JP4111122B2 - ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法 - Google Patents

ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4111122B2
JP4111122B2 JP2003375725A JP2003375725A JP4111122B2 JP 4111122 B2 JP4111122 B2 JP 4111122B2 JP 2003375725 A JP2003375725 A JP 2003375725A JP 2003375725 A JP2003375725 A JP 2003375725A JP 4111122 B2 JP4111122 B2 JP 4111122B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
cylinder
intake
fuel
intake air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003375725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005139960A (ja
Inventor
誠太郎 三澤
崇 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2003375725A priority Critical patent/JP4111122B2/ja
Publication of JP2005139960A publication Critical patent/JP2005139960A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4111122B2 publication Critical patent/JP4111122B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法に関する。
内燃機関においては、吸気ポート内に燃料を噴射するポート内噴射弁を備え、該ポート内噴射弁から燃料を噴射することで予混合気を形成して予混合燃焼を行うものがある。また、より高出力を得るために、気筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射弁とポート内噴射弁とを併用する内燃機関もある。
このようなポート内噴射弁を備えた内燃機関では、吸気ポートの壁面に液状の燃料が付着する虞がある。そこで、このような液状の燃料の吸気ポート壁面への付着を抑制するために、例えば、燃料に旋回力を付与しつつ該燃料を吸気ポート内へ噴射するポート内噴射弁と、吸気ポートの断面積を変化させることで吸気の流速を変更する吸気流制御装置を備えた内燃機関の燃料噴射装置であって、内燃機関の運転状態が低負荷低回転のときは、燃料の噴霧を低ペネトレーション噴霧とすると共に、吸気流速を高める技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、吸気ポート内へ噴射するポート内噴射弁と、吸気ポートの断面積を変化させることで吸気の流速を変更する吸気流制御装置を備えた内燃機関の燃料噴射装置であって、ポート内噴射弁側の吸気ポート壁面とは対向する側の壁面に指向するように燃料の噴霧が生成されると共に、該燃料の噴霧を流速の高い吸気によって搬送する技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。これらの技術によれば、ポート内噴射弁によって噴射された燃料が液状の燃料として吸気ポート壁面に付着することが抑制されるとともに、該燃料をより好適な時期に気筒内に供給することが出来る。
また、内燃機関においては、混合気をより良好に燃焼させるために、少なくとも1つの
吸気ポートをスワールポートとすることによって気筒内にスワールを生成するものがある。スワールポートとしては、吸気ポートの吸気弁周辺を渦巻き状にしたヘリカルポート等が知られている。
特開2001−263142号公報 特開2001−317434号公報 特開平3−130573号公報 特開平7−151039号公報 特開平8−93601号公報 特開平10−141179号公報 特開平11−30167号公報 実用新案登録第2594992号公報
ディーゼル機関において、吸気ポート内に燃料を噴射するポート内噴射弁を設けた場合、ディーゼル機関の燃料である軽油は揮発性が低いため、該ポート内噴射弁から噴射された燃料は微粒化しにくく液滴状となり易い。そのため、吸気ポートの壁面に液滴状の燃料が付着し易く、また、吸気ポートの壁面に付着しなくても吸気と共に液滴状の燃料が気筒内に流入し易くなる。
そして、このようなポート内噴射弁を備えたディーゼル機関がスワールポートを有しており、気筒内に流入する吸気の流れによって該気筒内にスワールが生成される場合、吸気と共に気筒内に流入した液滴状の燃料が、スワールによる遠心力によってボア壁面に運ば
れ該ボア壁面に付着する虞がある。また、吸気ポートの壁面に付着し該吸気ポート壁面を伝って気筒内に流入した液滴状の燃料も、吸気弁開弁時に発生する吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れ、および気筒内のスワールによる遠心力によって、ボア壁面方向に運ばれ該ボア壁面に付着する虞がある。特に、ポート内噴射弁が設けられた吸気ポートがヘリカルポートである場合、この吸気ポートから気筒内に流入する吸気は吸気弁の軸周りに旋回しつつ気筒内に流入するため、該吸気の一部はボア壁面方向へ流れ易い。そのため、液状の燃料がボア壁面に付着し易くなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内に燃料を噴射するディーゼル機関において、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが可能な技術を提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
即ち、本発明は、吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内に燃料を噴射するポート内噴射弁を備えたディーゼル機関の燃料噴射装置において、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの目標噴射位置を吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更するものである。
