JP5584486B2 - バラスト水製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば貨物船のような船舶に搭載されるバラスト水の製造を行う装置に関するものである。
例えば、船舶、特に貨物船では、積荷を搭載していないときは、船の重心を下げるために、船内に設けたバラストタンクに海水などを積んで船体を安定させる対策が取られている。バラスト水は立ち寄る港で荷物を積載する際に船外へ排出されるが、外航船では、バラスト水に含まれる水生生物が多国間を行き来し、外来種として生態系に影響を与える問題が指摘されている。
近年、このようなバラスト水に関する問題を解決するために、国際的にバラスト水排出規則の取り組みが行われている。具体的には、バラスト水中に含まれる50μm以上のプランクトン(主に動物性プランクトン)、10〜50μmのプランクトン(主に植物性プランクトン)および菌類(大腸菌、腸球菌等)の数を規制するものである。これらの規制を満たすための処理方法は、通常、フィルトレーション、高速・高圧のジェット流によりプランクトンを死滅させるキャビテーションなどの機械的処理と、薬剤、オゾンなどを投入する化学的処理とを組み合わせて行われる(例えば、非特許文献1)。
海事総合誌 隔月間コンパス 2007年9月号 32〜39頁
上述の従来のバラスト水製造装置では、フィルトレーション用のフィルタの孔径は比較的大きい50μm程度であった。これは、孔径が小さいと目詰まりが起こり易くなり、これを避けるためにフィルタのろ過面積を大きくする必要があるので、装置が大型化して船舶の搭載に不利となるからである。そこで、50μm以下のプランクトンは、高速高圧でスクリーンに海水を吹き付けてプランクトンをすり潰すキャビテーションや、薬剤投与によって処理している。
しかしながら、キャビテーションによる処理では、高速高圧で海水を吹き付けるので、動力が過大になるうえに、プランクトンの数を必要以上に減らしてしまうので、バラスト水積込み側の海洋の生態系に影響を与える恐れがある。
また、塩素や次亜塩素酸ナトリウムなどの薬剤を投入して、次亜塩素酸を発生させ、プランクトンを処理する方法では、プランクトンを殺滅するのに多量の薬剤が必要となるばかりでなく、バラスト水を海洋に排出する際にはチオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を投与して中和する必要があり、環境側面からも負荷が高い上、毎回の処理費用が高額になる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、海中に生息するプランクトンを可能な限り損傷させることなく船外へ戻すことができ、かつ小型で処理コストを低く抑えることのできるバラスト水製造装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るバラスト水製造装置は、ろ材およびそれを収容する筐体を含み、原水をろ過するろ過ユニットと、前記ろ過ユニットでろ過されたろ過水に固形次亜塩素酸カルシウムを投入する化学処理ユニットとを備えたバラスト水製造装置であって、前記筐体が、前記ろ材に原水を供給する原水供給口と、ろ過水の取出口と、前記ろ材に逆洗用の流体を供給する流体供給口と、前記ろ材を逆洗した流体および前記原水を排出する排出口を有し、前記ろ材が孔径1〜25μmのデプスフィルタである。逆洗用の流体としては、気体や液体が用いられ、好ましくは気体であり、より好ましくは、空気、窒素等の不活性ガスである。
孔径は、以下のように定義される。一定の直径を有する粒子、好ましくは球状ポリスチレンまたはガラスビーズを水中に10000個/L添加した液を、デプスフィルタ(外径60mm、内径30mm、長さ250mm)に25℃、1.0m/hの条件で通水させ、デプスフィルタを透過した粒子数を光学式カウンターで測定し、通水前後の液中に存在する粒子数の差を通水前の液に存在する粒子数で除して得られる捕集率(R%)を複数の粒子について測定し、その測定値を元にして下記の近似式(1)において、Rが80となる粒子の直径(S)の値を求め、これを孔径とする。
R=100/(1−m×exp{−a×log(S)}) (1)
ここで、m,aは、デプスフィルタの性状により決まる定数である。
例えば、粒子の直径が1μmの場合は、球形ポリスチレン微粒子(10000個/L)を添加した液を、デプスフィルタ(外径60mm、内径30mm、長さ250mm)に上記の条件で通水させることで測定が可能である。
