以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、マイクロポンプにおいて、ガス発生剤を含む従来のガス発生材(接着剤組成物)を接着対象部材に接着したときに、初期接着力及び初期アンカー力が低かったり、ガス発生剤から発生したガスが意図しない領域に移動又は滞留しやすく、マイクロ流路にガスが十分に供給されなかったりすることを見出した。さらに、本発明者らは、マイクロ流路にガスを十分に供給するためには、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力を高める必要があることを見出した。
さらに、本発明者らは、従来のガス発生剤を含むガス発生材を接着対象部材に接着したときに、初期接着力及び初期アンカー力がたとえ高くても、ガス発生材においてガスが発生したときに、接着力及びアンカー力が大きく低下して、ガス発生材の接着対象部材からの剥離が生じやすくなることを見出した。この原因は、ガス発生剤から発生したガスが、ガス発生材と接着対象部材との接着界面などの意図しない領域に移動又は滞留するためであると考えられる。
このような新たな知見に基づき、本発明者らは、ガス発生材においてガスが発生したときに、接着力及びアンカー力の低下を抑えることができ、ガス発生材の接着対象部材からの剥離を生じ難くすることができる構成を見出した。
本発明に係るガス発生材は、アジド基を複数有するアジド化合物及び炭素−炭素二重結合を有するポリマーを配合して得られるガス発生剤と、アクリル系粘着剤とを含む。
本発明に係るガス発生材では、上述した構成が備えられているため、ガス発生材を接着対象部材に接着したときに、初期接着力及び初期アンカー力を高めることができる。さらに、本発明に係るガス発生材では、上述した構成が備えられているため、ガス発生剤から発生したガスが適度な速度で放出される。この結果、ガス発生材を接着対象部材に接着した後に、ガス発生材においてガスが発生しても、接着力及びアンカー力を低下し難くすることができる。このため、使用前及び使用中に、ガス発生材の接着対象部材からの剥離を生じ難くすることができる。
以下、マイクロポンプを例にとり、ガス発生材の接着対象部材からの剥離を生じ難くすることができる理由を具体的に説明する。
ガス発生材中での従来のガス発生剤の配合量を多くすると(例えば50質量%)、またガス発生剤が常温で液状であって流動性が高すぎると、ガス発生材の接着力及びアンカー力が不足しやすい。このようなガス発生材に光などの外部刺激を与えると、ガス発生剤から発生したガスによって、接着力及びアンカー力が低くなりやすく、保持力が特に低くなりやすい。
また、ガス発生材が基材に貼り付けられたマイクロポンプポンプでは、ガス発生材に光などの外部刺激を与えると、発生したガスが、基材に形成されたマイクロ流路から所定の領域に移動することで、ポンプとして機能する。しかし、マイクロポンプでは、マイクロ流路における逆流を防ぐために、逆止弁が設けられており、更に少量のガスが精度よく流れるように、マイクロ流路は、非常に小さい流路径で形成されている。従って、マイクロ流路とガスが押し出す液体の流路との抵抗は大きい。マイクロポンプでは、このような抵抗を受けても、ガス発生材が基材から剥離せずに、ガスによって液体を押し出すことが可能である必要がある。
ここで、アクリル系粘着剤における架橋密度などを調整することで、ガス発生材の基材からの剥離を抑制することが考えられる。しかし、アクリル系粘着剤の架橋密度を調整しただけでは、ガス発生材の基材からの剥離を十分に抑制することは困難である。
これに対して、本発明者らは、上述した特定のガス発生剤を用いることで、ガス発生材の基材からの剥離を抑えることができることを見出した。本発明に係るガス発生材の使用により、マイクロポンプにおいて抵抗を受けても、ガス発生材が基材から剥離せずに、ガスによって液体を良好に押し出すことが可能になる。
アジド基を複数有するアジド化合物及び炭素−炭素二重結合を有するポリマーを配合すると、アジド基と炭素−炭素二重結合との反応が、室温でも進行する。アジド基を複数有するアジド化合物のアジド基の一部に、炭素−炭素二重結合を有するポリマーにおける炭素−炭素二重結合を反応させることで、架橋反応が進行する。従って、上記ガス発生剤を含む上記ガス発生材において、接着力及びアンカー力を高めることができる。この結果、ガスの意図しない領域への漏れを防ぐことができ、基材に形成されたマイクロ流路を通じて、ガスを所定の箇所に移動させることができる。
上記ガス発生剤では、上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとが反応していることが好ましい。上記ガス発生剤では、上記アジド化合物におけるアジド基の一部が、上記ポリマーにおける上記炭素−炭素二重結合と反応していることが好ましい。上記ガス発生剤は全体で、ガスを発生させるために、アジド基を有する。
本発明に係るガス発生材を得るために、上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合して上記ガス発生剤を得る工程と、得られた上記ガス発生剤と上記アクリル系粘着剤とを配合する工程とが行われてもよい。本発明に係るガス発生材を得るために、上記アジド基を複数有するアジド化合物及び上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーの内の少なくとも一方を、上記アクリル系粘着剤と配合してもよい。例えば、上記アクリル系粘着剤中に、上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合して、上記アクリル系粘着剤中で、上記ガス発生剤を得る工程が行われてもよい。
上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを効率的に反応させ、かつガス発生剤の接着対象物からの剥離をより一層抑える観点からは、上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合して上記ガス発生剤を得た後、得られた上記ガス発生剤と上記アクリル系粘着剤とを配合することが好ましい。
上記ガス発生剤のゲル分率は、好ましくは30質量%以上、好ましくは100質量%以下である。上記ガス発生剤の膨潤度は、好ましくは110%以上、好ましくは500%以下である。なお、上記ゲル分率及び上記膨潤度はそれぞれ、後述する実施例などの評価欄に記載の方法で測定される。
上記ガス発生材は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。上記ガス発生材は、第三級アミンを含むことが好ましい。上記ガス発生材は、光増感剤を含むことが好ましい。上記ガス発生材は、タッキファイヤーを含むことが好ましい。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
