JP6750321B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に、インジェクタと点火プラグとを燃焼室の天井部に備えるとともに、燃焼室からの排気を浄化する触媒(排気浄化触媒)を備える内燃機関を制御する制御装置に関する。
例えば、特許文献1には、燃焼室の天井部に配置された2つの吸気バルブと2つの排気バルブとを備えるとともに、点火プラグとインジェクタとが天井部の中央付近に配置された内燃機関が開示されている。より具体的には、特許文献1には、インジェクタが、点火プラグが設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置にて天井部の中央付近に設けられた機関構成が開示されている。
特開2005−180202号公報 特開2012−112263号公報
ところで、特許文献1に記載の機関構成を有する内燃機関において、排気浄化触媒を早期に活性化させるために、インジェクタに関する次のような追加の構成を加えたうえで、次のような燃焼制御を実行することが考えられる。すなわち、インジェクタに関する追加の構成とは、インジェクタが、点火プラグの方向に向かう燃料噴霧を有し、かつ、当該燃料噴霧の外郭面が点火プラグの電極部の下方を通るように噴孔の向きが設定されているというものである。また、ここでいう燃焼制御とは、圧縮上死点よりも進角側で第1燃料噴射を実行し、膨張行程中に位置する点火期間において点火を実行し、かつ、点火期間と少なくとも一部が重複する噴射期間を用いて当該噴射期間の終了時期が点火期間の終了時期よりも進角側となる態様で膨張行程中に第2燃料噴射を実行するというものである。インジェクタに関する追加の構成を加えつつこのような燃焼制御が実行された場合、第2燃料噴射としてインジェクタから高圧状態で噴射された燃料は、その周囲の空気を持ち去ることで低圧部を形成する(エントレインメント)。そのため、放電期間中にその噴射期間が終了するような態様で第2燃料噴射が行われると、第1燃料噴射による燃料噴霧への膨張行程での点火により生じた初期火炎が点火プラグの方向に向かう第2燃料噴射の燃料噴霧の周囲に形成された低圧部に誘引される。その結果、この低圧部に誘引された初期火炎が第2燃料噴射による燃料噴霧と接触し、これを巻き込んで成長することになる。これにより、混合気の燃焼速度が向上して燃焼を安定化させて、燃焼変動を抑えることができる。
一方、燃焼改善を目的として、燃焼室内にタンブル流が生成されるようにした内燃機関が知られている。ここでいうタンブル流は、天井部では吸気バルブ側から排気バルブ側に向かうように燃焼室内を旋回するものである。このため、特許文献1に記載の機関構成にインジェクタに関する追加の構成を加えた内燃機関においてタンブル流が生成された場合には、点火プラグの方向に向かう燃料噴霧の噴射方向と、天井部でのタンブル流の進行方向とが一致しない。その結果、上記の燃焼制御の実行中に第2燃料噴射が行われたときに、第1燃料噴射による燃料噴霧への膨張行程での点火により生じた初期火炎を気流(ここでは、タンブル流)によって第2燃料噴射による燃料噴霧に近づけることができない。この初期火炎を気流によって第2燃料噴射による燃料噴霧に近づけることができれば、誘引作用を利用した燃焼安定性の向上効果をさらに引き出すことができると考えられる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃焼室の天井部の中央付近に点火プラグが配置され、点火プラグが設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置において天井部の中央付近にインジェクタが設けられた機関構成を採用する場合であっても、このインジェクタが点火プラグの方向に向かう燃料噴霧を有し、当該燃料噴霧の外郭面が点火プラグの電極部の下方を通るように噴孔の向きが設定され、かつ、タンブル流が生成される機関構成において排気浄化触媒の活性化のための制御を行う場合に、燃焼室内に生成される気流を誘引作用のために適切に制御することで燃焼安定性を向上させられるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃焼室の天井部に配置された2つの吸気バルブおよび2つの排気バルブと、前記天井部の中央付近に配置された点火プラグを有する点火装置と、前記点火プラグが設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置において前記天井部の中央付近に配置され、前記点火プラグの方向に向かう燃料噴霧を有し、かつ、当該燃料噴霧の外郭面が前記点火プラグの電極部の下方を通るように噴孔の向きが設定されたインジェクタと、前記2つの吸気バルブのリフト量が異なるように前記2つの吸気バルブを制御可能な可変動弁機構と、前記燃焼室からの排気を浄化する排気浄化触媒と、を備え、前記燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関を制御する。前記制御装置は、燃焼制御部と、動弁制御部とを備える。