JP2013078878A - 層形成装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多重画像を容易に形成できるようにする。
【解決手段】一方向に回転する中間転写体14の表面に、刺激に反応して硬化する硬化性溶液30を吐出する第1吐出部18と、第1吐出部18に対する中間転写体14の回転方向下流側に設けられ、中間転写体14の表面に吐出された硬化性溶液30に対して液滴を吐出することで画像を形成する第2吐出部20と、第2吐出部20に対する中間転写体14の回転方向下流側の表面側に設けられ、中間転写体14の表面に吐出された硬化性溶液30を刺激により半硬化させる半硬化手段28と、を備えた層形成装置12とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、層形成装置及び画像形成装置に関する。
インク層に紫外線反応性樹脂を含み、記録媒体に対してインク層が熱転写された後、紫外線を照射することによりインク層を硬化させるインクリボンは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−41024号公報
本発明は、多重画像を容易に形成できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の層形成装置は、一方向に回転する中間転写体の表面に、刺激に反応して硬化する硬化性溶液を吐出する第1吐出部と、前記第1吐出部に対する前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、該中間転写体の表面に吐出された前記硬化性溶液に対して液滴を吐出することで画像を形成する第2吐出部と、前記第2吐出部に対する前記中間転写体の回転方向下流側の表面側に設けられ、該中間転写体の表面に吐出された前記硬化性溶液を刺激により半硬化させる半硬化手段と、を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の層形成装置は、請求項1に記載の層形成装置であって、前記中間転写体の表面に、レンズ層を形成するための微細な凹凸部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明に係る請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1又は請求項2に記載の層形成装置と、前記層形成装置により前記硬化性溶液を半硬化させた硬化性溶液層を多層に形成後に、記録媒体を前記半硬化手段に対する前記中間転写体の回転方向下流側へ搬送する搬送手段と、前記半硬化手段に対する前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記硬化性溶液層を硬化させる硬化手段と、前記搬送手段によって搬送された前記記録媒体に、前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、を有し、前記硬化手段は、前記刺激を前記中間転写体及び前記記録媒体の両方に接触中の前記硬化性溶液層に供給することを特徴としている。
また、請求項4に記載の画像形成装置は、請求項3に記載の画像形成装置であって、前記中間転写体は、前記搬送手段に対して相対的に接近・離隔可能に構成されていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、半硬化手段を備えていない構成に比べて、多重画像を容易に形成することができる。
請求項2に記載の発明によれば、中間転写体の表面に、レンズ層を形成するための微細な凹凸部が形成されていない構成に比べて、レンチキュラー層を有する多重画像を形成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の層形成装置を備えていない構成に比べて、多重画像を記録媒体に転写することができる。
請求項4に記載の発明によれば、中間転写体が搬送手段に対して相対的に接近・離隔可能に構成されていない構成に比べて、より多層の多重画像を形成することができる。
中間転写ベルトに1層目の画像を形成する様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに2層目の画像を形成した様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに形成された多重画像を記録媒体に転写する様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに偽造防止用の画像を形成した様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに形成された偽造防止用の画像を含む多重画像を記録媒体に転写する様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトにレンチキュラーレンズを形成する様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに形成されたレンチキュラーレンズ上に1層目の画像を形成する様子を示す画像形成装置の概略図 中間転写ベルトに形成されたレンチキュラーレンズを含む多重画像を記録媒体に転写する様子を示す画像形成装置の概略図
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、画像が形成される記録媒体P(図3、図5、図8参照)としては、例えば浸透媒体(普通紙、インクジェットコート紙など)や非浸透媒体(アート紙、ユポ紙、PETやPP樹脂フィルムなど)が用いられる。また、記録媒体Pとしては、これらに限られず、例えば半導体基板などの工業製品であってもよい。
まず、第1実施形態について説明する。図1〜図3で示すように、層形成装置12は、液滴の一例としてのインク滴を中間転写体の一例としての中間転写ベルト14の外周面(表面)に吐出して、多重(多層)画像を形成する装置であって、その多重画像を記録媒体Pに転写する画像形成装置10に内蔵されている。
つまり、画像形成装置10は、多重画像を記録媒体Pの表面へ転写するための中間転写ベルト14を備えた層形成装置12と、中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像を転写する記録媒体Pを搬送するための搬送手段の一例としての搬送ベルト40と、を備えている。
