6と同様である。図10に示す変形例のように、高周波発生機構231によって、空間14内のプラズマを加熱する高周波を発生させても好適である。かかる場合、具体的には、以下のように動作する。高周波発生機構231は、鏡筒の外に置かれた高周波源で発生させた高周波を、同軸導波管を用いて空間14の境界まで導き、導波管出口に設けたアンテナ、例えばループアンテナ或いはホーンアンテナ、を用いて空間14に放出してプラズマを発生させる。マイクロ波の周波数は例えば空間14の中央付近の磁束密度に対応する電子サイクロトロン周波数とし、電子サイクロトロン共鳴現象により電子を加速することで電離現象を促進しプラズマを生成する。磁束密度1Tに相当する電子サイクロトロン周波数は約28GHzである。また、高周波を連続的に導入することは放電の維持に有効である。
図6及び図10の例において、空間14内の電子(e)は、対物レンズ207による強い縦磁場によって半径方向の動きが制限される。また、上部電極224に電位Vout及び電位Vinよりも低い電位Vupを印加し、下部電極226,227にも電位Vout及び電位Vinよりも低い電位V1down、電位V2downを印加することで空間14の電子は上下方向の動きも制限される。対物レンズ207により、例えば、4~6kGの磁場が発生する。かかる磁場空間において、Vin,VoutとVup,V1down,V2downとの間の電位差は例えば2kV程度、Vin,Voutが高くなる様にする。電位Voutとして、例えば、2.1kV印加する。電位Vinとして、例えば、電位Voutと同電位の2.1kVを印加する。電位Vupとして、例えば、0Vを印加する。電位V1downとして、例えば、0Vを印加する。電位V2downとして、例えば、+110Vを印加する。電位V1downと電位V2downは逆であっても構わない。リターディング電極228は接地しておく。かかる効果により閉じ込められた電子がガス供給ライン132から供給されたガス分子を電離し、イオン(例えば正イオンXe)を発生させる。下部電極226は、空間14内に閉じ込められた電子が基板101側に移動しないように電位V1downによって追い返す。また、下部電極227は、空間14内に閉じ込められた正イオンが基板101側に移動しないように電位V2downによって追い返す。
一方、各電極220,222,224,226(或いは227)によって囲まれている空間に生じたプラズマにより放射される光(VUV光或いは軟X線)は、電極226,227を通過し、透過窓225を透過して、基板101に照射される。実施の形態1では、電極226によって例えば電子を追い返し、電極227によって例えば正イオンを追い返すので、電子及び正イオンが透過窓225に衝突するのを防止或いは低減でき、透過窓225の損傷を回避或いは低減できる。
ここで、ガス供給ライン132から供給されるガスとして、例えば、キセノン(Xe)ガス、クリプトン(Kr)ガス、或いはアルゴン(Ar)ガス等を用いると好適である。これらのガスを用いた場合に生じるプラズマによりVUV光が放射される。Xeガスではピーク波長が172nm、Krガスではピーク波長が145nm、Arガスではピーク波長が126nmのVUV光を放射できる。かかるVUV光を基板101に照射する場合、透過窓225の材料として、例えば、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、或いはフッ化リチウム(LiF)等を用いると好適である。また、ガス供給ライン132から供給されるガスとして、例えば、重水素ガスを用いた場合に生じるプラズマにより軟X光が放射される。重水素ガスではピーク波長が115nmの軟X光を放射できる。かかる軟X光を基板101に照射する場合、透過窓225の材料として、例えば、ベリリウム(Be)等を用いると好適である。VUV光を発生させる場合には、数eV程度に対応する温度に設定する。軟X光を発生させる場合には、数100eV程度に対応する温度に設定する。これらの波長の短い光を基板101に照射することで基板101表面の帯電(正、負とも)を低減或いは解消できる。
