JP5584234B2 - 硝酸塩を用いるグラファイト酸化物の製造方法 - Google Patents

硝酸塩を用いるグラファイト酸化物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硝酸塩を用いる(nitrate salt-based)グラファイト酸化物の調製方法に関する。本発明の硝酸塩を用いる方法は硫酸、無機硝酸塩、分量の水、第1の量の塩素酸塩及びグラファイトを含む出発原料を使用する。
グラファイト酸化物は、グラファイトを、例えば塩素酸塩又は過マンガン酸塩などの酸化剤で酸化することによって調製されるクラスのインターカレート層状材料(intercalated layered material)である。グラファイト酸化物は、グラフェン(graphen)を含む剥離グラファイト(exfoliated graphite)の調製において、中間体として特に有用である。剥離グラファイトの調製方法の1つは、本明細書の後の部分で例証するような、グラファイト酸化物の高温への急速加熱である。
膨張黒鉛(expanded graphite)とも称される剥離グラファイトは、一般に、グラファイトのBrunauer−Emmett−Teller(BET)表面積よりも大きいが1枚のグラフェンシートのBET理論表面積より小さい(即ち2630平方メートル/グラム(m2/g)未満の)BET表面積を有する剥離された(exfoliated)又は部分的に離層された(partially delaminated)グラファイトである。従来の剥離グラファイトは、典型的には、平均粒度に依って、約15m2/g〜約150m2/gの範囲のBET表面積を有する。剥離グラファイトは、例えばポリマー複合材料などの複合材料の生成を含む、様々な用途に有用であり、剥離グラファイトのBET表面積が大きいほど、このような複合材料において有用である。
かなり以前から知られている、塩素酸塩を用いるグラファイト酸化反応プロセスの欠点の1つは反応混合物中の硝酸である。硝酸の一部は、反応の間に蒸発する。蒸発した硝酸は、その後ガス出口ラインにおいて凝縮する。このプロセスは有害な二酸化塩素(ClO2)も発生する。これは、グラファイト酸化物へのグラファイトの効果的な酸化に関連するものと考えられる。しかし、反応過程において、ClO2ガスの濃度が反応器のヘッドスペースにおいて増大し、ガス出口ライン中の硝酸凝縮液がヘッドスペースからのClO2ガスの適切なガス抜きを既に阻害しており、結果として、二酸化塩素の濃度が、反応器のヘッドスペースにおいて、爆発濃度(即ち10%又はそれ以上、例えば50%)までより急速に増大する。更に、蒸発した硝酸は、反応器装備品、例えば分光学的方法(例えば紫外(UV)分光法)による、反応混合物中の反応の進行又は反応器のヘッドスペース中のClO2ガスの濃度の監視を可能にする、反応器中のセル又は窓を腐蝕する。このような危険原因及び硝酸使用の欠点を最低限に抑えるために、混合物の温度は、典型的には、0℃〜5℃に保たれる。しかし、この温度は塩素酸塩の溶解度及び反応性を低下させ、更に、塩素酸塩の添加後に反応混合物をより高い温度(典型的には周囲温度、即ち約25℃)まで加温するか又は上昇させる場合には、反応器中の二酸化塩素濃度を増加させるおそれがある。
生成されるグラファイト酸化物の品質を低下させることなく、硝酸の使用を排除するグラファイトの酸化方法に対する当業界でのニーズがある。
第1の態様において、本発明は、硝酸塩を用いる、グラファイト酸化物の製造方法を提供する。この硝酸塩を用いる方法は、(a)以下の出発原料:硫酸、無機硝酸塩、分量の水、第1の量の塩素酸塩及びグラファイトを含む反応混合物を反応器中で混合し;(b)前記反応混合物を反応させて、グラファイト酸化物を生成させ;そして(c)前記反応混合物からグラファイト酸化物を分離して、単離グラファイト酸化物を生成させる工程を含む。
本明細書中で使用する、「1つの(a、an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又はそれ以上の(one or more)」は、互換的に(interchangeability)用いる。本明細書中に記載した本発明の任意の態様において、オープンエンドの(非排他的な)用語「〜を含んでなる(comprising、comprises)」など(これは「〜を含む」、「〜を有する」及び「〜を特徴とする」と同義である)は、それぞれの部分的に閉じた(部分的に排他的な)表現「〜から本質的になる(consisting essentially of、consists essentially of)」など又はそれぞれの閉じた(排他的な)表現「〜からなる(consisting of、consists of)」などによって置き換えることができる。構成員の列挙に使用する用語「又は(若しくは)」は、特に断らない限り、列挙された構成員を個別に又は任意の組合せで意味する。
参照によって内容を組み入れることを許容する米国及び他の国の特許実務上、この発明の詳細な説明中で参照する各米国特許、米国特許出願、米国特許出願公開公報、特許協力条約(PCT)国際特許出願及びそれに対応するWO公報の全内容(特に断らない限り)を、参照によって組み入れる。入手可能な場合は、その米国特許又は米国特許出願公開公報ファミリー番号を、そのPCT国際特許出願又は対応するWO公報の代わりに、参照によって組み入れることができる。本明細書の記載と、参照によって組み入れられる特許、特許出願若しくは特許出願公開公報又はそれらの一部分の記載とが矛盾する場合には、本明細書の記載が優先する。
本明細書において、表題(例えば「定義」)は、便宜上使用するものであって、本発明の開示範囲の限定の意味はなく、また、本発明の開示範囲の限定に使用すべきでない。
括弧を用いずに記載された単位付きの数値、例えば2インチと、括弧を用いて記載された対応する単位付き数値、例えば、(5センチメートル)とが矛盾する場合には、括弧を用いずに記載された単位付きの数値が優先する。
本明細書において、範囲の任意の下限又は範囲の任意の好ましい下限は、範囲の任意の上限又は範囲の任意の好ましい上限と組合せて、範囲の好ましい一態様を定義できる。各数値範囲は、その範囲内に含まれる全ての数値、有理数及び無理数の両方を含む(例えば約1〜約5の範囲は、例えば1、1.5、2、2.75、3、3.80、4及び5を含む)。
定義
用語「水性」及び「〜の水溶液」は、化合物(例えば硝酸ナトリウム又は塩素酸ナトリウム)に適用する場合、同義であり、化合物が水中に溶解されている溶液を意味する。
用語「Brunauer−Emmett−Teller表面積」及び「BET表面積」は、同義であり、P/P0比0.3のヘリウム中30%窒素を液体窒素温度で試験サンプル上に吸着させる方法を用いて測定する。この方法では、その測定を行うための測定位置を有するQuantachrome Monosorb BET表面積分析装置(Quantachrome Instruments、Boynton Beach、Florida、USA)を用いる。風袋重量を測定したキュベットに試験サンプル(例えば、高度に剥離されたグラファイト及びグラフェンなどの剥離グラファイト)を装填し、試験サンプルを200℃及び大気圧において10分間ガス抜きする。分析装置の測定位置にキュベットを入れ、10分間パージさせる。窒素/ヘリウムガスを液体窒素温度で吸収させ、次いで室温で脱着させて、脱着シグナルを得る。シグナル読み取り値を平方メートル(m2)で記録する。分析装置からサンプルを取り出し、その最終サンプル質量を測定する。積算脱着シグナルを最終サンプル質量で割って、BET表面積を平方メートル/グラムで得る。更に2つの試験サンプルを用いて繰り返す。3つのランのBET表面積を平均して、最終BET表面積を求める。
用語「塩素酸塩(chlorate salt)」は、陰イオンClO3 -及び1種又はそれ以上の無機陽イオンを含む無機イオン性物質を意味し、無機陽イオンはその物質が全体として中性であるように選択される。
用語「剥離された(exfoliated)」は、部分的に離層された、完全に離層された、又は好ましくは、それらが混じり合った状態を意味する。例えばグラフェンはグラファイトを完全に離層させることによって調製することができ、>1〜10層の数平均スタッキング(number average stacking)を有する高度に剥離されたグラファイトはグラファイトを部分的に離層させることによって調製できる。
用語「剥離グラファイト(exfoliated graphite)」は、グラファイト酸化物又はグラファイト層間化合物(intercalation compound)を剥離することによって得られる任意の炭素材料を意味する。用語「高度に剥離されたグラファイト」は、グラファイト酸化物を剥離することによって得られる、200m2/g〜1500m2/gのBET表面積を有する炭素材料を意味する。一部の態様において、BET表面積は400m2/g〜1500m2/gである。
用語「グラファイト」は、X線回折によって測定された場合に特有の結晶構造を有する結晶性炭素から本質的になる固体粒子を意味する。
用語「グラファイト酸化物」及び「インターカレートグラファイト酸化物(intercalated graphite oxide)」は、同義であり、グラファイトを酸化させることによって得られる、炭素原子及び酸素原子を含み、酸素原子のほとんど(全てではないが)が炭素原子の一部に共有結合している炭素材料を意味する。好ましくはグラファイト酸化物は炭素及び酸素元素から本質的になる。炭素材料を含む反応混合物からの炭素材料の分離(例えば、濾過又は遠心分離による)により、「単離グラファイト酸化物」の形態が得られる。好ましくは、分離された炭素材料は、更に溶媒で、好ましくは水(例えば水道水、脱イオン水又は蒸留水)で洗浄し且つ洗浄された炭素材料を乾燥させることによって処理して、洗浄及び乾燥された形態の単離グラファイト酸化物が得られる。一部の態様において、グラファイト酸化物は、更にグラファイト酸化物の不完全な精製によって生じると考えられる比較的少量の(例えば5重量%未満の)他の無機種から本質的になる。
用語「無機硝酸塩」は、1つの陰イオンNO3 -と1種又はそれ以上の無機陽イオンを含む、炭素原子のないイオン性物質を意味し、無機陽イオンは、その物質が全体として中性であるように選択される。
用語「硝酸」は、発煙HNO3、濃HNO3又はそれらの混合物を意味する。「濃硝酸」は、形式的にはHNO3及び水から本質的になり、HNO3が、濃硝酸混合物の総重量に基づき、少なくとも65重量%であるが86重量%又はそれ以下である濃縮硝酸混合物を意味する。「発煙硝酸」は、発煙硝酸混合物を意味し、発煙硝酸混合物の総重量に基づき、86重量%超のHNO3、水及び場合によっては二酸化窒素(NO2)を含む。
用語「硝酸塩を用いる方法」は、出発原料として硝酸の代わりに無機硝酸塩を用いる製造方法を意味する。硝酸塩法で理論的に現場生成され得るであろう全てのHNO3は、反応混合物の総重量に基づき、好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満、更に好ましくは2重量%未満である。
特に断らない限り、「元素周期表」は、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)(IUPAC)によって発行された公式周期表(2007年6月22日版)を指す。また、1種又はそれ以上の任意の族への言及は、この元素周期表中に示された1種又はそれ以上の族への言及とする。
用語「硫酸」は、発煙H2SO4、濃H2SO4又はそれらの混合物を意味する。「濃硫酸」は、濃硫酸混合物を意味し、形式的にはH2SO4及び水から本質的になり、H2SO4が、濃硫酸混合物の総重量に基づき、少なくとも90重量%である濃縮硝酸混合物を意味する。「発煙硫酸」は、形式的には三酸化硫黄(SO3)、H2SO4及び水から本質的になり、SO3が好ましくは発煙硫酸混合物の30重量%以下である発煙硝酸混合物を意味する。
塩素酸塩
好ましくは、塩素酸塩は式M(ClO3x[式中、Mは元素周期表の第1族及び第2族のいずれかの金属であって、金属が+1又は+2の形式酸化状態(formal oxidation state)にあり、xは1又は2の整数であって、M(ClO3xが全体として中性であるように選択される]の塩である。塩素酸塩は、好ましくは塩素酸カリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カルシウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム又は塩素酸ナトリウム、より好ましくは固体塩素酸カリウム、更に好ましくは水性塩素酸ナトリウムを含む。一部の態様において、塩素酸塩は固体粉末の形態である。他の態様において、塩素酸塩は塩素酸塩の水溶液を含む。塩素酸塩の水溶液を構成する水と第1の態様において記載する水の量の少なくとも一部とは、同じであっても異なっていてもよい。
