JP5586081B2 - インクジェットプリンタ及び印刷方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェットプリンタ及び印刷方法に関する。
従来、インクジェットプリンタの構成として、紙等の媒体に対して直接インク滴を吐出する構成が広く用いられている。しかし、このような構成では、インクジェットヘッドから吐出された直後における粘度が低い状態のインクが、媒体の表面の状態の影響を強く受けることとなる。そのため、例えば様々な媒体に対して印刷をしようとしても、インク又は媒体の性質により、高画質で印刷をすることが難しい場合がある。例えば、インクを吸収しやすい普通紙や、インクを実質的に吸収しないプラスチックの媒体等を用いる場合、媒体に対して直接インク滴を吐出する構成では、高画質で印刷することが難しい場合がある。
これに対し、従来、転写ドラム等の転写媒体へ印刷を行った後、紙等の転写媒体へ熱転写を行う構成が知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。このような転写方式においては、例えば、紫外線硬化型インク(UVインク)を用いて転写媒体に印刷を行った後に、紙等の媒体への転写を行う。
特開平10−250052号公報 特開2005−161603号公報 特開2008−44235号公報 特開2007−112117号公報
ここで、例えば、特許文献1、2に開示されている構成において、転写の実行は、転写媒体上のインクを硬化させた後に行う。しかし、紫外線硬化型インクは、通常、完全に硬化すると熱可塑性を持たない状態となる。そのため、これらの場合、転写後のインクは、紙等の媒体に対し、弱い接着力で表面にのるだけの状態となる。また、その結果、接着力の不足により、擦過性等の問題が生じるおそれがある。更には、転写自体も安定して行えないという問題が生じるおそれもある。また、完全に硬化したインクは、転写時に圧力を加えても、転写後のインクの表面が平坦になりにくい。そのため、例えば、インクのドットのサイズが小さくなり、ドットゲインの特性が悪くなることや、印刷面の光沢化がし難くなること等のおそれもある。
また、例えば、特許文献3に開示されている構成においては、紫外線による硬化後も熱可塑性を持つ単官能重合化合物成分をインクの主成分に用いることにより、硬化後の熱可塑性を維持した上で、転写媒体上のインクを硬化させた後に、転写を行う。また、転写時において、硬化後のインクにおける重合化合物の軟化点以上に加熱を行うことにより、紙への熱圧転写を行う。
しかし、この方法では、熱可塑性を示す軟化点までの加熱が必ず必要となるため、転写に必要な装置のコストが増大するおそれがある。また、インクの熱可塑性が紙に転写後も残るために、印刷結果の擦過性が不十分になるおそれがある。また、転写時の加熱温度を、媒体の耐熱温度以下とする必要があるため、例えば、紙等と比べて耐熱性の低いプラスチック等の媒体を用いる場合、硬化後のインクは、プラスチック等の耐熱性以下の比較的低い温度で媒体に熱圧着されるだけとなる。そのため、このような場合には、媒体へのインクの接着力が弱くなるおそれがある。
これらの問題点に対し、例えば、特許文献4に開示されている構成においては、半硬化光源及び本硬化光源の2種類の光源を用いることにより、転写前のインクを半硬化状態とし、転写後にインクを本硬化させている。また、半硬化光源の使用時において、完全に硬化することを防ぎ、半硬化状態を維持するために、分光吸収特性が異なる2種類の紫外線硬化開始剤を含む紫外線硬化型インクを使用している。
しかし、2種類の紫外線硬化開始剤として、例えば特許文献4に例示されている硬化開始剤を用いた場合、吸収率のピーク波長が近いため、例えば半硬化光源からの紫外線の照射により、本硬化用の紫外線硬化開始剤の反応も進み、本硬化の状態に近づくおそれもある。そのため、適切に半硬化状態を維持することが困難になるおそれもある。また、吸収率のピーク波長がより離れた紫外線硬化開始剤を使用することを考えたとしても、インクジェットプリンタ用のインクの成分として適切な物質を選ぶことが困難になるおそれもある。
更には、このような特殊なインクを用いる場合、消耗品であるインクのコストが上昇することとなる。また、コスト面や、印刷品質に対する要求により、このような特殊なインクを用いるのではなく、より一般的なインクを用いることが望まれる場合もある。
そのため、従来、転写方式で印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、より適切な方法で転写を行う構成が望まれていた。そこで、本発明は、上記の課題を解決できるインクジェットプリンタ及び印刷方法を提供することを目的とする。
本願の発明者は、転写方式で印刷を行う構成において、転写前の紫外線硬化型インクを完全に硬化させず、半硬化の状態とする場合において、より適切な半硬化の状態を実現する方法について、鋭意研究を行った。そして、先ず、紫外線硬化型インクに対し、強度の弱い紫外線を照射することにより半硬化の状態とすることを考えた。
しかし、本願の発明者は、この方法では、インクのドットの内部にまで十分に紫外線を透過させることが困難となる場合があることを見出した。また、その結果、例えば、転写媒体上に形成されたインクのドットの表面と内部との間に硬化の度合いの不均一が生じ、ドットの全体を適切に半硬化させることが困難であることを見出した。
このような硬化の不均一が生じた場合、例えば、ドットの表面が半硬化の状態であると、ドットの内部の奥側では、インクの粘度が低いままとなる。この場合、転写時にドットの形状が崩れやすくなるため、転写に適した半硬化の状態とはならない。また、例えば、ドットの内部の奥まで半硬化の状態にしようとすると、ドットの表面付近が完全に硬化してしまう。この場合、記録媒体とインクとの接着力に関しては、インクを完全に硬化させてから転写するのと同様の状態となるため、転写後において、記録媒体へのインクの接着力を十分に強められないこととなる。また、このような、ドットの表面と内部との間に硬化の度合いの不均一が生じる問題は、例えば、特許文献4の構成のように、分光吸収特性が異なる2種類の紫外線硬化開始剤を含む紫外線硬化型インクを使用する場合でも、同様に生じると考えられる。
