JP6533654B2 - 電気溶接装置 - Google Patents

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本発明は、電気溶接装置に関する。
従来において、例えばインデンテーションの発生を抑制しつつナゲット径を確保し、散りの発生を防止可能な継ぎ手強度に優れた高強度鋼板のスポット溶接方法に係る発明として、接合する鋼板の引張強さ及び板厚、スポット溶接の加圧力、電流値、通電時間等を特定の値に設定したものが知られていた(特許文献1の請求項1、段落[0017]、[0018]、[0026]、[0027]、図1及び図2参照。)。
特許第5418726号
異種の金属板を接合する場合、複数の板材を重ねると、厚み等の寸法の差異、及び各板材の凹凸等に起因する隙間が生じてしまうことが多かった。板材の間に隙間が生じていると、スポット溶接時に散り等が生じることがあり、この散りは溶接不良を招くことがあった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、複数の板材を重ね合わせて溶接する際に、板材間に形成される隙間を小さく又は無くすことができる電気溶接装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る電気溶接装置は、第1材料を含有する第1部材と、第1材料に溶接可能な第2材料を含有する第2部材と、第1材料及び第2材料とは異なる第3材料を含有して第1部材と第2部材とに挟まれる第3部材とを接合する電気溶接装置であって、第3部材は貫通孔を有し、貫通孔内は、空隙であり、さらに、前記貫通孔内に、第1材料及び第2材料に溶接可能な第4材料を含有する第4部材配置するとともに、空隙を残し、第1部材に当接可能であり、第1部材と第2部材との間に通電可能な第1接合電極と、第1接合電極の周囲に配置される第1外周電極と、を備え、第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に、第1外周電極は第1部材に対して第1接合電極と共に当接し、第1接合電極と第1外周電極との間に通電し、前記第1接合電極は、軟化した前記第1部材に対して前記貫通孔方向に押圧することにより前記空隙を埋める
本発明に係る電気溶接装置において、第2部材に当接可能であり、第1接合電極との間に通電可能な第2接合電極と、第2接合電極の周囲に配置される第2外周電極と、を備え、第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に、第2外周電極は第2部材に対して第2接合電極と共に当接し、第2接合電極と第2外周電極との間に通電することが好ましい。
また、本発明に係る電気溶接装置において、第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に第1部材及び第2部材を支持する、絶縁された押さえ部材を備えることが好ましい。
本発明によると、第1部材と第2部材と第3部材との接合前に、第1接合電極と第1外周電極との間に通電することによって、第1部材における通電部位が加熱されて軟化する。第1接合電極の周囲が軟化すると、スポット溶接の際に電極による加圧力が第1部材に作用したときに、板材間で隙間が形成され易い部位が軟化して変形し易いので、該隙間が小さくなる又は無くなる電気溶接装置を提供することができる。
図1は、本発明に係る電気溶接装置が用いられる車両の一部を示す概略図である。 図2は、本発明に係る電気溶接装置が用いられる車両の一部を示す断面概略図である。 図3は、本発明に係る電気溶接装置が用いられる車両の製造工程を示すフローチャートである。 図4(A)及び図4(B)は、本発明に係る電気溶接装置の一実施形態を示す断面概略図である。 図5は図4に示した実施形態の使用方法を示す断面概略図であり、図5(A)は図4(A)に示す実施形態の通電時を示す断面概略図であり、図5(B)は図5(A)に示す実施形態のスポット溶接時を示す断面概略図であり、図5(C)は図5(B)に示す実施形態のスポット溶接後を示す断面概略図であり、図5(D)は図4(B)に示す実施形態のスポット溶接後を示す断面概略図である。 図6(A)及び図6(B)は、本発明に係る電気溶接装置の第2接合電極又は第2外周電極の配置例を示す平面模式図である。
本発明に係る電気溶接装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(1)車両における本発明の適用部位
