以下、遊技機の一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1に示す遊技機としてのパチスロ10は、前面を開口した直方体状の機材収容体としての本体11と、当該本体の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12と、を備えている。本体11は、前面扉12の後方に位置するとともに、前面扉12が開閉可能に支持されている。また、前面扉12には、当該前面扉12の開放を規制することの可能な施錠手段としての施錠装置12aが設けられている。パチスロ10では、施錠装置12aを操作することにより、前面扉12を開放することが可能である。また、本体11には、前面扉12が開放されていることを検知可能な前面扉開放センサKS(図2に示す)が設けられている。なお、本実施形態において、前面扉12が開放されている状態が前面扉12の開状態に相当し、前面扉12が閉鎖されている状態が前面扉12の閉状態に相当する。
前面扉12の前面上部には、演出表示装置14が配設されている。演出表示装置14には、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置や、ドットマトリクス型の表示装置などが用いられる。また、パチスロ10には、発光演出を行う発光手段としての装飾ランプLaが配設されている。また、パチスロ10には、音声演出を行う音声出力手段としてのスピーカSpが配設されている。
また、パチスロ10には、中央パネル15が設けられている。中央パネル15には、パチスロ10の内部に配設されるリールユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。
リールユニット13は、回動体としての左リール13L、中リール13C及び右リール13Rから構成されている。そして、リールユニット13を構成する各リール13L,13C,13Rは、横並びに配設されており、パチスロ10を正面から見て、最も左側には左リール13L、左リール13Lの右隣には中リール13C、中リール13Cの右隣には右リール13Rが配置されている。
各リール13L,13C,13Rには、図柄が配列されている。左リール13Lには、21個の図柄が配列されている。また、中リール13C及び右リール13Rには、左リール13Lと同様、21個の図柄が配列されている。なお、各リール13L,13C,13Rにおける図柄の配列は異なっている。
各リール13L,13C,13Rは、各々に対応して設けられたアクチュエータにより独立して縦方向に回動(駆動)及び停止するように構成されている。そして、各リール13L,13C,13Rが回動することによって、透視窓16では、各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。
また、各リール13L,13C,13Rの回動が停止した場合、透視窓16では、各リール13L,13C,13Rにおいて連続する3つの図柄が上段、中段及び下段の位置に停止表示される。また、左リール13Lには、当該左リール13Lの位置を検出するためのリールセンサSE1(図2に示す)が設けられている。また、中リール13Cには、当該中リール13Cの位置を検出するためのリールセンサSE2(図2に示す)が設けられている。同様に、右リール13Rには、当該右リール13Rの位置を検出するためのリールセンサSE3(図2に示す)が設けられている。
また、各リール13L,13C,13Rを回動(駆動)させるアクチュエータ(駆動手段)として、ステッピングモータML,MC,MR(図2に示す)が採用されている。ステッピングモータML,MC,MRは、回転子(ロータ)として歯車上の鉄心又は永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備えている。そして、電流を流す巻線を切り替えることによって駆動(回転動作)させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。
ステッピングモータML,MC,MRは、電流を流す(通電する)巻線の数を切り替えることによって回転する。本実施形態のステッピングモータML,MC,MRは、第1の巻線〜第4の巻線の計4つの巻線から構成されている。本実施形態のステッピングモータML,MC,MRでは、第1励磁状態と第2励磁状態を切り替えて、回転するように構成されている。
本実施形態における第1励磁状態は、4つの巻線のうち1つの巻線に電流を流す状態である。また、本実施形態における第2励磁状態は、4つの巻線のうち隣り合う2つの巻線に電流を流す状態を第2励磁状態という。ステッピングモータML,MC,MRは、所謂、1−2相励磁方式で回転する。
本実施形態では、「第1の巻線」→「第1の巻線と第2の巻線」→「第2の巻線」→「第2の巻線と第3の巻線」→「第3の巻線」→「第3の巻線と第4の巻線」→「第4の巻線」→「第4の巻線と第1の巻線」→「第1の巻線」→…の順で、各巻線への励磁状態を遷移させる(切り替える)ことでステッピングモータML,MC,MRを回転させる。
また、本実施形態では、ステッピングモータML,MC,MRの全ての巻線に電流を流す(通電する)ことで、ステッピングモータML,MC,MRの回転を停止させるように構成されている。以下の説明において、全ての巻線に電流を流す状態を全励磁状態という。
図1に示すように、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄組み合わせを入賞と判定し得る入賞ラインNL(図1では、二点鎖線で示す)が形成されている。入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせが、賞が定められた図柄組み合わせ(表示結果)である場合、当該図柄組み合わせに定められた賞が付与される。
ここで、図柄について、単に「停止表示」と示す場合には、図柄が透視窓16内、即ち上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置の何れかに停止表示され、遊技者に視認可能に表示されることを意味している。また、「入賞」とは、賞を獲得するために必要な図柄組合せとして予め定められたものが入賞ラインNL上に表示されることを意味している。パチスロ10では、入賞が発生すると、該入賞した図柄組合せに予め定められた賞が付与される。以下の説明では、入賞ラインNL上に表示されることによって賞を獲得できる図柄組合せを「役」と示す場合がある。
なお、有効な停止位置の組合せ以外の組合せは、表示された図柄組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組合せ(所謂、無効ライン)となる。この明細書において「導出する」とは、入賞ラインNL上に図柄を停止させることにより、入賞ラインNL上にゲーム結果に相当する図柄組合せを表示することを意味している。
透視窓16では、縦方向に上段、中段及び下段に対応するとともに、横方向に左リール13L、中リール13C及び右リール13Rに対応するように3行3列に配置される9つの図柄停止位置に図柄が停止表示される。そして、入賞ラインNLは、各列の中段に位置する図柄停止位置を結んで形成されている。
また、図3に示すように、パチスロ10には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が配設されている。
図3に示すように、各種情報表示部17は、投入可能表示部31を備えている。投入可能表示部31は、例えば発光体の点灯状態によって、パチスロ10がメダルを投入可能な状態であるか否かを表示する。各種情報表示部17は、リプレイ表示部32を備えている。リプレイ表示部32は、例えば発光体の点灯状態によって、リプレイ(再遊技)であるか否かを表示する。リプレイについては後述する。
各種情報表示部17は、ウェイト表示部33を備えている。ウェイト表示部33は、例えば発光体の点灯状態によって、ウェイトタイム中であるか否かを表示する。ウェイトタイムは、単位時間当りの変動ゲームの実行回数が予め定めた規定回数を超えないように設定された最短の遊技時間である。各種情報表示部17は、状態表示部34を備えている。状態表示部34は、例えば1つの7セグメント表示器を備えている。状態表示部34は、例えばパチスロ10において発生したエラーを特定できるように、エラーコードなどを表示する。
各種情報表示部17は、1ベット表示部35a、2ベット表示部35b、及び3ベット表示部35cを備えている。1ベット表示部35aは、例えば発光体の点灯状態によって、1枚目のメダルがベットされていることを表示する。2ベット表示部35bは、例えば発光体の点灯状態によって、2枚目のメダルがベットされていることを表示する。3ベット表示部35cは、例えば発光体の点灯状態によって、3枚目のメダルがベットされていることを表示する。以下の説明では、1ベット表示部35a〜3ベット表示部35cをまとめてベット表示部35と示す場合がある。ベット表示部35では、1ベット表示部35a〜3ベット表示部35cによって、ベット数(賭数)を表示する。
各種情報表示部17は、クレジット表示部36を備えている。クレジット表示部36は、例えば並ぶように配置された2つの7セグメント表示器を備えている。クレジット表示部36は、機内部においてクレジットとして記憶されているメダルの枚数を表示する。各種情報表示部17は、払出し表示部37を備えている。払出し表示部37は、例えば並ぶように配置された2つの7セグメント表示器を備えている。払出し表示部37は、変動ゲームにおける入賞の発生によって払い出されるメダルの枚数に関する情報の表示を行う。
また、中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18から投入されたメダルは、内部に設けられたメダルセレクタ19を通過する。メダルセレクタ19は、貯留通路19aと排出通路19bに分岐するように形成されている。また、メダルセレクタ19における貯留通路19aと排出通路19bの分岐点には、メダル投入口18から投入されてメダルセレクタ19を通過するメダルを、貯留通路19aと排出通路19bのうち何れか一方へ誘導する(振り分ける)ように作動可能な誘導装置としてのメダルブロッカMBが設けられている。
メダルブロッカMBは、ブロッカソレノイドBS(図2に示す)によって作動可能に構成されている。そして、メダルブロッカMBは、ブロッカソレノイドBSにメダルブロッカ作動信号(制御信号)が出力されると、投入されたメダルを貯留通路19aへ誘導するように作動(変位)する。一方、メダルブロッカMBは、ブロッカソレノイドBSにメダルブロッカ作動信号が出力されないと、投入されたメダルを排出通路19bへ誘導するように作動する。
また、貯留通路19aには、投入されたメダルを検知するメダルセンサSE4が配設されている。メダルセンサSE4は、貯留通路19aにおいてメダルブロッカMBよりも下流側に配設されている。そして、貯留通路19aを通過したメダルは、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26にて貯留される。したがって、投入されたメダルを貯留通路19aへと誘導するようにメダルブロッカMBが作動する場合、メダル投入口18から投入されたメダルは、メダルセレクタ19の貯留通路19aを通過し、ホッパー26にて貯留される。
一方、排出通路19bには、投入されたメダルを検知するメダルセンサが配設されていない。そして、排出通路19bを通過したメダルは、メダルを排出するためのメダル排出口24にて、パチスロ10の外部へと排出される。したがって、投入されたメダルを排出通路19bへと誘導するようにメダルブロッカMBが作動する場合、メダル投入口18から投入されたメダルは、メダルセレクタ19の排出通路19bを通過し、パチスロ10の中央下方に形成されているメダル排出口24から排出される。すなわち、パチスロ10の内部に貯留されることなく、メダルが返却される。
このように、貯留通路19aにはメダルセンサSE4が配設されている一方で、排出通路19bにはメダルセンサが配設されていない。したがって、投入されたメダルを貯留通路19aへ誘導することは、投入されたメダルがメダルセンサSE4に検知されるように誘導することに相当する。一方、投入されたメダルを排出通路19bへ誘導することは、投入されたメダルがメダルセンサSE4に検知されずに返却するように誘導することに相当する。
ホッパー26は、メダルを貯留する機能と、メダルを払い出す機能を有する。ホッパー26に対して払出装置作動信号が出力されると、ホッパー26が作動し、貯留しているメダルが払い出される。
ホッパー26から払い出されたメダルは、排出通路19bを通過し、メダル排出口24から排出される。これにより、遊技者にメダルが付与される。因みに、メダル投入口18から投入されたメダルがそのまま排出通路19bを通過してメダル排出口24から排出されることは、遊技者にメダルが返却されることに相当する。一方、ホッパー26に貯留されているメダルが排出通路19bを通過してメダル排出口24から排出されることは、遊技者にメダルが付与されることに相当する。
