JP5822389B2 - ナノファイバ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノファイバ及びその製造方法に関する。
ナノファイバからなるシートに各種の機能を付与するために、ナノファイバに機能化剤を含有させる技術が種々知られている。例えば特許文献1には、ナノファイバを顔料で着色することが記載されている。
特許文献2には、水溶性基材を含有するナノファイバのシートに機能性成分を含有させることが記載されている。更に特許文献3には、高分子化合物のナノファイバからなる網目状構造体に、化粧料や化粧料成分を保持させてなる化粧用シートが記載されている。
上述の各文献の技術によれば、ナノファイバを構成する高分子化合物と、機能化剤とを含む原料液を用い、該原料液をエレクトロスピニング法に付してナノファイバを製造している。
特開2007−303020号公報 国際公開第2009/031620号パンフレット 特開2008−179629号公報
しかし、上述の方法によってナノファイバを製造すると、機能化剤の表面が高分子化合物の薄い膜によって覆われてしまうので、機能化剤の表面が外界に直接露出しない。したがって、機能化剤が本来有する機能が、高分子化合物の被覆によって減殺されてしまう。機能化剤の表面を直接外界に露出させることを目的として、ナノファイバの製造後に、該機能化剤をナノファイバの表面に付着させる方法を採用することも考えられるが、その場合には機能化剤がナノファイバから脱落しやすいという不都合がある。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るナノファイバを提供することにある。
本発明は、水不溶性材料からなる複数の主材粒子と、水不溶性材料からなる複数の機能性粒子とを含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子と該機能性粒子との連結体から形成されており、該機能性粒子は、その表面の一部が、周囲環境と接することが可能な状態で該連結体内に保持されているナノファイバを提供するものである。
また本発明は、水不溶性材料からなる複数の主材粒子を含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子の連結体から形成されており、該連結体内に、機能性粒子が、その表面の一部が周囲環境と接することが可能な状態で保持されているナノファイバを提供するものである。
更に本発明は、前記のナノファイバの好適な製造方法として、
水溶性樹脂と、水不溶性材料からなる複数の主材粒子と、水不溶性材料からなる複数の機能性粒子とを含み、該水溶性樹脂が溶解した状態になっている水系エマルション又は水系コロイドを原料液として用い、該原料液をエレクトロスピニング法に付して、該主材粒子及び該機能性粒子を含む主骨格部位と、該主骨格部位の周囲を被覆する該水溶性樹脂からなる被覆部位とを有するナノファイバ前駆体を製造し、
前記ナノファイバ前駆体から、前記水溶性樹脂からなる被覆部位を除去する工程を有するナノファイバの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、機能性粒子が周囲環境と接することが可能な状態でナノファイバ内に保持されているので、該機能性粒子が本来有する機能が十分に発揮されるとともに、該機能性粒子のナノファイバからの脱落も効果的に防止される。
図1は、本発明のナノファイバの一実施形態の構造を示す模式図である。 図2は、本発明のナノファイバの別の実施形態の構造を示す模式図である。 図3(a)は、本発明のナノファイバの更に別の実施形態の構造を示す模式図であり、図3(b)は、図3(a)の要部拡大模式図である。 図4は、エレクトロスピニング法を実施するための装置を示す模式図である。 図5は、ナノファイバ前駆体の構造を示す模式図である。 図6(a)は、実施例1で得られたナノファイバ前駆体の走査型電子顕微鏡像であり、図6(b)は、図6(a)に示すナノファイバ前駆体から得られたナノファイバの走査型電子顕微鏡像であり、図6(c)は、図6(b)に示すナノファイバの断面の透過型電子顕微鏡像である。 図7(a)は、実施例2で得られたナノファイバ前駆体の走査型電子顕微鏡像であり、図7(b)は、図7(a)に示すナノファイバ前駆体から得られたナノファイバの走査型電子顕微鏡像であり、図7(c)は、図7(b)に示すナノファイバの断面の透過型電子顕微鏡像である。 図8(a)は、実施例3で得られたナノファイバの走査型電子顕微鏡像であり、図8(b)は、図8(a)に示すナノファイバの断面の透過型電子顕微鏡像である。 図9(a)は、比較例1で得られたナノファイバの走査型電子顕微鏡像であり、図9(b)は、図9(a)に示すナノファイバの断面の構造を示す走査型電子顕微鏡像である。 図10(a)は、比較例2で得られたナノファイバの走査型電子顕微鏡像であり、図10(b)は、図10(a)に示すナノファイバの断面の構造を示す走査型電子顕微鏡像である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明のナノファイバは、主材と機能性材料とを含んで構成されている。主材は、ナノファイバの繊維骨格を構成する材料である。機能性材料は、ナノファイバの各種の機能を付与するために用いられる材料である。ナノファイバは主材を1種又は2種以上含んでいてもよい。同様に、ナノファイバは機能性材料を1種又は2種以上含んでいてもよい。
ナノファイバは、その太さを円相当直径で表した場合、一般に10〜3000nm、特に10〜1000nmのものである。ナノファイバの太さは、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって10000倍に拡大して観察し、その二次元画像から欠陥(ナノファイバの塊、ナノファイバの交差部分、ポリマー液滴)を除き、繊維(ナノファイバ)を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に垂直に線を引き、その繊維径を直接読み取ることで測定することができる。ナノファイバの長さは本発明において臨界的でなく、ナノファイバの製造方法に応じた長さのものを用いることができる。