本発明に係る電気溶接装置は、例えば車両のボディ部分及びルーフ部分等を製造する際に異なる種類の金属間の溶接が必要となる部位に適用することができる。本発明に係る電気溶接装置の一実施形態を適用可能な部位の一例として、図1及び2に車体の側部となる構造体を示した。
図1に示すように、前後方向に延在する表皮部材のサイドシル101と、サイドシル101の前端部から上方に延在するヒンジピラー102と、サイドシル101の中央部から上方に延在するセンターピラー103とが一体的に形成されている。また、図1のA部分の断面斜視図である図2に示すように、サイドシル101、ヒンジピラー102、及びセンターピラー103の内部には、中間部材であるサイドシルレインフォースメント105、ヒンジピラーレインフォースメント(図2には図示せず)、及びセンターピラーレインフォースメント(図2には図示せず)等が設けられている。
図2に示すように、サイドシル101は、車内側の表皮部材であるサイドシルインナ101aと、車外側の表皮部材であるサイドシルアウタ101bとを有している。サイドシルインナ101a及びサイドシルアウタ101bの内部には、サイドシル101の補強用部材であるインナレインフォースメント105a及びアウタレインフォースメント105bが配設されている。
サイドシルインナ101a及びサイドシルアウタ101bと、インナレインフォースメント105a及びアウタレインフォースメント105bとは、溶接によって接合されるが、それぞれが異なる金属で形成されていることが多く、直接溶接しようとしても高い溶接強度を確保することが困難であった。
そこで、図2に示すように、接合体の内側に位置するインナレインフォースメント105a及びアウタレインフォースメント105bの少なくとも一方に貫通孔を形成し、外側に位置するサイドシルインナ101a及びサイドシルアウタ101bに対して溶接可能な材料によって形成された円盤状部材を挿入配置し、該円盤状部材とサイドシルインナ101a及びサイドシルアウタ101bとを溶接するという形態を採用することができる。
これにより、高い溶接強度を確保することができる。
本実施形態に係る電気溶接装置は、例えばサイドシルインナ101a、サイドシルアウタ101b、インナレインフォースメント105a及びアウタレインフォースメント105bを溶接のために重ね合わせたときに若干のガタつき、又は、インナレインフォースメント105a及びアウタレインフォースメント105bと上記円盤状部材との厚みの差異が生じている場合に、溶接前段階で用いることができる。ガタつき等が生じたままでスポット溶接を行うと、溶接作業中に散り等が発生することがあり、良好な溶接強度を確保することが困難となる可能性がある。
(2)車両製造時における本発明の適用時期
本発明に係る電気溶接装置は、例えば車両のボディ部分及びルーフ部分等に成る部品をプレス成形した後から、プレス成形した部品を溶接するまでの間に適用することができる。図3には、車両の製造工程を示すフローチャートを示した。
図3に示すように、車両の製造工程としては、例えば部品プレス成形工程S1、車体溶接工程S2、車体塗装工程S3、及び組付工程S4を挙げることができる。部品プレス成形工程S1は、ボディ部分及びルーフ部分となる部品をそれぞれの形状にプレス成形する工程である。車体溶接工程S2は、部品プレス成形工程S1でプレス成形された複数の部品を集めて溶接する工程である。車体塗装工程S3は、溶接されて外形がある程度完成したボディ部分及びルーフ部分等の外面を塗装する工程である。組付工程S4は、塗装体にエンジン、タイヤ、補機、及び内装材等を取り付ける工程である。
本実施形態に係る電気溶接装置は、車体溶接工程S2の溶接作業前、好ましくは溶接作業直前に適用可能である。
なお、図2に示した円盤状部材、つまり後述の第4部材は、部品プレス成形工程S1のプレス成形前から車体溶接工程S2の溶接前までの間に行うことができる。第4部材を挿入配置する部位が部品プレス成形工程S1を経ても変形しない部位である場合は、部品プレス成形工程S1の前から貫通孔を設け、第4部材を挿入配置しておくことができる。逆に、第4部材を挿入配置する部位が部品プレス成形工程S1によって変形する部位である場合は、部品プレス成形工程S1の後から車体溶接工程S2までの間に貫通孔を設け、第4部材が挿入配置される。
(3)接合される部材
本実施形態に係る電気溶接装置は、第1部材と、第2部材と、第3部材と、第4部材とを重ね合わせた上で、例えばスポット溶接によって接合する際に、各部材間に隙間が生じたまま溶接される場合に用いられる。
第1部材は、第1材料を含有する、例えば板状部材である。
第2部材は、第1材料に溶接可能な第2材料を含有する、例えば板状部材である。
第3部材は、第1材料及び第2材料とは異なる第3材料を含有する、例えば板状部材である。また、第3部材は、接合される際に第1部材と第2部材との間に挟まれて配置される。接合の際の第1部材と第2部材との間に位置する第3部材の一部位には、貫通孔が形成される。接合の際に、貫通孔内は、空隙である場合と、第4部材が配置される場合とに分けられる。第4部材は、第1材料及び第2材料に溶接可能な第4材料を含有し、貫通孔と略同一形状、略同一径に形成される、例えば板状部材である。
第1材料と第3材料との組合せとしては、溶接が困難な材料の組合せ、又は、溶接しても金属間化合物等の生成によって例えば車両用部品として使用に耐え得る溶接強度を得ることが困難な材料の組合せが挙げられる。具体的には、第1材料及び第3材料の組合せとして、例えば第1材料が鉄又は鉄系材料であり、第3材料がアルミニウム、アルミニウム系材料、マグネシウム、マグネシウム系材料又は繊維強化プラスチック等である組合せ等を採用することができる。
また、第1材料と、第2材料と、第4材料とは、通常のスポット溶接等によって相互に溶接されたとしても金属間化合物が生成しない又は生成し難い材料の組合せであれば良い。第2材料及び第4材料としては、上述した第1材料及び第3材料の組合せが決定した後に、第1材料と同一材料又は同系材料を用いることとするのが良い。
なお、上述の溶接が困難であること、及び、溶接が可能であることというのは、例えば通電を伴う溶接、具体的には車両用部品の製造に多く用いられるスポット溶接を用いる場合についての、溶接の可否を意味している。つまり、第1材料、第2材料及び第4材料と第3材料とは、通電を伴う溶接が困難であり、第1材料と第2材料と第4材料とは通電を伴う溶接が可能である。
(4)電気溶接装置の概要
ここで、図4に本発明の一実施形態である電気溶接装置1を示す。
図4(A)及び図4(B)は、電気溶接装置1を示す断面概略図である。なお、図4(A)に示す実施形態と、図4(B)に示す実施形態とは、電気溶接装置1の構成は同一であり、第4部材5の厚みが相違している。
電気溶接装置1は、第1部材2と第2部材3と第3部材4と第4部材5とを接合する装置であって、第1接合電極7と、第1外周電極8と、第2接合電極9とを備えている。
第1接合電極7は、第1部材2に向って進退可能であり、第1部材2に当接可能な導電性の棒状部材である。
第2接合電極9は、第2部材3に向って進退可能であり、第2部材3に当接可能な導電性の棒状部材である。
第1接合電極7と第2接合電極9とは、それぞれ第1部材2及び第2部材3に当接させた状態で、第1部材2と第2部材3との間に通電可能である。
第1外周電極8は、第1部材2に向って進退可能であり、第1部材2に当接可能で、第1接合電極7の周囲に配置される導電性の棒状部材である。第1外周電極8として具体的には、第1接合電極7との間に積極的に電位差を設けて通電可能な電極であっても良く、電極と称してはいるが積極的な通電部材でなくても良く、例えば接地されて成るアースであっても良い。
第1接合電極7及び第1外周電極8は、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5の接合前において、共に第1部材2に当接し、両電極間で通電可能となっている。
なお、第1外周電極8は、第1接合電極7及び第2接合電極9を備える電気溶接装置に着脱自在のアタッチメントとして取付けても良い。
図4(A)に示す実施形態は、第4部材5の厚みが第3部材4の厚みより小さく設定されている。この場合、図4(A)に示すように、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5を接合前に重ね合わせた状態で第4部材5を貫通孔6内に配置しても、第4部材5では貫通孔6が埋まらないので、第1部材2と第3部材4の貫通孔6と、第4部材5とによって空隙が形成されることになる。
図4(B)に示す実施形態は、第4部材5の厚みが第3部材4の厚みより大きく設定されている。この場合、図4(A)に示すように、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5を接合前に重ね合わせた状態で第4部材5を貫通孔6内に配置すると、第4部材5の一部が貫通孔6から突出するので、例えば第1部材2が第4部材5によって第3部材4から持ち上げられた状態となり、第1部材2と第3部材4との間に隙間が形成されることになる。
従来において板状部材を重ね合わせてスポット溶接により接合するときに、基本的には第3部材4自体が設けられていない場合、及び、第3部材4が設けられていても貫通孔6及び第4部材5等は設けられていない場合のいずれかであった。このような従来においても板状部材を重ね合わせると、溶接部位に隙間が生じてしまい、該隙間が散りの発生要因となることが多かった。
本実施形態のように、外側の第1部材2及び第2部材3に挟まれる第3部材4において、貫通孔6が形成され、更に第4部材5が配置されている場合、従来よりも部品点数が増加しているので、溶接部位に隙間がより一層生じ易くなっている。
なお、接合される第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5は、例えば車両の構成部品として形成される場合、基本的には寸法精度及び表面の凹凸精度について厳密な精度までは要求されないことが多い。
よって、スポット溶接を用いて車両の構成部品を接合する際に、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5を重ねると、特に第3部材4と第4部材5との厚みの相違、並びに、第1部材2、第2部材3及び第3部材4等のプレス成形を経て形成された凹凸のバラつき等によって、貫通孔6内及びその近傍に特に隙間が生じ易い。
本実施形態に係る電気溶接装置1は、重ね合わせた時点では隙間が生じてしまう板状部材であっても、溶接時に該隙間を小さくする又は無くすことができる。
(5)電気溶接装置の使用方法、及びその動作、作用
ここで、図5を参照しつつ、電気溶接装置1の使用方法について説明する。
図5は図4に示した実施形態の使用方法を示す断面概略図であり、図5(A)は図4(A)に示す実施形態の通電時を示す断面概略図であり、図5(B)は図5(A)に示す実施形態のスポット溶接時を示す断面概略図であり、図5(C)は図5(B)に示す実施形態のスポット溶接後を示す断面概略図であり、図5(D)は図4(B)に示す実施形態のスポット溶接後を示す断面概略図である。
図4(A)に示したように第4部材5の厚みが第3部材4の厚みより小さく設定されている場合は、先ず第1接合電極7及び第1外周電極8の各先端部を、第1部材2の表面に押し付けて当接させる。このときの電極の当接は、スポット溶接時のような圧接である必要は無い。第1接合電極7は、スポット溶接用に第1部材2に対して進退及び固定を適宜に行うことのできるモータ等の駆動部材(図示せず)によって、当接圧力の調整が可能である。第1外周電極8は、コイルばね等の付勢部材で第1部材2に向って付勢されることにより、第1部材2に押し付けられるのが好ましい。付勢部材によって押し付けられていれば、通電中に第1部材2及び第1外周電極8に対して振動又は衝撃等が作用しても、当接状態及び通電状態を維持することができる。
なお、この時点では第2接合電極9は第2部材3には当接させておらず、第2接合電極9は第2部材3から絶縁状態にされている。
第1接合電極7及び第2接合電極9は、第1部材2及び第2部材3に対して予め位置決めされているのが好ましい。具体的には、第1接合電極7及び第2接合電極9と第4部材5との各軸線が一致又は略一致するように配置されることによって、スポット溶接時に各電極を第1部材2及び第2部材3に向って移動させて当接させ、更に溶接を行うと、第4部材5の略中央部において溶着部位が形成される。これにより、良好な溶接強度を得ることができる。したがって、第1接合電極7及び第2接合電極9は、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5を重ね合わせた重畳体の内部構造を判別する適宜の装置を用いて第4部材5の配置される部位を特定し、図5(A)にしめす動作の前に位置合わせをしておくのが良い。
第1接合電極7及び第1外周電極8は、図5(A)に示すように、第1部材2に対して当接している状態で通電する。第1接合電極7と第1外周電極8との間における通電は、各電極が当接している第1部材2の内部を電流が流れることによって達成される。なお、図5(A)には、第1部材2中の通電経路の概略を太線で示している。
このとき、第3部材4が第3材料として導電性材料を含有する場合は、第1部材2と第3部材4との間に隙間がある場合は通電しない。なお、第1部材2と第3部材4との間に隙間があるとしても、第1接合電極7と第1外周電極8との間の通電によって第1部材2が軟化して変形し易くなるので、スポット溶接後には隙間が小さくなる又は無くなるように変形する。