塩素酸塩が水性塩素酸ナトリウムを含む場合、水性塩素酸ナトリウムは好ましくは水性塩素酸ナトリウムリットル当たり少なくとも0.1モル、即ち0.1モル/リットル(M)の塩素酸ナトリウムの濃度である。また好ましくは、水性塩素酸ナトリウム中の塩素酸ナトリウムの濃度は、飽和溶液以下、即ち、水中の塩素酸ナトリウムの飽和濃度以下である。他の態様において、塩素酸ナトリウム濃度は8モル/リットル又はそれ以下である。一部の態様において、飽和水性塩素酸ナトリウムは、固体塩素酸ナトリウムを更に含む。20℃における水への塩素酸ナトリウムの溶解度は、水100ミリリットル(mL)当たり塩素酸ナトリウム101グラム(g)である。重量パーセントは、塩素酸塩の重量÷(塩素酸塩の重量+水の重量の和)で計算される。従って、20℃において水の密度1.00g/mLでは、塩素酸ナトリウム飽和水溶液は101g/201g、即ち、50.3重量%となる。
グラファイト層間化合物
適当なグラファイト層間化合物の例は、商品名GRAFGuard(登録商標)160−50N(GRAFTech Inc.,Advanced Energy Technologies Division(Parma,OH)製)及びHP−50(HP Material Solutions(Northridge,CA)製)で市販されている。
グラファイト
好ましくは、グラファイトは粉末若しくはフレーク又はそれらの混合物の形態である。好適な出発グラファイトの例は、商品名Asbury 3775(Asbury Graphite Mills Inc.)及びTIMREX(登録商標)GA96/10(Timcal Graphite and Carbon,Inc.)で市販されている。
好ましくは、グラファイトはメッシュ番号(mesh number)−10(又は単純に−10メッシュ)又はそれ以上(例えば−100メッシュのグラファイト)(メッシュ番号の前の「−」記号は、粒子がそのメッシュ番号を有する篩を通過することを示す)であると特徴付けられる粒度を有する粒子から本質的になる。−10メッシュのグラファイトは、−10メッシュのスクリーンを通過できるグラファイトを意味する。グラファイトは、メッシュ番号が、より好ましくは約−100メッシュ又はそれ以上、更に好ましくは約−300メッシュ又はそれ以上であると特徴付けられる粒度を有する粒子から本質的になる。更に好ましいのは、約−325メッシュのグラファイト(即ち粒子が約44μm又はそれ以下)である。粒度とメッシュ番号とは逆相関する。微細なグラファイトが好ましいが、粗いグラファイトも使用できる。しかし、過剰のニトロニウムイオンが塩素酸塩の消費をもたらさないように、硫酸及び無機硝酸塩の濃度を調節するのが好ましい。
無機硝酸塩
好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アンモニウム(即ち固体又は水性NH4NO3)又は式M(NO3y[式中、Mは元素周期表の第1族、第2族及び第3族の任意の金属であって、金属が、それぞれ、+1、+2又は+3の形式酸化状態にあり、yは1、2又は3の整数であって、M(NO3yが全体として中性であるように選択される]の金属硝酸塩を含む。好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム又は硝酸バリウムである。より好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アンモニウム又は硝酸ナトリウムである。更に好ましくは、無機硝酸塩は硝酸アンモニウムである。
無機硝酸塩は、固体の形態、水溶液の形態又はそれらの組合せである。一部の態様において、無機硝酸塩は固体の形態であり、無水固体の形態及び部分水和物固体の形態を含む水和物固体の形態を含む。固体形態は、好ましくは粉末、より好ましくは微粉から本質的になる。好ましい固体無機硝酸塩は固体硝酸アンモニウム、又はより好ましくは、固体硝酸ナトリウムである。無機硝酸塩及び塩素酸塩がいずれも固体形態である場合には、好ましくは、水の量は他の状況で無機硝酸塩の対応する水溶液の調製に使用されるものである。
好ましくは、無機硝酸塩は無機硝酸塩の水溶液を含む。無機硝酸塩の水溶液を構成する水と第1の態様において記載する水の量の少なくとも一部とは同じであっても異なっていてもよい。一部の態様において、水性無機硝酸塩は、固体粉末の形態で分散された少なくとも1種の無機硝酸塩を含む。他の態様において、水性無機硝酸塩は、硝酸アンモニウム水溶液又は水性M(NO3y水溶液から本質的になる。好ましくは、水性無機硝酸塩は水性硝酸アルミニウム、水性硝酸ナトリウム、又はより好ましくは、水性硝酸アンモニウムを含む。
好ましくは、水性無機硝酸塩は水性無機硝酸塩リットル当たり無機硝酸塩少なくとも0.1モル、即ち0.1モル/リットル(M)の濃度である。また好ましくは、水性無機硝酸塩中の無機硝酸塩の濃度は、飽和溶液以下、即ち水中の無機硝酸塩の飽和濃度以下である。一部の態様において、水性硝酸アンモニウムの濃度は1M又はそれ以上、より好ましくは約2M又はそれ以上、更に好ましくは約4M又はそれ以上、更に好ましくは約8M又はそれ以上である。他の態様において、水性硝酸アンモニウムの濃度は、約15M又はそれ以下である。一部の態様において、水性硝酸アンモニウム濃度は、0℃又はそれ以上で測定した場合に水性硝酸アンモニウムリットル当たり硝酸アンモニウム120g(g/L)又はそれ以上、より好ましくは20℃又はそれ以上で測定した場合に200g/L又はそれ以上である。
硫酸
一部の態様において、本発明の酸化反応に使用する硫酸は濃硫酸である。他の態様において、硫酸は発煙硫酸である。更に他の態様において、硫酸は濃硫酸と発煙硫酸との混合物である。濃硫酸は、形式上、濃硫酸混合物の総重量に基づき、好ましくは約90〜約98重量%、より好ましくは約95〜約98重量%のH2SO4を含む。好ましくは、発煙硫酸は、形式上、発煙硫酸混合物の総重量に基づき、約20〜約65重量%のSO3を含む。
グラファイト酸化物へのグラファイトの酸化方法
反応混合物(即ち硫酸、硝酸、水、グラファイト及び塩素酸塩)を含む出発原料は、種々のベンダー(vendor)から市販されている。本発明は商業的ベンダーから入手されない1種又はそれ以上の出発原料の使用も企図する。
一部の態様において、本発明は標準的な重量比未満の塩素酸塩対グラファイトの使用を企図する。標準的な重量比の塩素酸塩対グラファイトは、グラファイト1.0グラム当たりKClO3 11グラム(0.090モル)であり、又は他の塩素酸塩を使用する場合にはClO3 -のモル当量と計算する。このような態様において、好ましくは、塩素酸カリウム又は固体塩素酸ナトリウム対グラファイトの重量比は2:1超であって8:1未満である。この重量比は、より好ましくは少なくとも3:1、更に好ましくは少なくとも4:1であって、より好ましくは7:1又はそれ以下、更に好ましくは6:1又はそれ以下である。塩素酸カリウム又は固体塩素酸ナトリウム対グラファイトの重量比は少なくとも4:1であって、6:1以下であるのが特に好ましい。