より詳しくは、第一の発明に係るディーゼル機関の燃料噴射装置は、
吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関の燃料噴射装置であって、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更することを特徴とする。
本発明では、吸気ポートは、吸気弁の軸まわりを吸気が旋回するように形成されている(以下、この吸気ポートをヘリカルポートと称する)。そのため、該ヘリカルポートから流入した吸気の流れによって気筒内には該気筒の軸周りに旋回するスワールが生成される。
また、このヘリカルポートにはポート内噴射弁が設けられている。そして、このポート内噴射弁は、ヘリカルポート内において、該ヘリカルポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射する。また、このポート内噴射弁からの燃料噴射は吸気行程中に行われ、噴射された燃料は吸気と混ざり合いつつ気筒内に流入し予混合気を形成する。その結果、本発明に係るディーゼル機関では予混合圧縮着火燃焼が行われる。尚、本発明において、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときとは、例えば、該ディーゼル機関が低負荷運転状態にあるときのことである。
上述したように、ディーゼル機関において吸気ポート内に噴射された燃料(軽油)は液滴状になり易い。ヘリカルポート内で液滴状となった燃料の一部は、ヘリカルポートの気筒内への開口部近傍の壁面に付着し該壁面を伝って気筒内に流入する。また、ヘリカルポートの壁面に付着していない液滴状の燃料も吸気と共に気筒内に流入する。そして、このような液滴状の燃料は、吸気弁開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れ、もしくは気筒内のスワールによる遠心力によって、ボア壁面方向に運ばれ該ボア壁面に付着する虞がある。
そこで、本発明では、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、ヘリカルポートの気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、ヘリカルポート内での吸気の回転速度に応じて変更する。ヘリカルポート内での吸気の回転速度は、機関回転数や吸気弁のリフト量等によって変化する。そして、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が変化すると、該ヘリカルポートから気筒内へ流入するときの吸気の流れ方向が変化する。その結果、液滴状の燃料がヘリカルポートから気筒内へ流入するときに、気筒内において該液滴状の燃料が運ばれる方向も変化する。また、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの目標燃料噴射位置が変更されると、ヘリカルポート内における液滴状の燃料が発生する位置も必然的に変化する。そのため、ヘリカルポートの気筒内への開口部における液滴状の燃料の気筒内への流入位置は目標燃料噴射位置近傍となる。
本発明によれば、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、ヘリカルポートの気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、ヘリカルポート内での吸気の回転速度に応じて変更することで、ヘリカルポートの気筒内への開口部における、吸気の流れ方向が気筒の中心付近方向となる位置に燃料を噴射することが出来る。その結果、ポート内噴射弁から燃料を噴射することによって発生した液滴状の燃料は、ヘリカルポートの気筒内への開口部において吸気の流れ方向が気筒の中心付近方向となっている位置から気筒内に流入する。そのため、気筒内に流入した液滴状の燃料は該気筒内の中心付近へ運ばれることになる。従って、吸気弁開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れによって液滴状の燃料がボア壁面に運ばれるのを抑制することが出来る。また、液滴状の燃料は気筒内の中心付近に運ばれるため、気筒内のスワールによる遠心力によっても、該液滴状の燃料はボア壁面に運ばれにくくなる。従って、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。
尚、本発明は、ポート内噴射弁に加えて、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁が設けられた構成であっても良い。また、本発明は、低負荷運転状態にあるときはポート内噴射弁から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行い、高負荷運転状態にあるときは筒内噴射弁から燃料を噴射することで拡散燃焼(従来のディーゼル燃焼)を行うディーゼル機関に適用されても良く、また、全ての運転領域においてポート内噴射弁から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関に適用されても良い。
また、本発明に係るディーゼル機関では、気筒毎に二つ吸気ポートを設け、一方の吸気ポートをヘリカルポートとし、他方の吸気ポートをストレートポートとしても良く、また、両方の吸気ポートをヘリカルポートとしても良い。さらに、気筒毎に三つ以上の吸気ポートを設け、少なくとも一つの吸気ポートをヘリカルポートとしても良い。
本発明においては、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が遅い場合は、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、該ヘリカルポートの気筒内への開口部における気筒の中心側の位置とし、一方、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が速い場合は、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、該ヘリカルポートの気筒内への開口部における、気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とするのが好ましい。