この構成によれば、ろ材にデプスフィルタを用いているので、サーフェスフィルタを用いる場合に比べて、初期導入費用を抑えることができる。また、逆流洗浄を行うことで、ろ材のろ過性能を回復させて使用できるので、ろ材の交換頻度を少なくして、維持管理費用を抑えることができる。さらに、デプスフィルタの孔径が1〜25μmであるので、大部分のプランクトンを生かしたまま捕捉して船外へ排出することができ、バラスト水積込み側の海洋の生態系を壊さないうえに、従来のようなプランクトンを処理するためのキャビテーションや薬剤投与の必要がなくなるから、動力の消費電力量や次亜塩素酸カルシウムの使用量が少なくて済み、バラスト水を海水に戻す際の還元剤による中和工程も不要となる。その結果、小型で処理費用の安いシステムを構築することができる。
本発明において、前記化学処理ユニットが、固形次亜塩素酸カルシウムを収納した容器と、この容器から取り出された固形次亜塩素酸カルシウムを溶解させた濃縮液を前記ろ過水に投入して、発生する次亜塩素酸により微生物を処理するユニットであることが好ましい。この構成によれば、固形の次亜塩素酸カルシウムを用いているので、液体の薬剤とは異なり、陸上海上を問わず輸送が容易かつ経済的であり、輸送に関する法規上の制約が緩和される。また、次亜塩素酸カルシウムは融点が高いので、高温になりやすい船内であっても保管が容易である。さらに、固形であるから容積が小さく、保管場所が少なくて済み、同時に装置自体も小型化することができ、限られた船内スペースに設置する場合に有利である。
本発明において、前記化学処理ユニットは、前記ろ過水を供給する送水通路から分岐して取り出したろ過水の一部に前記固形次亜塩素酸カルシウムを溶解させ、前記送水通路のろ過水に合流させるものであり、前記分岐箇所と合流箇所との間に、前記送水通路のろ過水の流量を減少させる絞り手段が設けられていることが好ましい。この構成によれば、流量を減少させたことで余剰となったろ過水が、分岐箇所から固形次亜塩素酸カルシウムに供給されるので、専用のポンプのような供給手段が不要となり、構成が簡単になるうえに、必要な電力を減らすことができる。前記絞り手段に代えて、小容量の小型注入ポンプを設けて、ろ過水の一部を前記送水通路から取り出してもよい。
本発明において、前記固形次亜塩素酸カルシウムは密閉された容器に収納されていることが好ましい。この構成によれば、塩素の臭いが船内に漏れるのが抑制される。また、固形次亜塩素酸カルシウムを交換する際には、容器ごと交換すればよいので、次亜塩素酸カルシウムが人や船内の空気に直接触れることがない。
本発明において、前記ろ材が前記ろ過水取出口に向かって斜め上方へ20〜70°の傾斜角で傾斜するように配置することもできる。この構成によれば、ろ過水取出口側に位置する、デプスフィルタの開口端が斜め上方に開口することになるので、低位のデプスフィルタの閉止端付近の空気が開口端から抜けるから、デプスフィルタ内に空気が残るのを防いで、デプスフィルタの全体を使って効率的にろ過を行うことができる。
本発明に係るバラスト水の製造方法は、本発明のバラスト水製造装置を用いたバラスト水製造方法であって、前記ろ材からバラストタンクへのろ過水の供給およびろ材への流体の供給を停止した状態で、前記ろ過ユニットを経て前記排出口から流体を原水とともに排出する準備工程と、ろ材からの原水の排出とろ材への流体供給とを停止した状態で、ろ過ユニットに原水を供給して、ろ過水を前記ろ過水取出口に送るろ過工程と、バラストタンクへのろ過水の供給を停止した状態で、ろ材に原水を供給しながら、ろ過水側からろ材へ流体を供給し、この流体を前記原水とともに前記排出口から前記排出通路を経て船舶の外部へ排出する逆洗工程とを備えている。ろ過ユニットで処理された処理水は、次亜塩素酸カルシウムユニットを通過して、菌類(大腸菌、腸球菌等)が除去される。
この構成によれば、海中に生息するプランクトンを可能な限り損傷させることなく船外へ戻すことができ、かつ小型で処理コストを低く抑えることができる。また、ろ過ユニットへは原水が常に供給されているので、通路内に急激な圧力変動が起こるのを避けることができ、水撃の発生を防止することができる。さらに、逆洗工程においても原水がろ過ユニットへ供給されるので、逆洗用流体を原水供給側に逆流させることなく、スムーズに排水できる。
本発明のバラスト水製造装置によれば、逆流洗浄を行うことで、ろ材のろ過性能を回復させて使用することができ、維持管理費用を抑えることができる。また、逆流洗浄中もろ過ユニットに原水が常に供給されているので、逆洗用流体を原水供給側に逆流させることなく、スムーズに排水できる。また、大部分のプランクトンを生かしたまま捕捉することができ、バラスト水積込み側の海洋の生態系を壊さないうえに、動力の消費電力量や次亜塩素酸カルシウムの使用量が少なくて済み、バラスト水を海水に戻す際の中和剤も不要となる。その結果、小型で処理費用の安いシステムを構築することができる。