また、第3部材4が第3材料として非導電性材料を含有する場合は、第3部材4に通電することなく、第1部材2と第4部材5との間には空隙が形成されているので第4部材5に対しても通電しない。よって、基本的に第1接合電極7と第1外周電極8との間での通電のみが生じる。
第1接合電極7と第1外周電極8との間の通電に要する電圧及び電流は、スポット溶接時に要する程度の大電圧及び大電流である必要は無い。図5(A)に示す通電では、通電経路及びその周辺部位が溶融させず、第1部材2がスポット溶接時に変形し易くなる程度に昇温されて軟化すれば良い。
第1接合電極7と第1外周電極8との間の通電経路及びその周辺部位が軟化すると、軟化した部位の温度が下がって軟化状態が解除される前に、スポット溶接を行うのが好ましい。具体的には、次に図5(B)に示すように、第1接合電極7は第1部材2に向って更に押し付けられ、第1外周電極8は第1部材2から離され、第2接合電極9は第2部材3に対して押し付けられ、更に第1接合電極7と第2接合電極9との間に通電する。第1部材2における破線で囲った部位、つまり第1接合電極7が当接している部位及びその周辺部位は軟化しているので、通電されつつ第1接合電極7に圧接された第1接合電極7は、第4部材5に向って容易に変形可能である。
スポット溶接が完了すると、結果として図5(C)に示すように、軟化していた第1部材2が第1接合電極7によって押圧されることにより、第1部材2と第4部材5との間に形成されていた隙間に対して、第1部材2が隙間を埋めるように変形する。
通常、スポット溶接時に溶接部位に隙間が形成されていて、更に電極による加圧力が高くなると散りが発生し易い。
しかしながら、電気溶接装置1を用いたスポット溶接では、第1接合電極7と第1外周電極8との間の通電によって、スポット溶接の溶接部位を予め軟化させている。これにより、溶接部位に隙間が形成されていて、更に電極による加圧力が高いとしても、軟化して成る溶接される部材が隙間を埋めるように変形可能であるので、散りが発生し難い又は発生しない。なお、溶接部位及びその近傍に形成されていた隙間が完全に埋まらなくとも、隙間自体が小さくなることによって散りの発生を低減することができる。
図4(B)に示したように第4部材5の厚みが第3部材4の厚みより大きく設定されている場合においても、電気溶接装置1を用いることによって好適に溶接可能である。具体的には、第1部材2の第1接合電極7が当接する部位及びその周辺部位が軟化した上でスポット溶接がなされるので、結果として図5(D)に示すように、第4部材5近傍に生じていた隙間が埋まるように第1部材2が変形して散りが発生し難い又は発生しない。
図5に示した実施形態においては、第3部材4における貫通孔6内に第4部材5が配置されている。本実施形態としては、貫通孔6内にいずれの部材も配置されず、空隙である場合であっても、好適にスポット溶接が可能である。
貫通孔6内が空隙である場合、第1接合電極7と第1外周電極8との間の通電に起因して第1部材2を軟化させることによって、スポット溶接時に第1接合電極7によって第1部材2の軟化した部位が空隙の貫通孔6内に押し込まれる。これにより、貫通孔6は、軟化した第1部材2が押し込まれることによって、隙間が小さくなるので、スポット溶接時に散りが発生し難い。
(6)第1接合電極及び第1外周電極の配置
ここで、第1接合電極と第1外周電極との配置について、図6を参照しつつ説明する。
図6(A)及び図6(B)は、電気溶接装置1の第1接合電極7及び第1外周電極8の配置例を示す平面模式図である。
第1外周電極8は、第1接合電極7の周囲に配置されていれば良く、例えば図6(A)に示すように、第1接合電極7の周囲に等間隔で3本配置されることができる。第1外周電極8の数は特に制限されず、例えば第4部材5近傍に隙間が多く形成されている場合は、第2部材3における第1接合電極7の当接部位及びその周辺部位を十分に軟化させて溶接時に隙間を出来る限り小さくするのが良いので、第1外周電極8の数を3本より多く設定するのが好ましい。
また、図6(B)に示すように、第1接合電極7を完全に囲む断面形状円形の第1外周電極81を設けることとしても良い。第1外周電極81としては、第1部材2の様々な形状に沿うような形状及び材料であるのが好ましく、例えば網状、短冊状、チェーン状のアース、又は、布等の柔軟部材に担持されたアース等を採用することができる。
(7)電気溶接装置の変形例
ここで、本実施形態に係る電気溶接装置1の変形例について、以下に説明する。