搬送ベルト40は、シーム(継ぎ目)の無い無端ベルトで環状に形成されているが、シーム有りのベルトで環状に形成されていてもよい。その際、シーム段差の抑えられた表面部又は裏面部に補強する構成で、被覆層による平滑層を形成することにより、継ぎ目の影響(段差、シーム部の非価値不透過性、シーム傷など)を無くすようにする。また、搬送ベルト40の内周面側には、搬送ベルト40が巻き掛けられる巻掛部材の一例としての複数の巻掛ロール42A、42B、42Cが設けられている。
巻掛ロール42Aは、中間転写ベルト14から見て、記録媒体Pの搬送方向上流側(図示の左側)に配置され、巻掛ロール42Bは、巻掛ロール42A及び中間転写ベルト14から見て、記録媒体Pの搬送方向下流側(図示の右側)に配置されている。そして、巻掛ロール42Cは、後述する平板44から見て、中間転写ベルト14の配置側とは反対側(図示の下側)に配置されている。
複数の巻掛ロール42A、42B、42Cは、1つ又は複数のロールが、搬送ベルト40をその外周面側に押すことで、搬送ベルト40に一定の張力を付与するようになっている。また、複数の巻掛ロール42A、42B、42Cの何れかが回転駆動することにより、搬送ベルト40が一方向(図示の時計回り方向)へ回転する(循環移動する)ように、かつ蛇行しないように、ベルト裏面端部にリブが付与されて構成されている。
また、搬送ベルト40の外周面側(図示の上側)で、かつ記録媒体Pの搬送方向上流側(図示の左側)には、記録媒体Pを搬送ベルト40の外周面(表面)に押し当てる押当ロール46が、搬送ベルト40を挟んで、巻掛ロール42Aに対向する位置に設けられている。
そして、搬送ベルト40は、層形成装置12によって多重画像が形成された後、押当ロール46によって押し当てられた記録媒体Pを、静電力等により搬送ベルト40の外周面に付着させて、記録媒体Pを収容する記録媒体収容部(図示省略)から、記録媒体Pが排出される記録媒体排出部(図示省略)へ向けて、搬送するように構成されている。
また、搬送ベルト40の内周面側には、搬送ベルト40によって搬送される記録媒体Pを平滑に保つための平板(プラテン)44が設けられている。平板44は、巻掛ロール42Aと巻掛ロール42Bとの間であって、搬送ベルト40を挟んで中間転写ベルト14に対向する位置(中間転写ベルト14の下方)に配置されている。
また、この平板44には、後述する転写部材22の一部を構成する転写ロール48が設けられている。なお、記録媒体Pを搬送する搬送手段としては、搬送ベルト40に限られず、例えば記録媒体Pを挟んで搬送する搬送ロール対や、表面(外周面)に記録媒体Pを付着させて搬送する搬送ドラムで構成されていてもよい。
一方、中間転写ベルト14も、シーム(継ぎ目)の無い無端ベルトで環状に形成されているが、シーム有りのベルトで環状に形成されていてもよい。その際、シーム段差の抑えられた表面部又は裏面部に補強する構成で、被覆層による平滑層を形成することにより、連続印刷による継ぎ目の影響を無くすようにする。また、中間転写ベルト14の内周面(裏面)側には、中間転写ベルト14が巻き掛けられる巻掛部材の一例としての複数の巻掛ロール16A、16B、16C、16Dが設けられている。
巻掛ロール16Aは、後述する硬化装置26から見て、記録媒体Pの搬送方向上流側(図示の左側)に配置され、巻掛ロール16Bは、巻掛ロール16A及び硬化装置26から見て、記録媒体Pの搬送方向下流側(図示の右側)に配置されている。そして、巻掛ロール16Cは、巻掛ロール16Bから見て、記録媒体Pの搬送方向下流側(図示の右側)であって、搬送ベルト40の配置側とは反対側(図示の上側)に配置されている。
また、巻掛ロール16Dは、巻掛ロール16Aから見て、記録媒体Pの搬送方向上流側(図示の左側)であって、搬送ベルト40の配置側とは反対側(図示の上側)に配置されている。そして、中間転写ベルト14は、巻掛ロール16Aと巻掛ロール16Bとの間において、搬送ベルト40との間で記録媒体Pを挟むように構成されている。
複数の巻掛ロール16A、16B、16C、16Dは、1つ又は複数のロールが、中間転写ベルト14をその外周面側に押すことで、中間転写ベルト14に一定の張力を付与するようになっている。また、複数の巻掛ロール16A、16B、16Cの何れかが回転駆動することにより、中間転写ベルト14が一方向(図示の反時計回り方向)へ回転する(循環移動する)ように、かつベルト裏面端部にリブを付与して蛇行を防止するように構成されている。
なお、中間転写体としては、中間転写ベルト14に限られず、中間転写ドラムであってもよい。また、中間転写ベルト14の外周面には、後述する硬化性溶液30を剥離しやすくするために離型層を設けてもよい。離型層に用いられる材料としては、例えばフッ素系樹脂材料や(環状)オレフィン系樹脂材料、シリコーン系樹脂材料等が挙げられる。
また、中間転写ベルト14の外周面側(図示の上側)で、かつ後述するインクジェット記録ヘッド20の回転方向上流側には、インクを吸収する吸液粒子を含み、刺激に反応して硬化する硬化性溶液30を吐出する第1吐出部の一例としてのスリットダイコーター18が、巻掛ロール16Cと巻掛ロール16Dとの間に設けられている。このスリットダイコーター18が中間転写ベルト14の外周面に硬化性溶液30を吐出することにより、中間転写ベルト14の外周面に吸液粒子入りの硬化性溶液層32が形成されるようになっている。なお、硬化性溶液30については後述する。
また、このスリットダイコーター18は、中間転写ベルト14の幅方向(巻掛ロール16A、16B、16C、16Dの軸方向)が長手方向とされており、その長手方向に沿った吐出幅が被記録領域以上とされている。すなわち、このスリットダイコーター18には、その吐出幅に沿って、中間転写ベルト14の外周面へ硬化性溶液30を吐出する吐出孔としてのスリット18Aが形成されており、そのスリット18Aの長手方向に沿った吐出幅が被記録領域以上とされている。
また、スリットダイコーター18から見て、中間転写ベルト14の回転方向下流側には、インク滴を吐出する第2吐出部の一例としてのインクジェット記録ヘッド20が、中間転写ベルト14の外周面側に設けられている。このインクジェット記録ヘッド20は、スリットダイコーター18から吐出された硬化性溶液30(硬化性溶液層32)に対して、インク滴を吐出(供給)することで画像を形成するように構成されている。
インクジェット記録ヘッド20は、例えば中間転写ベルト14の回転方向上流側から順に、ノズルからブラック色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20Kと、ノズルからシアン色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20Cと、ノズルからマゼンタ色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20Mと、ノズルからイエロー色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド20Yと、を備えて構成されている。