本発明の第1実施形態に係るろ過ユニットを備えたバラスト水製造装置の系統図である。 同上ろ過ユニットの拡大断面図である。 同上ろ過システムの運転工程表である。 本発明の第2実施形態に係るバラスト水製造装置における化学処理ユニットの系統図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るろ過ユニットを備えた船舶のバラスト水製造装置の概略系統図である。バラスト水製造装置1は船舶S内に設置されており、原水RWを船舶S内に取り込むバラストポンプ2と、船舶内に取り込まれた原水RWをろ過するろ過ユニット4と、ろ過ユニット4でろ過されたろ過水FWに次亜塩素酸カルシウムを投入する化学処理ユニット3とを備えている。ろ過ユニット4には、バラストポンプ2により原水RWが供給される原水通路5と、ろ過ユニット4からのろ過水FWを船舶S内に設置されたバラストタンク6に供給する送水通路8と、ろ過ユニット4内の原水RWを後述する圧縮空気Aとともに船外へ排出する排出通路14とが接続され、送水通路8にはろ過ユニット4へ圧縮空気Aを供給する流体供給通路12が接続されている。さらに、送水通路8がろ過ユニット4に接続されるろ過水取出口16(後述する)には、排出通路14に連なるエア抜き用通路19が接続されている。これにより、船舶Sに搭載済みの既存のバラスト水製造装置に対して、そのろ過ユニットを本発明のろ過ユニット4に交換し、さらに既存の送水通路に流体供給通路12を接続することで、既存のバラスト水製造装置にも本発明を容易に適用できる。
各通路5,8,12,14,19は配管により形成されている。ろ過ユニット4は、筒形の筐体9内にろ過膜を形成するろ材であるデプスフィルタ10が収納されている。本実施形態では、バラストポンプ2は船舶に搭載されているが、船外に設けられてもよく、例えば、港に設置されていてもよい。
原水通路5には、原水の供給弁として機能する第1自動開閉弁MV1が接続され、原水通路5における第1自動開閉弁MV1とろ過ユニット4の間、つまりろ過ユニット4の一次側に一次圧力センサP1が設けられている。送水通路8には、ろ過水FWの送水弁として機能する第2自動開閉弁MV2が接続され、送水通路8における第2自動開閉弁MV2とろ過ユニット4の間、つまりろ過ユニット4の二次側に二次圧力センサP2が設けられている。
さらに、送水通路8におけるバラストタンク6の上流側に化学処理ユニット3が設けられている。化学処理ユニット3は、ろ過ユニット4によりろ過されたろ過水FW内に残留したプランクトンや菌類を次亜塩素酸カルシウムで処理するもので、固形次亜塩素酸カルシウムが収納された容器26を有している。
容器26は固形の次亜塩素酸カルシウムが収納された密閉式の容器である。化学処理ユニット3は、さらに送水通路8の分岐点8aからろ過水FWの一部を分岐させて容器26にろ過水FWを供給する分岐通路15と、容器26内の固形次亜塩素酸カルシウムを溶解させた濃縮液を送水通路8における分岐点8aの下流の合流点8bに合流させる合流通路17とを有している。ろ過水FWの一部は分岐通路15を通じて容器26に入り、容器26内に収納された顆粒状の固形次亜塩素酸カルシウムの間を通るうちに固形次亜塩素酸カルシウムを徐々に溶解させ、高濃度の次亜塩素酸溶液となる。これにより、例えば飽和濃度に対して90%の濃度の次亜塩素酸カルシウム濃縮液が得られ、これが、合流通路17を通って送水通路8のろ過水FWと合流する。合流したろ過水FWと次亜塩素酸濃縮液は、送水通路8に設けたミキサー28で撹拌されて均一化され、ろ過水FW内に残留したプランクトン、菌類等を処理する。
分岐点8aと合流点8bとの間には、送水通路8を通過するろ過水FWの流量を減少させる、オリフィスのような絞り手段25が設けられている。絞り手段25は、通路面積を小さく絞るので、これにより、絞り手段25の入口の圧力が、出口の圧力よりも高くなる。その圧力差は1〜10kPa程度が好ましい。この圧力差により、高圧力側の分岐点8aのろ過水FWの一部が、分岐通路15に流入し、容器26および合流通路17を経由して、低圧力側の合流点8bに戻される。したがって、送水通路8から容器26へろ過水FWを供給するためのポンプは不要である。
合流通路17には濃縮液の流量を調整する第6自動調整弁MV6が設けられ、送水通路8におけるミキサー28の下流側には、ろ過水FW内の残留塩素濃度を計測する残留塩素計Mが設けられ、第6自動調整弁MV6で濃縮液の流量を調整することで、ろ過水FW内の残留塩素濃度が設定値となるように制御されている。第6自動開閉弁MV6の駆動は、コントローラ30により制御され、第6自動開閉弁MV6としては、エア駆動弁、電動弁、電磁弁あるいはコントローラを使用しない手動弁などが用いられる。