ヘリカルポート内での吸気の回転速度が遅い場合、ヘリカルポートから気筒内へ吸気が流入するときの気筒内への開口部における吸気の流れ方向は、該開口部の法線方向により近い方向となる。そのため、ヘリカルポートの気筒内への開口部における気筒の中心側の位置から気筒内に流入した吸気は気筒の中心付近に向かって流れる。また、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、ヘリカルポートの気筒内への開口部における気筒の中心側の位置とすると、ポート内噴射弁からの燃料噴射によって発生する液滴状の燃料はこの位置近傍から気筒内に流入する。従って、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が遅い場合に、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、該ヘリカルポートの気筒内への開口部における気
筒の中心側の位置とすると、ヘリカルポート内で発生した液滴状の燃料が気筒内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによって気筒の中心付近に運ばれる。
一方、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が速い場合、ヘリカルポートから気筒内へ吸気が流入するときの気筒内への開口部における吸気の流れ方向は、該開口部の接線方向により近い方向となる。そのため、ヘリカルポートの気筒内への開口部における気筒の中心側の位置から気筒内に流入した吸気はボア壁面に向かって流れる。従って、この場合に、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が遅い場合と同様、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、ヘリカルポートの気筒内への開口部における気筒の中心側の位置とすると、ヘリカルポート内で発生した液滴状の燃料が気筒内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによってボア壁面に運ばれ、該ボア壁面に付着する虞がある。
そこで、本発明では、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が速い場合、上述したように、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、ヘリカルポートの気筒内への開口部における、気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とする。ヘリカルポート内での吸気の回転速度が速い場合は、該ヘリカルポートの気筒内への開口部における、気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置から気筒内に流入した吸気が気筒の中心付近に向かって流れる。また、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置をヘリカルポートの気筒内への開口部における、気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすると、ポート内噴射弁からの燃料噴射によって発生する液滴状の燃料はこの位置近傍から気筒内に流入する。従って、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が速い場合、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、該ヘリカルポートの気筒内への開口部における、気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすると、ヘリカルポート内で発生した液滴状の燃料が気筒内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによって気筒の中心付近に運ばれる。
上記のような目標燃料噴射位置の制御によれば、ヘリカルポート内で発生した液滴状の燃料が気筒内に流入したとき、該液滴状の燃料は気筒内の中心付近へ運ばれることになる。即ち、吸気弁開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れによって液滴状の燃料がボア壁面方向に運ばれるのを抑制することが出来る。また、液滴状の燃料は気筒内の中心付近に運ばれるため、気筒内のスワールによる遠心力によっても、該液滴状の燃料はボア壁面に運ばれにくくなる。従って、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。
また、上記のような目標燃料噴射位置の制御によれば、液滴状の燃料のみならず、ヘリカルポートから気筒内へ流入する混合気も気筒内の中心付近に流入し易くなる。従って、気筒内の中心付近に混合気が分布し易くなる。その結果、ボア壁面近傍等のクエンチゾーンに混合気が分布しにくくなるため失火を抑制することが出来、以て未燃燃料成分の排出量を低減することが出来る。また、気筒内の中心付近に混合気が分布することによって、該混合気が燃焼したときのボア壁面への熱損失を低減することが出来、以て燃費を向上させることが出来る。
尚、本発明においては、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を、ヘリカルポート内での吸気の回転速度が所定回転速度より速い場合と遅い場合との2段階で変更しても良く、また、ヘリカルポート内での吸気の回転速度に応じて3段階以上で変更しても良い。
また、本発明では上記課題を解決するために以下の手段を採用しても良い。
即ち、第二の発明に係るディーゼル機関の燃料噴射方法は、
吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関において、
前記吸気ポート内での吸気の回転速度を推定するステップと、
前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、推定された前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて決定するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明に係るディーゼル機関では、吸気ポートはヘリカルポートとなっている。そのため、ヘリカルポートから流入した吸気の流れによって、気筒内に該気筒の軸周りに旋回するスワールが生成される。
また、このヘリカルポートにはポート内噴射弁が設けられている。そして、このポート内噴射弁は、ヘリカルポート内において、該ヘリカルポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射する。また、このポート内噴射弁からの燃料噴射は吸気行程中に行われ、噴射された燃料は吸気と混ざり合いつつ気筒内に流入し予混合気を形成する。その結果、本発明に係るディーゼル機関では予混合圧縮着火燃焼が行われる。
そして、本発明は、ヘリカルポート内での吸気の回転速度を推定するステップを有している。ここで、例えば、この吸気の回転速度を、機関回転数や吸気弁のリフト量等から推定しても良い。そして、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、ヘリカルポートの気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、ヘリカルポート内での吸気の回転速度に応じて決定する。
ヘリカルポート内での吸気の回転速度が変化すると、該ヘリカルポートから気筒内へ吸気が流入するときの吸気の流れ方向が変化する。その結果、液滴状の燃料がヘリカルポートから気筒内へ流入するときに、気筒内において該液滴状の燃料が運ばれる方向も変化する。また、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの目標燃料噴射位置が変更されると、ヘリカルポート内における液滴状の燃料が発生する位置も必然的に変化する。そのため、ヘリカルポートの気筒内への開口部における液滴状の燃料の気筒内への流入位置は目標燃料噴射位置近傍となる。
本発明によれば、ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの、ヘリカルポートの気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、ヘリカルポート内での吸気の回転速度に応じて決定することで、ヘリカルポートの気筒内への開口部における、吸気の流れ方向が気筒の中心付近となる位置に燃料を噴射することが出来る。その結果、ポート内噴射弁から燃料を噴射することによって発生した液滴状の燃料は、ヘリカルポートの気筒内への開口部において吸気の流れ方向が気筒の中心付近となっている位置から気筒内に流入する。そのため、気筒内に流入した液滴状の燃料は該気筒内の中心付近へ運ばれることになる。従って、吸気弁開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れによって液滴状の燃料がボア壁面に運ばれるのを抑制することが出来る。また、液滴状の燃料は気筒内の中心付近に運ばれるため、気筒内のスワールによる遠心力によっても、該液滴状の燃料はボア壁面に運ばれにくくなる。従って、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。
尚、本発明に係るディーゼル機関は、ポート内噴射弁に加えて、気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁が設けられた構成であっても良い。また、本発明は、低負荷運転状態にあるときはポート内噴射弁から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行い、高負荷運転状態にあるときは筒内噴射弁から燃料を噴射することで拡散燃焼(従来のディーゼル燃焼)を行うディーゼル機関に適用されても良く、また、全ての運転領域においてポート
内噴射弁から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関に適用されても良い。
また、本発明に係るディーゼル機関では、気筒毎に二つ吸気ポートを設け、一方の吸気ポートをヘリカルポートとし、他方吸気ポートをストレートポートとしても良く、また、両方の吸気ポートをヘリカルポートとしても良い。さらに、気筒毎に三つ以上の吸気ポートを設け、少なくとも一つの吸気ポートをヘリカルポートとしても良い。
本発明に係るディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法によれば、吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内に燃料を噴射するディーゼル機関において、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。その結果、ボア壁面でのオイル希釈や未燃燃料成分の排出量増加、さらには燃費の悪化を抑制することが出来る。
以下、本発明に係るディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法の実施の形態について図面に基づいて説明する。
<ディーゼル機関の概略構成>
図1は、本実施例に係るディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法を適用したディーゼル機関およびその吸排気系とその制御系の概略構成を示す図である。図1の(a)は、本実施例に係るディーゼル機関を横から見たときの概略構成図である。図1の(b)は、本実施例に係るディーゼル機関をシリンダヘッド上方から見たときの概略構成図である。
ディーゼル機関1のシリンダヘッド12には、二つの吸気ポート5a,5bと二つの排気ポート6a,6bとが形成されている。吸気ポート5a,5bと排気ポート6a,6bとはそれぞれ気筒2内に開口しており、それぞれの開口部は吸気弁9a,9bまたは排気弁10a,10bによって開閉される。二つの吸気ポートのうち一方の吸気ポート5aは、吸気弁9aの周辺が渦巻き状に形成された所謂ヘリカルポートであり、該吸気ポート5a内を流通する吸気は吸気弁9aの軸周りを旋回する。そのため、該吸気ポート5aから流入した吸気の流れによって気筒2内には該気筒2の軸回りに旋回するスワールが生成される。尚、本実施例では、図1の(b)に示すように、吸気ポート5aの渦巻き形状は、シリンダヘッド12上方から見た場合、右回りに形成されており、該吸気ポート5a内において吸気は吸気弁9aの軸周りを右回りに旋回する。