そして、インクジェット記録ヘッド20は、圧電式(ピエゾ)やサーマル式、ストリーム式などにより駆動され、相対移動する中間転写ベルト14の外周面に吐出された硬化性溶液30(硬化性溶液層32)にインク滴を吐出して画像を形成(記録)するように構成されている。なお、インクジェット記録ヘッド20は、中間転写ベルト14の幅方向(巻掛ロール16A、16B、16C、16Dの軸方向)が長手方向とされており、その長手方向に沿ったノズル領域の幅が被記録領域以上とされている。
また、インクジェット記録ヘッド20が吐出するインクとしては、溶媒として水性溶媒を含む水性インク、水性紫外線硬化型インク、溶媒として油性溶媒を含む油性インク、油性紫外線硬化型インク、相変化型ワックスインクなどが挙げられる。これら各インクの構成については、特に制限はなく、公知の構成のものが適用される。
また、インクジェット記録ヘッド20から見て、中間転写ベルト14の回転方向下流側には、硬化性溶液30(硬化性溶液層32)に各色のインク滴が付与されて、後述する半硬化装置28によって半硬化されることが繰り返し行われることで形成された多重画像を、中間転写ベルト14の外周面から記録媒体Pの表面に転写するための転写手段の一例としての転写部材22が、中間転写ベルト14を内周面側及び外周面側から挟むようにして設けられている。
転写部材22は、中間転写ベルト14が巻き掛けられた巻掛ロール16Aと、搬送ベルト40の内周面側に配置された転写ロール48と、を備えて構成されている。この転写ロール48が巻掛ロール16A側へ圧力を加えた状態で、記録媒体Pが中間転写ベルト14の外周面と搬送ベルト40の外周面との間に挟まれて搬送されることにより、中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像が記録媒体Pの表面へ押し付けられる構成である。
また、転写部材22から見て、中間転写ベルト14の回転方向下流側には、硬化性溶液30を硬化させる硬化手段の一例としての硬化装置26が、中間転写ベルト14の内周面(裏面)側に設けられている。この硬化装置26が、転写部材22によって記録媒体Pの表面へ押し付けられた中間転写ベルト14の外周面における多重画像の硬化性溶液30(硬化性溶液層32)を硬化させることで、その多重画像が中間転写ベルト14の外周面から記録媒体Pの表面へ転写されるようになっている。なお、硬化装置26の具体的な構成については後述する。
また、硬化装置26から見て、中間転写ベルト14の回転方向下流側には、中間転写ベルト14の外周面に残留している硬化性溶液30を除去する除去装置24が、中間転写ベルト14の外周面側に、その中間転写ベルト14の外周面に対して、接触・離隔可能となるように設けられている。
除去装置24には、中間転写ベルト14に接触して、中間転写ベルト14に残留した硬化性溶液30を掻き取る除去部材24Aが備えられており、その除去部材24Aは、例えばポリウレタン、シリコーンゴム、NBRゴムなどのゴム材料でできた板状のブレードで圧接するワイピング方式、又はドクター方式でベルト上に構成されている。また、除去装置24には、除去部材24Aが掻き取った硬化性溶液30を収容する収容部24Bが備えられている。この収容部24Bは、上部が開放された箱体で構成されており、除去部材24Aが掻き取って落下させた硬化性溶液30を受ける受け部となっている。
次に、硬化性溶液30について説明する。この硬化性溶液30は、外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料を少なくとも含んでいる。ここで、硬化性溶液30に含有される「外部からの刺激(エネルギー)により硬化する硬化性材料」とは、外部からの刺激によって硬化し、「硬化性樹脂」となる材料を意味する。具体的には、例えば1つ以上の官能基を持つ紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマー等が挙げられる。
硬化性材料としては、例えば紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料、熱硬化性材料等が挙げられる。紫外線硬化性材料は、硬化し易く、他のものに比べて硬化速度も速く、取り扱いが容易であるため、最も望ましい。電子線硬化性材料は、硬化剤が不要であり、少量の重合開始剤で反応が進行し、硬化後の層の着色制御が実施し易い。熱硬化性材料は、大掛りな装置を必要とすることなく硬化される。なお、硬化性材料は、これらに限られず、例えば湿気、熱、カチオン性開始剤等により硬化する硬化性材料を適用してもよい。また、ここで言う硬化性材料は、硬化後は不可逆である。
紫外線硬化性材料を硬化することにより得られる「紫外線硬化性樹脂」としては、紫外線硬化の官能基を持つ例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂構成のプレポリマー類などが挙げられる。
そして、硬化性溶液30には、紫外線硬化性のモノマー、紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、及び紫外線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種が含まれている。また、硬化性溶液30には、紫外線硬化反応を進行させるための紫外線重合開始剤が含まれていることが望ましい。更に、硬化性溶液30には、必要に応じて、重合反応をより進行させるための反応助剤、重合促進剤、増感剤、粘性調整剤、分散剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。
ここで、紫外線硬化性のモノマーとしては、例えばアルコール/多価アルコール/アミノアルコール類のアクリル酸エステル、アルコール/多価アルコール類のメタクリル酸エステル、アクリル脂肪族アミド、アクリル脂環アミド、アクリル芳香族アミド類等のラジカル硬化性材料;エポキシモノマー、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー等のカチオン硬化性材料;などが挙げられる。
上記した紫外線硬化性のマクロマー、紫外線硬化性のオリゴマー、紫外線硬化性のプレポリマーとしては、これらモノマーを重合させたものの他、エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル骨格に、アクリロイル基やメタクリロイル基を付加した、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルメタクリレート等のラジカル硬化性材料が挙げられる。
