JP5580671B2 - 複合ナノファイバ - Google Patents
複合ナノファイバ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5580671B2 JP5580671B2 JP2010150507A JP2010150507A JP5580671B2 JP 5580671 B2 JP5580671 B2 JP 5580671B2 JP 2010150507 A JP2010150507 A JP 2010150507A JP 2010150507 A JP2010150507 A JP 2010150507A JP 5580671 B2 JP5580671 B2 JP 5580671B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nanofiber
- particles
- sheet
- water
- composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
(1)原料液の調製
高分子化合物として完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA)(PVA117、クラレ(株))、プルラン(林原商事(株))を用いた。このPVAは、鹸化度98%、重合度1700のものであった。また、大粒径の粒子として板状のタルク(粒径12μm)を用い、小粒径の顔料粒子として肌色に調色した顔料(粒径200nm)を用いた。これらを水と混合して原料液を調製した。原料液中におけるポリビニルアルコールの濃度は7.3%、プルランの濃度は1.5%、タルクの濃度は2.9%、顔料の濃度は2.9%となるように、100gの原料液を調製した(表1参照)。
前記で得られた原料液を用い、図2に示す装置によって電界紡糸法を行い、導電性コレクタ33の表面に配置されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:25μm)の表面にナノファイバシートを形成した。電界紡糸法の条件は以下のとおりとした。
・印加電圧:26kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:165mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・環境:24℃、39%RH
前記で得られたナノファイバシートを200℃で2分間加熱処理し、完全鹸化ポリビニルアルコールを水不溶化し、目的とするナノファイバシートを得た。得られたナノファイバシートの厚みを、先に述べた方法で測定したところ、8.8μmであった。坪量は3.2g/m2であった。このナノファイバシートを走査型電子顕微鏡で観察したところ、タルクがナノファイバに固定化されていることが確認された。タルクは、その表面がポリビニルアルコールによって被覆されていた。得られた複合ナノファイバにおける各成分の割合は、以下の表2に示すとおりであった。得られた複合ナノファイバの太さを走査型電子顕微鏡で測定したところ、表2に示す値であった。
高分子化合物、大粒径の粒子及び小粒径の粒子として、以下の表1に示すものを用いて原料液を調製した。それぞれの使用量は、目的とする複合ナノファイバにおける割合が表2に示す値となるようにした。それ以外は実施例1と同様にして複合ナノファイバからなるナノファイバシートを得た。得られたナノファイバシートを走査型電子顕微鏡で観察したところ、大粒径の粒子がナノファイバに固定化されていることが確認された。大粒径の粒子は、その表面が高分子化合物によって被覆されていた。
本比較例では大粒径の粒子を用いなかった。高分子化合物及び小粒径の粒子として、以下の表1に示すものを用いて原料液を調製した。それぞれの使用量は、目的とする複合ナノファイバにおける割合が表2に示す値となるようにした。それ以外は実施例1と同様にして、複合ナノファイバからなるナノファイバシートを得た。
本比較例では、大粒径の粒子及び小粒径の粒子を用いず、表1に示す高分子化合物のみを用いてナノファイバシートを製造した。得られたナノファイバシートに、表2に示す大粒径の粒子及び小粒径の粒子を添加した。添加方法は、大粒径粒子及び小粒径粒子を、分散剤(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体(HLB13))を併用してイオン交換水中に均一分散させ、該ナノファイバ上に均一噴霧を行う方法を採用した。分散液における大粒径粒子の濃度は10.0%、小粒径粒子の濃度は10.0%であった。各粒子の添加量は、添加後のナノファイバの質量に対して、表2に示す割合となるような量とした。
実施例及び比較例で得られたナノファイバシートについて、以下の方法で、大粒径の粒子の脱落のしづらさを評価した。また、ナノファイバシートの外観及び皮膚への密着性を評価した。更に、ナノファイバシートによるしわの目立ちづらさを評価した。それらの結果を以下の表2に示す。
得られたナノファイバシートを電子顕微鏡で観察を行う。その後、観察部と同等部分を5cm×5cmにカットし、スクリュー管No7内部に、イオン交換水40mlとともに封入する。その後、超音波洗浄器(アズ・ワン(株)製、VS−70RS1)を用いて5分間超音波をかけて、乾燥した後に電子顕微鏡で観察を行い、以下の基準で評価を行う。
○:超音波をかける前後で大粒径粒子の観察される頻度(単位面積あたりに観察される大粒径粒子の個数)が変わらない。又は、超音波をかける前に観察された粒子頻度と、超音波をかけた後の粒子頻度の差が30%以内である。
△:超音波をかける前に観察された粒子頻度と、超音波をかけた後の粒子頻度の差が30%〜50%である。
×:超音波をかける前に観察された粒子頻度と、超音波をかけた後の粒子頻度の差が50%以上である。
得られたナノファイバシートの外観を肉眼にて観察し、以下の基準で評価を行う。
○:ナノファイバシート表面に、粒子の凝集、脱離等による目立った痕跡、及び大粒径粒子が混合することにより生じたと考えられる明確な不具合が見られず、一様な表面性を有する。