流体供給通路12には圧縮空気導入弁として作用する第3自動開閉弁MV3が接続され、排水通路14には、排水弁として作用する第4自動開閉弁MV4が接続され、エア抜き用通路19にはエア抜き弁として作用する第5自動開閉弁MV5が接続されている。前記流体供給通路12の一端は図示しない空気圧縮機に接続されており、他端がろ過ユニット4の下部の二次側に接続されている。なお、流体供給通路12の他端は、送水通路8におけるろ過ユニット4近傍、より具体的には、ろ過ユニット4と二次圧力センサP2との間に接続してもよい。バラストポンプ2および第1〜6自動開閉弁MV1〜MV6の駆動は、コントローラ30により制御されている。また、一次圧力センサP1、二次圧力センサP2および残留塩素計Mの出力はコントローラ30に入力されている。
空気圧縮機は船舶に別の用途で搭載されているものを使用してもよいし、専用のものを設置してもよい。また、各自動開閉弁MV1〜6としては、エア駆動弁、電動弁、電磁弁あるいはコントローラを使用しない手動弁などが用いられる。
デプスフィルタ10は、一端が開口し、他端が閉止部材13により閉塞された中空円筒状であり、その一端である開口端10aをろ過水取出口16に向けることにより、デプスフィルタ10の中空部11をろ過水取出口16に連通させている。原水RWは、デプスフィルタ10を径方向に通過する際に、フィルタ内部の空孔により異物が捕捉され、ろ過水FWが得られる。デプスフィルタ10はまた、ろ過ユニット4の筐体9内に着脱自在に収納されて、開口端10aが他端である閉止端10bよりも上になるよう、つまり、ろ過ユニット4がろ過水取出口16に向かって斜め上方へ傾斜するように配置されている。デプスフィルタ10の長手方向の中心線Cと水平面Hとのなす角である傾斜角αは20〜70°が好ましく、より好ましくは、30〜60°である。
ろ過ユニット4の拡大断面図である図2に示すように、傾斜したろ過ユニット4の円筒状の筐体9は、下側の一端壁9aと、周壁9bと、上側の他端壁9cとからなり、軸心Cが傾斜して、一端壁9aから他端壁9cに向かって斜め上方へ傾斜するように配置されている。筐体9の一端壁9aに排出通路14に接続される排出口22が、周壁9bにおける一端壁9a付近に原水通路5に接続される原水供給口18が、周壁9bにおける他端壁9c付近に流体供給通路12に接続される流体供給口24および送水通路8に接続されるろ過水取出口16が、それぞれ形成されている。ろ過水取出口16は、傾斜した周壁9bにおける周方向の最上部に配置されている。
筐体9の周壁9bにおける流体供給口24およびろ過水取出口16よりも軸方向の下方に環状の底板9dが設けられ、デプスフィルタ10の開口端10aが該底板9dに支持されている。つまり、筐体9における他端壁9cと底板9dとの間には空間Sが形成され、この空間Sに流体供給口24、ろ過水取出口16およびデプスフィルタ10の開口端10aが臨んでおり、デプスフィルタ10の中空部11と空間Sが連通している。筐体9と同心のデプスフィルタ10も傾斜しており、開口端10aが閉止端10bよりも上になるように配置されている。原水供給口18および排出口22は、デプスフィルタ10の一次側に設けられており、ろ過水取出口16は二次側に設けられている。
デプスフィルタ10は外圧方式の円筒状フィルタであり、縦断面形状がコ字形である。該デプスフィルタ10は、例えば、合成繊維や化学繊維をウェブ、不織布、紙、織物等の形態にして溶着・成形等を行い、円筒状に加工した積層タイプと呼ばれるものが例示される。合成繊維としては、ポリオレフィン、ポリエステル、あるいはナイロンやエチレンビニルアルコール共重合体などの熱溶融性ポリマーまたはポリビニルアルコールやポリアクリロニトリルなどのポリマーを用いることができる。中でも、気体による逆流洗浄を行う場合、フィルタ交換時の液きり性の観点から、ポリオレフィンおよびポリエステル、具体的には、ポリプロピレンが好ましい。また、フィルタはその厚み方向において、繊維の密度や繊度を変更し、フィルタの外側(原水流入側)において、繊維密度が低い、あるいは繊度が大きい構造が好ましい。該デプスフィルタ10としては、他にも、フィラメントや紡績糸をスパイラル状に巻きつけた糸巻きフィルタと呼ばれるものや、スポンジのような樹脂成形体である樹脂成形タイプと呼ばれるものがある。
ろ過膜の孔径は、好ましくは1〜25μmであり、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1〜10μmである。孔径が小さ過ぎると目詰まりが発生し、圧力損失が大きくなる。孔径が大き過ぎると小さいプランクトンが通過してしまうので、これを減らすためにキャビテーションなどの別途手段が必要となり、バラスト水製造費用が高くなる。