電子線硬化性材料を硬化することにより得られる「電子線硬化性樹脂」としては、例えばアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。そして、硬化性溶液30には、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、及び電子線硬化性のプレポリマーの少なくとも1種が含まれている。また、電子線硬化性のモノマー、電子線硬化性のマクロマー、電子線硬化性のオリゴマー、電子線硬化性のプレポリマーとしては、紫外線硬化性の材料と同様のものが挙げられる。
熱硬化性材料を硬化することにより得られる「熱硬化性樹脂」としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。そして、その硬化性溶液30には、熱硬化性のモノマー、熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、及び熱硬化性のプレポリマーの少なくとも1種が含まれている。なお、重合の際に硬化剤を添加してもよい。また、硬化性溶液30には、熱硬化反応を進行させるための熱重合開始剤が含まれていてもよい。
ここで、熱硬化性のモノマーとしては、例えばフェノール、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン、シアヌリル酸アミド、尿素、グリセリン等のポリアルコール、無水フタル酸、無水マレイン酸、アジピン酸等の酸などが挙げられる。熱硬化性のマクロマー、熱硬化性のオリゴマー、熱硬化性のプレポリマーとしては、これらのモノマーを重合させたものや、エポキシプレポリマー、ポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。
以上のように、硬化性材料は、紫外線、電子線、熱等の外部エネルギーにより硬化(例えば重合反応が進行することによる硬化)するものであれば何でもよい。但し、上記した硬化性材料の中でも、画像記録の高速化という観点を考慮すると、硬化速度の速い材料(例えば重合の反応速度が速い材料)が望ましい。このような硬化性材料としては、例えば放射線硬化型の硬化性材料(紫外線硬化性材料、電子線硬化性材料等)が挙げられる。
また、硬化性材料は、中間転写ベルト14等との濡れ性を考慮して、珪素(Si)やフッ素(F)、オレフィン類等による変性がされた樹脂フィルムを用いてもよい。また、硬化性材料には、硬化速度と硬化度を考慮すると、2つ以上の多官能のプレポリマーを含有させるのが望ましい。
また、硬化性材料としては、インクに対して吸液性を有する材料(吸液性材料)が望ましい。吸液性材料とは、吸液性材料と硬化性樹脂媒体とを質量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液性材料を取り出したとき、吸液性材料の質量がインク混合前に対して5%以上増加するものである。
このように、硬化性溶液30がインク吸液性材料を含有することにより、速やかにインク液体成分(例えば水、水性溶媒)が樹脂層に取り込まれて画像が固定化するため、インク間の境界部での混色が抑制され、画像ムラが抑制され、更には転写時の圧力によるインクの転写ムラが軽減される。なお、インクフェザーリング、滲み、ブリーディングを防ぐため、反応性で両親媒性の界面活性剤を1%〜5%程度適宜併用し、画像再現性を更に良好にすることも可能である。
吸液性材料は、例えば吸液樹脂や、表面親インク性を持たせた無機粒子(例えばシリカ、アルミナ、ゼオライトなど)等が挙げられ、用いるインクに応じて選択される。具体的には、インクとして水性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸水材料を用いることが望ましい。また、インクとして油性インクを用いる場合は、吸液性材料として吸油材料を用いることが望ましい。また、硬化性溶液30には、その他の添加剤が適宜添加されていてもよい。
次に、硬化装置26の構成について説明する。硬化装置26は、記録媒体Pに接触した状態の硬化性溶液30(硬化性溶液層32)へ中間転写ベルト14を介して(中間転写ベルト14の裏面側から)刺激を供給するように構成されている。したがって、中間転写ベルト14は、刺激を記録媒体Pへ伝播させる機能を有する。
例えば、刺激として、紫外線や電子線を用いる場合には、紫外線や電子線を透過する機能を有し、熱を用いる場合には、熱を伝達させる機能を有する。なお、硬化装置26の配置位置は、中間転写ベルト14の内周面側に限られず、例えば搬送ベルト40の内周面側に配置されていてもよい。
また、硬化装置26の種類は、適用する硬化性溶液30に含まれる硬化性材料の種類に応じて選択される。具体的には、例えば紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性材料を適用する場合には、硬化装置26としては硬化性溶液30(硬化性溶液層32)に紫外線を照射する紫外線照射装置が適用される。
また、電子線の照射により硬化する電子線硬化性材料を適用する場合には、硬化装置26として硬化性溶液30(硬化性溶液層32)に電子線を照射する電子線照射装置が適用される。また、熱の付与により硬化する熱硬化性材料を適用する場合には、硬化装置26として硬化性溶液30(硬化性溶液層32)に熱を付与する熱付与装置が適用される。
ここで、紫外線照射装置としては、例えばメタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用いて外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、UV−LEDなどが適用される。
また、電子線照射装置としては、例えば走査型/カーテン型等が適用可能であり、カーテン型は、フィラメントで生じた熱電子を真空チャンバー内のグリッドによって引き出し、更に高電圧(例えば70kV〜300kV)によって一気に加速させて電子流とし、窓箔を通過させて、大気側に放出する装置である。
また、熱付与装置としては、例えばハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどが適用される。また、熱付与装置としては、電磁誘導方式の加熱装置も適用される。
そして、このような硬化装置26と同様の構成とされた半硬化手段の一例としての半硬化装置28が、インクジェット記録ヘッド20に対する中間転写ベルト14の回転方向下流側で、かつ硬化装置26に対する中間転写ベルト14の回転方向上流側における外周面側(表面側)に配設されている。