△:ナノファイバシート表面に、粒子の凝集、脱離等による目立った痕跡、及び大粒径粒子が混合することにより生じたと考えられる明確な不具合が観察されるものの、その頻度が10cm×10cmの範囲に5つ以下である。
×: ナノファイバシート表面に、粒子の凝集、脱離等による目立った痕跡、及び大粒径粒子が混合することにより生じたと考えられる明確な不具合が観察され、その頻度が10cm×10cmの範囲に6つ以上である。なお、ここで明確な不具合とは、大粒径粒子が存在することにより、ナノファイバシート表面に不自然な凹凸が出来たり、粒子とともに液滴が飛散することにより色合いの明確な変化した領域が存在することをいう。
被験者の肌の表面を、中性界面活性剤を用いて洗浄し、ウエスを用いて水滴を除去し、23℃・50%RH環境下で十分な時間経過した後、霧吹きを用いてφ70mmの範囲に0.05gのイオン交換水を満遍なく噴霧する。そこに20×20mmに切り分けたナノファイバシートを貼り付け水分が乾燥するまで放置する。その後に密着性及び繊維形状の保持性を以下の方法にて3人のパネラーに評価させる。最も人数の多い評価をトータルの評価とする。
○:ナノファイバシートの四隅まで密着している。
△:ナノファイバシートは密着しているが、一部剥がれやすい部分がある。
×:ナノファイバシートの大部分が剥がれてしまう。
被験者の額のしわ部表面を中性界面活性剤を用いて洗浄し、ウエスを用いて水滴を除去し、23℃・50%RH環境下で十分な時間経過した後、霧吹きを用いてφ70mmの範囲に0.05gのイオン交換水を満遍なく噴霧する。そこに20×20mmに切り分けたナノファイバシートを貼り付け水分が乾燥するまで放置する。その後、以下の方法にて3人のパネラーに評価させる。最も人数の多い評価をトータルの評価とする。
○:ナノファイバシート貼付け前と比較して、ナノファイバシート上のしわが目立たなくなっている。
△:ナノファイバシート貼付け前と比較して、ナノファイバシート上のしわの目立ち具合がほとんど変わらない。
×:ナノファイバシート貼付け前と比較して、ナノファイバシート上のしわが目立つ。
11 ナノファイバ
12 大粒径の粒子
13 粒子の表面を被覆するナノファイバの構成材料
Claims (7)
- ナノファイバシートからなり、ヒトの皮膚に貼付されて使用される凹凸隠し用シートであって、
前記ナノファイバシートは、複合ナノファイバを含んで構成されており、
前記複合ナノファイバは、ナノファイバに粒子が固定化された複合体からなり、該粒子の粒径は該ナノファイバの太さよりも大きく、該ナノファイバを構成する材料によって該粒子の表面が被覆されているものである、凹凸隠し用シート。 - ナノファイバの太さが10〜3000nmであり、粒子の粒径が1〜100μmである請求項1記載の凹凸隠し用シート。
- 粒子が板状である請求項1又は2記載の凹凸隠し用シート。
- 粒子がタルク、雲母又は粘土鉱物である請求項3記載の凹凸隠し用シート。
- 粒子が光散乱性である請求項1又は2記載の凹凸隠し用シート。
- ナノファイバが水不溶性の材料を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載の凹凸隠し用シート。
- ナノファイバに顔料が含まれている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の凹凸隠し用シート。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010150507A JP5580671B2 (ja) | 2010-06-30 | 2010-06-30 | 複合ナノファイバ |
US13/807,626 US9125811B2 (en) | 2010-06-29 | 2011-06-28 | Nanofiber laminate sheet |
PCT/JP2011/064810 WO2012002390A1 (ja) | 2010-06-29 | 2011-06-28 | ナノファイバ積層シート |
CN201180030114.5A CN102958505B (zh) | 2010-06-29 | 2011-06-28 | 纳米纤维层叠片 |
EP11800854.9A EP2589373B1 (en) | 2010-06-29 | 2011-06-28 | Nanofiber laminate sheet |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010150507A JP5580671B2 (ja) | 2010-06-30 | 2010-06-30 | 複合ナノファイバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012012337A JP2012012337A (ja) | 2012-01-19 |
JP5580671B2 true JP5580671B2 (ja) | 2014-08-27 |
Family
ID=45599203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010150507A Active JP5580671B2 (ja) | 2010-06-29 | 2010-06-30 | 複合ナノファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5580671B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9949897B2 (en) | 2012-04-11 | 2018-04-24 | L'oreal | Self-standing cosmetic sheet |
JP6112701B2 (ja) * | 2012-09-12 | 2017-04-12 | 花王株式会社 | ナノファイバ構造体の製造方法 |
WO2018003421A1 (ja) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 画像処理装置および画像処理方法 |