また、中央パネル15の左下方位置には、MAXBETボタン20が設けられている。MAXBETボタン20は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数を変動ゲームのベット数としてベットする際に操作されるボタンである。
また、MAXBETボタン20の左下方位置には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル及び貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに操作するスイッチである。
また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する開始操作手段としてのスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リール13L,13C,13Rの回動が開始される。
スタートレバー22の右方位置には、停止操作手段としてのストップボタン23L,23C,23Rが設けられている。ストップボタン23Lは、回動している左リール13Lを停止させるためのボタンである。また、ストップボタン23Cは、回動している中リール13Cを停止させるためのボタンである。また、ストップボタン23Rは、回動している右リール13Rを停止させるためのボタンである。このように、ストップボタン23Lは左リール13Lに対応するとともに、ストップボタン23Cは中リール13Cに対応し、ストップボタン23Rは右リール13Rに対応する。また、メダル排出口24の下方には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が設けられている。
次に、遊技者が変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動態様を説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又はMAXBETボタン20の操作が受付可能な状態において、MAXBETボタン20を操作することでベット数を設定することができる。MAXBETボタン20の操作によって、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数として設定される。
また、パチスロ10では、メダル投入口18から投入されたメダルをメダルブロッカMBが貯留通路19aに誘導する状態に作動しているとき、メダル投入口18からベット数に相当する枚数のメダルを投入することで各ベット数を設定することも可能である。このとき、メダル1枚の投入で1ベット分のベット数が設定されるとともに、メダル3枚の投入で3ベット分のベット数が設定される。なお、対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数を超える分のメダルがメダル投入口18から投入される場合、クレジットとして記憶される。一方、前述したように、メダル投入口18から投入されたメダルをメダルブロッカMBが排出通路19bに誘導する状態に作動しているとき、ベット数を設定することはできず、投入されたメダルは返却される。
そして、MAXBETボタン20が操作されると、最大ベット数が設定されるとともに入賞ラインNLが有効となるように設定される。入賞ラインNLが有効になるとは、当該入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせが有効となることで、入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせに応じた制御(賞メダルの付与等)が行われる。
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態でスタートレバー22が操作されると、リール13L,13C,13Rが回動し、透視窓16では複数種類の図柄が変動するように表示される。その後、各リール13L,13C,13Rが回動を開始してから有効化条件が成立すると、ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能な状態となる。続いて、ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの回動が停止され、透視窓16において対応する列の上段、中段及び下段に図柄が停止表示される。
そして、全てのリール13L,13C,13Rの回動が停止された時点で、入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせが、賞が定められた図柄組み合わせである場合、当該図柄組み合わせに定められた賞が付与される。本実施形態では、入賞ラインNL上に図柄組み合わせが停止表示されると他の図柄表示位置に表示される図柄も自ずと決まってしまう。このため、透視窓16から視認可能な9つの図柄を纏めて表示結果として定義する場合と入賞ラインNL上に停止表示された図柄組み合わせを表示結果として定義する場合の何れの場合も、透視窓16が結果表示部に相当する。
1回の変動ゲームは、ベット数の設定及びスタートレバー22の操作による開始操作を契機に開始し、ストップボタン23L,23C,23Rの操作からなる停止操作によって、全てのリール13L,13C,13Rの回動が停止して図柄組み合わせ(表示結果)が表示されることを契機に終了する。因みに、全てのリールの回動が停止して表示された図柄組み合わせが、メダルの払い出しや再遊技といった賞が定められた図柄組み合わせである場合、全てのリールの回動が停止して図柄組み合わせが表示された後、当該図柄組み合わせに定められたメダルの払い出しや再遊技といった賞の付与が完了して、1回の変動ゲームが終了する。
また、前面扉12の裏面には、操作可能な設定器28が設けられている。前面扉12の裏面に設けられた設定器28は、前面扉12が閉鎖されることで、本体11の内部に収容される。
設定器28は、所定の鍵を用いることで操作することが可能に構成されている。以下の説明において、設定器28が操作されることとは、所定の鍵を用いて設定器28が操作されることを意味する。本実施形態のパチスロ10では、設定器28を操作することによって、パチスロ10の設定値を変更することが許容される。また、前面扉12の裏面に操作可能な操作スイッチ29が設けられている。
パチスロ10は、大きさの異なるペイアウト率(機械割、出球率)と対応付けられた複数段階(「1」〜「6」の計6段階)のパチスロ10の機械割に係る設定値のうち何れかの設定値が設定された状況下で遊技が行われる。ペイアウト率は、例えば、賞が定められた図柄組み合わせのうち少なくとも一部の図柄組み合わせを表示させることが許容される確率や、遊技者にとって有利な有利遊技状態へ移行する確率などによって異ならせることができる。つまり、パチスロ10の機械割に係る設定値、すなわち、ペイアウト率が変更されることにより、遊技者に利益を付与する複数の確率が異なるようになっている。本実施形態のパチスロ10では、パチスロ10の機械割に係る設定値に応じて有利度が異なる。以下、パチスロ10の機械割に係る設定値を単に、パチスロ10の設定値と示す場合がある。
次に、本実施形態のパチスロ10において、入賞ラインNL上に停止表示される図柄組み合わせについて説明する。
本実施形態のパチスロ10において、賞が定められた図柄組み合わせには、賞メダルが付与される払出役としてのチェリー停止目、スイカ停止目、ベル停止目、1枚役停止目がある。また、賞が定められた図柄組み合わせには、再遊技役としての通常リプレイ停止目、第1特殊リプレイ停止目、第2特殊リプレイ停止目がある。また、賞が定められた図柄組み合わせには、ボーナス役としてのボーナス停止目がある。因みに、本実施形態のパチスロ10において、賞が定められていない図柄組み合わせには、ベルこぼし目とはずれ目がある。以下の説明において、ベルこぼし目とはずれ目を纏めて「はずれ停止目」という。
チェリー停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、4枚のメダルが賞メダルとして付与される。また、スイカ停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、6枚のメダルが賞メダルとして付与される。
ベル停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、8枚のメダルが賞メダルとして付与される。また、1枚役停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、1枚のメダルが賞メダルとして付与される。
通常リプレイ停止目、第1特殊リプレイ停止目及び第2特殊リプレイ停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、再遊技が付与される。再遊技が付与される場合、遊技者は、ベット数をベットすることなくパチスロ10内部で自動的に最大ベット数が設定されることで、次の変動ゲームを行うことが可能となる。再遊技が付与される場合、メダルを消費することなく次の変動ゲームを行うことができるといった一定の利益を保障するものであって、賞メダルは付与されない。なお、通常リプレイ停止目、第1特殊リプレイ停止目及び第2特殊リプレイ停止目は、見た目上区別可能な図柄組み合わせとなっている。つまり、図柄組み合わせが異なる。
ボーナス停止目として分類される図柄組み合わせが入賞ラインNL上に停止表示される場合には、ボーナス状態(ボーナス遊技)が生起(付与)される。ボーナス状態は、払い出したメダルの払出枚数が予め定めた最大払出数を超える変動ゲームの終了に伴って終了する。
次に、本実施形態のパチスロ10における当選情報について説明する。この実施形態の当選情報は、変動ゲームにおいて表示(導出)可能な図柄組合せとして、1つ又は複数の図柄組合せが定められた制御情報である。即ち、当選情報は、変動ゲームにおいて入賞が可能な役として、1つ又は複数の役が定められた条件装置識別子(ID)である。本実施形態のパチスロ10における当選情報には、複数種類あり、少なくとも以下の第11の当選情報、第21の当選情報、第31の当選情報〜第35の当選情報、第41の当選情報〜第43の当選情報及び第51の当選情報がある。
第11の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが適切なタイミングで操作されると、チェリー停止目が入賞ラインNL上に停止表示されて、4枚のメダルが賞メダルとして付与される。第11の当選情報の当選(決定)によって、チェリー停止目の表示が許容されることに相当する。
第21の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが適切なタイミングで操作されると、スイカ停止目が入賞ラインNL上に停止表示されて、6枚のメダルが賞メダルとして付与される。第21の当選情報の当選(決定)によって、スイカ停止目の表示が許容されることに相当する。
第31の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、入賞ラインNL上にベル停止目が停止表示されて、8枚のメダルが賞メダルとして付与される。第31の当選情報の当選(決定)によって、ベル停止目の表示が許容されることに相当する。
第32の当選情報〜第35の当選情報に当選した場合、ストップボタン23L,23C,23Rの操作順序によって入賞ラインNL上に停止表示される図柄組み合わせが異なる。例えば、第32の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rのうちストップボタン23Lが最初に操作された場合には、入賞ラインNL上にベルこぼし目が停止表示され、賞が付与されない。また、第32の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rのうちストップボタン23Cが最初に操作された場合には、入賞ラインNL上にベル停止目が停止表示されて、8枚のメダルが賞メダルとして付与される。また、第32の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rのうちストップボタン23Rが最初に操作された場合には、入賞ラインNL上に1枚役停止目が停止表示されて、1枚のメダルが賞メダルとして付与される。第32の当選情報〜第35の当選情報のうち何れかの当選情報の当選(決定)によって、ベル停止目及び1枚役停止目の表示が許容されることに相当する。
第41の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、入賞ラインNL上に通常リプレイ停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。第41の当選情報の当選(決定)によって、通常リプレイ停止目の表示が許容されることに相当する。
第42の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、入賞ラインNL上に第1特殊リプレイ停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。第42の当選情報の当選(決定)によって、第1特殊リプレイ停止目の表示が許容されることに相当する。
第43の当選情報に当選したとき、3つのストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、入賞ラインNL上に第2特殊リプレイ停止目が停止表示されて、再遊技が付与される。第43の当選情報の当選(決定)によって、第2特殊リプレイ停止目の表示が許容されることに相当する。
第51の当選情報に当選したとき、所定のタイミングで各ストップボタン23L,23C,23Rが操作された場合、入賞ラインNL上にボーナス停止目が停止表示されて、ボーナス状態が付与される。第51の当選情報の当選によって、ボーナス停止目の表示が許容されることに相当する。
ボーナス停止目を停止表示させることが許容された場合、ボーナス停止目が停止表示されるまで、ボーナス停止目を表示結果として停止表示させることが許容されたことを示すボーナス当選情報(ボーナスフラグの値)が持ち越される。なお、ボーナス当選情報は、ボーナス状態の付与が決定されていることを示す制御情報に相当する。
このように、本実施形態のパチスロ10では、当選情報に当選することで、チェリー停止目、スイカ停止目、ベル停止目、1枚役停止目、リプレイ停止目及びボーナス停止目のうち何れかを表示させることが許容される。
また、本実施形態のパチスロ10には、第41〜第43の当選情報(再遊技役)の当選確率を変動させて、内部制御状態としてボーナス状態以外における一般遊技状態を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技状態は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。そして、RT機能により一般遊技では、RT機能の作動の状態であって第41〜第43の当選情報の合算の当選確率が低確率抽選状態に設定されたRT0状態又はRT1状態に制御される場合がある。なお、RT0状態と、RT1状態では、僅かにRT1の方が第41の当選情報(通常リプレイ停止目)の当選確率が高くなっているだけで、ほぼ同じである。
また、RT機能により一般遊技では、RT機能の作動の状態であって第41〜第43の当選情報の合算の当選確率が高確率抽選状態に設定されたRT2状態又はRT3状態に制御される場合がある。なお、RT3状態及びRT2状態では、RT0状態及びRT1状態よりも遙かに第41の当選情報(通常リプレイ停止目)の当選確率が高くなっている。RT2状態と、RT3状態では、僅かにRT2の方が第41の当選情報(通常リプレイ停止目)の当選確率が高くなっているだけで、ほぼ同じである。
このように、再遊技役の当選確率が異なる当選確率状態としてのRT0状態〜RT3状態が複数ある。なお、RT0状態中では、第42の当選情報に当選可能に構成されているが、RT1状態〜RT3状態中では、第42の当選情報に当選しないように構成されている。すなわち、RT0状態中にのみ、第1特殊リプレイ停止目が停止可能に構成されていることとなる。
この実施形態のパチスロ10では、RT0状態中において、第1特殊リプレイ停止目が停止表示(入賞)したことを契機として、内部制御状態がRT1状態に制御される。また、パチスロ10では第2特殊リプレイ停止目が停止表示(入賞)したことを契機として、内部制御状態がRT2状態に制御される。また、パチスロ10では、RT2状態中において、ベルこぼし目が停止表示したことを契機として、内部制御状態がRT1状態に制御される。また、パチスロ10では、RT0状態〜RT2状態中、ボーナス停止目が停止表示(入賞)したことを契機として、内部制御状態がボーナス状態に制御される。パチスロ10では、ボーナス状態におけるメダルの総払出し枚数が所定枚数(例えば360枚)を超える変動ゲームが終了したことを契機として、ボーナス状態が終了される。また、パチスロ10では、第51の当選情報に当選してからボーナス停止目が停止表示するまで(所謂ボーナス準備中)、RT3状態に制御される。このため、RT3状態は、遊技者に有利なボーナス状態(有利遊技状態)へ移行する前のボーナス準備中(準備状態中)に付与可能なRT状態(当選確率状態)である。
次に、図2に示すように、パチスロ10の電気的構成を説明する。
パチスロ10には、遊技場の電源電圧を所定の供給電圧に変換して、パチスロ10を構成する各種構成部材に供給する電源基板30が装着されている。また、パチスロ10には、主制御部としての主制御基板40が装着されている。また、主制御基板40は、各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、パチスロ10には、内部制御状態に応じた演出制御などを実行する副制御部としての副制御基板41が装着されている。そして、副制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
以下、電源基板30について説明する。
電源基板30には、遊技場の電源電圧をパチスロ10への供給電圧に変換する電源回路30aが設けられている。電源回路30aは、主制御基板40と副制御基板41に接続されている。
また、電源基板30には、電源断監視回路30bが設けられている。電源断監視回路30bは、電源回路30aに接続されている。電源断監視回路30bは、電源回路30aからの供給電圧の電圧値を監視する。具体的に、電源断監視回路30bは、供給電圧が所定値まで低下(降下)したかを監視する。そして、電源断監視回路30bは、供給電圧が所定値以下である場合に電源断信号を出力する。電源断監視回路30bから出力される電源断信号は、主制御基板40と、副制御基板41に出力される。なお、電源断監視回路30bによって供給電圧が所定値以下になった場合、主制御基板40に設けられた入力ポートを介して電源断信号が入力される。因みに、供給電圧が所定値まで低下する状況とは、例えば、電源がOFFされたときや、停電したときなどの状況である。
また、電源基板30には、例えば、電気二重層コンデンサからなるバックアップ用電源30cを備えている。バックアップ用電源30cは、電源回路30aに接続されている。また、電源回路30aからの供給電圧が、バックアップ用電源30cに供給される。そして、主制御基板40の主制御用RAM40cや副制御基板41の副制御用RAM41cは、供給電圧が低下するときや供給電圧がないときには、バックアップ用電源30cからの供給される電源によって記憶内容(制御情報)を記憶保持する。
次に、主制御基板40について説明する。
図2に示すように、主制御基板40には、制御動作を所定の順序で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの主制御プログラムを記憶する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。また、主制御基板40には、入力ポートが設けられている。また、主制御基板40には、出力ポートが設けられている。
主制御用CPU40aには、リールユニット13を構成するリール13L,13C,13R、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4及びホッパー26が接続されている。また、主制御基板40には、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御基板40には、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが接続されている。また、主制御用CPU40aには、設定器28及び前面扉開放センサKSが接続されている。また、主制御用CPU40aには、操作スイッチ29が接続されている。
主制御用CPU40aには、リールセンサSE1から、回動中の左リール13Lの回動位置に応じて第1の位置信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、リールセンサSE2から、回動中の中リール13Cの回動位置に応じて第2の位置信号が入力される。同様に、主制御用CPU40aには、リールセンサSE3から、回動中の右リール13Rの回動位置に応じて第3の位置信号が入力される。そして、主制御用CPU40aは、第1の位置信号〜第3の位置信号に基づき、各リール13L,13C,13Rの回動及び停止の制御を行う。
主制御用CPU40aには、メダルセンサSE4がメダルを検知する毎に当該メダルセンサSE4から、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、MAXBETボタン20が操作されると当該MAXBETボタン20から、MAXBETボタン20が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、精算スイッチ21が操作されると当該精算スイッチ21から、精算スイッチ21が操作されたことを示す制御信号が入力される。
より詳しく説明すると、メダルセンサSE4がメダルを検知すると、主制御基板40の入力ポートのうち、メダルセンサSE4に対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにメダル検知信号が入力される。同様に、MAXBETボタン20が操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、MAXBETボタン20に対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにMAXBETボタン20が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、精算スイッチ21が操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、精算スイッチ21に対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aに精算スイッチ21が操作されたことを示す制御信号が入力される。
また、主制御用CPU40aには、スタートレバー22が操作されると当該スタートレバー22から、スタートレバー22が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、ストップボタン23L,23C,23Rのうち何れかが操作されると当該操作されたストップボタンから、操作されたことを示す制御信号が入力される。
より詳しく説明すると、スタートレバー22が操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、スタートレバー22に対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにスタートレバー22が操作されたことを示す制御信号が入力される。また、ストップボタン23Lが操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、ストップボタン23Lに対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにストップボタン23Lが操作されたことを示す制御信号が入力される。同様に、ストップボタン23Cが操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、ストップボタン23Cに対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにストップボタン23Cが操作されたことを示す制御信号が入力される。また、ストップボタン23Rが操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、ストップボタン23Rに対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aにストップボタン23Rが操作されたことを示す制御信号が入力される。
また、主制御用CPU40aには、設定器28が操作されると当該設定器28から、設定器28が操作されたことを示す制御信号が入力される。詳しく説明すると、設定器28が操作されると、主制御基板40の入力ポートのうち、設定器28に対応する入力ポートを介して、主制御用CPU40aに設定器28が操作されたことを示す制御信号が入力される。
主制御用ROM40bには、主制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、当選情報別の当選確率が、当選情報決定用乱数の値の割り当て範囲として定められた当選情報テーブルが記憶されている。本実施形態のパチスロ10では、パチスロ10の設定毎に参照する当選情報テーブルが主制御用ROM40bに記憶されている。また、パチスロ10において、パチスロ10の設定毎に参照される当選情報テーブルは、更に、内部制御状態(例えば、RT0状態〜RT3状態、ボーナス状態)別に主制御用ROM40bに記憶されている。当選情報テーブルは、当選情報抽選(所謂、役抽選)にて用いられる。当選情報決定用乱数は、主制御基板40内で生成される。なお、当選情報決定用乱数として使用される乱数は、ハードウェア乱数でもよいし、ソフトウェア乱数でもよい。
