以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の概略正面図、図2はその遊技機の概略ブロック図、図3はその遊技機の電源ユニットの概略斜視図である。ここでは、遊技機が、いわゆるパチスロ機といわれる回胴式遊技機である場合について説明する。
本実施形態の回胴式遊技機は、図1、図2及び図3に示すように、第一回胴リール11a,第二回胴リール11b,第三回胴リール11cと、表示窓12と、メダル投入口13と、クレジット数表示部14と、MAXベットボタン15と、一枚投入ボタン16と、ベット枚数表示部17と、スタートレバー18と、第一停止ボタン19a,第二停止ボタン19b,第三停止ボタン19cと、精算ボタン21と、払出数表示部22と、メダル放出口23と、メダル受皿24と、払出装置25と、画像表示部30と、電飾表示部40と、スピーカ部50と、投入メダル検出センサ61と、MAXベットボタン操作検出センサ62と、一枚投入ボタン操作検出センサ63と、スタートレバー操作検出センサ64と、第一停止ボタン操作検出センサ65a,第二停止ボタン操作検出センサ65b,第三停止ボタン操作検出センサ65cと、第一回胴リール駆動手段66a,第二回胴リール駆動手段66b,第三回胴リール駆動手段66cと、電源ユニット70と、確率設定指示スイッチ操作検出センサ81と、確率設定変更ボタン操作検出センサ82と、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83と、確率設定値表示部91と、RAM初期化モード表示部92と、主制御基板110と、演出制御基板120とを備える。尚、回胴式遊技機の筐体は、本体部と、その本体部の前面側に開閉可能に設けられた前扉とを有する。図1はその前扉を正面から見たときの回胴式遊技機を示している。
図1に示すように、回胴式遊技機の中央部のやや上側には、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cが並べて配設されている。各回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を一列に配した図柄列を有しており、回転可能に構成されている。これらの回胴リール11a,11b,11cは、複数の図柄を変動させる変動表示及びその変動表示を停止させる停止表示が可能な図柄表示手段としての役割を果たすものである。第一回胴リール11aは第一回胴リール駆動手段66aにより駆動され、第二回胴リール11bは第二回胴リール駆動手段66bにより駆動され、そして、第三回胴リール11cは第三回胴リール駆動手段66cにより駆動される。ここで、各回胴リール駆動手段66a,66b,66cとしては、例えばステッピングモータが用いられる。これら回胴リール駆動手段66a,66b,66cの制御は、主制御基板110により行われる。尚、主制御基板110は、各回胴リール11a,11b,11cが表示窓12内の所定の位置に表示している図柄をステッピングモータのステップ数で把握することが可能であり、かかる表示図柄の把握には公知の方法が用いられる。
各回胴リール11a,11b,11cに配される図柄には、例えば、赤色の数字「7」図柄(赤7図柄)、青色の数字「7」図柄(青7図柄)、BAR図柄、リプレイ図柄、スイカ図柄、ベル図柄、チェリー図柄等がある。各回胴リール11a,11b,11cの外周には、これらの図柄が合計21個若しくはそれ以下の個数、配されている。また、回胴リール11a,11b,11c毎に各図柄の数及び図柄の配置順序は異なっている。
表示窓12は回胴リール11a,11b,11cの前側に設けられた透明な窓部である。この表示窓12は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に回胴リールの回転方向に沿って三つの図柄を、その回転方向に直交する方向に沿って三つの図柄を表示することができる。すなわち、遊技者は、図1に示すように、第一回胴リール11a、第二回胴リール11b、第三回胴リール11cの停止時において表示窓12からそれぞれの回胴リール11a,11b,11cに付された三つの図柄(合計九つの図柄)を目視することができる。
回胴式遊技機では、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止時に表示される図柄を、各種の役に対応する図柄の組合せに揃えるというゲーム(遊技)が行われる。すなわち、三つの回胴リール11a,11b,11cが回転を開始した後に三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、複数種類の役のうちいずれかの役に対応する図柄の組合せが表示窓12に停止表示されれば、ゲームの結果は当該役の入賞となる。
メダル投入口13は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入するための投入口である。投入メダル検出センサ61はメダル投入口13の内部に設けられており、メダルがメダル投入口13に投入されたことを検出するものである。投入メダル検出センサ61からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる投入メダル検出センサ61からの検出信号に基づいて、メダルが何枚投入されたのかを認識することができる。
表示窓12のすぐ下側には、クレジット数表示部14が設けられている。クレジット数表示部14は、メダルのクレジット数(貯留数)を所定の範囲内(例えば50枚以内)で表示するものである。主制御基板110は、ゲームの結果が所定の役の入賞になると、その役に対応して払い出されるメダルの払出枚数を現在のクレジット数に加算し、その加算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
本実施形態の回胴式遊技機では、メダルを1枚、2枚又は3枚投入することにより、一回のゲームを行うことができる。1枚、2枚又は3枚のメダルを投入することは、ゲームを行うための条件である。このため、遊技者は、ゲームを行う際に、1枚、2枚又は3枚のメダルをメダル投入口13から投入するか、或いは、現在のメダルのクレジット数からメダル1枚分、メダル2枚分又はメダル3枚分のクレジット数を使用しなければならない。
MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、メダル投入口13から実際にメダルを投入することに代えて、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行う旨を指示するための遊技指示手段である。MAXベットボタン15及び一枚投入ボタン16は、表示窓12の左下側に設けられている。MAXベットボタン15は、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンであり、また、一枚投入ボタン16は、クレジットされているメダルの中から1枚、2枚又は3枚のメダルを使用してゲームを行うことを指示するボタンである。具体的には、一枚投入ボタン16を一回押すことにより、クレジットされているメダルの中から1枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、一枚投入ボタン16を二回押すことにより、クレジットされているメダルの中から2枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示され、そして、一枚投入ボタン16を三回押すことにより、クレジットされているメダルの中から3枚のメダルを使用してゲームを行うことが指示される。すなわち、一枚投入ボタン16を三回押すことは、MAXベットボタン15を一回押すことと同じである。
MAXベットボタン操作検出センサ62はMAXベットボタン15が押されたことを検出するものであり、一枚投入ボタン操作検出センサ63は一枚投入ボタン16が押されたことを検出するものである。各ボタン操作検出センサ62,63からの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる検出信号を受けると、何枚のメダルを使用してゲームを行うのかを認識すると共に、現在のクレジット数からその認識したメダル枚数分のクレジット数を減算し、その減算した数をクレジット数表示部14に表示させる。
表示窓12の左下側には、ベット枚数表示部17が設けられている。かかるベット枚数表示部17は、当該ゲームに使用するメダルの枚数を表示するものである。具体的には、一枚投入ボタン16が一回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「一」の部分に対応するランプを点灯させる。一枚投入ボタン16が二回押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「二」の部分に対応するランプを点灯させる。そして、一枚投入ボタン16が三回押され、又はMAXベットボタン15が押されると、主制御基板110は、ベット枚数表示部17の「三」の部分に対応するランプを点灯させる。