デプスフィルタ10は当該ろ過ユニット4においては逆洗可能であり、逆洗によりろ過性能を回復させて、ろ過時の差圧が上昇することなく使用できる。本実施形態では、逆洗は、コンプレッサ(図示しない)から流体供給通路12(図1)を通って供給される圧縮空気Aにより行っており、流体供給口24からの圧縮空気Aの供給圧は、一次圧力センサP1の指示圧力よりも0.05〜0.2MPa高い圧力である。逆洗に用いられる流体は空気以外の気体、例えば窒素等でもよく、また、真水、ろ過された海水等の液体でもよい。
次に、図1および図3を用いて、バラスト水製造装置の運転方法、つまり、本実施形態に係るろ過ユニットによるろ過水製造方法および次亜塩素酸カルシウム処理方法について説明する。図3に示すように、バラスト水製造装置の運転方法は、ろ過の準備工程であるエア抜き工程、第1切替工程、ろ過工程、第2切替、第3切替および逆洗工程からなる。
コントローラ30に設置された始動ボタン(図示しない)を操作してバラスト水製造装置1を作動させると、まずバラストポンプ2が起動し、第1自動開閉弁MV1と第5自動開閉弁MV5とを開いてエア抜き工程に入る。エア抜き工程では、第2自動開閉弁MV2、第3自動開閉弁MV3および第4自動開閉弁MV4を閉じて、デプスフィルタ10からバラストタンク6へのろ過水FWの供給およびデプスフィルタ10への圧縮空気Aの供給を停止した状態で、ろ過ユニット4のろ過水取出口16からエア抜き通路19を経て排出通路14にろ過水FWを流して、船外へ排出することにより、原水通路5およびろ過ユニット4のエア抜きを行う。ろ過水取出口16は、ろ過ユニット4の最上部付近に位置しているので、ろ過ユニット4内の空気がろ過水取出口16からエア抜き通路19に円滑に排出される。
次に、第2自動開閉弁MV2を開いて第1切替工程に入る。第1切替工程では、デプスフィルタ10への圧縮空気Aの供給を停止した状態で、ろ過ユニット4を経て、排出通路14および送水通路8にろ過水FWをそれぞれ供給する。
つづいて、第5自動開閉弁MV5を閉じてろ過工程に入る。ろ過工程では、デプスフィルタ10からの排水とデプスフィルタ10への圧縮空気供給とを停止した状態で、ろ過ユニット4に原水RWを供給して、ろ過水FWを送水通路8に送る。このとき、原水RWはデプスフィルタ10の外側からデプスフィルタ10のろ過膜を通過して中空部11へ流入することにより、原水RW中の異物が除去されてろ過される。ろ過水FWの一部は分岐通路15を通って、化学処理ユニット3へ供給される。
化学処理ユニット3において、次亜塩素酸カルシウムが投入されたろ過水FWは、合流点8bで送水通路8に戻されてろ過水FWと合流し、ミキサー28で撹拌されてバラストタンク6へ供給される。
次に、第4自動開閉弁MV4を開いて第2切替工程に入る。第2切替工程では、デプスフィルタ10への圧縮空気Aの供給を停止した状態で、原水RWをろ過ユニット4に供給することにより、ろ過水FWを送水通路8に流し、原水RWを排出通路14に流す。
つづいて、第2自動開閉弁MV2を閉じて第3切替工程に入る。第3切替工程では、デプスフィルタ10からバラストタンク6へのろ過水FWの供給およびデプスフィルタ10への圧縮空気Aの供給を停止した状態で、原水RWを排出通路14に流す。こうしてデプスフィルタ10からのろ過水FWの供給を停止することにより、次の逆洗工程におけるろ過水FWの流れ方向と逆方向への圧縮空気Aの供給開始に備える。
次に、第2自動開閉弁MV2を閉じたままで、第3自動開閉弁MV3を開けて逆洗工程に入る。逆洗工程では、バラストタンク6へのろ過水FWの供給が停止されている状態で、ろ過ユニット4に原水RWを供給しながらデプスフィルタ10の中空部11へ圧縮空気Aを供給し、この圧縮空気Aを原水RWとともに排出通路14に流す。これにより、圧縮空気Aがろ過工程とは逆方向にデプスフィルタ10を通過して、デプスフィルタ10に付着した異物および筐体9内に溜まった異物をろ過ユニット4外へ導出させ、排出通路14から船舶Sの外部へ排出する。
逆洗工程が完了すると、第3自動開閉弁MV3および第4自動開閉弁MV4を閉め、第5自動開閉弁MV5を開けてエア抜き工程に戻る。以降このループが繰り返される。エア抜き工程の継続時間は、タイマのような時限装置により可変設定される。設定時間は処理設備の規模によって異なるが、例えば、数秒〜1分程度である。第1、第2および第3切替工程はごく短時間、例えば数秒程度であり、これもタイマのような時限装置により可変設定される。このように、ろ過工程および逆洗工程に入る前に、第1、第2および第3切替工程を経由させることで、通路内に急激な圧力変動が起こるのを避けることができる。ろ過工程および逆洗工程の時間は、原水の水質や設備の規模により異なるが、例えば、10分程度で、これもタイマのような時限装置により可変設定される。ろ過工程から第2切替工程への移行は、一次圧力センサP1と二次圧力センサP2との差圧△P(=P1−P2)が規定値よりも大きくなった時点で行うようにしてもよい。