吸気ポート5a,5bはそれぞれ吸気通路7a,7bと接続されており、排気ポート6a,6bはそれぞれ排気通路8a,8bと接続されている。また、シリンダヘッド2には、吸気ポート5a内において該吸気ポート5aの気筒2内への開口部方向に燃料を噴射するポート内噴射弁4と、気筒2内に燃料を直接噴射する筒内噴射弁3と、が設置されている。
気筒2内にはピストン11が摺動自在に設けられており、さらにディーゼル機関1には該ピストン11の往復運動と連動して回転するクランクシャフトの回転角に対応した電気信号を出力するクランクポジションセンサ21が設置されている。また、吸気弁9a,9bと排気弁10a,10bとは、それらの開閉動作がクランクシャフトの回転運動と連動されることで、燃焼サイクルにおける所定の時期に開閉される。
以上述べたように構成されたディーゼル機関1には、このディーゼル機関1を制御する
ためのECU20が併設されている。このECU20は、ディーゼル機関1の運転条件や運転者の要求に応じてディーゼル機関1の運転状態を制御するユニットである。ECU20は、クランクポジションセンサ21等の各種センサと電気的に接続されており、各種センサの出力信号がECU20に入力される。また、ECU20は、筒内噴射弁3およびポート内噴射弁4と電気的に接続されており、これらの燃料噴射弁3,4を制御することが可能になっている。本実施例では、ディーゼル機関1が低負荷運転状態にあるときは、吸気行程中にポート内噴射弁4から燃料が噴射されることによって気筒2内に予混合気が形成され予混合圧縮着火燃焼が行われる、一方、ディーゼル機関1が高負荷運転状態にあるときは、圧縮行程上死点近傍の時期に筒内噴射弁3から燃料が噴射されることによって拡散燃焼が行われる。
<ポート内噴射の目標燃料噴射位置>
次に、ポート内噴射弁4から燃料を噴射するときの、吸気ポート5aの気筒2内への開口部における目標燃料噴射位置について図2に基づいて説明する。図2は、気筒2の上面における、各吸気ポート5a,5bおよび各排気ポート6a,6bの開口部を示す図である。開口部15a,15bはそれぞれ吸気ポート5a,5bの開口部を示し、開口部16a,16bはそれぞれ排気ポート6a,6bの開口部を示す。
本実施例では、吸気ポート5aの気筒2内への開口部15aに向けてポート内噴射弁4から燃料が噴射される。そのため、開口部15a近傍の吸気ポート5aの壁面には液滴状の燃料が付着し易い。この吸気ポート5aの壁面に付着した液滴状の燃料は該壁面を伝って気筒2内に流入する。また、吸気ポート5aの壁面に付着していない液滴状の燃料も吸気と共に気筒2内に流入する。そして、このような液滴状の燃料は、吸気弁9a開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れ、もしくは気筒2内のスワールによる遠心力によって、ボア壁面に運ばれ該ボア壁面に付着する虞がある。
そこで、本実施例では、気筒2内に流入した液滴状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制するために、ポート内噴射弁4から燃料を噴射するときの、吸気ポート5aの気筒2内への開口部における目標燃料噴射位置を、吸気ポート5a内での吸気の回転速度に応じて変更する。
つまり、本実施例では、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が遅い場合は、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、図2の(a)の斜線部Aの位置、即ち、吸気ポート5aの気筒2内への開口部15aにおける気筒2の中心側の位置とする。
吸気ポート5a内での吸気の回転速度が遅い場合、吸気ポート5aから気筒2内へ吸気が流入するときの開口部15aにおける該吸気の流れ方向は、図2の(a)に矢印で示すように、該開口部15aの法線方向により近い方向となる。そのため、開口部15aにおける気筒2の中心側の位置から気筒2内に流入した吸気は気筒2の中心付近に向かって流れる。また、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、開口部15aにおける気筒2の中心側の位置とすると、ポート内噴射弁4からの燃料噴射によって発生する液滴状の燃料はこの位置近傍から気筒2内に流入する。従って、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が遅い場合に、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、該吸気ポート5aの開口部15aにおける気筒2の中心側の位置とすると、吸気ポート5a内で発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによって気筒2の中心付近に運ばれる。
一方、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が速い場合、吸気ポート5aから気筒2内へ吸気が流入するときの開口部15aにおける該吸気の流れ方向は、図2の(b)に矢印で示すように、該開口部15の接線方向により近い方向となる。そのため、開口部15a
における気筒2の中心側の位置から気筒2内に流入した吸気はボア壁面に向かって流れる。従って、この場合に、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が遅い場合と同様、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を開口部15における気筒2の中心側の位置とすると、吸気ポート5a内で発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによってボア壁面に運ばれ、該ボア壁面に付着する虞がある。
そこで、本実施例では、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が速い場合、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、図2の(b)の斜線部Bの位置、即ち、開口部15aにおける気筒2の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とする。本実施例では、図2の(b)に矢印で示すように、吸気ポート5a内において吸気は右回り旋回しているため、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置は、開口部15aにおける気筒2の中心側の位置から左回りの方向にずれた位置となる。