帯電解消は、試料面付近に存在する気体分子または原子がVUV(真空紫外)光、若しくは軟X線により電離して生じたプラズマの試料面帯電部への接触、基板101面からの光電子放出、基板101周辺部材から発生する光電子の試料面への到達のいずれか或いはすべてによって行われる。基板101周辺部材として例えばリターディング電極228のビーム開口付近を用いて、基板101から反射するVUV光や軟X線光或いは、積極的に基板101にVUV光や軟X線光が照射される様にすることで発生した光電子が基板101面のビーム照射位置付近に到達しやすくする様にするとよい。放電電圧、プラズマを発生させる為のガスの圧力や追加加熱の為の高周波出力等のパラメータは発生したVUV光や軟X線により所望の帯電解消効率が得られる様に実験的に決める。これらは、試料の材質、入射電子のエネルギー、電流等で異なるので、予め最適条件を求めておき、測定試料やビーム条件に応じて選択できる様にすると良い。また試料面付近の気体圧力は気体分子による入射電子の散乱に伴うビーム分解能の劣化が問題にならない範囲とする。
また、基板101周辺部材にVUV光や軟X線光を照射する際に洗浄用ガス、例えば酸素を供給し、酸素分子がVUV光や軟X線光で励起して得られる原子状酸素の働きにより周辺部材表面に付着した汚染物質、例えば炭化水素から成る物質を除去することも出来る。この洗浄の際は電子ビーム20を停止して、洗浄用ガス圧力を高くして実施することも出来る。この場合でも装置を分解することなく洗浄が可能である。
以上のように、実施の形態1では、対物レンズ207の磁場空間に外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極を配置して、それぞれ設定された電位を印加することで複数の電極に囲まれた空間14内に、プラズマを発生させ、供給ガスに応じた光を放射させることができる。かかるプラズマにより生じた波長の短い光を基板101に照射することで、基板101に磁場及び電場の影響を与えることなく、基板101の帯電低減(或いは除去)を行うことができる。
図11は、実施の形態1における帯電低減方法の要部工程を示すフローチャート図である。図11において、実施の形態1における帯電低減方法は、ガス供給工程(S102)と、プラズマ発生工程(S104)と、照射工程(S106)と、いう一連の工程を実施する。なお、図11では、かかる一連の工程を検査開始後に行う場合を示しているが、これに限るものではない。検査開始前、若しくは検査終了後に行っても構わない。若しくは、検査処理の途中で、一旦、検査処理を停止した状態、或いは検査領域間を移動中の検査処理が停止している合間に行っても良い。また、ガス供給、プラズマ発生は連続的に行っておいて光の放出量を制御する様にすることも出来る。
ガス供給工程(S102)として、ガス供給装置130は、ガス制御回路127による制御の下、ガス供給ライン132を通じて、電磁レンズ(例えば対物レンズ207)内にガスを供給する。なお、上述したように、ガス供給装置130(供給部)は、ガス供給ライン132を介してプラズマの空間に、ガスを供給する。
プラズマ発生工程(S104)として、プラズマ制御回路125は、電子ビーム200を基板101面にフォーカスする対物レンズ207の磁場空間に配置されると共に、電子ビーム200の通過領域12の外側の空間14を取り囲むように配置された、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極に、かかる複数の電極によって取り囲まれた空間14にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子及び負イオンの移動を制御するように、かかる複数の電極の電位を制御する。具体的には、電位制御回路124は、外側電極220に電位Voutを印加し、内側電極222に電位Voutと同電位の電位Vinを印加する。そして、上部電極224に電位Vout及び電位Vinよりも低い電位Vupを印加し、下部電極226に電位Vupと同様の低い電位V1downを印加し、下部電極227に電位V1downよりは高いが電位Vout及び電位Vinよりも十分低い電位V2downを印加する。かかる電位の印加によって、空間14にペニング放電によるプラズマを発生させることができる。そして、同時に、空間14の電子の上下方向の動きも制限される。
但し、電極224,226,227と電極220,222との間の電場と磁場との影響により、電子が磁場により旋回しながらその旋回中心が周方向に移動する。これをE×B(イークロスビー)ドリフトと呼ぶ。E×Bドリフトにはプラズマ空間14中の電荷分布の偏りに伴う電場の寄与もある。また、磁力線に曲りがある時も旋回中心が周方向に移動する。磁力線に曲りがあると、磁束密度にも分布があるので、それぞれの寄与を曲率ドリフト、グラディエントB(ビー)ドリフトと呼ぶ。
