JP5581935B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
前記2つの吸気ポートそれぞれに設けられ、前記強吸気流領域に向かう方向(以下、強吸気流方向という。)と前記弱吸気流領域に向かう方向(以下、弱吸気流方向という。)とに燃料を吹き分けて噴射可能なインジェクタと、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも多くする吹き分け制御手段と、を備えることを特徴とする。
前記吹き分け制御手段は、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも多くし、
前記運転状態が低負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも少なくすること、を特徴とする。
前記強吸気流領域は、前記2つの吸気ポートからシリンダ内に流入する吸気により、シリンダ中心部を縦に旋回するタンブル流が形成される領域であり、
前記強吸気流方向は、前記タンブル流が形成されるシリンダ中心方向であり、
前記弱吸気流方向は、前記タンブル流が形成される領域の側方に位置するシリンダ壁方向であること、を特徴とする。
前記吹き分け制御手段は、
前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比と負荷との関係を予め記憶する関係記憶手段と、
前記関係から、負荷に応じた前記噴射量比を算出する噴射量比算出手段と、
前記噴射量比算出手段により算出された噴射量比に基づいて、前記インジェクタによる前記強吸気流方向と前記弱吸気流方向とへの吹き分け量を設定する吹き分け量設定手段と、を備えることを特徴とする。
前記関係記憶手段は、運転モードに対応する複数の前記関係を予め記憶し、
前記吹き分け制御手段は、前記関係記憶手段に記憶された複数の前記関係から、燃焼モードに対応する前記関係を取得する関係取得手段を更に備え、
前記噴射量比算出手段は、前記関係取得手段により取得された前記関係から、負荷に応じた前記噴射量比を算出すること、を特徴とする。
前記関係記憶手段は、運転モードがストイキである場合に対応して、高負荷であるほど前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比を大きく、低負荷であるほど前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比を小さく定めた関係を予め記憶すること、を特徴とする。
前記吹き分け制御手段は、
吸気バルブの開き始めから閉じ終わりまでの開弁期間よりも噴射時間が短い場合に、前記開弁期間のうち前記吸気バルブの開閉時近傍を優先して噴射時期に設定する噴射時期設定手段を更に備えること、を特徴とする。
前記第1及び第2吸気ポートそれぞれに対応して設けられ、シリンダ内に流入する吸気の流れ方向と、前記吸気の流れの側方に位置するシリンダ壁方向とに燃料を吹き分けて噴射可能な第1及び第2インジェクタと、
前記スワール流が形成される場合に、前記第1インジェクタによる前記第1吸気ポートからシリンダ内に流入する吸気の流れ方向への噴射量を、前記第2インジェクタによる前記第2吸気ポートからシリンダ内に流入する吸気の流れ方向への噴射量よりも少なくする吹き分け制御手段と、を備えることを特徴とする。
前記2つの吸気ポートそれぞれに設けられ、前記シリンダ上方の隙間と、前記吸気バルブの開弁時に傘部とシリンダ下方との間に生じる隙間(以下、シリンダ下方の隙間という。)とに燃料を吹き分けて噴射可能なインジェクタと、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記シリンダ下方の隙間への噴射量を、前記シリンダ上方の隙間への噴射量よりも多くする吹き分け制御手段と、を備えることを特徴とする。
前記吹き分け制御手段は、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記シリンダ下方の隙間への噴射量を、前記シリンダ上方の隙間への噴射量よりも多くし、
前記運転状態が低負荷である場合に、前記インジェクタによる前記シリンダ下方の隙間への噴射量を、前記シリンダ上方の隙間への噴射量よりも少なくすることを特徴とする。
[実施の形態1のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための概略構成図である。図1に示すシステムは内燃機関10を備えている。ここでは、内燃機関10は、4サイクルエンジンであるものとする。図1には、内燃機関10の縦断面が表されている。
次に、本実施形態のシステムにおける特徴的構成について説明する。本実施形態のシステムにおける特徴的構成は、主にインジェクタ30とその制御にある。そこで、まず、本システムのインジェクタ30の比較対象として、一般的なインジェクタを用いたシステム構成とその課題について図19〜図21を用いて説明する。
図19は、一般的なインジェクタ60が噴射する燃料噴霧を表す図である。図19(B)は、インジェクタ60を、図19(A)の矢印b方向から見た図である。インジェクタ60の噴孔は、矢印b方向から見て、放射状に燃料噴霧を生じさせるように設けられている。そのため、燃料噴霧は円錐状に形成される(図19(A)、図19(B))。
そこで、本実施形態のシステムにおいては、シリンダ14内に流入する吸気の流れが強い場合であっても、シリンダ14の内壁への燃料付着を抑制することができるように、インジェクタ30の噴射方向とその噴射制御とを、次のように構成することとした。
図6は、上述の動作を実現するために、ECU50が実行する吹き分け制御ルーチンのフローチャートである。図6に示すルーチンでは、まず、ステップS100において、ECU50は、運転状態が高負荷であるか否かを判定する。具体的には、ECU50は、負荷が所定の閾値以上であるか否かを判定する。負荷は、吸入空気量やエンジン回転数NE等から推定することができる。
[実施の形態2のシステム構成]
次に、図7〜図9を参照して本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態のシステムは、図1及び図2に示す構成において、ECU50に後述する図9のルーチンを実施させることで実現することができる。
上述した実施の形態1では、運転状態が高負荷であるか低負荷であるかに基づいて、インジェクタ30によるシリンダ14の中心方向と側壁方向とへの吹き分け量を制御している。このとき、負荷の程度によってより詳細に吹き分け量を決定することができれば、より適切にオイル付着等を防止しつつ、均質性を確保することができる。
図9は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行する吹き分け制御ルーチンのフローチャートである。図9に示すルーチンでは、まず、ステップS200において、ECU50は、運転モードに応じた関係マップを選択する。具体的には、ECU50には、図8に示すように、シリンダ14の中心方向への噴霧Bに対するシリンダ14の側壁方向への噴霧Aの噴射量比と負荷との関係を、運転モード(ストイキ、エアリーン、EGRリーン等)毎に定めた複数の関係マップが記憶されている。例えば、ストイキ運転モードに対応する関係は、高負荷であるほど噴射量比が大きく、低負荷であるほど噴射量比が小さく定められている(図7)。
[実施の形態3のシステム構成]
次に、図10〜図13を参照して本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態のシステムは図1及び図2に示す構成において、ECU50に後述する図13のルーチンを実施させることで実現することができる。
上述した実施の形態2では、インジェクタ30によるシリンダ14の中心方向への燃料の吹き分け量を負荷に応じて設定している。このとき、インジェクタ30は、開弁した吸気バルブ24の隙間を狙ってシリンダ14の中心方向に噴射している。
図13は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。図13に示すルーチンでは、まず、ステップS300において、ECU50は、インジェクタ30による噴射時間が、吸気バルブ24の開弁期間よりも短いか否かを判定する。例えば、低回転条件時において、噴射時間が吸気バルブ24の開弁期間よりも短くなる。なお、噴射時間は、ストイキ運転において負荷等から算出することができる。吸気バルブ24の開弁期間は、エンジン回転数NE等から算出することができる。
[実施の形態4のシステム構成]
次に、図14〜図15を参照して本発明の実施の形態4について説明する。本実施形態のシステムは図1及び図14に示す構成において、ECU50に後述する図15のルーチンを実施させることで実現することができる。
上述したシステム構成において、ECU50は、スワール流の発生要求に応じて気流制御弁54を制御する。この制御により、吸気ポート22aからは強い吸気の流れ80aが、吸気ポート22bからは吸気の流れ80aよりも弱い吸気の流れ80bがシリンダ14内に流入する。この吸気の流れ80a、80bの流量の差によって、スワール流82が形成される(図14)。
図15は、上述の機能を実現するために、ECU50が実行する制御ルーチンのフローチャートである。図15に示すルーチンでは、まず、ステップS400において、ECU50は、スワール流の発生要求があるか否かを判定する。ECU50には、スワール流を発生させる運転条件が予め記憶されている。当該運転条件を満たす場合には、他のルーチンにおいてスワール流の発生要求がなされる。スワール流の発生要求がないと判定される場合には、その後、本ルーチンの処理は終了される。
[実施の形態5のシステム構成]
次に、図16〜図18を参照して本発明の実施の形態5について説明する。本実施形態のシステムは図2及び図16に示す構成において、ECU50に後述する図18のルーチンを実施させることで実現することができる。
そこで、本実施形態のシステムにおいては、シリンダ14内に流入する吸気の流れが強い場合であっても、シリンダ14の内壁への燃料付着を抑制するため、燃料の吹き分け量を次のように制御することとした。
図18は、上述の動作を実現するために、ECU50が実行する吹き分け制御ルーチンのフローチャートである。図18に示すルーチンでは、まず、ステップS500において、ECU50は、運転状態が高負荷域であるか否かを判定する。具体的には、ECU50は、負荷が所定の閾値以上であるか否かを判定する。負荷は、吸入空気量やエンジン回転数NEから推定することができる。
14 シリンダ
20 燃焼室
22a、22b 吸気ポート
24a、24b 吸気バルブ
30a、30b インジェクタ
50 ECU
54 気流制御弁
70 タンブル流
82 スワール流
Claims (5)
- シリンダ内に接続する少なくとも2つの吸気ポートを有し、前記2つの吸気ポートから流入する吸気により、シリンダ内に強吸気流領域と、前記強吸気流領域よりも吸気流の弱い弱吸気流領域とが形成される内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
前記2つの吸気ポートそれぞれに設けられ、前記強吸気流領域に向かう方向(以下、強吸気流方向という。)と前記弱吸気流領域に向かう方向(以下、弱吸気流方向という。)とに燃料を吹き分けて噴射可能なインジェクタと、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも多くする吹き分け制御手段と、を備え、
前記吹き分け制御手段は、
前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比と負荷との関係を予め記憶する関係記憶手段と、
前記関係から、負荷に応じた前記噴射量比を算出する噴射量比算出手段と、
前記噴射量比算出手段により算出された噴射量比に基づいて、前記インジェクタによる前記強吸気流方向と前記弱吸気流方向とへの吹き分け量を設定する吹き分け量設定手段と、を備え、
前記関係記憶手段は、運転モードに対応する複数の前記関係を予め記憶し、
前記吹き分け制御手段は、前記関係記憶手段に記憶された複数の前記関係から、運転モードに対応する前記関係を取得する関係取得手段を更に備え、
前記噴射量比算出手段は、前記関係取得手段により取得された前記関係から、負荷に応じた前記噴射量比を算出すること、
を特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記吹き分け制御手段は、
運転状態が高負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも多くし、
前記運転状態が低負荷である場合に、前記インジェクタによる前記弱吸気流方向への噴射量を、前記強吸気流方向への噴射量よりも少なくすること、
を特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記強吸気流領域は、前記2つの吸気ポートからシリンダ内に流入する吸気により、シリンダ中心部を縦に旋回するタンブル流が形成される領域であり、
前記強吸気流方向は、前記タンブル流が形成されるシリンダ中心方向であり、
前記弱吸気流方向は、前記タンブル流が形成される領域の側方に位置するシリンダ壁方向であること、
を特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記関係記憶手段は、運転モードがストイキである場合に対応して、高負荷であるほど前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比を大きく、低負荷であるほど前記強吸気流方向に対する前記弱吸気流方向の噴射量比を小さく定めた関係を予め記憶すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記吹き分け制御手段は、
吸気バルブの開き始めから閉じ終わりまでの開弁期間よりも噴射時間が短い場合に、前記開弁期間のうち前記吸気バルブの開閉時近傍を優先して噴射時期に設定する噴射時期設定手段を更に備えること、
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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