JP4615535B2 - 燃料噴射制御装置 - Google Patents
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- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/3094—Controlling fuel injection the fuel injection being effected by at least two different injectors, e.g. one in the intake manifold and one in the cylinder
Description
そこで、請求項12記載の発明では、吸気バルブのリフト量が所定値以下となると、その吸気ポートのインジェクタからの燃料の噴射は停止される。これにより、吸気ポートが吸気バルブによって閉鎖されているとき、あるいは吸気バルブのリフト量が小さいとき、その吸気ポートに設けられたインジェクタからは燃料が噴射されない。その結果、吸気ポートの内部にとどまる燃料が低減される。したがって、未燃焼のHCが低減し、燃費を向上することができる。
そこで、請求項2または3記載の発明では、二本以上のインジェクタはそれぞれ単位時間当たりの燃料の噴射量および噴射期間が異なっている。これにより、例えばエンジン始動直後などの場合、単位時間当たりの燃料の噴射量が小さなインジェクタから燃料を噴射する。例えばエンジン始動直後などの場合、吸気バルブが吸気ポートを開くまでの間にインジェクタから燃料が噴射される。そのため、吸気バルブが吸気ポートを開くまでの期間は、比較的時間的な長さが長くなる。その結果、単位時間当たりの燃料の噴射量が小さなインジェクタから比較的長期間燃料が噴射される。これにより、燃料の微粒化を促進しつつ、必要な燃料量が確保される。一方、例えばWOT状態などエンジンの負荷が大きい場合、単位時間当たりの燃料の噴射量が大きなインジェクタから燃料を噴射する。例えばエンジンの負荷が大きい場合、吸気バルブが吸気ポートを開いている間にインジェクタから燃料が噴射される。そのため、吸気バルブが吸気ポートを開いている間、すなわちインジェクタからの燃料の噴射期間は、比較的時間的長さが短くなる。その結果、単位時間当たりの燃料の噴射量が大きなインジェクタから比較的短期間燃料が噴射される。これにより、燃焼室にインジェクタから噴射された燃料が直接流入し、燃焼室の温度を低下させる。また、単位時間当たりの噴射量を大きくすることにより、必要な燃料量が確保される。したがって、例えばエンジン始動のHCの低減と、高負荷時の出力向上とを両立することができる。
そこで、請求項13記載の発明では、二本以上のインジェクタごとに単位時間当たりの燃料噴射回数を制御している。これにより、吸気ポート、特に吸気バルブが閉じられている側にとどまる燃料が低減される。したがって、燃費の向上および排出されるHCの低減を図ることができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムを図2に示す。エンジンシステム10は、エンジン本体20、および燃料噴射制御装置の制御手段としての制御装置11を備えている。エンジン本体20は、図3に示すように例えばガソリンを燃料とするガソリンエンジンである。なお、燃料は、例えばアルコールなどであってもよい。
シリンダヘッド22には、図1および図3に示すように吸気ポート26の途中にインジェクタ61、62が設置されている。インジェクタ61、62は、図3に示すようにシリンダヘッド22を貫いている。インジェクタ61、62は、軸方向の一方の端部が吸気ポート26に露出し、他方の端部が燃料レール63に接続している。インジェクタ61、62は、それぞれ燃料レール63とは反対側の端部に噴孔611、621を有している。燃料レール63は、例えばシリンダヘッド22に支持されている。燃料レール63には、図示しない燃料タンクから燃料が供給される。インジェクタ61、62は、燃料レール63へ供給された燃料を噴孔611、621から吸気ポート26を流れる吸気へ噴射する。
本発明の第2実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態では、エンジン本体20の構成の概略は第1実施形態と同一である。第2実施形態では、図4に示すように各インジェクタ61、62の燃料噴射特性、すなわち各インジェクタ61、62の単位時間当たりの燃料の噴射量が相違している。インジェクタ61、62は、例えば噴孔611、621の大きさおよび数などにより、単位時間当たりの燃料の噴射量が異なる。第2実施形態の場合、インジェクタ61の単位時間当たりの燃料の噴射量はQ3であり、インジェクタ62の単位時間当たりの燃料の噴射量はQ4である。
なお、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、すなわち燃料噴射特性の異なるインジェクタ61、62の単位時間当たりの燃料の噴射量Q3、Q4と、駆動期間t3、t4とをいずれも変更することにより、燃料の噴射量q3、q4を制御する構成としてもよい。
本発明の第3実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第3実施形態では、図5に示すように一つの燃焼室28に連通する二本の吸気ポート261、262の内径が異なっている。すなわち、吸気ポート261の内径D1は、吸気ポート262の内径D2よりも大きい。この場合、インジェクタ61およびインジェクタ62から噴射される燃料の噴射角θ1、θ2が同一であると、内径が小さな吸気ポート262に設置されたインジェクタ62から噴射された燃料の噴霧は、吸気ポート262を形成する壁面35に付着するおそれがある。インジェクタ62から噴射された燃料の噴霧が吸気ポート262を形成する壁面35に付着すると、付着した燃料は液滴となって壁面35に沿って燃焼室28へ流入する。その結果、燃焼室28における燃料の燃焼が不完全となるおそれがある。
本発明の第4実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第4実施形態による燃料噴射制御装置は、構成自体は上述の第1実施形態から第3実施形態と同一であるので説明は省略し、燃料噴射制御について説明する。
第4実施形態では、インジェクタ61、62はそれぞれ単位時間当たりの燃料の噴射量および噴射期間が異なっている。インジェクタ61は、インジェクタ62に比較して単位時間当たりの燃料の噴射量が大きく設定されている。これにより、例えばエンジン本体20の始動直後などの場合、制御装置11は単位時間当たりの燃料の噴射量が小さなインジェクタ62から燃料を噴射させる。エンジン本体20の始動直後などの場合、吸気バルブ40が吸気ポート261、262を一旦閉じてから再び開くまでの間にインジェクタ62から燃料が噴射される。そのため、吸気バルブ40が吸気ポート261、262を閉じてから開くまでの期間は比較的長い。その結果、単位時間当たりの燃料の噴射量が小さなインジェクタ62から比較的長期間燃料が噴射される。これにより、燃料の微粒化を促進しつつ、必要な燃料量が確保される。
本発明の第5実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第5実施形態による燃料噴射制御装置は、構成自体は上述の第1実施形態から第3実施形態と同一であるので説明は省略し、燃料噴射制御について説明する。
第5実施形態では、インジェクタ61、62ごとに単位時間当たりの燃料噴射回数を制御している。第5実施形態のように複数の吸気バルブ40を有するエンジン本体20の場合、エンジン本体20の負荷が小さい条件では、吸気バルブ40を閉じた後に、少なくとも一つの吸気バルブ40を再度開閉させて、少量の空気を燃焼室28へ供給することがある。これにより、燃焼室28内における空気流動を強め、燃焼室28の燃焼を改善し、燃費の向上が図られる。しかし、少なくとも一つの吸気バルブ40を開閉させる場合、一本のインジェクタから燃料を噴射すると、閉じている吸気バルブ40側にも燃料が流入する。そのため、閉じている吸気バルブ40側の吸気ポート261、262の内部に燃料がとどまり、とどまった燃料は吸気バルブ40が開くと液状のまま燃焼室へ流入する。
本発明の第6実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する
上述した第1実施形態から第3実施形態では、インジェクタ61を吸気ポート261に配置し、インジェクタ62を吸気ポート262に配置し、各インジェクタ61、62はいずれも二本の吸気ポート261、262の分岐部263よりも燃焼室28側に配置する零について説明した。しかし、図6に示すように、二本のインジェクタ61、62は、分岐部263よりも燃焼室28とは反対側に配置してもよい。すなわち、インジェクタ61、62は、第1実施形態から第3実施形態に説明したように、分岐部263よりも燃焼室28側の吸気バルブ40に近接して配置してもよいし、分岐部263よりも燃焼室28とは反対側の吸気バルブ40から遠ざかった位置に配置してもよい。
本発明の第7実施形態による燃料噴射制御装置を適用したエンジンシステムについて説明する。なお、第7実施形態による燃料噴射制御装置は、二本以上のインジェクタは、燃料の噴射角が異なっており、第一のインジェクタ61の燃料の噴射角は、吸気ポート261の内径に応じて設定され、第二のインジェクタ62の燃料の噴射角は、第一のインジェクタ61の燃料の噴射角よりも広角に設定されている。この構成以外は上述の第1実施形態から第3実施形態と同一であるので説明は省略し、燃料噴射制御について説明する。
本発明の第8実施形態による燃料噴射装置を適用したエンジンシステムについて説明する。第8実施形態によるエンジンシステムは、上述の第6実施形態で説明したエンジンシステムにおける燃料噴射時期を制御するものである。
第1実施形態と同様に、図7に示す第8実施形態によるエンジンシステム10は、制御装置11を備えている。制御装置11は、各インジェクタ61、61に駆動信号を出力し、各インジェクタ61、62からの燃料噴射のタイミングを制御する。制御装置11は、リフトセンサ47、点火装置33、回転数センサ12、スロットルセンサ13および水温センサ14などに接続している。
第8実施形態では、図7に示すようにインジェクタ61からの燃料の噴射が終了した後、インジェクタ62からの燃料の噴射が開始される例を説明した。しかし、図8に示すようにインジェクタ61からの燃料の噴射開始から噴射終了までの間に、インジェクタ62から燃料の噴射を開始する構成としてもよい。
また、以上説明した複数の実施形態では、各実施形態を個別に適用する例について説明したが、複数の実施形態を組み合わせて適用してもよい。例えば第6実施形態で説明したインジェクタ61、62の配置形態に、第1実施形態から第5実施形態および第7実施形態の燃料噴射量の制御を組み合わせてもよい。また、例えば、逆に第1実施形態から第5実施形態におけるインジェクタ61、62の配置形態に、第8実施形態の燃料噴射時期の制御を組み合わせてもよい。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (13)
- 燃焼室に連通する二本以上の吸気ポートと、二本以上の前記吸気ポートの端部にそれぞれ設けられ前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気バルブと、を備えるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
二本以上の前記吸気ポートにそれぞれ設けられ、前記吸気ポートを流れる吸気に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタごとに燃料の噴射量を制御する噴射量制御手段と、
を備え、
二本以上の前記インジェクタは、それぞれ単位時間当たりの燃料の噴射量が異なり、
前記噴射量制御手段は、各前記インジェクタからの燃料の噴射期間を概ね同一に制御する燃料噴射制御装置。 - 燃焼室に連通する二本以上の吸気ポートと、二本以上の前記吸気ポートの端部にそれぞれ設けられ前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気バルブと、を備えるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
二本以上の前記吸気ポートにそれぞれ設けられ、前記吸気ポートを流れる吸気に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタごとに燃料の噴射量を制御する噴射量制御手段と、
を備え、
二本以上の前記インジェクタは、それぞれ単位時間当たりの燃料の噴射量、および燃料の噴射期間が異なり、
前記噴射量制御手段は、前記エンジンの運転状態に応じて前記インジェクタから噴射する燃料の噴射量および噴射期間を制御する燃料噴射制御装置。 - 前記噴射量制御手段は、
前記エンジンの始動から所定期間内であって前記エンジンの温度が所定値以下のとき、単位時間当たりの燃料の噴射量が小さなインジェクタから、前記吸気バルブが前記吸気ポートを開くまで燃料を噴射し、
前記エンジンの負荷が所定値以上のとき、単位時間当たりの燃料の噴射量が大きなインジェクタから前記吸気バルブが前記吸気ポートを開いている間に燃料を噴射する請求項2記載の燃料噴射制御装置。 - 二本以上の前記吸気ポートは、それぞれ内径が異なり、
各前記インジェクタからの燃料の噴射角は、各前記吸気ポートの内径に応じて設定されている請求項1から3のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。 - 二本以上の前記インジェクタは、前記吸気ポートの内径に応じて設定された噴射角を有する第一のインジェクタと、前記第一のインジェクタの噴射角よりも広角な噴射角を有する第二のインジェクタとを含み、
前記噴射量制御手段は、前記吸気バルブの閉弁時に噴射する場合には前記第一のインジェクタからの噴射量が前記第二のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御し、前記吸気バルブの開弁時に噴射する場合には前記第二のインジェクタからの噴射量が前記第一のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御する請求項1から4のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。 - 燃焼室に連通する二本以上の吸気ポートと、二本以上の前記吸気ポートの端部にそれぞれ設けられ前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気バルブと、を備えるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
二本以上の前記吸気ポートにそれぞれ設けられ、前記吸気ポートを流れる吸気に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタごとに燃料の噴射量を制御する噴射量制御手段と、
を備え、
二本以上の前記吸気ポートは、それぞれ内径が異なり、
各前記インジェクタからの燃料の噴射角は、各前記吸気ポートの内径に応じて設定されている燃料噴射制御装置。 - 二本以上の前記インジェクタは、前記吸気ポートの内径に応じて設定された噴射角を有する第一のインジェクタと、前記第一のインジェクタの噴射角よりも広角な噴射角を有する第二のインジェクタとを含み、
前記噴射量制御手段は、前記吸気バルブの閉弁時に噴射する場合には前記第一のインジェクタからの噴射量が前記第二のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御し、前記吸気バルブの開弁時に噴射する場合には前記第二のインジェクタからの噴射量が前記第一のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御する請求項6記載の燃料噴射制御装置。 - 燃焼室に連通する二本以上の吸気ポートと、二本以上の前記吸気ポートの端部にそれぞれ設けられ前記吸気ポートと前記燃焼室との間を開閉する吸気バルブと、を備えるエンジンの燃料噴射制御装置であって、
二本以上の前記吸気ポートにそれぞれ設けられ、前記吸気ポートを流れる吸気に燃料を噴射するインジェクタと、
前記インジェクタごとに燃料の噴射量を制御する噴射量制御手段と、
を備え、
二本以上の前記インジェクタは、前記吸気ポートの内径に応じて設定された噴射角を有する第一のインジェクタと、前記第一のインジェクタの噴射角よりも広角な噴射角を有する第二のインジェクタとを含み、
前記噴射量制御手段は、前記吸気バルブの閉弁時に噴射する場合には前記第一のインジェクタからの噴射量が前記第二のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御し、前記吸気バルブの開弁時に噴射する場合には前記第二のインジェクタからの噴射量が前記第一のインジェクタからの噴射量よりも多くなるよう噴射量を制御する燃料噴射制御装置。 - 二本以上の前記インジェクタは、それぞれ単位時間当たりの燃料の噴射量が概ね同一であり、
前記噴射量制御手段は、各前記インジェクタからの燃料の噴射期間を制御する請求項6から8のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。 - 前記噴射量制御手段は、各前記吸気ポートを流れる吸気の流量に応じて前記インジェクタによる燃料の噴射量を制御する請求項1から9のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。
- 前記噴射量制御手段は、各前記吸気バルブのリフト量に応じて前記インジェクタによる燃料の噴射量を制御する請求項1から10のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。
- 前記噴射量制御手段は、前記吸気バルブのリフト量が所定値以下のとき、そのリフト量が所定値以下となる吸気ポートに設けられている前記インジェクタからの燃料の噴射を停止する請求項11記載の燃料噴射制御装置。
- 前記噴射量制御手段は、二本以上の前記インジェクタからの単位時間当たりの燃料噴射回数を制御する請求項1から12のいずれか一項記載の燃料噴射制御装置。
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