JP5580574B2 - 電気かみそりのクリーニング装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、電気かみそりを洗浄姿勢にするのに連動して、ポンプの吸込み口をクリーニング液に浸漬でき、電気かみそりをクリーニング装置から取り外した状態では、ポンプの吸込み口をタンクの外に位置させて、ポンプおよびその周辺機器を乾燥状態で保管できるクリーニング装置を提供することにある。
図1ないし図16は本発明に係るクリーニング装置の実施例1を示す。この実施例における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、矢印の近傍の文字表示に従うこととする。図2において、洗浄対象の電気かみそりは、グリップを兼ねる本体部1と、本体部1の上部に設けられるかみそりヘッド2とを備えている。かみそりヘッド2には、網刃からなる断面アーチ形の外刃3と、外刃3の内面に摺接するロータリー式の内刃4とが設けられており、本体部1の内部に設けたモーター5の回転動力で内刃4を回転駆動して、ひげ切断を行なえる。
ベース15は、ベース基部19と、ベース基部19の上面を覆う断面コ字状のベースフレーム20とを一体に備えたプラスチック成形品からなり、ベース基部19とベースフレーム20とで、タンク17を収容するためのタンク収容部21が区画してある。タンク収容部21は前後が開口しており、前開口に臨むハウジング16の前壁には、タンク17の出入口22が開口してある。出入口22は、軸23で揺動開閉自在に支持されたドア24で開閉でき、ドア24はばね25で閉じ勝手に付勢してある。ばね25の付勢力に逆らってドア24を上開き揺動して反転させることにより、出入口22を開放してタンク17をタンク収容部21に出し入れできる。ベースフレーム20の上壁の上面にポンプ40などの送液構造が配置してある。
ハウジング16の上面中央には、電気かみそりを倒立姿勢で収容する断面V字状のポケット29が凹み形成してあり、その内底にかみそりヘッド2を収容する装填部30が設けてある(図1参照)。装填部30は断面U字形の樋体状のソケット31で区画してある。ソケット31の周囲を囲むポケット29の内底壁は、クリーニング液を受けるためのヘッドシンク32として機能している。このヘッドシンク32を囲むシンク壁を符号45で示す。
図1および図3において送液構造は、ポンプケーシング39と、その内部に組み込まれる遠心型のポンプ40、およびポンプ40用のモーター41と、先のヘッドシンク32で支持されるノズル42と、ポンプケーシング39とノズル42を繋ぐ送液管43などで構成する。ポンプケーシング39はプラスチック成形品からなり、その底壁にポンプ40の吸込み口44が開口してある。送液管43は弾性変形可能なプラスチック製あるいはゴム製の管体からなり、その一端がポンプケーシング39の上壁に設けた吐出口に接続され、他端がノズル42に接続してある。ポンプケーシング39、ポンプ40、およびモーター41からなるポンプユニットは、以下に述べる昇降機構で下方の供給位置と、上方の待機位置との間で昇降操作される。ノズル42はシンク壁45で前後進退可能に支持されており、その先端がヘッドシンク32内へ突出されて、ソケット31のノズル開口82内に臨ませてある(図6参照)。ノズル42は、ノズル進退構造で進退操作されるが、その詳細は後述する。
図3および図5に示すように昇降機構は、ベースフレーム20の上壁に立設した左右一対のガイド枠47と、ガイド枠47に設けたスライド溝48に沿って上下スライドするスライドピン49と、ポンプケーシング39を昇降操作する左右一対の昇降アーム50などで構成する。スライドピン49は、ポンプケーシング39と一体に形成してある。昇降アーム50は、ソケット31に同行して上下揺動でき、そのアーム先端に設けた連動ピン53を介して、ポンプケーシング39に設けた前後方向の連動溝46と係合している。
ヘッドシンク32の前壁の左右中央に、乾燥装置が配置してある。乾燥装置は、両端が開口するファンケース54の内部に軸流式のファンモーター55と、ヒーターユニット56を収容して構成してあり、ファンモーター55の中心軸線P1が斜め下向きに傾斜する状態でハウジング16内に配置してある(図7参照)。ファンケース54の吸い込み面と対向するハウジング16の前壁には、一群のスリットからなる吸込み口57が形成してあり(図2参照)、ファンケース54の吹き出し面側は案内通路58を介してヘッドシンク32に連通している。