前記燃焼制御部は、前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、圧縮上死点よりも進角側での第1燃料噴射が実行されるように前記インジェクタを制御し、膨張行程中に位置する点火期間において点火が実行されるように前記点火装置を制御し、かつ、前記点火期間と少なくとも一部が重複する噴射期間を用いて当該噴射期間の終了時期が前記点火期間の終了時期よりも進角側となる態様で前記膨張行程中に第2燃料噴射が実行されるように前記インジェクタを制御する。前記動弁制御部は、前記燃焼制御部による前記制御が実行される場合に、前記点火プラグから前記インジェクタに向かう気流が生成されるように、前記2つの吸気バルブのうちで前記インジェクタから遠い方の吸気バルブのリフト量が前記インジェクタに近い方の吸気バルブのリフト量よりも大きくなるように前記可変動弁機構を制御する。
本発明によれば、排気浄化触媒を活性化させる制御が実行される場合に、点火プラグからインジェクタに向かう気流が生成されるように、インジェクタから遠い方の吸気バルブのリフト量がインジェクタに近い方の吸気バルブのリフト量よりも大きくなるように可変動弁機構が制御される。これにより、燃焼室内に生成される気流を誘引作用のために適切に制御することができ、気流を利用して燃焼安定性を向上させられるようになる。
本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図である。 燃焼室を気筒の軸方向から見下ろした図である。 触媒暖機制御中のインジェクタによる各噴射期間と、点火プラグによる点火期間(電極部での放電期間)の一例を表した図である。 膨張行程噴射による初期火炎の誘引作用を説明するための図である。 誘引作用を利用する触媒暖機制御中に実行される吸気バルブのリフト量の制御を説明するための図である。 燃焼変動率およびインジェクタ−プラグ間流速のそれぞれと傾斜度との関係を表した図である。 傾斜度と吸気バルブの最大リフト量差との関係を表した図である。 本発明の実施の形態1においてECUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための図(クランク軸方向から見た図)である。図2は、燃焼室20を気筒の軸方向から見下ろした図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るシステムは、車両に搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は4ストローク1サイクルエンジンであり、複数の気筒を有している。ただし、図1には、そのうちの1つの気筒12のみが描かれている。内燃機関10は、気筒12が形成されたシリンダブロック14と、シリンダブロック14上に配置されるシリンダヘッド16と、を有している。気筒12内にはその軸方向(本実施の形態では鉛直方向)に往復動するピストン18が配置されている。内燃機関10の燃焼室20は、少なくともシリンダブロック14の壁面と、シリンダヘッド16の下面と、ピストン18の上面と、によって画定されている。
シリンダヘッド16には、燃焼室20に連通する吸気ポート22および排気ポート24が2つずつ形成されている。吸気ポート22の燃焼室20に連通する開口部には吸気バルブ26が設けられ、排気ポート24の燃焼室20に連通する開口部には排気バルブ28が設けられている。内燃機関10の排気通路(図1では、排気ポート24内の通路以外の図示省略)には、排気ポート24よりも下流側の部位に、排気浄化触媒(図示省略)が配置されている。排気浄化触媒は、一例として、活性化状態にある触媒の雰囲気がストイキ近傍にあるときに排気中の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を浄化する三元触媒が挙げられる。
吸気バルブ26の開弁特性は、吸気可変動弁機構30により変更可能である。より具体的には、吸気可変動弁機構30は、公知の構成を利用して、同一気筒に配置された2つの吸気バルブ26のリフト量が異なるようにこれらの吸気バルブ26を制御可能に構成されている。
シリンダヘッド16には、燃焼室20の天井部の中央よりもやや排気バルブ28の側の位置に、点火プラグ32が設けられている。点火プラグ32は、中心電極と接地電極とからなる電極部34を先端に備えている。また、図2に示すように、燃焼室20の中央付近であって、点火プラグ32が設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置には、先端が燃焼室20内に突き出すようにインジェクタ36が設けられている。
インジェクタ36は燃料タンク、デリバリパイプ、サプライポンプ等から構成される燃料供給系(図示省略)に接続されている。インジェクタ36の先端には複数の噴孔(図示省略)が放射状に形成されており、インジェクタ36を開弁するとこれらの噴孔から燃料が高圧状態で噴射される。インジェクタ36は、その噴孔から放射状に噴射された燃料噴霧のうち、点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧(後述の図4参照)の外郭面(以下「噴霧外郭面」ともいう。)が点火プラグ32の電極部34の下方を通るように、噴孔の向きが事前に設定されている。なお、図4に描かれる外郭線は、インジェクタ36からの燃料噴霧のうちの点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧の外郭面を表している。
また、本実施形態の内燃機関10は、一例として吸気ポート22の形状の工夫により、吸気ポート22から燃焼室20に導入された吸気にタンブル流を生成できるように構成されている。より具体的には、内燃機関10において生成されるタンブル流は、燃焼室20の天井部では吸気ポート22側から排気ポート24側に向かうように燃焼室20内を旋回するものである。
また、図1に示すように、本実施の形態に係るシステムは、電子制御ユニット(ECU)40を備えている。ECU40は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、CPU(Central Processing Unit)等を備えている。ECU40は、車両に搭載された各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、ピストン18に接続されたクランク軸の回転角度を検出するクランク角センサ42と、車両の運転者によるアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ44と、内燃機関10の冷却水温(以下「エンジン冷却水温」ともいう。)を検出する温度センサ46と、が少なくとも含まれている。ECU40は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムに従って各種アクチュエータを操作する。ECU40によって操作されるアクチュエータには、上述したインジェクタ36と点火装置(点火プラグ32以外の構成要素は図示省略)とが少なくとも含まれている。
[エンジン始動時の制御]
本実施の形態では、図1に示したECU40による内燃機関10の冷間始動直後の制御として、排気浄化触媒の活性化を促進する制御(以下「触媒暖機制御」ともいう。)がファストアイドリング(FI)運転時に行われる。ECU40によって実行される触媒暖機制御について、図3および図4を参照して説明する。
図3は、触媒暖機制御中のインジェクタ36による各噴射期間と、点火プラグ32による点火期間(電極部34での放電期間)の一例を表した図である。図3に示すように、触媒暖機制御中は、インジェクタ36による1回目の燃料噴射(第1燃料噴射)が吸気行程において行われ、圧縮上死点よりも後の膨張行程において、1回目の燃料噴射に比べて少量の2回目の燃料噴射(第2燃料噴射)が行われる。以下の説明においては、1回目の燃料噴射(第1燃料噴射)を「吸気行程噴射」とも称し、2回目の燃料噴射(第2燃料噴射)を「膨張行程噴射」とも称す。なお、本実施形態では、一例として、吸気行程噴射と膨張行程噴射も含めた全燃料による空燃比が理論空燃比になるように各行程での燃料噴射量が決められる。このため、吸気行程噴射によって生成された混合気の空燃比は理論空燃比よりもややリーンとなる。なお、第1燃料噴射は、吸気行程噴射に代え、あるいはそれとともに圧縮行程において行われる燃料噴射であってもよい。また、第1燃料噴射は、複数回に分割して行われてもよい。
また、図3に示すように、触媒暖機制御中は、点火プラグ32による点火期間の開始時期(放電開始時期)が、圧縮上死点よりも遅角側に設定される。なお、図3においては、点火期間の開始時期よりも遅角側で膨張行程噴射が行われているが、膨張行程噴射が点火期間の開始時期よりも進角側で開始されてもよい。より具体的には、後述する誘引作用を得るためには、膨張行程噴射の噴射期間の少なくとも一部が点火期間と重複し、かつ、膨張行程噴射の終了時期が点火期間の終了時期よりも進角側に位置している必要がある。なお、この条件を満たすようになっていれば、膨張行程噴射(第2燃料噴射)は複数回に分割して行われてもよい。
(膨張行程噴射による誘引作用)
図4は、膨張行程噴射による初期火炎の誘引作用を説明するための図である。図4は、図2中に示すA−A線で切断された燃焼室20周りの構成を模式的に表した図に相当する。図4には、点火プラグ32による点火期間中に電極部34で生じている放電火花、および、吸気行程噴射による燃料噴霧とこの放電火花が接触することで生じた初期火炎(火炎核)が描かれている。また、図4には、膨張行程噴射による燃料噴霧のうち、点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧のみが描かれている。
図4に示すように膨張行程噴射が行われると、燃料噴霧の周囲には低圧部が形成される。このため、膨張行程中に形成された電極部34の放電火花から生じた初期火炎は、図4に示すように、電極部34の下方を通る燃料噴霧によって誘引される。膨張行程噴射の燃料噴霧によって、燃焼室20内には空燃比が理論空燃比よりもややリッチでかつ乱れの大きい領域ができている。燃料噴霧によって誘引された初期火炎がこの領域まで到達することで、火炎は一気に成長して燃焼が急速に進行する。これにより、このような膨張行程噴射を伴わない例と比べ、混合気の燃焼速度が向上して燃焼が安定化し、ドライバビリティに悪影響を及ぼすサイクル間の燃焼変動が抑制される。