照射工程(S106)として、空間14に生じたプラズマにより放射された波長の短い光(VUV光或いは軟X線)を基板101に照射する。図6の例では、複数の電極に囲まれた空間14から基板101の電子ビーム200の照射位置に向かって通路を形成するように、リターディング電極228にも開口部が形成される。
上述した例では、ペニング放電により、電子ビーム200の通過領域12の外側の磁場空間にプラズマを発生させる構成として、外側電極220と内側電極222とを用いる場合を説明したがこれに限るものではない。
図12は、実施の形態1の変形例における対物レンズ付近の構成の一例を上部電極と下部電極との間の高さ位置から見た上面図である。図12において、対物レンズ207のポールピース216内における、コイル217よりも内側(光軸側)の磁場空間に、図6の外側電極220及び内側電極222の代わりに、複数の環状電極221を周方向に並べて配置する。具体的には、偏向器208の外周側の空間に周方向に並べて複数の筒状電極221を配置する。周方向に並べた複数の筒状電極221の上方には上部電極224が配置され、下側には下部電極226,227が配置される点は図6と同様である。よって、各筒状電極221の内側の空間が上部電極224及び下部電極226,227によって覆われる。図12の例では、複数の筒状電極221、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極は、電子ビーム200の通過領域12の外側の空間を複数の空間14にわけてそれぞれ個別に取り囲むように配置される。かかる構成では、各環状電極221内にガスが供給されることになる。
以上のように、実施の形態1によれば、電子ビームを照射する装置本来の電子ビーム光学系を構成する電磁レンズが発生させる磁場に影響を与えることなく、帯電の低減ができる。その結果、高精度な検査を行うことができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、電磁レンズの磁場を利用して、ペニング放電によりプラズマを発生させる場合について説明したが、プラズマを発生させる手法はこれに限るものではない。実施の形態2では、別の手法にてプラズマを発生させる構成について説明する。実施の形態2における検査装置100の構成は、図1と同様である。また、実施の形態2における帯電低減方法の要部工程を示すフローチャート図は、図11と同様である。また、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1と同様で構わない。
図13は、実施の形態2における対物レンズ付近の構成の一例を示す断面図である。図13において、電場の方向を示す矢印が追加された点以外は図6と同様である。実施の形態2における複数の電極が配置された状態を上部電極の上方から見た上面図は図7と同様である。実施の形態2における複数の電極が配置された状態を外側電極の中間高さ位置から見た上面図は図8と同様である。実施の形態2における複数の電極のうち下部電極の上面図は図9と同様である。このように、対物レンズ付近の構成自体の内容は、実施の形態1と同様である。但し、図13の例では、各電極への電位の印加の仕方が異なる。実施の形態2では、マグネトロン放電によりプラズマを発生させる。放電開始を効率良く行う為に、上部電極224近くにタングステンフィラメント等の加熱により熱電子を放出する材料を設置しておき、外部電源により電流を流して加熱することで電子を放出させて放電を開始させることも出来る。通常放電開始後はフィラメント電流を停止しても放電は継続する。
実施の形態2におけるプラズマ制御回路125(電位制御部)は、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極によって取り囲まれた空間14にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子及び負イオンの移動を制御するように、複数の電極の電位を制御する。具体的には、以下のように動作する。対物レンズ207の磁場空間であって、外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極によって取り囲まれた、真空状態にある空間14にプラズマを発生させる。かかるプラズマは、ここでは、マグネトロン放電により発生させる。