JP5584027B2 - 手乾燥装置 - Google Patents
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Description
特許文献1には、「従来の手乾燥装置では、使用者の体格や年齢に関係なく、同一風速で気流を吹き出すために、幼い子供や老人にはジェット気流は強く、しかも子供はハンカチを持たないことが多く利用されるターゲットであるにも関わらず、使用されていない場合がある。また、子供は身長が低いために、吹き出し口の周辺に顔が来ることで、手を伝わって送風が顔にあたり不快を感じることもある。
さらにファンモータのジェット気流の音も大きいことから、子供は耳を塞ぎ利用されていないケースがあるという課題があった。本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、使用者の体格を判断し、自動運転にて、幼いの子供には送風量の変更による静音運転を実施することができる手乾燥装置を提供することを目的」(特許文献1の発明の詳細な説明中の段落番号0005〜0008)になされたもので、具体的には、「外部に向かって開口した挿入口から手を抜き差しできる乾燥室と、前記乾燥室内の底部の水受け部と、前記水受け部に向けて空気を送出するノズルと前記ノズルから空気を送出するファンモータと、前記乾燥室の開口した挿入口から手を抜き差しされたことを検知する手検知部と、前記手検知部からの信号より前記ファンモータを動作させる制御部を備え、前記制御部は使用者の身長の情報を検知する構成としたもの」(特許文献1の発明の詳細な説明中の段落番号0011)により「使用者の体格を判断し、自動運転にて、幼い子供には送風量の変更による静音運転を実施することができる」(特許文献1の発明の詳細な説明中の段落番号0012)手乾燥装置が開示されている。
(特許文献1の発明の詳細な説明中の段落番号0031)が、(a)送風が顔に当たり不快になることを防止又は減少させること、(b)手に付着した水を送風によって十分に吹き飛ばして除去すること、とは両立できないことから(例えば、(a)を達成するには送風量を減少させる必要があるが、こうすると(b)が十分達成できず、逆に、(b)を十分達成するには送風量を増加する必要があるが、こうすると(a)が十分達成できない。)、手に付着の水を送風により吹き飛ばし除去する手乾燥装置における問題となっていた。
噴射方向が下向きのものである、気体を噴射する噴射口と、噴射口からの気体が衝突する受け面とを有し、受け面は手乾燥装置正面の使用者側から見て、左右の縁部に設けてある堰と、使用者側の前面壁と、本体部の板状部からなる壁面で囲われており、噴射口と受け面との間に手が挿入可能な空間である挿入空間を備えてなり、手乾燥装置正面の使用者側から見て、受け面には、噴射口からの気体の噴射方向にのびる噴射線を含む面が、使用者側の前面壁から本体部の板状部にわたって受け面と交わる線を中心にした左右方向又は左もしくは右方向に、縁部に近づくにつれて下流側に傾く斜面である、排出斜面を有しており、排出斜面と堰部分との間に集まった水を貫通穴から下部の貯水部へ排出除去する、水除去手段を有する手乾燥装置において、噴射口からの気体の噴射方向にのびる噴射線を含む面が、使用者側の前面壁から本体部の板状部にわたって受け面と交わる線及びその線から下流側に傾く排出斜面の一部が、堰の高さより、高い位置に存するものであり、受け面の一部を板状部側が低くなるように傾斜をつけている事を特徴とする、
手に付着の水を吹き飛ばし除去する手乾燥装置である。
噴射口は、挿入空間に挿入された手に付着した水(液体)を吹き飛ばし除去するための気体(例えば、空気)を噴射する口である。
受け面は、噴射線(仮想上の半直線)が交わる面とされる。噴射線は、噴射口を端点とする仮想上の半直線であり、噴射口からの気体の噴射方向にのびる半直線である。
挿入空間は、噴射口と受け面との間に存し、本装置が乾燥させるべき手が挿入可能な空間である(無論、挿入空間に外部空間から手を挿入することができる外部空間と挿入空間とを連通させる開口が設けられる。)。
