JP5987734B2 - 圧縮着火エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、気筒内の燃焼室に直接燃料を噴射する圧縮着火エンジンに関する。
従来、ディーゼルエンジンにおいては、高負荷運転領域での燃料噴射量の増大により、圧縮着火時に燃焼室内での熱発生率(dQ/dθ)が急峻となり、燃焼圧が高くなることから燃焼騒音が増大することを防止するために、例えば特許文献1のように高負荷運転領域でピストンの圧縮上死点近傍で燃焼室の中央に配置した燃料噴射弁からキャビティ内に燃料を噴射する主噴射を「第1の主噴射」と「第2の主噴射」に分けて分割噴射とするディーゼルエンジンが知られている。
特開2012−012971号公報
しかしながら、上記の分割噴射は、燃焼騒音を低減できるものの、燃焼期間が長くなり、膨張行程のピストンが下方に下がっている際も熱発生が起き、機関効率が悪化してしまう。
一方で、燃焼期間を短くするために「第1の主噴射」と「第2の主噴射」とを行う間隔を短くすると、「第1の主噴射」と「第2の主噴射」が燃焼室内の同一方向に近接して噴射されるために燃焼自体が連続し、分割噴射の効果が十分に得られなくなり燃焼騒音が問題となる。
また、噴射タイミングを進角させて、機関効率の悪化を防止しようとすると、圧縮行程中の燃焼室内の圧力が上昇している最中に燃料が噴射され着火により、さらに、燃焼室内の圧力が上昇してしまうため、燃焼室内の最大圧力が大きくなり燃焼騒音が問題となる。
よって、従来の分割噴射では、燃焼騒音と機関効率のいずれか一方を犠牲にしながらエンジンの運転状態に合わせた噴射制御を行っていた。
本発明は、斯かる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒内にインジェクタを備えた圧縮着火エンジンにおいて、高負荷運転領域における燃焼騒音の低減と、機関効率の向上とを両立することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、上記シリンダ及びピストンとともに燃焼室を規定するシリンダヘッドと、該シリンダヘッドの上記シリンダの中心線よりも外周側に配置された複数の燃料噴射弁を有し、上記燃料噴射弁を制御するコントローラを有する圧縮着火エンジンであって、
上記燃料噴射弁はそれぞれ、燃料噴霧を該燃料噴射弁の中心軸よりも上記シリンダの中心に指向する噴孔を複数有しており、
上記コントローラは、上記圧縮着火エンジンの負荷が予め設定された所定の負荷よりも高いときには、上記複数の燃料噴射弁のうち少なくとも2つの燃料噴射弁から噴霧が互いに衝突しないようにオフセットして燃料を噴射し、
上記少なくとも2つの燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射開始時期が、それぞれ、異なる時期に噴射するよう制御し、
上記複数の燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射期間がオーバーラップし、かつ、上記圧縮着火エンジンの回転数が高くなるにつれて、最初に燃料を噴射する燃料噴射弁の噴射開始時期を遅らせて上記オーバーラップ量を大きくするように、上記複数の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする圧縮着火エンジンである。
本発明によれば、上記高負荷運転領域において、複数の燃料噴射弁から噴射する噴霧が互いに衝突しないようにオフセットさせ、噴射期間をオーバーラップさせることにより、燃焼騒音と機関効率を両立した噴射制御を行うことができる。
すなわち、1つの燃料噴射弁を駆動制御して主噴射を「第1の主噴射」と「第2の主噴射」に分割噴射とすると、燃焼騒音を低減するためには、分割噴射の間隔を短くすることに限界があったが、本件により燃焼騒音の低減と、機関効率の向上を両立することができる。
また、この構成によれば、エンジンの回転数が高くなるにつれてオーバーラップ量を長くすることで、回転数が高くなっても燃焼騒音と機関効率を両立することができる。