外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227によって取り囲まれた空間14に、対物レンズ207により強い縦磁場を発生させた状態で、ガス供給ライン132から所定のガスを流しながら、プラズマ制御回路125から外側電極220に電位Voutを印加し、内側電極222に電位Vinを印加する。かかる場合に、外側電極220の電位Voutとして、電位Vinよりも十分低い電位を印加する。外側電極220の電位Voutと内側電極222の電位Vinとの電位差が所定の電位差よりも高くなると空間14にマグネトロン放電によるプラズマを発生させることができる。また、上部電極224に電位Vout及び電位Vinよりも低い電位Vupを印加し、下部電極226にも電位Vout及び電位Vinよりも低い電位V1downを印加する。同様に、下部電極227にも電位Vout及び電位Vinよりも低いが、電位V1downよりも高い正の電位V2downを印加する。対物レンズ207により、例えば、4~6kGの磁場が発生する。かかる磁場空間において、電位Vinとして、例えば2.2kVを印加する。電位Voutとして、例えば、200Vを印加する。電位Vupとして、電位Voutよりも低い電位例えば、0Vを印加する。電位V1downとして、電位Voutよりも低い電位例えば、0Vを印加する。電位V2downとして、電位Voutよりも低いが電位V1downよりも高い正の電位例えば、200Vを印加する。かかる効果により閉じ込められた電子がガス供給ライン132から供給されたガス分子を電離し、イオン(例えば正イオンXe)を発生させる。そして、これの発生と共に、プラズマによる光(VUV光或いは軟X線)を放射する。
図14は、実施の形態2における電場と電子軌道とを説明するための図である。図14において、実施の形態2では、外側電極220の電位Voutと内側電極222の電位Vinとの間に電位差が生じるため、外側電極220から内側電極222に向かう電場が生じている。かかる電場は、対物レンズ207による磁場の方向と直交する方向に形成する。対物レンズ207による強い縦磁場によって空間14内の電子(e)は、半径方向の動きが制限される。また、上部電極224に電位Vout及び電位Vinよりも低い電位Vupを印加し、下部電極226に電位Vout及び電位Vinよりも低い電位V1downを印加することで空間14の電子は上下方向の動きも制限される。また、下部電極227に電位Voutよりも低いが電位V1downよりも高い正の電位V2downを印加することで空間14の正イオンを空間14内に追い返す。かかる点はペニング放電と同様である。しかし、空間14内の電子(e)は、衝突が無視出来る場合は磁場中のラーマー回転に加えて、その旋回中心は電場と磁場との組み合わせ効果によって、外側電極220と内側電極222との間の環状の空間14を周方向に回転する。この現象はExBドリフトと呼ばれる。そのため、発生するマグネトロン放電によるプラズマは、外側電極220と内側電極222との間の環状の空間14内において、ペニング放電によるプラズマに比べて均一性を高めることができる。なお、電極220,222と電極224,226,227との間の電場によってもExBドリフトが起こる。また、磁力線に曲りがある場合は曲率ドリフト、グラディエントBも起こる。また、E×Bドリフトではプラズマ中の電荷分布の偏りに伴う電場の寄与もある。
以上のように、実施の形態2では、対物レンズ207の磁場空間に外側電極220、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極を配置して、それぞれ設定された電位を印加することで複数の電極に囲まれた空間14内に、マグネトロン放電によるプラズマによって、イオン(例えば正イオンXe)、及び電子(e)、を発生させると共に、プラズマによる光(VUV光或いは軟X線)を放射することができる。イオン(例えば正イオンXe)、及び電子(e)は、実施の形態1と同様、下部電極226,227により空間14内に追い返しながら、発生した波長の短い光(VUV光或いは軟X線)を、透過窓225を透過させて基板101に照射する。かかる波長の短い光(VUV光或いは軟X線)を使って、基板101の帯電低減(或いは除去)を行う。実施の形態2では、マグネトロン放電を用いることで、イオン(例えば正イオンXe)、及び電子(e)の環状の空間14内の発生個所の偏在を低減若しくは解消できる。よって、放射する光を基板101に向けて照射する場合における光量の均一性を高めることができる。
そして、照射工程(S106)として、プラズマの空間14から波長の短い光(VUV光或いは軟X線)を基板101に照射する。図12の例では、図6と同様、複数の電極に囲まれた空間14から基板101の電子ビーム200の照射位置に向かって通路を形成するように、リターディング電極228にも開口部が形成される。
以上のように、実施の形態2では、実施の形態1と同様、基板101表面が正負のいずれに帯電する場合でも、波長の短い光により帯電を低減或いは解消できる。このように、実施の形態2では、帯電状態にかかわらず、適用することができる。
図15は、実施の形態2の変形例における対物レンズ付近の構成の一例を上部電極と下部電極との間の高さ位置から見た上面図である。図15において、対物レンズ207のポールピース216内における、コイル217よりも内側(光軸側)の磁場空間に、図13の外側電極220の代わりに、複数の円筒電極229を周方向に並べて配置する。具体的には、内側電極222の外周側の空間に周方向に並べて複数の円筒電極229を配置する。周方向に並べた複数の円筒電極229の上方には上部電極224が配置され、下側には下部電極226,227が配置される点は図13と同様である。図15の例では、複数の円筒電極229、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極は、電子ビーム200の通過領域12の外側の空間14を取り囲むように配置される。図15の例では、複数の円筒電極229間は、図示しない封止壁によって密閉される。
プラズマ制御回路125(電位制御部)は、複数の円筒電極229、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極によって取り囲まれた空間14にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子及び負イオンの移動を制御するように、複数の電極の電位を制御する。具体的には、以下のように動作する。かかる複数の円筒電極229、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極と、対物レンズ207の磁場空間とを用いて、複数の円筒電極229、内側電極222、上部電極224、及び下部電極226,227といった複数の電極によって取り囲まれた、真空状態にある空間14にマグネトロン放電によるプラズマを発生させる。対物レンズ207により強い縦磁場を発生させた状態で、ガス供給ライン132から所定のガスを流しながら、プラズマ制御回路125から複数の円筒電極229に共に正の電位Voutを印加する。その他の電極の電位は、図13の場合と同様である。これにより、各円筒電極229から内側電極222に向かって電場が発生する。よって、図13の場合と同様に、マグネトロン放電によるプラズマを発生させることができる。
以上のように、実施の形態2によれば、電子ビーム200を照射する装置本来の電子ビーム光学系を構成する電磁レンズ(例えば、投影レンズ204、及び対物レンズ207)が発生させる磁場に影響を与えることなく、マグネトロン放電によるプラズマを発生させることができる。そのため、プラズマによる光を放射でき、基板101の帯電の低減ができる。その結果、高精度な検査を行うことができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、上述した各実施の形態よりも基板101の所望する位置への照射効率を高めることが可能な構成について説明する。
図16は、実施の形態3における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。図16において、ポールピース216内の透過窓225の下側に、凹面状の反射面を有するミラー232を配置した点以外は、図6と同様である。ミラー232は、透過窓225を透過した、プラズマにより放射された光を基板101の所望の位置に集光する。これにより、効率よく光をマルチビーム20の照射位置に照射できる。その他の内容は、実施の形態1と同様である。
なお、図16の例では、ペニング放電の構成を示しているが、これに限るものではない。実施の形態2に示すマグネトロン放電の構成に対しても適用できることは言うまでもない。
実施の形態4.
