JP5584217B2 - アミン製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アミン化合物の製造方法、特にニトリル官能基を有する化合物の水素化によるジアミン化合物の製造方法に関するものである。
特に、本発明は、テトラメチレンジシアニドの水素化によるヘキサメチレンジアミンの製造方法に関するものである。
ヘキサメチレンジアミンは、様々な用途に使用されている化合物であり、そのうちの主要なものは、ポリヘキサメチレンアジパミドなどのポリアミドの製造及びジイソシアネートの製造である。
ヘキサメチレンジアミンを製造するための方法がいくつか提案されているが、それらの方法は、一般に、水素化触媒の存在下でテトラメチレンジシアニドといったニトリル官能基を有する化合物を水素化することからなる。異なる触媒と、異なる温度及び圧力条件とを使用する2タイプの方法が産業上利用されている。
ここで、文献に記載された、利用されている第1のタイプの水素化方法は、アンモニアの存在下及び高圧下で、例えばルテニウム系触媒を用いてニトリル化合物を水素化することからなる。
第2のタイプの方法は、塩基性化合物及びラネーニッケルを主成分とする触媒の存在下に、大気圧に近い圧力及びさほど高くない温度でニトリル化合物の水素化を実施することからなる。
後者のタイプの方法では、ニトリル化合物からアミンへの水素化は、随意にドープされたラネーニッケルを主成分とする触媒の存在下で行われる。これらの触媒は、強アルカリ媒体中でアルミニウムリッチNi−Al合金からアルミニウムを浸出させることによって製造される。得られた触媒は、高い比表面積と残留アルミニウム可変含有量とを有する、ニッケル結晶の凝集体から構成される。
ニッケル−アルミニウム合金に所定の金属を添加することによってラネーニッケルの構造的及び電子的因子を変化させることが既に想定されている。従来から、ドーパントの添加は、ドーパントを溶融Ni−Al先駆合金に導入することにより実施されている。これは、金属ドーピングである。つまり、金属促進剤(Fe、Co、Cr、Mn、V、Mo、Zr、Ta、Ti)をラネーニッケルにドーピングすることだけでなく、触媒の活性、選択性及び安定性に関するそれらの効果も、科学文献及び技術文献の主題である。
Freidlin外による論文(Russian Chemical Review,vol.33,No.6,1964年6月)は、ジニトリルの触媒還元に関するものであり、多様な水素化条件(温度、水素圧力(PH2)、反応媒体)下で使用される所定数のドープラネー触媒を列挙している。特に、クロム、銅又はチタンが添加されたラネーニッケルを主成分とする触媒に言及している。
仏国特許第2068953号は、金属学的経路によりクロムが添加されたラネーNi触媒に関するものである。
しかしながら、クロムを添加したラネーニッケルは、ニトリル水素化媒体中における不純物の含有量を無視できるものにすること、例えば、ジアミノシクロヘキサン(DCH)の濃度を低くすることを可能にしない。一方、DCHのようなこれらの不純物は特に厄介なものである。というのは、これらの不純物は、目的とするアミンと沸点が実質的に同じであり、そのため分離するのが非常に困難だからである。
仏国特許第2068953号明細書
Freidlin外,Russian Chemical Review,vol.33,No.6,1964年6月
したがって、ドープラネーニッケル型の触媒によりニトリルからアミン、特にジニトリルからアミノニトリル及び/又はジアミンに水素化するための条件を、特に操作条件だけでなく、最終触媒の活性、選択性及び安定性に関して最適化するための産業上の要望が存在している。
このような最適化は、本発明の要旨の一つを構成するところ、この要旨は、使用するのが容易で、公害を起こさず、経済的で、しかも、一方では初期ニトリル基質に対して表して90%を超えるアミン選択率を達成し、他方では不純物の形成、特にDCHの形成を可能な限り減少させることを可能にするニトリルからアミンへの水素化方法を含む。
本発明の要旨は、特に、ラネーニッケルを主成分とする水素化触媒の存在下で、ニトリル官能基を有する化合物(例えばジニトリル化合物)を水素又は水素分子を含有するガスと反応させることにより水素化することでジアミン化合物を製造する方法であって、該触媒がラネーニッケルと、金属ドーパント元素として鉄、クロム及び亜鉛とを含むことを特徴とする方法である。
本発明の好ましい特徴の一つによれば、金属元素の重量で表される触媒の重量組成は次のとおりである:
鉄の重量濃度0.3%〜3%、
クロムの重量濃度0.5%〜5%、
亜鉛の重量濃度0.5%〜5%、
アルミニウムの重量濃度2%〜10%、
100%までの残りはニッケルである。
さらに有利には、本発明に従う触媒の重量濃度は次のとおりである:
鉄の重量濃度1%〜2%、
クロムの重量濃度1.5%〜2.5%、
亜鉛の重量濃度1%〜3%、
アルミニウムの重量濃度5%〜7%、
100%までの残りはニッケルである。
この方法で使用するドープラネーNi触媒は、溶融Ni−Al先駆合金(28〜59重量%のNi含有量)に由来し、これに金属ドーパント元素の鉄、クロム及び亜鉛が「金属学的」ドーピング手順として知られているドーピング手順に従って添加される。冷却後、従来の方法で、ドープ先駆合金にアルミニウムと随意にドーパント元素部分とを多かれ少なかれ除去するアルカリ攻撃を施す。
使用する出発合金は、有利には、次のニッケル/アルミニウムの2成分の組合せの形態:NiAl3、Ni2Al3及び初晶Al/NiAl3から選択される。
また、ラネーNi触媒へのドーピングは、化学経路でも実施できる。すなわち、ドーパントの少なくとも1種をこのドーピング方法により組成物に添加することができる。また、これらのドーパントの全てをこの「化学」ドーピングにより導入することも可能である。
化学ドーピングの第1の実施形態によれば、ラネーNi触媒をドーパント元素の先駆体を含有する溶液に含浸させる。当業者に知られている様々な標準的含浸方法が可能である。含浸は、該触媒と該ドーパントの先駆体の溶液とを混合させることからなる。続いて、溶媒のほとんどを蒸発させ、触媒を加熱処理し、そして随意に水で洗浄する。
化学ドーピング方法の第2の実施形態によれば、ドーパント元素をラネーNi触媒上で析出させる。この場合にはラネーNi触媒を溶媒に懸濁する。ドーパントの先駆物質である所定の化合物を該懸濁液に添加し、続いて触媒上で析出させる。この先駆物質の性質に応じて、例えば塩基を添加することにより懸濁液のpHを変化させたり、又は室温(およそ20〜25℃)から使用媒体の沸点までの温度で0.5から10時間まで変化させて媒体の温度を経時的に上昇させることによって析出物を得る。触媒を沈殿させた後、その上澄み液を抽出し、そして触媒を水で洗浄する。
これら2つの化学ドーピングの実施形態では、使用する溶媒は、好ましくは水である。ドーパントの先駆化合物の溶解度によっては、有機溶媒を使用することも可能である。ドーパントの先駆物質としては、有機又は無機化合物を使用することが可能である。有機化合物の例としては、カルボン酸金属又は金属アルコラートが挙げられる。無機化合物の例としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物又は酸化物が挙げられる。塩基としては、アミンや、炭酸アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は水酸化アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属などの様々な塩基性化合物を使用することが可能である。好ましくは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが使用される。
最後に、最後の実施形態によれば、ドーパントの先駆化合物は、ラネー合金のアルカリ攻撃の間に導入できる。このラネー合金を水酸化ナトリウム水溶液に懸濁して10を超える、好ましくは12を超えるpHを得る。この懸濁液にドーパントの先駆化合物を添加し、そしてその温度を0.5時間〜10時間にわたって90〜100℃に調節する。触媒の沈殿又は沈降後に、上澄み液を抽出し、そして触媒を水で洗浄する。
本発明の水素化方法は、特に、次式(I)のニトリル化合物(ただしこれに限定されない)に適用される:
NC−R−CN (I)
式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖若しくは分岐アルキレン若しくはアルケニレン基、又は置換若しくは非置換のアリーレン若しくはアラルキレン若しくはアラルケニレン基を表す。
好ましくは、本発明の方法では、Rが2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキレン基を表す式(I)のジニトリル化合物を使用する。