また、実施形態において参照する図面は、模式的に記載されており、図面に描画された物体の寸法の比率等は、現実の物体の寸法の比率等とは異なる場合がある。具体的な物体の寸法の比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。図1に示すマイクロポンプ1は、板状の基材10を備える。基材10を構成する材料としては、樹脂、ガラス及びセラミックス等が挙げられる。基材10を構成する樹脂としては、有機シロキサン化合物、ポリメタクリレート樹脂及びポリオレフィン樹脂等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。上記有機シロキサン化合物の具体例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)及びポリメチル水素シロキサン等が挙げられる。
基材10には、主面10aに開口しているマイクロ流路10bが形成されている。
「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体に所謂マイクロ効果が発現する形状寸法に形成されている流路をいう。具体的には、「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体が、表面張力と毛細管現象との影響を強く受け、通常の寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す形状寸法に形成されている流路をいう。
主面10aの上には、フィルム状のガス発生材11aが貼り付けられている。ガス発生材11aは、マイクロポンプ用ガス発生材である。マイクロ流路10bの開口は、ガス発生材11aにより覆われている。このため、ガス発生材11aに光又は熱等の外部刺激が加わることによりガス発生材11aから発生したガスは、マイクロ流路10bに導かれる。
ガス発生材11aの厚みは特に限定されない。ガス発生材11aの厚みは好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、好ましくは5mm以下、より好ましくは500μm以下である。
ガス発生材11aは、ガスバリア層12により覆われている。ガスバリア層12により、ガス発生材11aにおいて発生したガスが、主面10aとは反対側に流出することが抑えられ、マイクロ流路10bに効率的に供給される。このため、ガスバリア層12は、ガス発生材11aにおいて発生したガスの透過性が低い層であることが好ましい。
ガスバリア層12を構成する材料としては、ポリアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及びガラス等が挙げられる。
ガスバリア層12の厚みは、ガスバリア層12の材質等によって適宜変更でき、特に限定されない。ガスバリア層12の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは25μm以上、好ましくは1mm以下、より好ましくは100μm以下である。光を透過させる場合に、ガスバリア層12は、紫外線領域の光の減衰が起きにくい層であることが好ましい。
ガス発生材11aは、フィルムであることが好ましい。なお、フィルムにはテープ及びシートが含まれる。
マイクロポンプ1において、光の照射により、ガス発生材11aからガスを発生させるためには、例えば、光照射装置21からガス発生材11aに向かって矢印Xで示す方向に光を照射する。ガス発生材11aは上述した構成を有するので、ガス発生材11aと接着対象部材である基材10との接着界面の領域Rに、ガス発生剤から発生したガスが移動又は滞留し難くなり、接着力及びアンカー力の低下を抑制することができる。また、ガス発生材11aは透明性に優れているので、ガス発生材11aに至った光がガス発生材11aの内部を効率的に通過する。
以下、上記ガス発生材に用いられる各成分の詳細を説明する。
(アクリル系粘着剤)
上記ガス発生材は上記アクリル系粘着剤を含む。上記ガス発生材が上記アクリル系粘着剤を含むことによって、上記ガス発生材を基材などの接着対象部材に接着させることができる。さらに、上記ガス発生材が上記アクリル系粘着剤を含むことによって、上記ガス発生材を錠剤状、微粒子状及びフィルム状等の形態とすることが容易になる。上記ガス発生材が錠剤状、微粒子状及びフィルム状等の形態であると、上記ガス発生材を接着対象部材に容易に接着させることができる。また、上記ガス発生剤を上記ガス発生材中に強固に保持することができる。上記アクリル系粘着剤は、上記ガス発生材において、バインダー樹脂として用いることができる。上記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。上記アクリル系粘着剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アクリル系粘着剤は特に限定されない。上記アクリル系粘着剤として、上記ガス発生剤を上記ガス発生材中に保持することが可能である適宜のアクリル系粘着剤が用いられる。上記アクリル系粘着剤として、ポリ(メタ)アクリレート等の高分子材料を用いることができる。この高分子材料を構成するモノマーの共重合体を用いてもよい。すなわち、上記アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル重合体であることが好ましい。なお、上記(メタ)アクリル重合体には、(メタ)アクリル共重合体が含まれる。
上記アクリル系粘着剤のSP値は好ましくは7以上、好ましくは10.5以下である。上記アクリル系粘着剤のSP値が上記下限以上及び上記上限以下であると、アクリル系粘着剤とガス発生剤との相溶性がより一層良好になる。
上記アクリル系粘着剤におけるSP値(溶解度パラメータ)は、Fedors法(R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.,14,147(1974))を用いて算出可能である。
上記ポリ(メタ)アクリレートを構成する(メタ)アクリレートモノマーは、鎖状化合物及び環状化合物のいずれであってもよい。上記鎖状化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−メチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。上記環状化合物としては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。これらのなかでも、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