当選情報抽選では、はずれ又は当選情報の種類が決定される。すなわち、当選情報抽選によって当選情報の種類が決められることから、当選情報抽選によって、賞が定められた図柄組み合わせ(所定の表示結果)の表示を許容するか否かの決定が行われることに相当する。更に、当選情報抽選では、表示させることを許容する表示結果の種類も決定されることに相当する。また、主制御用CPU40aは、内部制御状態を制御する。内部制御状態の種類に応じて、主制御用CPU40aは、各種処理(例えば、当選情報抽選)を行う。
ボーナス状態用の当選情報テーブルでは、非ボーナス状態用の当選情報テーブルに比して、ベル役が定められた当選情報の決定確率(当選確率)を合算した確率が高まるように、当選情報決定用乱数の値が振り分けてある。これにより、ボーナス状態では、非ボーナス状態に比して、ベル役の決定確率が高確率に変動される。
また、主制御用RAM40cには、制御に係る各種情報が記憶されるようになっており、例えば、遊技の進行に係わる情報、例えば、制御状態フラグ、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、パチスロ10の設定値を特定する設定情報、カウンタ、タイマの値などが含まれる。また、払出し表示部37に表示させている獲得枚数に係る情報、クレジット表示部36に表示させているクレジットに係る情報、ステッピングモータを駆動させる際に利用する励磁データなども含まれる。主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている情報に基づき制御を行うため、制御手段として機能する。
次に、副制御基板41について説明する。
図2に示すように、副制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行する副制御用CPU41aと、副制御用CPU41aの副制御プログラムを記憶する副制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM41cが設けられている。そして、副制御用CPU41aには、演出表示装置14が接続されている。また、副制御用CPU41aには、装飾ランプLaが接続されている。また、副制御用CPU41aには、スピーカSpが接続されている。
副制御用ROM41bには、副制御プログラムが記憶されている。また、副制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカSpの音声出力態様が示される音声演出パターン、装飾ランプLaの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。
副制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。具体的に、副制御用RAM41cには、内部制御状態にかかる副基板用状態情報(フラグなど)が副制御用CPU41aにより記憶される。
以下、主制御用CPU40aが主制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理(遊技進行メイン処理)について説明する。遊技進行メイン処理は、遊技が可能となった状態となったとき実行される。
図4に示すように、主制御用CPU40aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU40aは、パチスロ10に関する情報や、リールユニット13を用いた演出に関する情報の記憶を行ったり、主制御用RAM40cにおける所定の記憶領域の初期化などを行ったりする。次に、主制御用CPU40aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。次に、主制御用CPU40aは、パチスロ10の内部制御状態をチェックする(ステップS103)。
次に、主制御用CPU40aは、再遊技作動時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU40aは、再遊技作動時ではない場合(ステップS104:NO)、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、メダルセンサSE4からメダル検知信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数に1加算する。また、ステップS105の処理において、主制御用CPU40aは、MAXBETボタン20から制御信号を入力すると、主制御用RAM40cに記憶されているベット数を予め定めたベット数「3」にするとともに、加算分だけ、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットを減算する。また、主制御用CPU40aは、更新後のクレジットに係る情報を主制御用RAM40cに記憶すると共に、クレジット表示部36に更新後のクレジットを表示させるように制御する。また、ベット数が変更されると、主制御用CPU40aは、ベット数に応じてベット表示部35を制御する。
主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、今回の変動ゲームにおけるベット数が、変動ゲームを開始可能とする最大ベット数「3」と一致するか否かを判定する(ステップS106)。なお、主制御用CPU40aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を、今回の変動ゲームにおけるベット数として主制御用RAM40cに再び設定する。
ベット数が最大ベット数「3」と一致しない場合(ステップS106:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS103の処理に移行する。即ち、ステップS106の処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームを開始可能な状態となったか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数「3」と一致する場合(ステップS106:YES)、主制御用CPU40aは、スタートレバー22による開始操作を受付けたか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107の処理において、主制御用CPU40aは、スタートレバー22から制御信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー22から制御信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受付けていない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU40aは、開始操作を受付けるまで、ステップS107の処理を繰り返し実行する(待機する)。
一方、開始操作を受付けた場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU40aは、上述した内部抽選として、当選情報を決定するための当選情報抽選処理を行う(ステップS108)。当選情報抽選処理は、次のような処理である。
主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグの値を参照することによって、現在の内部制御状態がRT0状態〜RT3状態(非ボーナス状態)及びボーナス状態の何れであるかを特定する。主制御用CPU40aは、特定した内部制御状態に対応し、且つ、パチスロ10の設定値に対応する当選情報テーブルを選択する。主制御用CPU40aは、主制御基板40内において生成している当選情報決定用乱数の値を取得する。そして、主制御用CPU40aは、取得した当選情報決定用乱数の値をもとに、選択している当選情報テーブルを参照することによって、取得した当選情報決定用乱数の値が振り分けられている当選情報を決定する。当選情報抽選は、いわゆる役抽選である。
主制御用CPU40aは、当選情報抽選を行うと、決定した当選情報を特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている当選情報フラグに設定する。主制御用CPU40aは、当選情報フラグを参照することにより、決定した当選情報を特定できる。その他、主制御用CPU40aは、第51の当選情報に当選した場合、ボーナス役に当選していることを示すボーナスフラグを主制御用RAM40cに記憶させる。その後、主制御用CPU40aは、当選情報抽選処理を終了するとともに、遊技進行メイン処理に戻る。
ステップS108の処理を終了すると、主制御用CPU40aは、演出コマンド送信処理を行う(ステップS109)。演出コマンド送信処理において、主制御用CPU40aは、当選情報に応じた演出コマンドを送信バッファに格納する。なお、この実施形態のパチスロ10において、送信バッファに格納されたコマンドは、所定の送信処理によって副制御基板41へ送信される。
ステップS109の処理(演出コマンド送信処理)を終了すると、主制御用CPU40aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップS110)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS110:NO)、主制御用CPU40aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS110:YES)、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの回転が開始されるように、各リール13L,13C,13Rの各アクチュエータ(ステッピングモータML,MC,MR)を制御する(ステップS111)。即ち、ステップS111の処理は、各リール13L,13C,13Rを制御することにより、変動ゲームを開始させる開始処理に相当する。なお、ステップS111の処理において、主制御用CPU40aは、各リール13L,13C,13Rの回転速度が所定の回転速度で一定となり、ストップボタン23L,23C,23Rによる停止操作を受付け可能となるまで待機する。
次に、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの何れかによる停止操作を受付けたか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112の処理において、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの何れかから操作信号を入力している場合には肯定判定する一方で、ストップボタン23L,23C,23Rの何れからも制御信号を入力していない場合には否定判定する。停止操作を受付けていない場合(ステップS112:NO)、主制御用CPU40aは、停止操作を受付けるまで待機する。
その一方で、停止操作を受付けた場合(ステップS112:YES)、主制御用CPU40aは、制御信号を入力したストップボタン23L,23C,23Rに対応するリール13L,13C,13Rの回転を停止させるリール停止処理を実行する(ステップS113)。即ち、主制御用CPU40aは、停止操作の受付けを契機としてアクチュエータ(ステッピングモータML,MC,MR)を制御し、受付けた停止操作に対応するリール13L,13C,13Rにおいて図柄を停止させる。
詳しく説明すると、主制御用CPU40aは、ステップS108の処理(当選情報抽選処理)で決定した当選情報、及びストップボタン23L,23C,23Rの操作態様(操作順序及び操作タイミング)に基づいて、予め定められた引込み範囲(例えば4図柄)内に位置する図柄の中から入賞ラインNL上に停止可能な図柄を検索する。そして、主制御用CPU40aは、検索された図柄が入賞ラインNL上に停止されるようにアクチュエータ(ステッピングモータML,MC,MR)を制御する。主制御用CPU40aは、リール13L,13C,13Rの停止操作に関してこのようなリール停止制御を行うことにより、当選情報とストップボタン23L,23C,23Rの操作態様とに応じた図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させる。また、ステップS113の処理において、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rから操作信号を入力すると、該操作信号を入力したストップボタン23L,23C,23Rを特定可能な操作コマンドを生成するとともに、送信バッファに格納する。
次に、主制御用CPU40aは、リール13L,13C,13Rの全てを停止させたか否かを判定する(ステップS114)。リール13L,13C,13Rのうち1つ以上のリール13L,13C,13Rを停止させていない場合(ステップS114:NO)、主制御用CPU40aは、ステップS112の処理へ移行する。その一方で、リールの全てを停止させている場合(ステップS114:YES)、入賞ラインNL上に停止されている図柄組合せを判定する表示図柄判定処理を行う(ステップS115)。ステップS115の処理において、主制御用CPU40aは、入賞ラインNL上に賞を定めた図柄組合せ(役)が停止されているか、及び入賞ラインNL上に賞を定めた図柄組合せ(役)が停止されている場合にその図柄組合せの種類を判定する。