このようなジニトリル化合物の例としては、特に、アジポニトリル又はテトラメチレンジシアニド、メチルグルタロニトリル、エチルスクシノニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル及びグルタロニトリル並びにそれらの混合物、特に同一のアジポニトリル合成方法から得られるアジポニトリルと、メチルグルタロニトリルと、エチルスクシノニトリルとの混合物が挙げられる。
ニトリル基質(例えばアジポニトリル)の反応媒体への導入は、反応媒体の総重量(w/w)に対して0.001重量%〜30重量%の濃度、好ましくは0.1%〜20%(w/w)の濃度を観察しつつ実施される。
好ましくは、使用する強塩基は、次の化合物:LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH及びそれらの混合物から選択される。
実際のところ、性能/価格の折衷を良好なものにするためには、好ましくは、NaOHとKOHとを使用する。
水素化反応媒体は、好ましくは液体である。この媒体は、水素化されるべきニトリル基質を溶解させるのに好適な溶媒を含有することができるが、これは、該基質が溶液の状態のときにこの転化がより容易に起こるからである。
本発明に従う方法の好ましい実施形態の一つによれば、少なくとも部分的に水性の、溶媒を含まない液体反応媒体を使用する。水は、通常、全反応媒体に対して50重量%以下、有利には20重量%以下の量で存在する。さらに好ましくは、反応媒体の含水量は、該媒体の全成分に対して0.1〜15重量%である。
水に補充するため又は水と置換するために、アルコール及び/又はアミド型の、少なくとも1種の他の溶媒を適宜与えることも可能である。特に好適なアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレン及び/又はプロピレングリコールなどのグリコール、ポリオール及び/又は該化合物の混合物である。
溶媒がアミドからなる場合には、例えば、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドであることができる。
好ましくはアルコール系の溶媒は、水と共に使用する場合、水1重量部当たり2〜4重量部、好ましくは水1重量部当たり3重量部を占める。
本発明の別の好ましい特徴によれば、この方法による製造の対象であるアミンを反応媒体に導入する。これは、ニトリル基質がアジポニトリルの場合には、例えばヘキサメチレンジアミンである。
目標とするアミンの反応媒体中での濃度は、有利には、該反応媒体の全体に対して50重量%〜99重量%、さらに好ましくは60重量%〜99重量%である。
反応媒体中における塩基の量は、該反応媒体の性質に応じて変更される。
反応媒体が液体溶剤として水と目標のアミンしか含有しない場合には、塩基の量は、有利には触媒の0.1mol/kg以上、好ましくは触媒の0.1〜2mol/kg、さらに好ましくは触媒の0.5〜1.5mol/kgである。
反応媒体が水、アルコール及び/又はアミドを含む場合には、塩基の量は、触媒の0.05mol/kg以上、好ましくは0.1〜10.0mol/kg、さらに好ましくは1.0〜8.0mol/kgである。
反応媒体の組成と触媒の選択とを決定したら、これら2つの成分を混合させ、次いでこの混合物を150℃以下、好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下の反応温度で加熱する。
具体的には、この温度は室温(約20℃)〜100℃の間である。
加熱前、加熱と同時又は加熱後に、反応室を好適な水素圧力、すなわち、実際には0.10〜10MPaとする。
反応時間は、反応条件及び触媒に応じて変更できる。
バッチ操作の態様では、これは数分から数時間まで変更できる。
本発明に従う方法として完全に想定することが可能な連続操作の態様では、この時間は、設定できるパラメーターでないことは自明である。
当業者であれば、操作条件に応じて、本発明に従う方法の工程の順序を調節することができることに留意すべきである。上記の順序は、本発明に従う方法の好ましい非限定的な形態に相当するに過ぎない。
本発明に従う水素化(連続又はバッチ態様)を左右する他の条件は、それ自体が慣用及び周知の技術の組合せを包含する。
上記した有利な組合せにより、本発明の方法は、選択的で、迅速で、便利でしかも経済的な方法で、ニトリル基質をアミンに、クロム又は鉄とクロムをドープしたラネーニッケルで得られるよりも非常に少ない不純物(特にDCH)しか形成せずに水素化することを可能にする。
この方法は、アジポニトリルを、ポリアミドであるナイロン6,6の合成に特に使用される単量体であるヘキサメチレンジアミンに転化させるのに完全に適している。
本発明は、本発明に従う水素化方法を限定的な方法ではなく例示する次の実施例からよく理解され、しかもその利点及びその実施形態の変形例も明白に分かるであろう。
例1:
この例では、鉄及びクロムをドープしたラネーNi触媒の製造を説明する。この触媒を基準触媒として使用する。
・合金の製造:
るつぼ内で、75kgのアルミニウムインゴットを約800℃の温度で溶融する。75kgのニッケルと2.7kgの鉄/クロム合金をこのるつぼに添加し、そして、その温度を1450℃にする。この媒体を均質化する。得られた溶融合金をインゴット型内に流し込み、冷却し、離型し、粉砕し、そして磨砕して粉末を得る。
合金の重量組成は次のとおりである:
Ni:47.80%
Al:50.15%
Fe:0.85%
Cr:1.20%
・アルカリ攻撃:
撹拌器を備えた反応器に、30重量%の水性水酸化ナトリウム0.5Lを導入する。この媒体の温度を97℃にし、そしてこの反応器の頂部をアルゴンでパージする。50gの合金粉末をこの反応器になおアルゴンパージ下で徐々に導入する。合金の添加が完了したら、アルカリ攻撃を3時間続行する。触媒の沈降後、上澄み液を抽出する。この触媒を7のpHが得られるまで水で洗浄し、次いで水酸化ナトリウムの0.05mol/L溶液中で保存する。
得られた触媒の重量組成は次のとおりである:
Ni:88.1%
Al:8.0%
Fe:1.5%
Cr:2.4%。
すなわち、重量比:
Al/Ni:9.0%
Fe/Ni:1.7%
Cr/Ni:2.7%。
例2:
この例では、鉄、クロム及び亜鉛をドープしたラネーNi触媒の製造について説明する。
撹拌器を備えた反応器に、水酸化ナトリウムの20重量%溶液415mLと1.0gの酸化亜鉛とを導入する。この媒体の温度を90℃にし、そしてこの反応器の頂部をアルゴンでパージする。例1に従って得られた合金81gをこの反応器に0.7g/分の流量で導入する。合金の添加が完了したら、アルカリ攻撃を3時間にわたり98℃の温度で続行する。触媒の沈降後、上澄み液を抽出する。この触媒を7のpHが得られるまで水で洗浄し、次いで水酸化ナトリウムの0.05mol/L溶液中で保存する。
得られた触媒の重量組成は次のとおりである:
Ni:87.80%
Al:8.00%
Fe:1.05%
Cr:2.15%
Zn:1.00%。
すなわち、重量比:
Al/Ni:9.10%
Fe/Ni:1.20%
Cr/Ni:2.45%
Zn/Ni:1.15%。
例3:
この例では、鉄、クロム及び亜鉛をドープしたラネーNi触媒の製造について説明する。
撹拌器を備えた反応器に、水酸化ナトリウムの20重量%溶液415mLと無水塩化亜鉛1.67gとを導入する。この媒体の温度を90℃にし、そしてこの反応器の頂部をアルゴンでパージする。例1に従って得られた合金80gをこの反応器に0.7g/分の流量で導入する。合金の添加が完了したら、アルカリ攻撃を3時間にわたり98℃の温度で続行する。触媒の沈降後、上澄み液を抽出する。この触媒を7のpHが得られるまで水で洗浄し、次いで水酸化ナトリウムの0.05mol/L溶液中で保存する。
得られた触媒の重量組成は次のとおりである:
Ni:87.95%
Al:8.30%
Fe:1.10%
Cr:2.10%
Zn:1.05%
Cl:<10ppm。
すなわち、重量比:
Al/Ni:9.40%
Fe/Ni:1.25%
Cr/Ni:2.40%
Zn/Ni:1.20%。
例4:
この例では、例1に従うラネーNi触媒の存在下での水素によるアジポニトリル(AdN)からヘキサンメチレンジアミン(HMD)への水素化の触媒試験について説明する。
水素化反応は、次のものを備えた300mLステンレススチール反応器で行う:
・温度プローブ;
・ラシュトン自吸式タービン;
・反応器内の圧力を一定に維持するこを可能にする圧力調節器;
・AdNを連続的に導入することを可能にするポンプ;
・水酸化カリウム(KOH)の水溶液を連続的に導入することを可能にするシリンジドライバー;及び
・反応媒体を取り出すことを可能にする連続サンプリング弁。
この反応器において、開始時に次のものを導入する:
114.5gのHMD及び16.5gの脱イオン水;
3.5gの例1で得られた触媒;及び
0.42gの6.8mol/L水酸化カリウム溶液。
反応器の温度を80℃に設定する。タービンを1300rpmで作動させる。この反応器を窒素でパージしてから、25barの水素圧力下に置く。
時間t=0で、連続注入及び取り出し装置を始動させる:
AdNを反応器に0.45mL/分の流量で導入する;
