JP2004530719A - ジニトリル類のアミノニトリル類への半水素化方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、ジニトリル類の対応するアミノニトリル類への半水素化に関する。
【背景技術】
【0002】
ジニトリル類の水素化は、対応するジアミンを調製するために実施されるのが一般的である。従って、特にアジポニトリルの水素化は、ポリアミド6,6の調製のための2種のベース化合物の内の1つであるヘキサメチレンジアミンをもたらす。
【0003】
しかしながら、ジアミンではなくて中間体のアミノニトリルを調製することが必要と認められる場合がある。これは例えば(これに限定されるものではないが)アジポニトリルのアミノカプロニトリルへの半水素化の場合であり、後者の化合物は次いでポリアミド6のためのベース化合物であるカプロラクタムに又は直接的にポリアミド6に転化される。
【0004】
かくして、米国特許第4389348号明細書には、アンモニア及び非プロトン系溶媒中で塩基性支持体上に担持させたロジウムの存在下で水素によってジニトリルをω−アミノニトリルに水素化する方法が開示されている。
【0005】
米国特許第5151543号明細書には、ラネーコバルト又はラネーニッケルタイプの触媒の存在下で、ジニトリルに対して少なくとも2/1のモル過剰の溶媒中でジニトリル類をアミノニトリル類に部分水素化する方法が開示されており、前記溶媒は、液体アンモニア又はアルカノールにこのアルカノール中に可溶の無機塩基を含ませたものを含む。
【0006】
米国特許第5981790号明細書に記載された発明は、ラネーニッケル又はラネーコバルトをベースとした触媒の存在下で且つ水素化されるべき物質及び水素化された化合物を含む反応媒体中に水を少なくとも0.5重量%存在させた下でジニトリル類をアミノニトリル類に部分水素化する方法に関する。この触媒は、塩基と組み合わせて用いられる。
【0007】
これらの様々な方法は、アミノニトリルを製造することを可能にはするが、しかしそれと一緒にジアミンも比較的高い比率で生成され、しかも分離が困難な副生成物も比較的高い生産性でできてしまう。上記の比率を特にジアミンの生成が抑えられてアミノニトリルの生産性が高まるように変化させ且つ副生成物の生成も減らすために、研究が続けられている。
【0008】
かくして、国際公開WO00/64862号パンフレットには、水素化触媒と、アルカノール又は液体アンモニアと、アミノニトリル類についての反応選択性を改善することができる化合物とを存在させた下でアミノニトリル類を製造するためのジニトリルの部分水素化方法が開示されている。しかしながら、望ましくない副生成物の生成は高いままである。
【特許文献1】
米国特許第4389348号明細書
【特許文献2】
米国特許第5151543号明細書
【特許文献3】
米国特許第5981790号明細書
【特許文献4】
国際公開WO00/64862号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的の内の1つは、ジニトリルの1つのニトリル官能基を選択的に水素化(本明細書においては「半水素化」と言う)して、ジアミンを少ない割合に抑え且つ副生成物の生成を最小限に抑えつつ、主として対応するアミノニトリルを調製するための、新規の方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
より特定的には、本発明は、水素化触媒、例えばニッケル、コバルト、ラネーニッケル又はラネーコバルトをベースとし且つ元素周期表(Handbook of Chemistry and Physics、80th edition、1999-2000中に発表されたIUPAC命名法に従うもの)第3〜12族元素から選択されるドーピング元素を随意に含む触媒及びアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニアから誘導される無機強塩基の存在下で、水素を用いて脂肪族ジニトリル類を対応するアミノニトリル類に半水素化する方法に関する。出発水素化媒体は、該媒体の液状化合物全部に対して少なくとも0.5重量%の含有率で水を含み、前記液状化合物は、水素化させるべきジニトリルから生成させることができるジアミン及び/又はアミノニトリル、並びに未転化ジニトリルを含み、これら3種の化合物の組合せ物の媒体中における重量による含有率は80%〜99.5%の範囲である。
【0011】
本発明に従えば、半水素化反応は少なくとも1種の添加剤の存在下で実施され、この添加剤は、アミノニトリル及びジアミンについての全体選択性をこの添加剤なしで得られるものと少なくとも実質的に同等のレベルに保ちながら、アミノニトリルについての選択性をこの添加剤を存在させない系によって得られるものより高めるものである。