この半硬化装置28は、例えば硬化性溶液30に紫外線硬化性材料を適用する場合には、紫外線を照射する紫外線照射装置を適用するが、このときの紫外線の露光量は、硬化装置26における紫外線の露光量よりも低減される。これにより、中間転写ベルト14の外周面に吐出された硬化性溶液30(硬化性溶液層32)が、半硬化される構成になっている。
つまり、図2で示すように、中間転写ベルト14の外周面に形成され、照射方向や照射エネルギーが制御されることで半硬化状態とされた画像部分が、再度、スリットダイコーター18へ搬送(供給)されて硬化性溶液30が付与され、再度、インクジェット記録ヘッド20によって画像が形成され、再度、半硬化装置28によって半硬化されるという工程が繰り返し行われることにより、中間転写ベルト14の外周面に多重(多層)画像が形成される構成になっている。
そして、図3で示すように、この中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像が、転写部材22及び硬化装置26によって、記録媒体Pに転写・定着される構成になっている。なお、記録媒体Pに転写されるときに最下層となる最後の積層画像は、半硬化装置28によって半硬化させる必要はない。また、反印字面側(ベルト裏面)より硬化・転写・接着・定着させるようにしてもよい。
また、半硬化装置28は、硬化装置26よりも紫外線の露光量を低減させるようにする構成に限定されるものではなく、例えば波長の異なるLED光を用い、その硬化剤成分の有効感度を持つ波長領域で、それぞれ硬化性溶液30を半硬化させるようにしてもよい。また、半硬化装置28に電子線照射装置又は熱付与装置を適用する場合には、紫外線照射装置を適用した場合と同様に、それぞれの出力(熱エネルギー)を低減させればよい。
なお、半硬化装置28を印字面側に配置すると、反印字面側(中間転写ベルト14側)に配置する場合と比べ、初期反応進行方向の違いから、中間転写ベルト14側の硬化性溶液層32の硬化による剥がれを防止することができる。
また、中間転写ベルト14の外周面に順次画像(硬化性溶液30)を積層して行くため、中間転写ベルト14(各巻掛ロール16A、16B、16C、16Dも含む)と硬化装置26及び半硬化装置28は、一体になって(又はそれぞれ独立して)、搬送ベルト40(インクジェット記録ヘッド20)に対して相対的に接近・離隔する方向(図示の上下方向)へ、図示しない公知の移動手段によって移動可能に構成されている。
つまり、中間転写ベルト14と硬化装置26及び半硬化装置28は、1層目の画像が形成される高さ位置が初期位置(上限位置)とされ、インクジェット記録ヘッド20によって1層目の画像が形成されてから、2層目の硬化性溶液30の吐出が開始されるまでの間に、予め決められた高さ分下降する(搬送ベルト40に接近する)ようになっている。そして、3層目以降も、この下降が順次行われ、記録媒体Pに転写するときの高さ位置が最終位置(下限位置)となるように構成されている。
なお、除去装置24は、中間転写ベルト14が最終位置(下限位置)に配置されたときに、その中間転写ベルト14に対して、接触・離隔可能となるように構成されている。また、半硬化装置28は、積層される画像の崩れを防止するために、インクジェット記録ヘッド20によって画像が形成された直後に、その画像(硬化性溶液30)を半硬化できる位置に配設されている。
以上のような構成の第1実施形態に係る画像形成装置10において、次にその作用について説明する。まず、初期位置において、回転する中間転写ベルト14の外周面へ、スリットダイコーター18のスリット18Aから吸液粒子入りの硬化性溶液30が吐出される。すると、その吐出された硬化性溶液30により、中間転写ベルト14の外周面に1層目の硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された1層目の硬化性溶液層32は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、1層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に1層目のカラー画像が形成される(図1参照)。
中間転写ベルト14の外周面に1層目のカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、1層目の硬化性溶液層32を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が予め決められた高さ分下降し、インクジェット記録ヘッド20との距離やスリット18Aとの塗布距離などが一定になるように、その高さ(30〜2000μm)が調整される。そして、その1層目の半硬化された硬化性溶液層32(1層目のカラー画像)が、再度、スリットダイコーター18へ搬送され、その1層目の半硬化された硬化性溶液層32(1層目のカラー画像)の上に、2層目の硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された2層目の硬化性溶液層32は、再度、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、2層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に2層目のカラー画像が形成される(図2参照)。
中間転写ベルト14の外周面に2層目のカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、2層目の硬化性溶液層32を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が更に予め決められた高さ分(印刷膜厚に応じて)下降する。そして、その2層目の半硬化された硬化性溶液層32(2層目のカラー画像)が、再度、スリットダイコーター18へ搬送され、その2層目の半硬化された硬化性溶液層32(2層目のカラー画像)の上に、3層目の硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された3層目の硬化性溶液層32は、再度、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、3層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に3層目のカラー画像が形成される(図3参照)。
ここで、例えば3層目のカラー画像が形成されることで、この多重(多層)画像が完成する(中間転写ベルト14が最終位置に配置される)場合には、3層目の硬化性溶液層32を半硬化装置28によって半硬化させることなく、その多重画像を、搬送ベルト40によって搬送されて来る記録媒体Pにラッピングして硬化転写する。すなわち、中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像は、転写部材22によって記録媒体Pに押し付けられて、その記録媒体Pに積層される。
そして、記録媒体Pに押し付けられて積層された多重画像は、硬化装置26により、1層目〜3層目の硬化性溶液層32が中間転写ベルト14を介した背面露光により完全に硬化されることで、記録媒体Pに転写されるとともに定着される(図3参照)。これにより、記録媒体P上に、例えば専用の眼鏡を掛けることで、立体的に見えるようになる(所謂3Dとなる)多重(多層)画像が形成される。
なお、記録媒体Pへの多重画像の転写が終了すると、除去装置24が中間転写ベルト14の外周面に接近するように移動し、その除去部材24Aが中間転写ベルト14に接触する。そして、その除去部材24Aが、中間転写ベルト14の相対移動に伴って、その外周面に残留した硬化性溶液30を掻き取って落下させるとともに、その落下させた硬化性溶液30を収容部24Bが受け取って収容する。
こうして、中間転写ベルト14の外周面が除去装置24によってクリーニングされたら、中間転写ベルト14は初期位置へ上昇移動し、次の多重画像を形成する態勢を取る。なお、中間転写ベルト14の上下方向(高さ方向)の初期位置及び最終位置は、作成する多重画像の積層数及び積層厚によって適宜決められる。
次に、第2実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図4、図5で示すように、この第2実施形態では、例えば偽造防止用の特殊インク(ホワイト、オレンジ、グリーン、グレー、蛍光色等を含む)を吐出する第2吐出部の一例としてのインクジェット記録ヘッド21と、その特殊インクを吸収する吸液粒子を含んだ硬化性溶液31を吐出する第1吐出部の一例としてのスリットダイコーター19が、更に設けられている点が、上記第1実施形態とは異なっている。
詳細には、特殊インクを吸収する吸液粒子入りの硬化性溶液31を吐出するスリットダイコーター19は、スリットダイコーター18に対する中間転写ベルト14の回転方向下流側で、かつインクジェット記録ヘッド20に対する中間転写ベルト14の回転方向上流側に設けられている。そして、その特殊インクを吐出するインクジェット記録ヘッド21は、インクジェット記録ヘッド20に対する中間転写ベルト14の回転方向下流側で、かつ半硬化装置28に対する中間転写ベルト14の回転方向上流側に設けられている。
以上のような構成の第2実施形態に係る画像形成装置10において、次にその作用について説明する。まず、初期位置において、回転する中間転写ベルト14の外周面へ、スリットダイコーター18のスリット18Aから吸液粒子入りの硬化性溶液30が吐出される。すると、その吐出された硬化性溶液30により、中間転写ベルト14の外周面に1層目の硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された1層目の硬化性溶液層32は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、1層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に1層目のカラー画像が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に1層目のカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、1層目の硬化性溶液層32を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が予め決められた高さ分下降し、インクジェット記録ヘッド20との距離や後述するスリット19Aとの塗布距離などが一定になるように、その高さが調整される。
そして、その1層目の半硬化された硬化性溶液層32(1層目のカラー画像)が、スリットダイコーター19へ搬送され、その1層目の半硬化された硬化性溶液層32(1層目のカラー画像)の上に、スリット19Aから吸液粒子入りの硬化性溶液31が吐出されて、硬化性溶液層34が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に、多重画像の2層目として形成された硬化性溶液層34は、特殊インク用のインクジェット記録ヘッド21に対向する位置へ搬送され、インクジェット記録ヘッド21から、偽造防止用の画像情報に基づいたインク滴が吐出される。これにより、硬化性溶液層34が特殊インクを吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に多重画像の2層目として、偽造防止用の画像が形成される(図4参照)。
中間転写ベルト14の外周面に多重画像の2層目として、偽造防止用の画像が形成されたら、半硬化装置28により、その硬化性溶液層34を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が更に予め決められた高さ分下降し、インクジェット記録ヘッド20との距離やスリット18Aとの塗布距離などが一定になるように、その高さが調整される。
そして、その半硬化された硬化性溶液層34(偽造防止用の画像)が、スリットダイコーター18へ搬送され、その半硬化された硬化性溶液層34(偽造防止用の画像)の上に、スリット18Aから硬化性溶液30が吐出されて、3層目としての硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された3層目の硬化性溶液層32は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、3層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に3層目のカラー画像が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に3層目のカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、3層目の硬化性溶液層32を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が更に予め決められた高さ分、印刷膜厚に応じて離隔(リトラクト)するように下降する。そして、その3層目の半硬化された硬化性溶液層32(3層目のカラー画像)が、再度、スリットダイコーター18へ搬送され、その3層目の半硬化された硬化性溶液層32(3層目のカラー画像)の上に、4層目としての硬化性溶液層32が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に形成された4層目の硬化性溶液層32は、再度、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、4層目の硬化性溶液層32が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に4層目のカラー画像が形成される(図5参照)。