スタートレバー18は、ゲームを開始する旨を指示するために遊技者が操作するものである。メダル投入口13から一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されるか、又は、既に一回のゲームを行うのに必要な枚数のメダルがクレジットされている状態でMAXベットボタン15の操作、若しくは一枚投入ボタン16の必要回数の操作のうちいずれかの操作が行われることにより、スタートレバー18の操作が可能となる。ここで、一回のゲームは、スタートレバー18が操作されることにより開始し、三つの停止ボタン19a,19b,19cがすべて押されることにより終了する。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出するものである。スタートレバー操作検出センサ64は、スタートレバー18が操作されたことを検出すると、ゲーム開始信号を主制御基板110に送る。主制御基板110は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号が送られて、ゲームを行うのに必要な枚数のメダルが投入されていることを認識しているときに、スタートレバー操作検出センサ64からゲーム開始信号を受けると、ゲーム開始の処理を行う。具体的には、主制御基板110は、ゲーム開始信号を受けると、乱数値を取得し、その乱数値に基づいて役の抽選処理を行うと共に、前回のゲーム開始信号の受信時から4.1秒以上経過していれば直ちに、4.1秒経過前であれば4.1秒経過後に、三つの回胴リール11a,11b,11cの回転動作を開始する。このように、スタートレバー18は、三つの回胴リール11a,11b,11cの変動表示動作を開始する契機を与える変動指示手段としての役割を果たしている。
第一停止ボタン19aは第一回胴リール11aの回転動作の停止を指示するためのものであり、第二停止ボタン19bは第二回胴リール11bの回転動作の停止を指示するためのものであり、第三停止ボタン19cは第三回胴リール11cの回転動作の停止を指示するためのものである。すなわち、各停止ボタン19a,19b,19cは、当該回胴リールが停止表示する契機を与える停止指示手段としての役割を果たす。また、第一停止ボタン操作検出センサ65aは第一停止ボタン19aが押されたことを検出するものであり、第二停止ボタン操作検出センサ65bは第二停止ボタン19bが押されたことを検出するものであり、第三停止ボタン操作検出センサ65cは第三停止ボタン19cが押されたことを検出するものである。各停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号は、主制御基板110に送られる。主制御基板110は、停止ボタン操作検出センサ65a,65b,65cからの検出信号を受けると、当該停止ボタン操作検出センサに対応する回胴リールの回転動作を所定の制御方法により停止する。
本実施形態では、三つの回胴リール11a,11b,11cを停止させて所定の図柄を揃えるための入賞ラインが五つ設定されている。すなわち、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つのラインと、表示窓12の左上から右下に向かって延びるラインと、表示窓12の左下から右上に向かって延びるラインとである。メダルを何枚使用してゲームを行うかに応じて、有効な入賞ラインが異なる。1枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の中央部を通り水平方向に延びる一つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。2枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、表示窓12の上部、中央部、下部のそれぞれを通り水平方向に延びた三つの入賞ラインだけが有効な入賞ラインとなる。そして、3枚のメダルを使用してゲームを行う場合には、五つの入賞ラインすべてが有効な入賞ラインとなる。三つの回胴リール11a,11b,11cが停止したときに、五つの入賞ラインのうち有効な入賞ライン上に所定の図柄の組合せが揃えば、ゲームの結果はその組合せに対応する役の入賞となる。
役の種類には、ベル小役と、チェリー小役と、スイカ小役と、リプレイ役(再遊技役)と、ビッグボーナス(BB)と、チャレンジタイムビッグボーナス(CT)と、特定役とがある。このうち、ベル小役、チェリー小役及びスイカ小役は、小当りである小役と称されるものである。主制御基板110による役の抽選処理によりベル小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのベル図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのベル図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、ベル小役の入賞となる。また、主制御基板110による役の抽選処理によりチェリー小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄を表示窓12内のいずれかの位置に停止表示させることが可能になる。そして、第一回胴リール11aに配されたチェリー図柄が表示窓12内のいずれかの位置に停止表示されると、チェリー小役の入賞となる。更に、主制御基板110による役の抽選処理によりスイカ小役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのスイカ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのスイカ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、スイカ小役の入賞となる。このように小役に入賞すると、当該小役の種類に応じて所定枚数のメダルが払い出される。
また、主制御基板110による役の抽選処理によりリプレイ役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいて三つのリプレイ図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、三つのリプレイ図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、リプレイ役の入賞となる。リプレイ役に入賞すると、回胴式遊技機は、再遊技の状態、すなわち、今回のゲームで使用したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されたものとみなされ、遊技者が新たにメダルを投入することなく、再度、ゲームを行うことが可能な状態となる。尚、本実施形態では、リプレイ役はメダルの払出しがないことから、リプレイ役を小役に含めていないが、次のゲームのための新たなメダルの投入操作が不要なので、そのゲームに使用したメダルが払い出されたと仮定して、リプレイ役を小役として取扱うことも可能である。
BB及びCTは、いわゆるボーナスと称される大役である。主制御基板110による役の抽選処理によりBBに当選すると、遊技者は、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、BBの入賞となる。BBに入賞すると、回胴式遊技機では、BBゲームが実行される。BBゲームでは、小役の当選確率が飛躍的に向上して、遊技者が短期間に多量のメダルを獲得することができる。このBBゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば345枚を超えたときに終了する。また、主制御基板80による役の抽選処理によりCTに当選すると、遊技者は、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。この三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CTの入賞となる。CTに入賞すると、回胴式遊技機では、CTゲームが実行される。CTゲームでは、リール制御が特殊な制御状態となり、役の抽選結果に関係なく、遊技者の技量次第でいずれの小役をも有効な入賞ライン上に揃えることができるようになる。このCTゲームは、メダルの累積払出枚数が例えば150枚を超えたときに終了する。
主制御基板110による役の抽選処理により特定役に当選したときには、遊技者は当該ゲームにおいてリプレイ図柄、ベル図柄、リプレイ図柄という図柄の組合せを有効な入賞ライン上に揃えることが可能になる。そして、かかる図柄の組合せが有効な入賞ライン上に揃うと、特定役の入賞となる。特定役に入賞すると、回胴式遊技機では、RTゲームが実行される。RTゲームでは、リプレイ役の当選確率が通常よりも向上する。かかるRTゲームは所定回数だけ継続して行われる。尚、「RT」とは、リプレイタイムの略である。また、一般に、特定役の入賞となる図柄の組合せは、リプレイ図柄、ベル図柄、リプレイ図柄という図柄の組合せ以外の図柄の組合せであってもよい。
払出数表示部22は、各ゲームにおいてそのゲームの結果に応じて払い出されるメダルの払出枚数を表示するものである。払出数表示部22の制御は主制御基板110により行われる。メダル放出口23からは、例えば、遊技者が精算ボタン21を押した場合にそのときのクレジット数に対応する数のメダルが放出される。メダル受皿24は、メダル放出口23から放出されるメダルを蓄積するための皿である。また、払出装置25は、所定の回転機構(不図示)を利用してメダルを一枚ずつメダル放出口23から払い出す装置である。かかる払出装置25の動作は、主制御基板110により制御される。
画像表示部30は、表示窓12の上側に設けられている。本実施形態では、画像表示部30として液晶表示装置を用いている。かかる画像表示部30は、図1及び図2に示すように、液晶パネル31と、液晶制御基板32とを有する。液晶パネル31は表示窓12の上側中央に配置されている。液晶制御基板32は液晶パネル31を制御するものである。画像表示部30は、複数の文字、数字、図形やキャラクター等の画像を液晶パネル31の画面に変動表示することにより、役の成立の予告、所定の情報の告知、その他の遊技に関わる演出を行う。例えば、大当り確定を予告するプレミアム演出を行ったり、有効な入賞ライン上に揃えるべき図柄の種類を告知したりする。この画像表示部30の演出制御は、主制御基板110からのコマンド(指令信号)に基づいて演出制御基板120により行われる。
電飾表示部40は、複数の表示用ランプ(表示素子)を点灯表示することにより、各種の遊技状態を報知したり、遊技に関わる演出を行ったりするものである。本実施形態では、表示用ランプとして、発光ダイオード(light-emitting diode)を用いている。かかる電飾表示部40は、図1に示すように、前扉の裏側であってその外周の各部に設けられている。この電飾表示部40の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。
スピーカ部50は、音により遊技に関わる演出を行うものである。スピーカ部50の制御は、主制御基板110からのコマンドに基づいて演出制御基板120により行われる。かかるスピーカ部50は、図1及び図2に示すように、第一ドアスピーカ51と、第二ドアスピーカ52と、背面スピーカ53とを有する。第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52はそれぞれ、前扉の裏側上部の左側、右側に設けられている。すなわち、図1において、前扉上部に点線で描いた円の部分が第一ドアスピーカ51及び第二ドアスピーカ52である。また、背面スピーカ53は回胴式遊技機の背面側に設けられている。
電源ユニット70は、外部から供給される交流の電圧100Vの電力を直流の各種電圧(例えば24V、12V、5V)に変換して、各部に電力を供給するものである。この電源ユニット70は、回胴式遊技機の本体部の下部に配置されている。電源ユニット70の筐体前面には、図3に示すように、電源スイッチ71と、確率設定指示スイッチ72と、確率設定変更ボタン73と、RAM初期化選択スイッチ(指示手段)74と、電源ランプ75と、RAM初期化モード表示部92とが設けられている。電源スイッチ71をオンにすると、電源ユニット70から各部に電力が供給されて、回胴式遊技機は動作を開始することになる。電源ランプ75は、電源スイッチ71がオンになっていることを表示するものである。
ところで、通常、回胴式遊技機は、役の抽選処理における大役の当選確率を6段階に設定可能であるように構成されている。確率設定指示スイッチ72は、大役当選確率の設定を行うことを指示するためのスイッチである。この確率設定指示スイッチ72には鍵穴が設けられており、設定キーKをその鍵穴に差し込んで確率設定指示スイッチ72を所定方向に回すことができる。確率設定指示スイッチ操作検出センサ81は、確率設定指示スイッチ72が所定方向に回されたことを検出するものである。確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号は主制御基板110に送られる。かかる大役当選確率の設定は電源投入時に行われる。具体的に、大役当選確率の設定を行う場合、遊技場の係員は、設定キーKを確率設定指示スイッチ72の鍵穴に差し込み、確率設定指示スイッチ72を所定方向に回した後、電源スイッチ71をオンにする。主制御基板110は、電源投入時に確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号を受け取り、確率設定指示スイッチ72が所定方向に回された状態で電源スイッチ71がオンにされたことを認識すると、大役当選確率の設定処理を開始する。尚、確率設定指示スイッチ72を所定方向に回すことなく、単に電源スイッチ71をオンにしたときには、大役当選確率の設定処理は行われない。
確率設定変更ボタン73は、大役当選確率の設定処理において、大役当選確率の設定値を変更する旨を指示するものである。例えば、大役当選確率の設定内容は、「1」から「6」までの6段階の数値(確率設定値)によって表される。確率設定値「1」は大役当選確率が最も低いという設定内容を表す。そして、確率設定値が大きくなるに従って大役当選確率が高くなり、確率設定値「6」は大役当選確率が最も高いという設定内容を表す。この大役当選確率の設定値は、確率設定値表示部91に表示される。確率設定値表示部91は、7セグメントの表示装置であり、前扉の裏側の所定位置に設けられている。また、確率設定変更ボタン操作検出センサ82は、確率設定変更ボタン73が押されたことを検出するものである。確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、かかる確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号に基づいて確率設定値を変更すると共に、その確率設定値を確率設定値表示部91に表示させる。
また、大役当選確率の設定処理が行われる際には、主制御基板110のRAMの内容を初期化するRAM初期化処理も行われる。RAM初期化選択スイッチ74は、主制御基板110のRAMに記憶されている複数の遊技データの中からいくつかの遊技データを選択的に指定するためのものである。RAM初期化処理では、このRAM初期化選択スイッチ74によって選択された遊技データが初期化されることになる。
具体的に、本実施形態の回胴式遊技機は、RAM初期化選択スイッチ74を用いて、所定の第一範囲の遊技データについての指定と所定の第二範囲の遊技データについての指定とを二択的に行うことができるように構成されている。このRAM初期化選択スイッチ74による遊技データの選択は次のように行われる。すなわち、RAMに記憶されている第一範囲の遊技データを選択するには、遊技場の係員は確率設定指示スイッチ72を所定方向に回した後、RAM初期化選択スイッチ74を押しながら電源スイッチ71をオンにする。一方、RAMに記憶されている第二範囲の遊技データを選択するには、遊技場の係員は確率設定指示スイッチ72を所定方向に回した後、RAM初期化選択スイッチ74を押さずに電源スイッチ71をオンにする。このように、本実施形態では、主制御基板110のRAMに記憶されている遊技データを初期化する初期化モードとしては、第一範囲の遊技データを初期化する初期化モード「1」と、第二範囲の遊技データを初期化する初期化モード「2」とがある。遊技場の係員は、RAM初期化選択スイッチ74を用いた簡単な操作で、初期化モードを容易に選択することができるのである。その選択された初期化モードの内容(「1」又は「2」)は、RAM初期化モード表示部92に表示される。ここで、このRAM初期化モード表示部92は7セグメントの表示装置である。尚、第一範囲の遊技データ、第二範囲の遊技データについての詳細は後述する。
また、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83は、RAM初期化選択スイッチ74が押されたことを検出するものである。RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号は主制御基板110に送られる。主制御基板110は、確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られた際に、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られたかどうかに応じて所定の初期化モードによるRAM初期化処理を行うと共に、当該初期化モードの内容をRAM初期化モード表示部92に表示させる。遊技場の係員は、RAM初期化モード表示部92に表示されている内容により、初期化モードを確認することができる。
次に、主制御基板110について説明する。主制御基板110は、主に遊技内容やメダルの払出しの制御及び管理を行う。かかる主制御基板110には、図2に示すように、乱数発生手段111と、ROM112と、RAM113と、CPU114とを備える。ROM112には、遊技内容の制御等に関する各種のプログラムが格納されている。また、RAM113は、遊技の制御に用いられる複数の遊技データを一時的に記憶する作業用のメモリである。遊技データとしては、例えば、投入メダル数に関する遊技データ、メダルのクレジット数に関する遊技データ、遊技状態に関する遊技データ、エラー履歴に関するデータ、リールの回転・停止に関するデータ等がある。また、RAM113に記憶されているデータは電源スイッチ71をオフにしても消えてしまうことはない。例えば、RAM113を蓄電手段と接続し、通電時に蓄電手段により充電しておくことで、電源オフの状態でもRAM113に記憶されているデータを保持することができる。このため、電源スイッチ71をオフにした後に、確率設定指示スイッチ72を所定方向に回すことなく、電源スイッチ71をオンにすると、回胴式遊技機は電源オフ時の状態に復帰することになる。
CPU114は、ROM112に格納されたプログラムを実行することにより、複数の遊技データを更新しながら当該複数の遊技データに基づいて遊技内容の制御等を行う。具体的に、CPU114は、乱数値に基づく役抽選処理を行う役抽選手段としての役割と、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理、遊技状態の管理、演出制御基板120へのコマンドの送信処理等を行う遊技制御手段としての役割とを果たす。また、CPU114は、大役当選確率の設定変更を行う確率設定処理手段としての役割と、RAM113に記憶された遊技データを初期値に設定するRAM初期化処理手段としての役割をも果たす。
まず、遊技状態の管理について説明する。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態として、「一般遊技状態」、「BB内部中状態」、「CT内部中状態」、「BB遊技状態」、「CT遊技状態」、「RT1遊技状態」、「RT2遊技状態」等の各種の遊技状態が設定されている。尚、以下では、「BB内部中状態」及び「CT内部中状態」をまとめて「大役内部中状態」、「BB遊技状態」及び「CT遊技状態」をまとめて「大役遊技状態」、そして、「RT1遊技状態」及び「RT2遊技状態」をまとめて「RT遊技状態」とも称することにする。
「一般遊技状態」とは、通常のゲームを行う通常の遊技状態のことである。かかる通常のゲームでは、役抽選により小役に当選し、当該ゲームの結果が当該小役の入賞であると、メダルの獲得が可能である。遊技機が一般遊技状態にある場合、乱数値に基づく役抽選によりBBに当選すると、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態を一般遊技状態からBB内部中状態に移行させ、一方、CTに当選すると、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態を一般遊技状態からCT内部中状態に移行させる。また、役抽選により特定役に当選し、当該ゲームの結果が特定役の入賞であると、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態を一般遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
「BB内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、BB内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの赤7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がBB内部中状態にある場合、三つの赤7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態をBB内部中状態からBB遊技状態に移行させる。また、「CT内部中状態」は、遊技者自身の停止ボタン19a,19b,19cの操作により三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃える機会が与えられた遊技状態である。すなわち、CT内部中状態では、役抽選の結果にかかわらず、三つの青7図柄を有効な入賞ライン上に揃えることが可能である。遊技機がCT内部中状態にある場合、三つの青7図柄が有効な入賞ライン上に揃うと、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態をCT内部中状態からCT遊技状態に移行させる。
「BB遊技状態」は、小役の当選確率が飛躍的に向上したBBゲームが行われることにより遊技者が最も多量のメダルを獲得可能が遊技状態である。BBゲームは、メダルの累積払出枚数が345枚を超えたときに終了する。そして、BBゲームが終了すると、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態をBB遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。また、「CT遊技状態」は、CTゲームが行われることによりBB遊技状態に次いで遊技者が多量のメダルを獲得可能が遊技状態である。CTゲームは、メダルの累積払出枚数が150枚を超えたときに終了する。そして、CTゲームが終了すると、CPU114は、次のゲーム時に遊技状態をCT遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。
「RT1遊技状態」及び「RT2遊技状態」は、RTゲームを行う遊技状態である。RTゲームでは、乱数値に基づく役抽選処理においてリプレイ役に当選する確率が高く設定されている。かかるRT1遊技状態及びRT2遊技状態は、RTゲームが所定回数だけ消化されるまで継続する。具体的に、RT1遊技状態では、RTゲームが50回行われ、RT2遊技状態ではRTゲームが100回行われる。RT遊技状態は、リプレイ役の当選確率が高く設定されているため、一般遊技状態に比べると、遊技者の所有するメダルの数が大きく減少してしまうことはない。この点で、RT遊技状態は遊技者に有利な遊技状態であるといえる。RT1遊技状態において50回のRTゲームが終了すると、CPU114は、当該RT1遊技状態中に役抽選により大役に当選していれば、次のゲーム時に遊技状態をRT1遊技状態から大役内部中状態に移行させ、当該RT1遊技状態中に役抽選により大役に当選していなければ、次のゲーム時に遊技状態をRT1遊技状態から一般遊技状態に移行させる。また、RT2遊技状態において100回のRTゲームが終了すると、CPU114は、当該RT2遊技状態中に役抽選により大役に当選していれば、次のゲーム時に遊技状態をRT2遊技状態から大役内部中状態に移行させ、当該RT2遊技状態中に役抽選により大役に当選していなければ、次のゲーム時に遊技状態をRT2遊技状態から一般遊技状態に移行させる。このように回胴式遊技機が複数の遊技状態を有することにより、遊技状態に応じて多彩な内容の遊技を実現することができる。
CPU114は、ゲームが開始されたときに行われる役抽選の結果やそのゲームの結果等に基づいて遊技状態の移行を制御している。そして、CPU114は、現在の遊技状態の内容を、遊技状態に関する遊技データで管理している。この遊技状態に関する遊技データはRAM113に記憶される。遊技状態に関する遊技データには、例えば、BB内部中フラグ、CT内部中フラグ、BBゲーム累積払出枚数、CTゲーム累積払出枚数、RTモード、RTゲーム残り回数等が含まれる。BB内部中フラグはBB内部中状態に関する遊技データであり、現在の遊技状態がBB内部中状態であることを示すものである。CT内部中フラグはCT内部中状態に関する遊技データであり、現在の遊技状態がCT内部中状態であることを示すものである。BBゲーム累積払出枚数はBB遊技状態に関する遊技データであり、当該BB遊技状態におけるBBゲームで払い出されたメダルの累積枚数を示すものである。CTゲーム累積払出枚数はCT遊技状態に関する遊技データであり、当該CT遊技状態におけるCTゲームで払い出されたメダルの累積枚数を示すものである。また、RTモード及びRTゲーム残り回数は、RT遊技状態に関する遊技データである。RTモードは、現在の遊技状態がRT1遊技状態及びRT2遊技状態のうちいずれの遊技状態であるかを示すものである。例えば、現在の遊技状態がRT1遊技状態である場合には、RTモードは「1」に設定され、現在の遊技状態がRT2遊技状態である場合には、RTモードは「2」に設定される。そして、現在の遊技状態がRT遊技状態でない場合には、RTモードは「0」に設定される。また、RTゲーム残り回数は、当該RT遊技状態におけるRTゲームの残り回数を示すものである。当然のことであるが、現在の遊技状態がRT遊技状態でない場合には、RTゲーム残り回数は「0」に設定されている。
次に、乱数値に基づく役の抽選処理を説明する。乱数発生手段111は、所定範囲の数値を順次発生すると共に、所定のタイミングで当該数値を乱数値として取得し、その取得した乱数値をCPU114に送出するものである。本実施形態では、乱数発生手段111として、2バイトのハードウェア乱数カウンタを用いることにしている。このため、乱数発生手段111の発生する数値の範囲は、0から65535までの範囲である。したがって、取得される乱数値もこの範囲内の数である。かかる乱数発生手段111は、スタートレバー操作検出センサ64からのゲーム開始信号が送られたときに、乱数値を取得する。その乱数値はCPU114に送られ、CPU114はその送られた乱数値に基づいて役の抽選処理を行う。
役の抽選処理は所定の役抽選テーブルを用いて行われる。かかる役抽選テーブルは、各種の役に対応する乱数値の範囲を当該役の抽選確率に応じて定めたものであり、遊技状態毎、確率設定値毎に設けられている。各役抽選テーブルはROM112に格納されている。各役抽選テーブルにおいては、0から65535までの合計65536個の全数値データが、各種の役や、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」に振り分けられている。CPU114は、乱数発生手段111から送られた乱数値が、役抽選テーブルにおいていずれの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。CPU114は、役抽選の結果に基づいて、遊技内容の制御を行ったり、所定のコマンドを演出制御基板120に送ったりする。
いま、役抽選テーブルの内容を詳しく説明する。図4(a)は一般遊技状態に対する役抽選テーブルの内容を示す図、図4(b)はRT1遊技状態に対する役抽選テーブルの内容を示す図、図4(c)はRT2遊技状態に対する役抽選テーブルの内容を示す図である。図4(a),(b),(c)においては、当該遊技状態において定義されている役の種類とその役に当選する確率とを示している。また、これらの役抽選テーブルはいずれも、確率設定値が「3」である場合のものである。尚、ここでは、他の役抽選テーブルの内容の説明は省略する。
一般遊技状態に対する役抽選テーブル、RT1遊技状態に対する役抽選テーブル、及び、RT2遊技状態に対する役抽選テーブルには、図4に示すように、「不当選」、「チェリー小役」、「ベル小役」、「スイカ小役」、「特定役」、「CT」、「BB」、「リプレイ役」の合計8種類の役が当選可能な役として定義されている。尚、ここでは、役抽選テーブルに関する限り、いずれの役にも該当しない、いわゆる「不当選」をも役に含めて取り扱うことにする。
一般遊技状態に対する役抽選テーブルでは、図4(a)に示すように、「チェリー小役」に当選する確率が1500/65536に、「ベル小役」に当選する確率が8000/65536に、「スイカ小役」に当選する確率が500/65536に、「特定役」に当選する確率が100/65536に、「CT」に当選する確率が120/65536に、「BB」に当選する確率が200/65536に、「リプレイ役」に当選する確率が8951/65536に、「不当選」に当選する確率が46165/65536に、それぞれ設定されている。一方、RT1遊技状態に対する役抽選テーブル及びRT2遊技状態に対する役抽選テーブルが一般遊技状態に対する役抽選テーブルと異なる点は、「リプレイ役」に当選する確率及び「不当選」に当選する確率だけである。具体的に、RT1遊技状態に対する役抽選テーブルでは、図4(b)に示すように、「リプレイ役」に当選する確率が48951/65536に、「不当選」に当選する確率が6165/65536に、それぞれ設定されている。すなわち、RT1遊技状態に対する役抽選テーブルでは、「リプレイ役」に当選する確率が、一般遊技状態に対する役抽選テーブルに比べて、約5.5倍だけ高く設定され、そして、その確率を高くした分だけ、「不当選」に当選する確率が低く設定されている。また、RT2遊技状態に対する役抽選テーブルでは、図4(c)に示すように、「リプレイ役」に当選する確率が28951/65536に、「不当選」に当選する確率が26165/65536に、それぞれ設定されている。すなわち、RT2遊技状態に対する役抽選テーブルでは、「リプレイ役」に当選する確率が、一般遊技状態に対する役抽選テーブルに比べて、約3.2倍だけ高く設定され、そして、その確率を高くした分だけ、「不当選」に当選する確率が低く設定されている。このように、遊技状態がRT1遊技状態又はRT2遊技状態である場合には、リプレイ役に当選する確率はとても高くなっている。
尚、同じ遊技状態に対する役抽選テーブルであるが異なる確率設定値に対するものを比較すると、大役に当選する確率が異なっている。例えば、確率設定値「6」に対する役抽選テーブルと確率設定値「3」に対する役抽選テーブルとを比べると、確率設定値「6」に対する役抽選テーブルにおける大役当選確率は確率設定値「3」に対する役抽選テーブルにおける大役当選確率に比べて高く設定され、そして、確率設定値「6」に対する役抽選テーブルでは、その大役当選確率を高くした分だけ「不当選」に当選する確率が低く設定されている。
次に、回胴リール11a,11b,11cの駆動・停止処理を説明する。CPU114は、遊技の制御の一つとして、回胴リール11a,11b,11cを駆動及び停止させるリール制御を行う。このCPU114のリール制御には、リール駆動開始制御、リール駆動停止制御がある。リール駆動開始制御とは、所定枚数のメダルが投入されることを条件に、スタートレバー18が押下されたときに、三つの回胴リール11a,11b,11cの駆動動作を開始させる制御である。また、リール駆動停止制御とは、回胴リールが駆動している場合、当該回胴リールに対する停止ボタンが押されたときに、当該回胴リールの駆動を停止させる制御である。ここで、CPU114は、各ゲームにおいて、そのゲームの開始の際に役抽選により決定された役の入賞を許容するように、リール駆動停止制御を行う。
また、リール駆動停止制御には、小役、特定役、リプレイ役、大役のいずれかの役に当選した場合に行われるリール引込み制御、不当選に当選した場合に行われる外れ制御等が含まれる。リール引込み制御とは、停止ボタンが押されたときに、その押されたタイミングで有効な入賞ライン上にある図柄を含めて当該図柄から所定のコマ数(例えば、5コマ)の範囲内に当該役を構成する図柄が存在するときに、その図柄を当該有効な入賞ライン上に引き込むように回胴リールの停止位置を制御することをいう。但し、遊技者が停止ボタンを押したタイミングにおいて上記の所定のコマ数の範囲内に当該役を構成する図柄が存在しないときには、リールの引込み制御が働かず、押したなりの図柄が有効な入賞ライン上に停止する。したがって、このときには、当該役を構成する図柄は有効な入賞ライン上に揃わず、当該役に入賞することはない。
一方、外れ制御とは、有効な入賞ラインには小役、特定役、リプレイ役、大役のいずれの役も成立しないように、回胴リールの停止位置を制御することをいう。したがって、この場合には、遊技者が小役、リプレイ役、大役のいずれかの役を狙って停止ボタンを押したとしても、当該役には入賞せず、ゲームの結果はいわゆる「はずれ」となる。
尚、回胴式遊技機に関しては、さまざまな規格が定められている。その一つに、スタートレバー18を操作してから4.1秒を経過しないと、次にスタートレバー18を操作しても、回胴リール11a,11b,11cが回転しないという規格がある。このため、CPU114は、かかる規格に合致するように、回胴リール11a,11b,11cの駆動開始制御を行う。但し、スタートレバー18を操作してから4.1秒以内に、次にスタートレバー18を操作した場合であっても、CPU114が、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けて、1枚、2枚若しくは3枚のメダルが投入されたことをすでに認識していれば、乱数値に基づく役抽選処理は行われる。
次に、演出制御基板120へのコマンド送信処理について説明する。CPU114から演出制御基板120に送信するコマンドには多くの種類がある。例えば、役の抽選処理の結果に基づいて作成される遊技の演出に関するコマンド(演出コマンド)や、遊技者によって所定の操作が行われたときに作成されるコマンド(操作コマンド)等がある。CPU114は、これらのコマンドを演出制御基板120に送信することにより、演出制御基板120に様々な情報を伝えて、演出制御基板120を制御している。
CPU114は、スタートレバー18が押下されたときに、上述の役抽選処理を行うと共に、その役抽選の結果に応じた演出コマンドを生成し、その生成した演出コマンドを演出制御基板120に出力する。この演出コマンドの内容は役抽選の結果等を示すものであり、演出制御基板120はかかる演出コマンドに基づいて遊技の演出内容を決定することになる。
また、CPU114は、遊技者によって所定の操作が行われたときに、当該操作が行われた旨の操作コマンドを生成し、その生成した操作コマンドを演出制御基板120に出力する。具体的には、スタートレバー18の押下時、第一停止ボタン19aの押下時、第二停止ボタン19bの押下時、第三停止ボタン19cの押下時、そして、メダルの投入時又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16の押下時に、操作コマンドが生成される。
次に、確率設定処理について説明する。確率設定処理は、役の抽選処理における大役当選確率の設定を変更する処理である。CPU114は、電源投入時に確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号を受け取ると、確率設定処理を開始する。この確率設定処理が開始された後、遊技場の係員が確率設定変更ボタン72を押すと、確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号がCPU114に送られる。そして、CPU114は、確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号が送られる度に、現在の確率設定値に1を加算した値を新たな確率設定値として認識すると共に、その認識した確率設定値を確率設定値表示部91に表示させる。但し、現在の確率設定値が「6」である場合に、確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号が送られると、CPU114は、新たな確率設定値を「1」とする。遊技場の係員は、確率設定変更ボタン72を何回か押し、所望の確率設定値を確率設定値表示部91に表示させた後に、スタートレバー18を押下する。このスタートレバー18は確率設定値の変更確定を指示する役割を果たしている。これにより、CPU114は確率設定値を当該スタートレバー18が押下されたときの値に内部的に変更し、確率設定処理が終了する。こうして確率設定値が変更されると、CPU114は、以後のゲームにおいてその変更後の確率設定値に対する役抽選テーブルを用いて役抽選処理を行うことになる。
次に、RAM初期化処理について説明する。RAM初期化処理は、RAM113に記憶されている遊技データを初期化する処理であり、上記の確率設定処理とともに行われる。CPU114は、電源投入時に確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号を受け取った場合、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られたか否かを判定する。CPU114は、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られたと判定すると、初期化モードが「1」であることを認識し、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうち第一範囲の遊技データを初期化すると共に、当該初期化モードの内容を表す数字「1」をRAM初期化モード表示部92に表示させる。一方、CPU114は、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られていないと判定すると、初期化モードが「2」であることを認識し、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうち第二範囲の遊技データを初期化すると共に、当該初期化モードの内容を表す数字「2」をRAM初期化モード表示部92に表示させる。
特に、本実施形態では、第一範囲の遊技データ、第二範囲の遊技データを次のように設定している。すなわち、第一範囲の遊技データを、RT遊技状態に関する遊技データを含む予め定められた複数の遊技データとし、第二範囲の遊技データを、RT遊技状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データとしている。具体的に、第一範囲の遊技データには、すべての遊技状態に関する遊技データ、投入メダル数に関する遊技データ、メダルのクレジット数に関する遊技データ等が含まれる。第二範囲の遊技データには、RT遊技状態以外の遊技状態に関する遊技データ、投入メダル数に関する遊技データ、メダルのクレジット数に関する遊技データ等が含まれる。第一範囲の遊技データと第二範囲の遊技データとの違いは、RT遊技状態に関する遊技データ(RTモード及びRTゲーム残り回数)を含むかどうかである。尚、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうちエラー履歴に関するデータ、リールの回転・停止に関するデータは、第一範囲の遊技データ及び第二範囲の遊技データのいずれにも含まれない。すなわち、これらのデータはRAM初期化処理の対象外である。
このように、本実施形態の回胴式遊技機は、RAM初期化選択スイッチ74を用いることにより、第一範囲の遊技データについての指定と第二範囲の複数の遊技データについての指定とを選択的に行うことができるように構成されている。すなわち、初期化モード「2」によるRAM初期化処理の際には、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうちRT遊技状態に関する遊技データを含まない第二範囲の遊技データを初期化することにしている。これにより、初期化モード「2」が選択されると、RT遊技状態に関する遊技データ(RTモード及びRTゲーム残り回数)は初期化されることはない。このため、営業終了時に回胴式遊技機がRT遊技状態にあった場合、遊技場の係員が営業終了後に当該回胴式遊技機に対して大役当選確率の設定を変更したとしても、RAM初期化処理として初期化モード「2」を選択したときには、RT遊技状態に関する遊技データをそのまま残すことができる。
ところで、従来は、確率設定処理が行われると、通常必ず主制御基板のRAMの内容がすべて初期化されてしまっていたため、前日の営業終了時に回胴式遊技機がRT遊技状態にあった場合、遊技者は、翌日の営業開始時に当該回胴式遊技機がRT遊技状態にないか否かを調べれば、当該回胴式遊技機について大役当選確率の設定変更が行われたか否かを容易に判断することができた。これに対し、本実施形態では、上述したように、遊技場の係員は、RAM初期化選択スイッチ74を用いて、確率設定処理時にRAM113の内容を初期化する方法を選択することができるので、回胴式遊技機について大役当選確率の設定変更が行われたかどうかを遊技者が判別しにくくすることができる。また、前日の営業終了時に回胴式遊技機がRT遊技状態にあった場合、遊技場の係員が確率設定処理時に初期化モード「2」によるRAM初期処理を行えば、翌日の営業開始時に当該回胴式遊技機ではゲームがRT遊技状態から始まるので、遊技者が当該回胴式遊技機でゲームを行いたくなるようにアピールすることができる。
次に、演出制御基板120について説明する。演出制御基板120は、主に遊技の演出に関する制御を行うものである。演出制御基板120は、図2に示すように、ROM121と、RAM122と、CPU123とを有する。ROM121には、遊技演出の制御等に関する各種のプログラムの他に、電飾表示部40を制御するための複数の電飾演出用パターンデータや、スピーカ部50を制御するための複数の音声演出用パターンデータ等の各種のデータが格納されている。RAM122は、データを一時的に記憶する作業用のメモリである。
CPU123は、ROM121に格納されたプログラムを実行することにより、遊技の演出の制御を行う。すなわち、CPU123は、画像表示部30、電飾表示部40、スピーカ部50を制御する演出制御手段としての役割を果たす。具体的に、CPU123は、主制御基板110から演出コマンドを受けたとき、その演出コマンドに基づいて遊技の演出の内容を決定する。そして、CPU123は、その決定した演出内容に対応する画像演出制御用コマンドを作成し、液晶制御基板32に送出する。これにより、液晶制御基板32は、その画像演出制御用コマンドに基づいて所定の画像パターンの表示を制御する。また、CPU123は、その決定した演出内容に対応する電飾演出用パターンデータをROM121から読み出した後、その電飾演出用パターンデータに基づいて所定の点灯指令信号を生成する。そして、CPU123がその生成した点灯指令信号を電飾表示部40に送出すると、電飾表示部40はその点灯指令信号に基づいて所定の点灯表示を行う。更に、CPU123は、その決定した演出内容に対応する音声演出用パターンデータをROM121から取得し、その取得した音声演出用パターンデータに基づいてスピーカ部50を制御する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板110が行う遊技制御に関する処理(メイン処理)の手順について説明する。図5及び図6は主制御基板110が行うメイン処理の手順を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御基板110のCPU114は、メダル投入操作待ち処理を行う(S1)。すなわち、CPU114は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62又は一枚投入ボタン操作検出センサ63からの検出信号が送られてくるのを待つ。そして、CPU114は、かかる検出信号を受け取り、所定枚数のメダルが投入されたことを認識すると、メダル投入口13からメダルが所定枚数投入された旨又はMAXベットボタン15若しくは一枚投入ボタン16が所定回数押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板120に送信する。
次に、CPU114は、スタートレバー押下待ち処理を行う(S2)。すなわち、CPU114は、スタートレバー操作検出センサ64から検出信号が送られてくるのを待つ。CPU114は、投入メダル検出センサ61、MAXベットボタン操作検出センサ62、一枚投入ボタン操作検出センサ63のいずれかから信号を受けているときに、スタートレバー操作検出センサ64から信号を受けると、ゲームが開始されたことを認識する。そして、CPU114は、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板120に送信する。
こうしてゲームが開始されると、CPU114は、乱数値に基づく役抽選処理を行う(S3)。すなわち、主制御基板110の乱数発生手段111は、スタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けたタイミングで、乱数値を取得して、その取得した乱数値をCPU114に送る。CPU114は、現在の確率設定値及び現在の遊技状態に基づいて所定の役抽選テーブルを特定した後、その特定した役抽選テーブルに基づいて、当該取得された乱数値がどの役に対応するかを調べることにより、どの役に当選したか、不当選に当選したかを決定する。その後、CPU114は、役の抽選結果に基づいて演出コマンドを作成し、その作成した演出コマンドを演出制御基板120に送信する(S4)。尚、ここでは、演出コマンドが、スタートレバー18が押下された旨の操作コマンドとしての役割をも果たすものとする。
次に、CPU114は、前回のスタートレバー操作検出センサ64からの信号を受けてから4.1秒経過するのを待つ(S5)。そして、4.1秒経過すると、CPU114は、回胴リール駆動手段66a,66b,66cを制御して、三つの回胴リール11a,11b,11cを回転させる(S6)。
次に、CPU114は、三つの回胴リール11a,11b,11cの停止処理を行う(S7)。すなわち、CPU114は、第一停止ボタン操作検出センサ65aから信号を受けたときに、第一回胴リール駆動手段66aを制御して、第一回胴リール11aを停止させる。そして、第一停止ボタン19aが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板120に送信する。また、CPU114は、第二停止ボタン操作検出センサ65bから信号を受けたときに、第二回胴リール駆動手段66bを制御して、第二回胴リール11bを停止させる。そして、第二停止ボタン19bが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板120に送信する。更に、CPU114は、第三停止ボタン操作検出センサ65cから信号を受けたときに、第三回胴リール駆動手段66cを制御して、第三回胴リール11cを停止させる。そして、第三停止ボタン19cが押下された旨の操作コマンドを作成し、演出制御基板120に送信する。
こうして、三つの回胴リール11a,11b,11cがすべて停止すると、CPU114は、有効な入賞ライン上に停止表示している図柄の組合せを認識する(S8)。次に、CPU114は、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かを判定する(S9)。現在の遊技状態がRT遊技状態でなければ、ステップS13に移行する。一方、現在の遊技状態がRT遊技状態であると判定すると、CPU114は、RTゲーム残り回数を、現在の値から1だけ減算した値に設定する(S10)。その後、CPU114は、その減算後のRTゲーム残り回数が「0」であるか否かを判定する(S11)。減算後のRTゲーム残り回数が「0」でなければ、ステップS13に移行する。一方、減算後のRTゲーム残り回数が「0」であると判定すると、CPU114は、今回のゲームでRT遊技状態が終了することを認識し、RTモードを「0」に設定する(S12)。その後は、ステップS13に移行する。
ステップS13では、CPU114は、ステップS8で認識した図柄の組合せに基づいて、今回のゲームの結果が特定役の入賞であるか否かを判定する。今回のゲームの結果が特定役の入賞でなければ、ステップS15に移行する。一方、今回のゲームの結果が特定役の入賞であると判定すると、CPU114は、次回のゲーム時に遊技状態をRT1遊技状態に移行させるべきことを決定し、RTモードを「1」に設定すると共にRTゲーム残り回数を「50」に設定して、それらRTモード及びRTゲーム残り回数についてのデータをRAM113に記憶する(S14)。その後、ステップS15に移行する。
ステップS15では、CPU114は、ステップS8で認識した図柄の組合せに基づいて、今回のゲームの結果がリプレイ役の入賞であるか否かを判定する。今回のゲームの結果がリプレイ役の入賞であると判定すると、CPU114は、今回のゲームで使用されたメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されたものとみなす(S16)。その後は、ステップS2に移行する。
また、ステップS15の処理において今回のゲームの結果がリプレイ役の入賞でないと判定すると、CPU114は、ステップS8で認識した図柄の組合せに基づいて、今回のゲームの結果が小役及び大役のうちいずれかの役の入賞であるか否かを判定する(S17)。今回のゲームの結果が小役及び大役のうちいずれの役の入賞でもなければ、ステップS21に移行する。一方、今回のゲームの結果が小役及び大役のうちいずれかの役の入賞であると判定すると、CPU114は、今回のゲームの結果が大役の入賞であるか否かを判定する(S18)。今回のゲームの結果が大役の入賞でなければ、ステップS20に移行する。一方、今回のゲームの結果が大役の入賞であると判定すると、CPU114は、所定の大役入賞時の処理を行う(S19)。その後は、ステップS20に移行する。ステップS20では、CPU114は、入賞した役に応じた枚数のメダルを払い出す処理を行う。
ステップS20の処理後、又はステップS17の判断が否定的である場合、CPU114は、現在の遊技状態が大役遊技状態であるか否かを判定する(S21)。現在の遊技状態が大役遊技状態でなければ、ステップS1に移行する。一方、現在の遊技状態が大役遊技状態であると判定すると、CPU114は、所定の大役遊技状態時の処理を行う(S22)。その後、CPU114は、今回のゲームで大役ゲーム(BBゲーム又はCTゲーム)が終了するか否かを判定する(S23)。今回のゲームで大役ゲームが終了しなければ、ステップS1に移行する。一方、今回のゲームで大役ゲームが終了すると判定すると、CPU114は、所定の大役ゲーム終了処理を行うと共に、次回のゲーム時に遊技状態がRT2遊技状態に移行すべきことを決定する。そして、CPU114は、RTモードを「2」に設定すると共にRTゲーム残り回数を「100」に設定して、それらRTモード及びRTゲーム残り回数についてのデータをRAM113に記憶する(S24)。その後は、ステップS1に移行する。
次に、本実施形態の回胴式遊技機において主制御基板110が行う電源投入時処理の手順について説明する。この電源投入時処理では、遊技場の係員が所定の操作を行うと、上述したようにRAM初期化処理及び確率設定処理も実行される。図7は主制御基板110が行う電源投入時処理の手順を説明するためのフローチャート、図8は主制御基板110が行うRAM初期化処理の手順を説明するためのフローチャート、図9は主制御基板110が行う確率設定処理の手順を説明するためのフローチャートである。
電源スイッチ71がオンされると、CPU114は、RAM113に記憶されている遊技データが正常であるか否かを判定する(S31)。具体的に、CPU114は、RAM113に記憶されている遊技データについてのチェックサムをとる。そして、そのチェックサムの値と前回の電源オフ時にとられたチェックサムの値とが一致するか否かを判断する。CPU114は、それらチェックサムの値が一致すると判断すると、RAM114に記憶されている遊技データが正常であると認識し、それらチェックサムの値が一致しないと判断すると、RAM114に記憶されている遊技データが正常でないと認識する。
CPU114は、ステップS31の処理においてRAM113に記憶されている遊技データが正常でないと判定すると、RAM113のリードライトチェックを行う(S32)。ここで、かかるリードライドチェックを行うと、RAM113に記憶されている遊技データはすべて消去されることになる。その後、CPU114は、そのチェック結果が正常であるか否かを判定する(S33)。そのチェック結果が正常でないと判定すると、CPU114は、RAM113が破壊されているということを認識し、RAM破壊エラーが発生した旨を例えば払出表示部22に表示させる(S34)。このRAM破壊エラーの表示がなされた場合には、遊技場の係員は当該回胴式遊技機の修理をメーカー等に依頼することになる。そして、CPU114は、電源投入時処理を終了する。