ナノファイバを構成する主材の原料としては、水不溶性材料からなる粒子が用いられる(以下、この粒子を「主材粒子」ともいう。)。同様に、機能性材料の原料としても、水不溶性材料からなる粒子(以下、この粒子を「機能性粒子」ともいう。)が用いられる。主材粒子は、その粒子としての形状をある程度とどめた状態で、ナノファイバを構成しているか、又は粒子どうしが結合した結果、粒子としての形状をとどめていない状態でナノファイバを構成している。尤も、主材粒子が、粒子としての形状をとどめていない状態になっていても、原料が粒子形態のものであることは、ナノファイバの顕微鏡観察から確認することができる。一方、機能性粒子に関しては、ナノファイバ内に保持された状態においても、原料の状態と同様の粒子の形状が維持されている。
ナノファイバの典型的な形態としては、以下の(i)及び(ii)が挙げられる。
(i)ナノファイバが、複数の主材粒子と、複数の機能性粒子との連結体から形成されている形態。
(ii)ナノファイバが、複数の主材粒子の連結体から形成されている形態。
前記の(i)及び(ii)のいずれの形態においても、主材粒子は、上述したとおり、粒子としての形状をある程度とどめた状態になっているか、又は粒子としての形状をとどめていない状態でナノファイバを構成している。
図1には、(i)の形態をなすナノファイバ10が模式的に示されている。ナノファイバ10は、主材粒子11が、機能性粒子12を介して連結してなる連結体から構成されている。なお図1においてはナノファイバ10の一部のみが示されており、実際は同図中、左右方向に延びている。主材粒子11は、該粒子11を構成する材料が有する結合力によって、機能性粒子と結合しているか、又は他の主材粒子11と結合している。同図に示すナノファイバ10は、主材粒子11が、粒子としての形態をある程度とどめた状態のものであるが、ナノファイバ10の製造方法によっては、主材粒子11は粒子としての形態をとどめていない場合もある。
図1に示す形態のナノファイバ10において、主材粒子11と機能性粒子12とは、交互に配置されていることを要せず、主材粒子11が機能性粒子12を介して連結している部分が存在すればよい。したがって、ナノファイバ10においては、2個以上の主材粒子11が連結している部位が存在していることは許容される。
図1から明らかなように、同図に示すナノファイバ10においては、機能性粒子12は、その表面の一部が、周囲環境と接することが可能な状態で連結体内、すなわちナノファイバ10内に保持されている。周囲環境とは、ナノファイバ10の外界の空間のことである。図1に示す実施形態においては、機能性粒子12は、その表面の一部が、連結体としてのナノファイバ10の表面において露出していることで、該表面の一部が周囲環境と接することが可能になっている。従来のナノファイバと異なり、本実施形態においては、露出している機能性粒子の表面は、主材粒子11の構成材料によって被覆されていない。機能性粒子12の表面のうち、周囲環境と接していない部分は、連結体としてのナノファイバ10内に包埋されており、それによってナノファイバ10に強固に保持されている。
このように、本実施形態のナノファイバ10は、機能性粒子12の表面の一部が外界の空間に露出していることで、該機能性粒子12が本来有する機能が十分に発揮される。しかも該機能性粒子12は、その表面のうち外界の空間に露出している部分以外の部分がナノファイバ10内に包埋されているので、該ナノファイバ10に確実に保持され、その脱落が効果的に防止される。
図1に示す実施形態のナノファイバ10では、原料として用いられる主材粒子11の粒径及び機能性粒子12の粒径は、ナノファイバ10の直径よりも小さくなっている。また、主材粒子11の粒径と機能性粒子12の粒径との間には大きな相違はない。例えば、原料として用いられる主材粒子11の粒径を基準として、機能性粒子12の粒径は、10〜500%であることが好ましく、50〜300%であることが更に好ましく、70〜150%であることが一層好ましい。また、原料として用いられる主材粒子11の粒径を基準として、ナノファイバ10の直径は、50〜500%であることが好ましく、100〜300%であることが更に好ましく、120〜200%であることが一層好ましい。
図1に示す実施形態のナノファイバ10では、該ナノファイバ10を構成する主材の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、50〜99質量%であることが好ましく、52〜97質量%であることが更に好ましく、55〜95質量%であることが一層好ましい。一方、ナノファイバ10における機能性材料の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、1〜50質量%であることが好ましく、3〜48質量%であることが更に好ましく、5〜45質量%であることが一層好ましい。ナノファイバ10における主材及び機能性材料の割合をこの範囲内に設定することで、主材粒子11どうしが密接しやすくなって、機能性粒子12の表面が一部露出した状態で、機能性粒子12が主材粒子11の連結体内に保持された構造が得られやすくなるか、又は主材粒子11と機能性粒子12とが密接しやすくなって、主材粒子11が機能性粒子12を介して連結体を形成した構造が得られやすくなる。また、これらの連結体を形成することでナノファイバ10の強度が確保できるので好ましい。
図2には、先に述べた(ii)の形態をなすナノファイバ10が模式的に示されている。同図に示すナノファイバ10は、複数の主材粒子11どうしが連結してなる連結体から構成されている。なお図2においてはナノファイバ10の一部のみが示されており、実際は同図中、左右方向に延びている。主材粒子11は、該粒子11を構成する材料が有する結合力によって、他の主材粒子11と結合している。同図に示すナノファイバ10は、主材粒子11が、粒子としての形態をある程度とどめた状態のものであるが、ナノファイバ10の製造方法によっては、主材粒子11は粒子としての形態をとどめていない場合もある。
図2に示す形態のナノファイバ10においては、機能性粒子12は、主として、前記連結体からなるナノファイバ10の表面に存在している。そして機能性粒子12は、その表面の一部が、前記連結体からなるナノファイバ10の表面において露出しており、かつその表面の残部がナノファイバ10内に包埋されていることで、周囲環境と接することが可能になっている。露出している機能性粒子12の表面は、主材粒子11の構成材料によって被覆されていない。また、図示していないが、本実施形態においては、ナノファイバ10の内部にも機能性粒子12が存在していることがある。しかし、ナノファイバ10の内部に存在している機能性粒子12は、その表面の全域が主材によって被覆されているので、その機能を十分に発揮し得ない。