ここで、例えば4層目のカラー画像が形成されることで、この多重(多層)画像が完成する(中間転写ベルト14が最終位置に配置される)場合には、4層目の硬化性溶液層32を半硬化装置28によって半硬化させることなく、その多重画像を、搬送ベルト40によって搬送されて来る記録媒体Pにラッピングして硬化転写する。すなわち、中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像は、転写部材22によって記録媒体Pに押し付けられて、その記録媒体Pに積層される。
そして、記録媒体Pに押し付けられて積層された多重画像は、硬化装置26により、1層目、3層目、4層目の硬化性溶液層32及び2層目の硬化性溶液層34が中間転写ベルト14を介した背面露光により(最下部印刷層が)完全に硬化されることで、記録媒体Pに転写されるとともに定着される(図5参照)。これにより、記録媒体P上に、例えばその記録媒体Pをコピーした書類には「COPY」の文字が浮き出るような偽造防止用の画像が含まれた多重(多層)画像が形成される。
なお、記録媒体Pへの多重画像の転写が終了すると、除去装置24が中間転写ベルト14の外周面に接近するように移動し、その除去部材24Aが中間転写ベルト14に接触する。そして、その除去部材24Aが、中間転写ベルト14の相対移動に伴って、その外周面に残留した硬化性溶液30、31を掻き取って落下させるとともに、その落下させた硬化性溶液30、31を収容部24Bが受け取って収容する。
こうして、中間転写ベルト14の外周面が除去装置24によってクリーニングされたら、中間転写ベルト14は初期位置へ上昇移動し、次の多重画像を形成する態勢を取る。なお、中間転写ベルト14の上下方向(高さ方向)の初期位置及び最終位置は、作成する多重画像の積層数及び積層厚によって適宜決められる。
また、記録媒体P自体が透明である場合には、最後に積層される画像の色をホワイト色(白色)とする必要があるが、この第2実施形態では、インクジェット記録ヘッド21の1つをホワイト色のインク滴を吐出するインクジェット記録ヘッドとすることができるため、その場合に対応することができる。また、この場合、最終面で使用することによる、それ以外の面への硬化露光阻害が少なく、各印字面の反応性の低下が低い。
最後に、第3実施形態について説明する。なお、上記第1実施形態と同等の部位には、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。図6〜図8で示すように、この第3実施形態では、中間転写ベルト14の外周面に対して、透明な硬化性溶液33と吸液粒子35とを分けて付与することにより、例えば専用の眼鏡を掛けることなく立体的に見えたり、見る角度によって絵柄が変化したりするレンチキュラー用のレンズ形状を形成できるようにした点が、上記第1実施形態とは異なっている。
詳細には、吸液粒子35を付与する付与部25は、インクジェット記録ヘッド20に対する中間転写ベルト14の回転方向上流側に設けられている。そして、透明な硬化性溶液33を吐出する第1吐出部の一例としての供給部23は、付与部25に対する中間転写ベルト14の回転方向上流側に設けられている。
更に、中間転写ベルト14の外周面(表面)には、透明な硬化性溶液33により、微細な細長い蒲鉾状の凸レンズが無数に並ぶレンチキュラーレンズが形成されるように、微細な蒲鉾状の凹凸部14Aが無数に形成されている。なお、片面に0.1〜0.2mmの紫外線硬化性樹脂層を塗布形成し、その樹脂層にピッチが0.3mm以下のレンズ層を形成し、そのレンズ層が形成されたベルト性状を持つ中間転写ベルト14を用いてもよい。
以上のような構成の第3実施形態に係る画像形成装置10において、次にその作用について説明する。まず、初期位置において、回転する中間転写ベルト14の外周面(凹凸部14A)へ、供給部23から透明な硬化性溶液33が吐出される。すると、その吐出された硬化性溶液33により、中間転写ベルト14の外周面に、1層目としてのレンズ層36が形成される(図6参照)。なお、このときには、付与部25から吸液粒子35が付与されない。
中間転写ベルト14の外周面に1層目として形成されたレンズ層36は、半硬化装置28により半硬化される。そして、中間転写ベルト14が予め決められた高さ分下降する。その後、レンズ層36は、再度、供給部23へ搬送され、そのレンズ層36の上に、硬化性溶液33が吐出される。そして更に、付与部25へ搬送され、その硬化性溶液33内に吸液粒子35が付与される。これにより、2層目としての硬化性溶液層38が形成される(図7参照)。
中間転写ベルト14の外周面に2層目として形成された硬化性溶液層38は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、2層目の硬化性溶液層38が各色のインクをそれぞれ別途吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に2層目としてのカラー画像が形成される(図7参照)。
中間転写ベルト14の外周面に2層目としてのカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、2層目の硬化性溶液層38を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が更に予め決められた高さ分下降し、インクジェット記録ヘッド20との距離などが一定になるように、その高さが調整される。そして、その2層目の半硬化された硬化性溶液層38(2層目のカラー画像)が、供給部23、続いて付与部25へ搬送され、その2層目の半硬化された硬化性溶液層38(2層目のカラー画像)の上に、3層目としての硬化性溶液層38が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に3層目として形成された硬化性溶液層38は、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、3層目の硬化性溶液層38が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に3層目としてのカラー画像が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に3層目としてのカラー画像が形成されたら、半硬化装置28により、3層目の硬化性溶液層38を半硬化させるとともに、中間転写ベルト14が更に予め決められた高さ分、印刷膜厚に応じてリトラクトするように下降する。そして、その3層目の半硬化された硬化性溶液層38(3層目のカラー画像)が、再度、供給部23、続いて付与部25へ搬送され、その3層目の半硬化された硬化性溶液層38(3層目のカラー画像)の上に、4層目としての硬化性溶液層38が形成される。
中間転写ベルト14の外周面に4層目として形成された硬化性溶液層38は、再度、各色のインクジェット記録ヘッド20に対向する位置へ搬送され、各インクジェット記録ヘッド20Y、20M、20C、20Kから、画像情報に基づいた各色のインク滴が吐出される。これにより、4層目の硬化性溶液層38が各色のインクをそれぞれ吸液粒子に吸収し、中間転写ベルト14の外周面に4層目としてのカラー画像が形成される(図8参照)。
ここで、例えば4層目のカラー画像が形成されることで、この多重(多層)画像が完成する(中間転写ベルト14が最終位置に配置される)場合には、4層目の硬化性溶液層38を半硬化装置28によって半硬化させることなく、その多重画像を、搬送ベルト40によって搬送されて来る記録媒体Pにラッピングして硬化転写する。すなわち、中間転写ベルト14の外周面に形成された多重画像は、転写部材22によって記録媒体Pに押し付けられて、その記録媒体Pに積層される。
そして、記録媒体Pに押し付けられて積層された多重画像は、硬化装置26により、1層目のレンズ層36及び2層目〜4層目の硬化性溶液層38が中間転写ベルト14を介した背面露光により完全に硬化されることで、記録媒体Pに転写されるとともに定着される(図8参照)。これにより、記録媒体P上に、例えばレンチキュラーレンズ37を備えた(レンチキュラー層を有する)多重(多層)画像が形成される。
なお、記録媒体Pへの多重画像の転写が終了すると、除去装置24が中間転写ベルト14の外周面に接近するように移動し、その除去部材24Aが中間転写ベルト14に接触する。そして、その除去部材24Aが、中間転写ベルト14の相対移動に伴って、その外周面に残留した硬化性溶液33及び吸液粒子35を掻き取って落下させるとともに、その落下させた硬化性溶液33及び吸液粒子35を収容部24Bが受け取って収容する。
こうして、中間転写ベルト14の外周面が除去装置24によってクリーニングされたら、中間転写ベルト14は初期位置へ上昇移動し、次の多重画像を形成する態勢を取る。なお、中間転写ベルト14の上下方向(高さ方向)の初期位置及び最終位置は、作成する多重画像(レンズ層36も含む)の積層数及び積層厚によって適宜決められる。また、レンズ層36は、硬化性溶液層38よりも厚く形成される構成にしてもよい。
以上、本実施形態に係る層形成装置12及び画像形成装置10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る層形成装置12及び画像形成装置10は、図示のものに限定されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、記録媒体Pの表面(最外層)を透明なフィルム等でラミネートする場合にも、本実施形態に係る層形成装置12及び画像形成装置10を適用することができる。
また、多層ワンパスプリントは、2度描きが困難なロールメディアには必須の技術であり、紫外線硬化樹脂の速乾性を利用した小ロットサイズポスター、ウィンドディスプレイ、POP、汁器ディスプレイ、多層印刷による3D印刷などに利用される。また、スクリーン印刷に代わる版数レス化による工数削減、スペース省力化及び有効スペース活用に関する置換に対応可能になる。更に、12色の印刷工程から4回連続の多重印刷(多重印刷回数は4回以上が望ましい)による置版の必要性がなく、ロール紙でも対応可能な表裏に異なった印刷も可能で訴求効果を増すことができる。
10 画像形成装置
12 層形成装置
14 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
14A 凹凸部
18 スリットダイコーター(第1吐出部の一例)
19 スリットダイコーター(第1吐出部の一例)
20 インクジェット記録ヘッド(第2吐出部の一例)
21 インクジェット記録ヘッド(第2吐出部の一例)
22 転写部材(転写手段の一例)
23 供給部(第1吐出部の一例)
26 硬化装置(硬化手段の一例)
28 半硬化装置(半硬化手段の一例)
30 硬化性溶液
31 硬化性溶液
32 硬化性溶液層
33 硬化性溶液
34 硬化性溶液層
36 レンズ層
38 硬化性溶液層
40 搬送ベルト(搬送手段の一例)
P 記録媒体

Claims (4)

  1. 一方向に回転する中間転写体の表面に、刺激に反応して硬化する硬化性溶液を吐出する第1吐出部と、
    前記第1吐出部に対する前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、該中間転写体の表面に吐出された前記硬化性溶液に対して液滴を吐出することで画像を形成する第2吐出部と、
    前記第2吐出部に対する前記中間転写体の回転方向下流側の表面側に設けられ、該中間転写体の表面に吐出された前記硬化性溶液を刺激により半硬化させる半硬化手段と、
    を備えたことを特徴とする層形成装置。
  2. 前記中間転写体の表面に、レンズ層を形成するための微細な凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の層形成装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の層形成装置と、
    前記層形成装置により前記硬化性溶液を半硬化させた硬化性溶液層を多層に形成後に、記録媒体を前記半硬化手段に対する前記中間転写体の回転方向下流側へ搬送する搬送手段と、
    前記半硬化手段に対する前記中間転写体の回転方向下流側に設けられ、前記硬化性溶液層を硬化させる硬化手段と、
    前記搬送手段によって搬送された前記記録媒体に、前記硬化性溶液層を転写する転写手段と、
    を有し、
    前記硬化手段は、前記刺激を前記中間転写体及び前記記録媒体の両方に接触中の前記硬化性溶液層に供給することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記中間転写体は、前記搬送手段に対して相対的に接近・離隔可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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