【0012】
用語「物質についての選択性」とは、反応終了時における転化したジニトリルの量に対して計算した、得られたその物質の収率を意味するものとする。
【0013】
この添加剤は、以下のものより成る群から選択される化合物である:
・炭素原子に結合していないシアニド基を少なくとも1つ含む化合物;
・有機イソニトリル化合物;
・水酸化又はフッ化テトラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルホスホニウム化合物;
・少なくとも1つの金属原子と少なくとも1つのカルボニル基との間の配位からの錯体化合物;
・アルカリ金属又はアルカリ土類金属フッ化物化合物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
炭素原子に結合していないシアニド基を少なくとも1つ含む化合物としては、無機シアン化物、有機/無機シアン化物、シアニド錯体若しくは塩、例えばシアン化水素、シアン化リチウム、ナトリウム、カリウム若しくは銅、シアニド錯体K3[Fe(CN)6]、K4[Fe(CN)4]、K3[Co(CN)6]、K2[Pt(CN)6]若しくはK4[Ru(CN)6]、又はアンモニウム若しくはアルカリ金属チオシアン化物を挙げることができる。有機/無機シアン化物としては、シアン化テトラアルキルアンモニウム、例えばシアン化テトラブチルアンモニウム、チオシアン化テトラメチルアンモニウム又はチオシアン化テトラプロピルアンモニウムを挙げることができる。
【0015】
本発明にとって好適な有機イソニトリル化合物としては、t−オクチルイソニトリル、t−ブチルイソニトリル、n−ブチルイソニトリル、イソプロピルイソニトリル、ベンジルイソニトリル、エチルイソニトリル、メチルイソニトリル及びアミルイソニトリルを挙げることができる。
【0016】
配位錯体化合物としては、金属に結合したカルボニル、ホスフィン、アルシン又はメルカプト官能基を含む有機化合物を錯化用化合物として含む錯体を挙げることができる。好適な金属としては、特に上記の元素周期表第7、8、9及び10族からの金属、例えば鉄、ルテニウム、コバルト、オスミウム、レニウム、イリジウム又はロジウムを挙げることができる。
【0017】
水酸化又はフッ化有機テトラアルキルオニウム化合物としては、アンモニウム又はホスホニウム基に結合したヒドロキシル基又はフッ素原子を含むテトラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルホスホニウムを挙げることができる。アルキル基は、1〜8個の炭素原子を有する炭化水素基であるのが好ましい。これらの基は、直鎖状又は分枝鎖状であることができる。例として、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム及びテトラブチルホスホニウムが本発明にとって好適である。
【0018】
本発明の好ましい特徴に従えば、選択性向上剤の重量対ニッケルのような触媒元素の重量(金属の重量として表わして)の比は、0.001:1〜2:1の範囲、有利には0.005:1〜1:1の範囲にする。この比は、選択性向上剤の性状に応じて変化する。
【0019】
本発明の方法は、70%より高いジニトリルの転化度で、65%より高いアミノニトリルについての選択性並びに90%より高いアミノニトリル及びジアミンについての全体選択性を得ることを可能にする。
【0020】
本発明の方法において用いることができる脂肪族ジニトリル類は、より特定的には一般式(I)のジニトリルである。
NC−R−CN (I)
ここで、Rは1〜12個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン又はアルケニレン基を表わす。
【0021】
本発明の方法においては、式(I)においてRが2〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基を表わすジニトリル類を用いるのが好ましい。
【0022】
かかるジニトリル類の例としては、アジポニトリル(AdN)、メチルグルタロニトリル、エチルスクシノニトリル、マロノニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル及びそれらの混合物、特にアジポニトリルの合成のための同じ方法から得られたものであってよいアジポニトリル及び/又はメチルグルタロニトリル及び/又はエチルスクシノニトリルの混合物を特に挙げることができる。
【0023】
実施に当たっては、Rが(CH2)4である場合が最も一般的であり、これは本発明の方法においてはアジポニトリルの使用に相当する。
