JP5578180B2 - 有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法とこれを用いて製造された有機エレクトロルミネッセンスパネル - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法とこれを用いて製造された有機エレクトロルミネッセンスパネル Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルの封止に関する。本発明は、また特に高い温度を必要とせず、有機ELパネルの構成部材を効率よく脱水(乾燥)処理できる乾燥方法に関し、これを用いて製造する高寿命の有機ELパネル及び有機ELパネルの製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルにおいて、発光層を構成する材料及び発光ユニットは、吸湿すると、ダークスポットの発生等により、その発光輝度が著しく損なわれる。
そのため、有機ELパネルの内部は低湿度環境下に保つことが必要であり、外気から湿気を遮断保護するための手段が通常設けられている(=封止構造)。
例えば、ガラスキャップや金属製缶、接着剤を使用して気密空間を作り、その中に乾燥剤を入れて発光ユニットを封止するケーシングタイプの方法が開示されている。
また近年、プラスチックやガラス基板上に有機発光層を形成し、可撓性のある薄膜なハイバリアフィルムや金属箔等を用いて接着剤でこれを面接着して封止する密着タイプの封止方法が開示され、これによる耐湿性に優れた薄型・軽量な有機ELパネルが提案されている。
有機ELパネルの内部の湿度上昇原因としては、外部からの水分侵入の他、構成部材に吸着していた水分によるものもあり、有機ELパネルを構成する構成部材を脱水(乾燥)する技術が各種開示されている。
構成部材の脱水が充分でないと、これにより有機ELパネル内部の湿気のため、パネルを封止した段階、また経時でダークスポットが発生し有機ELパネルの寿命が限定されてしまう。
有機ELパネルの構成部材の脱水(乾燥)処理をする場合、常圧(大気圧)または減圧環境にて加熱することが一般的である。例えば、特許文献1、2においてもこの方法を用いている。
しかしながら、基材等の構成部材の一部に、例えば封止用接着剤として樹脂を使う場合には、加熱する温度には限界がある。
封止用接着剤が熱硬化性樹脂の場合、加熱により効率よく乾燥しようとすると、封止板貼合前に加熱により熱硬化性樹脂の硬化反応が進んでしまい、封止板貼合時に接着ができなくなるという問題が発生する。
上記問題に対しては、減圧環境下にて加熱を行わずに脱水(乾燥)処理する方法があるが、脱水効率は低く、脱水(乾燥)処理に多くの時間が必要となり問題である。
また、封止用接着剤が熱可塑性樹脂の場合、封止用接着剤を乾燥するには、封止用接着剤が溶融するまで加熱する必要があるが、その場合、封止用接着剤が溶融するために、封止用接着剤が接着された部材等の積層状態及びロール状態での処理ができない(積層上下で封止用接着剤が接着してしまうため)。そのため、非接触状態での処理が前提となり、乾燥スペース拡大の問題や連続フィルム体による密着巻取り品(ロール)の対応が困難となり生産上問題となり、また乾燥も不充分になるところからパネルを組んだときの封止性能にも影響を与える。
特開2000−150147号公報 特開2002−373777号公報
本発明の目的は、有機ELパネルの構成部材を効率よく脱水(乾燥)処理できる乾燥方法を提供することにあり、これを用いて有機ELパネルの内部の湿度が低下し、また、経時でのダークスポットの発生が少ない高寿命の有機ELパネルの効率のよい製造方法を提供し、高寿命の有機ELパネルを得ることにある。
本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
1.基板上に、少なくとも第一電極と、発光層を含む有機機能層と、第二電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス構造体に、封止基板を、封止用接着剤を介し配置し、前記封止基板を前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に接着することで構成する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記封止基板の配置前に、有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成部材の少なくとも一部を、加圧環境下にて脱水処理するものであり、
前記構成部材の少なくとも一部は、前記封止用接着剤であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
2.前記加圧環境下が、0.12MPa以上の圧力下であることを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
3.前記加圧環境下が、露点−30℃以下であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
.前記封止用接着剤が、熱可塑性接着剤から構成され、加圧環境下における脱水処理が前記熱可塑性接着剤の溶融温度未満の温度で行われることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
.前記構成部材が、積層された状態で、脱水処理されることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
.前記構成部材が、ロールに巻き取られた状態で、脱水処理されることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
.前記1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法により製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
熱硬化性樹脂(接着剤)については、その硬化反応を進めることがない低温で、短時間に乾燥が可能となる。また、熱可塑性樹脂(接着剤)については、これを溶融せずに乾燥が可能となり、積層状態、ロール状態での乾燥も可能となるため、小スペースでの乾燥が可能になり、乾燥装置内の省スペース化が図れ、乾燥効率が向上する。構成部材を効率よく脱水(乾燥)処理でき、封止性も向上するため、封止後の有機ELパネル内部の湿度が抑えられ、ダークスポット発生が少ない長寿命の有機ELパネルを得ることができる。
本発明に係る加圧乾燥装置の一例を示す模式図である。 封止基板を、積層状態またはロール状態で一度に乾燥するところを示す模式図である。 シール材充填密着構造により封止された有機ELパネルの概略断面図を示す。
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成部材を、短時間に効率良く脱水(乾燥)可能な方法として、加圧環境下(0.1MPaを超え、1MPa以下)において乾燥させる方法を用いることを特徴とする。本発明の製造方法は、加圧環境下、低露点環境(−30℃以下、好ましくは−60℃以下である)で行うことが好ましい。本発明の方法を用いることで、高い温度での加熱を要せずに効率的に脱水(乾燥)が可能となる。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルの構成部材としては、基板、また各種有機機能層材料、またこれを前記基板上に積層した構造体、封止基板、封止用接着剤等、さらに封止用接着剤を塗設した封止基板等があり、パネルを構成するいかなる材料、または構成部材を指すものとする。
本発明に係る加圧環境下における乾燥方法により、これらいかなる構成部材であっても効率のよい乾燥を行うことが出来る。有機ELパネルの製造方法として、基板上に、少なくとも第一電極と、発光層を含む有機機能層と、第二電極とを有する有機EL構造体を構成し、封止用接着剤層を介し封止基板を当該有機EL構造体に配置して、封止基板を前記有機EL構造体と接着、封止する方法が一般的であり、本発明においては、加圧環境下で、封止用接着剤、或いはこれを塗設した封止基板を乾燥(脱水)する場合、特に乾燥効率向上の効果が大きい。
本発明において、加圧環境下とは、0.1MPaを超える環境であり、好ましくは0.12MPa以上の圧力下であり、1.0MPa以下の圧力下である。
脱水処理を行う環境が高圧であるほど気体密度が増すので、乾燥効率としては向上するが、1.0MPaを超えると耐圧性をもたせるための乾燥チャンバの剛性確保や加圧ポンプの能力が高いものとなり装置コストが増大してしまうため経済効率が低下してしまう。
本発明においては加圧環境下であると共に、低湿度環境、即ち、低露点環境(−30℃以下、好ましくは−60℃以下である)であることが好ましい。低露点環境とは低湿度環境であり、特に露点が−60℃以下になると含水量として5ppm〜10ppmppmの乾燥気体となり好ましい。低露点環境であるほど乾燥効率は高くなるが、後述の除湿装置(乾燥剤等)の性能維持コストを考慮すると、−100℃以上の露点が好ましい。
一般的に、脱水(乾燥)においては、その温度は高いほど効率は向上する。加圧乾燥においては、熱可塑性或いは熱溶融性樹脂等の軟化温度と軟化温度よりも30℃低い温度の範囲で行うことが好ましい。
しかしながら、被乾燥部材が熱可塑性或いは熱溶融性樹脂等の場合、軟化温度またメルト(溶融)温度に近くなると変形や軟化、溶融が起こるため使用する温度には限界がある。