これに対し、本願の発明者は、更に鋭意研究を行い、紫外線硬化型インクに対し、強度のピークに対応する波長が紫外線領域から外れた可視光を照射することにより、ドットの表面と内部との間で、硬化の度合いをより均一化し得ることを見出した。また、これにより、転写により適した状態の半硬化状態を実現し得ることを見出した。上記の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
(構成1)紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行うインクジェットプリンタであって、転写媒体へ紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、転写媒体上に被転写画像を形成するインクジェットヘッドと、転写媒体から記録媒体への転写がされる前の状態において、転写媒体上の被転写画像へ光を照射する転写前用光照射部と、転写媒体から記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射部とを備え、転写前用光照射部は、被転写画像へ照射する光として、発光スペクトルにおける強度ピークが420nmよりも長波長側にある可視光を発生し、紫外線硬化型インクは、紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、転写後用紫外線照射部は、転写後画像へ照射する紫外線として、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。転写前用光照射部が発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、転写後用紫外線照射部が発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあることが好ましい。また、転写前用光照射部は、この可視光として、例えば、紫外線硬化型インクに対して光吸収係数が小さく、インクの内部まで均一に到達できる条件を備えた波長範囲の可視光を発生することが好ましい。
転写前用光照射部は、例えば、強度ピークが青色又は緑色の波長の可視光を発生する。転写前用光照射部は、白色の可視光を発生してもよい。紫外線硬化型インクとしては、例えば公知の紫外線硬化型インクのうち、転写前用光照射部が発生する光により半硬化状態となるインクを選択して用いることができる。
このように構成すれば、例えば、転写媒体上のインクのドットに対し、転写前用光照射部が発生する光を、内部の奥側まで適切に到達させることができる。そのため、例えば、内部の奥側の粘度が低いままで表面のみの硬化が進むことを適切に防ぐことができる。また、これにより、転写媒体上にある転写前のインクを、転写に適した半硬化の状態に適切に硬化させることができる。更には、転写前のインクを適切に半硬化の状態とすることにより、転写方式で印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、より適切な方法で転写を行うことが可能となる。
(構成2)紫外線硬化型インクは、紫外線に応じて紫外線硬化型インクの粘度を高める増粘剤と、紫外線に応じて紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤とを含み、転写前用光照射部が発生する光の発光スペクトルにおける強度ピークの波長は、増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び開始剤の吸収波長のピークの波長のいずれよりも、200nm以上長波長側の波長である。
このように構成すれば、例えば、転写前用光照射部が発生する光を、転写媒体上のインクのドットにおける内部の奥側まで、より適切に到達させることができる。また、これにより、インクのドットの全体を、より適切に半硬化させることができる。尚、転写後用紫外線照射部が発生する紫外線の発光スペクトルは、例えば、増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び開始剤の吸収波長のピークの波長の少なくともいずれかに合わせて設定される。
(構成3)転写前用光照射部は、強度ピークの波長の光を発生する光源として、可視光を発生するLEDを有する。LEDを用いることにより、目的とする波長の光を効率よく発生できる。また、LEDを用いる場合、光の出力の制御を行いやすくなる。そのため、このように構成すれば、例えば、インクをより適切に半硬化させることが可能となる。
(構成4)転写前用光照射部により光を照射された後、転写後用紫外線照射部により紫外線を照射される前の状態において、紫外線硬化型インクは、少なくとも20℃〜40℃の温度範囲で、温度が上昇すると粘度が低下する特性を有しており、インクジェットプリンタは、被転写画像が転写された後、転写後用紫外線照射部により紫外線を照射される前において記録媒体を加熱する媒体加熱部を更に備え、媒体加熱部は、被転写画像の転写が行われた時点の温度よりも高い温度に記録媒体を加熱する。
半硬化状態の紫外線硬化型インクについて、転写後用紫外線照射部により紫外線を照射される前の状態とは、例えば、半硬化の状態である。この状態において、温度が上昇すると粘度が低下する温度範囲は、例えば、室温から、媒体加熱部による加熱後の温度までを含む範囲であることが好ましい。このように構成すれば、例えば、転写後用紫外線照射部による紫外線の照射の前にインクの粘度を一旦下げることにより、記録媒体に対してインクをより強い接着力で定着させることができる。
(構成5)紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行うインクジェットプリンタであって、転写媒体へ紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、転写媒体上に被転写画像を形成するインクジェットヘッドと、転写媒体から記録媒体への転写がされる前の状態において、転写媒体上の被転写画像へ光を照射する転写前用光照射部と、転写媒体から記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射部とを備え、転写前用光照射部は、被転写画像へ照射する光として、可視光を発生し、かつ、転写前用光照射部が発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、転写後用紫外線照射部が発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあり、紫外線硬化型インクは、紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、転写後用紫外線照射部は、転写後画像へ照射する紫外線として、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。