【0024】
無機強塩基は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム水酸化物、炭酸塩及びアルコキシドから成るのが一般的である。アルカリ金属水酸化物、炭酸塩及びアルコキシドから選択されるのが好ましい。
【0025】
用いられる無機強塩基は、LiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH及びそれらの混合物から選択されるのが好ましい。
【0026】
実施に当たっては、NaOH及びKOHを用いるのが一般的であるが、RbOH及びCsOHも非常に良好な結果を与えることができる。
【0027】
水は通常、20重量%又はそれ未満の量で反応媒体中に存在させる。好ましくは、反応媒体中の水の含有率は、媒体の全液状成分に対して2〜15重量%の範囲にする。
【0028】
反応媒体中の目的物質のアミノニトリル及び/又は対応するジアミン及び未転化ジニトリルの全体濃度は、該反応媒体中に含まれる全液体に対して85〜99重量%の範囲にするのが一般的である。
【0029】
無機強塩基の量は、触媒1kg当たりに0.05モル又はそれ以上にするのが有利である。触媒1kg当たりに0.1モル〜3モルの範囲にするのが好ましく、触媒1kg当たりに0.15〜2モルの範囲にするのがより一層好ましい。
【0030】
本方法において用いられる触媒は、ニッケル、コバルト、ラネーニッケル又はラネーコバルトである。後者のラネー金属類は、ニッケル又はコバルト及び触媒の調製の際に出発合金から取り出された残留量の金属(即ち一般的にはアルミニウム)に加えて、1種以上のその他の元素(しばしばドーパントと称される)、例えばクロム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄、亜鉛、銅、ロジウム、イリジウム、コバルト及びニッケルのような元素を含む。これらのドーピング元素の中では、クロム及び/又は鉄及び/又はチタンが最も有利であると見なされる。これらのドーパントは通常、ニッケルの重量に対する重量として0%〜10%、好ましくは0%〜5%を占める。これらのドーパントはまた、ニッケル及び/又はコバルトをベースとする触媒とも一緒に用いられる。
【0031】
用いられる触媒の量は、特に採用した操作方法や選択した反応条件に応じて非常に広い範囲で変えることができる。指標として、反応媒体の総重量に対して0.5〜50重量%、一般的には1〜35重量%の触媒を用いることができる。
【0032】
本発明の好ましい具体例に従えば、触媒は、半水素化媒体中に導入する前に、予備状態調節する。この予備状態調節は、フランス国特許出願第00/02997号の明細書に開示された方法に従って実施するのが有利である。この方法は、簡単に言えば、水素化触媒と予め決定された量の無機強塩基及び該無機強塩基がそれほど可溶ではない溶媒とを混合することから成る。本発明に従えば、こうして状態調節された触媒を含む媒体が水素化反応器に供給され、水素化反応は、文献にすでに開示された通常の条件及び手順に従って実施される。
【0033】
選択性向上剤は、触媒とは別に反応媒体に添加することができる。好ましい具体例においては、触媒を反応媒体中に導入する前に、例えば触媒を状態調節する段階において、選択性向上剤を触媒に添加する。
【0034】
ジニトリルの一定の転化度におけるアミノニトリルについての選択性の最適条件は、ドーパントの性状及び含有量、反応媒体中の水の量、温度並びに塩基及び/又は選択性向上剤の性状及び量に依存する。
【0035】
本発明の方法は一般的に150℃又はそれ未満、好ましくは120℃又はそれ未満、より一層好ましくは100℃又はそれ未満の反応温度において実施される。
【0036】
実用上は、この温度は周囲温度(約20℃)〜100℃の範囲である。
【0037】
加熱の前に、加熱と同時に又は加熱の後に、反応室を適切な水素圧、即ち実用上は1バール(0.10MPa)〜100バール(10MPa)の範囲、好ましくは5バール(0.5MPa)〜50バール(5MPa)の範囲の水素圧にする。
【0038】
反応時間は反応条件及び触媒の関数として変化し得る。
【0039】
バッチ式の操作方法においては、反応時間は数分から数時間まで変化し得る。
【0040】
本発明に従う方法の各段階の出現順序は操作条件に応じて当業者が変更することができるものであるということに留意されたい。
【0041】
本発明に従う水素化(連続式又はバッチ式)を支配するその他の条件は、それ自体周知の慣用の技術の配列に関する。
【実施例】
【0042】
以下、実施例によって本発明を例示する。
【0043】
これらの実施例においては、以下の略号を用いる。
