JP2014173493A - 圧縮着火エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒内に複数のインジェクタを備えた圧縮着火エンジンで、燃焼騒音が問題となる高負荷運転領域において、少なくとも2つの燃料噴射弁から噴射される噴霧の噴射方向が互いに衝突しないようにオフセットさせ、噴射期間をオーバーラップさせる。
【選択図】図7
Description
上記燃料噴射弁はそれぞれ、燃料噴霧を該燃料噴射弁の中心軸よりも上記シリンダの内周側に指向する噴孔を複数有しており、
上記コントローラは、上記圧縮着火エンジンの負荷が、高負荷である所定の運転領域のときには、上記複数の燃料噴射弁のうち少なくとも2つの燃料噴射弁から噴霧が互いに衝突しないようにオフセットして燃料を噴射し、
上記少なくとも2つの燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射開始時期が、それぞれ、異なる時期に噴射するよう制御し、
上記複数の燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射期間がオーバーラップするように、上記複数の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする圧縮着火エンジンである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2は、本実施形態に適用されたディーゼルエンジンの全体構成図を示すものである。図1に示されるディーゼルエンジンは、車両に搭載される4サイクルの4気筒ディーゼルエンジンである。このディーゼルエンジンについては、4つの気筒2が直列に並ぶ直列4気筒型のエンジン本体1と、各気筒に吸気を導入するための吸気通路20と、各気筒内の燃焼により生成された排気ガスを排出するための排気通路25とを備えている。
吸気通路20には、各気筒2の吸気ポート6に吸気を分配するための独立吸気通路21を備えており、独立吸気通路21の内部には各気筒内のスワール流を制御するスワールコントロールバルブ(SCV)19を備えている。
そして、各独立吸気通路21の上流部には共通に接続されたサージタンク22を備え、サージタンク22の上流部にはサージタンク22に吸気を導入する1本の吸気管23を備えている。
各気筒2には、燃焼室内に燃料を直接噴射するための燃料噴射弁が備えられており、
各気筒2に対して第1燃料噴射弁4Aと第2燃料噴射弁4Bの2つの燃料噴射弁をそれぞれ備えている。
第2燃料噴射弁4Bも同様に、気筒の列方向に延びる共通の第2コモンレール31に接続されている。第2コモンレール31には燃料タンク35に貯蔵された燃料を第2高圧燃料ポンプ33により高圧にされた燃料が供給される。第2コモンレール31に供給された高圧の燃料は第2燃料噴射弁4Bから噴射される。
また、エンジン1のシリンダヘッド12には、気筒2毎に吸気ポート6及び排気ポート7が形成されて、それぞれ燃焼室3の天井部に開口している。吸気ポート6及び排気ポート7の開口端には個々に吸気弁8及び排気弁9が備えられており、図示は省略するが、カムシャフト等の動弁機構によって駆動され、吸気ポート6及び排気ポート7をそれぞれ所定のタイミングで開閉するようになっている。
図3は本実施形態に適用される燃料噴射弁の先端部の構造を示す断面図であり、図4は燃料噴射弁を側方から見た側面図である。
燃料噴射弁の構成については図3の断面図に示すように、筒状のバルブボディ41と、バルブボディ41内の中央には軸方向に移動可能なニードル弁43を備えており、バルブボディ41とニードル弁43にとによって燃料が流通可能な燃料流路42が形成されている。バルブボディ41の先端部には、内部の燃料流路42と連通する複数の噴孔44a〜44fが形成されている。エンジンの運転中においては、ニードル弁43が図示しないソレノイドによって上下に移動可能に駆動される。そして、ニードル弁43の駆動に伴って噴孔44a〜44fが開弁または閉弁される。
つまり、ニードル弁43の端部がバルブボディ41の端部と接触するまで下方に移動させた際には、燃料流路42が遮断され、燃料が噴孔44a〜44fから噴射されないようになる。また、ニードル弁が上方に移動させた際には燃料流路42が解放され、燃料が噴孔44a〜44fへ導かれ、燃料が噴射される。そして、噴孔44a〜44fの解放時間を制御することにより燃料噴射量を調整する。
なお、図5では、ピストン13の冠面に設けられたキャビティ部13aの周縁、つまり、キャビティ部13aとその周囲のスキッシュ部13bとの境界線を2点鎖線で表しており、図6では、このキャビティ部13aの周縁の半径をRcとして表記している。
図5および図6に示すように、第1燃料噴射弁4Aの先端部は、燃焼室3の天井部(シリンダヘッド12の下壁)の一箇所であって、燃焼室3の中心Pから外周側でキャビティ部13aの半径Rcだけ吸気側にオフセットした位置に配置されている。
図5および図6において、第1燃料噴射弁4Aから延びる矢印a1〜a6と、第2燃料噴射弁4Bから延びる矢印b1〜b4は、燃料噴射弁4の各噴孔44a〜44fから噴射された燃料噴霧の中心線を表している。
具体的に、第1燃料噴射弁4Aについては、噴孔44aからの噴霧がa1、噴孔44bからの噴霧がa2、噴孔44cからの噴霧がa3、噴孔44dからの噴霧がa4、噴孔44eからの噴霧がa5、噴孔44fからの噴霧がa6である。ただし、図5の平面図では、周方向位置が同じ噴孔からの噴霧が重なり合って見えるので、a1,a2の組と、a3,a4の組と、a5,a6の組とをそれぞれ重ねて示している。また、図6の側面図では、上下位置が同じ噴孔からの噴霧が重なり合って見えるので、a1,a3,a5の組と、a2,a4,a6の組とをそれぞれ重ねて示している。また、第2燃料噴射弁4Bについても同様に示している。
また、第1燃料噴射弁4Aから噴射される6つの噴霧a1〜a6のうち、対称軸SLに2番目に近い噴霧は、噴孔44c,44dからの噴霧a3,a4である。さらに、対称軸SLから最も遠い噴霧は、噴孔44e,44fからの噴霧a5,a6である。これら各噴霧の平均の角度、つまり、噴霧a3,a4の中心線と対称軸SLとのなす角度と、噴霧a5,a6の中心線と対称軸SLとのなす角度とを平均した角度を平均噴霧角r2とすると、当該平均噴霧角r2は、45±10°に設定されている。第2燃料噴射弁4Bについても同様である。
そして、図4に示すように第1、第2燃料噴射弁4A,4Bがそれぞれ有する6つの噴孔44a〜44fは、対称軸SLから遠い噴霧に対応するものほど孔径が小さくなるように形成されている。すなわち、対称軸SLに最も近い噴霧a1,a2(またはb1,b2)に対応する噴孔44a,44bの孔径よりも、対称軸SLに2番目に近い噴霧a3,a4(またはb3,b4)に対応する噴孔44c,44dの孔径の方が小さい値に設定され、当該噴孔44c,44dの孔径よりも、対称軸SLに最も遠い噴霧a5,a6(またはb5,b6)に対応する噴孔44e,44fの孔径の方が小さい値に設定されている。
次に、第1、第2燃料噴射弁4A, 4Bの燃料噴射制御手段について図7のフローチャートを参照して具体的に説明する。
よって、圧縮着火エンジンにおける燃焼騒音と機関効率を両立することができる。
高負荷領域において燃焼騒音を低減するために、1つの燃料噴射弁を開閉制御して、第1の主噴射と第2の主噴射とに分割噴射を行う。1つの燃料噴射弁を2回開閉制御するために、燃焼期間が比較的長くなり燃焼騒音を低減できるが、機関効率が悪化してしまう。
高負荷運転領域における低回転域では、図10に示すように第1燃料噴射弁4Aと第2燃料噴射弁4Bのオーバーラップ期間tovlを比較的短くして燃焼期間を長く確保できるようにする。
このように、各燃料噴射弁からの燃料噴射を分割噴射とすることで、より燃焼騒音を低減することができる。
なお、その他、本発明を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
3 燃焼室
4A 第1燃料噴射弁
4B 第2燃料噴射弁
19 スワールコントロールバルブ(SCV)
100 ECU
101 アクセル開度センサ
102 クランク角センサ
103 大気圧センサ
104 エンジン水温センサ
Claims (5)
- シリンダと、該シリンダ内を往復動するピストンと、上記シリンダ及びピストンとともに燃焼室を規定するシリンダヘッドと、該シリンダヘッドの上記シリンダの中心線よりも外周側に配置された複数の燃料噴射弁を有し、上記燃料噴射弁を制御するコントローラを有する圧縮着火エンジンであって、
上記燃料噴射弁はそれぞれ、燃料噴霧を該燃料噴射弁の中心軸よりも上記シリンダの内周側に指向する噴孔を複数有しており、
上記コントローラは、
上記圧縮着火エンジンの負荷が、高負荷である所定の運転領域のときには、上記複数の燃料噴射弁のうち少なくとも2つの燃料噴射弁から、噴霧が互いに衝突しないようにオフセットして燃料を噴射し、
上記少なくとも2つの燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射開始時期が、それぞれ、異なる時期に噴射するように制御し、
上記複数の燃料噴射弁から噴射する燃料の噴射期間がオーバーラップするように、上記複数の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする圧縮着火エンジン。 - 請求項1に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
上記コントローラは、上記圧縮着火エンジンの回転数が高くなるにつれて、噴射開始時期を変更して上記オーバーラップ量を大きくすることを特徴とする圧縮着火エンジン。 - 請求項1又は2に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から複数回の分割噴射をするように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
上記コントローラは、上記複数の燃料噴射弁から噴射された燃料のオーバーラップ期間が圧縮上死点以降となるように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の圧縮着火エンジンにおいて、
燃焼室内に2つの燃料噴射弁が対向して備えられ、上記コントローラは上記2つの燃料噴射弁から噴射された噴霧が吸気のスワール流と同方向に噴射するように制御することを特徴とする圧縮着火エンジン。
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