上述した各実施の形態では、対物レンズ207により縦磁場を発生させ、かかる縦磁場を利用してプラズマを生成する場合について説明した。しかし、磁場の発生方向はこれに限るものではない。実施の形態4における検査装置100の構成は、以下に説明する対物レンズの構成と、プラズマ空間を取り囲む複数の電極の構成以外、図1と同様である。また、実施の形態4における帯電低減方法の要部工程を示すフローチャート図は、図11と同様である。また、以下、特に説明する点以外の内容は実施の形態1~3のいずれかと同様で構わない。
図17は、実施の形態4における対物レンズ内のプラズマ発生機構の構成の一例を示す断面図である。照明レンズ202、投影レンズ204、及び対物レンズ207といった各電磁レンズは、電子ビーム200の光軸を取り囲むように配置されるコイルとコイルを取り囲むポールピース(ヨーク)で構成される点、及び、ポールピース(ヨーク)には、コイルで作られた高密度な磁力線をマルチビーム20(若しくは電子ビーム200)の光軸側に漏洩させる開放部(隙間、或いはギャップともいう。)が形成されている点は、上述した通りである。ここでは、一例として、対物レンズ207について説明する。図17において、対物レンズ207は、ポールピース(ヨーク)316とコイル317を有している。ポールピース316は、横長(光軸と直交する径方向側に長い)に形成され、横長のコイル317を内側に配置する。ポールピース316は、上面の中央部がマルチビーム20の通過領域を確保するため開口されており、また、下面が開放された形状になっている(開放部が形成される)。コイル317は、ポールピース316によって上面、及び外内周側面の3方向が囲まれた空間内の上側に寄った位置に配置される。かかる状態でコイル317に電流を流すことによって、コイル317は、コイル317よりも下側の空間においてマルチビーム20の進む方向と直交する方向(図17では径方向外側に向かって)に磁力線を発生させる。図17の例では、マルチビーム20の光軸11の左手側の断面を一例として示している。かかる断面において、コイル317によって発生させられた磁力線がポールピース316自体の内部を右回りに回っている。そして、ポールピース316の内周側下端から下側の開放空間を介して外周側下端に磁力線が進むことでループを形成する。図示を省略しているが、電子ビーム200の光軸11の右手側の断面では、コイル317によって発生させられた磁力線がポールピース316自体の内部を左回りに回っている。そして、ポールピース316の内周側下端から下側の開放空間を介して外周側下端に磁力線が進むことでループを形成する。以上のように、コイル317よりも下側(基板側)の空間において電子ビーム200の進む方向と直交する方向(図17では径方向外側の向き)に磁場が発生させられている。そこで、実施の形態4では、かかるコイル317よりも下側(基板側)の空間に発生する横磁場を利用して、プラズマを発生させることにより、光(VUV光若しくは軟X線)を発生させる。
図17において、対物レンズ207のポールピース316内における、コイル317よりも下側(基板側)の磁場空間に上部電極320、下部電極322、外側電極324、及び内側電極326,327といった複数の電極が配置される。図17に示すように、上部電極320、下部電極322、外側電極324、及び内側電極326,327といった複数の電極は、マルチビーム20の通過領域12の外側の空間14を取り囲むように配置される。内側電極326,327は、光が通過できるように格子状に形成される。また、内側電極327のさらに光軸側には、透過窓325が配置される。
実施の形態4におけるプラズマ制御回路125(電位制御部)は、上部電極320、下部電極322、外側電極324、及び内側電極326,327といった複数の電極によって取り囲まれた空間14にプラズマを発生させると共に、プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子及び負イオンの移動を制御するように、複数の電極の電位を制御する。具体的には、以下のように動作する。かかる上部電極320、下部電極322、外側電極324、及び内側電極326,327といった複数の電極と、対物レンズ207の磁場空間とを用いて、上部電極320、下部電極322、外側電極324、及び内側電極326,327といった複数の電極によって取り囲まれた、真空状態にある空間14にプラズマを発生させる。