次に、主制御用CPU40aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップS116)。ステップS116の処理において、主制御用CPU40aは、払出役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出役に入賞していない場合には否定判定する。メダルの払出しを行う場合(ステップS116:YES)、メダル払出し処理を実行する(ステップS117)。ステップS117において主制御用CPU40aは、払い出す枚数のメダルをクレジットに加算する。因みに、クレジットに加算した際にクレジット上限枚数を超える場合、主制御用CPU40aは、クレジット上限枚数を超えた分のメダルを払い出すようにホッパー26を駆動させるために、ホッパー26へ制御信号を出力する。このように、パチスロ10では、入賞ラインNL上に停止された図柄組合せに応じて、所定の遊技価値としてメダルの払出しを発生可能である。
また、ステップS117の処理において、主制御用CPU40aは、入賞の発生によって払い出すメダルの枚数に関する情報(獲得枚数に係る情報)を次の変動ゲームが開始するまで主制御用RAM40cに記憶する。そして、制御手段として機能する主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されている獲得枚数に係る情報に基づき、表示手段(及び獲得数表示手段)としての払出し表示部37の制御を行う。これにより、払出し表示部37は、入賞の発生によって払い出すメダルの枚数に関する情報(獲得枚数)の表示を次の変動ゲーム(又は払出しが終了するまで)が開始するまで行う。例えば、主制御用CPU40aは、払い出すメダルの枚数に関する情報として、当該変動ゲームで払い出したメダルの枚数を表示してもよい。従って、獲得枚数に係る情報は、払出し表示部37の表示内容に係る所定情報といえる。
また、主制御用CPU40aは、クレジットにメダルの払出し枚数を加算する場合、クレジットに係る情報を更新して主制御用RAM40cに記憶する。それと共に、制御手段として機能する主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットに係る情報に基づき、表示手段(及びクレジット表示手段)としてのクレジット表示部36の制御を行う。つまり、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているクレジットに係る情報により特定されるクレジット(遊技媒体の数)をクレジット表示部36に表示させるように制御する。これにより、クレジット表示部36は、更新後のクレジット(すなわち、加算後のクレジット)を表示する。また、クレジットに係る情報は、クレジット表示部36の表示内容に係る所定情報といえる。
主制御用CPU40aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップS116:NO)、及びステップS117の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS118)。ステップS118の処理において、主制御用CPU40aは、変動ゲームの終了を指示する変動ゲーム終了コマンドを生成するとともに、送信バッファに格納する。変動ゲーム終了コマンドは、入賞の有無や、入賞した図柄組合せ(役)についても特定可能である。変動ゲーム終了コマンドは、図柄組合せの導出がなされるまでは出力されない。
また、主制御用CPU40aは、ステップS118の処理において、入賞していると判定した図柄組合せ(役)に応じて、内部制御状態を移行させる処理を行う。即ち、主制御用CPU40aは、非ボーナス状態であるRT0状態において、第1特殊リプレイ役に入賞すると、RT1状態に制御することを特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグに設定する。また、主制御用CPU40aは、非ボーナス状態であるRT1状態において、第2特殊リプレイ役に入賞すると、RT2状態に制御することを特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグに設定する。また、主制御用CPU40aは、非ボーナス状態であるRT2状態において、ベルこぼし役が停止表示されると、RT1状態に制御することを特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグに設定する。
主制御用CPU40aは、非ボーナス状態において、ボーナス役に入賞すると、ボーナス状態に制御することを特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグに設定する。主制御用CPU40aは、ボーナス状態の終了条件が成立している場合、ボーナス状態の契機となるボーナス役が定められた第51の当選情報に当選した際のRT状態に制御するように、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグを設定する。なお、第51の当選情報に当選した際のRT状態がRT0状態である場合には、RT1状態を示す値を制御状態フラグに設定する。
なお、終了処理において、主制御用CPU40aは、第51の当選情報に当選している場合であって、ボーナス役に入賞しなかったときには、ボーナス役に当選していることを示すボーナスフラグを設定すると共に、当該ボーナスフラグを消去することなく、次回の変動ゲームに持ち越す。即ち、主制御用CPU40aは、ボーナスフラグが持ち越されている場合には、今回の変動ゲームにおける当選情報抽選処理において第51の当選情報に当選していないときであっても、リール停止処理の実行により、ボーナス役の入賞を発生させることができる。なお、ボーナスフラグはボーナス役に入賞した後、消去される。
また、主制御用CPU40aは、第51の当選情報に当選している場合であって、ボーナス役に入賞しなかったときには、RT3状態に制御することを特定可能な値(情報)を、主制御用RAM40cに記憶されている制御状態フラグに設定する。また、終了処理において、主制御用CPU40aは、当選情報フラグをクリアすることにより、ボーナス役以外の役についての当選に関する情報を持ち越さない。
そして、主制御用CPU40aは、終了処理を終了すると、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行メイン処理を終了し、再びステップS101の処理へ戻る。以上のように、この実施形態のパチスロ10は、開始操作の受付けを契機として変動ゲームを開始するとともに、停止操作の受付けを契機として図柄列を停止させる。
次に、リール13L,13C,13Rを回転させるための制御(ステップS111における制御)について詳しく説明する。
主制御用RAM40cは、ステッピングモータML,MC,MRを制御するための駆動制御情報として、ステッピングモータML,MC,MRの励磁状態を励磁データとして記憶するようになっている。また、主制御用RAM40cは、ステッピングモータML,MC,MRの回転を停止させる際(全励磁状態とする際)、全励磁状態となる直前(停止前)の励磁状態を特定するための励磁情報としての励磁データを記憶するようになっている。
そして、主制御用CPU40aは、回転を開始させる際、主制御用RAM40cに記憶された励磁データに基づき、ステッピングモータML,MC,MRの励磁状態を遷移させて、ステッピングモータML,MC,MRを駆動させる制御を行う。つまり、主制御用CPU40aは、記憶された励磁データにより特定される励磁状態から各巻線への励磁状態を順番に遷移させる(切り替える)ことでステッピングモータML,MC,MRを回転させる。このため、主制御用CPU40aは、リールを駆動させるようにステッピングモータML,MC,MRを制御する制御手段として機能する。
なお、ステッピングモータML,MC,MRの回転が停止した状態から回転を開始させる際、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶された励磁データに基づき、ステッピングモータML,MC,MRを停止させる直前の励磁状態を特定する。つまり、全励磁状態となる前の励磁状態を特定する。そして、主制御用CPU40aは、特定した励磁状態から各巻線への励磁状態を順番に切り替えることでステッピングモータML,MC,MRを回転開始させる。
例えば、励磁データとして「第2の巻線」を励磁していたことが記憶されていた場合、主制御用CPU40aは、「第2の巻線」→「第2の巻線と第3の巻線」→「第3の巻線」→「第3の巻線と第4の巻線」→「第4の巻線」→…という順で励磁状態を切り替える。同様に、励磁データとして「第3の巻線と第4の巻線」を励磁していたことが記憶されていた場合、主制御用CPU40aは、「第3の巻線と第4の巻線」→「第4の巻線」→「第4の巻線と第1の巻線」→「第1の巻線」→…の順で励磁状態を切り替える。これにより、スムーズにステッピングモータML,MC,MRの回転が開始される。
次に、副制御基板41の副制御用CPU41aが行う処理について説明する。
副制御用CPU41aは、各種制御信号(制御コマンド)を入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSpの音声出力内容、装飾ランプLaの発光態様を制御する。また、副制御用CPU41aは、入賞可能な役(図柄組み合わせ)を特定可能であり、入賞可能な役に基づき、各種演出を実行させることができる。また、副制御用CPU41aは、各リールの停止状況も特定可能なことから、この停止状況から入賞役を特定することもでき、入賞役に基づき、各種演出を実行させることができる。
また、副制御用CPU41aは、遊技者にとって有利な内部制御状態に移行させるための演出を実行させる場合がある。例えば、副制御用CPU41aは、第32の当選情報〜第35の当選情報のうち何れかの当選情報の当選が指示された場合、ベル停止目を停止表示させるためのストップボタンの操作順序(押し順)をナビゲートするナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する場合がある。これにより、ベル停止目が入賞ラインNL上に停止表示される確率が高くなる。
そして、本実施形態において、パチスロ10は、バックアップ処理を実行可能に構成されている。以下、詳しく説明する。
図2に示すように、主制御用CPU40aは、電源断監視回路30bから供給電圧が所定の電圧未満となるように降下したことを示す電源断信号を入力した場合、電源断処理を行う。この電源断処理において、主制御用CPU40aは、各種情報をバックアップ情報として主制御用RAM40cに記憶保持させるバックアップ処理を実行するようになっている。バックアップ処理が実行されると、情報記憶手段としての主制御用RAM40cは、バックアップ情報を記憶することができる。なお、バックアップ情報としては、遊技の進行に係わる情報、例えば、制御状態フラグ、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、パチスロ10の設定値を特定する設定情報、カウンタ、タイマの値などが含まれる。また、バックアップ情報としては、入賞に基づくメダルの獲得数を特定する獲得枚数に係る情報(獲得数情報)、貯留されたメダルの数を特定するクレジットに係る情報(クレジット情報)、ステッピングモータを駆動させる際に利用する励磁データ(駆動制御情報、励磁情報)も含まれる。
バックアップ処理を行った後、所定の期間待機したのち、主制御用CPU40aは、供給電圧が回復したか否かを判定する。すなわち、主制御用CPU40aは、電源断信号の出力契機となる所定値を超える値で定められた基準値まで供給電圧が回復したか否かを判定する。主制御用CPU40aは、この判定結果が肯定となるまでの間、若しくは、供給電圧が「0(零)」になるまでの間、この判定処理を繰り返し行う。そして、供給電圧が回復した場合、主制御用CPU40aは、後述する電源復帰処理を行う。一方、供給電圧が限界値(例えば「0(零)」)以下になった場合には、それに伴い電源断処理を終了する。
次に、電源復帰処理について説明する。
図5に示すように、電源復帰処理において主制御用CPU40aは、バックアップ処理が正常に行われたか否かを判定する(ステップS301)。
そして、ステップS301の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cの記憶領域に記憶されているパチスロ10の設定値を特定可能な設定情報を参照し、パチスロ10の設定値が正常であるか否かを判定する(ステップS302)。ステップS302において主制御用CPU40aは、パチスロ10の設定値として取り得る値であるか否かを判定する。
ステップS301又はステップS302の判定結果が否定の場合、主制御用CPU40aは、電源断復帰エラーフラグを設定する(ステップS303)。ステップS303において主制御用CPU40aは、電源断復帰エラーフラグを設定することで電源断処理前の状況で遊技を行うことの可能な状態に復帰できないことを主制御用RAM40cに記憶する。その後、主制御用CPU40aは、エラーストップさせることで、各種の処理を停止する。なお、エラーストップは、前面扉12の裏面の操作スイッチ29を操作することにより、解除することが可能となっている。
一方、ステップS302の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU40aは、バックアップ情報に基づき、電源断されたときの状態に復帰させる(ステップS304)。その後、電源復帰処理を終了し、電源断時の遊技進行メイン処理へと復帰する。これにより、遊技を行うことの可能な状態へ復帰される。
次に、図6及び図7に基づき、パチスロ10への電源が投入された際に主制御用CPU40aが行う電源投入処理について説明する。主制御用CPU40aは、供給電圧がない状態から供給電圧が基準値に達したこと(供給電圧が回復したこと)、つまり、電源がONされたことを契機に、電源投入処理を行う。
図6に示すように、電源投入処理において主制御用CPU40aは、初期設定を実行する(ステップS401)。その後、主制御用CPU40aは、前面扉12が開放されているか否かを判定する(ステップS402)。ステップS402において主制御用CPU40aは、前面扉開放センサKSから制御信号を入力したか否かを判定する。前面扉12が開放されていない場合(ステップS402:NO)、主制御用CPU40aは、電源復帰処理を行う。
一方、前面扉12が開放されていた場合(ステップS402:YES)、主制御用CPU40aは、設定器28が操作されているか否かを判定する(ステップS403)。ステップS403において、主制御用CPU40aは、設定器28から制御信号を入力したか否かを判定する。設定器28が操作されていない場合(ステップS403:NO)、主制御用CPU40aは、バックアップ処理が正常に行われたか否かを判定する(ステップS404)。そして、バックアップ処理が正常に行われていなかった場合(ステップS404:NO)主制御用CPU40aは、電源復帰処理を行う。
また、バックアップ処理が正常に行われていた場合(ステップS404:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているパチスロ10の設定値を特定可能な設定情報を参照し、パチスロ10の設定値が正常であるか否かを判定する(ステップS405)。
設定値が正常でない場合(ステップS405:NO)、主制御用CPU40aは、電源断復帰エラーフラグを設定する(ステップS406)。主制御用CPU40aは、電源断復帰エラーフラグを設定することで電源断処理前の状態で遊技を行うことの可能な状態に復帰できないことを主制御用RAM40cに記憶する。その後、主制御用CPU40aは、エラーストップさせることで、各種の処理を停止する。一方、設定値が正常である場合(ステップS405:YES)、主制御用CPU40aは、電源復帰処理を行う。
一方、図7に示すように、設定器28が操作されていた場合(ステップS403:YES)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cに記憶されているパチスロ10の設定値を特定可能な設定情報を参照し、パチスロ10の設定値が正常であるか否かを判定する(ステップS407)。設定値が正常でない場合(ステップS407:NO)、主制御用CPU40aは、所定の設定値をパチスロ10の設定値としてセットする(ステップS408)。ステップS408において主制御用CPU40aは、最も遊技者にとって有利でない設定値「1」をパチスロ10の設定値としてセットする。
設定値が正常である場合(ステップS407:YES)、又はステップS408の処理を実行した場合、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cの予め決められた第1の記憶領域を初期化(リセット)することを決定(セット)する(ステップS409)。
第1の記憶領域には、例えば、制御状態フラグ、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値の他、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データなど、設定情報以外の各種制御情報が記憶されるようになっている。
次に、主制御用CPU40aは、MAXBETボタン20の操作を受け付け、MAXBETボタン20が操作されていたかを判定する(ステップS410)。すなわち、主制御用CPU40aは、MAXBETボタン20から制御信号を入力していたかを判定する。このため、主制御用CPU40aは、操作手段としてのMAXBETボタン20の操作を受け付ける受付手段となる。MAXBETボタン20が操作されていなかった場合(ステップS410:NO)、主制御用CPU40aは、バックアップ処理が正常に行われていたかを判定する(ステップS411)。バックアップ処理が正常に行われた場合(ステップS411:YES)、主制御用CPU40aは、制御状態フラグを参照して、内部制御状態を確認する(ステップS412)。
主制御用CPU40aは、ボーナス役に当選していることを示すボーナスフラグが設定されており、RT3状態に制御することを特定可能な値(情報)が制御状態フラグに設定されているか否かを判定する(ステップS413)。すなわち、主制御用CPU40aは、ボーナス準備中であるか否かを判定する。
ボーナス準備中でない場合(ステップS413:NO)、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cの第1の記憶領域を初期化することに代えて、第2の記憶領域を初期化(リセット)することを決定(セット)する(ステップS414)。第2の記憶領域には、設定情報、制御状態フラグ、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報及び励磁データ以外の各種制御情報が記憶されるようになっている。例えば、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値などが記憶されるようになっている。
そして、ステップS410においてMAXBETボタン20が操作されていた場合(ステップS410:YES)、主制御用CPU40aは、セットされた記憶領域を初期化する(ステップS415)。ステップS410においてMAXBETボタン20が操作されていた場合、ステップS415の処理を行うときには、第1の記憶領域を初期化することが決定されているため、主制御用CPU40aは、第1の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。すなわち、制御状態フラグ、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値の他、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データなど、設定情報以外の各種制御情報を初期化する。これにより、本実施形態では、例えば、制御状態フラグにRT1状態〜RT3状態のいずれかを示す値が設定されていた場合には、RT0状態を示す値を制御状態フラグに設定することとなる。また、例えば、獲得枚数に係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することとなる。また、クレジットに係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することなる。励磁データとして、第1の巻線が励磁状態であったことを示す情報を記憶することとなる。
また、ステップS411においてバックアップ処理が正常に行われていないと判定した場合(ステップS411:NO)、主制御用CPU40aは、セットされた記憶領域を初期化する(ステップS415)。つまり、主制御用CPU40aは、電源断されたときに実行される電源断処理が正常に行われていなかった場合には、初期化された各種情報に基づき遊技に関する制御を行うことの可能な状態にする。そして、ステップS411においてバックアップ処理が正常に行われていないと判定した場合に、ステップS415の処理を行うときには、第1の記憶領域を初期化することが決定されているため、主制御用CPU40aは、第1の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。これにより、前述同様、制御状態フラグにRT0状態を示す値を制御状態フラグに設定することとなる。また、獲得枚数に係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することとなる。また、クレジットに係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することなる。励磁データとして、第1の巻線が励磁状態であったことを示す情報を記憶することとなる。
また、ステップS413においてボーナスの準備中であると判定した場合(ステップS413:YES)、主制御用CPU40aは、セットされた記憶領域を初期化する(ステップS415)。ステップS413においてボーナスの準備中である場合に、ステップS415の処理を行うときには、第1の記憶領域を初期化することが決定されているため、主制御用CPU40aは、第1の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。これにより、前述同様、制御状態フラグにRT0状態を示す値を制御状態フラグに設定することとなる。また、獲得枚数に係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することとなる。また、クレジットに係る情報として、初期値「0」を示す情報を記憶することなる。励磁データとして、第1の巻線が励磁状態であったことを示す情報を記憶することとなる。また、ボーナスフラグの値が初期化され(消去され)、ボーナス準備中でなくなる。
また、ステップS414の処理を行った後、主制御用CPU40aは、セットされた記憶領域を初期化する(ステップS415)。ステップS414の処理を行った後、ステップS415の処理を行うときには、第2の記憶領域を初期化することが決定されているため、主制御用CPU40aは、第2の記憶領域に記憶されている情報を初期化する。
すなわち、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値などの各種制御情報を初期化する。その一方、制御状態フラグの値は、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の値が維持される。また、獲得枚数に係る情報も、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の情報が維持される。また、クレジットに係る情報も、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の情報が維持される。同様に、ステッピングモータML,MC,MRの励磁データも、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の情報が維持される。これにより、主制御用CPU40aは、電源投入後、主制御用RAM40cに記憶されているバックアップ情報に基づき遊技に関する制御を行うことの可能な状態にすることができる。
ステップS415の処理後、続いて、主制御用CPU40aは、割込処理を許可する(ステップS416)。
ステップS416の処理を終えると、主制御用CPU40aは、設定変更処理を行う(ステップS417)。設定変更処理において、設定手段としての主制御用CPU40aは、機械割に係る設定情報の変更に係る制御を行う。設定変更処理において主制御用CPU40aは、設定器28が操作されているとき、所定の操作手段(例えばMAXBETボタン20など)が操作される毎にパチスロ10の設定値を1段階ずつ変化させる。そして、主制御用CPU40aは、設定値を変化させる操作手段とは異なる操作手段(例えば、スタートレバー22など)が操作されると、選択されている設定値を、パチスロ10の設定値とすることを決定する。その後、主制御用CPU40aは、決定したパチスロ10の設定値を特定可能な設定情報に変更する制御を行い、変更後の設定情報を主制御用RAM40cに記憶し、設定変更処理を終える。そして、主制御用CPU40aは、電源投入処理を終了し、遊技進行メイン処理を行う。これにより、遊技を行うことの可能な状態となる。
このように、設定器28が操作された場合(ステップS403:YES)、ステップS417の設定変更処理が実行されるまでの間に、つまり、主制御用CPU40aにより機械割に係る設定情報の変更に係る制御が行われる際、かならずステップS409〜ステップS415の処理を実行することとなる。そして、ステップS409〜ステップS415の処理を実行することにより、主制御用CPU40aが受け付けた操作手段としてのMAXBETボタン20の操作に基づき、主制御用RAM40cに記憶されているバックアップ情報のうち、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報のリセットの有無を選択可能となっている。つまり、MAXBETボタン20が操作された場合(ステップS410:YES)、第1の記憶領域をリセットするため、バックアップ情報のうち、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報、例えば、制御状態フラグ、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データをリセットすることができる。一方、操作されなかった場合(ステップS410:NO)、第2の記憶領域をリセットすることができ、バックアップ情報のうち、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報、例えば、制御状態フラグ、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データをリセットしないようにすることができる。
また、ボーナス状態の準備状態中(ボーナス準備中)である旨の準備情報としてのボーナスフラグが記憶されているとき(ステップS413:YES)、設定変更処理において機械割に係る設定情報の変更に係る制御が行われる場合には、第1の記憶領域がリセットされる。このため、MAXBETボタン20の操作にかかわらず、準備状態である旨の準備情報としてのボーナスフラグ、及び当選確率状態を特定するための状態情報としての制御状態フラグがリセットされることとなる。
次に、第1の記憶領域に記憶されている情報がリセット(初期化)された後に、遊技が開始された場合における作用について説明する。
第1の記憶領域に記憶されている情報がリセットされた場合、主制御用CPU40aは、制御状態フラグ、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値など、設定情報以外の各種制御情報を初期化して制御を行うこととなる。また、主制御用CPU40aは、この他、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データなど、設定情報以外の各種制御情報を初期化して制御を行うこととなる。つまり、主制御用CPU40aは、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報がリセットされた場合、リセットされた前記所定情報、例えば、制御状態フラグ、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データ基づき、遊技機の状態を初期状態にして制御を行うこととなる。
より詳しく説明すると、第1の記憶領域に記憶されている情報がリセットされると、本実施形態では、所定情報の1つである、RT0状態〜RT3状態(当選確率状態)を特定するための状態情報としての制御状態フラグがリセットされる。そして、主制御用CPU40aは、制御状態フラグがリセットされた場合には、リセットされた制御状態フラグの値に基づき、RT状態(当選確率状態)を初期状態(RT0状態)にして制御を行う。すなわち、制御状態フラグに、初期状態であるRT0状態を示す値を設定し、主制御用CPU40aは、電源投入処理の終了後、内部制御状態がRT0状態で変動ゲームを開始する。RT0状態は、電源投入と共にリセット(初期化)されたときにのみ移行可能である。つまり、本実施形態では、一旦、RT1状態〜RT3状態のいずれかに移行した場合には、リセットされなければ、RT0状態に再び移行することができないように構成されている。このため、遊技者は、RT0状態に滞在していたことを判別すると、電源投入と共にリセットされたことを認識することができる。そして、設定変更処理は、制御状態フラグのリセットと共に実行されるため、制御状態フラグのリセットを認識することにより、遊技者は、設定変更処理が実行されたことを認識することができる。つまり、設定値が変更された可能性があることを認識することができる。本実施形態では、RT状態が、遊技者の認識できる遊技機の状態となる。
なお、RT0状態と、RT2状態又はRT3状態は、再遊技役の入賞しやすさ(当選確率)が大幅に異なる。このため、電源断前において、RT2状態又はRT3状態であった場合、遊技者は、再遊技役の入賞しやすさ(当選確率)から内部制御状態が変更されたこと、すなわち、初期化されてRT0状態となったことを認識することができる。また、電源断前の内部制御状態がRT1状態である場合、再遊技役の入賞しやすさがほとんど同じであるため、再遊技役の入賞しやすさからでは初期化されたか否か(RT0状態であるか否か)を判別しにくい。しかしながら、この場合であっても、初期化されたRT0状態(当選確率状態)から次のRT1状態(当選確率状態)となる際、特定の結果としての第1特殊リプレイ停止目が表示されるようになっているため、RT0状態中にのみ入賞可能な第1特殊リプレイ停止目が入賞した場合、遊技者は、RT0状態であったことを認識することができる。従って、遊技者に第1特殊リプレイ停止目が入賞するか否かについて注目して遊技を行わせることができる。
また、第1の記憶領域に記憶されている情報がリセットされると、所定情報の1つである、獲得枚数に係る情報がリセットされる。そして、主制御用CPU40aは、獲得枚数に係る情報がリセットされた場合、リセットされた獲得枚数に係る情報に基づき、初期値(初期内容)を表示させるように払出し表示部37を制御する。すなわち、獲得枚数に係る情報として、初期値「0」を示す情報を設定し、主制御用CPU40aは、初期値「0」を表示させるように払出し表示部37を制御する。このため、閉店時(電源断前)の払出し表示部37において、初期値「0」以外の値が表示されていたにもかかわらず、開店時(電源投入直後)の払出し表示部37に初期値「0」が表示されていた場合、リセットされたこと(又はリセットされた可能性が少なくともあること)を認識することができる。そして、獲得枚数に係る情報のリセット(初期化)は、設定変更処理の実行と共に行われるため、設定変更処理が行われたことを認識することができる。つまり、設定値が変更された可能性があることを認識することができる。本実施形態では、獲得枚数が、遊技者の認識できる遊技機の状態となる。
同様に、第1の記憶領域に記憶されている情報が初期化されると、所定情報の1つである、クレジットに係る情報がリセットされる。そして、主制御用CPU40aは、クレジットに係る情報がリセットされた場合、リセットされたクレジットに係る情報に基づき、初期値(初期内容)を表示させるようにクレジット表示部36を制御する。すなわち、クレジットに係る情報として、初期値「0」を示す情報を設定し、主制御用CPU40aは、初期値「0」を表示させるようにクレジット表示部36を制御する。このため、閉店時(電源断前)のクレジット表示部36において、初期値「0」以外の値が表示されていたにもかかわらず、開店時(電源投入直後)のクレジット表示部36に初期値「0」が表示されていた場合、リセットされたこと(又は初期化された可能性が少なくともあること)を認識することができる。そして、クレジットに係る情報の初期化は、設定変更処理の実行と共に行われるため、設定変更処理が行われたことを認識することができる。つまり、設定値が変更された可能性があることを認識することができる。本実施形態では、クレジットが、遊技者の認識できる遊技機の状態となる。
同様に、第1の記憶領域に記憶されている情報が初期化されると、所定情報の1つである、励磁データがリセットされる。そして、主制御用CPU40aは、励磁データがリセットされた場合、初期化された励磁データに基づき、リールを駆動させるように制御する。つまり、主制御用CPU40aは、励磁データがリセットされた場合、初期化した励磁情報に基づき、ステッピングモータML,MC,MRを制御する。例えば、初期化された励磁データとして、第1の巻線が励磁状態であったことを示す情報が記憶される。そのとき、閉店前(電源断前)において、第1の巻線以外の巻線を励磁状態としていた場合(つまり、回転子が他の励磁状態に応じた位置に停止していた場合)、開店後(電源投入後)、最初の変動ゲームを開始させるためにリールを回転させる際、回転子の位相が急激に変化することとなる。この場合、回転子が、第1の巻線を励磁状態にしたことに対応できず、リールが不規則に回転する(ぶれが生じる)こととなる。従って、電源投入後、最初の変動ゲームにおいて、リールにぶれが生じた場合には、励磁データ等の情報が初期化されたことを認識することができる。そして、励磁データの初期化は、設定変更処理の実行と共に行われるため、これにより、遊技者は、設定変更処理が行われたことを認識することができる。つまり、設定値が変更された可能性があることを認識することができる。本実施形態では、リールの回転態様が、遊技者の認識できる遊技機の状態となる。
次に、第2の記憶領域に記憶されている情報が初期化された後に、遊技が開始された場合における作用について説明する。
第2の記憶領域が初期化されると、当選情報フラグ、ボーナスフラグなどの各種フラグの値、カウンタ、タイマの値などの各種制御情報が初期化される。その一方、制御状態フラグの値は、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の値が維持される。また、獲得枚数に係る情報も、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の情報が維持される。また、クレジットに係る情報も、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前の情報が維持される。同様に、ステッピングモータML,MC,MRの励磁データも、初期化されず、バックアップ情報に基づき、電源断前のデータが維持される。
このように、主制御用CPU40aは、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報(制御状態フラグ、獲得枚数に係る情報、クレジットに係る情報、励磁データ)がリセットされなかった場合、記憶されていた所定情報に基づき、設定情報の変更に係る制御が行われる前の遊技機の状態を継続して制御を行う。
例えば、主制御用CPU40aは、RT状態(当選確率状態)を特定するための状態情報としての制御状態フラグがリセットされなかった場合には、記憶されていた制御状態フラグに基づき、前記設定情報の変更に係る制御が行われる前のRT状態(当選確率状態)にて制御を行う。このため、RT状態は、電源断前の状態が維持されるため、RT状態からでは初期化されたか否かを判断できないようになっている。従って、RT状態の変化から設定変更処理が行われたか否か、つまり、パチスロ10の設定値の変更が行われたか否かを判断できない。
また、主制御用CPU40aは、クレジットに係る情報がリセットされなかった場合、記憶されていたクレジットに係る情報に基づき、設定情報の変更に係る制御が行われる前のクレジット(遊技媒体の数)を表示させるようにクレジット表示部36を制御する。このため、閉店前(電源断前)のクレジットが開店後(電源投入後)も維持されることとなる。従って、クレジット表示部36の表示内容の変化を読み取って、設定変更処理が行われた否か、つまり、パチスロ10の設定値の変更が行われたか否かを判断できない。
また、主制御用CPU40aは、獲得枚数に係る情報がリセットされなかった場合、記憶されていた獲得枚数に係る情報に基づき、設定情報の変更に係る制御が行われる前の獲得枚数を表示させるように払出し表示部37を制御する。このため、閉店前(電源断前)の獲得枚数が開店後(電源投入後)も維持されることとなる。従って、払出し表示部37の表示内容の変化を読み取って、設定変更処理が行われた否か、つまり、パチスロ10の設定値の変更が行われたか否かを判断できない。
また、主制御用CPU40aは、励磁データ(駆動制御情報、励磁情報)がリセットされなかった場合、記憶されていた励磁データに基づき、変更前の状態から継続してリールを駆動させるようにステッピングモータML,MC,MRを制御する。このため、開店後(電源投入後)、設定値が変更されていても、最初の変動ゲームにおいて、リール13L,13C,13Rがぶれることがない。このため、リール13L,13C,13Rの回転の様子から、設定変更処理が行われた否か、つまり、パチスロ10の設定値の変更が行われたか否かを判断できない。
以上、詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)主制御用CPU40aが、設定変更処理を実行する際、MAXBETボタン20の操作に基づき、バックアップ情報のうち、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報(制御状態フラグ、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データ)のリセットの有無を選択することができる。主制御用CPU40aは、所定情報がリセットされなかった場合、記憶されていたバックアップ情報に基づき、設定情報の変更に係る制御が行われる前の遊技機の状態を継続して制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、所定情報がリセットされた場合、遊技機の状態を初期状態にして制御を行う。このため、結果として、MAXBETボタン20の操作により、パチスロ10の設定値の変更後、遊技者が認識できる遊技機の状態を継続又は初期状態とするかを選択することができる。すなわち、遊技店などの都合により、遊技機の状態で、設定値の変更を示唆したり、逆に設定値の変更を秘匿したりすることができる。
(2)主制御用CPU40aは、制御状態フラグ(当選確率状態を特定するための情報)が初期化(リセット)されなかった場合には、記憶されていた制御状態フラグに基づき、設定情報の変更に係る制御が行われる前のRT状態(内部制御状態)にて制御を行う。一方、制御状態フラグがリセットされた場合には、リセットされた制御状態フラグに基づき、初期状態であるRT0状態にて制御を行う。これにより、パチスロ10の設定値の変更の際、MAXBETボタン20の操作によって、RT状態をリセットするか否かを選択することができる。このため、開店後、RT状態の種類が閉店前と同じであれば、設定値が変更されていないかもしれないと思わせることができる。一方、RT状態の種類が異なれば、設定値が変更されているかもしれないと思わせることができる。
(3)ボーナス準備中である旨の情報が記憶されているとき(ボーナスフラグが設定され、且つ、RT3状態を示す値が制御状態フラグに設定されているとき)、パチスロ10の設定値の変更に係る制御が行われる場合には、MAXBETボタン20の操作にかかわらず、ボーナスフラグ及び制御状態フラグがリセットされる。これにより、ボーナスフラグが消去されたにもかかわらず、ボーナス準備中に決定可能なRT3状態が維持される(設定される)という問題を防ぐことができる。
(4)制御状態フラグがリセットされてRT0状態から変動ゲームが開始された場合、当該RT0状態からRT1状態に移行する際、特定の結果として、第1特殊リプレイ停止目が入賞する(停止表示される)。これにより、第1特殊リプレイ停止目が入賞した場合には、制御状態フラグが初期化されて、RT0状態となっていたことを認識することができる。従って、第1特殊リプレイ停止目が停止表示されるか否かについても注目させて、遊技を行わせることができる。
(5)正常にバックアップ処理が行われていなかった場合には、パチスロ10の設定値の変更に係る制御が行われる際、MAXBETボタン20の操作に基づき、所定情報を消去させないと選択しても、設定情報以外の情報が全て初期化される(第1の記憶領域が初期化される)。このため、正常にバックアップ情報が記憶保持されていなかったとしても、想定外の状態となることがない。例えば、クレジット表示部36や、払出し表示部37にあり得ない値が表示されることや、励磁データの異常によりステッピングモータML,MC,MRが回転させることができない等の想定外のエラーを未然に防止できる。
(6)主制御用CPU40aが、設定変更処理を実行する際、MAXBETボタン20の操作に基づき、主制御用RAM40cに記憶されるバックアップ情報のうち、各種情報表示部17の表示内容に係わる情報(クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報)のリセットの有無を選択することができる。そして、主制御用CPU40aは、表示内容に係わる情報がリセットされなかった場合、記憶されていたバックアップ情報(設定情報が変更される前の情報)に基づき、各種情報表示部17の表示内容を継続させるように制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、表示内容に係わる情報がリセットされた場合、リセットされた情報に基づき初期内容を表示させるように各種情報表示部17の制御を行う。このため、結果として、MAXBETボタン20の操作により、パチスロ10の設定値の変更後、遊技者が認識可能な各種情報表示部17の表示内容を継続又は初期化するかを選択することができる。すなわち、遊技店などの都合により、各種情報表示部17の表示内容で、設定値の変更を示唆したり、逆に設定値の変更を秘匿したりすることができる。
(7)主制御用CPU40aが、設定変更処理を実行する際、MAXBETボタン20の操作に基づき、主制御用RAM40cに記憶されるバックアップ情報のうち、クレジットに係る情報のリセットの有無を選択することができる。そして、主制御用CPU40aは、クレジットに係る情報がリセットされなかった場合、記憶されていたバックアップ情報(設定情報が変更される前のクレジットに係る情報)に基づき、クレジット表示部36の表示内容を継続させるように制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、クレジットに係る情報がリセットされた場合、初期化されたクレジットに係る情報に基づき、クレジットの初期値「0」を表示させるようにクレジット表示部36の制御を行う。このため、結果として、MAXBETボタン20の操作により、パチスロ10の設定値の変更後、遊技者が認識可能なクレジット表示部36の表示内容を継続又は初期化するかを選択することができる。すなわち、遊技店などの都合により、クレジット表示部36の表示内容で、設定値の変更を示唆したり、逆に設定値の変更を秘匿したりすることができる。
(8)主制御用CPU40aが、設定変更処理を実行する際、MAXBETボタン20の操作に基づき、主制御用RAM40cに記憶されるバックアップ情報のうち、獲得枚数に係る情報のリセットの有無を選択することができる。そして、主制御用CPU40aは、獲得枚数に係る情報がリセットされなかった場合、記憶されていたバックアップ情報(設定情報が変更される前の獲得枚数に係る情報)に基づき、払出し表示部37の表示内容を継続させるように制御を行う。一方、主制御用CPU40aは、獲得枚数に係る情報がリセットされた場合、初期化された獲得枚数に係る情報に基づき、獲得枚数の初期値「0」を表示させるように、払出し表示部37の制御を行う。このため、結果として、MAXBETボタン20の操作により、パチスロ10の設定値の変更後、遊技者が認識可能な払出し表示部37の表示内容を継続又は初期化するかを選択することができる。すなわち、遊技店などの都合により、払出し表示部37の表示内容で、設定値の変更を示唆したり、逆に設定値の変更を秘匿したりすることができる。
(9)主制御用CPU40aが、設定変更処理を実行する際、MAXBETボタン20の操作に基づき、主制御用RAM40cに記憶されるバックアップ情報のうち、ステッピングモータML,MC,MRの励磁データのリセットの有無を選択することができる。主制御用CPU40aは、励磁データがリセットされなかった場合、記憶されていたバックアップ情報(設定情報が変更される前の励磁データ)に基づき、電源断前の励磁状態から、リールの回転制御を行う。この場合、リールはぶれることなく、スムーズに回転させることができる。一方、主制御用CPU40aは、励磁データがリセットされた場合、励磁データを初期化する。励磁データが初期化されることにより、リールにぶれが生じる可能性があり、リールのぶれの有無から初期化を判断させることができる。このため、結果として、MAXBETボタン20の操作により、パチスロ10の設定値の変更後、リールにぶれを生じさせるか否かを選択することができる。すなわち、遊技店などの都合により、リールのぶれの有無で、設定値の変更を示唆したり、逆に設定値の変更を秘匿したりすることができる。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、第2の記憶領域がリセットされる際、制御状態フラグの値、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データ以外の情報が記憶保持されるようにしてもよい。その際、遊技者ができる遊技機の状態を特定する所定情報であることが望ましい。
・上記実施形態において、第2の記憶領域がリセットされる際、制御状態フラグの値、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データが除かれており、リセットされなかったが、いずれか1又は2以上の組み合わせの情報を含ませて、リセットしても良い。
例えば、第2の記憶領域がリセットされる際、制御状態フラグの値、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データのうちいずれか1つの情報をリセットしても良い。同様に、第2の記憶領域がリセットされる際、制御状態フラグの値、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データのうちいずれか2つの情報をリセットしても良い。第2の記憶領域が初期化される際、制御状態フラグの値、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報、励磁データのうちいずれか3つの情報をリセットしても良い。
・上記実施形態において、ボーナス準備中である場合、ボーナスフラグ及び制御状態フラグに設定されたRT3状態を示す値がリセット(初期化)されたが、リセットされなくても良い。つまり、設定情報の変更に係る制御が行われる場合であっても、ボーナス準備状態又はRT3状態が継続しても良い。
・上記実施形態において、パチスロ10の設定値(遊技機の設定値)の段階は、任意に変更してもよい。例えば、1段階であってもよいし、3段階や10段階であってもよい。
・上記実施形態において、副制御基板41の副制御用CPU41aも、主制御基板40の主制御用CPU40aと同様に、副制御用RAM41cの記憶内容(制御情報)の記憶保持に係る処理(例えば、電源断処理や電源復帰処理、電源投入処理)を行うように構成してもよい。このように構成する場合、副制御用CPU41aが管理する制御内容も記憶保持することが可能となる。
・上記実施形態におけるナビ演出は、最初に操作するストップボタンをナビゲートすることに限らず、1回目(最初)に操作するストップボタンと、2回目に操作するストップボタンをナビゲートする演出であってもよい。このようなナビ演出は、1回目と2回目に操作するストップボタンをナビゲートすることにより、3回目(最後)に操作するストップボタンをナビゲートすることに相当する。すなわち、ストップボタン23L,23C,23Rの操作順序の全てをナビゲートすることに相当する。
・上記実施形態において、ナビ演出は、演出表示装置14で実行することに限らず、スピーカSpにて実行するように構成してもよい。また、ストップボタン23L,23C,23Rに発光体を内蔵し、当該発光体を用いてナビ演出を実行するように構成してもよい。また、ナビ演出は、複数の演出実行手段(上記では、演出表示装置14や、スピーカSp、ストップボタンに内蔵された発光体)を用いて実行するように構成してもよい。
・上記実施形態は、ボーナス状態の付与が行われない回胴式遊技機(パチスロ)に適用してもよい。
・上記実施形態は、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いる回胴式遊技機(パチスロ)に具体化してもよい。
・上記実施形態において、操作することでクレジットから1ベットすることの可能なBETボタンを備えてもよい。
・上記実施形態において、各当選情報に当選する確率は任意に変更してもよい。
・上記実施形態では、MAXBETボタン20を利用して、所定情報のリセットの有無(第1の記憶領域をリセットするか否か)を選択可能としていたが、MAXBETボタン20以外の他の操作手段を利用しても良い。例えば、スタートレバー22やストップボタン23L,23C,23Rなどを利用しても良い。また、例えば、前面扉12の裏面に操作可能な操作スイッチを設け、この操作スイッチを利用しても良い。なお、前面扉12の裏面に設けられた操作スイッチは、前面扉12が閉鎖されることで本体11の内部に収容される。
・上記実施形態において、クレジットに係る情報、獲得枚数に係る情報を所定情報に含ませ、設定情報の変更に係る制御が行われる際、MAXBETボタン20の操作により、リセットの有無を選択可能に構成していたが、クレジットに係る情報及び獲得枚数に係る情報以外の各種情報表示部17の表示内容に係る情報を所定情報に含ませても良い。例えば、ベット表示部35の表示内容に係る情報を所定情報に含ませても良い。また、演出表示装置14など他の表示装置や装飾ランプの表示内容に係る情報を所定情報に含ませても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)操作手段の操作を受け付ける受付手段と、情報を記憶することができる情報記憶手段と、前記情報記憶手段に記憶されている情報に基づき制御を行う制御手段と、機械割に係る設定情報の変更に係る制御を行う設定手段と、を備え、前記設定手段により前記設定情報の変更に係る制御が行われる際、前記受付手段が受け付けた前記操作手段の操作に基づき、前記情報記憶手段に記憶されている情報のうち、遊技者が認識できる遊技機の状態を特定する所定情報のリセットの有無を選択可能に構成され、前記制御手段は、前記所定情報がリセットされなかった場合、記憶されていた前記所定情報に基づき、前記設定情報の変更に係る制御が行われる前の遊技機の状態を継続して制御を行う一方、前記所定情報がリセットされた場合、リセットされた前記所定情報に基づき、遊技機の状態を初期状態にして制御を行う遊技機。
(ロ)前記情報記憶手段に記憶されている情報には、少なくても励磁情報又は駆動制御情報が含まれていること。