他の態様において、塩素酸ナトリウムは水性塩素酸ナトリウムを含み、塩素酸ナトリウム対グラファイトの重量比は20:1〜0.1:1である。
一部の態様において、本発明は、反応混合物中に種々のグラファイト濃度を使用することを企図する。このような態様において、反応混合物中のグラファイト濃度は、反応混合物の総重量に基づき、好ましくは少なくとも約2重量%、より好ましくは少なくとも約4重量%であって、好ましくは約15重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、更に好ましくは約8重量%以下である。
一部の態様において、本発明は、反応混合物中に種々の硫酸濃度を使用することを企図する。このような態様において、反応混合物中の硫酸濃度は多様であることができるが、反応混合物の総重量に基づき、好ましくは少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約55重量%であって、好ましくは70重量%以下、より好ましくは約65重量%以下である。
一部の態様において、本発明は、異なる反応混合物温度での反応の実施を企図する。このような態様において、反応は好ましくは0℃又はそれ以上、より好ましくは20℃又はそれ以上、更に好ましくは26℃又はそれ以上、更に好ましくは31℃又はそれ以上の反応混合物の温度において実施する。また好ましくは、反応混合物の温度は、約55℃又はそれ以下に保持する。塩素酸塩が固体塩素酸ナトリウムである場合には、反応混合物の温度は好ましくは40℃又はそれ以上であって、100℃又はそれ以下、より好ましくは約55℃又はそれ以下であるのが望ましい。
反応時間に特に制限はない。即ち塩素酸塩の添加開始時点から始める反応実施時間をどの程度の長さにすべきかに制限はない。反応は、好ましくは反応時間開始後30時間以内に、より好ましくは反応時間開始後24時間以内に、更に好ましくは反応時間開始後6時間以内に急冷(quench)する。多くの場合、反応時間開始後の最初の4時間以内に広範な酸化が既に起こっている。400m2/g〜800m2/gのBET表面積を有する、高度に剥離されたグラファイトは、反応時間開始後約4時間以内に生成されたグラファイト酸化物を剥離させることによって得ることができる。
好ましくは、このような状況下で好適な反応時間を達成した後に、例えば、撹拌しながら反応混合物を過剰の脱イオン水に加えることによって、反応を急冷する。次に、得られたグラファイト酸化物を、例えば濾過、遠心分離又はデカンテーションによって単離することができ、濾過が好ましい。濾過されたグラファイト酸化物生成物を追加の脱イオン水で洗浄し、次いで例えば約60℃〜80℃において一夜、乾燥させる。
本発明は種々の方法での反応混合物の生成を企図する。一部の態様において、第1の態様の方法は連続法(即ち流動反応混合物を生成する出発材料の絶え間ない投入)又はより好ましくは、回分法(即ち別個の独自の反応混合物を生成する定量の出発原料の投入)である。回分法は、実験室規模の方法及び製造規模の方法を含む。
好ましくは、回分方法の反応混合物は、(i)硫酸、無機硝酸塩、水及びグラファイトを一緒に予備混合して、第1の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして(ii)塩素酸塩を前記硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる工程によって生成させる。より好ましくは、反応混合物は(i)硫酸、水及び無機硝酸塩を一緒に予備混合して硫酸/無機硝酸塩/水混合物を生成させ;(ii)グラファイトを前記硫酸/無機硝酸塩/水混合物に添加して、第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして(iii)塩素酸塩を第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる工程によって生成させる。
本発明による典型的な回分法において、好ましくは硫酸と無機硝酸塩とを最初に一緒に混合してから、他の出発原料を添加する。硫酸及び無機硝酸塩の量は前述の通りである。硫酸及び無機硝酸塩の混合後、ニトロニウムイオンの形成に十分な時間、例えば3分〜4時間を取る。次に、硫酸/無機硝酸塩混合物へのグラファイトの添加を、好ましくは撹拌しながらグラファイトが本質的に均等に分布するまで実施して、硫酸/グラファイト混合物/無機硝酸塩混合物を生成する。これにより、グラファイト−ニトロニウム中間体の形成が可能となる。次いで、塩素酸塩を分けて又は一度に硫酸/無機硝酸塩/グラファイト混合物に添加する。分けて添加するのが好ましい。塩素酸塩の添加後、得られた反応混合物を、所望の量のグラファイト酸化物が生成するまで撹拌する。
好ましくは、このような状況下でClO2ガス生成/発生を制御でき且つ塩素酸塩の量を実質的に最小限に抑えることができるように、塩素酸塩はゆっくりと添加する。また好ましくは、反応混合物を含む反応器は、更にClO2ガスを保持するヘッドスペースを含み、パージガス(purge gas)入口及びパージ済みガス(purged gas)出口を規定する。反応混合物は、反応器のヘッドスペースと流体連通している。また、調節可能なパージガス流供給源は反応器のパージガス入口、ヘッドスペース及びパージ済みガス出口と逐次流体連通している。好ましくは、この方法は、更に一定の流速を有するパージガスによってClO2ガスの少なくとも一部をヘッドスペースからパージ済みガス出口を経て反応器の外にパージする工程を更に含む。より好ましくは、第1の態様の方法は、パージ工程に加えて、反応器のヘッドスペース中のClO2ガス濃度をリアルタイムで監視する工程、及び反応器ヘッドスペース中のClO2ガス濃度が10%未満、更に好ましくは3%未満、更に好ましくは1%未満となるようにパージガスの流速を調節する工程を更に含む。反応器のヘッドスペース中のClO2ガス濃度の好ましいリアルタイム監視は、赤外(IR)、紫外、可視又はラマン分光法により、より好ましくはラマン分光法により、更に好ましくは紫外−可視分光法による。好ましいパージガスは、空気、窒素ガス及び不活性ガス(例えばアルゴンガス及びヘリウムガス)である。パージ工程は、ヘッドスペース中の少なくとも一部のClO2ガスの反応器から外への、好ましくはClO2ガススクラバーへの物質移動を促進する。ClO2ガススクラバーはClO2ガスと反応性のスクラブ剤を過剰量含む。ClO2ガスと反応性のスクラブ剤は、例えばチオ硫酸ナトリウム(Na223)である。好ましいClO2ガススクラバーの一例はTRI−MER(登録商標)充填層塔スクラバー(Tri-Mer Corporation、Owosso、Michigan、USA)などの市販のトリクルベッドスクラバーである。好ましくは、本発明の方法において、濃硝酸は出発原料として使用せず、その結果として、パージ済みガス出口は、実質的な量の(100ミリリットル/分(mL/分)のパージガス流速においてパージガス流を5%又はそれ以上減少させるのに充分な量の)の硝酸蒸気を含まず、好ましくは硝酸蒸気を本質的に含まず、従って、ヘッドスペースから反応器の外へのClO2ガスの物質移動は硝酸凝縮液によって実質的に阻害されない。