タンク17は箱形容器状に形成されており、その上面に先のポンプユニットを差し込むための給液口60と、ヘッドシンク32の最底部に設けたドレン通路61に対応する還流口62とが開口してある(図3参照)。還流口62と上下に対向するタンク17の内部には、ヘッドシンク32から流下する洗浄後のクリーニング液をろ過するフィルター63が配置してある。フィルター63は、フィルター枠63aと、フィルター枠63aで断面W字状に保形されるろ過エレメント63bとで、上向きに開口する容器状に形成してあり、洗浄後のクリーニング液に含まれる毛屑や皮脂を濾過する。タンク17の内部にフィルター63を設けることにより、ポンプ40はろ過された後のクリーニング液を吸引して、ノズル42へ送給できることになる。タンク17とフィルター63はカートリッジ化されていて、所定の使用時間が経過するごとに交換される。クリーニング液は、水、アルコール、石けん水などを用いる。
タンク収容部21に装填したタンク17の給液口60、および還流口62をシールするために、吸込み通口51に第1シール66を装着し、さらに、ドレン開口52に第2シール67を装着している。図4において第1シール66は、ポンプケーシング39の丸筒状の周面に摺接する筒状シール部68と、筒状シール部68の下部から水平方向に張り出されるフランジ状シール部69を一体に備えており、自己の弾性で吸込み通口51に固定してある。第2シール67は、ドレン通路61の下部に連結される筒状シール部70と、筒状シール部70の下部から水平方向に張り出されるフランジ状シール部71を一体に備えており、自己の弾性でドレン開口52に固定してある。第2シール67は、第1シール66に比べてひと回り小さく形成してある。
昇降機構は、操作構造で昇降操作されてポンプユニットを供給位置と待機位置とに切り換える。この実施例では、装填部30およびソケット31が操作構造を兼ねるようにした。図5に示すようにソケット31は、下半周壁に一群のスリット78を一定間隔おきに形成した籠状体からなり、その左右両側に設けた支軸79がハウジング16の内側壁に設けた左右一対の軸受穴80で回動自在に軸支されている。このように、ソケット31の両側を軸受穴80で支持することにより、ソケット31は、装填部30に装着した電気かみそりを前後に傾動するとき、使用姿勢と不使用姿勢との間で前後傾動できる。
電気かみそりを洗浄するときに、ノズル42の先端をかみそりヘッド2の内部へ進入させるために、外刃ホルダー13に受液開口90を開口し、受液開口90をスライド可能なシャッター91で開閉できるようにしている。シャッター91は圧縮コイル形のシャッターばね92で閉じ勝手にスライド付勢してある。電気かみそりの装填部30への装着動作を利用してシャッター91を開放操作するために、先に述べた開放突起83を設けている。
上記のように、電気かみそりを倒立姿勢から後傾操作するときの動作を利用して、ノズル42をノズル進退構造でかみそりヘッド2の内部へ進入できるようにしている。詳しくは、図10に示すように、ソケット31の後方に配置した受動レバー95と、ノズル42に固定される受動アーム96と、受動レバー95をソケット31に接当付勢するばね97などでノズル進退構造を構成している。受動レバー95は、レバー本体98と、レバー本体98の一側からソケット31へ向かって連出される接当アーム99を一体に備えている。左右方向に長いレバー本体98の中央部分を揺動軸100で軸支することにより、受動レバー95は揺動軸100の回りに前後揺動できる。揺動軸100は、ベースフレーム20の上壁に立設したボス101に固定してある。レバー本体98と受動アーム96は、レバー本体98の下面側に固定したピン102と、受動アーム96に形成した連動溝103とで連結してある。ポケット29の後面壁には接当アーム99の横揺動を許す逃げ穴104が開口してある(図5参照)。
ノズル42の詳細構造を図11から図13に示す。ノズル42は、2重筒状のノズル本体106と、ノズル本体106で回転自在に軸支される吹出しヘッド107と、ノズル本体106を固定支持するノズル基部108などで構成する。吹出しヘッド107は円盤状に形成してあり、その盤面に6個のノズル穴109が前後貫通状に形成してある。盤面の後側には軸110が一体に設けてあり、この軸110をノズル本体106の中央のボス111で軸支することにより、吹出しヘッド107の全体が回転自在に支持してある。図12に示すようにノズル穴109は断面台形状に形成してあり、吹出しヘッド107の内側から外側へ向かって先すぼまり状に穴幅が狭められている。また、各ノズル穴109の中心軸はノズル42の中心軸に対して斜めに傾斜させてある。
次に、クリーニング装置の運転モードと各運転モードにおける動作について説明する。クリーニング装置は、装填部30に電気かみそりが適正な姿勢で装填してあること、タンク17がベース15上の所定位置に配置してあること、電気かみそりに対して通電できる状態であること、の各条件を満たした状態でのみ作動でき、さらにポンプ40を駆動するモーター41の駆動電流が一定値以上であること、つまりタンク17内に貯留されたクリーニング液の液位が一定以上であることを連続運転するための条件にしている。