このように構成した場合も、例えば、転写媒体上のインクのドットに対し、転写前用光照射部が発生する光を、内部の奥側まで適切に到達させることができる。そのため、このように構成すれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。尚、構成5における各構成は、例えば、上記において構成1〜4として示した各構成と同様の特徴を更に有することが好ましい。
(構成6)紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行う印刷方法であって、インクジェットヘッドにより転写媒体へ紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、転写媒体上に被転写画像を形成する被転写画像形成段階と、転写媒体から記録媒体への転写がされる前の状態において、転写媒体上の被転写画像へ光を照射する転写前用光照射段階と、転写媒体から記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射段階とを備え、転写前用光照射段階は、被転写画像へ照射する光として、発光スペクトルにおける強度ピークが420nmよりも長波長側にある可視光を発生し、紫外線硬化型インクは、紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、転写後用紫外線照射段階は、転写後画像へ照射する紫外線として、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。このようにすれば、例えば、構成1と同様の効果を得ることができる。
(構成7)紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行う印刷方法であって、インクジェットヘッドにより転写媒体へ紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、転写媒体上に被転写画像を形成する被転写画像形成段階と、転写媒体から記録媒体への転写がされる前の状態において、転写媒体上の被転写画像へ光を照射する転写前用光照射段階と、転写媒体から記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射段階とを備え、転写前用光照射段階は、被転写画像へ照射する光として、可視光を発生し、かつ、転写前用光照射段階において発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、転写後用紫外線照射段階において発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあり、紫外線硬化型インクは、紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、転写後用紫外線照射段階は、転写後画像へ照射する紫外線として、紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生する。このようにすれば、例えば、構成5と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、例えば、転写方式で印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、より適切な方法で転写を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の構成の一例を示す図である。 印刷の各工程の様子の一例を示す図である。図2(a)は、受像ドラム14上に被転写画像102を形成するタイミングの様子の一例を示す。図2(b)は、受像ドラム14上のインクを半硬化させるタイミングの様子の一例を示す。図2(c)は、転写のタイミングの様子の一例を示す。 印刷の各工程の様子の一例を示す図である。図3(a)は、転写後にインクを硬化させるタイミングの様子の一例を示す。図3(b)は、クリーニング手段26によりインクの除去を行うタイミングの様子の一例を示す。 紫外線硬化型インクの半硬化について説明する図である。図4(a)は、受像ドラム14上に形成された紫外線硬化型インクのドット202の様子の一例を示す。図4(b)は、インクのドット202について、表面からの距離Lによる吸光分布の変化の一例を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタ10の構成の一例を示す。インクジェットプリンタ10は、転写方式で印刷を行うインクジェットプリンタであり、紫外線硬化型インクにより受像ドラム14上に形成された被転写画像を媒体50へ転写することにより印刷を行う。また、本例において、インクジェットプリンタ10は、インクジェットヘッド12、受像ドラム14、転写ローラ16、半硬化用光源18、本硬化用光源20、媒体加熱部22、及びクリーニング手段26を備える。また、インクジェットプリンタ10は、図中で点線で示した残存インク硬化用光源28を更に備えてもよい。
尚、図示は省略したが、インクジェットプリンタ10は、印刷に必要な各種の構成を更に備えてよい。例えば、インクジェットプリンタ10は、インクジェットヘッド12のメンテナンス機構、メンテナンス時の待機構造、及び走査機構等を更に備えてよい。これらの構成としては、公知の各種構成を用いることができる。