一部の態様において、硫酸と無機硝酸塩との混合はニトロニウムイオン(NO2 +)の形成をもたらし、又は硫酸、無機硝酸塩及びグラファイトの混合はニトロイオン−グラファイト複合体若しくはニトロニウムイオン−グラファイト複合体とニトロニウムイオン(NO2 +)の両者の生成をもたらす。好ましくは、反応混合物中の出発原料、ニトロニウムイオン又はニトロニウムイオン−グラファイト複合体の存在を、反応の間中(即ちリアルタイムで)、より好ましくはラマン分光法によって監視する。
本発明の別の態様は、グラファイト酸化物形成プロセスにおける、出発原料、ニトロニウムイオン、ニトロニウムイオン−グラファイト複合体及びグラファイト酸化物生成物の少なくとも1種をリアルタイムで監視することに関する。このような監視は、大規模の商業的方法においては特に望ましく、リアルタイムでの反応の調節、例えば出発原料の量の調節、塩素酸塩添加速度の調節、冷却速度若しくは冷却浴温度などの反応条件の調節又はこれらの2つ又はそれ以上の組合せを行って、所望の特性を有するグラファイト酸化物生成物(例えば特定のBET表面積を有する高度に剥離されたグラファイトの生成に好適なグラファイト酸化物)の生成の最大化及び有害又は爆発条件の可能性の低減を試みることができる。更に、監視は、塩素酸塩添加速度の調節によって、前述のようにグラファイト粒子と共に中間ニトロニウムイオン−グラファイト複合体を生成するニトロニウムイオン濃度の制御を可能にする。前述の通り、高価な塩素酸塩の消費を回避するために、ニトロニウムイオンの過剰生成は制限するのが好ましい。
ラマン分光法はグラファイト酸化物製造プロセスのリアルタイム監視に特に適切な方法である。ラマン分光法を用いれば、塩素酸塩及び硫酸/無機硝酸塩によって生成されるニトロニウムイオンを含む出発原料並びに観察されるニトロニウムイオン−グラファイト中間複合体の監視が可能である。別法として、グラファイト酸化物生成物の生成は、紫外−可視分光法によって監視できる。従って、ラマン分光法によってリアルタイムで反応を監視し且つ必要に応じて無機硝酸塩と硫酸との相対量を調節することによって、無機硝酸塩及び硫酸を、ニトロニウムイオン−グラファイト複合体の最適濃度を生じるのに必要な相対比で使用できる。
硫酸及び無機硝酸塩の混合によって生成されるニトロニウムイオンは、ラマン分光法によって、約1396レシプロカルセンチメートル(cm-1)のバンドとして観察できる。特定の理論によって拘束するつもりはないが、本発明の方法において生成される硫酸/無機硝酸塩混合物へのグラファイトの添加時には、ニトロニウムイオンがグラファイト粒子と反応してニトロニウムイオン−グラファイト複合体を生成すると考えられる。ニトロニウムイオン−グラファイト複合体は、ラマンにおいて約1629cm-1のバンドとして観察される。塩素酸カリウムは約940cm-1のバンドとして観察できる。グラファイト酸化物を表す、sp3混成を有する炭素は、約1360-1のバンドとして観察される。
本発明の好ましい態様において、出発原料の量は、反応混合物中の過剰ニトロニウムイオンの濃度が反応の間中、本質的に最小限となるように選択する。従って、一部の態様において、第1の量の塩素酸塩の添加は、ラマン分光法によって測定される、反応混合物中の過剰ニトロニウムイオン濃度を本質的に最小限に抑えるように監視された速度で実施する。前述のように、反応の監視によって適切な量の出発原料及びそれらの適切な添加時期を用いることで、ニトロニウム濃度は本質的に最小限に抑えられる。過剰ニトロニウムの濃度を本質的に最小限に抑えることによって、より大きいBET表面積を有する剥離グラファイトの生成に有用な単離グラファイト酸化物を得ることができることが判明した。好ましくは、塩素酸塩の第1の量は、第1の量の塩素酸塩の添加完了後にラマン分光法によって反応混合物中にニトロニウムイオン−グラファイト複合体が検出され得ないように選択する。第1の量の塩素酸塩の添加完了後にニトロニウムイオン−グラファイト複合体がラマン分光法によって反応混合物中に検出され得る場合には、ラマン分光法によってニトロニウムイオン−グラファイト複合体がもはや観察されなくなるまで1又はそれ以上の第2の量の塩素酸塩を添加するのが好ましい。この場合、各第2の量は同じでも異なっていてもよい。好ましくは塩素酸塩の各第2の量は塩素酸塩の第1の量よりも少ない。
剥離グラファイトを生成するためのグラファイト酸化物の剥離方法
一部の態様において、第1の態様の方法は、単離グラファイト酸化物を剥離工程に供して剥離グラファイト、より好ましくは高度に剥離されたグラファイトを生成させる工程を更に含む。高度に剥離されたグラファイトは、200m2/g〜約1500m2/gのBET表面積を有すると特徴付けられる。高度に剥離されたグラファイトは、好ましくは500m2/g又はそれ以上、より好ましくは600m2/g超、更に好ましくは700m2/g又はそれ以上、更に好ましくは800m2/g又はそれ以上のBET表面積を有する。より大きいBET表面積が通常好ましいが、本発明の一部の態様においては、高度に剥離されたグラファイトは1400m2/g又はそれ以下、他の態様では1200m2/g又はそれ以下、更に他の態様では1000m2/g又はそれ以下のBET表面積を有する。
一部の態様において、第1の態様の本発明の方法が使用するグラファイトグラム当たりの無機硝酸塩のモル数(例えば50%又はそれ以下)は、無機硝酸塩ではなく硝酸を使用する参照方法によって使用されるグラファイトグラム当たりの硝酸のモル数よりも著しく少ない。本発明の方法が、単離グラファイト酸化物を剥離して、第1のBET表面積を有する、本発明の高度に剥離されたグラファイトを生成させる工程を更に含む場合には、第1のBET表面積は、参照方法によって調製される単離グラファイト酸化物の剥離によって調製される高度に剥離されたグラファイトの第2のBET表面積の±10%以内である。
本発明は、溶液法、超音波処理又は熱的方法を含む種々の方法のいずれかによってグラファイト酸化物から高度に剥離されたグラファイトを生成させることを企図する。望ましいのは、約250℃〜約2000℃、より好ましくは約500℃〜約1500℃、更に好ましくは約1000℃の温度における熱的剥離である。熱的剥離は、実質的に不活性の雰囲気下で、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン又はそれらの混合物から本質的になる雰囲気下で行う。典型的な手法(詳細は後述する)では、前述のようにして調製したグラファイト酸化物を、石英ボート又は高温条件に好適な他の容器中に入れ、次いで容器中のグラファイト酸化物を加熱炉中の不活性雰囲気下、好ましくは無水窒素下に高温で短時間、例えば約1000℃で30秒間入れる。次いで、容器及び得られた高度に剥離されたグラファイト生成物を炉から取り出し、冷却させる。使用前に、高度に剥離されたグラファイト(典型的には、ふわふわした黒色(fluffy black))は、ブレンダー又は他のホモジナイザー中で微粉砕することができる。任意的に、高度に剥離されたグラファイトは、変形可能な空間又は容器(例えばそれぞれ真空バッグ又は金属ダイ)中に配置された、その量に中圧を適用することによって軽く圧縮することもできる。
高度に剥離されたグラファイトを含む剥離グラファイトは、グラファイトポリマー複合材料、例えば、グラファイトエチレンビニルアセテートコポリマー複合材料中において充填剤として有用である。グラファイトポリマー複合材料は、例えば自動車内装品などの成形品の調製に有用な材料である。
以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明の範囲を限定することを意図としない。
ラマン分光法
ラマンスペクトルは、532ナノメートル(nm)の可視励起及び光ファイバープローブに接続された分光計を用いて収集する。プローブチップをポータブルブローブスタンド上に取り付け、出発原料を含むチューブのすぐ外側に配置する。プローブを180度後方散乱収集用に設定する。ラマン分光計システムは以下のように構成する:
Coherent 532nmダイオード励起Nd/YAGレーザー(ダブリングクリスタル(doubling crystal)を使用);
Kaiser Holospec格子分光器;
532nm Holoplex格子、フィルター、プローブヘッド;
焦点距離4.5mmの対物レンズ、Mark IIプローブ、マルチモードファイバー:50マイクロメートル(μm)内殻励起、100μmコア収集。
例中では前記の機器構成を用いるが、同様な結果を生じる多くの他の構成もこの目的で使用できる。
ラマンバンド帰属。ラマンバンド及びそれらの帰属を、表Iに示す。表Iにおいて、cm-1はレシプロカルセンチメートルを意味する。
Figure 0005584234
比較例(本発明でない例)
比較例A1:濃硝酸(HNO 3 0.15モル)及び固体KClO 3 を用いる、1g規模のグラファイトからのグラファイト酸化物の調製
この手法は、ドラフト中で十分に換気しながら実施する。各反応及び濾過の前に、ドラフトの効率を調べる。この反応は強酸化剤(KClO3)、濃硫酸及び濃硝酸を使用し、有毒な爆発性中間体(ClO2ガス)を発生する。
材料の量:−325メッシュのグラファイト粉末又はフレーク 1グラム(g);固体KClO3 6.6g;濃(98重量%)H2SO4 17.9ミリリットル(mL);及び濃(70重量%)硝酸9.5mL(HNO3 0.15モル)。
反応器(円筒状管型反応器)及びスクラバーのセットアップ:反応は、電磁撹拌プレート上に設置した氷浴中に配置した厚肉の、容積100mLのガラス円筒状反応器中で実施する。貫通する3つの開口部を規定する隙間嵌め(loose-fitting)ポリテトラフルオロエチレン蓋を円筒状反応器にかぶせる。水が部分的に(即ち深さ2.5cmまで)充填されたガラスウェル内に配置された熱電対プローブを、開口部の1つを通して配置する。熱電対プローブは、ガラスウェル内の水中に沈めることができる遠位末端(distal end)を有し、ガラスウェルは、反応混合物の温度を監視するために、反応混合物中に沈めることができる遠位末端を有する。電動粉末添加漏斗の内管下部を、別の開口部を通して配置する。内管下部は、パージガス入口を規定する、離間して配置された外管下部によって囲まれており、下部は、全ての反応混合物の上方に配置された遠位末端を有し、パージガス入口は、窒素ガス供給源と流体連通している。残りの開口部を通してガラス管を配置する。ガラス管は、全ての反応混合物の上方に配置された遠位末端と、ポリテトラフルオロエチレン管材料を介してClO2ガススクラバー、乾燥管、気体流量計、真空マニホールド及び水流アスピレーターと逐次流体連通している近位末端とを有するパージ済みガス出口を含む。ClO2ガススクラバー、乾燥管、気体流量計及び真空マニホールドには、それぞれ、ガス入口とガス出口とが配置されている。Na223の水溶液、緩衝剤としてのリン酸二水素ナトリウム(NaH2PO4)及び指示薬としてのヨウ化ナトリウム(NaI)を、ClO2ガススクラバー中に配置する。乾燥剤、固体硫酸カルシウムを乾燥管中に配置する。ヘッドスペース内のClO2濃度の分光学的測定用のサンプルをヘッドスペースから取り出し且つ戻すために、任意的に開口部を使用することもできる。
予備混合工程:円筒状反応器に電磁撹拌子を装入する。撹拌しながら、濃硫酸と濃硝酸とを混合する。熱電対プローブ/ガラスウェルの遠位末端を、硫酸/硝酸混合物中に挿入する。硫酸/硝酸混合物を温度2℃まで冷却する。出発温度2℃で、単純な(即ち電動でない)ガラス製粉末添加漏斗を介して、−325メッシュのグラファイト1.0gを硫酸/硝酸混合物に添加し、撹拌して、硫酸/硝酸/グラファイト混合物を生成する。
塩素酸塩添加工程(時間:20〜60分):KClO3を、500μmスクリーン(ASTM−35メッシュ)に通して篩い分けし、それを電動粉末添加漏斗に加える。窒素パージガス流を開始し、その流速を、真空を用いて窒素ガス150ミリリットル/分(mL/分)に調節して、反応ガスを反応器からスクラバーに取り出す。電動粉末添加漏斗のモーターを始動し、KClO3の添加速度を調節することによって得られる反応混合物の温度を5℃未満に保持しながら、KClO3を20分にわたってゆっくりと添加するようにする。円筒状反応器のヘッドスペース中の黄色ガスの形成を観察する。温度を監視し、過剰量のKClO3が過度に急速に生成反応混合物中に落下しないように特に注意する。必要ならば、温度を5℃未満に保持するためにKClO3の添加を停止する。
反応の実施:全てのKClO3を添加し終わった後、反応混合物を20℃の反応実施温度まで加温し、撹拌を続けて、総反応時間を24時間とする。
反応の急冷(quenching):反応の急冷を、300mLの脱イオン水を含むビーカーに反応混合物を加え、更に反応器を脱イオン水ですすぎ、ビーカーにすすぎ用の水を加えることによって行う。急冷された混合物を濾過し(又は遠心分離し)、得られた濾過ケークを追加の脱イオン水300mLで洗浄して、ブラウン色の濾過ケーキを得る。一定重量が得られるまで実験室用オーブン(80℃)中で乾燥させて、比較例A1の黒色の単離グラファイト酸化物を得る。
比較例A2:比較例A1の単離グラファイト酸化物の剥離による、高度に剥離されたグラファイトの調製
比較例A1の単離グラファイト酸化物をグラインダー中で90秒間粉砕して、微粉を得る。この微粉を0.1〜0.3gずつ、石英ループが一端に装着され且つ締まり嵌め(tight fitting)細目ステンレス鋼スクリーンでカバーされた石英ボートに加える。高純度無水窒素ガス雰囲気/パージ下で以下の操作を行う。石英熱分解管を装着した管状炉を所望の整定値、典型的には950℃まで予熱する。石英ボート及びグラファイト酸化物微粉の一部を炉管の入口で1分間予熱して、微粉から空気及び水分を除去し、次いで石英ボート及び予熱されたグラファイト酸化物微粉の一部を石英熱分解管の中央に挿入して、950℃で30分間加熱する。石英ボートを引き戻し、得られた材料を炉管の入口で1分間冷却させ、次いでそれを管から完全に取り出し、室温まで冷却させて、比較例A2の高度に剥離されたグラファイトを得る。本明細書中で前述したようにして、比較例A2の高度に剥離されたグラファイトを秤量し、そのBET表面積を求める。結果を後の表IIに報告する。
比較例B1:濃硝酸(HNO 3 0.15モル)及び水性NaClO 3 を用いる、1g規模のグラファイトからのグラファイト酸化物の調製
固体KClO3の代わりに合計5.73gのNaClO3を含む5M NaClO3水溶液を用い且つ、電動粉末添加漏斗の代わりに、水性NaClO3の反応器管への送達のためのシリンジポンプを用いる以外は、比較例A1の手法を繰り返して、比較例B1の単離グラファイト酸化物を得る。
比較例B2:
比較例A1の代わりに比較例B1の単離グラファイト酸化物を用いる以外は、比較例A2の手法を繰り返して、比較例B2の高度に剥離されたグラファイトを得る。結果を後の表IIに報告する。
本発明の方法の具体的な実施例を以下に記載する。
本発明の実施例
実施例1a:水性NH 4 NO 3 (NO 3 - 0.075モル)及び固体KClO 3 を用いる、1g規模のグラファイトからのグラファイト酸化物の調製
濃硝酸の代わりに脱イオン水4gに溶解されたNH4NO3 6gからなる水性硝酸ナトリウムを用いる以外は、比較例A1の手法を繰り返して、実施例1aの単離グラファイト酸化物を得る。
実施例1b:実施例1aの単離グラファイト酸化物の剥離による、高度に剥離されたグラファイトの調製
比較例A1の代わりに実施例1aの単離グラファイト酸化物を用いる以外は比較例A2の手法を繰り返して、実施例1bの高度に剥離されたグラファイトを得る。結果を後の表IIに報告する。
実施例2a:水性NH 4 NO 3 (NO 3 - 0.075モル)及び水性NaClO 3 を用いる、1g規模のグラファイトからのグラファイト酸化物の調製
濃硝酸の代わりに脱イオン水4gに溶解されたNH4NO3 6gからなる水性硝酸ナトリウムを用い、固体KClO3の代わりに合計5.73gのNaClO3を含む5M NaClO3水溶液を用い且つ電動粉末添加漏斗の代わりに液体添加漏斗を用いる以外は、比較例A1の手法を繰り返して、実施例2aの単離グラファイト酸化物を得る。
実施例2b:実施例2aの単離グラファイト酸化物の剥離による、高度に剥離されたグラファイトの調製
比較例A1の代わりに実施例2aの単離グラファイト酸化物を用いる以外は、比較例A2の手法を繰り返して、実施例2bの高度に剥離されたグラファイトを得る。結果を後の表IIに報告する。
実施例3a:水性NaNO 3 (NO 3 - 0.047モル)及び固体KClO 3 を用いる、1g規模のグラファイトからのグラファイト酸化物の調製
濃硝酸の代わりに脱イオン水4gに溶解された水性NaNO3 4gを用いる以外は、比較例A1の手法を繰り返して、実施例3aの単離グラファイト酸化物を得る。
実施例3b:実施例3aの単離グラファイト酸化物の剥離による、高度に剥離されたグラファイトの調製
比較例A1の代わりに実施例3aの単離グラファイト酸化物を用いる以外は、比較例A2の手法を繰り返して、実施例3bの高度に剥離されたグラファイトを得る。結果を以下の表IIに報告する。
Figure 0005584234
実施例によって示されるように、無機硝酸塩は、本発明の方法によるグラファイト酸化物の調製に有用である。このグラファイト酸化物は、本発明の好ましい方法による、高度に剥離されたグラファイトの調製に有用である。表IIにおいて、比較例A1/A2の結果と実施例1a/1bの結果とを比較することによって及び比較例B1/B2の結果と実施例2a/2bの結果とを比較することによって示されるように、単離グラファイト酸化物を生成するための本発明の方法は、同等のBET表面積を有する高度の剥離されたグラファイトを生成する場合、グラファイトグラム当たりの硝酸のモル数よりも著しく少ない、グラファイトg当たりの無機硝酸塩のモル数(例えば50%又はそれ以下)を使用する。
本発明をその好ましい態様に従って前述したが、本発明の開示の精神及び範囲内において変更が可能である。従って、本出願は、本明細書中に開示した一般原則を用いた本発明の全ての変形形態、使用形態又は適合形態を網羅するものとする。更に、本出願は、本発明が関連する技術分野において知られている又は慣例的な実施の範囲内に入り且つ添付した「特許請求の範囲」の範囲内である、本発明の開示からの逸脱も網羅するものとする。
以下に、本発明及びその関連態様を記載する。
態様1.a)以下の出発原料:硫酸、無機硝酸塩、分量の水、第1の量の塩素酸塩及びグラファイトを含む反応混合物を反応器中で混合し;
(b)前記反応混合物を反応させて、グラファイト酸化物を生成させ;そして
(c)前記反応混合物からグラファイト酸化物を分離して、単離グラファイト酸化物を生成させる
工程を含んでなる硝酸塩を用いるグラファイト酸化物の製造方法。
態様2.前記反応混合物を、
(i)反応器中で、以下の出発原料:硫酸、無機硝酸塩、水及びグラファイトを予備混合して、第1の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして
(ii)第1の量の塩素酸塩を前記の第1の硫酸/無機硝酸塩/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる
工程によって生成させることを更に含む態様1に記載の方法。
態様3.前記混合物を、
(i)反応器中で、以下の出発原料:濃硫酸、水及び無機硝酸塩を予備混合して硫酸/無機硝酸塩/水混合物を生成させ;
(ii)グラファイトを前記硫酸/無機硝酸塩/水混合物に添加して、第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして
(iii)第1の量の塩素酸塩を第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる
工程によって形成することを更に含む態様1又は2に記載の方法。
態様4.前記無機硝酸塩が、硝酸アンモニウム又は式M(NO 3 y (式中、Mは元素周期表の第1族、第2族及び第3族のいずれかの金属であって、金属Mがそれぞれ+1、+2又は+3の形式酸化状態にあり;yは1、2又は3の整数であって、M(NO 3 y が全体として中性であるように選択される]の金属硝酸塩を含む態様1〜3のいずれか1項に記載の方法。
態様5.前記無機硝酸塩が水性無機硝酸塩を含む態様4に記載の方法。
態様6.前記無機硝酸塩が水性硝酸アルミニウム、水性硝酸アンモニウム又は水性硝酸ナトリウムを含む態様5に記載の方法。
態様7.前記無機硝酸塩が固体無機硝酸塩を含む態様4に記載の方法。
態様8.前記固体無機硝酸塩が固体硝酸アンモニウム、固体硝酸アルミニウム、固体硝酸カリウム、固体硝酸リチウム、固体硝酸カルシウム、固体硝酸マグネシウム又は固体硝酸ナトリウムである態様7に記載の方法。
態様9.前記塩素酸塩が塩素酸カルシウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム又は塩素酸ナトリウムを含む態様1〜8のいずれか1項に記載の方法。
態様10.前記塩素酸塩が固体塩素酸カリウムを含む態様9に記載の方法。
態様11.前記塩素酸塩が水性塩素酸ナトリウムを含む態様1に記載の方法。
態様12.前記反応混合物中の出発原料、ニトロニウムイオン又はニトロニウム−グラファイト複合体の存在を、反応の間中、ラマン分光法によって監視する態様1〜11のいずれか1項に記載の方法。
態様13.ラマン分光法によって測定される反応中の過剰ニトロニウムイオンの濃度を最小限に抑えるように、前記の第1の量の塩素酸塩を監視された速度で添加する態様12に記載の方法。
態様14.前記の第1の量の塩素酸塩の添加完了後に、ラマン分光法によって反応混合物中にニトロニウム−グラファイト複合体が検出され得ないように、前記塩素酸塩の第1の量を選択する態様13に記載の方法。
態様15.前記反応混合物の温度が0℃又はそれ以上であって55℃又はそれ以下である態様1〜14のいずれか1項に記載の方法。
態様16.前記グラファイトがメッシュ番号が−10又はそれ以上(メッシュ番号の前の「−」記号は、粒子がそのメッシュ番号を有する篩を通過することを示す)であると特徴付けられる粒度を有する粒子から本質的になる態様1〜15のいずれか1項に記載の方法。
態様17.前記反応混合物を含む反応器が二酸化塩素を保持するヘッドスペース、パージガス入口及びパージ済みガス出口も含み;前記反応混合物がヘッドスペース並びにパージガス入口及びパージ済みガス出口と流体連通しており;前記方法が一定の流速を有するパージガスによって二酸化塩素ガスの少なくとも一部をヘッドスペースからパージガス済み出口を経て反応器の外にパージする工程を更に含む態様1〜16のいずれか1項に記載の方法。
態様18.反応器のヘッドスペース中の二酸化塩素ガス濃度をリアルタイムで監視し、且つ反応器ヘッドスペース中の二酸化塩素ガス濃度が前記工程(b)の間中10%未満となるようにパージガスの流速を調節する工程を更に含む態様17に記載の方法。
態様19.単離グラファイト酸化物を剥離工程に供して、剥離グラファイトを生成させる工程を更に含む態様1〜18のいずれか1項に記載の方法。
態様20.前記剥離グラファイトが約200m 2 /g〜約1500m 2 /gのBET表面積を有すると特徴付けられる、高度に剥離されたグラファイトを含む態様19に記載の方法。

Claims (6)

  1. a)以下の出発原料:硫酸、水性硝酸アンモニウム又は水性硝酸ナトリウムの無機硝酸塩、塩素酸塩及びグラファイトを含む反応混合物を反応器中で混合し;
    (b)前記反応混合物を反応させて、グラファイト酸化物を生成させ;そして
    (c)前記反応混合物からグラファイト酸化物を分離して、単離グラファイト酸化物を生成させる
    工程を含んでなる硝酸塩を用いるグラファイト酸化物の製造方法。
  2. 前記反応混合物を、
    (i)反応器中で、以下の出発原料:硫酸、無機硝酸塩、水及びグラファイトを予備混合して、第1の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして
    (ii)塩素酸塩を前記の第1の硫酸/無機硝酸塩/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる
    工程によって生成させることを更に含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物を、
    (i)反応器中で、以下の出発原料:濃硫酸、水及び無機硝酸塩を予備混合して硫酸/無機硝酸塩/水混合物を生成させ;
    (ii)グラファイトを前記硫酸/無機硝酸塩/水混合物に添加して、第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物を生成させ;そして
    (iii)塩素酸塩を第2の硫酸/無機硝酸塩/水/グラファイト混合物に添加して反応混合物を生成させる
    工程によって形成することを更に含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記塩素酸塩が水性塩素酸ナトリウムを含む請求項1に記載の方法。
  5. 前記反応混合物中の出発原料、ニトロニウムイオン又はニトロニウム−グラファイト複合体の存在を、反応の間中、ラマン分光法によって監視し、そしてラマン分光法によって測定される反応中の過剰ニトロニウムイオンの濃度を最小限に抑えるように、前記塩素酸塩を監視された速度で添加する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記塩素酸塩の添加完了後に、ラマン分光法によって反応混合物中にニトロニウム−グラファイト複合体が検出され得ないように、前記塩素酸塩の量を選択する請求項5に記載の方法。
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