JP5579680B2 - 鉄道車両用電気品収容用の筐体構造を構成する薄板及びこれを用いた鉄道車両用電気品収容用の筐体、鉄道車両用電気機器 - Google Patents
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Description
薄板の接合を行う際、強度上問題とならない部位については、断続的に溶接を行うことになるが、本発明は、特にこうした断続溶接を精度高く行うための薄板の構造及びこれを用いた鉄道車両用電気品収容用の筐体、鉄道車両用電気機器に関するものである。
また、下記特許文献2には、ディスク体の環状突出部に対するリム体の突き合わせ部に、全周にわたり環状凹部を形成して、この凹部を溶接し、溶接ビードをリム体表面側の外周に設けたフロントフランジで隠すようにした2ピース溶接型の自動車ホイールの溶接構造が示されている。
また、特許文献2に記載のものも、2ピース溶接型の自動車ホイールを前提として、ディスク体のフロントフランジ部裏面内周部に環状の凹部を設ける等、特殊な構造を採用しており、筐体構造形を構成する際の薄板の断続隅肉溶接に適用することができない。
この切り欠きの深さは、溶接時に発生するビードを完全に収納できるように設定されている。
インバータ装置はその電気回路において高電圧部が存在するため、十分な絶縁距離が確保されるよう、必要な電気機器が配置されている。この例では装置内部において、制御部100、機器部101、パワーユニット部102、抵抗器部103、遮断器部104の順で隣り合った構成となっており、隣接するもの同士は仕切り板により区切られている。なお、これら各構成部は互いに電気配線で接続されており、大電流用の導体バーと制御信号用の細い電線が通じるための経路と固定用金具がインバータ装置内部に確保されている。
すなわち、車両静止時の静的応力もしくは車両走行時の振動による動的応力に対して十分な強度が確保されており、しかも厳密な気密性を保つ必要がない接合部については、断続的な溶接により部分的に部材を繋ぎ止めておけば、設計上必要な強度を得ることができる。なお、仮に接合部の全長に溶接を施すと、薄板への入熱量が必要以上に過大となり、歪み変形が生じて筐体としての精度が低下してしまうため、断続的な隅肉溶接は、こうした精度低下を防止することも意図している。
図2に示す、薄板からなる構成部材107は、前述のパワーユニット部102を固定するため、筐体に取付けられる枠体であり、この構成部材107を単独に示したものが図3である。
この構成部材107は、図3の断面A−Aを示す図4から明らかなように、その周囲において所定の幅の曲げ代19を備えた立ち上がり部109が形成されている。
そして、この構成部材107は、筐体構造を構成する際、図2において、立ち上がり部109と筐体壁面108(図示では筐体底面)とが面同士互いに対向して接触する状態で接合されるようになっている。
この実施例では、切り欠き110は、それぞれ幅20mm、深さ2mm程度のもので、両端部に垂直端面を有しており、図6に示すように、構成部材107の両端に形成されるとともに、中央に向かって、次の切り欠きとの間が42mm、それ以外の切り欠き間では60mmという規則的なピッチで計9個設けられている。なお、こうした切り欠き110を形成する際には、立ち上がり部109を形成する以前、あるいは形成後に、タレットパンチで打ち抜くことにより形成すればよいが、薄板をプレス機で打ち抜いて構成部材107を成型する際、そのプレス機の金型に、予めこれらの切り欠き110に対応する凹部を設けておくことにより、特別なプロセスを必要とすることなく、低コストに形成することができる。
このように薄板材である構成部材107に予め溶接部目印を形成しているため、作業者は溶接箇所を容易に知ることができ、溶接作業毎に行うケガキ作業の手間を大幅に省くことができるとともに、ケガキの出来不出来といったムラを無くすことができる。このことは、工数を減少させるだけでなく、対象製品の品質向上に寄与することとなる。
このように、切り欠きが無い場合と比較して、端面より外側にビードがはみ出すことがないため、この分の占有スペースを節減できることになり、特に部品点数が多い場合の部品干渉を防止するとともに、これらを筐体内に設置する際の作業時に、溶接ビードによる電気機器の損傷やこれらを接続する電気配線の損傷、断線を効果的に防止することできる。
101 機器部
102 パワーユニット部
103 抵抗器部
104 遮断器部
105 遮断器部
106 パワーユニット固定用構成部材
107 構成部材(薄板)
108 筐体壁面
109 立ち上がり部
110 切り欠き
111 溶接ビード
Claims (3)
- 一方の薄板の端部を折り曲げることにより形成した立ち上がり部と他方の薄板の表面とを、互いに対向して接触するよう位置決めし、前記立ち上がり部の端面に沿って、断続的な隅肉溶接により接合を行うことにより、鉄道車両用電気品収容用の筐体構造を構成する薄板において、前記立ち上がり部の端面に、断続的な隅肉溶接を行う箇所に対応して、切り欠き部を形成し、該切り欠き部の深さが、溶接時に発生するビードを完全に収納できるように設定されていることを特徴とする薄板。
- 請求項1に記載の薄板を用いた鉄道車両用電気品収容用の筐体。
- 請求項2に記載の筐体及び当該筐体に収納される電気品により構成される鉄道車両用電気機器。
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