かかるプラズマを、例えば、ペニング放電により発生させる場合、以下のように電位を印加する。空間14に、対物レンズ207により強い横磁場を発生させた状態で、外側電極324を通過するように配置されたガス供給ライン131から所定のガスを流しながら、プラズマ制御回路125から上部電極320に電位Vup’を印加し、下部電極322に電位Vdown’を印加する。かかる場合に、上部電極320の電位Vup’と下部電極322の電位Vdown’として、正の同電位を印加する。外側電極324の電位Vout’、内側電極326の電位Vin’の電位に対して、上部電極320の電位Vup’と下部電極322の電位Vdown’とが所定の電位よりも高くなると空間14にペニング放電によるプラズマを発生させることができる。空間14内の電子(e)は強い横磁場によって上下方向の動きが制限される。外側電極324に電位Vup’及び電位Vdown’よりも低い電位Vout’を印加し、内側電極326に電位Vup’及び電位Vdown’よりも低い電位V1in’を印加し、内側電極327に電位Vup’及び電位Vdown’よりも低く、かつ電位V1in’よりも高い正の電位V2in’を印加することで空間14の電子は径方向の動きも制限される。対物レンズ207により、例えば、4~6kGの磁場が発生する。かかる磁場空間において、電位Vup’として、例えば、2.1kVを印加する。Vdown’として、例えば、電位Vup’と同電位2.1kVを印加する。電位Vout’として、Vdown’よりも低い電位例えば、0Vを印加する。電位V1in’として、電位down’よりも低い電位、例えば、0Vを印加する。電位V2in’として、電位V1in’よりも低い高い正の電位、例えば、100Vを印加する。かかる効果により閉じ込められた電子がガス供給ライン131から供給されたガス分子を電離し、イオン(例えば正イオンXe)を発生させる。放電開始を効率良く行う為に、外側電極324近くにタングステンフィラメント等の加熱により熱電子を放出する材料を設置しておき、外部電源により電流を流して加熱することで電子を放出させて放電を開始させることも出来る。通常放電開始後はフィラメント電流を停止しても放電は継続する。
かかるプラズマを、例えば、マグネトロン放電により発生させる場合、下部電極322の電位Vdown’を上部電極320の電位Vup’よりも十分高い電位を印加する。Vdown’として、例えば、2.2kV、Vup’、V2in’,V1in’,Vout’として、それぞれ例えば200V、200V,0V,0Vを印加する。上部電極320の電位Vup’と下部電極322の電位Vdown’との差が所定の電位差よりも高くなると空間14にマグネトロン放電によるプラズマを発生させることができる。かかる効果により閉じ込められた電子がガス供給ライン131から供給されたガス分子を電離し、イオン(例えば正イオンXe)を発生させる。放電開始を効率良く行う為に、外側電極324近くにタングステンフィラメント等の加熱により熱電子を放出する材料を設置しておき、外部電源により電流を流して加熱することで電子を放出させて放電を開始させることも出来る。通常放電開始後はフィラメント電流を停止しても放電は継続する。
そして、放射工程(S106)として、プラズマの空間14内で、かかるペニング放電(若しくはマグネトロン放電)によるプラズマにより生じた光(VUV光若しくは軟X線)を内側電極326,327を通過させ、透過窓325を透過させて、基板101に照射する。
以上のように、実施の形態4によれば、マルチビーム20を照射する装置本来の電子ビーム光学系を構成する電磁レンズ(例えば、投影レンズ204、及び対物レンズ207)が発生させる磁場が、径方向の横磁場であった場合でも、かかる磁場に影響を与えることなく、ペニング放電或いはマグネトロン放電によるプラズマを発生させることができる。そのため、プラズマにより波長の短いVUV光若しくは軟X線を発生させることができ、基板101の帯電の低減ができる。その結果、高精度な検査を行うことができる。