ろ過工程中は、コントローラ30が常時差圧△Pおよび残留塩素濃度を監視しており、差圧△Pまたは残留塩素濃度が警報値H1を上回ると、例えばブザーのような警報を発し注意を促す。この時点では水処理装置1は運転を継続する。さらに、差圧△Pまたは残留塩素濃度が大きくなり非常停止値H2を上回ると、例えばベルのような警報を発し、水処理装置1が緊急停止する。具体的には、コントローラ30がバラストポンプ2を停止させ、すべての自動開閉弁MV1〜6を閉止させる。
急激な圧力変化や、流速変化はプランクトンに損傷を与えるだけでなく、パラストポンプ2、各自動開閉弁MV1〜6、各通路5,8,12,14に水撃(ウォータハンマ)が発生してしまうが、図3の運転方法のように、バラストポンプ2が常に運転してバラストポンプ2からの原水RWの供給が止まることがなく、しかも各自動開閉弁MV1〜5の開閉タイミングを調節しているので、マイルドな運転を行うことができる。また、原水RWを流しながら逆洗を行うので、バラストポンプ2の吐出圧と圧縮空気Aの空気圧によりスムーズに排水できるうえに、別途ドレンポンプやドレン配管が不要となり、システムを簡素化できる。
上記構成において、デプスフィルタ10を形成するろ過膜の孔径が1〜25μmであるので、フィルタの目詰まりによる圧力損失を抑えつつ、大部分のプランクトンを生かしたまま捕捉することができ、バラスト水積込み側の海洋の生態系を壊さないうえに、従来のようなプランクトンを処理するためのキャビテーションや多量の薬剤投与をする必要がなくなるから、動力の消費電力量や薬剤の使用量が少なくて済み、バラスト水を海水に戻す際の還元剤による中和工程も不要となる。その結果、小型で処理費用の安いバラスト水製造装置を構築することができる。また、デプスフィルタ10を逆流洗浄しているので、デプスフィルタ10のろ過性能を回復させて使用することができ、処理費用をさらに削減することができる。さらに、安価なデプスフィルタ10を用いているので、平膜のようなフィルタ表面で異物を捕捉するサーフェスフィルタを用いる場合に比べて、初期導入費用を抑えることができる。
また、化学処理ユニット3は、固形の次亜塩素酸カルシウムを用いているので、液体の薬剤とは異なり輸送が容易である。また、次亜塩素酸カルシウムは融点が高いので、高温になりやすい船内であっても保管が容易である。
さらに、送水通路8の分岐点8aと合流点8bとの間に、ろ過水FWの流量を減少させる絞り手段25が設けられており、流量を減少させたことで余剰となったろ過水FWが、分岐点8aから固形次亜塩素酸カルシウムを収納した容器26に供給されるので、専用のポンプのような供給手段が不要で、構成が簡単になるうえに、必要な電力を減らすことができる。
また、固形次亜塩素酸カルシウムは密閉された容器26に収納されているので、塩素の臭いが船内に漏れるのが抑制される。さらに、固形次亜塩素酸カルシウムを交換する際には、容器26ごと交換すればよいので、次亜塩素酸カルシウムが人や船内の空気に直接触れることがない。
さらに、デプスフィルタ10の開口端10aが斜め上方に開口しているので、逆洗工程からエア抜き工程に切り換えた際に、デプスフィルタ10の閉止端10b付近の空気が開口端10aから抜けるから、デプスフィルタ10に空気が残るのを防いで、ろ過工程においてデプスフィルタ10の全体を使って効率的にろ過を行うことができる。この水平方向に対する傾斜角αが大き過ぎると、ろ過ユニット4の上下寸法が大きくなるので、取り外し等のメンテナンスの際に、ろ過ユニット4の上方にデプスフィルタ10を抜き出すための広いスペースが必要となり、小さ過ぎると、ろ過ユニット4内の閉止端10b付近の空気Aが抜け難くなる。したがって、この傾斜角αは20〜70°であることが好ましい。
さらに、上記運転方法によれば、図3に示すように、システム稼働中はバラストポンプ2が常に運転している、つまり、ろ過ユニット4へは原水RWが常に供給されているので、通路内に急激な圧力変動が起こるのを避けることができ、水撃の発生を防止することができる。また、逆洗工程においても原水RWがろ過ユニット4へ供給されるので、圧縮空気Aの供給圧と原水RWの供給圧とにより、圧縮空気Aを原水通路5内に逆流させることなく、原水流にのせてスムーズに排水できる。
また、デプスフィルタは、被ろ過物質をフィルタの表面のみで捕集するサーフェスフィルタと異なり、フィルタの厚み方向全体で被ろ過物質を捕集することができるので、捕集量が多く、フィルタが長時間目詰まりを起こすことがない。