吸気ポート5a内での吸気の回転速度が速い場合は、開口部15aにおける、気筒2の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置から気筒2内に流入した吸気が気筒2の中心付近に向かって流れる。また、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を開口部15aにおける、気筒2の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすると、ポート内噴射弁4からの燃料噴射によって発生する液滴状の燃料はこの位置近傍から気筒2内に流入する。従って、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が速い場合に、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、該吸気ポート5aの開口部15aにおける、気筒2の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすると、吸気ポート5a内で発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したとき、該液滴状の燃料は吸気の流れによって気筒2の中心付近に運ばれる。
このような目標燃料噴射位置の制御によれば、吸気ポート5a内で発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したとき、該液滴状の燃料は気筒2内の中心付近に運ばれることになる。即ち、吸気弁9a開弁時における吸気流入時のボア壁面方向への吸気の流れによって液滴状の燃料がボア壁面に運ばれるのを抑制することが出来る。また、液滴状の燃料は気筒2内の中心付近に運ばれるため、気筒2内のスワールによる遠心力によっても、該液滴状の燃料はボア壁面に運ばれにくくなる。従って、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。
また、このような目標燃料噴射位置の制御によれば、液滴状の燃料のみならず、吸気ポート5aから気筒2内へ流入する混合気も気筒2内の中心付近に流入し易くなる。従って、気筒2内の中心付近に混合気が分布し易くなる。その結果、ボア壁面近傍等のクエンチゾーンに混合気が分布しにくくなるため失火を抑制することが出来、以て未燃燃料成分の排出量を低減することが出来る。また、気筒2内の中心付近に混合気が分布することによって、該混合気が燃焼したときのボア壁面への熱損失を低減することが出来、以て燃費を向上させることが出来る。
<ポート内噴射弁の概略構成>
ここで、本実施例に係るポート内噴射弁4の概略構成について図3に基づいて説明する。図3の(a)は、ポート内噴射弁4の先端部分の概略構成を示す断面図である。図3の(b)は、ポート内噴射弁4の先端部分を下方から見たときの概略構成図である。
ポート内噴射弁4は、本体30と、該本体30の内部に軸方向に摺動自在に設けられたニードル弁31を備えている。本体30の内壁面とニードル弁31との間には燃料通路32が形成されている。本体30の下端部は、その外壁面および内壁面が共に下方へ向かって縮径するテーパ状に形成されている。また、ニードル弁31の下端部も、本体30の下端部と同様、下方へ向かって縮径するテーパ状に形成されている。
テーパ状に形成された本体30の下端部には複数の噴孔33が形成されている。各噴孔33は、図3の(b)に示すように、本体30の下端部において円周状に配置されている。そして、ニードル弁31が下方に移動し該ニードル弁31下端部のテーパ面が本体30下端部の内壁面のテーパ面に押圧されると、該ニードル弁31によって噴孔33が塞がれる。一方、ニードル弁31が上方に移動すると、該ニードル弁31下端部のテーパ面と本体30下端部の内壁面のテーパ面との間を通って燃料が噴孔33に流入する。
さらに、本実施例においては、噴孔33毎に、該噴孔33を遮断もしくは開通する噴孔弁34が設けられている。該噴孔弁34は圧電素子からなるアクチュエータをそれぞれ備えており、ECU20は該アクチュエータへの電圧供給をそれぞれ制御することによって各噴孔弁34の作動を制御する。
上記説明したようなポート内噴射弁4においては、ニードル弁31が上方に移動した状態であっても、噴孔弁34によって遮断された噴孔33からは燃料は噴射されず、噴孔弁34によって開通された噴孔33のみから燃料が噴射される(図3の(b)においては、斜線が引かれた噴孔33が噴孔弁34によって遮断された噴孔を表し、空白となっている噴孔33が噴孔弁34によって開通された噴孔を表している)。従って、このようなポート内噴射弁4によれば、各噴孔弁34の作動をそれぞれ制御することで開通もしくは遮断させる噴孔33を変更することが出来る。その結果、ポート内噴射弁4の下端部における燃料の噴射位置を変更することが出来、以てポート内噴射弁4から目標燃料噴射位置に向けて燃料を噴射することが出来る。
(ポート内噴射弁の変形例)
本実施例に係るポート内噴射弁4は図4の(a)に示すような構成でも良い。図4の(a)は、ポート内噴射弁4の変形例の先端部分の概略構成を示す断面図である。図4の(a)に示すポート内噴射弁4は上述した噴孔弁34の代わりに複数の噴孔制御板35を備えている。
このポート内噴射弁4の本体30には、下端部分が噴孔33と交差するように制御板通路36が形成されている。そして、該制御板通路36内に複数の噴孔制御板35が摺動可能に設置されている。噴孔制御板35は、噴孔33毎に設けられても良く、また、いくつかの噴孔33毎に設けられても良い。
噴孔制御板35には、図4の(b)に示すように、その下端部分に噴射窓37が形成されている。また、各噴孔制御板35は、噴孔弁24と同様、圧電素子からなるアクチュエータをそれぞれ備えており、該アクチュエータによって噴孔制御板35は制御板通路36内を上下方向に摺動する。そして、噴孔制御板35が摺動することで、噴射窓37の位置が噴孔33の位置となるとこの噴孔33は開通される。一方、噴射窓37の位置が噴孔33の位置から外れるとこの噴孔33は遮断される。このように、図4の(a)に示すポート内噴射弁4の変形例においては、ECU20は、各噴孔制御板35のアクチュエータへの電圧供給をそれぞれ制御することによって各噴孔制御板35の作動を制御する。
このようなポート内噴射弁4の変形例によれば、各噴孔制御板35の作動をそれぞれ制御することで開通もしくは遮断させる噴孔33を変更することが出来る。その結果、ポート内噴射弁4の下端部における燃料の噴射位置を変更することが出来、以てポート内噴射弁4から目標燃料噴射位置に向けて燃料を噴射することが出来る。