インクジェットヘッド12は、紫外線硬化型のインクのインク滴を吐出する印刷ヘッドであり、受像ドラム14へインク滴を吐出することにより、受像ドラム14上に被転写画像を形成する。本例において、紫外線硬化型インクは、紫外線に応じて紫外線硬化型インクの粘度を高める増粘剤と、紫外線に応じて紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤とを含む。
尚、硬化前の紫外線硬化型インクは、室温において、例えば、3〜30mPa・secの粘度を有する。インクの粘度は、使用するインクジェットヘッドに応じて、適宜調整されることが好ましい。インクジェットヘッド12からの吐出時条件において、本例の紫外線硬化型インクは、例えば、印刷の解像度に応じて、8〜15mPa・sec程度、又は3〜5mPa・sec程度の低い粘度に保たれる。
また、インクジェットヘッド12は、例えば、受像ドラム14上を走査することにより、受像ドラム14の各位置にインク滴を吐出する。この走査は、例えば公知の方法で行うことができる。例えば、インクジェットヘッド12は、受像ドラム14の回転軸の方向へ移動することにより、シリアル方式で印刷を行う従来のインクジェットプリンタと同様に、受像ドラム14上をマルチスキャン方式で走査する。また、例えば、印刷の高速化のために、受像ドラム14の幅分の長さのノズル列を有するライン方式のインクジェットヘッド12を用いることも考えられる。
受像ドラム14は、インクジェットヘッド12により被転写画像が形成される転写媒体の一例である。受像ドラム14において、被転写画像が形成される面(表面)は、例えば、材料の選択又は表面撥液処理等が行われることにより、軽い撥液性を示す。本例において、受像ドラム14の表面は、例えば、所定の撥液性を示すベースフィルムにより形成される。また、受像ドラム14の表面は、例えば、硬化が始まる前の液体状態のインクに対し、接触角で40度以上、好ましくは45度以上の撥液性を示す。
尚、受像ドラム14としては、例えば、ステンレス又は黄銅等のドラムを好適に用いることができる。また、受像ドラム14は、クロムやニッケル等でメッキした金属ドラムであってもよい。また、シリコンゴムのドラム等や、フッ素ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム,ネオプレン、EPDM等のゴムや各種エラストマー樹脂を表面に形成したゴムドラム等を用いることもできる。また、ポリエチレン、フッ素樹脂等、又は表面に撥液や保護層処理した樹脂ドラム等を用いることもできる。また、受像ドラム14に代えて、例えばベルト状の転写媒体を用いてもよい。
転写ローラ16は、被転写画像の転写先である記録媒体50に転写の圧力を加えるローラであり、受像ドラム14との間に記録媒体50挟んで回転することにより、受像ドラム14上の被転写画像を、記録媒体50に転写する。本例において、受像ドラム14及び転写ローラ16は、室温の状態において、被転写画像の転写を行う。尚、例えば転写条件を安定化させるためには、転写ローラ16を一定の温度に加温した状態において、転写を行ってもよい。
半硬化用光源18は、転写前用光照射部の一例であり、受像ドラム14から記録媒体50への転写がされる前の状態において、受像ドラム14上の被転写画像へ光を照射する。また、本例において、半硬化用光源18は、被転写画像へ照射する光として、発光スペクトルにおける強度ピークが420nmよりも長波長側にある可視光を発生し、受像ドラム14上にあるインクを、半硬化の状態に硬化させる。これにより、半硬化用光源18は、転写を行う前の段階において、完全に硬化させる前にインクを半硬化させる処理を行う。
ここで、本例において、インクを半硬化させる処理とは、後に本硬化用光源20よる硬化を行う前に、インクを、完全には硬化させずに、粘度を高めた状態にすることである。また、半硬化の状態とは、硬化が必ずしも半分まで進んだ状態という意味ではなく、例えば、半分に限らず、インクに含まれる成分の重合反応が一部進んだ状態である。半硬化の状態は、完全には硬化していない状態において、光の照射前よりもインクの粘度が高まった状態であってよい。また、例えば、半硬化の状態とは、後に本硬化用光源20よる硬化を行った状態と比べて10%程度(例えば5〜15%)の硬度の状態まで硬化した状態であってよい。半硬化の状態において、紫外線硬化型インクの粘度は、例えば30〜300mPa・secに増粘した状態となる。また、半硬化の状態において、紫外線硬化型インクは、例えば、液状又は柔らかいペースト状であり、粘着性を有する。更に、本例において、半硬化の状態の紫外線硬化型インクは、少なくとも20℃〜40℃の温度範囲で、温度が上昇すると粘度が低下する特性を有する。この温度範囲は、例えば、室温から、後に説明する媒体加熱部22による加熱後の温度までを含む範囲である。
また、本例において、半硬化用光源18が発生する光の発光スペクトルにおける強度ピークの波長は、例えば、使用する紫外線硬化型インクにおける増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び開始剤の吸収波長のピークの波長のいずれよりも、200nm以上長波長側の波長である。より具体的には、例えば、半硬化用光源18は、紫外線硬化型インクの特性に合わせ、強度ピークが青色又は緑色の波長の可視光を発生する。半硬化用光源18は、白色の可視光を発生してもよい。また、半硬化用光源18が発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、後に詳しく説明する本硬化用光源20が発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあることが好ましい。
また、半硬化用光源18は、強度ピークの波長の光を発生する光源として、可視光を発生するLEDを有する。LEDを用いることにより、目的とする波長の光を効率よく発生できる。また、LEDを用いる場合、光の出力の制御を行いやすくなる。本例によれば、例えば、受像ドラム14上のインクを、転写に適した半硬化の状態に適切に硬化させることができる。
尚、半硬化用光源18は、例えばインクジェットヘッド12と隣接して設けられてもよい。このように構成すれば、例えば、受像ドラム14に着弾直後のインク滴に対し、適切に光を照射できる。半硬化用光源18は、例えば、更に、インクジェットヘッド12から受像ドラム14に向かって飛翔中のインク滴に対しても、可視光を照射してもよい。