このため噴射口から噴射された気体は、挿入空間を流通し、(挿入空間に挿入された手によって遮られない場合は)受け面に衝突する。
そして、本装置においては、噴射線を含むいずれかの平面である噴射平面による受け面の断面において、挿入空間から外部空間に向けて吹出縁の方向に近づくにつれて下流側に傾く斜面である排出斜面を有する。なお、吹出縁は、受け面の縁の一部であり、気体が挿入空間から外部空間に向けて吹き出すところに位置する受け面の縁部分である。また、下流側とは、噴射線に沿った両方向のうち噴射口とは反対方向をいい、上流側とは、噴射線に沿った両方向のうち噴射口の方向(下流側とは反対方向)をいう。
本装置は、このような挿入空間から外部空間に向けて吹出縁の方向に近づくにつれて下流側に傾く斜面である排出斜面を有すると共に、排出斜面の一部を残し他の部分がそれよりも吹出縁に近い受け面のいずれの部分よりも上流側に存するものであり、このような一部を残し他の部分がそれ(排出斜面の該一部を残し他の部分)よりも吹出縁に近い受け面のいずれの部分よりも上流側に存するものである排出斜面によって、受け面に衝突した気体が排出斜面によって吹出縁に円滑に導かれ吹き出すことができることから、吹出縁以外の方向に吹き出す気体を減少させることができる。これによって本装置は、(b)手に付着した水を十分に吹き飛ばして除去することができる送風量としても、(a)吹出縁以外の方向に存在する顔に向けて吹き出す気体が減少するので、送風が顔に当たり不快になることを防止又は減少させることができる。
なお、ここで排出斜面の一部を残し他の部分がそれよりも吹出縁に近い受け面のいずれの部分よりも上流側に存する程度としては、排出斜面の該一部を残し他の部分から噴射線に下ろした垂線の足のうち最も上流に位置するもの(排出斜面最上流足という)と、排出斜面の該一部を残し他の部分よりも吹出縁に近い受け面から噴射線に下ろした垂線の足のうち最も上流に位置するもの(吹出縁側最上流足という)と、の間の距離(無論、排出斜面最上流足の方が吹出縁側最上流足よりも上流に位置するので、排出斜面最上流足と吹出縁側最上流足との間の距離をいう。)は、あまり小さいと前述の効果(受け面に衝突した気体が排出斜面によって吹出縁に円滑に導かれ吹き出すこと)が小さくなり、あまり大きいと本装置が大型化し設置や取扱に問題が生じるので、これらを両立する範囲とされればよいが、
通常は、好ましくは3cm以上、より好ましくは4cm以上、
最も好ましくは5cm以上であり、
逆に、好ましくは40cm以下、より好ましくは20cm以下、
最も好ましくは15cm以下である。
こうすることで前記噴射平面による受け面の断面形状に略同じ断面形状を、受け面が、前記噴射平面から所定距離内の前記噴射平面に対して垂直方向のいずれの位置においても有するので(受け面の略同一断面形状が前記噴射平面に平行なある幅で形成される)、受け面に衝突した気体が吹出縁に向かって流動する流路幅を確保することができると共に受け面が前記噴射平面に対する垂直方向の一部に凹凸を有することを減少させるので、気体が受け面に沿って吹出縁方向に円滑に流動することができ、吹出縁以外の方向に吹き出す気体を減少させ、送風が顔(吹出縁以外の方向に存在する)に当たり不快になることをうまく防止又は減少させることができる。
なお、ここにいう所定距離は、あまり小さいと上述の効果(気体が受け面に沿って吹出縁方向に円滑に流動すること)が小さくなり、あまり大きいと本装置が大型化し設置や取扱に問題が生じるので、これらを両立する範囲とされることが好ましく、通常は、好ましくは5cm以上、より好ましくは7.5cm以上、最も好ましくは10cm以上であり、逆に、好ましくは17.5cm以下、より好ましくは15cm以下、最も好ましくは12.5cm以下である。
こうすることで前記噴射平面による受け面の断面において、噴射線により分割される受け面の他方側に誘導斜面が形成される。誘導斜面は、噴射線に近づくにつれて下流側に傾き、いずれの部分も排出斜面の最上流部分よりも上流側に存する斜面であるので、噴射口から噴射された気体が受け面に衝突した際、該他方側(誘導斜面が形成される側)に気体が流れることを防止又は減少させると共に、該一方側(排出斜面が形成される側)に気体をうまく導くことができる。このため気体が排出斜面に沿って吹出縁に円滑に導かれ吹き出すことができ、吹出縁以外の方向に吹き出す気体を減少させることができるので、送風が顔(吹出縁以外の方向に存在する)に当たり不快になることをうまく防止又は減少させることができる。