図4は第2実施形態に係るバラスト水製造装置における化学処理ユニット3Aの系統図である。第2実施形態は、第1実施形態の化学処理ユニット3を化学処理ユニット3Aに置き換えたもので、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。第1実施形態と同じ構成については図1と同一の符号を付し、説明は省略している。第1実施形態では、使用する顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムの全量を一度に溶解させるように構成されているが、図4における化学処理ユニット3Aでは、顆粒状の固形次亜塩素酸カルシウムの大部分はホッパー50に顆粒状のまま保管され、適宜、計量管51で計量された一部が溶解槽53で溶解されるようになっている。この実施形態では、計量管51は、重量センサ(図示せず)を有しており、顆粒状の固形次亜塩素酸カルシウムが所望の重量に達したことを検知できるようになっている。計量管51の構成はこれに限定されず、例えば、所定の容積に達したことを検知するようなものでもよい。ホッパー50の下部とその下方の計量管51とが第1バルブ54を介して接続され、計量管51とその下方の溶解槽53とが第2バルブ55を介して接続されている。
第2実施形態では、ホッパー50に多量(例えば1000g)の顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムが充填され、任意のタイミングで第1バルブ54が開いて、計量管51に顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムが導入される。計量管51で必要量(例えば45g)の顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムを量り取り、第1バルブ54が閉じた後に第2バルブ55が開いて、溶解槽53に必要量の顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムが導入される。導入後、第2バルブ55は閉じる。溶解槽53には、送水通路8から分岐した分岐通路15を通ってろ過水FWが流入し、溶解槽53に設けられた撹拌機56で撹拌することで顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムをろ過水FWに溶解させて高濃度(例えば、3000mg/L)の次亜塩素酸カルシウムを製造し、合流通路17を経由して送水通路8に合流させた後、ミキサー28で撹拌して、例えば有効塩素濃度1mg/Lの処理水を調製している。顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムを投入するタイミング、すなわち第1バルブ54を開くタイミングは、本実施形態では、残留塩素計Mの数値で決定しているが、タイマのような時限装置で設定しても良く、その他の手段を用いてもよい。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するうえに、高濃度の次亜塩素酸カルシウム溶液が必要量のみ製造されるので、高濃度の次亜塩素酸カルシウム溶液が溶解槽53内に長時間滞留することがなくなり、溶解槽53の腐食が軽減される。さらに、ホッパー50が完全なドライ空間に設けられているので、顆粒状固形次亜塩素酸カルシウムの補充も容易である。
実施例1〜5、比較例1〜2
本実施形態におけるデプスフィルタ10を用いて、検証実験を行った。使用したデプスフィルタは、長さ250mm、外径60mm、内径30mmの中空円柱状で、孔径は1μm(実施例1),3μm(実施例2),10μm(実施例3),15μm(実施例4),25μm(実施例5)、30μm(比較例1),50μm(比較例2)とし、デプスフィルタの軸心を水平面に対して45°傾斜させて配置した。原水として、1Lあたり動物性プランクトン(最も小さい部分が50μm以上)を3.0×10個、また1ccあたり植物性プランクトンを(大きさ8〜12μm)1.5×10個含む海水(水温25℃)を、流速25L/分でろ過し、ろ過水中に存在するプランクトン数を実測した。その結果を表1に示す。
Figure 0005584486
実施例1〜5では、動物性プランクトンはほぼすべて除去されていたが、比較例1では20%以上、比較例2では、40%の動物性プランクトンが残留していた。また、植物性プランクトンにおいても、実施例1ではほぼ除去されており、実施例2では99%以上が、実施例3では約99%が、実施例4では96%以上が、実施例5でも約92%がそれぞれ除去されていた。これに対し、比較例1では60%以上が残留し、比較例2では90%以上が残留していた。