紫外線硬化型インクの特性と、半硬化用光源18が発生する光との関係については、後に更に詳しく説明する。また、半硬化用光源18は、可視光に加え、強度ピークよりも弱い強度の紫外線を更に発生してもよい。この場合、半硬化用光源18は、例えば、可視光用のLEDに加え、紫外線を発生するUVLEDを更に有してよい。このUVLEDは、例えば、可視光用のLEDが発生する可視光よりも小さい強度で紫外線を発生することにより、インクを完全に硬化させない強度で紫外線を発生する。このように構成すれば、例えば、インクのドットの表面を、より短時間で半硬化させることができる。また、これにより、半硬化の状態になる前に受像ドラム14上でインクのドットが広がることを適切に防ぐことができる。このUVLEDは、例えば350〜420nmの、比較的長波長の紫外線を発生することが好ましい。
本硬化用光源20は、転写後用紫外線照射部の一例であり、受像ドラム14から記録媒体50への転写がされた後の状態において、転写により記録媒体50上に形成された画像である転写後画像へ、紫外線を発生する。また、本硬化用光源20が発生する紫外線の発光スペクトルは、例えば、使用される紫外線硬化型インクに含まれる増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び開始剤の吸収波長のピークの波長の少なくともいずれかに合わせて設定される。これにより、本硬化用光源20は、記録媒体50上の紫外線硬化型インクを完全に硬化させる本硬化の処理を行う。紫外線硬化型インクを完全に硬化させるとは、例えば、印刷後の状態として十分な硬さにまでインクを硬化させることである。
本例において、本硬化用光源20は、例えば、紫外線を発生する光源として、UVLEDを有する。本硬化用光源20は、紫外線を発生する光源として、UVLEDに代え、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、又は高圧水銀灯等を有してもよい。
媒体加熱部22は、被転写画像が転写された後、本硬化用光源20により紫外線を照射される前において記録媒体50を加熱する加熱手段である。本例において、媒体加熱部22は、転写ローラ16と本硬化用光源20との間に設けられ、記録媒体50の表面及び裏面の両面から、記録媒体50を加熱する。媒体加熱部22としては、伝熱ヒータ、インダクションヒータ、赤外線ヒータ、又は加熱ローラ等を好適に用いることができる。
また、媒体加熱部22は、記録媒体50を、被転写画像の転写が行われた時点の温度よりも高い温度に加熱する。本例によれば、例えば、紫外線硬化型インクを完全に効果させる前にインクの粘度を一旦下げることにより、記録媒体50に対してインクをより強い接着力で定着させることができる。
また、特に、記録媒体50が、例えば、紙等の液体を吸収する性質の媒体である場合、媒体加熱部22による加熱を行うことにより、記録媒体50を構成する紙の繊維中等に、インクを一層浸透させることができる。これにより、記録媒体50へのインクの付着をより強固にし、安定した印刷画像を得ることができる。尚、インクや記録媒体50の特性により、例えば転写後の加熱が不要な場合には、媒体加熱部22を省略することも考えられる。
クリーニング手段26は、転写を行った後に受像ドラム14に残ったインクを除去するための構成である。クリーニング手段26としては、例えば、ブレード、布、又は不織布ワイパ等を好適に用いることができる。
尚、クリーニングの効率を上げるためには、受像ドラム14上のインクを半硬化の状態のままにせず、固体化することが有効である。そのため、インクジェットプリンタ10は、必要に応じて、残存インク硬化用光源28を備える。残存インク硬化用光源28は、クリーニング手段26によるインクの除去を行う前に、受像ドラム14上のインクに紫外線を照射し、インクを硬化させる。残存インク硬化用光源28の要否は、例えば、クリーニング手段26の性能との関係で決定される。
続いて、本例のインクジェットプリンタ10による印刷の動作について、更に詳しく説明する。図2及び図3は、印刷の各工程の様子の一例を示す図である。図2(a)は、受像ドラム14上に被転写画像102を形成するタイミングの様子の一例を示す。このタイミングにおいて、インクジェットヘッド12は、受像ドラム14上にインク滴を吐出することにより、被転写画像102を形成する。
図2(b)は、受像ドラム14上のインクを半硬化させるタイミングの様子の一例を示す。このタイミングにおいて、半硬化用光源18は、受像ドラム14上の被転写画像102に光を照射することにより、転写前のインクを半硬化させる。これにより、受像ドラム14上のインクを速やかに半硬化の状態とし、撥液性を示す受像ドラム14の表面において、インクが広がることを適切に防ぐことができる。また、これにより、受像ドラム14上においてインクの滲みが発生することを適切に防ぐことができる。更には、インクを半硬化の状態とすることにより、インクの粘度を高め、インクの状態を、転写に適し、かつ、転写後に滲みが発生しにくい状態にできる。
図2(c)は、転写のタイミングの様子の一例を示す。このタイミングにおいて、受像ドラム14及び転写ローラ16は、記録媒体50を挟んで回転することにより、受像ドラム14上の被転写画像102を、転写ローラ16の位置において、記録媒体50に転写する。
ここで、本例において、受像ドラム14上の紫外線硬化型インクは、半硬化の状態であるため、粘液状で粘着性を有し、かつ、完全に硬化はしてはいない液状の状態にある。そして、このような状態のインクは、記録媒体50を構成する紙の繊維等と馴染みやすい。そのため、本例においては、記録媒体50への転写を、圧力のみで効率よく行うことができる。また、転写を効率よく行うことが可能であるため、例えばインクが完全に硬化した状態で転写を行う場合等と異なり、例えば、加熱を行わなくても、適切に転写を行うことが可能となる。
また、本例においては、インクが半硬化の柔らかい状態で転写を行うため、転写時の圧力でインクの表面が平坦化されることとなる。これにより、例えば、転写後の画像に光沢を持たせることが可能となる。また、紫外線硬化型インクを用いる場合に生じる問題として知られている表面のマット化の問題も適切に解決できる。更には、インクの表面が平坦化されることにより、例えば、インクのドットのサイズが不足するゲイン不足の問題が生じにくくなる。
また、本例による印刷は、紫外線硬化型インクを半硬化させた状態で転写を行うことにより、記録媒体50への強い接着力と、滲みにくさという特長を有する。また、この特長を生かすことにより、例えば、紫外線硬化型インクを用いた印刷を、様々な記録媒体50に対して行うことが可能になる。
例えば、本例の転写時において、半硬化の状態の紫外線硬化型インクは、例えば30〜300mPa・secに増粘している。そのため、例えば、記録媒体50に対して直接インク滴を吐出する構成のインクジェット方式ではインクの滲みが生じやすいために高精細の印刷が困難であった記録媒体50に対しても、高精細な画像を適切に印刷できる。
また、例えば、普通紙や和紙等のように、インクを内部に吸収しやすいために高濃度の印刷が困難であった記録媒体50を用いる場合にも、本例においては、インクが増粘しているため、インクの内部への浸透が生じにくく、記録媒体50の表面近くに十分なインクが残ることとなる。そのため、本例によれば、これらの記録媒体50を用いる場合にも、高濃度の画像を適切に印刷できる。
また、本例においては、記録媒体50へのインクの接着力が強くなるため、例えば完全にインクを硬化させた状態で転写を行う場合には十分な接着力が得られない素材の記録媒体50に対しても、適切に転写を行うことができる。例えば、本例によれば、プラスチックフィルム、プラスチック板、木板、段ボール等の記録媒体50を用いる場合にも、適切に転写を行うことができる。また、本例においては、圧接力で転写を行うため、例えば静電的に転写を行う電子写真等の場合と異なり、電界の低下による転写不良も生じない。そのため、厚手の記録媒体50を用いる場合にも、容易かつ適切に転写を行うことができる。
尚、複数の色のインクを用いてカラー印刷を行う場合において、図2(a)〜(c)を用いて説明した被転写画像102の形成から転写までの工程は、例えば、複数の受像ドラム14を用いて、インクの色毎に一色ずつ順次行うことが考えられる。また、例えば、中間転写ベルト等を更に用い、転写ローラ16から中間転写ベルト等へ全色分の転写を行った後に、中間転写ベルト等から記録媒体50への転写を、全色分まとめて一斉に行ってもよい。また、一の受像ドラム14に対し、インクジェットヘッド12により、2色、4色、6色等のカラー印刷を一斉に行って、全色を一度に記録媒体50へ転写してもよい。
図3(a)は、転写後にインクを硬化させるタイミングの様子の一例を示す。本例において、本硬化用光源20は、記録媒体50に転写された転写後画像104に紫外線を照射することにより、半硬化状態のインクを、完全に硬化させ、記録媒体50に定着させる。
また、本例においては、本硬化用光源20による紫外線の照射を行う前に、媒体加熱部22により、記録媒体50を加熱する。これにより、インクが完全に硬化する前に、記録媒体50上のインクの粘度を一旦下げる。そのため、本例によれば、記録媒体50にインクをより適切に定着させることが可能となる。また、例えば、紙の記録媒体50を用いる場合、紙の繊維中にインクを浸透させることにより、記録媒体50へのインクの定着をより強固にできる。
図3(b)は、クリーニング手段26によりインクの除去を行うタイミングの様子の一例を示す。転写が行われた後、クリーニング手段26は、受像ドラム14に残ったインクを除去する。また、残存インク硬化用光源28が設けられている場合、残存インク硬化用光源28は、除去前に、受像ドラム14上のインクを完全の硬化させる。以上により、インクジェットプリンタ10による印刷の工程は、完了する。
本例によれば、転写前の紫外線硬化型インクを半硬化の状態とすることにより、転写時において、圧力をかけるのみで適切な転写を行うことが可能となる。また、接着力が強く、かつ滲みにくい状態での転写が可能となるため、普通紙はもちろん、プラスチックや段ボール等の様々な記録媒体50に対し、幅広く高精細で高濃度な画像を形成することが可能となる。
続いて、紫外線硬化型インクの特性と、半硬化用光源18が発生する光との関係について、更に詳しく説明する。図4は、紫外線硬化型インクの半硬化について説明する図である。図4(a)は、受像ドラム14上に形成された紫外線硬化型インクのドット202の様子の一例を示す。本例において、インクジェットヘッド12が吐出するインク滴は、受像ドラム14上への着弾により、インクのドット202となる。
図4(b)は、インクのドット202について、表面からの距離Lによる吸光分布の変化の一例を示すグラフであり、ドット202に紫外線又は可視光の照射を開始した直後における距離Lと吸光分布との関係の一例を示す。グラフにおいて、ドット底面位置とは、ドットの底面が接している受像ドラム14の表面の位置であり、ドット202の内部において表面からの距離Lが最大となる位置を示す。また、本例において、この位置は、例えば、受像ドラム14の表面におけるベースフィルムの位置である。
また、点線は、使用した紫外線硬化型インクに対応する紫外線をドット202に照射した場合における、表面からの距離Lによる吸光分布の変化の一例を示す。この紫外線は、例えば本硬化用光源20が発生する波長範囲の紫外線であり、この紫外線硬化型インクを完全に硬化させる場合に使用する波長範囲の紫外線である。
また、一点鎖線は、所定の波長範囲の可視光をドット202に照射した場合における、表面からの距離Lによる吸光分布の変化の一例を示す。この可視光は、例えば半硬化用光源18が発生する波長範囲の光である。この波長範囲は、例えば、紫外線硬化型インクの特性に応じて選択される。
紫外線硬化型インクに対し、上記の波長範囲の紫外線を照射した場合、インクが紫外線を高効率で吸収するため、照射された紫外線は、ドット202の表面近傍で主に吸収され、ドット202の内部の奥側へは届きにくくなる。この場合、例えば、ドット202の表面付近を半硬化の状態にしたとしても、内部の奥側は粘度が低いままの状態となる。そのため、例えば、この状態で転写を行うと、転写時にドット202の形状が崩れ、適切な転写を行えなくなるおそれがある。
また、例えばドット202の内部奥側を半硬化の状態とするよう、強い強度の紫外線を照射した場合、逆に、ドット202の表面付近が完全に硬化した状態となる。そのため、この場合、記録媒体50に対する接着力が弱くなり、適切な転写を行えなくなるおそれがある。
