JP2013215994A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

印刷装置及び印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013215994A
JP2013215994A JP2012088543A JP2012088543A JP2013215994A JP 2013215994 A JP2013215994 A JP 2013215994A JP 2012088543 A JP2012088543 A JP 2012088543A JP 2012088543 A JP2012088543 A JP 2012088543A JP 2013215994 A JP2013215994 A JP 2013215994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
medium
image
clear
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012088543A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Mizuno
和義 水野
透 ▲高▼橋
Toru Takahashi
Kazuyoshi Tanase
和義 棚瀬
Takamitsu Kondo
隆光 近藤
Keiji Wada
啓志 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012088543A priority Critical patent/JP2013215994A/ja
Publication of JP2013215994A publication Critical patent/JP2013215994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 透明なUVインクを用いて、良好な画質の画像を印刷することが可能な印刷装置を提供する。
【解決手段】 光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出する第1吐出部と、前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出する第2吐出部と、前記光を照射する照射部と、媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう処理部と、を備える印刷装置であって、前記処理部によって前記媒体を処理した後、前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
光(電磁波の一種、例えば紫外線(UV))の照射によって硬化する液体(例えばUVインク)を用いて印刷を行なう印刷装置が知られている。このような印刷装置では、ヘッドのノズルから媒体に液体を吐出した後、媒体に形成されたドットに光を照射する。こうすることにより、ドットが硬化して媒体に定着するので、液体を吸収しにくい媒体に対しても良好な印刷を行うことができる(例えば特許文献1参照)。
特開2000−158793号公報
一般的なUVインクには触媒として光重合開始剤(以下、開始剤とも呼ぶ)が含有されているが、開始剤は黄色味を帯びた色をしているため、UVインクは若干の黄色の成分を有している。特に、顔料が含まれない透明なUVインクを用いて印刷を行う際にこの黄色味が目立ちやすい。例えば、カラーインクで印刷されたカラー画像の上に、クリアインクを吐出してクリア画像を形成することで、カラー画像の光沢度を高めたりカラー画像の表面をコーティングしたりする場合がある。この場合、上側に形成されたクリア画像の影響によって下側に形成されたカラー画像が黄色っぽく見えてしまうことから、画質が悪化しやすい。
このような印刷画像の画質悪化を抑制するためには、クリア画像をなるべく薄く形成することで黄色の成分が目立ちにくくなるようにするとよい。しかし、クリア画像を薄くすると、カラー画像の表面におけるカラーインクドットの凹凸が目立ちやすくなり、この場合も画質が悪化したように見えてしまう。
本発明は、透明なUVインクを用いて、良好な画質の画像を印刷することが可能な印刷装置を提供することを課題としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出する第1吐出部と、前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出する第2吐出部と、前記光を照射する照射部と、媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう処理部と、を備える印刷装置であって、前記処理部によって前記媒体を処理した後、前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する、ことを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
プリンター1の全体構成を示すブロック図である。 プリンター1の構成を表した概略側面図である。 シアンヘッド21の下面における複数の短尺ヘッドの配列および短尺ヘッドが有するノズルの配置を説明する図である。 シアンヘッド21の構造を示した断面図である。 カラー画像の上にクリア画像が形成される場合のカラー画像の見え方について説明する図である。 媒体上に形成されるカラー画像の断面を拡大した模式図である。 図6のカラー画像の上にクリア画像が形成されたときの画像の表面付近の様子を拡大した図である。 媒体の表面の濡れ性を向上させてからカラー画像及びクリア画像を形成したときの画像の表面付近の様子を拡大した図である。 第1実施形態における印刷動作の流れを表すフロー図である。 プリンター2の構成を表した概略側面図である。 第2実施形態における印刷動作の流れを表すフロー図である。 第2実施形態で形成されるカラー画像及びクリア画像の表面付近の様子を拡大した図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出する第1吐出部と、前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出する第2吐出部と、前記光を照射する照射部と、媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう処理部と、を備える印刷装置であって、前記処理部によって前記媒体を処理した後、前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する、ことを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、透明なUVインクを用いて、良好な画質の画像を印刷することが可能になる。
かかる印刷装置であって、前記処理部は、コロナ放電を行なうコロナ処理部を備え、前記媒体の表面に前記コロナ放電を行うことにより、前記媒体の表面の濡れ性を向上させることが望ましい。
このような印刷装置によれば、媒体上に形成されるカラー画像の表面の凹凸を少なくし、該カラー画像の上に形成されるクリア画像の表面を平滑にすることができる。また、クリア画像の厚さを薄く形成させることができるので、該クリア画像を透してカラー画像を見たときの黄変を目立たちにくくすることにより、良好な画質の画像を印刷することができる。
かかる印刷装置であって、前記処理部は、所定の電磁波を照射する処理用照射部を備え、前記媒体の表面に前記所定の電磁波を照射することにより、前記媒体の表面の濡れ性を向上させることが望ましい。
このような印刷装置によれば、媒体上に形成されるカラー画像の表面の凹凸を少なくし、該カラー画像の上に形成されるクリア画像の表面を平滑にすることができる。また、クリア画像の厚さを薄く形成させることができるので、該クリア画像を透してカラー画像を見たときの黄変を目立たちにくくすることにより、良好な画質の画像を印刷することができる。
かかる印刷装置であって、前記処理用照射部から照射される所定の電磁波と、前記照射部から照射される光とが異なる波長の電磁波であることが望ましい。
このような印刷装置によれば、UVインクを硬化させるのとは異なる波長のUV(VUV)を照射する処理用照射部を備えることで、媒体の表面の改質処理と、インクドットの硬化とを効率的に行なうことができる。
かかる印刷装置であって、前記媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう第1処理部と、前記カラーインクによって形成されるカラー画像の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう第2処理部と、を備え、前記媒体の表面を前記第1処理部によって処理した後に、前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、前記媒体上に形成された前記カラー画像を前記第2処理部によって処理した後に、前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成することが望ましい。
このような印刷装置によれば、まず、媒体の表面の濡れ性を高くすることによって平滑なカラー画像が形成される。そして、該カラー画像の表面の濡れ性を高くすることによって平滑なクリア画像が形成される。これにより、少ないクリアインクの量で、平滑で薄いクリア画像が形成され、黄変や表面の凹凸の目立ちにくい高画質な画像を印刷することができる。
かかる印刷装置であって、前記クリアインクは、イエローの成分を有する触媒を含有することが望ましい。
このような印刷装置によれば、カラー画像の上にクリア画像を形成する際に発生する黄変を目立たなくすることができる。したがって、黄色の開始剤を含有するクリアのUVインクを用いた印刷において特に有効である。
また、媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう工程と、光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出することと、前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成する工程と、前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出することと、前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する工程と、を有する印刷方法が明らかになる。
===実施形態===
<印刷装置の基本的な構成>
発明を実施するための印刷装置の形態として、インクジェットプリンター(プリンター1)を例に挙げて説明する。プリンター1は、紙、布、透明なフィルムシート等の媒体に液体(例えばインク)を吐出することにより、媒体に画像を形成(印刷)することが可能な画像形成装置である。本実施形態で印刷に用いられる液体は、紫外線(以下、UVとも言う)等の光(電磁波)の照射を受けることによって硬化する紫外線硬化型インク(以下、UVインクとも言う)である。UVインクの詳細については後で説明する。
図1乃至図2を参照しながら、本実施形態のプリンター1の構成について説明する。図1は、プリンター1の全体構成を示すブロック図である。図2はプリンター1の構成を表した概略側面図である。
図1に示されるように、プリンター1は外部制御装置であるコンピューター110と通信可能に接続されている。コンピューター110にはプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、コンピューター110の表示装置にユーザーインターフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタードライバーは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピューターが読み取り可能な記録媒体)に記録されている。また、プリンタードライバーはインターネットを介してコンピューター110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
コンピューター110はプリンター1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じて画像データから変換した印刷データをプリンター1へ送信する。印刷データは、プリンター1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと、画素データとを有する。コマンドデータとは、プリンター1に特定の動作の実行を指示するためのデータである。このコマンドデータには、例えば、被印刷媒体の搬送量を示すデータ等がある。また、画素データは、印刷される画像の画素に関するデータである。
ここで、画素とは画像を構成する単位要素であり、この画素が2次元的に並ぶことにより画像が構成される。印刷データにおける画素データは、媒体(例えばフィルムSなど)上に形成されるドットに関するデータ(例えば、階調値)である。画素データは画素毎に2ビットのデータによって構成される。この2ビットの画素データは1つの画素を4階調で表現できる。
プリンター1は、搬送ユニット10と、ヘッドユニット20と、照射ユニット30と表面処理ユニット40と、検出器群50と、コントローラー60と、を有する(図1参照)。コントローラー60は、外部装置であるコンピューター110から受信した印刷データに基づいて搬送ユニット10やヘッドユニット20等の各ユニットを制御し、媒体上に画像を印刷する。プリンター1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は検出結果をコントローラー60に出力する。コントローラー60は検出器群50から出力された検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
<搬送ユニット10>
搬送ユニット10は、媒体(例えばフィルムS)を所定の方向(以下、搬送方向とも言う)に搬送させる媒体搬送部である。この搬送ユニット10は、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bと、ロール状に巻かれた長尺のフィルムSを周面にて搬送する搬送ドラム13とを有する(図2参照)。
不図示の搬送モーターが回転すると、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bが回転し、搬送ドラム13が回転する。搬送ドラム13の周面に沿わされて上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bにて押圧支持されたフィルムSは、搬送ドラム13の回転に伴って図2の時計回り方向に搬送される。すなわち、本実施形態において、媒体の搬送方向は搬送ドラム13の回転方向(ドラムの周面の方向)である。なお、搬送ユニット10による媒体搬送速度(搬送ドラム13の回転速度)は、コントローラー60によって所定の速度(ほぼ一定の速度)になるように制御される。
搬送ドラム13の外側には、上流側搬送ローラー12A及び下流側搬送ローラー12Bの間に、搬送ドラムの周面と対向してヘッドユニット20、照射ユニット30、及び、表面処理ユニット40が設けられる。搬送ドラム13の回転により搬送されたフィルムSは、印刷可能な領域(ヘッドユニット20と対向する領域)にて印刷されながら搬送方向の下流側へと搬送される。すなわち、搬送ドラム13がフィルムSを搬送することによって、フィルムSがヘッドユニット20に対して搬送方向に移動する。なお、搬送中のフィルムSは、搬送ドラム13に静電吸着又はバキューム吸着されている。
<ヘッドユニット20>
ヘッドユニット20は、フィルムSに液体(本実施形態ではUVインク)を吐出する液体吐出部であり、インクの色ごとに複数のヘッド(21〜25)を有する。ヘッドユニット20は、搬送中のフィルムSに対してUVインクを吐出することによって、フィルムSにUVインクドットを形成し、フィルムS上に画像を印刷する。本実施形態のプリンター1はドラム搬送式のラインプリンターであり、ヘッドユニット20はフィルムSの幅分のドットを並べて一度に形成することが可能である。
本実施形態では、図2に示すように、フィルムSの搬送方向に沿って上流側から下流側に向かい、シアン(C)のインクを吐出するシアンヘッド21、マゼンタ(M)のインクを吐出するマゼンタヘッド22、イエロー(Y)のインクを吐出するイエローヘッド23、ブラック(K)のインクを吐出するブラックヘッド24、の各色カラーインクヘッドが設けられる。これらのカラーインクヘッド(第1吐出部とする)からCMYKの各色カラーインクがそれぞれ吐出されることによって、画像(カラー画像)が形成される。なお、CMYK以外にホワイト(W)等の他色のUVインクを吐出するヘッドを設け、5色以上のUVインクを用いて画像を印刷してもよい。
ブラックヘッド24の搬送方向下流側には、無色透明なクリア(CL)のインクを吐出するクリアヘッド25(第2吐出部とする)が、搬送ドラム13の周面と対向するように設けられる。クリアインク(CL)は印刷された画像の光沢度の調整や、画像表面の保護、カラーインクの発色性の改善等に用いられるインクであり、一般には色材や顔料を含まないか含んでいても少量の透明なインクである。本実施形態では、カラーインクヘッド(21〜24)によって形成されたカラー画像の上に、クリアインクを塗布することによってクリア画像が形成される。
ヘッドユニット20の各ヘッド(21〜25)ではそれぞれフィルムSの幅方向に沿って、複数の短尺ヘッドが千鳥列状に並んでいる。図3に、シアンヘッド21の下面における複数の短尺ヘッドの配列および短尺ヘッドが有するノズルの配置を説明する図を示す。図3に示されるように、シアンヘッド21は21A、21B、及び21Cの3個の短尺ヘッドから構成されている。各短尺ヘッドには、フィルムSの幅方向に沿って複数のノズルNzが一定の間隔(ノズルピッチ)にて並べられている。図では、各ヘッドにノズルNzが配列されている状態を2本の線にて示している。これら複数のノズルNzからそれぞれシアンインク(C)を吐出することにより、フィルムSの幅方向に並ぶ複数のシアンインクドットを形成することができる。なお、1ヘッドを構成する短尺ヘッドの数は任意であり、4個以上の短尺ヘッドによって構成されるのであってもよい。
シアンヘッド21以外の他のヘッド(22〜25)も基本的に同様の構造である。
各ヘッド(上述の短尺ヘッド)の具体的な構造について、シアンヘッド21を例に挙げて説明する。図4は、シアンヘッド21の短尺ヘッドの構造を示した断面図である。シアンヘッド21は、ケース211と、流路ユニット212と、ピエゾ素子PZTとを有する。ケース211はピエゾ素子PZTを収納し、ケース211の下面に流路ユニット212が接合されている。流路ユニット212は、流路形成板212aと、弾性板212bと、ノズルプレート212cとを有する。流路形成板212aには、圧力室212dとなる溝部、ノズル連通口212eとなる貫通口、共通インク室212fとなる貫通口、インク供給路212gとなる溝部が形成されている。弾性板212bはピエゾ素子PZTの先端が接合されるアイランド部212hを有する。そして、アイランド部212hの周囲には弾性膜212iによる弾性領域が形成されている。インクカートリッジに貯留されたインクが、共通インク室212fを介して、各ノズルNzに対応した圧力室212dに供給される。ノズルプレート212cはノズルNzが形成されたプレートである。
ピエゾ素子PZTに駆動信号が印加されると、該駆動信号の電位に応じてピエゾ素子は上下方向に伸縮し、アイランド部212hは圧力室212d側に押されたり、反対方向に引かれたりする。このとき、アイランド部212h周辺の弾性膜212iが変形し、圧力室212d内の圧力が上昇・下降することにより、ノズルNzからインク滴(ドット)が噴出される。
シアン以外の他のヘッド(短尺ヘッド)も基本的に同様の構造である。
<照射ユニット30>
照射ユニット30は、フィルムSに着弾したインクに向けて光(UV)を照射する照射部である。フィルムS上に形成されたUVインクのドットは、照射ユニット30からUVの照射を受けることにより、硬化する。プリンター1では、照射ユニット30として、UVインクの仮硬化用のUV照射を行なう仮硬化用照射部31〜34と、本硬化用のUV照射を行なう本硬化用照射部35とを備えており、2段階の硬化を行なう。ここで、「仮硬化」とは、媒体に着弾したUVインクの流動(ドットの広がり)を抑えるため、あるいは、ドット間のインクの滲みを防止するためにドットの表面部分を硬化するものである。また、「本硬化」とは、UVインクを完全に硬化させるためのものである。通常、「本硬化」において照射されるUVのエネルギー(UV照射量)の方が、「仮硬化」において照射されるUVのエネルギー(照射量)よりも大きい。
仮硬化用照射部31〜34は、それぞれ各色カラーインクヘッド21〜24の搬送方向下流側に設けられ(図2参照)、上流側のカラーインクヘッドによって形成されたカラーインクドットに仮硬化用のUVを照射して、ドットを仮硬化する。仮硬化用照射部31〜34は、それぞれ印刷対象となるフィルムSの幅よりも長く形成されている。また、光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いている。LEDは入力電流の大きさを制御することによって、照射エネルギーを容易に変更することが可能である。仮硬化用のUVの照射強度は、例えば、10〜100mJ/cm程度である。
本硬化用照射部35は、クリアヘッド25の搬送方向下流側に設けられ(図2参照)、上流側の各色カラーインクヘッド21〜24によって形成されたカラー画像、及び、クリアヘッド25によって形成されたクリア画像に本硬化用のUVを照射する。これにより、媒体(フィルムS)上に印刷されたカラー画像及び当該カラー画像の上に形成されたクリア画像(UVインクドット)が本硬化される。本硬化用照射部35は、印刷対象となるフィルムSの幅よりも長く形成されている。また、光源としてLEDもしくはランプ(メタルハライドランプ、水銀ランプなど)を用いている。本硬化用のUVの照射強度は、例えば、1000mJ/cm程度である。
なお、クリアヘッド25と本硬化用照射部35との間に、クリアインクドットを仮硬化するための仮硬化用照射部(不図示)が設けられていてもよい。
<表面処理ユニット40>
表面処理ユニット40は、シアンヘッド21(カラーインクヘッド)の搬送方向上流側に設けられ、フィルムS(媒体)の表面処理を行なう処理部である。本実施形態における表面処理とは媒体の表面の濡れ性を向上させる処理である。
表面処理ユニット40は、コロナ処理部41を備える。コロナ処理部41は、搬送ドラム13によって搬送されるフィルムSと対向する位置に設置され、フィルムSに向けてコロナ放電を行なうことができる。これにより、媒体の表面にコロナ処理を行い、媒体(フィルムS)の表面張力を上昇させて濡れ性を向上させる。本実施形態のコロナ処理部41は、ナイフエッジ状の電極(不図示)がフィルムSの幅方向に沿って複数並んだ構造をしており、フィルムSの幅方向に対して一度にコロナ放電を行なうことができる。なお、電極の形状はこれには限られず、ワイヤー状の電極や針状の電極を用いてもよい。
<検出器群50>
検出器群50は、プリンター1の状況を監視するためのものである。検出器群50には、ロータリー式エンコーダーや光学センサー等が含まれる(全て不図示)。ロータリー式エンコーダーは、上流側搬送ローラー12A、下流側搬送ローラー12Bもしくは搬送ドラム13の回転量を検出する。光学センサーは、状況に応じて、フィルムSの先端位置(搬送方向下流側の印刷端部の位置)や、後端位置(搬送方向上流側の印刷端部の位置)等を検出する。
<コントローラー60>
コントローラー60は、プリンター1の制御を行うための制御部である。コントローラー60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリー63と、ユニット制御回路64とを有する。
インターフェース部61は、外部装置であるコンピューター110とプリンター1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンター1の全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子によって構成される。そして、CPU62は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して搬送ユニット10や表面処理ユニット40等の各ユニットを制御する。
===UVインクを用いた印刷について===
<UVインクの組成>
まず、印刷に用いられるUVインクについて説明する。UVインクは紫外線硬化樹脂を含むインクであり、UVの照射を受けると当該紫外線硬化樹脂において光重合反応が起こることにより硬化する。本実施形態で用いられるUVインクは、重合性化合物、及び光重合開始剤等の触媒、その他の添加物を含有する。
重合性化合物は、光の照射を受けることにより重合反応が可能な化合物である。重合性化合物の具体例としては、各種の(メタ)アクリレートモノマー、各種の(メタ)アクリレートオリゴマー、各種のビニルモノマー、各種のビニルエーテルモノマーなどがあげられる。
光重合開始剤(以下、開始剤とも言う)は、光の照射を受けて重合性化合物の重合を効率よく開始させる機能を有する触媒である。UVインクにUVが照射されると、開始剤が活性化されて反応開始点ができる。そして、反応開始点がオリゴマー等の二重結合を活性化させて当該オリゴマー同士が結合し、最終的には、網目状に重合することによってインクが液体から個体へ変化する。
また、UVインクは、色材(顔料や染料など)、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、重合促進剤等の添加物を含んでいてもよい。
<クリアのUVインクによる黄変について>
UVインクに含有される開始剤は、通常、黄色の成分を有するため、UVインクは若干の黄色味を帯びた色をしていることが多い。カラー(CMYK)のUVインクでは、含有される色材の色が濃いため開始剤の黄色味は目立ちにくい。一方、色材を含有しないクリア(CL)のUVインクでは、開始剤が有する黄色成分により黄色味が目立ちやすく完全な無色透明にはならない。そのため、本実施形態のようにカラー画像の上にクリア画像が形成される場合に問題が生じる場合がある。
図5は、カラー画像の上にクリア画像が形成される場合のカラー画像の見え方について説明する図である。図は、媒体上に形成されたカラー画像(斜線部)の上にクリア画像が形成された状態を側面から見た場合を表している。左側の図はクリア画像が薄く形成された場合(クリア画像の厚さ=h1とする)であり、右側の図はクリア画像が厚く形成された場合(クリア画像の厚さ=h2(h1<h2)とする)である。また、クリア画像中に示される複数の黒丸は、クリアのUVインクに含有される開始剤(触媒)を表している。
クリアのUVインクを用いて画像の光沢度の調整等をする際に、クリア画像が薄く形成される場合には、単位面積あたりに吐出されるクリアインクの量が少ないため、その単位面積中に含まれる開始剤の量は少なくなる(図5左側の図)。この場合、開始剤の黄色成分が少ないので画像の黄変は目立ちにくい。
一方、高い光沢度を有する画像を印刷したい場合には、クリア画像を厚く形成するために単位面積あたりに吐出されるクリアインクの量が多くなる。この場合、単位面積中に含まれる開始剤の量も多くなる(図5右側の図)。すなわち、黄色成分が濃くなり黄変が目立ちやすい。したがって、該クリア画像の下に形成されたカラー画像は、クリア画像を透して見ると黄色味が強く見える。これにより、画像全体が黄色っぽく認識され、画質が悪化しているように見える。本明細書中ではこのようにクリアインクによって画像が黄色く見える現象を、画像の「黄変」と呼ぶ。
<黄変解消の方法>
画像の黄変を解消する方法として、図5左側の図のようにクリア画像を薄く形成する方法がある。つまり、単位領域あたりに吐出されるクリアインクの量を少なくしてクリア画像の層を薄くすることで黄色の成分を目立ちにくくすることができる。
しかし、クリア画像を薄く形成すると、カラー画像の表面の凹凸が目立ちやすくなるという問題が生じる。図6は、媒体上に形成されるカラー画像の断面を拡大した模式図である。図7は、図6のカラー画像の上にクリア画像が形成されたときの画像の表面付近の様子を拡大した図である。
カラー画像は、大きさの異なる複数のカラーインクドット(例えば、大・中・小・ドット無しの4階調の大きさの球状のドット)から形成されている。そのため、カラー画像の表面は平滑にはならず、図6のように凹凸(段差)が生じている。このカラー画像の表面にクリアインクを吐出すると、図7のように、小さなクリアインクドットがカラー画像の表面上に複数形成される。カラー画像は仮硬化用照射部31〜34からのUV照射を受けてそれぞれのドットが仮硬化された状態であり、クリアインクドットをはじきやすい。そのため、当該カラー画像の表面に着弾したクリアインクドットは濡れ広がりにくく、液滴(ドット)形状のまま分布する。その結果、図7に示されるように、クリア画像の表面にはカラー画像の表面の凹凸がそのまま表れやすく、該クリア画像の表面で光が乱反射することにより、均一な光沢を得ることができない。
これに対して、媒体の表面の濡れ性を向上させてからカラー画像を印刷させることによって、カラー画像の上に形成されるクリア画像をなるべく薄くしつつ、クリア画像の表面を平滑にすることができる。図8は、媒体の表面の濡れ性を向上させてからカラー画像及びクリア画像を形成したときの画像の表面付近の様子を拡大した図である。
媒体の表面の濡れ性が向上すると、当該媒体の表面に着弾したカラーインクドットは球状の水滴形状から徐々に潰れて濡れ広がり、図のようなドーム状になる。そして、複数のカラーインクドットが媒体の表面上に薄く広範囲に広がることによって、カラーインクによる画像(カラー画像)が形成される。このようにして形成されたカラー画像の表面は凹凸が生じにくいため、当該カラー画像の表面にクリアインクを吐出すると、図8のように、カラー画像の表面上にクリアインクドットがほぼ均等に分布する。したがって、クリア画像の表面も平滑になりやすく、光の乱反射等も生じにくくなる。また、クリアインクの吐出量を少なくすることでクリアインクの層(つまりクリア画像の厚さ)を薄くすることができる。
これらのことにより、画像表面の凹凸が目立ちにくくなり、かつ、画像の黄変を解消して、良好な画質の画像を印刷することができる。
<印刷動作の説明>
プリンター1を用いて画像を印刷する際の動作について具体的に説明する。
図9は、第1実施形態における印刷動作の流れを表すフロー図である。本実施形態では、S101〜S104の工程により画像の印刷を行う。
まず、表面処理ユニット40によって媒体の表面処理が行なわれる(S101)。
本実施形態では、搬送ドラム13によって搬送される媒体に対してコロナ処理部41からコロナ放電を行なって、媒体の表面をコロナ処理する。媒体の表面にコロナ放電を行なうと、放電された高エネルギーの電子によって、媒体の表面部分における分子構造が変化する。例えば、フィルムS等の樹脂製媒体に対してコロナ処理を行なうと、フィルム表層における高分子結合の一部が切断され、該切断された部分に水酸基等の親水性の官能基ができるため、表面の濡れ性が向上する。また、コロナ処理を行なうことにより、媒体の表面に付着した油分等の不純物が除去される洗浄効果もある。
このように、媒体に対してコロナ処理を行なうことによって、媒体の表面張力が高くなり、濡れ性を向上させることができる。なお、媒体の濡れ性が高すぎると、次のカラー画像の形成工程(S102)において、カラーインクドット同士のにじみが発生して印刷画像の画質が悪化する場合がある。したがって、コロナ放電の出力が強くなりすぎないように、コントローラー60等によって表面処理の度合いを調整できるようにしておくとよい。
次に、表面処理された媒体に対してカラー画像の形成が行われる(S102)。カラー画像の形成工程では、搬送ユニット10によって一定速度で搬送される媒体に対して、各色カラーインクヘッド21〜24を用いてCMYKのカラーインクを吐出することにより、媒体上にカラーインクドットを形成する。このとき、媒体の濡れ性が向上しているので、媒体上に形成されるカラーインクドットは図8で説明したように濡れ広がりやすくなる。そして、カラーインクヘッド21〜24の下流側にそれぞれ配置される仮硬化用照射部31〜34を用いて仮硬化用のUVを順次照射することで、媒体上に濡れ広がったカラーインクドットを仮硬化する。これにより、表面が平滑なカラー画像が媒体上に印刷される。
続いて、媒体上に印刷されたカラー画像の上に、クリア画像の形成が行なわれる(S103)。クリアヘッド25からクリアインクが吐出されると、カラー画像の表面上に着弾したクリアインクドットは、図8で示されたように均等に分布し、表面が平滑なクリア画像を形成する。
最後に、カラー画像及び該カラー画像の上に形成されたクリア画像に対して、本硬化用照射部35から本硬化用のUVが照射され、UVインクドットを本硬化する(S104)。これにより、画像が定着する。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態では、媒体に対してコロナ放電等を行い、媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう。その後、カラーのUVインクによってカラー画像を印刷し、カラー画像の上にクリアのUVインクによってクリア画像を形成する。
媒体の表面の濡れ性が高いため、その上に吐出されたカラーインクは濡れ広がりやすくなり、カラー画像が平滑に形成されやすくなる。そのため、カラー画像上に形成されるクリアインクの層(クリア画像)も平滑になりやすく、均一な光沢を有する画像を印刷することができる。そして、クリア画像を薄く形成することによって、クリアインク中に含有される黄色の開始剤の量を相対的に少なくし、黄変が目立ちにくい高画質な画像を印刷することができる。
<変形例>
上述のプリンター1では、媒体の表面処理(S101)として、コロナ処理部41を用いたコロナ処理を行なっていたが、表面処理の方法はコロナ処理には限られない。変形例として、VUV(真空紫外線:Vacuum Ultra Violet)を照射することによって表面処理を行なう方法について説明する。
変形例の印刷装置は、表面処理ユニット40としてVUV照射部42を有する。その他の構成は上述のプリンター1とほぼ同様である(図2参照)。
VUV照射部42は、搬送ドラム13によって搬送される媒体と対向する位置に設けられ、媒体に対してVUVを照射する。すなわち、VUV照射部42は表面処理のための電磁波を照射する処理用照射部である。VUV(真空紫外線)は約200nm以下の波長を有する電磁波であり、照射ユニット30(仮硬化用照射部31〜34、及び、本硬化用照射部35)から照射されるUVインク硬化用のUVとは波長が異なる。UVインクを硬化させるために照射される電磁波(UV)と、媒体の表面処理を行なう為に照射される電磁波(VUV)とを分けることにより、それぞれの工程を適切かつ効率的に行なうことができる。
画像印刷動作は第1実施形態とほぼ同様であるが(図9参照)、媒体の表面処理工程(S101)において、媒体に対してコロナ放電を行なうのではなく、VUVの照射を行なう点が異なる。VUVはエネルギーが高いため、コロナ放電を行なう場合と同様に媒体の表面における高分子結合を切断し、また、不純物を除去することができる。
媒体の表面の濡れ性を向上させて、カラーインクが濡れ広がりやすくなるようにすることで、カラー画像及びその上に形成されるクリア画像の表面を平滑にすることができる。これにより、黄変の目立ちにくい高画質な画像を印刷することができる。
===第2実施形態===
第2実施形態では、2つの表面処理ユニットを有するプリンター2を用いて画像の印刷を行う。
図10は、プリンター2の構成を表した概略側面図である。プリンター2では、プリンター1の構成に加えて表面処理ユニット70が設けられる。以下、搬送方向上流側に設けられる表面処理ユニット40を第1表面処理ユニット(第1処理部)と呼び、搬送方向下流側に設けられる表面処理ユニット70を第2表面処理ユニット(第2処理部)と呼ぶ。表面処理ユニット70以外の構成はプリンター1と同様であるため、説明を省略する。
<表面処理ユニット70>
表面処理ユニット70は、仮硬化用照射部34とクリアヘッド25との間に設けられ、表面処理ユニット40(第1表面処理ユニット)と同様のコロナ処理部71を備える。そして、搬送される媒体に向けてコロナ処理部71からコロナ放電を行なうことで、フィルムS(媒体)上に形成されたカラー画像の表面処理を行なう。
なお、表面処理ユニット70によって行なわれる表面処理はコロナ処理には限られず、上述の変形例のようにVUVを照射する構成としてもよい。
<印刷動作>
図11は、第2実施形態における印刷動作の流れを表すフロー図である。本実施形態では、S201〜S205の工程により画像の印刷を行う。
はじめに、第1実施形態と同様にして媒体の表面の濡れ性を向上させる、媒体の表面処理を行なう(S201)。媒体の搬送が開始されると、コントローラー60は表面処理ユニット40(第1表面処理ユニット)を用いて媒体(フィルムS)に対してコロナ放電を行い(VUVの照射でもよい)、媒体の表面の濡れ性を向上させる。
次に、濡れ性が向上したフィルムS上に各色カラーインク(CMYK)が吐出され、カラー画像の形成が行なわれる(S202)。カラー画像の形成動作自体は第1実施形態の(S102)と同様であり、表面が平滑に近い状態のカラー画像が形成される。
次に、形成されたカラー画像に対してカラー画像の表面処理が行なわれる(S203)。第2実施形態では、媒体と共に搬送されるカラー画像に対してコロナ処理部71からコロナ放電を行なって、カラー画像の表面をコロナ処理する(VUVの照射処理でもよい)。カラー画像の表面にコロナ放電を行なうと、放電された高エネルギーの電子によって、カラー画像の表面部分におけるカラーインクドットの結合(例えば、上述したUVインクドットの網目状の重合)の一部が切断されると考えられる。そのため、該カラー画像の表面部分では表面張力が上昇し、他の分子等(本実施形態においてはクリアインクドット)と結合しやすくなって濡れ性が向上する。また、コロナ処理を行なうことにより、表面に付着した油分等の不純物が除去される洗浄効果もある。
このように、カラー画像にコロナ処理を行なうことによって、カラー画像の表面の濡れ性を向上させることができる。なお、カラー画像にコロナ処理を行なっても、画像の表面部分において一部の結合が切断されるだけであれば、カラー画像の画質の悪化はほとんど認識されない。
そして、カラー画像の表面の濡れ性を向上させた後、クリア画像の形成が行われる(S204)。図12は、第2実施形態で形成されるカラー画像及びクリア画像の表面付近の様子を拡大した図である。本実施形態では、カラー画像が平滑に形成され、さらにカラー画像の表面の濡れ性が向上しているため、該カラー画像の表面に着弾したクリアインクドットが濡れ広がりやすくなる。これにより、図12に示されるようにカラー画像の表面を薄く覆う平滑なクリアインクの層(クリア画像)を容易に形成することができる。
最後に、本硬化用照射部35から本硬化用のUVが照射され、UVインクドットが本硬化される(S205)。
<第2実施形態の効果>
第2実施形態では、まず、媒体に対して濡れ性を向上させる表面処理を行ない、カラーのUVインクによってカラー画像を形成する。その後、形成されたカラー画像に対し表面処理を行なって画像表面の濡れ性を向上させ、該カラー画像の上にクリアのUVインクによってクリア画像を形成する。
媒体に対して表面処理を行なうことにより、カラー画像が平滑に形成されやすくなる。さらに、カラー画像の表面にも表面処理を行なうことで、カラー画像の濡れ性も向上する。カラー画像の表面が平滑に形成され、かつ、濡れ性が高いため、当該カラー画像の表面に吐出されたクリアインクは十分に濡れ広がりやすくなり、凹凸が少なく厚さの薄いクリア画像を形成することができる。したがって、クリアインクの吐出量が少ない場合でも画像の黄変が目立ちにくい良好な画質の画像を印刷することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としてのプリンター等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<印刷装置について>
前述の実施形態では、搬送ドラムを回転させることによって媒体を搬送しながらインクを吐出する印刷装置について説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、媒体を平面的に搬送しながら印刷を行うタイプの印刷装置や、ヘッドユニットをキャリッジに搭載し、キャリッジを移動させながら印刷を行なうシリアルタイプの印刷装置であってもよい。
<ヘッドユニット20について>
前述の実施形態では、CMYKの4色のカラーインク、及び、クリア(CL)のインクを用いて画像を印刷する例が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、ホワイト(W)等、他色のインクを用いて印刷を行ってもよい。
また、ヘッドユニット20のカラーインクヘッドの配列は搬送方向の上流側からCMYKの順に並んでいたが、これに限られるものではない。例えば、イエローヘッド(Y)とマゼンタヘッド(M)の配列の順番が入れ替わっていてもよいし、ブラックヘッド(K)が2つ配置される等、特定のカラーインクヘッドについての設置個数が他のヘッドと異なる構成としてもよい。
<ピエゾ素子について>
前述の各実施形態では、液体を吐出させるための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエーターを用いてもよい。
<プリンタードライバーについて>
前述の各実施形態では、プリンタードライバーの処理はコンピューター110(PC)によって行われていたが、プリンタードライバーをコントローラー60にインストールして、プリンター自体でプリンタードライバーの処理を行ってもよい。
1 プリンター
10 搬送ユニット、12A 上流側搬送ローラー、12B 下流側搬送ローラー、
13 搬送ドラム、
20 ヘッドユニット、21 シアンヘッド、
211 ケース、212 流路ユニット、212a 流路形成板、212b 弾性板、
212c ノズルプレート、212d 圧力室、212e ノズル連通口、
212f 共通インク室、212g インク供給路、212h アイランド部、
212i 弾性膜、
22 マゼンタヘッド、23 イエローヘッド、24 ブラックヘッド、
25 クリアヘッド
30 照射ユニット、31〜34 仮硬化用照射部、35 本硬化用照射部、
40 表面処理ユニット、41 コロナ処理部、42 VUV照射部
50 検出器群、
60 コントローラー、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリー、
64 ユニット制御回路、
70 表面処理ユニット、71 コロナ処理部、
110 コンピューター、
PZT ピエゾ素子、
S フィルム

Claims (7)

  1. 光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出する第1吐出部と、
    前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出する第2吐出部と、
    前記光を照射する照射部と、
    媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう処理部と、
    を備える印刷装置であって、
    前記処理部によって前記媒体を処理した後、
    前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、
    前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記処理部は、コロナ放電を行なうコロナ処理部を備え、
    前記媒体の表面に前記コロナ放電を行うことにより、前記媒体の表面の濡れ性を向上させる、ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記処理部は、所定の電磁波を照射する処理用照射部を備え、
    前記媒体の表面に前記所定の電磁波を照射することにより、前記媒体の表面の濡れ性を向上させる、ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記処理用照射部から照射される所定の電磁波と、前記照射部から照射される光とが異なる波長の電磁波である、ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう第1処理部と、
    前記カラーインクによって形成されるカラー画像の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう第2処理部と、を備え、
    前記媒体の表面を前記第1処理部によって処理した後に、前記カラーインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成し、
    前記媒体上に形成された前記カラー画像を前記第2処理部によって処理した後に、前記クリアインクを吐出することと前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する、ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記クリアインクは、イエローの成分を有する触媒を含有する、ことを特徴とする印刷装置。
  7. 媒体の表面の濡れ性を向上させる処理を行なう工程と、
    光の照射を受けることにより硬化するカラーインクを吐出することと、前記光を照射することとによって、前記媒体上にカラー画像を形成する工程と、
    前記光の照射を受けることにより硬化するクリアインクを吐出することと、前記光を照射することとによって、前記カラー画像の上にクリア画像を形成する工程と、
    を有する印刷方法。
JP2012088543A 2012-04-09 2012-04-09 印刷装置及び印刷方法 Pending JP2013215994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012088543A JP2013215994A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 印刷装置及び印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012088543A JP2013215994A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 印刷装置及び印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013215994A true JP2013215994A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49588724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012088543A Pending JP2013215994A (ja) 2012-04-09 2012-04-09 印刷装置及び印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013215994A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013226669A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Seiko Epson Corp 画像記録装置
CN106626807A (zh) * 2016-12-20 2017-05-10 深圳市贤俊龙彩印有限公司 一种11色平张彩色数码喷墨印刷机
CN111976292A (zh) * 2019-05-23 2020-11-24 精工爱普生株式会社 印刷装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013226669A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Seiko Epson Corp 画像記録装置
CN106626807A (zh) * 2016-12-20 2017-05-10 深圳市贤俊龙彩印有限公司 一种11色平张彩色数码喷墨印刷机
CN111976292A (zh) * 2019-05-23 2020-11-24 精工爱普生株式会社 印刷装置
CN111976292B (zh) * 2019-05-23 2024-02-23 精工爱普生株式会社 印刷装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9327520B2 (en) Printing apparatus and printing method
US8733923B2 (en) Printing device and printing method
JP5560643B2 (ja) 液体吐出装置
JP4742811B2 (ja) 画像形成方法
JP2012179852A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2012183707A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2011140133A (ja) 画像転写装置及び画像転写方法
JP5560658B2 (ja) 印刷装置
JP5586081B2 (ja) インクジェットプリンタ及び印刷方法
JP2013215994A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2011016313A (ja) 液体噴射装置
JP6390234B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム、及び印刷物を生産する方法
JP2013169766A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP6384170B2 (ja) 画像形成装置、画像形成システム、及び印刷物を生産する方法
JP5668822B2 (ja) 印刷装置
JP2013215995A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2011115963A (ja) 印刷装置、及び、印刷方法
JP5966427B2 (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2015116714A (ja) 液体吐出装置、印刷システム、および液体吐出方法
US20230241903A1 (en) Printer
JP2013169765A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2013169767A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2010208218A (ja) 印刷装置
JP2011062996A (ja) 液体吐出装置
JP2014159177A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法。