請求項に記載の発明は、好ましくは、上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から複数回の分割噴射をするように制御することを特徴とする圧縮着火エンジンである。
この構成によれば、各インジェクタからの燃料噴射を分割噴射とすることで、より燃焼騒音を低減することができる。
請求項に記載の発明は、好ましくは、上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から噴射された燃料のオーバーラップ期間が圧縮上死点以降となるように制御することを特徴とする圧縮着火エンジンである。
この構成によれば、燃料噴射のオーバーラップ期間が圧縮上死点以降として、燃焼室内に噴射される燃料量が多くなる期間を膨張行程の燃焼室内の圧力が低下する期間に設定することで、燃焼室内の最大圧力を小さくして燃焼騒音を低減することができる。
請求項に記載の発明は、好ましくは、燃焼室内に2つの燃料噴射弁が対向して備えられ、上記コントローラは上記2つの燃料噴射弁から噴射された噴霧が吸気のスワール流と同方向に噴射するように制御することを特徴とする圧縮着火エンジンである。
この構成によれば、燃料噴射弁から噴射される燃料を衝突させることなく、スワール流と同方向に噴射することで筒内の燃料と空気の混合を良好にし、燃焼効率を向上させながら燃焼騒音を低減するための適切な混合気を形成することができる。
以上説明したように、本発明の圧縮着火エンジンによると、燃焼室内に複数の燃料噴射弁を備えた圧縮着火エンジンにおいて、高負荷領域での燃焼騒音の低減と機関効率の向上を両立することができる。
本発明の一実施形態にかかるディーゼルエンジンの全体構成図を示す図である。 上記ディーゼルエンジンのエンジン本体の構造を示す断面図である。 上記ディーゼルエンジンの燃料噴射弁(第1燃料噴射弁および第2燃料噴射弁)の構造を示す断面図である。 上記燃料噴射弁の先端部の側面図である。 上記第1燃料噴射弁と上記第2燃料噴射弁の位置関係と、噴射方向を示す平面図である。 図5に対応する側面図である。 本発明のフローチャートを示す図である。 本発明の運転領域を示す図 従来の1つの燃料噴射弁を備えたディーゼルエンジンの分割噴射の噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を示すタイムチャート図である。 本発明の低回転時での噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を示すタイムチャート図である。 図10に対して回転数が上昇した際の噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を示すタイムチャート図である。 本発明の高回転高負荷領域での噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を示すタイムチャート図である。 他の実施例での噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を示すタイムチャート図である。
(1)エンジンの全体構成
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2は、本実施形態に適用されたディーゼルエンジンの全体構成図を示すものである。図1に示されるディーゼルエンジンは、車両に搭載される4サイクルの4気筒ディーゼルエンジンである。このディーゼルエンジンについては、4つの気筒2が直列に並ぶ直列4気筒型のエンジン本体1と、各気筒に吸気を導入するための吸気通路20と、各気筒内の燃焼により生成された排気ガスを排出するための排気通路25とを備えている。
吸気通路20には、各気筒2の吸気ポート6に吸気を分配するための独立吸気通路21を備えており、独立吸気通路21の内部には各気筒内のスワール流を制御するスワールコントロールバルブ(SCV)19を備えている。
そして、各独立吸気通路21の上流部には共通に接続されたサージタンク22を備え、サージタンク22の上流部にはサージタンク22に吸気を導入する1本の吸気管23を備えている。
排気通路25には、各気筒2の排気ポート7より排気ガスを排出するための独立排気通路26を備え、各独立排気通路26の下流部が1つに集合した集合部27と、集合部27から下流側に延びる1本の排気管28を備えている。
各気筒2には、燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁が備えられており、
各気筒2に対して第1燃料噴射弁4Aと第2燃料噴射弁4Bの2つの燃料噴射弁をそれぞれ備えている。
各気筒2の第1燃料噴射弁4Aは、気筒の列方向に延びる共通の第1コモンレール30に接続されている。第1コモンレール30には燃料タンク35に貯蔵された燃料を第1高圧燃料ポンプ32により高圧にされた燃料が供給される。第1コモンレール30に供給された高圧の燃料は第1燃料噴射弁4Aから噴射される。
第2燃料噴射弁4Bも同様に、気筒の列方向に延びる共通の第2コモンレール31に接続されている。第2コモンレール31には燃料タンク35に貯蔵された燃料を第2高圧燃料ポンプ33により高圧にされた燃料が供給される。第2コモンレール31に供給された高圧の燃料は第2燃料噴射弁4Bから噴射される。
エンジン本体1の各気筒2の構成については図2に示すように、シリンダヘッド12と、シリンダヘッド12の下方に各気筒2を形成するシリンダブロック11を備え、各気筒2の内部には往復摺動可能に挿入されたピストン13を備えている。そして、ピストン13の上方に燃焼室3が区画形成され、ピストン13の往復動によって燃焼室3の容積が変化する。
また、エンジン1のシリンダヘッド12には、気筒2毎に吸気ポート6及び排気ポート7が形成されて、それぞれ燃焼室3の天井部に開口している。吸気ポート6及び排気ポート7の開口端には個々に吸気弁8及び排気弁9が備えられており、図示は省略するが、カムシャフト等の動弁機構によって駆動され、吸気ポート6及び排気ポート7をそれぞれ所定のタイミングで開閉するようになっている。
また、ECU100によるエンジン1の基本的な制御については、図示は省略するがエンジン1に備えられた各種センサ等(アクセル開度センサ、クランク角センサ、大気圧センサ、エンジン水温センサ)の検出値に基づいて、第1、第2燃料ポンプ32、33や第1、第2燃料噴射弁4A、4Bの制御を実施する。詳細な制御手段については図7に示すフローチャートを用いて後述する。
また、燃焼室3では第1、第2燃料噴射弁4A、4Bから噴射される燃料が空気と混合されて、燃焼室3内で燃料が自己着火することにより燃焼し、燃焼による熱エネルギにより燃焼室3を膨張させ、ピストン13を往復運動させる。そして、ピストン13の往復運動が、コネクティングロッド16を介して出力軸であるクランク軸5の回転運動に変換される。当実施形態のディーゼルエンジンでは4サイクル式であるため、クランク軸5の回転に伴い、各気筒2では、吸気、圧縮、膨張、排気の4工程がこの順に繰り返し実行される。
(2)燃料噴射弁の構成
図3は本実施形態に適用される燃料噴射弁の先端部の構造を示す断面図であり、図4は燃料噴射弁を側方から見た側面図である。
燃料噴射弁の構成については図3の断面図に示すように、筒状のバルブボディ41と、バルブボディ41内の中央には軸方向に移動可能なニードル弁43を備えており、バルブボディ41とニードル弁43にとによって燃料が流通可能な燃料流路42が形成されている。バルブボディ41の先端部には、内部の燃料流路42と連通する複数の噴孔44a〜44fが形成されている。エンジンの運転中においては、ニードル弁43が図示しないソレノイドによって上下に移動可能に駆動される。そして、ニードル弁43の駆動に伴って噴孔44a〜44fが開弁または閉弁される。
つまり、ニードル弁43の端部がバルブボディ41の端部と接触するまで下方に移動させた際には、燃料流路42が遮断され、燃料が噴孔44a〜44fから噴射されないようになる。また、ニードル弁が上方に移動させた際には燃料流路42が解放され、燃料が噴孔44a〜44fへ導かれ、燃料が噴射される。そして、噴孔44a〜44fの解放時間を制御することにより燃料噴射量を調整する。
次に、図5および図6に示す平面図および側面図により、各気筒2における第1燃料噴射弁4Aおよび第2燃料噴射弁4Bの位置関係について説明する。図5は、ある気筒2の第1、第2燃料噴射弁4A、4Bを燃焼室3の天井側から見た平面図であり、図6は当該気筒2のピストン13が圧縮上死点まで上昇したときの燃焼室3の側面図である。
なお、図5では、ピストン13の冠面に設けられたキャビティ部13aの周縁、つまり、キャビティ部13aとその周囲のスキッシュ部13bとの境界線を2点鎖線で表しており、図6では、このキャビティ部13aの周縁の半径をRcとして表記している。
図5および図6に示すように、第1燃料噴射弁4Aの先端部は、燃焼室3の天井部(シリンダヘッド12の下壁)の一箇所であって、燃焼室3の中心Pから外周側でキャビティ部13aの半径Rcだけ吸気側にオフセットした位置に配置されている。
一方、第2燃料噴射弁4Bの先端部は、燃焼室3を天井側から見た平面視において、燃焼室3の中心Pを中心として第1噴射弁4Aを180°回転させた位置、つまり、第1燃料噴射弁4Aに対し燃焼室3の中心Pを挟んで点対称の排気側の位置に配置されている。つまり、第1噴射弁4Aと第2燃料噴射弁4Bは燃焼室4の中心Pを挟んで対向するような位置に設定せれている。
図5および図6において、第1燃料噴射弁4Aから延びる矢印a1〜a6と、第2燃料噴射弁4Bから延びる矢印b1〜b4は、燃料噴射弁4の各噴孔44a〜44fから噴射された燃料噴霧の中心線を表している。
具体的に、第1燃料噴射弁4Aについては、噴孔44aからの噴霧がa1、噴孔44bからの噴霧がa2、噴孔44cからの噴霧がa3、噴孔44dからの噴霧がa4、噴孔44eからの噴霧がa5、噴孔44fからの噴霧がa6である。ただし、図5の平面図では、周方向位置が同じ噴孔からの噴霧が重なり合って見えるので、a1,a2の組と、a3,a4の組と、a5,a6の組とをそれぞれ重ねて示している。また、図6の側面図では、上下位置が同じ噴孔からの噴霧が重なり合って見えるので、a1,a3,a5の組と、a2,a4,a6の組とをそれぞれ重ねて示している。また、第2燃料噴射弁4Bについても同様に示している。
図5において、第1燃料噴射弁4Aおよび第燃料2噴射弁4Bの各中心を通る線を設定し、これを対称軸SLとする。また、この対称軸SLによって燃焼室3の平面領域を二分した場合の一側を第1領域D1、他側を第2領域D2とした際に、第1燃料噴射弁4Aは、その先端部の6つの噴孔44a〜44fからシリンダ内周側の第1領域D1に向けて放射状に燃料を噴射し、第2燃料噴射弁4Bは、その先端部の6つの噴孔44a〜44fからシリンダ内周側の第2領域D2に向けて燃料を噴射する。これにより、第1燃料噴射弁4Aから噴射される燃料の噴霧a1〜a6と、第2燃料噴射弁4Bから噴射される燃料の噴霧b1〜b6とが、互いにオフセットした方向に延び、途中で交差することがないように設定されている。
また、第1燃料噴射弁4Aから噴射される6つの噴霧a1〜a6のうち、対称軸SLに最も近い噴霧は、噴孔44a,44bからの噴霧a1,a2である。この噴霧a1,a2の中心線と対称軸SLとのなす角度(噴霧角)をr1とすると、当該噴霧角r1は、7°以上15°以下に設定されている。
また、第1燃料噴射弁4Aから噴射される6つの噴霧a1〜a6のうち、対称軸SLに2番目に近い噴霧は、噴孔44c,44dからの噴霧a3,a4である。さらに、対称軸SLから最も遠い噴霧は、噴孔44e,44fからの噴霧a5,a6である。これら各噴霧の平均の角度、つまり、噴霧a3,a4の中心線と対称軸SLとのなす角度と、噴霧a5,a6の中心線と対称軸SLとのなす角度とを平均した角度を平均噴霧角r2とすると、当該平均噴霧角r2は、45±10°に設定されている。第2燃料噴射弁4Bについても同様である。
また、図5に示すように、第1燃料噴射弁4Aからの噴霧a1〜a6の飛翔方向、および第2噴射弁4Bからの噴霧b1〜b6の飛翔方向は、それぞれ、燃焼室3に形成されるスワール流S1の流れに沿うように設定されている。
そして、図4に示すように第1、第2燃料噴射弁4A,4Bがそれぞれ有する6つの噴孔44a〜44fは、対称軸SLから遠い噴霧に対応するものほど孔径が小さくなるように形成されている。すなわち、対称軸SLに最も近い噴霧a1,a2(またはb1,b2)に対応する噴孔44a,44bの孔径よりも、対称軸SLに2番目に近い噴霧a3,a4(またはb3,b4)に対応する噴孔44c,44dの孔径の方が小さい値に設定され、当該噴孔44c,44dの孔径よりも、対称軸SLに最も遠い噴霧a5,a6(またはb5,b6)に対応する噴孔44e,44fの孔径の方が小さい値に設定されている。
(3)燃料噴射弁の燃料噴射制御手段
次に、第1、第2燃料噴射弁4A, 4Bの燃料噴射制御手段について図7のフローチャートを参照して具体的に説明する。
まず、スタート後のステップS1では、各種センサ101〜104等からの信号をECU100に入力し、続くステップS2では、エンジン要求出力、エンジン回転速度を演算する。エンジン回転速度はクランク角センサ102からの信号に基づいて演算され、エンジン要求出力は、エンジン回転速度とアクセル開度とに基づいて、予めECU100に記憶されているマップ(図示省略)から読み込まれる。尚、そのマップには、アクセル開度が大きいほど、またエンジン回転速度が高いほど、そのエンジン要求出力が大きくなるように設定されている。
ステップS3では、前記ステップ2で求めたエンジン要求出力、エンジン回転速度から、エンジン1の運転状態が図8に示す高負荷側の第1運転領域であると判定するとステップS4へ進む。そして、ステップS4では、現在のエンジン回転速度に対して最適な燃焼形態を算出し、燃焼形態を実現するための第1燃料噴射弁4Aの噴射開始時期と、第1燃料噴射弁4Aの噴射後に第2燃料噴射弁4Bから燃料を噴射する噴射遅れ期間Δt(s)を算出する。
そして、ステップS5へ進み、第1燃料噴射弁4Aから燃料を噴射した後に、ステップS6で上記噴射遅れ期間Δt(s)後に第2燃料噴射弁4Bから燃料を噴射して、リターンする。
これにより、第1燃料噴射弁4Aから噴射する燃料の噴射開始時期を燃焼騒音が低減できるタイミングとしながら、且つ、第2燃料噴射弁4Bから噴射する燃料の噴射終わり時期を機関効率が悪化しないタイミングとすることができる。
よって、圧縮着火エンジンにおける燃焼騒音と機関効率を両立することができる。
また、ステップS3において現在の運転状態が低負荷側の第2運転領域と判定された場合は、ステップS7へ進み、ベース噴射を行う。ベース噴射については、説明は省略するが、本発明の構成である燃焼室内に複数の燃料噴射弁を備えた圧縮着火エンジンにおいて、本発明者らにより発明した特願2013−029550に示すように運転状態に応じて1つの燃料噴射弁から噴射しても良く、複数の燃料噴射弁から噴射しても良い。
図9は従来の燃焼室内に燃料噴射弁が1つ備えられて、分割噴射を行った時の噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を表すタイムチャートである。
高負荷領域において燃焼騒音を低減するために、1つの燃料噴射弁を開閉制御して、第1の主噴射と第2の主噴射とに分割噴射を行う。1つの燃料噴射弁を2回開閉制御するために、燃焼期間が比較的長くなり燃焼騒音を低減できるが、機関効率が悪化してしまう。
一方、図10、11、12は、本実施形態における第1、第2燃料噴射弁4A,4Bの噴射時期と熱発生率(dQ/dθ)を表すタイムチャート図である。
高負荷運転領域における低回転域では、図10に示すように第1燃料噴射弁4Aと第2燃料噴射弁4Bのオーバーラップ期間tovlを比較的短くして燃焼期間を長く確保できるようにする。
本実施形態では2つの燃料噴射弁を用いてオーバーラップ期間を備えているため、図10の熱発生率のタイムチャートに示すように、従来の燃料噴射弁が1つのものに対して燃焼期間を短くするとともに、熱発生率の最大値も抑えることで、燃焼騒音を低減しながら機関効率を向上させることができる。
そして、エンジン回転数が上昇するにつれて、図11に示すように上記オーバーラップ期間tovl長くして、燃焼期間を徐々に短くする。これにより、エンジン回転数が上昇して、クランク角に対する燃焼期間が相対的に長くなったとしても燃焼騒音と機関効率を両立したままエンジンの運転を行うことができる。
また、さらにエンジン回転数が上昇した高回転高負荷運転領域においては、図12に示すように第1燃料噴射弁と第2燃料噴射弁の噴射開始時期と噴射終了時期を同じタイミングにして、燃焼期間を短くしながら、噴射量を十分に確保して、高負荷領域での出力を確保することができる。
図13に示すタイムチャートは、本発明の他の実施例を示す。図13に示すように、第1燃料噴射弁と第2燃料噴射弁から噴射する噴霧は、それぞれ分割噴射されるようになっていても良い。
このように、各燃料噴射弁からの燃料噴射を分割噴射とすることで、より燃焼騒音を低減することができる。
また、本発明の実施形態ではディーゼルエンジンを例とした圧縮着火エンジンとしたが、ガソリンにより圧縮着火可能なエンジンであってもよい。
なお、その他、本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は圧縮着火エンジンに関する発明であり、特に、筒内に複数の燃料噴射弁を備えた圧縮着火エンジンで燃焼騒音と機関効率の両立をする場合に有用である。
2 気筒
3 燃焼室
4A 第1燃料噴射弁
4B 第2燃料噴射弁
19 スワールコントロールバルブ(SCV)
100 ECU
101 アクセル開度センサ
102 クランク角センサ
103 大気圧センサ
104 エンジン水温センサ

Claims (4)

  1. シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、上記シリンダ及びピストンとともに燃焼室を規定するシリンダヘッドと、該シリンダヘッドの上記シリンダの中心線よりも外周側に配置された複数の燃料噴射弁を有し、上記燃料噴射弁を制御するコントローラを有する圧縮着火エンジンであって、
    上記燃料噴射弁はそれぞれ、燃料噴霧を該燃料噴射弁の中心軸よりも上記シリンダの中心側に指向する噴孔を複数有しており、
    上記コントローラは、
    上記圧縮着火エンジンの負荷が予め設定された所定の負荷よりも高いときには、上記複数の燃料噴射弁のうち少なくとも2つの燃料噴射弁から、噴霧が互いに衝突しないようにオフセットして燃料を噴射し、
    上記少なくとも2つの燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射開始時期が、それぞれ、異なる時期に噴射するように制御し、
    上記複数の燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射期間がオーバーラップし、かつ、上記圧縮着火エンジンの回転数が高くなるにつれて、最初に燃料を噴射する燃料噴射弁の噴射開始時期を遅らせて上記オーバーラップ量を大きくするように、上記複数の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする圧縮着火エンジン。
  2. 請求項に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
    上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から複数回の分割噴射をするように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
    上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から噴射された燃料のオーバーラップ期間が圧縮上死点以降となるように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
    燃焼室内に2つの燃料噴射弁が対向して備えられ、上記コントローラは上記2つの燃料噴射弁から噴射された噴霧が吸気のスワール流と同方向に噴射するように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。
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