以上の説明において、一連の「~回路」は、処理回路を含み、その処理回路には、電気回路、コンピュータ、プロセッサ、回路基板、量子回路、或いは、半導体装置等が含まれる。また、各「~回路」は、共通する処理回路(同じ処理回路)を用いてもよい。或いは、異なる処理回路(別々の処理回路)を用いても良い。プロセッサ等を実行させるプログラムは、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、FD、或いはROM(リードオンリメモリ)等の記録媒体に記録されればよい。例えば、位置回路107、比較回路108、参照画像作成回路112、マーク位置測定回路130、遅延時間テーブル作成回路132、トラッキング位置演算回路134(434)、及び補正回路136(436)等は、上述した少なくとも1つの処理回路で構成されても良い。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。上述した例では、対物偏向器として、1段の偏向器208を配置する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、偏向領域の異なる多段の偏向器を配置する場合であっても構わない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのパターン検査装置及びパターン検査方法は、本発明の範囲に包含される。
11 光軸
12 通過領域
14 空間
22 マルチビーム
22 穴
28,36 画素
29 サブ照射領域
33 マスクダイ
34 照射領域
100 検査装置
101 基板
102 電子ビームカラム
103 検査室
105 XYステージ
106 検出回路
109 記憶装置
110 制御計算機
120 バス
107 位置回路
108 比較回路
112 参照画像作成回路
114 ステージ制御回路
117 モニタ
118 メモリ
119 プリンタ
122 レーザ測長システム
123 チップパターンメモリ
124 レンズ制御回路
125 プラズマ制御回路
126 ブランキング制御回路
127 ガス制御回路
128 偏向制御回路
130 ガス供給装置
142 ステージ駆動機構
144 DACアンプ
150 画像取得機構
160 制御系回路
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203 成形アパーチャアレイ基板
205 縮小レンズ
206 制限アパーチャ基板
207 対物レンズ
208 偏向器
209 プラズマ発生機構
212 一括ブランキング偏向器
214 ビームセパレーター
215 ミラー
216 ポールピース
217 コイル
220 外側電極
221 環状電極
222 内側電極
223 封止壁
224 上部電極
225 透過窓
226,227 下部電極
228 リターディング電極
229 円筒電極
231 高周波発生機構
232 ミラー
282 マルチ検出器
284,286 投影レンズ
288 偏向器
316 ポールピース
317 コイル
320 上部電極
322 下部電極
324 外側電極
325 透過窓
326,327 内側電極
330 検査領域
331 ガス供給口
332 チップ

Claims (5)

  1. 荷電粒子ビームを放出する放出源と、
    前記荷電粒子ビームを屈折させる電磁レンズと、
    前記電磁レンズの磁場空間に配置されると共に、前記荷電粒子ビームの通過領域の外側の空間を取り囲むように配置された複数の電極と、
    前記複数の電極によって取り囲まれることによって、前記荷電粒子ビームの通過領域から分かれた前記空間に、ガスを供給する供給部と、
    前記複数の電極によって取り囲まれることによって、前記荷電粒子ビームの通過領域から分かれた前記空間にプラズマを発生させると共に、前記プラズマにより生じた正イオン、若しくは電子の移動を制御するように、前記複数の電極の電位を制御する電位制御部と、
    前記電磁レンズを通過した荷電粒子ビームが照射される基板を配置するステージと、
    を備え、
    前記プラズマにより放射される光を前記基板に照射することを特徴とする荷電粒子ビーム照射装置。
  2. 前記プラズマは、マグネトロン放電により発生させることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  3. 前記プラズマは、ペニング放電により発生させることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  4. 前記空間内の前記プラズマを加熱する高周波を発生させる高周波発生機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか記載の荷電粒子ビーム照射装置。
  5. 前記プラズマにより放射される光を前記基板に集光するミラーをさらに備えたことを特徴とする請求項1~4のいずれか記載の荷電粒子ビーム照射装置。
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