つづいて、所定量の顆粒状次亜塩素酸カルシウムを海水1000L中に添加した濃縮液を作成し、これを表2に示す有効塩素濃度になるよう、表1の実施例1〜5および比較例1〜2のデプスフィルタでろ過されたろ過水に添加した。有効塩素濃度は、DPD試薬を用いて発色させ、吸光光度計(シマヅ製UV−1700)にて測定した。次亜塩素酸カルシウムで処理された水は、顕微鏡観察で生存しているプランクトン数を測定し、XM−G培地にて25℃にて7日間培養して大腸菌数を測定、さらにMarineAgar培地を用いて同条件で培養し、従属栄養細菌数を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005584486
実施例1〜3では、有効塩素濃度が1mg/Lであっても大腸菌および従属栄養細菌は検出されなかった。また、実施例4,5では、1mg/Lで大腸菌は検出されず、2mg/Lで従属栄養細菌も検出されなくなった。これに対し、比較例1および2では、動物性プランクトンがろ過水中に相当量残存していたため、プランクトン数を減少させるのに、有効塩素濃度を5mg/Lとする必要があり、また、細菌類を完全に死滅させるためにも、有効塩素濃度をそれぞれ2mg/L,5mg/Lとする必要があった。このように、比較例1および2では、実施例1〜3の5倍以上、実施例4,5の2倍以上の次亜塩素酸が必要であった。以上より、デプスフィルタの孔径は、1〜25μmが好ましく、1〜10μmがより好ましいといえる。
実施例6、比較例3
自然海水(水温26℃)を孔径3μmのデプスフィルタ(外径60mm、内径30mm、長さ250mmの中空円柱状)を用いて、流速25L/分で連続ろ過試験を行った。その際に、ろ過を連続で行った場合(比較例3)と、ろ過を3分間行う度にエア逆洗(エア圧100kPa、5秒間)させた場合(実施例6)とを比較した。結果を表3に示す。ろ過を連続で行った場合にはフィルターが閉塞して30分で差圧が急激に上昇し以降はほとんど海水が流れなくなったが、エア逆洗を行った場合には600分経過後も差圧は安定していた。
Figure 0005584486
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、上記各実施形態では、ろ過ユニット4とバラストタンク6との間に化学処理ユニット3,3Aが設けられているが、バラストタンク6の排水側、すなわちバラストタンク6から外部へ排出する通路の途中に化学処理ユニット3,3Aを設けてもよい。この場合、バラストタンク6に次亜塩素酸を含んだ液体が流入することがなく、バラストタンク6の腐食を抑制できる。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 バラスト水製造装置(ろ過システム)
3,3A 化学処理ユニット
4 ろ過ユニット
6 バラストタンク
8 送水通路
8a 分岐点
8b 合流点
9 筐体
10 デプスフィルタ(ろ材)
12 流体供給通路
14 排出通路
16 ろ過水取出口
18 原水供給口
22 排出口
24 流体供給口
25 絞り手段
38 ろ材
40 固定板
A 圧縮空気
FW ろ過水
RW 原水

Claims (1)

  1. バラスト水製造装置を用いたバラスト水製造方法であって、前記バラスト水製造装置は、ろ材およびそれを収容する筐体を含み、原水をろ過するろ過ユニットと、前記ろ過ユニットでろ過されたろ過水に固形次亜塩素酸カルシウムを投入する化学処理ユニットとを備え、
    前記筐体が、前記ろ材に原水を供給する原水供給口と、ろ過水の取出口と、前記ろ材に逆洗用の流体を供給する流体供給口と、前記ろ材を逆洗した流体および前記原水を排出する排出口を有し、
    前記ろ材が、合成繊維をウェブ、不織布、紙または織物の形態にして溶着・成形された孔径1〜25μmのデプスフィルタであり、
    前記バラスト水製造装置の前記取出口からバラストタンクへのろ過水の供給および前記流体供給口から前記ろ材への流体の供給を停止した状態で、前記原水供給口から供給された原水とともに、前記ろ過ユニットを経て前記排出口から流体を排出する準備工程と、
    前記排出口からの原水の排出と前記流体供給口から前記ろ材への流体の供給とを停止した状態で、前記原水供給口から前記ろ過ユニットに原水を供給して、ろ過水を前記ろ過水取出口に送るろ過工程と、
    前記取出口から前記バラストタンクへのろ過水の供給を停止した状態で、前記原水供給口から前記ろ材に原水を供給しながら、ろ過水側の前記流体供給口から前記ろ材へ流体を供給し、この流体を前記原水とともに前記排出口から排出通路を経て船舶の外部へ排出する逆洗工程と、
    を備えたバラスト水製造方法。
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