こうすることで前記噴射平面による受け面の断面において、噴射線により分割される受け面の一方側と他方側との両側に排出斜面及び吹出縁の対が形成されるので、受け面に衝突した気体は該一方側と該他方側との両側に分配される。該一方側に分配された気体は該一方側の対を構成する排出斜面に沿って流通し該一方側の対を構成する吹出縁から吹き出すと共に、該他方側に分配された気体は該他方側の対を構成する排出斜面に沿って流通し該他方側の対を構成する吹出縁から吹き出すことができるので、受け面に衝突した気体が該一方側と該他方側との両側から円滑に吹き出すことができる。これにより吹出縁以外の方向に吹き出す気体を減少させることができるので、送風が顔(吹出縁以外の方向に存在する)に当たり不快になることをうまく防止又は減少させることができる。
こうすることで壁面が、受け面の縁部に沿って上流側に向けて立ち上がるように前記噴射平面に略平行に形成されるので、気体が前記噴射平面に沿って流動し円滑に導かれ吹き出すことができると共に、吹き出す気体を減少させることができるので、送風が顔に当たり不快になることをうまく防止又は減少させることができる。
このように気体の噴射方向が下方向に向くことで(無論、受け面は上方に向く)、挿入空間に挿入された手に付着した水が噴射気体により吹き飛ばされた際(噴射方向である下方向に近い方向で主として水は吹き飛ばされる)、吹き飛ばされた水が下方に向けてうまく移動するので、手の位置よりも通常高い位置に存する顔に付着しにくくなることで、水が顔に付着することで不快感を感じたり不衛生になることを防止又は減少することができる。また、吹き飛ばされた水が主として受け面に衝突するように容易に本装置を構成できるので、そうすれば衝突した水滴を受け面に付着させることで水を捕集することもできる(吹き飛ばされた水が本装置の周辺(外部空間)に飛散等して周辺を汚染等することを防止又は減少させることができる。)。
なお、噴射方向が下方向に向くとは、噴射口からの気体噴射の速度ベクトルが鉛直下方向の成分を有することをいい、必ずしも噴射方向が鉛直下方向であることを要さないが、噴射方向が鉛直下方向に近い方が上述の効果を奏しやすいことから、通常は、噴射方向が鉛直下方向に対してなす角度(劣角をいう)が、好ましくは30度以下、より好ましくは20度以下、最も好ましくは10度以下である(無論、該角度の下限は、噴射方向が鉛直下方向と一致する0度である。)。
噴射方向下向き本装置では、手から吹き飛ばされた水滴の多くが受け面に衝突し付着した後、排出斜面を下流側に向けて移動する。排出斜面の下流側端部に到達した水は、気体の流動等によって吹出縁から外部空間へ同伴されることがあり、これによって本装置の周辺(外部空間)に水が飛散又は漏出することになり周辺の汚染等を引き起こす可能性がある。これを防止又は減少させるため、排出斜面の最下流部よりも吹出縁側に、上流側に向けて立ち上がるように形成された堰部分を受け面が有するようにすれば、排出斜面を下流側に向けて移動した水は、上流側に向けて立ち上がるように形成された堰部分を乗り越えられず、吹出縁から外部空間へ飛散又は漏出することを防止又は減少させることができる。
そして、排出斜面と堰部分との間に集まった水を除去する水除去手段を有するようにすれば、堰部分を乗り越えて外部空間へ飛散又は漏出する水を確実に減少させることができる。なお、水除去手段は、排出斜面と堰部分との間に集まった水を除去することができるものであれば何ら制限されるものではないが、例えば、排出斜面と堰部分との間の受け面に形成された水抜き穴(貫通孔)を例示することができる。
こうすることで排出斜面を表面が形成する斜面部材を、従来からの手乾燥装置に取り付けることで本装置を簡単に構成することができるので、手乾燥装置の設置場所や目的等に応じ本装置とするか否かを自由に選択でき便利である。
図1は第1実施形態の本発明の手乾燥装置(以下、「第1本装置」という。)11を示す図であり、詳細には、図1(a)は第1本装置11の正面図であり、図1(b)は第1本装置11の右側面図(図1(a)中の矢印C方向から見たところを示している。)である。そして、図2は第1本装置11の断面図であり、詳細には、図2(a)は図1(a)のA−A断面図であり、図2(b)は図1(b)のB−B断面図である。図1及び図2を参照して、第1本装置11について説明する。なお、ここでは鉛直上方向を矢印E1にて、そして鉛直下方向を矢印E2にて、それぞれ図示した。
第1本装置11は、大まかには、本体部21と、本体部21に取り付けられたノズル13(空気の吹き出し方向を矢印Dにて示した。なお、ここでは矢印Dは鉛直下方向(矢印E2方向)である。)と、第1本装置11の周囲に存する空気を吸入し昇圧しノズル13に送風する本体部21に取り付けられたブロアー(図示せず)と、本体部21の下方に配置された貯水部17と、を備えてなる。
ブロアー(不図示)が運転されると、第1本装置11の周囲に存する空気をブロアー(不図示)が吸入し昇圧してノズル13に圧送することで、ノズル13から空気が矢印D方向(ここでは鉛直下方向)に噴射される。
一方側面15aは、噴射線16と所定角度(図3中、角度d1)をなし略長方形状(該長方形の1辺が尾根線15cを形成する)をした斜面15a1(平面)と、斜面15a1の4辺のうち尾根線15cを構成する1辺と対辺をなす1辺を1辺とする略長方形状をした噴射線16と略垂直な底面15a2(平面)と、噴射線16から底面15a2よりも遠い位置に立ち上がった位置に形成された堰面15a3と、を含んでなる。
他方側面15bは、噴射線16と所定角度(図3中、角度d2。なお、ここではd2=d1。具体的にはd2=d1=約60度。)をなし略長方形状(該長方形の1辺が尾根線15cを形成する)をした斜面15b1(平面)と、斜面15b1の4辺のうち尾根線15cを構成する1辺と対辺をなす1辺を1辺とする略長方形状をした噴射線16と略垂直な底面15b2(平面)と、噴射線16から底面15b2よりも遠い位置に立ち上がった位置に形成された堰面15b3と、を含んでなる。
このように受け面15は、噴射空間19から外部空間99に向けて受け面15の縁の一部を構成する吹出縁(ここでは堰面15a3の外部空間99側の縁15af)の方向に近づくにつれて下流側(図3中、矢印G2方向側)に傾く斜面15a1を有すると共に、斜面15a1の少なくとも一部15a1a(ここでは堰面15a3よりも上流側(図3中、矢印G1方向側)に位置する部分)がそれ(一部15a1a)よりも吹出縁15afに近い受け面15のいずれの部分よりも上流側(図3中、矢印G1方向側)に存する。
また、受け面15は、噴射空間19から外部空間99に向けて受け面15の縁の一部を構成する吹出縁(ここでは堰面15b3の外部空間99側の縁15bf)の方向に近づくにつれて下流側(図3中、矢印G2方向側)に傾く斜面15b1を有すると共に、斜面15b1の少なくとも一部15b1a(ここでは堰面15b3よりも上流側(図3中、矢印G1方向側)に位置する部分)がそれ(一部15b1a)よりも吹出縁15bfに近い受け面15のいずれの部分よりも上流側(図3中、矢印G1方向側)に存する。
また、第2部分21bは、F−F面に略平行(前面壁23にも略平行)な平板状の板状部21baと、板状部21baの両側(堰面15a3と堰面15b3とから連続するよう)に噴射線16に平行方向に形成された凸条部21bbと、を有してなる。
これら第2部分21bと前面壁23との間に受け面15が形成されており、受け面15の幅(F−F面に対して垂直方向の寸法)は、板状部21baと前面壁23との間に形成される部分(斜面15a1、底面15a2、斜面15b1、底面15b2)はいずれの部分も同じ(幅k1とする)であり、凸条部21bbと前面壁23との間に形成される部分(堰面15a3、堰面15b3)はいずれの部分も同じ(幅k2とする。k2<k1。)である。
そして、第3部分21cの下方には、有底無蓋の皿形状をした貯水部17が着脱自在に取り付けられており、底面15a2、15b2に集まった水分は貫通孔25a、25bを経由して貯水部17に流入し貯留される。なお、貯水部17に溜まった水は、貯水部17を取り外して廃棄するようにしても、また貯水部17に排水管(不図示)を接続し排水するようにしてもよい。
前記噴射平面(例えば、図3が図示しているF−F面)に平行かつ前記噴射平面(図3が図示しているF−F面)と所定距離内に存するいずれの平面(ここでは堰面15a3と堰面15b3とを通過する前記噴射平面に平行ないずれの平面)による受け面15の断面形状も、前記噴射平面(図3が図示しているF−F面)による受け面15の断面形状に略同じである。
第1本装置11においては、前記噴射平面(図3が図示しているF−F面)による受け面15の断面(図3)において、噴射線16により分割される受け面15の一方側(図3においては噴射線16の右側)と他方側(図3においては噴射線16の左側)との両側に排出斜面(斜面15a1、斜面15b1)及び吹出縁(縁15af、15bf)の対(ここでは、該一方側には対(斜面15a1と縁15af)、該他方側には対(斜面15b1と縁15bf))が形成されるものである。
また、第1本装置11においては、受け面15の縁部の少なくとも一部に沿って上流側(図3中、矢印G1方向側)に向けて立ち上がるように前記噴射平面(図3が図示しているF−F面)に略平行に形成された壁面(前面壁23の受け面15側の面)を有するものである。
第1本装置11においては、噴射方向(矢印D方向)が下方向(ここではほぼ鉛直下方向)に向いているものである。
そして、第1本装置11においては、前記噴射平面(図3が図示しているF−F面)による受け面15の断面(図3)において、排出斜面(斜面15a1、斜面15b1)の最下流部(ここでは底面15a2、15b2に連なる部分)よりも吹出縁(縁15af、15bf)側に上流側(図3中、矢印G1方向側)に向けて立ち上がるように形成された堰部分(ここでは堰面15a3と堰面15b3)を受け面15が有し、排出斜面(斜面15a1、斜面15b1)と堰部分(堰面15a3、堰面15b3))との間(ここでは底面15a2、15b2)に集まった水を除去する水除去手段(ここでは貫通孔25a、25b)を有するものである。
図4は第2実施形態の本発明の手乾燥装置(以下、「第2本装置」という。)61を示す図であり、詳細には、図4(a)は第2本装置61の正面図であり、図4(b)は第2本装置61の右側面図(図4(a)中の矢印C方向から見たところを示している。)である。そして、図5は第2本装置61の断面図であり、詳細には、図5(a)は図4(a)のA−A断面図であり、図5(b)は図4(b)のB−B断面図である。図4及び図5を参照して、第2本装置61について説明する。なお、ここでは鉛直上方向を矢印E1にて、そして鉛直下方向を矢印E2にて、それぞれ図示した。
第2本装置61は、第1本装置11と同様、大まかには、本体部21と、本体部21に取り付けられたノズル13(空気の吹き出し方向を矢印Dにて示した。なお、ここでは矢印Dは鉛直下方向である。)と、第2本装置61の周囲に存する空気を吸入し昇圧しノズル13に送風する本体部21に取り付けられたブロアー(図示せず)と、本体部21の下方に配置された貯水部17と、を備えてなる。
第2本装置61は、第1本装置11に比し、後述するように受け面65が異なるのみであり、それ以外は第1本装置11と同様の構成を有している。このため第2本装置61において第1本装置11と同様の要素については、第1本装置11において付したのと同じ参照番号を付し、第1本装置11の説明と重複する説明は省略する(必要に応じ第1本装置11の説明を参照されたい)。
一方側部分65b1と他方側部分65b2とによって形成される斜面65bは、全体として長方形状(平面)をなしており、噴射線16と所定角度(図6中、角度d。ここではd=約70度。水平面に対しては約20度。)をなしている。そして、底面65cは、斜面65bの4辺のうち最下流側に存する1辺(一方側部分65b1の略水平な辺)を1辺とする略長方形状をした噴射線16と略垂直な略長方形をなしている。堰面65dは、噴射線16から底面65cよりも遠い位置に立ち上がった位置に形成されている。堰面65aは、斜面65bの4辺のうち最上流側に存する1辺(他方側部分65b2の略水平な辺)に隣接して立ち上がった位置に形成されている。
このように受け面65は、噴射線16を含むいずれかの平面である噴射平面(例えばF−F面)による受け面の断面(例えば、図6)において、噴射空間19から外部空間99に向けて受け面65の縁の一部を構成する吹出縁(ここでは堰面65dの外部空間99側の縁65df)の方向に近づくにつれて下流側(図6中、矢印G2方向側)に傾く斜面である一方側部分65b1(排出斜面)を有すると共に、一方側部分65b1の一部65b1a(ここでは堰面65dよりも上流側(図6中、矢印G1方向側)に位置する部分)がそれ(一部65b1a)よりも吹出縁65dfに近い受け面65のいずれの部分よりも上流側(図6中、矢印G1方向側)に存する。
また、噴射線16により分割される受け面65の他方側(図6中、噴射線16の左側)には噴射線16に近づくにつれて下流側(図6中、矢印G2方向側)に傾き、いずれの部分も一方側部分65b1(排出斜面)の最上流部分(ここでは噴射線16が通過している部分)よりも上流側(図6中、矢印G1方向側)に存する他方側部分65b2(誘導斜面)が形成されている。
また、第2部分21bは、F−F面に略平行(前面壁23にも略平行)な平板状の板状部21baと、板状部21baの両側(堰面65aと堰面65dから連続するよう)に噴射線16に平行方向に形成された凸条部21bbと、を有してなる。
これら第2部分21bと前面壁23との間に受け面65が形成されており(特に図5(a)参照)、受け面65の幅(F−F面に対して垂直方向の寸法)は、板状部21baと前面壁23との間に形成される部分(斜面65bと底面65c)はいずれの部分も同じ(幅k1とする)であり、凸条部21bbと前面壁23との間に形成される部分(堰面65aと堰面65d)はいずれの部分も同じ(幅k2とする。k2<k1。)である。
そして、第3部分21cの下方には、有底無蓋の皿形状をした貯水部17が着脱自在に取り付けられており、底面65cに集まった水分は貫通孔75を経由して貯水部17に流入し貯留される。なお、貯水部17に溜まった水は、貯水部17を取り外して廃棄するようにしても、また貯水部17に排水管(不図示)を接続し排水するようにしてもよい。
第2本装置61においては、前記噴射平面(図6が図示しているF−F面)による受け面65の断面(図6)において、噴射線16により分割される受け面65の一方側(図6においては噴射線16の右側)には排出斜面(一方側部分65b1)が形成されると共に、受け面65の他方側(図6においては噴射線16の左側)には噴射線16に近づくにつれて下流側(図6中、矢印G2方向側)に傾き、いずれの部分も排出斜面(一方側部分65b1)の最上流部分(噴射線16が通過する部分)よりも上流側(図6中、矢印G1方向側)に存する斜面である誘導斜面(他方側部分65b2)が形成されているものである。第2本装置61においては、受け面65の縁部の少なくとも一部に沿って上流側(図6中、矢印G1方向側)に向けて立ち上がるように前記噴射平面(F−F面)に略平行に形成された壁面(前面壁23の受け面65側の面)を有するものである。
そして、第2本装置61においては、噴射方向(矢印D方向)が下方向(ここでは鉛直下方向)に向いているものである。
また、第2本装置61においては、前記噴射平面(図6が図示しているF−F面)による受け面65の断面(図6)において、排出斜面(一方側部分65b1)の最下流部よりも吹出縁(縁65df)側に上流側(図6中、矢印G1方向側)に向けて立ち上がるように形成された堰部分(ここでは堰面65d)を受け面65が有し、排出斜面(一方側部分65b1)と堰部分(堰面65d)との間に集まった水を除去する水除去手段(ここでは貫通孔75)を有するものである。
図7は、第3実施形態の本発明の手乾燥装置(以下、「第3本装置」という。)を構成するための本体101を示す断面図(前述の図3及び図6と同様の断面を示している。)である。図7を参照して本体101について説明するが、本体101は第1本装置11に比し、後述するように第1本装置11の受け面15が下面115に変わった点が異なるのみであり、それ以外は第1本装置11と同様の構成を有している。このため本体101において第1本装置11と同様の要素については、第1本装置11において付したのと同じ参照番号を付し、第1本装置11の説明と重複する説明は省略する(必要に応じ第1本装置11の説明を参照されたい)。
本体101は、大まかには、本体部21と、本体部21に取り付けられたノズル13(空気の吹き出し方向を矢印Dにて示した。なお、ここでは矢印Dは鉛直下方向である。)と、本体101の周囲に存する空気を吸入し昇圧しノズル13に送風する本体部21に取り付けられたブロアー(図示せず)と、本体部21の下方に配置された貯水部17と、を備えてなる。
下面115は、噴射線16が通過する部分が頂上となり、該頂上から噴射線16の両側になだらかに降下する緩やかな山形状をなす中心部115bと、中心部115bの両側に立ち上がるように形成された堰面115a、115cと、を有してなる。中心部115b上に水分が存在すると、中心部115bの山形状によって水分は自然に中心部115bの両側(中心部115bが形成する山形状のふもと方向)に移動する。
なお、図7には図示していないが、中心部115bの堰面115a、115c近く(中心部115bが形成する山形状のふもとの位置)には、第1本装置11と同様、噴射線16に略平行に貫通孔25a、25b(図7には不図示。図1及び図2を参照されたい。)が穿設されており、そこに集められた水は貫通孔25a、25b(図7には不図示)を経由して貯水部17に流入し貯留される。
なお、斜面部材305は、上面307に落下した水分を中心部115bの貫通孔25a、25b(図7及び図8(a)には不図示)に導くため、貫通孔25a、25b(図7及び図8(a)には不図示)に対応する位置に通水穴305hが穿設されているが、これに限定されるものではなく、斜面部材305を、ところどころに穴が穿設されたパンチングメタル(板部材)によって構成したり、スノコ状に細長い穴であるスリットがところどころに形成された板部材によって構成するようにしてもよい。
このように第3本装置301は、排出斜面(ここでは第1本装置11における斜面15a1及び斜面15b1に相当する上面307の部分)を表面(上面307)が形成する斜面部材305が本体101に着脱自在に取り付けられるものである。なお、第3本装置301における効果については、第1本装置11の説明を参照されたい。
図8(b)は、斜面部材405が本体101(第3本装置301に用いた図7に示されたものと同じ)に配設されることで構成された第4実施形態の本発明の手乾燥装置(以下、「第4本装置」という。)401を示す断面図(断面位置は図7と同様である)である。斜面部材405の上面407は、第2本装置61における堰面65aと斜面65bと底面65cとの部分を合わせたのと同様の形状及び寸法を有しており、斜面部材405は中心部115b及び堰面115aに載置されている。
斜面部材405は、上面407に落下した水分を中心部115bの貫通孔25a(図7及び図8(b)には不図示)に導くため、貫通孔25a(図7及び図8(b)には不図示)に対応する位置に通水穴405hが穿設されているが、これに限定されるものではなく、斜面部材405を、ところどころに穴が穿設されたパンチングメタル(板部材)によって構成したり、スノコ状に細長い穴であるスリットがところどころに形成された板部材によって構成するようにしてもよい。
このように第4本装置401は、排出斜面(ここでは第2本装置61における一方側部分65b1に相当する上面407の部分)を表面(上面407)が形成する斜面部材405が本体101に着脱自在に取り付けられるものである。なお、第4本装置401における効果については、第2本装置61の説明を参照されたい。
(b)手に付着した水を送風によって吹き飛ばして除去し乾燥させる効果は、本体101、第1本装置11、第2本装置61、第3本装置301及び第4本装置401のいずれもほぼ同じ程度であったが(同一送風量)、(a)送風が顔に当たり不快になることを防止又は減少させる効果は、本体101は強風が顔に当たって不快感を感じたが、第1本装置11、第2本装置61、第3本装置301及び第4本装置401のいずれも、本体101の場合より顔に当たる風は明らかに弱いものであり、第1本装置11、第2本装置61、第3本装置301及び第4本装置401は(a)送風が顔に当たり不快になることを防止又は減少させることと、(b)手に付着した水分を送風によって十分に吹き飛ばして除去すること、とをうまく両立できることを確認した。
なお、第1本装置11と同様、第2本装置61においても、受け面65の一部(斜面65b)を板状部21ba側が低く(下流方向(矢印G2方向))なるように傾斜をつけることで、点Z1近傍に吹き付ける風が前面壁23側から吹き出すことが効果的に防止できる(好適な角度Yの範囲は上述に同じ)。
また、このように角度Yによって傾斜がつけられた受け面15や受け面65を斜面部材を用いて構成して良いことは言うまでもない。
以上のように、噴射線16を含み噴射平面Pに垂直な平面による断面において、噴射線16と受け面とが交わる点における受け面の法線Vと噴射線16とがなす角度Yが1〜20度であれば、角度Yが0である場合(Y=0度)の法線(噴射線16に略一致)の両側のうち、該断面において受け面から上流方向(矢印G1方向)に伸びる法線Vが存在する側(図9では、角度Yが0である場合(Y=0度)の法線(噴射線16に略一致)の右側)とは反対の側(図9では、角度Yが0である場合(Y=0度)の法線(噴射線16に略一致)の左側)への風の吹出を減少させる。これにより該反対の側(図9では、角度Yが0である場合(Y=0度)の法線(噴射線16に略一致)の左側)に装置の使用者の顔が位置するようにすれば、顔に風が吹き付けることを効果的に防止できる。
13 ノズル
13n 先端開口
15 受け面
15a 一方側面
15af 吹出縁
15a1 斜面
15a1a 一部
15a2 底面
15a3 堰面
15b 他方側面
15bf 吹出縁
15b1 斜面
15b1a 一部
15b2 底面 15b3 堰面
15c 尾根線
16 噴射線
16a 端点
17 貯水部
19 噴射空間
21 本体部
21a 第1部分
21b 第2部分
21ba 板状部
21bb 凸条部
21c 第3部分
23 前面壁
25a、25b 貫通孔
61 第2本装置
65 受け面
65a 堰面
65b 斜面
65b1 一方側部分
65b1a 一部
65b2 他方側部分
65c 底面
65d 堰面
65df 吹出縁
75 貫通孔
99 外部空間
101 本体
115 下面
115a、115c 堰面
115b 中心部
301 第3本装置
305 斜面部材
305h 通水穴
307 上面
401 第4本装置
405 斜面部材
405h 通水穴
407 上面
Claims (2)
- 噴射方向が下向きのものである、気体を噴射する噴射口と、噴射口からの気体が衝突する受け面とを有し、
受け面は手乾燥装置正面の使用者側から見て、左右の縁部に設けてある堰と、使用者側の前面壁と、本体部の板状部からなる壁面で囲われており、
噴射口と受け面との間に手が挿入可能な空間である挿入空間を備えてなり、
手乾燥装置正面の使用者側から見て、受け面には、噴射口からの気体の噴射方向にのびる噴射線を含む面が、使用者側の前面壁から本体部の板状部にわたって受け面と交わる線を中心にした左右方向又は左もしくは右方向に、縁部に近づくにつれて下流側に傾く斜面である、排出斜面を有しており、
排出斜面と堰部分との間に集まった水を貫通穴から下部の貯水部へ排出除去する、水除去手段を有する手乾燥装置において、
噴射口からの気体の噴射方向にのびる噴射線を含む面が、使用者側の前面壁から本体部の板状部にわたって受け面と交わる線及びその線から下流側に傾く排出斜面の一部が、堰の高さより、高い位置に存するものである手に付着の水を吹き飛ばし除去する手乾燥装置。 - 受け面の一部を、板状部側が低くなるように傾斜をつけていることを特徴とする請求項1記載の手に付着の水を吹き飛ばし除去する手乾燥装置。
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