<ポート内燃料噴射制御ルーチン>
次に、本実施例でのポート内噴射弁4によるポート内燃料噴射の制御について図5に基
づいて説明する。図5は、ポート内噴射弁4によるポート内燃料噴射の制御ルーチンを示すフローチャート図である。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されたルーチンであって、ポート内噴射弁4から燃料を噴射する度に繰り返されるルーチンである。
本ルーチンでは、先ず、ECU20は、S101において、クランクポジションセンサ21の検出値から導出されるディーゼル機関1の機関回転数nから吸気ポート5a内の吸気の流速vを算出する。
次に、ECU20は、S102に進み、クランクポジションセンサ21の検出値であるクランクアングルθから吸気弁9aのリフト量wを導出する。本実施例では、吸気弁9aの開閉動作はクランクシャフトの回転運動と連動しているため、クランクアングルθから吸気弁9aのリフト量wを導出することが出来る。
次に、ECU20は、S103に進み、S101にて算出された吸気ポート5a内の吸気の流速vと、S102にて導出された吸気弁9aのリフト量wと、から吸気ポート5a内での吸気の回転速度ωを算出する。ここで、吸気ポート5a内の吸気の流速vと吸気弁9aのリフト量wと吸気ポート5a内での吸気の回転速度ωとの関係を予め実験的に求め、これらの関係をマップとしてECU20に記憶しておき、該マップから吸気ポート5a内での吸気の回転速度ωを算出しても良い。
次に、ECU20は、S104に進み、S103にて算出された吸気ポート5a内での吸気の回転速度ωに応じて、ポート内噴射弁4から燃料を噴射するときの、吸気ポート5aの気筒2内への開口部15aにおける目標燃料噴射位置を決定する。ここでは、この目標燃料噴射位置を、上述したように、吸気ポート5a内での吸気の回転速度ωが遅い場合は、吸気ポート5aの気筒2内への開口部15aにおける気筒2の中心側の位置(図2の(a)における斜線部Aの位置)とし、一方、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が速い場合は、吸気ポート5aの気筒2内への開口部15aにおける、気筒2の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置(図2の(b)における斜線部Bの位置)とする。
次に、ECU20は、S105に進み、S104にて決定された目標燃料噴射位置に向けてポート内噴射弁4から燃料を噴射して本ルーチンの実行を一旦終了する。
本ルーチンによれば、ポート内噴射弁4から燃料を噴射するときの目標燃料噴射位置を、吸気ポート5a内での吸気の回転速度に応じて変更する。そのため、吸気ポート5a内に発生した液滴状の燃料が気筒2内に流入したときに、該液滴状の燃料が、吸気弁9a開弁時における吸気流入時のボア壁面への吸気の流れ、もしくは、気筒2内のスワールによる遠心力によって、ボア壁面に運ばれるのを抑制することが出来る。従って、液状の燃料がボア壁面に付着するのを抑制することが出来る。
尚、本発実施例においては、ポート内噴射弁4の目標燃料噴射位置を、吸気ポート5a内での吸気の回転速度が所定回転速度より速い場合と遅い場合との2段階で変更しても良く、また、吸気ポート5a内での吸気の回転速度に応じて3段階以上で変更しても良い。
また、本実施例に係るディーゼル機関1は、全ての運転領域においてポート内噴射弁4から燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関であっても良い。
また、吸気ポート5aと吸気ポート5bとの両方がヘリカルポートである構成でも良い。また、気筒2において、吸気ポート5aおよび吸気ポート5bの他にさらに一以上の吸気ポートを設けた構成であっても良い。
本発明の実施例に係るディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法を適用したディーゼル機関およびその吸排気系とその制御系の概略構成を示す図。図1の(a)は、本発明の実施例に係るディーゼル機関を横から見たときの概略構成図。図1の(b)は、本発明の実施例に係るディーゼル機関をシリンダヘッド上方から見たときの概略構成図。 図2は、気筒の上面における、各吸気ポートおよび各排気ポートの開口部を示す図。図2の(a)は、吸気ポート(ヘリカルポート)内での吸気の回転速度が遅い場合の、該吸気ポートの開口部における吸気の流れ方向と、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を示す図。図2の(b)は、吸気ポート(ヘリカルポート)内での吸気の回転速度が速い場合の、該吸気ポートの開口部における吸気の流れ方向と、ポート内噴射弁の目標燃料噴射位置を示す図。 本発明の実施例に係るポート内噴射弁の概略構成を示す図。図3の(a)は、ポート内噴射弁の先端部分の概略構成を示す断面図。図3の(b)は、ポート内噴射弁の先端部分を下方から見たときの概略構成図。 図4の(a)は、本発明の実施例に係るポート内噴射弁の変形例の先端部分の概略構成を示す断面図。図4の(b)は、噴孔制御板の概略構成を示す図。 ポート内噴射弁によるポート内燃料噴射の制御ルーチンを示すフローチャート図。
符号の説明
1・・・ディーゼル機関
2・・・気筒
4・・・ポート内噴射弁
5a・・吸気ポート
9a・・吸気弁
12・・シリンダヘッド
15a・・開口部
20・・ECU
21・・クランクポジションセンサ
30・・本体
31・・ニードル弁
33・・噴孔
34・・噴孔弁
35・・噴孔制御弁
37・・噴射窓

Claims (3)

  1. 吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
    少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関の燃料噴射装置であって、
    前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの気筒内への開口部における吸気の流れ方向が前記気筒の中心付近方向となる位置に燃料が噴射されるように、前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて変更し、それによって、前記吸気ポート内に発生する液滴状の燃料が前記気筒の中心付近へ運ばれるようにすることを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射装置。