図15に示すように、洗浄−乾燥モードにおいては、セレクトボタン33がオン操作されたのち、ポンプ駆動用のモーター41が起動され、クリーニング液が毛屑室Rへと送給されて洗浄が開始される。同時に常開スイッチ122がオン操作されて電気かみそりのモーター5が起動可能な状態となる。洗浄開始から所定時間が経過する前段過程では、ポンプ駆動用のモーター41を間欠的に駆動して、クリーニング液の送給と、毛屑室Rからのクリーニング液の排出とを交互に行なう。前段過程が終了するのと同時に、ポンプ駆動用のモーター41を連続駆動してクリーニング液を連続供給し、同時に内刃4を駆動するモーター5を間欠的に駆動しながら洗浄を行なって後段過程へ移行する。間欠駆動時のモーター5、およびモーター41の起動および停止は、制御部121からの指令信号によって制御される。
実施例2に係るクリーニング装置を図17〜図19に示している。実施例2では実施例1と同様に、ソケット31が電気かみそりで傾動操作されるのを利用して、ポンプユニットを昇降機構で昇降し、さらにノズル42をノズル進退構造で進退するが、これらの機構の詳細構造が実施例1と異なる。
実施例3に係るクリーニング装置を図20に示している。そこでは、ポケット29をU字状に形成して、ソケット31をポケット29の内面の左右側壁で上下スライド自在に案内支持する。ソケット31には操作ラック(連動体)140が同行移動可能に設けてあり、ソケット31が電気かみそりで実線で示す不使用位置から、想像線で示す使用位置(洗浄姿勢)へ押し下げ操作されるときの動作を利用して、ポンプユニットを待機位置から供給位置へと下降操作する点が先の実施例と異なる。
実施例4に係るクリーニング装置を図21に示している。そこでは、ドア24の開閉動作に連動してポンプユニットを待機位置と供給位置とに変位させる。詳しくはドア24の揺動軸23に扇形の原動ギヤ142を固定して操作構造とする。さらに、原動ギヤ142の近傍に巻取りドラム143を配置し、そのドラム軸に固定した受動ギヤ144と原動ギヤ142との間に3個のギヤ列145を配置して、ドア24の開閉に連動して巻取りドラム143を回転操作できるようにする。巻取りドラム143に巻き付けられた昇降ロープ146は、ポンプユニットの上方に配置したガイドプーリー147で下向きに案内されて、その端部がポンプケーシング39に固定してある。ポンプユニットの下降移動を円滑に行なうために、ポンプケーシング39をばね148で押し下げ付勢する。なお、この実施例においては、実施例3と同様にポケット29をU字状に形成して、ソケット31をポケット29の内面の左右側壁で上下スライド自在に案内支持している。以下に説明する実施例5から9においても同様のポケット構造と、ソケット支持構造とが適用される。
実施例5に係るクリーニング装置を図22に示している。そこでは、タンク17の出入口22をハウジング16の後壁に開口し、実施例4と同様にドア24の開閉動作に連動してポンプユニットを待機位置と供給位置とに変位させる。詳しくは、ドア24の揺動軸23に扇形の原動ギヤ142を固定して操作構造とする。さらに、ポンプケーシング39の上端に縦長の受動ラック128を固定し、受動ラック128と原動ギヤ142とを一群のギヤ列151を介して連動可能とした。
実施例6に係るクリーニング装置を図23に示している。そこでは、ハウジング16の上端に逆L字状の給電体154を設け、その前端下面に本体側コネクター36を設ける。このコネクター36に対応して、電気かみそりの本体部1の底面にかみそり側コネクター10が設けてある。給電体154は、ハウジング16で上下スライド可能に支持されて接続姿勢と分離姿勢とに変位できる。電気かみそりを装填部30に倒立姿勢で装着したのち、給電体154を押し下げて接続姿勢に切り換えることにより、本体側コネクター36とかみそり側コネクター10とを接続することができる。この状態から給電体154を上方へスライド操作して分離姿勢にすると、両コネクター10・36を分離できる。
実施例7に係るクリーニング装置を図24および図25に示す。そこでは、ハウジング16の外面一側に操作ハンドル(切換具)159を設けて、操作ハンドル159を上下にスライド操作してポンプユニットを供給位置と待機位置とに変位操作できるようにした。操作ハンドル159は、グリップ160とハンドル腕161とを一体に備えており、ハンドル全体がハウジング16で上下スライド自在に案内支持してある。ハンドル腕161の内端はポンプケーシング33に固定してある。したがって、操作ハンドル159を下向きにスライド操作すると、ポンプユニットが供給位置へ下降移動し、操作ハンドル159を上向きにスライド操作すると、ポンプユニットを待機位置へ復帰することができる。