本実施形態において第2部材3が、第1部材2と同様に、スポット溶接前に予め軟化させられるようになっていても良い。
具体的には、第2接合電極9の周囲に第2外周電極を配置し、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5の接合前に、第1外周電極8及び第2外周電極を第2部材3に当接させた上で、第2接合電極9と第2外周電極との間に通電することができる。これにより、第1部材2における第1接合電極7の当接部位及びその周辺部位が軟化することと同様に、第2部材3における第2接合電極9の当接部位及びその周辺部位が軟化する。
したがって、スポット溶接時に第1部材2及び第2部材3の両側において軟化した部位が形成されるので、溶接部位近傍の隙間がより一層小さくなり易い又は無くなり易い。
また、本実施形態において、第1部材2、第2部材3、第3部材4及び第4部材5の接合前に、第1外周電極8を用いて第1部材2を軟化させる際、更に第2外周電極を用いて第2部材3を軟化させる際、絶縁された押さえ部材によって第1部材2及び第2部材3を支持するのが好ましい。
絶縁された押さえ部材を設けることによって、第1部材2等に通電して軟化している途中で第1部材2及び第1接合電極7等の位置がずれることがないので好ましい。
なお、第2接合電極9を押さえ部材として用いることもできる。具体的には、図5(A)に示した第1部材2の軟化作業中に、絶縁した第2接合電極9を第2部材3側から当接させることによって、第1部材2及び第2部材3を支持することができる。
第2接合電極9を絶縁状態とするには、例えば別体の絶縁体を第2接合電極9と第2部材3との間に介設する形態、又は、第1接合電極7と第2接合電極9とを同電位にしておく形態等を採用することができる。絶縁体を介設する形態は、電気溶接装置1の電極を取替え等せずに利用可能であるので、装置構成の大幅な変更は不要である。また、第2接合電極9の電位を調整する形態は、特段の絶縁機構を組み込む必要が無いので、軟化作業が完了すればすぐにスポット溶接を行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:電気溶接装置、2:第1部材、3:第2部材、4:第3部材、5:第4部材、6:貫通孔、7:第1接合電極、8及び81:第1外周電極、9:第2接合電極、101:サイドシル、101a:サイドシルインナ、101b:サイドシルアウタ、102:ヒンジピラー、103:センターピラー、105:サイドシルレインフォースメント、105a:インナレインフォースメント、105b:アウタレインフォースメント、S1:部品プレス成形工程、S2:車体溶接工程、S3:車体塗装工程、S4:組付工程

Claims (3)

  1. 第1材料を含有する第1部材と、
    第1材料に溶接可能な第2材料を含有する第2部材と、
    第1材料及び第2材料とは異なる第3材料を含有して第1部材と第2部材とに挟まれる第3部材とを接合する電気溶接装置であって、
    第3部材は貫通孔を有し、
    貫通孔内は、空隙であり、さらに、前記貫通孔内に、第1材料及び第2材料に溶接可能な第4材料を含有する第4部材配置するとともに、空隙を残し
    第1部材に当接可能であり、第1部材と第2部材との間に通電可能な第1接合電極と、
    第1接合電極の周囲に配置される第1外周電極と、を備え、
    第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に、第1外周電極は第1部材に対して第1接合電極と共に当接し、第1接合電極と第1外周電極との間に通電し、
    前記第1接合電極は、軟化した前記第1部材に対して前記貫通孔方向に押圧することにより前記空隙を埋める
    電気溶接装置。
  2. 第2部材に当接可能であり、第1接合電極との間に通電可能な第2接合電極と、
    第2接合電極の周囲に配置される第2外周電極と、を備え、
    第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に、第2外周電極は第2部材に対して第2接合電極と共に当接し、第2接合電極と第2外周電極との間に通電する、
    請求項1に記載の電気溶接装置。
  3. 第1部材、第2部材及び第3部材の接合前に第1部材及び第2部材を支持する、絶縁された押さえ部材を備える、
    請求項1または請求項2に記載の電気溶接装置。
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