・AdN=アジポニトリル
・ACN=アミノカプロニトリル
・HMD=ヘキサメチレンジアミン
・DC=転化度
・CY=転化した出発物質に対する(この場合にはAdNに対する)選択性。
【0044】
比較例1
自己吸引タイプの撹拌機、反応成分及び水素導入手段並びに温度制御システムを備え付けた100ミリリットルのステンレス鋼製反応器に、以下のものを装填する。
・ヘキサメチレンジアミン:24g
・水:5.3g
・KOH:0.33ミリモル
・ラネーニッケル(Crを1.7%含むもの):Ni0.65g。
【0045】
この例においては、Ni1kg当たりに0.5モルのKOHを存在させた。
【0046】
反応器を窒素でパージし、次いで水素でパージした後に、圧力を水素2MPaに調節する。この反応混合物を50℃に加熱する。
【0047】
次いでアジポニトリル24gを、5MPaの水素供給源の上に置かれた減圧弁によって2.5MPaに加圧された滴下漏斗によって、即座に導入する。この時点における時間を時間0とする。供給源中の水素の消費量(反応器内の圧力は2.5MPaで一定に保つ)及び反応混合物から取り出されたサンプルのガスクロマトグラフィー(GC)分析によって、反応の進行を監視する。最適アミノカプロニトリル収率に達した時に、撹拌を停止することによって反応を停止させ、反応混合物を冷却し、次いで除圧する。
【0048】
以下の結果が得られた。
・反応時間:33分
・AdNのDC:79.6%
・ACNについてのCY:70.1%
・HMDについてのCY:29.5%
・その他の様々な物質についてのCY:0.4%
【0049】
例2
次の反応成分を装填したことを除いて、例1を繰り返した。
・ヘキサメチレンジアミン:24g
・水:5.3g
・KOH:0.18ミリモル
・ラネーニッケル(Crを1.7%含むもの):Ni0.65g
・選択性向上剤(C2H5)4N+F−・H2O:1.09ミリモル(0.162g)
【0050】
この例においては、Ni1kg当たりに0.3モルのKOHを存在させ、選択性向上剤/ニッケルの比は0.25:1である。
【0051】
得られた結果は次の通りである。
・反応時間:63分
・AdNのDC:83.8%
・ACNについてのCY:81.6%
・HMDについてのCY:17.8%
・その他の様々な物質についてのCY:0.6%
【0052】
この試験は、ACNの選択性が向上されたこと及び副生成物についての選択性が安定であることを示す。
Claims (18)
- ニッケル、コバルト、ラネーニッケル又はラネーコバルトをベースとし且つ元素周期表第3〜12族元素から選択されるドーピング元素を随意に含む触媒及びアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニアから誘導される無機強塩基の存在下で、水素を用いてジニトリル類を対応するアミノニトリル類に半水素化する方法であって、
出発水素化媒体が、該媒体の液状化合物全部に対して少なくとも0.5重量%の濃度で水を含み、
前記液状化合物が、水素化させるべきジニトリルから生成させることができるジアミン及び/又はアミノニトリル並びに未転化ジニトリルを含み、これら3種の化合物の組合せ物の重量濃度が80%〜99.5%であり、
半水素化反応を、
・炭素原子に結合していないシアニド基を少なくとも1つ含む化合物;
・有機イソニトリル化合物;
・水酸化又はフッ化テトラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルホスホニウム化合物;
・少なくとも1つの金属原子と少なくとも1つのカルボニル基との間の配位からの錯体化合物;
・アルカリ金属又はアルカリ土類金属フッ化物化合物:
より成る群から選択される少なくとも1種の選択性向上剤の存在下で実施する
ことを特徴とする、前記方法。 - 前記無機塩基がアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム水酸化物、炭酸塩及びアルコキシドから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 用いられる無機強塩基がLiOH、NaOH、KOH、RbOH、CsOH及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 反応媒体中に存在させる無機塩基の量が触媒1kg当たりに0.05モル又はそれ以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 脂肪族ジニトリル類が一般式(I):
NC−R−CN (I)
(ここで、Rは1〜12個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン又はアルケニレン基、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基を表わす)
のジトリル類であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。 - 反応媒体中に水を、該媒体の全液状成分に対して20重量%又はそれ未満の量、好ましくは2〜15重量%の範囲の量で存在させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 反応媒体中の目的物質のアミノニトリル及び/又は対応するジアミン及び未転化ジニトリルの濃度を該反応媒体を構成する全液体に対して85〜99重量%の範囲にすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 用いられる触媒がラネーニッケル、ラネーコバルト並びに、クロム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄、亜鉛、銅、ロジウム、イリジウム、コバルト又はニッケルのような1種以上の他のドーピング元素を含むラネーニッケル及びラネーコバルトから選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 用いられる触媒がクロム及び/又は鉄及び/又はチタンから選択される少なくとも1種のドーピング元素を含むラネーニッケルから選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 用いられる触媒が少なくとも1種のドーピング元素を0%〜10%の割合で含むラネーニッケルから選択されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 用いられる触媒が反応媒体の総重量に対して0.5〜50重量%を占めることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
- 150℃又はそれ未満の反応温度において実施することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
- 1バール(0.10MPa)〜100バール(10MPa)の範囲の水素圧下で実施することを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
- 選択性向上剤対触媒(触媒金属元素の重量として表わして)の重量比を0.001:1〜2:1の範囲にすることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
- 選択性向上剤がシアン化水素、シアン化リチウム、ナトリウム、カリウム又は銅、シアニド錯体K3[Fe(CN)6]、K4[Fe(CN)4]、K3[Co(CN)6]、K2[Pt(CN)6]及びK4[Ru(CN)6]、アンモニウム又はアルカリ金属チオシアン化物、シアン化テトラブチルアンモニウム、チオシアン化テトラメチルアンモニウム並びにチオシアン化テトラプロピルアンモニウムより成る群から選択される、炭素原子に結合していないシアニド基を少なくとも1つ含む化合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 選択性向上剤がt−オクチルイソニトリル、t−ブチルイソニトリル,n−ブチルイソニトリル、イソプロピルイソニトリル、ベンジルイソニトリル、エチルイソニトリル、メチルイソニトリル及びアミルイソニトリルより成る群から選択される有機イソニトリル化合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 選択性向上剤がテトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム及びテトラブチルホスホニウムより成る群から選択されるテトラアルキルアンモニウム又はテトラアルキルホスホニウム水酸化物又はフッ化物化合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
- 選択性向上剤が、鉄、ルテニウム、コバルト、オスミウム、レニウム、イリジウム及びロジウムより成る群から選択される金属に結合したカルボニル、ホスフィン、アルシン又はメルカプト官能基を含む有機化合物より成る群から選択される、少なくとも1つの金属原子と少なくとも1つのカルボニル基との間の配位からの錯体化合物であることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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