これに対し、本例における半硬化用光源18のように、ドット202に対して、紫外線よりも波長の長い可視光を照射した場合、表面付近での吸収が小さくなるため、表面からの距離Lが大きい位置においても、光の減衰が小さくなる。そのため、より多くの光を、ドット202の内部の奥側まで透過させることが可能になる。また、その結果、ドット202の表面からの距離Lと、吸光分布との関係は、紫外線と比べ、距離Lによる吸光分布の変化がより小さな関係となる。
また、紫外線硬化型インクは、通常、例えば青、緑等の可視光を照射した場合にも、ある程度、硬化の反応が進む。そのため、本例のように、可視光を照射することにより、ドット202の表面付近と、内部の奥側との間での光の吸収量の差を小さくした場合、ドット202内の位置による硬化の進み方の差が大きくなることを適切に防ぐことができる。また、これにより、ドット202の表面及び内部を、より均一かつ適切に半硬化させることが可能となる。
また、ドット202の表面を適切に半硬化の状態とすることにより、転写後において、記録媒体50への接着力を十分に強くすることができる。また、ドット202の内部についても、転写後にドット202の形状が崩れない硬さまで、適切に半硬化させることが可能となる。
尚、本例において、半硬化用光源18は、使用する紫外線硬化型インクに応じて、例えば青色、緑色、又は白色等の、インクの粘度を高める波長範囲の可視光を発生する。紫外線硬化型インクとしては、所定の波長の可視光に反応して粘度が高まるインクであれば、公知の各種の紫外線硬化型インクを用いることが可能である。紫外線硬化型インクとしては、例えば、含まれる増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び開始剤の吸収波長のピークの波長が共に近紫外線(例えば波長200〜380nm)の領域にあるインクを用いることが考えられる。また、増粘剤及び開始剤の吸収波長のピークの波長は、308〜365nmの範囲にあることがより好ましい。このように構成すれば、例えば、可視光の照射により、インクをより適切に半硬化させることができる。
また、より具体的に、紫外線硬化型インクとしては、例えば、ミマキエンジニアリング社製のLED方式UV硬化インクジェットプリンタUJV−160用の各種インクを用いることができる。このインクとしては、例えば、柔軟UVインクである型番LF−200(Y,M,C,Kの4色)や、硬質UVインクである型番LH−100(Y,M,C,K,Wの5色)等を用いることが考えられる。
また、本例において、紫外線硬化型インクの色は、特定の色やその組み合わせに制限されるものではない。紫外線硬化型インクの色は、例えば、YMCKインクの各色や、YMCKインクの各色の淡色、白色、メタリック色、クリア色等であってよい。また、紫外線硬化型インクは、カチオン重合型、ラジカル重合型のいずれか、又は両者が混在したインクであってよい。また、紫外線硬化型インクは、例えば、粘度調整用の溶剤等を含有してもよい。この場合、紫外線硬化型インクは、粘度調整用の溶剤等を、例えば、紫外線硬化を阻害しない範囲、例えば30重量%以下の範囲で含む。
以上のように、本例によれば、例えば、半硬化用光源18による転写前の光照射と、本硬化用光源20による転写後の紫外線照射により、紫外線硬化型インクを、高粘度化した半硬化の状態と、完全に硬化した状態の2状態に適切に変化させることができる。また、この2状態の変化により、例えば、受像ドラム14上での滲みを適切に防止できる。また、記録媒体50への接着力が高まり、転写効率が良好になるため、転写時におけるインクの転移不良を適切に防止し、同時に、記録媒体50への転写後の状態として、強固な印刷画像を適切に形成できる。また、様々な記録媒体50へインクを定着させることも可能になる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えばインクジェットプリンタに好適に利用できる。
10・・・インクジェットプリンタ、12・・・インクジェットヘッド、14・・・受像ドラム(転写媒体)、16・・・転写ローラ、18・・・半硬化用光源(転写前用光照射部)、20・・・本硬化用光源(転写後用紫外線照射部)、22・・・媒体加熱部、26・・・クリーニング手段、28・・・残存インク硬化用光源、50・・・記録媒体、102・・・被転写画像、104・・・転写後画像、202・・・ドット

Claims (7)

  1. 紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行うインクジェットプリンタであって、
    前記転写媒体へ前記紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、前記転写媒体上に前記被転写画像を形成するインクジェットヘッドと、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされる前の状態において、前記転写媒体上の前記被転写画像へ光を照射する転写前用光照射部と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により前記記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射部と
    を備え、
    前記転写前用光照射部は、前記被転写画像へ照射する光として、発光スペクトルにおける強度ピークが420nmよりも長波長側にある可視光を発生し、
    前記紫外線硬化型インクは、前記紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、前記転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、
    前記転写後用紫外線照射部は、前記転写後画像へ照射する紫外線として、前記紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記紫外線硬化型インクは、紫外線に応じて前記紫外線硬化型インクの粘度を高める増粘剤と、紫外線に応じて前記紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤とを含み、
    前記転写前用光照射部が発生する光の発光スペクトルにおける前記強度ピークの波長は、前記増粘剤の吸収波長のピークの波長、及び前記開始剤の吸収波長のピークの波長のいずれよりも、200nm以上長波長側の波長であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記転写前用光照射部は、前記強度ピークの波長の光を発生する光源として、可視光を発生するLEDを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記転写前用光照射部により光を照射された後、前記転写後用紫外線照射部により紫外線を照射される前の状態において、前記紫外線硬化型インクは、少なくとも20℃〜40℃の温度範囲で、温度が上昇すると粘度が低下する特性を有しており、
    前記インクジェットプリンタは、前記被転写画像が転写された後、前記転写後用紫外線照射部により紫外線を照射される前において前記記録媒体を加熱する媒体加熱部を更に備え、
    前記媒体加熱部は、前記被転写画像の転写が行われた時点の温度よりも高い温度に前記記録媒体を加熱することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行うインクジェットプリンタであって、
    前記転写媒体へ前記紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、前記転写媒体上に前記被転写画像を形成するインクジェットヘッドと、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされる前の状態において、前記転写媒体上の前記被転写画像へ光を照射する転写前用光照射部と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により前記記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射部と
    を備え、
    前記転写前用光照射部は、前記被転写画像へ照射する光として、可視光を発生し、かつ、前記転写前用光照射部が発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、前記転写後用紫外線照射部が発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあり、
    前記紫外線硬化型インクは、前記紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、前記転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、
    前記転写後用紫外線照射部は、前記転写後画像へ照射する紫外線として、前記紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  6. 紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行う印刷方法であって、
    インクジェットヘッドにより前記転写媒体へ前記紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、前記転写媒体上に前記被転写画像を形成する被転写画像形成段階と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされる前の状態において、前記転写媒体上の前記被転写画像へ光を照射する転写前用光照射段階と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により前記記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射段階と
    を備え、
    前記転写前用光照射段階は、前記被転写画像へ照射する光として、発光スペクトルにおける強度ピークが420nmよりも長波長側にある可視光を発生し、
    前記紫外線硬化型インクは、前記紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、前記転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、
    前記転写後用紫外線照射段階は、前記転写後画像へ照射する紫外線として、前記紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生することを特徴とする印刷方法。
  7. 紫外線硬化型インクにより転写媒体上に形成された被転写画像を記録媒体へ転写することにより印刷を行う印刷方法であって、
    インクジェットヘッドにより前記転写媒体へ前記紫外線硬化型インクのインク滴を吐出することにより、前記転写媒体上に前記被転写画像を形成する被転写画像形成段階と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされる前の状態において、前記転写媒体上の前記被転写画像へ光を照射する転写前用光照射段階と、
    前記転写媒体から前記記録媒体への転写がされた後の状態において、転写により前記記録媒体上に形成された画像である転写後画像へ紫外線を照射する転写後用紫外線照射段階と
    を備え、
    前記転写前用光照射段階は、前記被転写画像へ照射する光として、可視光を発生し、かつ、前記転写前用光照射段階において発生する可視光の発光スペクトルにおける強度ピークは、前記転写後用紫外線照射段階において発生する紫外線の発光スペクトルにおける強度ピークよりも200nm以上長波長側にあり、
    前記紫外線硬化型インクは、前記紫外線硬化型インクの硬化を開始させる開始剤として、紫外域に感度ピークを有する1種類の開始剤を含み、かつ、前記転写前用光照射部が発生する光に反応して粘度が高まるインクであり、
    前記転写後用紫外線照射段階は、前記転写後画像へ照射する紫外線として、前記紫外線硬化型インクを硬化させる紫外線を発生することを特徴とする印刷方法。
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