図2に示す構造を有するナノファイバ10においても、先に説明した図1に示す構造を有するナノファイバと同様に、機能性粒子12が本来有する機能が十分に発揮される。これとともに、機能性粒子12がナノファイバ10内に確実に保持され、その脱落が効果的に防止される。
図2に示す実施形態のナノファイバ10では、原料として用いられる主材粒子11の粒径及び機能性粒子12の粒径は、ナノファイバ10の直径よりも小さくなっている。また、主材粒子11の粒径は、機能性粒子12の粒径よりも十分に大きくなっている。原料として用いられる主材粒子11の粒径を基準として、機能性粒子12の粒径は、0.1〜70%であることが好ましく、0.5〜50%であることが更に好ましく、1〜10%であることが一層好ましい。また、原料として用いられる主材粒子11の粒径を基準として、ナノファイバ10の直径は、50〜500%であることが好ましく、100〜300%であることが更に好ましく、120〜200%であることが一層好ましい。
図2に示す実施形態のナノファイバ10では、該ナノファイバ10を構成する主材の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、50〜99質量%であることが好ましく、52〜97質量%であることが更に好ましく、55〜95質量%であることが一層好ましい。一方、ナノファイバ10における機能性材料の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、1〜50質量%であることが好ましく、3〜48質量%であることが更に好ましく、5〜45質量%であることが一層好ましい。ナノファイバ10における主材及び機能性材料の割合をこの範囲内に設定することで、主材粒子11どうしが密接しやすくなり、ナノファイバ10の成形性が良好となることに加え、機能性粒子12が主材粒子11の周囲に散在することで、機能性粒子12の表面が露出した構造が得られやすくなるので好ましい。
図3(a)には、図2に示す形態とは別の形態の、(ii)の形態をなすナノファイバ10が模式的に示されている。同図に示すナノファイバ10は、複数の主材粒子11どうしが連結してなる連結体から構成されている。なお図3(a)においてはナノファイバ10の断面のみが示されており、側面の状態が示されていないが、側面の状態は断面の状態とほぼ同じである。主材粒子11は、該粒子11を構成する材料が有する結合力によって、他の主材粒子11と結合している。同図に示すナノファイバ10は、主材粒子11が、粒子としての形態をある程度とどめた状態のものである。
図3(b)には、図3(a)に示すナノファイバ10の要部拡大模式図が示されている。図3(b)に示すように、本実施形態のナノファイバ10は、その内部に、複数の主材粒子11が連結して形成された複数の三次元空間Sを有している。三次元空間Sは、ナノファイバ10内に形成された連通部(図示せず)によって周囲環境と通じている。そして、機能性粒子12は、三次元空間S内に保持されている。三次元空間S内に保持されている機能性粒子12の表面の少なくとも一部は、主材粒子11で被覆されていない。すなわち該表面の少なくとも一部は露出している。したがって、三次元空間S内に保持されている機能性粒子12は、その露出した表面が、前記連通部を通じて周囲環境と接することが可能になっている。
三次元空間Sは、ナノファイバ10の断面における半径方向に沿って均一に分布していてもよく、あるいは半径方向の所定の部位に偏在していてもよい。三次元空間S内に保持されている機能性粒子12が、周囲環境と容易に接し得る観点からは、三次元空間Sは、断面における半径方向の中心域よりも、表面域に相対的に多く存在していることが好ましい。
三次元空間Sは、機能性粒子12の体積よりも大きな体積を有する空間である。図3(b)においては、1つの三次元空間S内に1つの機能性粒子12が保持されている状態が示されているが、これに限られず、周囲環境と接することが可能である限りにおいて、1つの三次元空間Sに2つ以上の機能性粒子12が保持されていてもよい。また複数の三次元空間Sが連結していてもよい。
図3(a)及び(b)に示す構造を有するナノファイバ10においても、先に説明した図1及び図2に示す構造を有するナノファイバと同様に、機能性粒子12が本来有する機能が十分に発揮される。これとともに、機能性粒子12がナノファイバ10内に確実に保持され、その脱落が効果的に防止される。
図3(a)及び(b)に示す実施形態のナノファイバ10では、原料として用いられる主材粒子11の粒径及び機能性粒子12の粒径は、ナノファイバ10の直径よりも小さくなっている。また、主材粒子11の粒径と機能性粒子12の粒径との間には大きな相違はない。このことは、先に説明した図1に示す実施形態のナノファイバ10と同様である。しかし、本実施形態のナノファイバ10における主材粒子11及び機能性粒子12の粒径は、先に説明した図1に示す実施形態のナノファイバ10と相違している。具体的には、本実施形態のナノファイバ10における主材粒子11及び機能性粒子12の粒径は、先に説明した図1に示す実施形態のナノファイバ10における主材粒子11及び機能性粒子12の粒径よりも小さくなっている。詳細には、原料として用いられる主材粒子11の粒径を基準として、ナノファイバ10の直径は、好ましくは200〜10000%という大きいものであり、500〜8000%であることが更に好ましく、1000〜5000%であることが一層好ましい。このように、ナノファイバ10の直径に対して十分に小さい粒径を有する主材粒子11及び機能性粒子12を用いることで、主材粒子11によって形成される三次元空間S内に機能性粒子12を首尾良く保持することができる。なお、主材粒子11の粒径と機能性粒子12の粒径との間に大きな相違がないことは先に述べたとおりであるところ、主材粒子11の粒径を基準として、機能性粒子12の粒径は、10〜2000%であることが好ましく、50〜1500%であることが更に好ましく、70〜1000%であることが一層好ましい。
図3(a)及び(b)に示す実施形態のナノファイバ10では、該ナノファイバ10を構成する主材の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、50〜99質量%であることが好ましく、52〜97質量%であることが更に好ましく、55〜95質量%であることが一層好ましい。一方、ナノファイバ10における機能性材料の割合は、該ナノファイバ10の質量を基準として、1〜50質量%であることが好ましく、3〜48質量%であることが更に好ましく、5〜45質量%であることが一層好ましい。ナノファイバ10における主材及び機能性材料の割合をこの範囲内に設定することで、主材粒子11どうしが密接しやすくなり、ナノファイバ10の成形性が良好となることに加え、主材粒子11と機能性粒子12が適度な分散構造を形成しやすくなるので好ましい。
以上の図1ないし図3に示す形態のナノファイバ10は、その形態に応じて適切な用途に用いられる。具体的には、図1に示す実施形態のナノファイバ10は、例えば顔料、光散乱粒子等の複合化による視覚効果の付与等の用途に好適に用いられる。図2に示す実施形態のナノファイバ10は、例えば酵素等を複合化したリアクター用途、親水性粒子等を複合化しての表面性制御等の用途に好適に用いられる。図3(a)及び(b)に示す実施形態のナノファイバ10は、例えば金属ナノコロイドや酵素を複合化した触媒、リアクター等の用途に好適に用いられる。
以上の各実施形態のナノファイバは、通常、複数の該ナノファイバがランダムに堆積してなるナノファイバシートの形態で用いられる。このナノファイバシートは、本発明のナノファイバのみから構成されていることが好ましい。尤も、ナノファイバシートが、本発明のナノファイバに加えて他のナノファイバや他の成分を含むことは妨げられない。
ナノファイバシートの厚みは、その具体的な用途に応じて適切な範囲が設定される。ナノファイバシートを、例えばヒトの肌に付着させるために用いる場合には、ナノファイバシートの厚みを50nm〜1mm、特に500nm〜500μmに設定することが好ましい。ナノファイバシートの厚みは、接触式の膜厚計ミツトヨ社製ライトマチックVL−50A(R5mm超硬球面測定子)を使用して測定できる。測定時にシートに加える荷重は0.01Nとする。
ナノファイバシートの坪量も、その具体的な用途に応じて適切な範囲が設定される。ナノファイバシートを、例えばヒトの肌に付着させるために用いる場合には、ナノファイバシートの坪量を0.01〜100g/m2、特に0.1〜50g/m2に設定することが好ましい。
ナノファイバシートにおいて、ナノファイバは、それらの交点において結合しているか、又はナノファイバどうしが絡み合っている。それによって、ナノファイバシートは、それ単独でシート状の形態を保持することが可能となる。ナノファイバどうしが結合しているか、あるいは絡み合っているかは、ナノファイバシートの製造方法によって相違する。
ナノファイバシートは、それ単独で用いることもでき、あるいは他のシート材料や他のナノファイバシートと積層して用いることもできる。
次に、ナノファイバの構成材料である主材及び機能性材料について説明する。主材は、ナノファイバの質量を基準として、ナノファイバを構成する材料の中で最も高い質量%を示す水不溶性の材料であり、主材粒子は、その粒子としての形状をある程度とどめた状態で、粒子どうしが結合してナノファイバを構成するか、又は粒子どうしが結合した結果、粒子としての形状をとどめていない状態でナノファイバを構成することができる。そのような材料としては、有機物及び無機物のいずれをも用いることができる。有機物の例としては、水不溶性の合成樹脂が挙げられる。無機物の例としては、金属又は半金属の酸化物が挙げられる。
水不溶性の合成樹脂としては、該合成樹脂からなる粒子どうしが融着によって結合して三次元構造体の形成が可能なものが好適に用いられる。例えば樹脂エマルションの造膜作用を利用して、粒子どうしが結合可能なものが好適に用いられる。この合成樹脂は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。そのような合成樹脂としては、例えばポリアクリル酸及びその共重合体、アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体、メタクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリエチレンワックス、ポリエチレン共重合体、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等を用いることができる。これらの中でも、ガラス転移温度が低いため最低造膜温度が低く、結合が容易である観点から、アクリル樹脂が好ましく、アクリル酸アルキルエステル共重合体が更に好ましい。エマルションに含まれる水不溶性の合成樹脂は、一種であっても又は二種以上であっても良い。これらの合成樹脂は、そのガラス転移点が40℃以下、特に30℃以下であることが、低い温度での主材粒子どうしの結合が起こりやすい点から好ましい。同様の理由によって、該合成樹脂は、その最低造膜温度が40℃以下、特に30℃以下であることが好ましい。
また、前記の合成樹脂は、そのガラス転移点が30℃以上、特に40℃以上である場合には、そのガラス転移点以上の温度で熱処理を行うことが、これらの合成樹脂からなる粒子どうしが融着によって結合しやすくなる点から好ましい。合成樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量分析、示差熱分析、熱機械分析等を行い、温度変化による急激な物性変化(熱量吸放出・力学的物性変化)を得ることによって測定することができる。最低造膜温度は、造膜温度測定装置によって測定することができる。
水不溶性の酸化物としては、該酸化物からなる粒子どうしが、金属又は半金属元素と酸素との架橋によって結合可能なものが好適に用いられる。そのような酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、金ナノコロイド、白金ナノコロイド、銀ナノコロイドなどが挙げられる。これらの酸化物においては、二酸化ケイ素を例にとると、二酸化ケイ素からなる粒子の表面に存在する水酸基の脱水縮合によって−Si−O−Si−の結合が生じ、この結合が多数生じることによって粒子どうしが結合する。
機能性材料としては、主材とは異なる材料であって、本発明のナノファイバにどのような機能を付与するかに応じて種々のものが用いられる。例えばナノファイバを着色したい場合には、機能性材料として、各種の水不溶性顔料を用いることができる。また、ナノファイバを触媒の担体として用いたい場合には、機能性材料として各種の触媒や酵素、吸着剤を用いることができる。また、機能性材料として、ヒトの五感に刺激を与えるもの、具体的には、視覚、聴覚、及び/又は触覚に刺激を与えるものを用いることができる。そのような材料の具体例としては、光散乱性粒子、滑剤がある。更にナノファイバに親水性又は疎水性を付与する機能性材料として、親水性粒子及び疎水性粒子などが挙げられる。
また、ナノファイバは、主材及び機能性材料に加えて、架橋剤、分散剤、粘度調整剤等を含むことができる。
次に、本発明のナノファイバの好ましい製造方法について説明する。本製造方法では、水溶性樹脂と、水不溶性材料からなる複数の主材粒子と、水不溶性材料からなる複数の機能性粒子とを含み、該水溶性樹脂が溶解した状態になっている水系エマルション又は水系コロイドを原料液として用いる。この原料液をエレクトロスピニング法に付してナノファイバ前駆体を製造する。次に製造されたナノファイバ前駆体から水溶性樹脂を除去することで、目的とするナノファイバが得られる。
原料液に含まれる水溶性樹脂は、ナノファイバ前駆体を製造するために用いられるものであり、後に該前駆体から除去されるものである。この観点から、水溶性樹脂は、それ単独を含む水性液を用いてエレクトロスピニング法に付したときに、ナノファイバの形成が可能な材料であることが好ましい。そのような材料であれば、天然高分子及び合成高分子のいずれをも用いることができる。本明細書において「水溶性樹脂」とは、1気圧・23℃の環境下において、水溶性樹脂を1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬した水溶性樹脂の0.5g以上が溶解する性質を有する樹脂をいう。
水溶性樹脂の具体例としては、プルラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ポリ−γ−グルタミン酸、変性コーンスターチ、β-グルカン、グルコオリゴ糖、ヘパリン、ケラト硫酸等のムコ多糖、セルロース、ペクチン、キシラン、リグニン、グルコマンナン、ガラクツロン、サイリウムシードガム、タマリンド種子ガム、アラビアガム、トラガントガム、大豆水溶性多糖、アルギン酸、カラギーナン、ラミナラン、寒天(アガロース)、フコイダン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の天然高分子、部分桍化ポリビニルアルコール(後述する架橋剤と併用しない場合)、低桍化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成高分子等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水溶性樹脂のうち、ナノファイバ前駆体の調製が容易である観点から、プルラン、並びにけん化度80〜96mol%の部分桍化ポリビニルアルコール、低桍化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリエチレンオキサイド等の合成高分子を用いることが好ましい。
原料液中での水溶性樹脂の濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、更に好ましくは5〜20質量%であることが、ナノファイバ前駆体を首尾良く製造し得る点から有利である。
原料液に含まれる水不溶性材料からなる主材粒子は、先に述べたとおり、合成樹脂又は金属若しくは半金属元素の酸化物であることが好ましい。主材粒子は、それ単独を含む水性液を用いてエレクトロスピニング法に付したときに、ナノファイバの形成が不能な材料であることが好ましい。
主材粒子は、その構成材料が合成樹脂である場合には、水系エマルションの状態で供給されることが好ましい。また、構成材料が、金属又は半金属の酸化物である場合には、水系コロイドの状態で供給されることが好ましい。いずれの場合であっても、主材粒子は、該エマルション又はコロイドから液媒体を除去した後に、該主材粒子どうしが結合して三次元構造体を形成する能力を有するものであることが好ましい。例えば主材粒子が合成樹脂の粒子からなる場合、該合成樹脂の粒子は、該粒子を含む水系エマルションの状態で供給され、該エマルションから液媒体を除去した後の状態において該合成樹脂の粒子どうしが結合して三次元構造体を形成することが好ましい。結合の態様としては、樹脂の造膜作用を利用した融着が挙げられる。ガラス転移点の低い合成樹脂の場合、積極的に加熱を行わなくても、室温で融着が起こることもある。一方、主材粒子が金属又は非金属の酸化物の粒子からなる場合、該酸化物の粒子は、該粒子を含む水系コロイドの状態で供給され、該コロイドから液媒体を除去した後の状態において該酸化物の粒子どうしが結合して三次元構造体を形成することが好ましい。結合の態様としては、粒子表面に存在する水酸基の脱水縮合反応によって生じる、金属又は半金属元素と酸素との架橋が挙げられる。
主材粒子の粒径は、ナノファイバとして、例えば図1及び図2に示す態様のものを製造する場合には、10〜1000nm、特に40〜500nmのものを用いることが好ましい。図3(a)及び(b)に示す態様のナノファイバを製造する場合には、主材粒子の粒径は0.1〜500nm、特に1〜100nmのものを用いることが好ましい。主材粒子の粒径は、例えば動的光散乱法、レーザー回折法等によって測定することができる。
原料液中での主材粒子の濃度は、好ましくは1〜80質量%であり、更に好ましくは5〜50質量%であることが、目的とするナノファイバを首尾良く製造し得る点から有利である。
原料液に含まれる水不溶性材料からなる機能性粒子としては、目的とするナノファイバの具体的な用途に応じて適切なものが用いられる。また機能性粒子は、それ単独を含む水性液を用いてエレクトロスピニング法に付したときに、ナノファイバの形成が不能な材料であることが好ましい。機能性粒子の具体例は先に述べたとおりである。
機能性粒子の粒径は、ナノファイバとして、例えば図1に示す態様のものを製造する場合には、10〜1000nm、特に50〜500nmのものを用いることが好ましい。図2並びに図3(a)及び(b)に示す態様のナノファイバを製造する場合には、機能性粒子の粒径は0.1〜500nm、特に1〜100nmのものを用いることが好ましい。機能性粒子の粒径の測定法は、先に述べた主材粒子の粒径の測定法と同様とすることができる。
原料液中での機能性粒子の濃度は、好ましくは1〜50質量%であり、更に好ましくは3〜30質量%であることが、目的とするナノファイバを首尾良く製造し得る点から有利である。
以上の各成分を混合して、水系エマルション又は水系コロイド(水系ゲル)を得る。これをエレクトロスピニング法に付してナノファイバ前駆体を製造する。図4には、エレクトロスピニング法を実施するための装置30が示されている。エレクトロスピニング法を実施するためには、シリンジ31、高電圧源32、導電性コレクタ33を備えた装置30が用いられる。シリンジ31は、シリンダ31a、ピストン31b及びキャピラリ31cを備えている。キャピラリ31cの内径は10〜1000μm程度である。シリンダ31a内には、前記の原料液が充填されている。高電圧源32は、例えば10〜30kVの直流電圧源である。高電圧源32の正極はシリンジ31における原料液と導通している。高電圧源32の負極は接地されている。導電性コレクタ33は、例えば金属製の板であり、接地されている。シリンジ31におけるキャピラリ31cの先端と導電性コレクタ33との間の距離は、例えば30〜300mm程度に設定されている。図4に示す装置30は、大気中で運転することができる。運転環境に特に制限はなく、温度20〜40℃、湿度10〜50%RHとすることができる。
シリンジ31と導電性コレクタ33との間に電圧を印加した状態下に、シリンジ31のピストン31bを徐々に押し込み、キャピラリ31cの先端から原料液を押し出す。押し出された原料液においては、液媒体が揮発するとともに、水溶性樹脂が固化しつつ、電位差によって伸長変形しながらナノファイバを形成し、導電性コレクタ33に引き寄せられる。この伸長変形しながらナノファイバを形成する際に、液媒体が揮発するとともに、ナノファイバの表面に水溶性樹脂が移動して水溶性樹脂層が形成される。その結果、主材粒子及び機能性粒子は繊維の内部に取り込まれ、粒子どうしが密に接触した構造が形成される。水溶性樹脂中に取り込まれた主材粒子は、その構成材料や粒径に応じ、該主材粒子どうしが直接結合するか、又は該主材粒子が機能性粒子を介して結合する。特に主材粒子がガラス転移点の低い合成樹脂からなる場合には、結合が容易に生じる。また主材粒子が微細なシリカ粒子等の表面活性の高い無機酸化物粒子からなる場合にも、粒子表面の水酸基の脱水縮合反応によって結合が容易に生じる。この場合、主材粒子及び機能性粒子の構成材料や粒径に応じ、先に説明した図1ないし図3に示す形態のいずれかが生じる。例えば主材粒子が合成樹脂からなり、かつ主材粒子及び機能性粒子の粒径がナノファイバの直径に近い場合には、図1に示す形態のナノファイバが得られる。主材粒子が合成樹脂からなり、かつ主材粒子の粒径が、機能性粒子の粒径よりも十分に大きい場合には、図2に示す形態のナノファイバが得られる。主材粒子が酸化物からなり、かつ主材粒子及び機能性粒子の粒径が、ナノファイバの直径よりも十分に小さい場合には、図3(a)及び(b)に示す形態のナノファイバが得られる。水溶性樹脂を用いず、主材粒子と機能性粒子を含む原料液を用い、これをエレクトロスピニング法に付しても、主材粒子どうしを直接結合させること、又は機能性粒子を介して主材粒子を結合させることは容易でない。このようにしてナノファイバ前駆体が製造される。ナノファイバ前駆体は、その製造の原理上は、無限長の連続繊維となる。
図5には、このようにして製造されたナノファイバ前駆体が模式的に示されている。同図に示すナノファイバ前駆体10’は、先に説明した図1に示すナノファイバ10に相当する前駆体である。なお図5においてはナノファイバ10の一部のみが示されており、実際は同図中、左右方向に延びている。この前駆体10’は、目的とするナノファイバ10に対応する主骨格部位10Aと、該主骨格部位10Aの周囲を被覆する被覆部位10Bとを有する。主骨格部位10Aの構造は、目的とするナノファイバ10の構造と同一であり、主材粒子11及び機能性粒子12を含む。一方、被覆部位10Bは水溶性樹脂から構成されている。被覆部位10Bの厚みは、原料液中における水溶性樹脂の濃度に応じて変化する。被覆部位10Bの厚みが好ましくは1〜500nm、更に好ましくは10〜300nmとなるようにナノファイバ前駆体10’を製造すると、主骨格部位10Aを首尾良く形成することができる。
このようにして得られたナノファイバ前駆体10’は、この後に熱処理を行うことができる。被覆部位10Bが存在していることによって、ナノファイバ前駆体10’に熱処理を行う際に、主材粒子11が溶融してナノファイバ形態が崩れてしまうことが効果的に防止される。これとともに、被覆部位10Bと機能性粒子12が接触しているので、溶融した主材粒子11が機能性粒子12の表面を被覆してしまうことが効果的に防止される。
このようにして得られたナノファイバ前駆体10’はその複数本がランダムに堆積されてシートを形成している。この状態のナノファイバ前駆体10’から被覆部位10B、すなわち水溶性樹脂を除去する。水溶性樹脂の除去には、例えば該樹脂が水溶性であることを利用して、該前駆体10’を水洗して、該水溶性樹脂を水中に溶出させる方法を採用することができる。あるいは、ナノファイバ前駆体10’を加熱して、水溶性樹脂を熱分解させることで、該樹脂を除去することもできる。両者を併用しても構わない。水洗によって水溶性樹脂を除去する場合には、例えばナノファイバ前駆体10’を水中に浸漬し、超音波を照射する方法を採用することができる。加熱によって水溶性樹脂を除去する方法は、主材粒子及び機能性粒子のいずれもが耐熱性を有するものである場合に有効である。
このようにして、被覆部位10B、すなわち水溶性樹脂が除去されて、目的とするナノファイバ10が得られる。このナノファイバ10は、水溶性樹脂の除去後であってもシート状の形態を維持している。
水溶性樹脂の除去後に、必要に応じ、主材粒子どうしの直接結合、又は機能性粒子を介しての主材粒子どうしの結合を一層強固なものとすることを目的として、加熱を行ってもよい。加熱温度は、主材粒子が合成樹脂からなる場合は、その融着が促進される温度に設定すればよい。主材粒子が酸化物粒子からなる場合には、粒子表面の水酸基の脱水縮合反応が生じる温度に設定すればよい。
このようにして得られたナノファイバは、例えばナノファイバシートの形態で、例えばヒトの皮膚、非ヒト哺乳類の皮膚や歯、枝や葉等の植物表面等に付着させて用いることができる。この場合、ナノファイバシートを対象物の表面に付着させるのに先立ち、該表面を液状物で湿潤状態にしておくことが好ましい。特に、ナノファイバシート自体が接着性を有さないか又は対象物の表面に対する接着力が低い場合には、対象物の表面を液状物で湿潤状態にしておくことが好ましい。そうすることによって、表面張力の作用を利用して、ナノファイバシートを対象物の表面に首尾良く付着させることができる。対象物の表面を湿潤状態にすることに代えて、ナノファイバシートの表面を液状物で湿潤状態にしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)原料液の調製
以下の各成分を混合して、水系エマルションからなる原料液を調製した。
・プルラン(水溶性樹脂) 1.0g
・アクリルエマルション(主材粒子、日本カーバイド工業(株)製のニカゾールRX284SD、粒径180nm、ガラス転移点27℃) 4.9g(固形分45%)
・酸化チタン粒子と酸化鉄粒子の混合物(機能性粒子、平均粒径200nm) 1.8g
・水 5.2g
(2)ナノファイバ前駆体の製造
図4に示す装置を用い、以下の条件でエレクトロスピニング法を実施し、ナノファイバ前駆体がランダムに堆積されたシートを得た。この状態のナノファイバ前駆体の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図6(a)に示す。
・印加電圧:28kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:200mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・製造環境:23℃、25%RH
(3)ナノファイバの製造
得られたシートに100℃30分の熱処理を行い、アクリルエマルション粒子の結合を行った。その後、得られたシートを20℃の水中に浸漬し、超音波を30分間にわたり照射し、水溶性樹脂を除去した。このようにして得られたナノファイバを含むナノファイバシートのSEM像を図6(b)に示す。1本のナノファイバの断面のTEM像を図6(c)に示す。図6(b)及び(c)から明らかなように、本実施例で得られたナノファイバは、アクリルの粒子と酸化チタン粒子と酸化鉄粒子の混合物粒子が連続化した構造を示しており、先に説明した図1に示す態様のものである。このようにして得られたナノファイバは酸化チタン及び酸化鉄粒子の表面を活用した用途への適用が期待できる。
〔実施例2〕
(1)原料液の調製
以下の各成分を混合して、水系コロイドからなる原料液を調製した。
・ポリビニルアルコール(水溶性樹脂、クラレ(株)製のPVA217、けん化度88mol%) 0.4g(固形分)
・コロイダルシリカ(主材粒子、日産化学工業(株)製のスノーテックスAK、粒径10−20nm) 2.3g(固形分20%)
・アルミナゾル(機能性粒子、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、粒径10−20nm) 0.9g(固形分21%)
・水 4.0g
(2)ナノファイバ前駆体の製造
図4に示す装置を用い、以下の条件でエレクトロスピニング法を実施し、ナノファイバ前駆体がランダムに堆積されたシートを得た。この状態のナノファイバ前駆体の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図7(a)に示す。なお、得られたナノファイバ前駆体の比表面積を窒素吸着法(BEL SORP−mini、日本ベル(株)製)にて測定した結果、8.3m2/gであった。
・印加電圧:25kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:150mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・製造環境:33.5℃、20%RH
(3)ナノファイバの製造
得られたシートを通常(大気)雰囲気下に、600℃で60分間にわたり加熱して、水溶性樹脂を除去して前駆体を得た。なお、得られたナノファイバ前駆体の比表面積を窒素吸着法(BEL SORP−mini、日本ベル(株)製)にて測定した結果、181.0m2/gであった。このようにして得られたナノファイバを含むナノファイバシートのSEM像を図7(b)に示す。1本のナノファイバの断面のTEM像を図7(c)に示す。図7(b)及び(c)から明らかなように、本実施例で得られたナノファイバは、多数のシリカ粒子が粒子形状を保持したまま結合した多孔体構造であり、その内部及び/又は外部にアルミナ粒子が複合化した構造を取っていることから、先に説明した図3(a)及び(b)に示す態様のものである。
このようにして得られたナノファイバは、シリカ粒子から構成されるナノファイバの内部及び外部に触媒としてのアルミナ粒子の表面が露出しており、周囲環境と接することが可能になっているために、高い触媒性能が期待される。
〔実施例3〕
(1)原料液の調製
以下の各成分を混合して、水系エマルションからなる原料液を調製した。
・プルラン(水溶性樹脂) 1.0g
・アクリルエマルション(主材粒子、日本カーバイド工業(株)製のニカゾールRX7013ED、粒径42nm) 6.0g(固形分35%)
・コロイダルシリカ(機能性粒子、日産化学工業(株)製のスノーテックス40、粒径10−20nm) 3.4g(固形分40%)
・水 7.0g
(2)ナノファイバ前駆体の製造
図4に示す装置を用い、以下の条件でエレクトロスピニング法を実施し、ナノファイバ前駆体がランダムに堆積されたシートを得た。
・印加電圧:28kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:200mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・製造環境:23℃、25%RH
(3)ナノファイバの製造
得られたシートに対して、大気雰囲気下に100℃30分の熱処理を行い、アクリルエマルション粒子の結合を行った。その後、得られたシートを20℃の水中に浸漬し、超音波を30分間にわたり照射し、水溶性樹脂を除去した。このようにして得られたナノファイバを含むナノファイバシートのSEM像を図8(a)に示す。1本のナノファイバの断面のTEM像を図8(b)に示す。図8(a)及び(b)から明らかなように、本実施例で得られたナノファイバは、シリカ粒子が主にナノファイバの外側に存在する構造をとっており、先に説明した図2に示す態様のものである。
このようにして得られたナノファイバは、シリカ粒子が主にナノファイバの外側に存在し周囲環境と接することが可能になっているために、アクリル樹脂から構成されるナノファイバ表面にシリカ粒子の特性を付与でき、高い親水性を示すことが期待される。
〔比較例1〕
(1)原料液の調製
以下の各成分を用いて原料液を調製した。
・ポリビニルアルコール(水溶性樹脂、クラレ(株)製のPVA117、けん化度98.5mol%) 1g(固形分)
・ポリメチルシルセスキオキサン粒子(三京化成(株)製のトスパール、粒径4μm) 0.25g(固形分)
水 9g
原料液の調製においては、ポリビニルアルコールと水を混合し、加熱することによりポリビニルアルコールを溶解させた。その後、ポリメチルシルセスキオキサン粒子を混合することにより原料液を調製した。
(2)ナノファイバの製造
図4に示す装置を用い、以下の条件でエレクトロスピニング法を実施し、ナノファイバがランダムに堆積されたナノファイバシートを得た。この状態のナノファイバの走査型電子顕微鏡(SEM)像を図9(a)に示す。また図9(a)に示すナノファイバの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図9(b)に示す。これらの図から明らかなように、このナノファイバにおいては、ポリメチルシルセスキオキサン粒子の表面の全域が、ポリビニルアルコールからなる被膜で被覆されており、該粒子の表面が外界に直接露出している部位は存在していない。
・印加電圧:25kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:175mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・製造環境:25℃、30%RH
〔比較例2〕
(1)原料液の調製
以下の各成分を用いて原料液を調製した。
・ポリビニルアルコール(水溶性樹脂、クラレ(株)製のPVA117、けん化度98.5mol%) 1.0g
・マイカ板状粒子(SA410、粒径39μm) 0.43g
・水 9g
原料液の調製においては、ポリビニルアルコールと水を混合し、加熱することによりポリビニルアルコールを溶解させた。その後、マイカ板状粒子を混合することにより原料液を調製した。
(2)ナノファイバの製造
図4に示す装置を用い、以下の条件でエレクトロスピニング法を実施し、ナノファイバがランダムに堆積されたナノファイバシートを得た。この状態のナノファイバの走査型電子顕微鏡(SEM)像を図10(a)に示す。また図10(a)に示すナノファイバの断面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を図10(b)に示す。これらの図から明らかなように、このナノファイバにおいては、マイカ板状粒子の表面の全域が、ポリビニルアルコールからなる被膜で被覆されており、該粒子の表面が外界に直接露出している部位は存在していない。
・印加電圧:25kV
・キャピラリ−コレクタ間距離:175mm
・原料液吐出量:1.0ml/h
・製造環境:25℃、30%RH
10 ナノファイバ
11 主材粒子
12 機能性粒子
10’ ナノファイバ前駆体
10A 主骨格部位
10B 被覆部位

Claims (6)

  1. 水不溶性材料からなる複数の主材粒子を含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子の連結体から形成されており、該連結体内に、機能性粒子が、その表面の一部が周囲環境と接することが可能な状態で保持されており、
    前記連結体が、複数の前記主材粒子が連結して形成された三次元空間を有し、
    前記三次元空間は、前記連結体に形成された連通部によって周囲環境と通じており、
    前記三次元空間内に、表面が露出した前記機能性粒子が保持されているナノファイバ。
  2. 水不溶性材料からなる複数の主材粒子を含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子の連結体から形成されており、該連結体内に、機能性粒子が、その表面の一部が周囲環境と接することが可能な状態で保持されており、
    前記主材粒子が金属又は半金属元素の酸化物からなり、金属又は半金属元素と酸素との架橋によって該主材粒子どうしが結合しているナノファイバ。
  3. 前記機能性粒子は、その表面の一部が、前記連結体の表面において露出しており、かつその表面の残部が前記連結体内に包埋されていることで、周囲環境と接することが可能になっている請求項1又は2記載のナノファイバ。
  4. 前記主材粒子が合成樹脂からなり、該合成樹脂の融着によって該主材粒子どうし又は該主材粒子と前記機能性粒子とが結合している請求項1ないし3のいずれか一項に記載のナノファイバ。
  5. 水不溶性材料からなる複数の主材粒子と、水不溶性材料からなる複数の機能性粒子とを含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子と該機能性粒子との連結体から形成されており、該機能性粒子は、その表面の一部が、周囲環境と接することが可能な状態で該連結体内に保持されているナノファイバ、又は
    水不溶性材料からなる複数の主材粒子を含むナノファイバであって、該ナノファイバは該主材粒子の連結体から形成されており、該連結体内に、機能性粒子が、その表面の一部が周囲環境と接することが可能な状態で保持されているナノファイバの製造方法であって、
    水溶性樹脂と、水不溶性材料からなる複数の主材粒子と、水不溶性材料からなる複数の機能性粒子とを含み、該水溶性樹脂が溶解した状態になっている水系エマルション又は水系コロイドを原料液として用い、該原料液をエレクトロスピニング法に付して、該主材粒子及び該機能性粒子を含む主骨格部位と、該主骨格部位の周囲を被覆する該水溶性樹脂からなる被覆部位とを有するナノファイバ前駆体を製造し、
    前記ナノファイバ前駆体から、前記水溶性樹脂からなる被覆部位を除去する工程を有するナノファイバの製造方法。
  6. 前記水溶性樹脂を除去する工程が、前記ナノファイバ前駆体を水洗して、該水溶性樹脂を溶出させる工程からなるか、又は前記ナノファイバ前駆体を加熱して、該水溶性樹脂を熱分解する工程からなる請求項5に記載の製造方法。
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