また、軟化温度またメルト(溶融)温度以下であっても、温度をかけ、減圧環境下で接着材を乾燥した場合、接着層内に存在する微量の残存気体が発泡してしまう。圧力が低いほど、発泡は多くなる傾向にある。発泡部分は接着材が存在しない空隙部分となり、封止基板との接着・封止の際に、接着界面の接触面積が少なくなることにより密着力の低下を伴う。密着力が低下すると、有機ELパネルの外部からの水分侵入(接着界面からの水分侵入)がし易くなり、バリア性劣化に伴い寿命が低下してしまう。
軟化温度またメルト(溶融)温度は、TMA軟化点とし、TMA軟化点の測定は、Thermoflex(理学電気社製)等の装置を用いて行うことができる。より具体的には、例えば、Thermoflexを用い、プローブとしては1mmφの石英プローブを用い、これに50mNの荷重を掛け、膜厚が350μmの乾燥した熱可塑性或いは熱溶融性樹脂層単膜に押し当て、測定温度範囲20〜230℃で昇温(昇温速度=5℃/min)したときの、プローブの押し込み深さ(変位量)をモニタし、単位時間或いは単位温度当たりの変位量(変位率)が不連続に変化し始める温度(何らかの相変化が起こる温度)を以てTMA軟化点と定義するものである。具体的には、温度(時間)と変位量との関係をとり、温度(時間)に対する変位量の傾きが変化する点を採ればよい。
従って、有機ELパネルにおいても、基材等、構成部材の一部に上述の樹脂を使う場合には樹脂によって使用する温度に限界がある。
構成部材の脱水(乾燥)は、上述した樹脂の場合には溶融温度、また硬化性樹脂の場合には硬化する温度未満の、これら溶融あるいは硬化が問題にならない温度で実施することが好ましい。
後述するが、熱可塑性或いは熱溶融性樹脂からなる接着剤層付きの封止基板等の構成部材を積層して当該構成部材の溶融温度以上で脱水する場合には、積層された上下の部材が接着してしまうため、溶融温度未満の温度で実施することが好ましい。
また、封止用接着剤層に熱硬化性樹脂を用いたときには、接着剤の硬化温度以上で処理すると、架橋・硬化反応が進んでしまい封止・貼合時に接着不良が発生するために、硬化温度未満の温度で実施することが好ましい。
加圧環境下の脱水においても、温度が高いほど脱水(乾燥)効率は向上するが、加圧環境で、乾燥した気体(好ましくは空気或いは窒素)中に構成部材を保持することで、脱水しようとする構成部材表面に吸着した水分の脱離が高圧気体により促進され、また、高圧の乾燥気体が、部材の内部や隙間に浸透すると考えられ、効率的な脱水を行うことが出来る。従って、加圧環境でない場合に比べて相対的に低い温度をもちいて効率的に脱水(乾燥)することが可能である。
熱可塑性樹脂の接着剤の場合には、加熱脱水においても、軟化する温度域、つまり溶融(メルト)温度未満であれば充分に、脱水を効率的に行うことが出来る。
熱硬化性樹脂の接着剤の場合には、硬化温度未満においても効率のよい脱水ができる。また、熱硬化性樹脂の接着剤を用いて、常温脱水する場合においても、短時間で脱水(乾燥)が出来、生産性が向上する。またこれにより接着性が向上するので封止性も向上する。
加圧環境下において、高圧気体を用いる本発明の乾燥方法は、熱可塑性接着剤の場合には、前述のごとく溶融(メルト)温度未満で脱水を効率的に行うことが出来るほか、乾燥気体が構成部材間の微細な隙間にも効率的に浸透することで脱水を行うことが出来るので、例えば、基板上に、第一電極、有機機能層、第二電極層等を有する有機EL構造体(シート)、または、封止用として熱可塑性樹脂からなる接着剤層を製膜した封止基板(フィルム)等のような熱可塑性をもつ構成部材においても、熱可塑性樹脂のメルト温度未満で、これらを積層した状態で、または、ロール状に巻かれた状態において、脱水(乾燥)を効率的に行うことが可能である。一方、脱水(乾燥)にメルト温度以上の温度を用いた場合には、積層された上下の部材が接着してしまう。
構成部材を、積層状態で、または巻き取ったロール状態で脱水(乾燥)することで、脱水の効率及び生産性は飛躍的に向上する。
加圧環境を形成する気体は、特に限定されず、空気、または、不活性ガスがあるが、材料酸化の懸念ある場合等には、不活性ガスが好ましく、特に安価であることから窒素(N)が好ましい。
乾燥時間については、被乾燥部材の嵩、量、また温度、露点にもより、一義的に決めることはできないが、一般的には数分から数時間でよい。
図1に本発明に係る加圧乾燥装置の実施の形態、その一例を模式図で示す。
図1の乾燥装置において、乾燥環境は密閉チャンバ構造であり、乾燥チャンバ1、加圧ポンプ(図では省略)及び除湿装置2から構成される。乾燥チャンバ1に付設される除湿装置は除湿ユニット3また加圧気体を循環させる循環装置(ファン)4からなる。乾燥チャンバ1には加圧気体(N)を送り込む加圧ポンプが備えられており(図では導入口のみ示した)、また、図では同じく省略されているが、被乾燥部材をチャンバ内に導入するための受け渡し室(予備室)がチャンバに付設され、乾燥チャンバとの圧力差(N)を調整する機能をもたせる。
また、図示されていないが乾燥チャンバ内には露点計が配設されチャンバ内の露点温度を測定でき、また、チャンバ内の圧力は随時所定の圧力を保つようモニタされている。
チャンバ内の加圧気体は除湿装置3を通り除湿ユニット内に充填された乾燥剤によって脱水され、循環装置(ファン)4により、チャンバに戻り、更に除湿装置とチャンバ間を循環することで脱水され所定の露点が達成される。
除湿装置に用いる乾燥剤としては、シリカゲル、白土、シリカアルミナゲル、クレイ、生石灰、また、モレキュラーシーブ、即ち、天然・合成のゼオライト、ハイシリカゼオライト等、また、活性アルミナなど、任意の脱水剤を用いることが出来る。
これにより露点−30℃以下、−100℃程度までの脱水が可能である。
露点の測定には、通常の露点計を用いることが出来るが、−50℃以下の露点の測定には極低露点用鏡面冷却露点計を用いることが好ましい。
図1は、被乾燥部材として所定の大きさにカットされた封止用接着剤層を塗設した封止基板が乾燥チャンバ内に配置されたところを示している。
図2は、より効率のよい乾燥の実施形態を示す。即ち、乾燥チャンバ内において、封止用接着剤層を塗設した封止基板を、所定のサイズに断裁後、これらを積み重ねた積層状態で一度に複数枚乾燥する、または、封止用接着剤層付き封止基板をロールに巻き取ったロール状態で一度に乾燥するところを模式的に示している。前述のように、乾燥気体が構成部材の微細な隙間にも効率的に浸透することで乾燥を行うことが出来るので、積層状態でも、またロール状に巻かれた状態であっても脱水(乾燥)を効率的に行うことができる。
有機EL構造体の封止に用いる封止基板は、ガラス、プラスチック等各種の材料が用いられるが、可撓性があるプラスチック基板(フィルム)が好ましい。また金属箔等も用いられる。有機EL構造体を封止して有機ELパネルを作成するにあたっては、いかなる構成部材についても、本発明に係る脱水方法によって脱水してよく、また、封止構造としても特に限定はされない。
例えば、ガラス等からなる封止缶形状の中空構造の封止基板の場合には基板の接着剤層を周囲に塗設して、接着剤層付き封止基板を作成し、これを有機EL構造体の周囲部分において接着し封止する方法がある。また、プラスチック基板を用いて同様に基板の周囲部分を封止部材で囲み同様の中空構造をもたせ封止基板と周囲部分で封止部材に接着、封止構造を形成してもよい。
また、封止基板を有機EL構造体間に封止用接着剤を充填・密着させ、封止用接着剤(シール材)シール材充填密着構造として封止する封止方法が好ましい。図3にシール材充填密着構造により封止された有機ELパネルの概略断面図を示す。
図3においては、封止基板B、基板1a上に第一電極2a、有機機能層3aさらに第二電極4aが形成された有機EL構造体基板Aを、接着剤層Sを介して全面密着させシール材(接着剤)充填密着構造を形成して封止している。なお、ここでは封止基板はポリエチレンテレフタレートフィルム7bがラミネートされたアルミ箔5bを用いている。
これらは、封止用接着剤を塗設した封止基板を有機EL構造体基板と密着させ、シール材(接着剤)充填密着構造を形成して接着して作成するのが好ましい。
本発明に係る脱水(乾燥)方法は、このような封止用接着剤を塗設した封止基板を被乾燥部材としたとき特に有用である。
以下封止基板、封止用接着剤、そして有機EL構造体について順に説明する。
封止用接着剤としては、熱或いは光硬化性接着剤または熱可塑性接着剤を用いることが出来る。
熱或いは光硬化性接着剤としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる熱或いは光硬化型接着性樹脂などを用いることができる。ディスペンサ等により封止基板上に塗設して構造体と密着、加熱して硬化させることでシール材充填密着構造を形成して、有機ELパネルを構成する。
熱可塑性接着剤としては熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いることができる。ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体などのポリオレフィンの酸変性物、エチレン・酢酸ビニル共重合体の酸変性物、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、アイオノマーなどを用いることができる。特に、有機EL素子を劣化させるアウトガス成分が少ないポリエチレン、ポリプロピレンの酸変性物を用いることが望ましい。
本発明においては熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いることが好ましい。熱可塑性の接着剤を封止基板上に塗設して接着層付き封止基板を準備すると、熱可塑性接着剤の場合常温において、またメルト温度未満では、粘着性はないので、接着層付き封止基板はロール状に巻き取ることも出来、また、この状態で、本発明の方法により効率的に脱水が可能である。
接着剤層の形成方法としては、材料に応じて、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷法、スプレーコートなどのコーティング法、印刷法を用いることができる。また、接着層内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入してもよい。
本発明において、封止基板としては、ガラス、またガスバリア性のプラスチックフィルム等を用いることが出来る。
ガスバリア性が高いプラスチックフィルムとしては、例えば、金属の酸化物膜、酸化窒化物膜、窒化物膜、金属薄膜等、厚み50nm以上50μm以下の水または酸素透過率が小さいガスバリア性の膜を有するプラスチックフィルム。具体的にはアルミナ蒸着プラスチックフィルム、樹脂フィルムがラミネートされた金属箔等がある。
プラスチックフィルムとしては、透明性樹脂フィルムであり、厚さ100μm〜2mm程度の厚みを有するものが使用され、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、等が挙げられるが限定されない。特に、ポリエステルフィルムが好ましくガスバリア性の膜を有するポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着フィルム等が挙げられる。
また、樹脂フィルムがラミネートされた金属箔の例として、厚みが9〜500μmの金属箔5bにポリマーフィルム7bが積層された構成を有する例が挙げられる。
金属箔の厚みが9μ未満の場合は、使用時にピンホールが形成しやすく、また、500μmを越えた場合は、金属箔に用いる材料によってはコストが高くなり、薄型化のメリットが少なくなる。ポリマーフィルムの厚みは金属箔の厚みを超えないことが好ましく、金属箔の厚みに対し10〜100%であることが好ましい。
金属箔としては、金属の種類に特に限定はなく、例えば銅(Cu)箔、アルミニウム(Al)箔、金(Au)箔、黄銅箔、ニッケル(Ni)箔、チタン(Ti)箔、銅合金箔、ステンレス箔、スズ(Sn)箔、高ニッケル合金箔等が挙げられる。これらの各種の金属箔の中で特に好ましい金属箔としてはAl箔が挙げられる。
金属箔としては、主に、金属の圧延等により形成された金属の箔またはフィルム等を指すが、ポリマーフィルム上にスパッタや蒸着等で形成された金属薄膜や、導電性ペースト等の流動性電極材料から形成された導電膜であってもよい。
また、金属箔と積層されるプラスチックフィルムの材料としては、機能性包装材料の新展開(株式会社東レリサーチセンター)に記載の各種ポリマー材料を使用することが可能である。
各種ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系樹脂、セロハン系樹脂、ビニロン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていてもよく、さらに塩化ビニリデン系樹脂をコートされていてもよい。また、ポリエチレン系樹脂は、低密度あるいは高密度のものも用いることができる。
金属箔の片面にポリマーフィルムを積層する方法としては、一般に使用されているラミネート機を使用することができる。接着剤としてはポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系等の接着剤を用いることができる。必要に応じて硬化剤を併用してもよい。ホットメルトラミネーション法やエクストルージョンラミネート法および共押出しラミネーション法も使用できるがドライラミネート方式が好ましい。
また、金属箔をスパッタや蒸着等で形成したり、導電性ペースト等の流動性電極材料から形成したりする場合は、逆にポリマーフィルムを基材としてこれに金属箔を成膜する方法で作成する。
また、シール材(接着剤)充填密着構造を形成して金属箔を有機EL構造体表面に貼合して封止するとき、接着層側の金属箔面がつや面(ブライト面)であることが好ましい。平滑な面が有機EL構造体側となるため傷や表面の凹凸が、圧力に敏感な素子の表面にダメージを与えにくい。
また、本発明において有機ELパネルを構成する有機EL構造体の基板として用いられるものとしては、ガラス、プラスチック等の基板であるが、これらのみに限定されず、プラスチック(樹脂)基板として、厚さ100μm〜2mm程度の厚みを有する透明性樹脂フィルムが使用される。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられるが限定されない。
また、ガスバリア性が高いガスバリアフィルムを用いることもできる。ガスバリアフィルムとしては、例えば、金属の酸化膜、酸化窒化膜、窒化膜、金属薄膜等、厚み50nm以上50μm以下のガスバリア膜を有するフィルムやアルミナ蒸着フィルム等が用いられる。
次いで、有機EL構造体について説明する。
有機EL構造体は、電極間に単数又は複数の有機層を積層した構成をもち、例えば、陽極層/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極層等、各種の有機化合物からなる機能層が必要の応じ積層された構成をもつ。最も単純には、陽極層/発光層/陰極層からなる構造を有する。陽極(第一電極)及び陰極(第二電極)から発光層に注入されたそれぞれ電子、ホールが再結合することにより励起子(エキシトン)が生成し、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する構造体である。
発光層に用いられる発光材料としては種々の有機化合物が用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼンなどのピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類などに代表される高分子発光材料などが挙げられる。これらのうちで、発光材料としては分子量10000以下の低分子系発光材料が好ましく用いられる。
また発光層中、発光材料には、好ましくは0.1〜20質量%程度のドーパントが含まれてもよく、ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素、また、りん光色素、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、などに代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の錯体化合物がある。
電子注入・輸送層材料としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物もしくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
また、正孔注入・輸送層に用いられる有機材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)などに代表される導電性高分子等の高分子材料が用いられる。
これら発光層、また各機能層に用いられる材料として、分子中にビニル基等の重合反応性基を有する材料を用い、製膜後に架橋・重合膜を形成させてもよい。
因みに陽極(第一電極)層に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数をもつものが適しており、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、酸化スズ、酸化インジウム、ITO等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。
また、陰極(第二電極)層に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数をもつものが適しており、マグネシウム、アルミニウム等。合金としては、マグネシウム/銀、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられる。
以上の各機能層が前記基板上に形成され、有機EL構造体基板が形成され、封止基板、及び封止用接着剤により封止され有機ELパネルを構成する。
本発明の有機EL構造体、また有機ELパネルにおいては、各有機機能層は、それぞれ、塗布、印刷法等の湿式法で成膜されてもよく、また、真空蒸着法などの他の成膜法(乾式法)により成膜されてもよい。
以下実施例により本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
〈実施例試験方法〉
実施例1
長さ30mのロール状のPET/アルミ箔(厚み:50/30μm)の表面(接着面はPETラミネートアルミ箔のつや面)に熱可塑性接着剤(ポリプロピレンの酸変性物;三井化学QE050)を押し出しラミネートし接着層を塗工し成膜、乾燥、巻き取って接着層付き封止基板を準備した。熱可塑性接着剤の厚みは30μmとした。
得た、長さ30mのロール状の接着層付き封止基板を、温度50℃、露点−60℃に調整した加圧乾燥装置(協真エンジニアリング製)のチャンバ内に3時間放置した。
乾燥装置は基本的には図1或いは2で示したものであり、除湿には吸着剤としてモレキュラーシーブを充填した除湿装置を用い加圧窒素(N)を循環させ露点計を用いて露点−60℃としたところでロール状の接着層付き封止基板を導入した。導入は、受け渡し室(予備室)ロールをいれ乾燥室との圧力差(N)を調製してから行った。
加圧乾燥装置のチャンバ内の圧力を表1に示す数値に変化させて、これによりそれぞれ圧力条件の異なる乾燥条件違いのサンプルNo.1〜6を準備した。
別途、有機EL構造体を作成した。
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、第一電極としてITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した透明支持基板を準備した。これを発光面積10mm×10mmとなるようパターニング後、イソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を更に5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により成膜した後、200℃で1時間乾燥し、膜厚30nmの正孔輸送層とした。
更に下記組成の発光組成物を1mlとなるように調整し、スピンコートした。(膜厚約25nm)。
発光組成物
溶媒:トルエン 100質量%
ホスト材料:H−A 1質量%
青色材料:Ir−A 0.10質量%
緑色材料:Ir(ppy) 0.004質量%
赤色材料:Ir(piq) 0.005質量%
次いで、電子輸送層用塗布液を下記のように調製し、スピンコーターにて、1500rpm、30秒の条件で塗布し、電子輸送層を設けた。別途用意した基板にて、同条件にて塗布を行い、測定をしたところ、膜厚は20nmであった。
(電子輸送層用塗布液)
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール 100ml
ET−A 0.50g
更に電子輸送層が形成された上記試料を真空蒸着装置に移し、真空槽を4×10−4Paまで減圧し、前記電子輸送層上に陰極バッファー層としてフッ化リチウム10nm及び第二電極としてアルミニウム110nmの層を順次それぞれ金属マスクを用いて蒸着し、第一電極と対向させパターニング成膜して、有機EL構造体を作製した。
作成した発光面積10mm×10mm、基板サイズ100mm×100mmの有機EL構造体に、乾燥室チャンバの圧力を変化させた前記乾燥条件違いの接着層付き封止基板を、窒素雰囲気、露点−80℃の条件下において、100mm×80mmに断裁後、同条件で120℃、圧力0.15MPaで、30秒間圧着して貼合し、構造体を封止して、封止済み有機ELパネル1〜6を作成した。
〈有機ELパネルの評価〉
作成した有機ELパネルを、外気水分の影響を受けない低湿度保存による加速劣化評価と、バリア性能を確認するための高湿度保存による加速劣化評価と、接着層付き封止基板と有機EL構造体との密着力の3つについて評価を実施した。
〈低湿度保存による加速劣化評価〉
作成した有機ELパネルを、加速試験として、露点−80℃、温度70℃の環境に3時間放置した後、定電圧電源(株式会社エーディーシー製、直流電圧・電流源R6243)にて+5Vを印加し構造体を発光させ、その時の発光状態をマイクロスコープにより観察した。直径30μm以上のダークスポット(DS)の発生数をカウントし比較を実施した。
〈高湿保存による加速劣化評価〉
作成した有機ELパネルを、加速試験として、湿度90%RH、温度70℃、24時間放置した後、定電圧電源(株式会社エーディーシー製、直流電圧・電流源R6243)にて+5Vを印加し構造体を発光させ、その時の発光状態をマイクロスコープにより観察した。直径30μm以上のダークスポット(DS)の発生数をカウントし比較を実施した。
〈密着力の評価〉
作成した有機ELパネルを、接着強度測定装置((株)イマダ製、90°剥離試験機)により、接着層付き封止基板と有機EL構造体との密着力を測定した。封止基板の80mmを幅手方向とし、剥離荷重を測定し比較を実施した。
[DS発生の評価ランク]
◎:0個
○:1個以上、10個未満
△:10個以上、20個未満
×:20個以上
[密着力の評価ランク]
◎:50N/80mm幅以上
○:30N/80mm幅以上、50N/80mm幅未満
△:15N/80mm幅以上、30N/80mm幅未満
×:15N/80mm幅未満
常圧(大気圧)に近いもの(=0.1MPa)、また、減圧(=0.01MPa)としたものよりも、大気圧より高圧条件で乾燥を実施したものが、低湿保存による加速劣化試験後も、ダークスポット(DS)の発生数が少なく、よく乾燥されていることが分かる。減圧としたものは、材料内部から表面への水分の拡散が予想外に遅く脱水が遅いものと考えられる。また、常圧(大気圧)に近いもの、また減圧のものは、高湿保存による加速劣化試験後にDSの発生数が多く、密着力も低いことから、有機ELパネル外部からの水分侵入がし易くなっている(バリア性が劣化している)ものと考えられる。本発明の有機ELパネルはDSの発生が少ないことから、DS発生が20個以上の有機ELパネルと比べ長寿命である。
実施例2
長さ30mのロール状のPET/アルミ箔(厚み=50/30μm)の表面(接着面はPETラミネートアルミ箔のつや面)に熱可塑性接着剤(ポリプロピレンの酸変性物;三井化学QE050)を押し出しラミネートし接着層を塗工し成膜、乾燥、巻き取って接着層付き封止基板を準備した。熱可塑性接着剤の厚みは30μmとした。
ロール状の接着層付き封止基板を、温度50℃、圧力0.2MPaの窒素雰囲気下で加圧乾燥装置(協真エンジニアリング製)のチャンバ内に6時間放置して乾燥した。このとき、乾燥装置のチャンバ内の露点を表2のように変化させ、乾燥条件違いのサンプルNo.21〜26を準備した。
実施例1と同様にして別途準備した発光面積10mm×10mmの有機EL構造体に、乾燥条件違いの接着層付き封止基板を実施例1と同様の条件で貼合し、封止済み有機ELパネル21〜26を作成した。
作成した有機ELパネルを、実施例1と同様に、高湿保存による加速劣化評価を実施した。ダークスポット(DS)の発生数をカウントして比較を行った。
[DS発生の評価ランク]
◎:0個
○:1個以上、10個未満
△:10個以上、20個未満
×:20個以上
露点を−30℃以下としたとき、加速試験後にも、ダークスポット(DS)の発生数が少なく、よく乾燥されていることが分かる。また、−60℃以下の場合さらにダークスポット(DS)の発生数が少なく、長寿命化に優れていて好ましいことが分かる。
実施例3
実施例1と同様にして接着層付きのロール状封止基板を準備した。このロール状の接着層付き封止基板を、加圧乾燥装置(協真エンジニアリング製)のチャンバ内を窒素雰囲気下として、チャンバ内に放置、温度50℃で乾燥した。露点は−30℃としチャンバ内の窒素ガス圧力を表3のように変化させ(露点は全て−30℃に調整)、乾燥時間を変化させて、それぞれ乾燥条件違いのサンプルNo.31〜36を準備した。
実施例1と同様にして別途準備した発光面積10mm×10mmの有機EL構造体に、乾燥条件違いの接着層付き封止基板を実施例1と同様の条件で貼合し、封止済み有機ELパネル31〜36を作成した。
評価法は実施例2と同様に行った。
結果を表3に示した。
窒素雰囲気下でも加圧によって、短時間で乾燥が可能である。
実施例4
実施例1と同様にして接着層付き封止基板を準備し、同様に加圧乾燥装置にて乾燥条件違いのサンプルを作成した。但し、加圧窒素を用いる代わりに、チャンバ内に圧縮空気を満たし加圧乾燥した。圧縮空気(或いは減圧)により表4に記載の圧力とし、温度50℃、露点−60℃に調整した加圧乾燥装置(協真エンジニアリング製)のチャンバ内に接着層付きロール状封止基板を3時間放置し加圧乾燥した。
実施例1と同様に別途準備した発光面積10mm×10mmの有機EL構造体に、乾燥条件違いの接着層付き封止基板を実施例1と同様の条件で貼合し、封止済み有機ELパネルのサンプルNo.41〜46を作成した。
評価法は実施例1と同様に外気水分の影響を受けない低湿度保存による加速劣化評価と、バリア性能を確認するための高湿度保存による加速劣化評価と、接着層付き封止基板と有機EL構造体との密着力の3つについて評価を実施した。
結果を表4に示した。
低露点下、加圧大気による乾燥においても、良好な結果を示した。
1 乾燥チャンバ
2 除湿装置
3 除湿ユニット
4 循環装置(ファン)

Claims (7)

  1. 基板上に、少なくとも第一電極と、発光層を含む有機機能層と、第二電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス構造体に、封止基板を、封止用接着剤を介し配置し、前記封止基板を前記有機エレクトロルミネッセンス構造体に接着することで構成する有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
    前記封止基板の配置前に、有機エレクトロルミネッセンスパネルの構成部材の少なくとも一部を、加圧環境下にて脱水処理するものであり、
    前記構成部材の少なくとも一部は、前記封止用接着剤であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  2. 前記加圧環境下が、0.12MPa以上の圧力下であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  3. 前記加圧環境下が、露点−30℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  4. 前記封止用接着剤が、熱可塑性接着剤から構成され、加圧環境下における脱水処理が前記熱可塑性接着剤の溶融温度未満の温度で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  5. 前記構成部材が、積層された状態で、脱水処理されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  6. 前記構成部材が、ロールに巻き取られた状態で、脱水処理されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法により製造されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネル。
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