400ppmの水酸化カリウム溶液を0.05mL/分の流量で導入する;そして
0.63mLを1分ごとにサンプリング弁から取り出す。
水素を圧力調節器を介して反応器に連続的に供給する。水素消費を、触媒の活性を測定することを可能にする水素供給リザーバ内における圧力降下を監視することによって追跡する。
取り出した反応媒体を、試験の3時間にわたり60℃でサーモスタット制御された不活性ガス下にあるフラスコに集める。
試験中定期的に取り出した試料をガスクロマトグラフィー(GC)で分析して、AdNからHMDへの水素化中に形成される不純物、特に次の2種の不純物の形成について監視する:
ジアミノシクロヘキサン(DCH);及び
ビスヘキサメチレントリアミン(BHT)。
GC分析は、J&Wサイエンティフィック社製の30mCAMキャピラリーカラムを備えるヒューレット・パッカードHP6890クロマトグラフを使用して行う。実験条件は次のとおりである:
2キャリアガス;
250℃のインジェクター;
250℃のフレームイオン化検出器(FID);
80%分割比;
温度プログラミング:60℃/4分で保持→4℃/分100℃まで上昇→100℃/5分で保持→10℃/分で210℃まで上昇→210℃/2分で保持→10℃/分で220℃まで上昇→220℃/27分で保持。
このGC試料は、次のものを混合させることにより調製する:
正確に秤量したおよそ2gの反応媒体;
正確に秤量したおよそ30mgのノニルアミン(内部標準);及び
およそ0.5〜1mLのメタノール。
例5
この例では、例2に従うラネーNi触媒の存在下での水素によるアジポニトリル(AdN)からヘキサンメチレンジアミン(HMD)への水素化の触媒試験について説明する。
例4の手順に従ったが、ただし、例2に従う触媒を使用する。
例6
この例では、例3に従うラネーNi触媒の存在下での水素によるアジポニトリル(AdN)からヘキサンメチレンジアミン(HMD)への水素化の触媒試験について説明する。
例4の手順に従ったが、ただし、例3に従う触媒を使用する。
以下の表は、例4、5及び6から水素試験中に得られた結果をまとめたものである。
Figure 0005584217
これらの試験は、本発明に従う触媒が、公知の触媒の触媒活性と同等又はそれを超える活性を有し、しかも不純物の形成を実質的に低減させることによってさらに選択的な反応を得ることを可能にすることを明らかに実証するものである。

Claims (8)

  1. ラネーニッケルを主成分とする水素化触媒の存在下で、ニトリル官能基を有する化合物を水素又は水素を含有するガスと反応させることにより水素化することによってジアミン化合物を製造する方法であって、該水素化触媒がラネーニッケルと、ドーパント元素として鉄、クロム及び亜鉛とを含むことを特徴とする方法。
  2. 金属元素の重量により表される、前記水素化触媒の重量組成が、
    Al:2%〜10%;
    Fe:0.3%〜3%;
    Cr:0.5%〜5%;
    Zn:0.5%〜5%;及び
    Ni:合計100%となるまでの残部
    であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水素化触媒の重量組成が、
    Al:5%〜7%;
    Fe:1%〜2%;
    Cr:1.5%〜2.5%;
    Zn:1%〜3%;及び
    Ni:合計100%となるまでの残部
    であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ニトリル官能基を有する化合物がテトラメチレンジシアニドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ジアミン化合物がヘキサエチレンジアミンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記水素化を塩基性化合物の存在下で実施することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記水素化反応を0.1〜10MPaの圧力下で実施することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記水素化反応を20〜100℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
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