ステップS33の処理においてリードライドチェック結果が正常であると判定すると、CPU114は、RAM113が破壊されておらず、当該回胴式遊技機をこのまま起動させてゲームを行うことができることを認識する。そして、CPU114は、電源スイッチ71のオン時に確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきたか否かを判定する(S35)。確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきていないと判定すると、CPU114は、バックアップエラーが発生した旨を例えば払出表示部22に表示させる(S36)。これは、RAM113のリードライトチェックを行ったことによりRAM113に記憶されている遊技データがすべて消去されてしまったことを、遊技場の係員に知らせるためである。その後、CPU114は、電源投入時処理を終了する。一方、確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきていれば、ステップS39に移行する。
また、ステップS31の処理においてRAM113に記憶されている遊技データが正常であると判定すると、CPU114は、電源スイッチ71のオン時に確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきたか否かを判定する(S37)。確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきていれば、ステップS39に移行する。一方、確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号が送られてきていないと判定すると、CPU114は、回胴式遊技機を前回の電源オフ時の状態に復帰させる(S38)。その後、CPU114は、電源投入時処理を終了し、図5及び図6に示すメイン処理を実行する。
ステップS39では、CPU114は、RAM初期化処理を実行する。このRAM初期化処理は、図8のフローにしたがって行われる。まず、CPU114は、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうち第二範囲の遊技データを初期値に設定する(S111)。具体的には、投入メダル数に関するデータ、メダルのクレジット数に関するデータ、BB内部中フラグ、CT内部中フラグ、BBゲーム累積払出枚数、CTゲーム累積払出枚数等が初期値に設定される。すなわち、遊技状態に関する遊技データについては、RT遊技状態以外の遊技状態に関する遊技データが初期化される。また、このとき、RAM113に記憶されている複数の遊技データのうちエラー履歴に関するデータ、リールの回転・停止に関するデータは初期化されない。次に、CPU114は、電源スイッチ71のオン時にRAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られてきたか否かを判定する(S112)。RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られてきていないと判定すると、CPU114は、初期化モード「2」をRAM初期化モード表示部92に表示させた後(S114)、RAM初期化処理を終了する。一方、RAM初期化選択スイッチ操作検出センサ83からの検出信号が送られてきたと判定すると、CPU114は、RAM113に記憶されているRTモード、RTゲーム残り回数(RT遊技状態に関する遊技データ)をそれぞれ、初期値に設定する(S113)。そして、CPU114は、初期化モード「1」をRAM初期化モード表示部92に表示させた後(S114)、RAM初期化処理を終了する。
CPU114は、RAM初期化処理が終了した後、確率設定処理を実行する(S40)。この確率設定処理は、図9のフローにしたがって行われる。まず、CPU114は、現在の確率設定値を確認する(S121)。その後、CPU114は、確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号が送られてきたか否かを判定する(S122)。確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号が送られてきていなければ、CPU114は、その現在の確率設定値を確率設定値表示部91に表示させる(S126)。一方、確率設定変更ボタン操作検出センサ82からの検出信号が送られてきたと判定すると、CPU114は、現在の確率設定値に1を加算する(S123)。そして、その加算後の確率設定値が「6」より大きいか否かを判定する(S124)。その加算後の確率設定値が「6」以下であれば、CPU114は、その加算後の確率設定値を新たな確率設定値として確率設定値表示部91に表示させる(S126)。一方、その加算後の確率設定値が「6」より大きければ、CPU114は、確率設定値を「1」に設定し直した後(S125)、その確率設定値を新たな確率設定値として確率設定値表示部91に表示させる(S126)。
ステップS126の処理後、CPU114は、スタートレバー18が押下されたか否かを判定する(S127)。スタートレバー18が押下されていなければ、ステップS122に移行する。一方、スタートレバー18が押下されたと判定すると、CPU114は、確率設定値を、当該スタートレバー18が押下されたときに確率設定値表示部91に表示されている値に確定する。そして、CPU114は、確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号がオフになったか否かを判定する(S128)。確率設定指示スイッチ操作検出センサ81からの検出信号がオフになると、CPU114は、遊技場の係員によって確率設定指示スイッチ72が元の状態に戻され、設定キーKが抜き取られたことを認識し、確率設定処理を終了する。こうして確率設定処理が終了すると、CPU114は、電源投入時処理を終了し、図5及び図6に示すメイン処理を実行する。
本実施形態の回胴式遊技機では、主制御基板のRAMに記憶されている複数の遊技データの中からいくつかの遊技データを選択的に指定するためのRAM初期化選択スイッチが設けられており、主制御基板のCPUは、RAM初期化選択スイッチにより指定された遊技データを初期値に設定するRAM初期化処理を行う。具体的には、RAM初期化選択スイッチを用いることにより、RT遊技状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データについての指定とRT遊技状態に関する遊技データを含む予め定められた複数の遊技データについての指定とを選択的に行うことができる。このため、例えば、回胴式遊技機が営業終了時にRT遊技状態(遊技者に有利な遊技状態)にあった場合、遊技場の係員が、営業終了後にRAM初期化選択スイッチを用いてRT遊技状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データを指定することにすれば、RT遊技状態に関する遊技データを初期化せずに、そのまま残すことができる。これにより、当該回胴式遊技機は翌日の営業開始時にRT遊技状態から開始することになるので、当該回胴式遊技機で遊技を行いたいと遊技者に思わせることができる。しかも、通常、主制御基板のCPUは大役当選確率の設定変更処理の際にRAM初期化処理を実行するので、大役当選確率の設定変更が行われたか否かを遊技者が容易に判別しにくくすることができる。
尚、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、RAM初期化選択スイッチを用いて、RT遊技状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データについての指定とRT遊技状態に関する遊技データを含む予め定められた複数の遊技データについての指定とを選択的に行う場合について説明したが、RAM初期化選択スイッチを用いて、大役内部中状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データについての指定と大役内部中状態に関する遊技データを含む予め定められた複数の遊技データについての指定とを選択的に行うようにしてもよい。また、RAM初期化選択スイッチを用いて、RT遊技状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データについての指定、大役内部中状態に関する遊技データを含まない予め定められた複数の遊技データについての指定、RT遊技状態に関する遊技データ及び大役内部中状態に関する遊技状態を含む予め定められた複数の遊技データについての指定を選択的に行うようにしてもよい。一般に、RAM初期化処理の際にRAM初期化選択スイッチを用いて初期化対象外とされ得る遊技データはどのような遊技状態に関する遊技データであってもよい。これにより、例えばRT遊技状態に関する遊技データを残したい、大役内部中状態に関する遊技データを残したいなど多様なニーズに応えることが可能になるので、遊技場における回胴式遊技機の使い方の幅を広げることができる。
また、上記の実施形態では、RAM初期化処理を大役当選確率の設定変更処理の際に行う場合について説明したが、RAM初期化処理を、大役当選確率の設定変更処理とは独立に行うようにしてもよい。
更に、上記の実施形態では、本発明を、遊技媒体としてメダルを使用した回胴式遊技機に適用した場合について説明したが、例えば、パロット機、パチロット機等と称される、遊技媒体としてパチンコ球を使用したスロットマシン遊技機に適用してもよい。また、本発明をパチンコ遊技機に適用してもよい。