実施例8に係るクリーニング装置を図26および図27に示す。そこでは、ハウジング16の外面一側に操作ダイヤル(切換具)169を設けて、操作ダイヤル169を回転操作してポンプユニットを供給位置と待機位置とに変位操作できるようにした。また、操作ダイヤル169の回転動作を利用してノズル42を前後に進退移動できるようにした。
実施例9に係るクリーニング装置を図28に示す。そこでは、モーター180と、モーター180で回転駆動されるピニオン181と、ピニオン181で昇降操作される受動ラック128とで昇降機構を構成して、ポンプユニットの昇降を自動化した。また、タンクスイッチ115とは別にドアスイッチ182を付加して、クリーニング装置における洗浄−乾燥モードの開始条件を厳しくした。この実施例におけるクリーニング装置は、セレクトボタン33をオンして洗浄−乾燥モードが始まると、まず、モーター180が起動してポンプユニットを供給位置へ下降させる。以後は、図15に示すタイミングチャートに従って、洗浄と乾燥を行なう。また、ポンプユニットの待機位置への復帰動作は、ポンプ40の駆動が終了した後に行なう。
かみそりヘッド2を収容する装填部30を備えたソケット31と、装置本体14に対して着脱自在に設けられるクリーニング液のタンク17と、タンク17内のクリーニング液をかみそりヘッド2へ送給する送液構造とを装置本体14に設ける。ソケット31は、装置本体14で不使用姿勢と使用姿勢とに切り換え可能に支持されている。クリーニング液をかみそりヘッド2の内部に直接送給するノズル42が、装填部30に配置されている。ノズル42は、その先端がかみそりヘッド2の内部に入り込む姿勢と、かみそりヘッド2の外へ後退する姿勢との間で進退できるよう装置本体14で支持されている。ノズル42の姿勢を、ソケット31の姿勢切り換え動作に連動して作動するノズル進退構造で切り換え操作する。
14 装置本体
15 ベース
16 ハウジング
17 タンク
21 タンク収容部
22 出入口
23 ドア
29 ポケット
30 装填部
31 ソケット
32 ヘッドシンク
39 ポンプケーシング
40 ポンプ
41 モーター
42 ノズル
44 吸込み口
50 昇降アーム
Claims (3)
- 本体部(1)の上部にかみそりヘッド(2)が設けられる電気かみそりを、かみそりヘッド(2)を下向きにした倒立姿勢でクリーニングする電気かみそりのクリーニング装置であって、
かみそりヘッド(2)を収容する装填部(30)と、装置本体(14)に対して着脱自在に設けられるクリーニング液のタンク(17)と、タンク(17)内のクリーニング液をかみそりヘッド(2)へ送給する送液構造とが装置本体(14)に設けられており、
送液構造の少なくとも吸込み口(44)が、タンク(17)内のクリーニング液に浸漬する供給位置と、クリーニング液の液位より上方で待機する待機位置とに移動自在に設けてあり、
送液構造の少なくとも吸込み口(44)を供給位置と待機位置との間で移動操作する昇降機構が装置本体(14)に設けてあり、
装填部(30)を構成するソケット(31)が装置本体(14)で不使用姿勢と使用姿勢とに切り換え可能に支持されており、
ソケット(31)が装置本体(14)で傾動可能に軸支されて、電気かみそりを倒立姿勢で支持する不使用姿勢と、電気かみそりを傾斜する姿勢で支持する使用姿勢とに変位可能に設けられており、
ソケット(31)の傾動に連動して作動する昇降機構で、吸込み口(44)を待機位置と供給位置とに切り換え操作できる電気かみそりのクリーニング装置。 - ソケット(31)の周囲に洗浄後のクリーニング液を受け止めるヘッドシンク(32)が設けられており、
ヘッドシンク(32)とタンク(17)とは、装置本体(14)に設けたドレン通路(61)を介して連通しており、
ドレン通路(61)に、同通路(61)を開閉する通路開閉体(81・134)が設けられており、
ポンプ(40)が昇降機構で待機位置へ変位操作されるのに連動して、ドレン通路(61)を通路開閉体(81・134)で閉止して、クリーニング液の蒸発を防止する請求項1に記載の電気かみそりのクリーニング装置。 - ヘッドシンク(32)の外面に、ドレン通路(61)の入り口を開閉する通路栓(81)が設けられており、
ソケット(31)を不使用姿勢に切り換えた状態において、通路栓(81)でドレン通路(61)を閉止できる請求項2に記載の電気かみそりのクリーニング装置。
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