(筒内気流を利用した誘引作用の促進)
上述のように、内燃機関10で前提として生成される筒内気流は、燃焼室20の天井部では吸気ポート22側から排気ポート24側に向かうように燃焼室20内を旋回するタンブル流である。一方、インジェクタ36は、点火プラグ32が設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置に設けられている。したがって、この形状のタンブル流とインジェクタ36の配置との組み合わせによれば、膨張行程噴射により点火プラグ32の方向に向かう燃料噴霧の噴射方向と、天井部でのタンブル流の進行方向とが一致しない。その結果、触媒暖機制御の実行中に吸気行程噴射による燃料噴霧への膨張行程での点火により生じた初期火炎を、タンブル流によって膨張行程噴射による燃料噴霧に近づけることができない。しかしながら、この初期火炎を何らかの筒内気流によって膨張行程噴射による燃料噴霧に近づけることができれば、誘引作用を利用した燃焼安定性の向上効果をさらに引き出すことができると考えられる。
図5は、誘引作用を利用する触媒暖機制御中に実行される吸気バルブ26のリフト量の制御を説明するための図である。図5(B)は、図5(A)中のB−B線(図2中のA−A線と同じ)で切断された燃焼室20周りの構成を模式的に表したものである。
本実施形態では、上述のように前提として生成されるようになっているタンブル流をベースの流れとして、触媒暖機制御中に燃焼室20の天井部にて点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流を生成させられるように吸気可変動弁機構30が制御される。具体的には、インジェクタ36から遠い方(図5(A)では右側)の吸気バルブ26のリフト量をインジェクタ36に近い方(図5(A)では左側)の吸気バルブ26のリフト量よりも大きくすることとした。より詳細に説明すると、ここでいうリフト量とは、吸気バルブ26の1回の開閉期間中に得られる最大リフト量のことである。
上述の態様で同一気筒内の2つの吸気バルブ26に対してリフト量差(最大リフト量差)を設けることで、ベースのタンブル流に対して図5(A)では反時計周りのスワール流成分を加えることができる。その結果、タンブル流の旋回軸が傾斜するので、タンブル流を傾斜させられるようになる。以下、このように旋回軸が傾斜したタンブル流を「斜めタンブル流」とも称する。また、このようにタンブル流にスワール流成分が加えられたときには、気筒の軸方向から見てスワール流成分の渦中心が気筒中心から吸気側(IN側)もしくは排気側(EX側)にオフセットする。このため、後述の傾斜度を適切に設定することで、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流を適切に生成できるようになる。
ここで、スワール比(スワール流の角速度/エンジン回転速度)に対するタンブル比(タンブル流の角速度/エンジン回転速度)の比(タンブル比/スワール比)を「傾斜度」と称する。この定義によれば、傾斜度は、タンブル流が生成されずにスワール流のみが生成されている場合にゼロとなり、スワール比に対してタンブル比が相対的に大きくなるほど高くなる。この傾斜度を以下に図6および図7を参照して説明する手法を用いて適切に設定することで、図5(A)に示すように、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう斜めタンブル流を生成させられるようになる。その結果、図5(B)に示すように、斜めタンブル流によって放電火花および初期火炎を膨張行程噴射による燃料噴霧に近づけることができる。このため、筒内気流(斜めタンブル流)を利用して誘引作用を促進させられるので、燃焼安定性をより向上させることができる。
図6は、燃焼変動率およびインジェクタ−プラグ間流速のそれぞれと傾斜度との関係を表している。図7は、傾斜度と吸気バルブ26の最大リフト量差との関係を表している。傾斜度を変更することで、点火プラグ32およびインジェクタ36の付近を流れる気流の向きを変更することができる。傾斜度の変更は、吸気バルブ26の最大リフト量差(インジェクタ36から遠い方の吸気バルブ26の最大リフト量から、インジェクタ36に近い方の吸気バルブ26の最大リフト量を引いて得られる差)を変更することで行うことができる。より具体的には、図7に示すように、最大リフト量差が大きくなるほど傾斜度が高くなる。
図6に示すように、傾斜度が高くなるにつれ、インジェクタ36と点火プラグ32との間のガスの流速が高くなる。一方、燃焼変動率は、傾斜度に対して下に凸の曲線となり、ある傾斜度Aにおいて最小値を示す。誘引作用を利用しつつ膨張行程での点火および燃料噴射を行う構成を採用した場合、誘引作用がより効果的に得られると、燃焼安定性が向上する(すなわち、燃焼変動率が低下する)。そして、誘引作用は、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流が適切に得られているときに、最も効果的に得られるはずである。したがって、燃焼変動率が最小値を示す傾斜度Aの付近において、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流(斜めタンブル流)が適切に得られていると判断することができる。このため、図6に示す関係を実験やシミュレーション等により取得することで、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流が得られる傾斜度Aを把握できる。そして、図7に示す関係を実験やシミュレーション等により取得することで、傾斜度Aを実現するために必要な吸気バルブ26の最大リフト量差Bを把握できる。そして、触媒暖機制御の実行中に最大リフト量差Bが実現されるように吸気可変動弁機構30を制御することで、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流が得られるようになる。
[実施の形態1における具体的な処理]
図8は、本発明の実施の形態1においてECU40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、この図8に示すルーチンは、内燃機関10の始動直後に起動されるものとする。
図8に示すルーチンでは、ECU40は、まず、エンジン冷却水温等に基づいて、触媒暖機モードを伴うファストアイドリング(FI)運転を実施すべき状況であるか否かを判定する(ステップ100)。その結果、本ステップ100の判定が成立する場合には、ECU40は、上述の図7に示す吸気バルブ26の最大リフト量差Bが実現されるように吸気可変動弁機構30を制御する(ステップ102)。
次に、ECU40は、上述の図2に示す態様での吸気行程噴射ならびに膨張行程中の点火および燃料噴射を、FI燃焼制御(触媒暖機制御)として実行する(ステップ104)。次いで、ECU40は、触媒暖機モードの終了条件が成立するか否かを判定する(ステップ106)。この終了条件の成立は、例えば、触媒暖機モードの開始後に積算吸入空気量が所定値に到達したか否かに基づいて判断することができる。
以上説明した図8に示すルーチンの処理によれば、誘引作用を利用する触媒暖機制御の実行中に、インジェクタ36から遠い方の吸気バルブ26の最大リフト量がインジェクタ36に近い方の吸気バルブ26の最大リフト量よりも大きくなるという態様で同一気筒内の2つの吸気バルブ26の最大リフト量に差が設けられることで、点火プラグ32からインジェクタ36に向かう気流となるようにタンブル流が変更される。これにより、筒内気流(斜めタンブル流)を利用して誘引作用を促進させられるので、燃焼安定性をより向上させることができる。
10 内燃機関
12 気筒
14 シリンダブロック
16 シリンダヘッド
18 ピストン
20 燃焼室
22 吸気ポート
24 排気ポート
26 吸気バルブ
28 排気バルブ
30 吸気可変動弁機構
32 点火プラグ
34 電極部
36 インジェクタ
40 電子制御ユニット(ECU)
42 クランク角センサ
44 アクセル開度センサ
46 温度センサ

Claims (1)

  1. 燃焼室の天井部に配置された2つの吸気バルブおよび2つの排気バルブと、
    前記天井部の中央付近に配置された点火プラグを有する点火装置と、
    前記点火プラグが設けられた位置よりもクランク軸方向におけるシリンダボアの外周側の位置において前記天井部の中央付近に配置され、前記点火プラグの方向に向かう燃料噴霧を有し、かつ、当該燃料噴霧の外郭面が前記点火プラグの電極部の下方を通るように噴孔の向きが設定されたインジェクタと、
    前記2つの吸気バルブのリフト量が異なるように前記2つの吸気バルブを制御可能な可変動弁機構と、
    前記燃焼室からの排気を浄化する排気浄化触媒と、
    を備え、前記燃焼室内にタンブル流が生成される内燃機関を制御する制御装置であって、
    前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、圧縮上死点よりも進角側での第1燃料噴射が実行されるように前記インジェクタを制御し、膨張行程中に位置する点火期間において点火が実行されるように前記点火装置を制御し、かつ、前記点火期間と少なくとも一部が重複する噴射期間を用いて当該噴射期間の終了時期が前記点火期間の終了時期よりも進角側となる態様で前記膨張行程中に第2燃料噴射が実行されるように前記インジェクタを制御する燃焼制御部と、
    前記燃焼制御部による前記制御が実行される場合に、前記点火プラグから前記インジェクタに向かう気流が生成されるように、前記2つの吸気バルブのうちで前記インジェクタから遠い方の吸気バルブのリフト量が前記インジェクタに近い方の吸気バルブのリフト量よりも大きくなるように前記可変動弁機構を制御する動弁制御部と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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