JP6832505B2 (ja) * | 2017-06-15 | 2021-02-24 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 繊維集合体およびその製造方法 |
JP6601806B2 (ja) * | 2017-06-15 | 2019-11-06 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 積層体および皮膚貼付用シート |
JP7122641B2 (ja) * | 2017-10-19 | 2022-08-22 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 機能性フィルムおよび皮膚貼付用シート、並びに皮膚貼付用シートの製造方法 |
JP7356336B2 (ja) | 2019-12-23 | 2023-10-04 | 花王株式会社 | 電気紡績法用凹凸版 |
JP7356337B2 (ja) * | 2019-12-23 | 2023-10-04 | 花王株式会社 | 着色不織布 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4357173B2 (ja) * | 2002-12-27 | 2009-11-04 | 善二郎 小柳津 | ポリ尿素弾性研削材及びその製造方法 |
JP4393513B2 (ja) * | 2003-06-30 | 2010-01-06 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | ナノファイバーウェブにおける微粒子 |
JP2007030153A (ja) * | 2005-07-27 | 2007-02-08 | Kowa Co Ltd | ロール |
JP5107592B2 (ja) * | 2007-03-05 | 2012-12-26 | 株式会社リード | 研削・研磨シート及びその製造方法 |
-
2010
- 2010-06-30 JP JP2010150507A patent/JP5580671B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012012337A (ja) | 2012-01-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5580671B2 (ja) | 複合ナノファイバ | |
JP5855938B2 (ja) | 肌貼付用ナノファイバ積層体 | |
WO2010074212A1 (ja) | ナノファイバシート | |
JP5563817B2 (ja) | ナノファイバシートの付着方法 | |
AU2018200406B2 (en) | Liquid-retaining sheet and face mask | |
JP5580670B2 (ja) | ナノファイバ積層シート | |
WO2013137260A1 (ja) | 高分子超薄膜及び多孔質高分子超薄膜 | |
JP5651076B2 (ja) | ナノファイバ積層シート | |
Huang et al. | Electrospinning and mechanical characterization of gelatin nanofibers | |
WO2012002390A1 (ja) | ナノファイバ積層シート | |
JP6137857B2 (ja) | 化粧用シート | |
JP5452212B2 (ja) | 多層ナノファイバシート | |
JP5563908B2 (ja) | ナノファイバシート | |
JP5822389B2 (ja) | ナノファイバ及びその製造方法 | |
JP2012012710A (ja) | ナノファイバシート | |
JP6112701B2 (ja) | ナノファイバ構造体の製造方法 | |
Iumsrivun et al. | Quasistatic direct electromechanical responses from as-electrospun submicron/micron fiber mats of several polymers | |
JP5545989B2 (ja) | ナノファイバシート | |
US20220071855A1 (en) | Thin film and transfer sheet | |
Nair et al. | Fabrication of a microvesicles-incorporated fibrous membrane for controlled delivery applications in tissue engineering | |
JP2018171725A (ja) | 積層体及びこれを用いた癒着防止材 | |
JP2023007954A (ja) | 三次元構造体の製造方法、三次元構造体、および細胞培養用足場材 | |
CN113874207A (zh) | 纳米网层叠体、导电电路的制造方法、以及纳米网粘贴套件 | |
KR100639234B1 (ko) | 전기 방사법을 이용한 생체 고분자 매트릭스의 제조 방법과표면 도포 방법 | |
WO2021015167A1 (ja) | 転写シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130315 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140128 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140307 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140708 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140711 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5580671 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |