JP4111122B2 - ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法 - Google Patents
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吸気ポートをスワールポートとすることによって気筒内にスワールを生成するものがある。スワールポートとしては、吸気ポートの吸気弁周辺を渦巻き状にしたヘリカルポート等が知られている。
れ該ボア壁面に付着する虞がある。また、吸気ポートの壁面に付着し該吸気ポート壁面を伝って気筒内に流入した液滴状の燃料も、吸気弁開弁時に発生する吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れ、および気筒内のスワールによる遠心力によって、ボア壁面方向に運ばれ該ボア壁面に付着する虞がある。特に、ポート内噴射弁が設けられた吸気ポートがヘリカルポートである場合、この吸気ポートから気筒内に流入する吸気は吸気弁の軸周りに旋回しつつ気筒内に流入するため、該吸気の一部はボア壁面方向へ流れ易い。そのため、液状の燃料がボア壁面に付着し易くなる。
即ち、本発明は、吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内に燃料を噴射するポート内噴射弁を備えたディーゼル機関の燃料噴射装置において、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの目標噴射位置を吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更するものである。
吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関の燃料噴射装置であって、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更することを特徴とする。
筒の中心側の位置とすると、ヘリカルポート内で発生した液滴状の燃料が気筒内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによって気筒の中心付近に運ばれる。
即ち、第二の発明に係るディーゼル機関の燃料噴射方法は、
吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関において、
前記吸気ポート内での吸気の回転速度を推定するステップと、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、推定された前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて決定するステップと、
を含むことを特徴とする。
内噴射弁から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関に適用されても良い。
図1は、本実施例に係るディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法を適用したディーゼル機関およびその吸排気系とその制御系の概略構成を示す図である。図1の(a)は、本実施例に係るディーゼル機関を横から見たときの概略構成図である。図1の(b)は、本実施例に係るディーゼル機関をシリンダヘッド上方から見たときの概略構成図である。
ためのECU20が併設されている。このECU20は、ディーゼル機関1の運転条件や運転者の要求に応じてディーゼル機関1の運転状態を制御するユニットである。ECU20は、クランクポジションセンサ21等の各種センサと電気的に接続されており、各種センサの出力信号がECU20に入力される。また、ECU20は、筒内噴射弁3およびポート内噴射弁4と電気的に接続されており、これらの燃料噴射弁3,4を制御することが可能になっている。本実施例では、ディーゼル機関1が低負荷運転状態にあるときは、吸気行程中にポート内噴射弁4から燃料が噴射されることによって気筒2内に予混合気が形成され予混合圧縮着火燃焼が行われる、一方、ディーゼル機関1が高負荷運転状態にあるときは、圧縮行程上死点近傍の時期に筒内噴射弁3から燃料が噴射されることによって拡散燃焼が行われる。
次に、ポート内噴射弁4から燃料を噴射するときの、吸気ポート5aの気筒2内への開口部における目標燃料噴射位置について図2に基づいて説明する。図2は、気筒2の上面における、各吸気ポート5a,5bおよび各排気ポート6a,6bの開口部を示す図である。開口部15a,15bはそれぞれ吸気ポート5a,5bの開口部を示し、開口部16a,16bはそれぞれ排気ポート6a,6bの開口部を示す。
における気筒2の中心側の位置から気筒2内に流入した吸気はボア壁面に向かって流れる。従って、この場合に、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が遅い場合と同様、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を開口部15における気筒2の中心側の位置とすると、吸気ポート5a内で発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによってボア壁面に運ばれ、該ボア壁面に付着する虞がある。
ここで、本実施例に係るポート内噴射弁4の概略構成について図3に基づいて説明する。図3の(a)は、ポート内噴射弁4の先端部分の概略構成を示す断面図である。図3の(b)は、ポート内噴射弁4の先端部分を下方から見たときの概略構成図である。
本実施例に係るポート内噴射弁4は図4の(a)に示すような構成でも良い。図4の(a)は、ポート内噴射弁4の変形例の先端部分の概略構成を示す断面図である。図4の(a)に示すポート内噴射弁4は上述した噴孔弁34の代わりに複数の噴孔制御板35を備えている。
次に、本実施例でのポート内噴射弁4によるポート内燃料噴射の制御について図5に基
づいて説明する。図5は、ポート内噴射弁4によるポート内燃料噴射の制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されたルーチンであって、ポート内噴射弁4から燃料を噴射する度に繰り返されるルーチンである。
2・・・気筒
4・・・ポート内噴射弁
5a・・吸気ポート
9a・・吸気弁
12・・シリンダヘッド
15a・・開口部
20・・ECU
21・・クランクポジションセンサ
30・・本体
31・・ニードル弁
33・・噴孔
34・・噴孔弁
35・・噴孔制御弁
37・・噴射窓
Claims (3)
- 吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関の燃料噴射装置であって、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの気筒内への開口部における吸気の流れ方向が前記気筒の中心付近方向となる位置に燃料が噴射されるように、前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更し、それによって、前記吸気ポート内に発生する液滴状の燃料が前記気筒の中心付近へ運ばれるようにすることを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射装置。 - 前記吸気ポート内での吸気の回転速度が遅い場合は、前記目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における前記気筒の中心側の位置とし、一方、前記吸気ポート内での吸気の回転速度が速い場合は、前記目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における、前記気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすることを特徴とする請求項1記載のディーゼル機関の燃料噴射装置。
- 吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関において、
前記吸気ポート内での吸気の回転速度を推定するステップと、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの気筒内への開口部における吸気の流れ方向が前記気筒の中心付近方向となる位置に燃料が噴射されるように、推定された前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて決定し、それによって、前記吸気ポート内に発生する液滴状の燃料が前記気筒の中心付近へ運ばれるようにするステップと、
を含むことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射方法。
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