上記ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリレートモノマーと、(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよい。上記ビニルモノマーとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、カルボキシアルキル(メタ)アクリレート類(カルボキシエチルアクリレートなど)のカルボキシル基含有ビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどの水酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレートなどの窒素含有ビニルモノマー等が挙げられる。上記ビニルモノマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記(メタ)アクリレートモノマーと上記ビニルモノマーとの組合せとしては、特に限定されず、(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリル酸とN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドとの組合せ等が挙げられる。(メタ)アクリレートモノマーとビニルモノマーとの共重合比(質量比)は、98:2〜51:49の範囲内であることが好ましい。
ガスの発生効率をより一層高めるために、上記ポリ(メタ)アクリレートは、ポリメチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリル酸共重合体、及び(メタ)アクリル酸ブチル・(メタ)アクリルアミド共重合体からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。また、ガスの発生効率を更に一層高めるために、上記ポリ(メタ)アクリレートは、アミノ基又はカルボニル基を有することが好ましい。
上記アクリル系粘着剤は、紫外光吸収帯を有することが好ましい。上記アクリル系粘着剤の紫外光吸収帯は、ガス発生剤及び光増感剤の紫外光吸収帯よりも短波長であることが好ましい。
上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは60万以上、好ましくは200万以下、より好ましく160万以下である。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量が上記下限以上であると、アクリル系粘着剤自体の凝集力の低下が抑えられ、上記ガス発生剤及び上記タッキファイヤーを上記ガス発生材中に、強固に保持することができる。上記アクリル系粘着剤の重量平均分子量が上記上限以下であると、上記ガス発生材を各種の形態に加工することが容易になる。
上記アクリル系粘着剤は、粘着性を有するので、上記マイクロポンプに上記ガス発生材を容易に配置することができる。例えば、粘着性を有するフィルム状のガス発生材は、上記マイクロポンプの基板面又は基板内部の壁面に容易に貼り付けることができる。
上記ガス発生剤100質量部に対して、上記アクリル系粘着剤の含有量は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、好ましくは300質量部以下、より好ましくは200質量部以下、更に好ましくは150質量部以下である。
(ガス発生剤)
上記ガス発生材は、上記アジド基を複数有するアジド化合物と、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合して得られるガス発生剤を含む。上記ガス発生剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記ガス発生剤を得るために、上記アジド基を複数有するアジド化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記ガス発生剤を得るために、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、炭素−炭素二重結合を複数有するポリマーであることが好ましく、側鎖に炭素−炭素二重結合を有することが好ましく、側鎖に炭素−炭素二重結合を複数有することがより好ましい。側鎖に位置する炭素−炭素二重結合は、アジド基と効率的に反応する。上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、側鎖と末端との双方に、炭素−炭素二重結合を有していてもよい。
上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、上記炭素−炭素二重結合を含む基として、ビニル基、及び(メタ)アクリロイル基の内の少なくとも一方を有することが好ましい。上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、炭素−炭素二重結合を含む基を、複数種有することが好ましい。上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、上記炭素−炭素二重結合を含む基として、ビニル基、及び(メタ)アクリロイル基の双方を有することが好ましい。
上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基を複数有することが好ましく、末端に(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、末端に(メタ)アクリロイル基を複数有することが好ましい。
上記ガス発生材を得る際の反応効率がより一層高くなることから、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、ビニル基を有することが好ましく、ビニル基を複数有することが好ましい。上記ポリマーは、ビニル基を末端に有していてもよく、側鎖に有していてもよい。
上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーの重量平均分子量は、好ましくは500以上、好ましくは50000以下、より好ましくは30000以下である。上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、下記式(1)で表される構造単位を複数有するポリマーであることが好ましい。上記炭素−炭素二重結合を有するポリマーは、下記式(1)で表される構造単位をモノマー単位として有することが好ましい。
上記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し、Mは、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有する2価の脂肪族有機基を表す。
上記式(1)中、R1とR2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(1)中のR1及びR2が表す上記脂肪族有機基はそれぞれ、脂肪族炭化水素基に、エーテル結合、エステル結合、アミド結合及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を含む基が結合した脂肪族有機基であってもよい。
上記式(1)中のR1及びR2が表す上記2価の脂肪族有機基の炭素数は、好ましくは5以上、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。上記式(1)中、Mは、エーテル結合、エステル結合、及びウレタン結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を有する2価の脂肪族有機基であることが好ましい。
上記式(1)で表される構造単位を複数有するポリマーは、例えば、水酸基を複数有するポリマーと、水酸基と反応する基及び不飽和二重結合を有する化合物とを反応させる方法などにより、容易に合成することができる。上記水酸基と反応する基としては、イソシアネート基等が挙げられる。
上記式(1)で表される構造単位を複数有するポリマーにおいて、上記式(1)で表される構造単位の数は、好ましくは5以上、好ましくは500以下である。上記式(1)で表される構造単位の数は、300以下であってもよい。上記式(1)で表される構造単位を複数有するポリマーにおいて、上記式(1)で表される構造単位は、ランダムに結合されていてもよいし、ブロックで結合されていてもよい。
上記式(1)中、Mが、下記式(2)で表される構造単位、又は下記式(3)で表される構造単位であることが好ましい。
上記式(2)中、左側部分が上記式(1)中で上側部分と結合しており、右側部分が上記式(1)中で下側部分と結合しており、X1及びX2はそれぞれ、炭素数1〜8の2価の脂肪族有機基を表す。
上記式(3)中、左側部分が上記式(1)中で上側部分と結合しており、右側部分が上記式(1)中で下側部分と結合しており、nは1〜4の整数を示す。
上記式(2)中、X1とX2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(2)中、X1及びX2が表す上記2価の脂肪族有機基の炭素数はそれぞれ、好ましくは2以上、好ましくは4以下である。上記式(2)中、X1及びX2が表す上記2価の脂肪族有機基はそれぞれ、2価の脂肪族炭化水素基であってあってもよく、脂肪族炭化水素基にエーテル結合を含む基が結合した2価の脂肪族有機基であってもよい。上記式(2)中、X1及びX2が表す上記2価の脂肪族有機基はそれぞれ、2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
上記式(3)中、nは2以上の整数であることが好ましい。
上記アジド化合物としては、例えば、グリシジルアジドポリマー、スルフォニルアジド基又はアジドメチル基を有するアジド化合物が挙げられる。上記アジド化合物は、スルフォニルアジド基又はアジドメチル基を有することが好ましい。上記アジド化合物は、スルフォニルアジド基を有することが好ましく、アジドメチル基を有することも好ましい。
上記アジド基を複数有する化合物は、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物、下記式(6)で表される化合物、又は下記式(7)で表される化合物であるであることが好ましい。
上記式(4)中、nは、10〜50の整数を表し、m+lは、1〜10の整数を表す。
上記式(5)中、r+s+t+uは、10〜50の整数を表す。
上記式(6)中、nは1〜20の整数を表す。
上記式(7)中、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ、1〜10の整数を表す。
上記式(4)中のnとmとlとは同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記式(5)中、rとsとtとuとは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(5)中、r+s+t+uは、好ましくは15以上の整数、好ましくは30以下の整数である。
上記式(6)中、nは好ましくは2以上の整数、好ましくは8以下の整数である。
上記式(7)中、n1とn2とn3とn4とは同一であってもよく、異なっていてもよい。上記式(7)中、n1、n2、n3及びn4はそれぞれ、好ましくは3以上の整数、より好ましくは4以上の整数、好ましくは8以下の整数である。
上述したアジド化合物は、特定の波長域の光、熱、超音波又は衝撃等の外部刺激を受けることにより分解して、窒素ガスを発生させる。
上記ガス発生剤において、上記炭素−炭素二重結合を有するポリマー1質量部に対して、上記アジド基を複数有するアジド化合物を、1質量部以上配合することが好ましく、5質量部以上配合することが好ましく、10量部以上配合することが好ましい。
(タッキファイヤー)
上記ガス発生材は、上記タッキファイヤーを含むことが好ましい。上記タッキファイヤーの使用により、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力がより一層高くなる。また、ガス発生材の透明性をより一層高める観点からは、上記タッキファイヤーのハーゼン色数は200以下であることが好ましい。上記タッキファイヤーと他の成分との相溶性をより一層高めて、ガス発生材の透明性をより一層高める観点からは、上記タッキファイヤーのSP値は8.5以上であることが好ましい。
透明性により一層優れたガス発生材を得る観点からは、上記タッキファイヤーの上記ハーゼン色数は低いほどよい。上記タッキファイヤーの上記ハーゼン色数はより好ましくは100以下、更に好ましくは50以下である。
上記ハーゼン色数は、JIS K0071−1に準拠して測定される。上記ハーゼン色数は、例えば、コニカミノルタ社製の色彩色素計CT−5等を用いて測定可能である。
透明性により一層優れたガス発生材を得る観点からは、上記タッキファイヤーの上記SP値は高いほどよい。上記タッキファイヤーの上記SP値はより好ましくは8.8以上である。上記タッキファイヤーの上限は特に限定されない。
上記タッキファイヤーにおけるSP値は、下記式(11)におけるHoyの定数より求められる。
δ=D・ΣG/M ・・・(11)
δ:溶解度パラメーター
D:密度
G:各官能基の分子引力定数
M:分子量
上記タッキファイヤーとしては、ロジン樹脂、テルペン樹脂、スチレン樹脂及び石油樹脂等が挙げられる。
ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力をより一層高くし、ガス発生材におけるガスの発生に伴う接着力及びアンカー力の低下をより一層抑制する観点からは、上記タッキファイヤーは、ロジン樹脂であることが好ましく、ロジンエステル樹脂であることがより好ましい。上記タッキファイヤーは、(メタ)アクリロイル基を有していなくてもよい。
上記ロジン樹脂は、ロジン又はロジン誘導体をベースとする樹脂である。上記ロジン樹脂の好ましい例としては、ロジン、酸変性ロジン、ロジン含有ジオール、ロジンエステル、水添ロジンエステル及びマレイン酸変性ロジンエステル等が挙げられる。上記酸変性ロジンとして、例えば、アクリル酸変性ロジンが挙げられる。
上記テルペン樹脂は、テルペン化合物又はテルペン化合物の誘導体をベースとする樹脂である。上記テルペン樹脂としては、変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
上記スチレン樹脂は、スチレン化合物又はスチレン化合物の誘導体をベースとする樹脂である。上記スチレン樹脂としては、変性スチレン樹脂及びフェノール性アルファメチルスチレン等が挙げられる。
ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力を効果的に高める観点からは、上記タッキファイヤーの水酸基価が20以上であることが好ましく、上記タッキファイヤーがロジンエステル樹脂であり、かつ上記ロジンエステル樹脂の水酸基価が20以上であることがより好ましい。
上記タッキファイヤーを用いる場合には、上記ガス発生材において、上記ガス発生剤100質量部に対して、上記タッキファイヤーの含有量は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、好ましくは50質量部以下、より好ましくは35質量部以下、更に好ましくは25質量部以下、特に好ましくは20質量部以下、最も好ましくは15質量部以下である。特に、ロジン樹脂又はロジンエステル樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。上記タッキファイヤーの含有量が上記下限以上であると、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力がより一層高くなる。さらに、上記タッキファイヤーの含有量が上記上限以下であると、ガス発生材の透明性がより一層高くなり、更に余剰の上記タッキファイヤーによるガス発生量の低下がより一層抑えられる。
(シランカップリング剤)
上記ガス発生材は、シランカップリング剤を含むことが好ましい。上記シランカップリング剤の使用により、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力がより一層高くなる。特に、上記タッキファイヤーと上記シランカップリング剤との併用は、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力の向上に大きく寄与する。さらに、上記タッキファイヤーと上記シランカップリング剤との併用は、ガス発生材におけるガスの発生に伴う接着力及びアンカー力の低下の抑制に大きく寄与する。上記シランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤は、アミノ基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。上記アミノ基を有するシランカップリング剤の使用により、上記ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力が高くなるだけでなく、シランカップリング剤を用いたことに伴う上記ガス発生材から発生するガスの発生量の低下を抑えることもできる。但し、上記シランカップリング剤は、アミノ基を有さないシランカップリング剤であってもよい。上記アミノ基を有するシランカップリング剤は、第三級アミンではないことが好ましい。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤の具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これら以外のアミノ基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。上記アミノ基を有するシランカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記アミノ基を有さないシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するシランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するシランカップリング剤、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
上記シランカップリング剤を用いる場合には、上記ガス発生材において、上記ガス発生剤100質量部に対して、上記シランカップリング剤の含有量は、好ましくは0.0001質量部以上、より好ましくは0.0003質量部以上、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。特に、アミノ基を有するシランカップリング剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であることが好ましい。上記シランカップリング剤の含有量が上記下限以上であると、ガス発生材の接着対象部材に対する初期接着力及び初期アンカー力がより一層高くなる。上記シランカップリング剤の含有量が上記上限以下であると、余剰の上記シランカップリング剤によるガス発生量の低下がより一層抑えられる。
(第三級アミン)
上記ガス発生材は、第三級アミンを含むことが好ましい。上記第三級アミンは特に限定されない。上記第三級アミンとしては、環状アミン、トリアルキルアミン及び芳香族アミン等が挙げられる。上記環状アミン及び上記芳香族アミンはそれぞれ、第三級アミンの構造を有する。上記第三級アミンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ガス発生材は、環状アミン、トリアルキルアミン、及び芳香族アミンからなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。上記第三級アミンは、環状アミンであることが好ましく、トリアルキルアミンであることが好ましく、芳香族アミンであることも好ましい。上記環状アミンは、芳香族骨格を除く環状骨格を有し、芳香族骨格を有さない。上記トリアルキルアミンは、環状骨格及び芳香族骨格を有さない。上記芳香族アミンは、芳香族骨格を有し、芳香族骨格を除く環状骨格を有さない。
上記環状アミンの炭素数は、好ましくは6以上、好ましくは20以下である。上記環状アミンの具体例としては、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、及びジアザビシクロノネン(DBN)等が挙げられる。
上記トリアルキルアミンの3つのアルキル基は同一であってもよく、異なっていてもよい。上記トリアルキルアミンの3つのアルキル基の炭素数はそれぞれ1以上、好ましくは2以上、好ましくは20以下、より好ましくは6以下である。上記トリアルキルアミンの具体例としては、トリメチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルプロピルアミン、トリプロピルアミン及びトリブチルアミン等が挙げられる。
上記芳香族アミンの具体例としては、N,N−ジメチルアミノトルイジン、N,N−ジエチルアミノトルイジン、N,N−ジメチルアミノベンゼン、N,N−ジエチルアミノベンゼン、及びN,N、N’N’−テトラメチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
上記第三級アミンを用いる場合には、上記ガス発生剤100質量部に対して、上記第三級アミンの含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。上記第三級アミンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記ガス発生材における単位時間あたりのガス発生量が効果的に多くなり、保存安定性が効果的に高くなる。
(光増感剤)
上記ガス発生材は、光増感剤を含むことが好ましい。上記光増感剤は、ガス発生剤への光による刺激を増幅する効果を有する。よって、上記ガス発生材が光増感剤を含むことにより、少ない光照射量によって、ガスを発生させ、放出させることができる。また、より広い波長領域の光によって、ガスを発生させ、放出させることができる。上記光増感剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光増感剤は特に限定されない。上記光増感剤として、公知の光増感剤を使用することができる。上記光増感剤としては、チオキサントン化合物、フェノチアジン化合物、アントラセン化合物及びアクリドン化合物等が挙げられる。
上記チオキサントン化合物の具体例としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、及び2,4−ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
上記フェノチアジン化合物の具体例としては、フェノチアジン、2−クロロフェノチアジン、2−メチルチオフェノチアジン、2−メトキシフェノチアジン、及び2−(トリフルオロメチル)フェノチアジン等が挙げられる。
上記アントラセン化合物の具体例としては、アントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9−カルボキシアントラセン、2−アントラセンカルボン酸、1−アントラセンカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸ジメチル、(1R,2R)−2−(アントラセン−2,3−ジカルボキシイミド)シクロヘキサンカルボン酸、1−アミノアントラセン、2−アントラセンボロン酸、9−クロロメチルアントラセン、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸ナトリウム、ベンゾアントレン、ベンゾ[a]アントラセン−7,12−ジオン、ジベンゾ[a,c]アントラセン、1,2,3,4−ジベンゾアントラセン、9−ブロモアントラセン、9,10−ビス(クロロメチル)アントラセン、7−ブロモベンゾ[a]アントラセン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、9,10−ビス(3,5−ジヒドロキシフェニル)アントラセン、1−ブロモアントラセン、2−ブロモアントラセン、9,10−ビス(ジエチルホスホノメチル)アントラセン、2−ブロモ−9,10−ジフェニルアントラセン、2−t−ブチルアントラセン、9−クロロメチルアントラセン、9−シアノアントラセン、1−クロロ−9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、2−クロロアントラセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジメチルアントラセン、9,10−ジヒドロアントラセン、7,12−ジメチルベンゾ[a]アントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、2,3−ジメチルアントラセン、2,6−ジブロモアントラセン、1,5−ジブロモアントラセン、(11R,12R)−9,10−ジヒドロ−9,10−エタノアントラセン−11,12−ジアミン、9,10−ジヒドロ−9,10−ビス(2−カルボキシエチル)−N−(4−ニトロフェニル)−10,9−(エポキシイミノ)アントラセン−12−カルボキサミド、9,10−ジ(1−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン、1,8−ジヨードアントラセン、9−(ヒドロキシメチル)アントラセン、2−(ヒドロキシメチル)アントラセン、9−(2−ヒドロキシエチル)アントラセン、9−メチルアントラセン、7−メチルベンゾ[a]アントラセン、2,3−ベンゾアントラセン、ジベンゾ[de,kl]アントラセン、9−フェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1−アニリノアントラセン、2−アニリノアントラセン、1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセン、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、(R)−(−)−α−(トリフルオロメチル)−9−アントラセンメタノール、(S)−(+)−α−(トリフルオロメチル)−9−アントラセンメタノール、及び9,10−ジヒドロ−9,10−[1,2]ベンゼノアントラセン等が挙げられる。
上記アクリドン化合物の具体例としては、10−メチル−9(10H)アクリドン、9(10H)−アクリドン、及び10−ブチル−2−クロロ−9(10H)−アクリドン等が挙げられる。
単位時間あたりのガス発生量を多くするために、上記光増感剤は、チオキサントン化合物、フェノチアジン化合物、アントラセン化合物、及びアクリドン化合物からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。上記光増感剤は、チオキサントン化合物であることが好ましく、フェノチアジン化合物であることが好ましく、アントラセン化合物であることが好ましく、アクリドン化合物であることも好ましい。
上記光増感剤としては、アルコキシ基を有する多環芳香族化合物も挙げられる。上記多環芳香族化合物は、アルコキシ基を2つ以上有していてもよい。なかでも、グリシジル基又は水酸基を含むアルコキシ基を有する多環芳香族化合物が好ましい。この多環芳香族化合物は、アルコキシ基の一部がグリシジル基又は水酸基で置換されているアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物であることが好ましい。このような光増感剤は、高い耐昇華性を有し、高温下で使用することができる。また、アルコキシ基の一部がグリシジル基又は水酸基で置換されることにより、上記ガス発生材中における溶解性が高まり、ブリードアウトが抑えられる。
上記光増感剤として用いられる上記多環芳香族化合物の好ましい例としては、アントラセン骨格を有する多環芳香族化合物等が挙げられる。上記アントラセン骨格を有する多環芳香族化合物は、アルコキシ基を有するアントラセン化合物であり、アントラセン誘導体等である。また、アルコキシ基を有する多環芳香族化合物のアルコキシ基の炭素数は1以上、好ましくは18以下、より好ましくは8以下である。
上記アルコキシ基を有する多環芳香族化合物の具体例としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9−エトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、9−イソプロポキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、9−ベンジルオキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、9−(α−メチルベンジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、及び2−エチル−9,10−ジ(2−カルボキシエトキシ)アントラセン等が挙げられる。
上記グリシジル基又は水酸基を含むアルコキシ基を有する多環芳香族化合物の具体例としては、9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、9−(グリシジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、9−(2−ビニルオキシエトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、9−(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−エポキシフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9,1−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−ビニルフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン、及び9,10−ジ(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
上記光増感剤は、光重合開始剤として一般に知られている材料であってもよい。このような光増感剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される化合物が挙げられる。このような光増感剤の具体例としては、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール化合物;フォスフィンオキシド化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン等のチタノセン化合物;ベンゾフェノン;ミヒラーケトン;クロロチオキサントン;ドデシルチオキサントン;ジメチルチオキサントン;ジエチルチオキサントン;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等が挙げられる。上記光増感剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光増感剤を用いる場合に、上記ガス発生剤100質量部に対して、上記光増感剤の含有量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。また、上記光増感剤の含有量は、上記アクリル系粘着剤100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記光増感剤の含有量が上記下限以上であると、充分な光増感効果が得られる。上記光増感剤の含有量が上記上限以下であると、光増感剤に由来する残存物が少なくなり、充分にガスが発生されやすくなる。
上記第三級アミンと上記光増感剤とを併用する場合には、上記光増感剤に対して上記第三級アミンが当モルとなるように配合することが好ましい。また、ガス発生に際して、上記第三級アミンは消費されないと考えられるため、上記第三級アミンは、上記ガス発生剤のモル当量よりも少ない量で配合することができる。上記ガス発生剤において、上記第三級アミンのモル当量は、上記ガス発生剤のモル当量以下であることが好ましい。
なお、ここでいう当量とは、アミン中の窒素原子1個を1当量とし、光増感剤1分子を1当量とする。
(他の成分)
上記ガス発生材は、架橋剤及び無機充填材等を含んでもいてもよい。上記ガス発生材は、上記架橋剤を含むことがより好ましい。但し、上記ガス発生材は、上記架橋剤を含んでいなくてもよい。上記架橋剤の使用により、上記ガス発生材の初期接着力がより一層高くなる。
(他の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロポンプの略図的断面図である。
図2に示すマイクロポンプ2は、ガス発生材11bの形状及び基材10の形状において、上記の実施形態に係るマイクロポンプ1と異なる。
第2の実施形態では、マイクロ流路10bは、基材10内に形成されたポンプ室10cに接続されている。ガス発生材11bは、ブロック状に形成されており、ポンプ室10c内に配されている。
第2の実施形態に係るマイクロポンプ2においても、マイクロポンプ1と同様に、高出力かつ長駆動時間を実現することができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されず、要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
以下の材料を用意した。
(アクリル系粘着剤)
(合成例1)アクリル系粘着剤Aの合成
n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)96質量部と、アクリル酸(日本触媒社製)4質量部と、イルガキュア907(長瀬産業社製)0.05質量部と、酢酸エチル200質量部とを混合して、混合物を得た。次に、この混合物に、紫外線を4時間照射して、アクリル共重合体であるアクリル系粘着剤Aを作製した。得られたアクリル系粘着剤Aの重量平均分子量は、約61万であった。得られたアクリル系粘着剤AのSP値は7以上、10.5以下の範囲内である。
(合成例2)アクリル系粘着剤Bの合成
n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)97質量部と、アクリル酸(日本触媒社製)3質量部と、イルガキュア907(長瀬産業社製)0.05質量部と、酢酸エチル200質量部とを混合して、混合物を得た。次に、この混合物に、紫外線を4時間照射して、アクリル共重合体であるアクリル系粘着剤Bを作製した。得られたアクリル系粘着剤Bの重量平均分子量は、約100万であった。得られたアクリル系粘着剤BのSP値は7以上、10.5以下の範囲内である。
(タッキファイヤー)
KE−359(ロジンエステル樹脂、荒川化学社製「パインエステルKE359」、ハーゼン色数40、水酸基価44、SP値8.86)
(架橋剤)
E−AX(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン)、綜研化学社製「E−AX」、トルエン5%液)
AX4−HC−M08(PVEEA、アクリル酸2−(2−ビニルキシエトキシ)エチル重合体(固形分100質量%)、下記式(11)で表される構造単位を複数有する化合物;日本触媒社製「AX4−HC−M08」;重量平均分子量約20000)
多官能アクリルモノマーA−TMMT(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、新中村化学工業社製)
(アジド基を複数有するアジド化合物)
GAP4006(グリシジルアジドポリマー、日油社製)
GAP5006(グリシジルアクリルポリマー、日油社製)
(第三級アミン)
トリプロピルアミン(トリn−プロピルアミン)
(光増感剤)
2−イソプロピルチオキサントン(DKSHジャパン社製「IPX」)
(シランカップリング剤)
KEM603(信越化学工業社製、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
(実施例1)
溶剤である酢酸エチル220質量部をアクリル系粘着剤A88質量部に配合した後、GAP4006を110質量部と、シランカップリング剤であるKEM603を0.002質量部と、第三級アミンであるトリプロピルアミン(トリn−プロピルアミン)3.5質量部と、光増感剤である2−イソプロピルチオキサントン2.5質量部と、架橋剤であるE−AX1質量部と、AX4−HC−M08を1質量部と、タッキファイヤーであるKE−359を12質量部とを混合し、フィルム状に加工した。このフィルムを110℃で5分間加熱して、溶剤である酢酸エチルを除去した。これを離型PETフィルムで保護し、常温で一日(24時間)保管して、フィルム状のガス発生材(フィルム)を得た。
得られたフィルム状のガス発生材を用いて、上記第1の実施形態のマイクロポンプ1と実質的に同様の構成を有するマイクロポンプを作製した。
なお、マイクロ流路10bの断面形状は、0.5mm角の矩形状とした。マイクロ流路10bの長さは、800mmとした。マイクロ流路10bの先端は大気に開放した状態とした。ガス発生材は、直径0.6cmサイズで、厚み50μmのフィルム状とした。
(実施例2〜12及び比較例1〜3)
配合成分の種類及び配合量(単位は質量部)を下記の表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、ガス発生材を得て、マイクロポンプを作製した。なお、下記の表1では、フィルム状のガス発生材を得る際に揮発により除去される溶剤の使用量の記載は省略した。
(評価)
(1)ガス発生剤のゲル分率の測定
フィルム(浸漬前のフィルム)1gを酢酸エチルに23℃で24時間浸漬して、浸漬液を得た。得られた浸漬液を#200のメッシュ金網で濾過し、金網上に残存したゲルを集めて、ゲルを75℃で3時間乾燥させて、乾燥後のフィルムを得た。乾燥後のフィルムの質量を測定し、下記式(X)によってゲル分率(質量%)を算出した。
ゲル分率(質量%)=乾燥後のフィルムの質量/浸漬前のフィルムの質量×100 ・・・(X)
(2)ガス発生剤の膨潤度の測定
フィルム1g(重量:W0)を酢酸エチルに23℃で24時間浸漬した。次に、酢酸エチルの中から、フィルムを200メッシュの金属金網にて濾過した後に、フィルムの重量W1を測定した。この浸漬後の重量W1と浸漬前のフィルムの重量W0とから下記式(Y)にて、ガス発生剤の膨潤度を求めた。なお、重量測定前に、メッシュに付着した溶剤は、濾紙で拭き取った。
膨潤度(%)=(W1−Wm)/W0×100(%) …(Y)
Wm:メッシュの重量
(3)ガス発生量の測定
ガス発生量の測定では、得られたマイクロポンプにおいて、380nmの紫外線LED(ナイトレイドセミコンダクター社製「NS375L−5RFS」)を120秒間照射したときのガスの発生量を測定した。ガス発生量の測定方法は、マイクロ流路10bとメスピペットとをシリコンチューブでつなぎ、この中を水で充填し、その後、ガス発生材に紫外線を照射し、発生したガスによるメスピペットの体積変化を読み取る方法とした。
(4)接着力
図3に示すように、ポリカーボネート板51に対して、フィルム状のガス発生材52を貼り付けた。その状態で、接着力を評価した。
具体的には、引張試験機(島津製作所製「AG−IS」)を用いて、矢印Y1で示す方向に、180度ピール剥離を行うことにより、接着力を評価した。測定条件は、剥離速度300mm/分、剥離幅25mm及び測定温度23℃の条件である。
(5)アンカー力
図4に示すように、セロファンテープ61(基材61Aと粘着剤層61Bとを有する)の粘着剤層61B面と、得られたフィルム状のガス発生材62とを互いに貼り合わせた。その状態で、アンカー力を評価した。
具体的には、引張試験機(島津製作所製「AG−IS」)を用いて、矢印Y2で示す方向に、90度剥離を行うことにより、剥離強度(アンカー力)を評価した。測定条件は、剥離速度300mm/分、剥離幅16mm及び測定温度23℃の条件である。
(6)はみ出し
ガス発生測定装置を用い、メスピペットとマイクロ流路の間に、内径100μm長さ100mmのシリコンパイプを挿入し、ガス発生試験を行った。この時、ガス発生テープに直径6mmのマスクを用いて、光照射部と遮光部とを分けた。ガス発生後のテープを観察し、テープ内に含まれる気泡の直径を測定して、はみ出し距離とした。はみ出し距離の最小値は6mmであり、はみ出し距離が7mmを超えると、隣接するガスポンプと接することになるので不合格と判断した。
(7)保持力
接着力の測定と同様に25mm幅粘着テープをポリカーボネート板に貼り付け試験片を作製した。試験片の端部に20gの錘をつけて、23℃及び60%RH下に調整された部屋に、試験片を保持した。
24時間後のテープの移動(剥離)距離を測定して、剥がれた距離とした。剥がれた距離が3mm以下は合格と判断し、3mmを超えると不合格と判断した。
結果を下記の表1に示す。
なお、アクリル系粘着剤中に、アジド基を複数有するアジド化合物と、炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合して、上記アクリル系粘着剤中で上記ガス発生剤を得た具体的な実施例1〜12を示したが、アジド基を複数有するアジド化合物と、炭素−炭素二重結合を有するポリマーとを配合してガス発生剤を得た後、得られたガス発生剤をアクリル系粘着剤中に配合した場合でも、上記(1)〜(7)の評価項目について、実施例1〜12と同様に良好な結果が得られることを確認した。