  2. 前記吸気ポート内での吸気の回転速度が遅い場合は、前記目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における前記気筒の中心側の位置とし、一方、前記吸気ポート内での吸気の回転速度が速い場合は、前記目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における、前記気筒の中心側の位置から吸気の旋回方向とは反対方向にずれた位置とすることを特徴とする請求項1記載のディーゼル機関の燃料噴射装置。
  3. 吸気弁の軸周りを吸気が旋回するように形成された吸気ポート内において、該吸気ポートの気筒内への開口部に向けて燃料を噴射するポート内噴射弁を少なくとも備え、
    少なくとも、ディーゼル機関が所定の運転状態にあるときに、前記ポート内噴射弁から吸気行程中に燃料を噴射することで予混合圧縮着火燃焼を行うディーゼル機関において、
    前記吸気ポート内での吸気の回転速度を推定するステップと、
    前記ポート内噴射弁から燃料を噴射するときの前記吸気ポートの前記気筒内への開口部における目標燃料噴射位置を、前記吸気ポートの気筒内への開口部における吸気の流れ方向が前記気筒の中心付近方向となる位置に燃料が噴射されるように、推定された前記吸気ポート内での吸気の回転速度に応じて決定し、それによって、前記吸気ポート内に発生する液滴状の燃料が前記気筒の中心付近へ運ばれるようにするステップと、
    を含むことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射方法。
JP2003375725A 2003-11-05 2003-11-05 ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法 Expired - Fee Related JP4111122B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375725A JP4111122B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375725A JP4111122B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005139960A JP2005139960A (ja) 2005-06-02
JP4111122B2 true JP4111122B2 (ja) 2008-07-02

Family

ID=34687017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003375725A Expired - Fee Related JP4111122B2 (ja) 2003-11-05 2003-11-05 ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4111122B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7926467B2 (en) * 2007-04-30 2011-04-19 Caterpillar Inc. Droplet generator for engine system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005139960A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4615535B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP6784214B2 (ja) 内燃機関の制御装置
KR101043108B1 (ko) 직접 분사 스파크 점화 내연 기관용 연료 분사 제어 방법
WO2015129285A1 (ja) 直噴ガソリンエンジンの制御装置
JP2010281332A (ja) 燃料噴射制御装置
JP2007051549A (ja) 燃料噴射弁及びそれを備えた筒内噴射式エンジン
US10202928B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP4111122B2 (ja) ディーゼル機関の燃料噴射装置および燃料噴射方法
JP2006274945A (ja) 火花点火式直噴エンジン
JP2004245204A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
US10378464B2 (en) Control device for internal combustion engine
JP4148009B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射システム
JP5987734B2 (ja) 圧縮着火エンジン
JP5821338B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP2014156852A (ja) 圧縮着火エンジン
JP2008202406A (ja) 内燃機関の吸気バルブ制御装置及びこの制御装置を備えた内燃機関
JP5865603B2 (ja) 筒内噴射式エンジン及びその燃料噴射方法
JP6750321B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP3695056B2 (ja) 筒内直接燃料噴射式火花点火エンジン
EP3530905A1 (en) Diesel engine
EP3530904A1 (en) Diesel engine
JP2010024855A (ja) 筒内噴射型内燃機関
JP2009236056A (ja) 燃料噴射弁及び内燃機関
JP2018003753A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006144608A (ja) 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080331

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees