JP5577924B2 - 混合器および周波数変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を用いて乗算信号を生成する混合器、およびその混合器を備えた周波数変換装置に関するものである。
磁気抵抗効果素子として、磁化固定層と磁化自由層との間に非磁性材料で形成されたスペーサ層を介在させて構成されたTMR(Tunnel Magnetoresistive)素子が知られている。このTMR素子では、電流を流したときにスピン偏極電子が流れて、磁化自由層内に蓄積されるスピン偏極電子の数に応じて磁化自由層の磁化の向き(電子スピンの向き)が変化する。一定の磁場内に配置された磁化自由層では、その磁化の向きを変更しようとしたときに、磁場によって拘束される安定な方向へ復元するように電子スピンに対してトルクが働き、特定の力で揺らされたときに、スピン歳差運動と呼ばれる振動が発生する。
近年、TMR素子等の磁気抵抗効果素子に対して高い周波数の交流電流を流した場合において、磁化自由層に流れる交流電流の周波数と磁化の向きに戻ろうとするスピン歳差運動の振動数とが一致したときに、強い共振が発生する現象(スピントルク強磁性共鳴)が発見された(非特許文献1参照)。また、磁気抵抗効果素子に外部から静磁界を印加し、かつこの静磁界の方向を磁化固定層の磁化の方向に対して層内で所定角度傾けた状態では、磁気抵抗効果素子は、RF電流(スピン歳差運動の振動数(共振周波数)と一致する周波数のRF電流)が注入されたときに、注入されたRF電流の振幅の2乗に比例する直流電圧をその両端に発生させる機能、つまり、2乗検波機能(スピントルクダイオード効果)を発揮することが知られている。また、この磁気抵抗効果素子の2乗検波出力は、所定の条件下において半導体pn接合ダイオードの2乗検波出力を上回ることが知られている(非特許文献2参照)。
しかしながら、上述のようなTMR素子の現象が知られつつも、このような現象を工業的に利用できる磁気デバイスは知られておらず、発見の応用が期待されていた。このため、本願出願人は、鋭意研究を重ねることにより、磁気抵抗効果素子の2乗検波機能に着目して、低いローカルパワーで作動可能な混合器への用途を検討し、既に提案している(特許文献1参照)。
Nature, Vol.438, 17 November, 2005, pp.339-342 まぐね, Vol.2, No.6, 2007, pp.282-290
特開2009−246615号公報(第4−8、第1図)
ところで、本願出願人が提案した上記の混合器について継続して検討を行った結果、この混合器では、磁気抵抗効果素子に接続される伝送路(信号ライン)のインピーダンスが低いとき(例えば、特性インピーダンスが50Ωの伝送路に磁気抵抗効果素子を直接接続したとき)には、磁気抵抗効果素子の2乗検波出力(混合器における乗算信号の信号レベル)が著しく低下するという現象が発生することを発見した。
このため、本願出願人は、この現象を回避するため、磁気抵抗効果素子に入力されて混合される2つの信号の伝送路(以下では、「入力伝送路」ともいう)と磁気抵抗効果素子との間にインピーダンス変換回路を配設すると共に、磁気抵抗効果素子によって生成されたこの2つの信号についての乗算信号の出力伝送路と磁気抵抗効果素子との間に他のインピーダンス変換回路を配設する構成の混合器を提案している(特願2009−128615)。この出願では、入力伝送路側に配設されるインピーダンス変換回路として、パッシブ素子で構成されたものと、アクティブ素子で構成されたものとを提案しているが、出力伝送路側に配設されるインピーダンス変換回路としては、アクティブ素子である演算増幅器を用いて構成されたものを提案している。
しかしながら、アクティブ素子である演算増幅器の入力インピーダンスは、50Ωの出力伝送路と比較して十分に高いために、磁気抵抗効果素子の2乗検波出力(混合器における乗算信号の信号レベル)の大幅な低下は回避されている。その一方、演算増幅器の入力インピーダンスが演算増幅器に固有のものであることから、磁気抵抗効果素子のインピーダンス(磁気抵抗効果素子に固有のインピーダンス)と整合(インピーダンス整合)がとれた状態になっているとは限らない。したがって、磁気抵抗効果素子と出力伝送路との間に演算増幅器で構成されたインピーダンス変換回路を配設する混合器では、磁気抵抗効果素子のインピーダンスと演算増幅器で構成されたインピーダンス変換回路との間で不整合が発生する可能性が高いことに起因して、出力伝送路に出力される乗算信号に歪みが発生するという解決すべき課題が存在している。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、磁気抵抗効果素子から伝送路に出力される乗算信号の歪みを確実に低減し得る混合器、およびその混合器を備えた周波数変換装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る混合器は、第1高周波信号、およびローカル用の第2高周波信号を入力すると共に、当該両高周波信号を加算して加算信号として出力する加算部と、磁化固定層、磁化自由層、および前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備え、前記加算信号を入力したときに当該加算信号に含まれている前記第1高周波信号および前記第2高周波信号を磁気抵抗効果によって乗算して乗算信号を生成する磁気抵抗効果素子と、前記磁化自由層に磁場を印加する磁場印加部と、前記磁気抵抗効果素子から出力される前記乗算信号を入力すると共に、入力インピーダンスよりも低いインピーダンスに変換して出力する受動型の第1インピーダンス変換部とを備えている。
また、本発明に係る混合器は、前記第1インピーダンス変換部は、トランス型インピーダンス変換回路および抵抗型インピーダンス変換回路のうちのいずれかを備えて構成されている。
また、上記目的を達成すべく本発明に係る周波数変換装置は、上記の混合器と、前記第1高周波信号および前記第2高周波信号のうちの高い方の周波数をf1とし低い方の周波数をf2としたときに、前記乗算信号のうちから周波数が(f1+f2)および(f1−f2)のうちのいずれか一方を通過させるフィルタとを備えている。
また、本発明に係る周波数変換装置は、前記第2高周波信号を生成する信号生成部を備え、当該信号生成部は、磁化固定層、磁化自由層、および当該磁化固定層と当該磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備えた他の磁気抵抗効果素子と、当該他の磁気抵抗効果素子の当該磁化自由層に磁場を印加する他の磁場印加部と、当該他の磁気抵抗効果素子に直流電流を供給する電流供給部とを備え、当該他の磁気抵抗効果素子によるスピン注入自励発振によって前記第2高周波信号を生成する。
本発明に係る混合器および周波数変換装置では、磁気抵抗効果素子から出力される乗算信号を磁気抵抗効果素子のインピーダンスに等しい入力インピーダンスで入力すると共に、この乗算信号を後段の回路との間に配設された伝送路の特性インピーダンス(磁気抵抗効果素子のインピーダンスよりも低い後段の回路の入力インピーダンスに等しいインピーダンス)と整合するインピーダンスに変換して出力する受動型のインピーダンス変換部を備えている。したがって、この混合器および周波数変換装置によれば、磁気抵抗効果素子のインピーダンスと上記の伝送路の特性インピーダンスとが相違する場合であっても、磁気抵抗効果素子と伝送路の不整合に起因した歪みの発生を確実に回避して、磁気抵抗効果素子から出力される乗算信号を伝送路に出力することができる。また、受動型のインピーダンス変換部は、能動型のインピーダンス変換部と比較して、インピーダンス変換部自体において発生する歪みが極めて少ないため、より一層歪みの少ない状態で磁気抵抗効果素子から出力される乗算信号を伝送路に出力することができる。
本発明に係る混合器および周波数変換装置によれば、受動部品としてのトランス型インピーダンス変換回路のみで構成された受動型のインピーダンス変換部を備えて構成されている。したがって、この混合器および周波数変換装置によれば、抵抗を使用したインピーダンス変換部と比較して、インピーダンス変換部での乗算信号の減衰を最小限に抑えることができると共に、乗算信号に含まれている直流成分を除去して伝送路に出力することができる。
本発明に係る周波数変換装置によれば、上記の混合器と、第1高周波信号および第2高周波信号のうちの高い方の周波数をf1とし低い方の周波数をf2としたときに、乗算信号のうちから周波数が(f1+f2)および(f1−f2)のうちのいずれか一方を通過させるフィルタとを備えたことにより、周波数(f1+f2)を通過させるフィルタを採用することによって周波数変換装置をアップコンバート装置として機能させることができ、一方、周波数(f1−f2)を通過させるフィルタを採用することによって周波数変換装置をダウンコンバート装置として機能させることもできる。
本発明に係る周波数変換装置によれば、磁気抵抗効果素子と、磁気抵抗効果素子に磁場を印加する磁場印加部と、磁気抵抗効果素子に直流電流を供給する電流供給部とを備えて信号生成部を構成したことにより、信号生成部から出力される用の第2高周波信号のインピーダンスを、インピーダンス変換部を使用することなく(混合器にインピーダンス変換部を配設することなく)、混合器を構成する磁気抵抗効果素子のインピーダンスに整合させることができる。
周波数変換装置100の構成を示す構成図である。 信号生成部11の構成を示す構成図である。 磁気抵抗効果素子(TMR素子)2(41)近傍の斜視図である。 磁気抵抗効果素子2(41)の磁化自由層21近傍の斜視図である。 図1,2におけるW−W線断面図である。 磁気抵抗効果素子2(41)に印加する磁場Hを一定としたときの周波数fと磁気抵抗効果素子2(41)の共振状態との関係図である。 インピーダンス変換部7の他の例についての回路図である。
以下、混合器および周波数変換装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、混合器1、および混合器1を含む周波数変換装置100の構成について、図面を参照して説明する。なお、一例として周波数変換装置100を受信装置RXに適用した例を挙げて説明する。
図1に示す周波数変換装置100は、アンテナ101と共に、受信装置RXを構成する。周波数変換装置100は、アンテナ101から出力されるRF信号SRF(第1高周波信号)を受信する受信装置RXの高周波段に配置されて、RF信号SRFの周波数f1を乗算信号S3の周波数fmに変換する機能を有している。一例として、周波数変換装置100は、混合器1と共に、信号生成部11、アンプ12、フィルタ13および出力端子14a,14b(以下、特に区別しないときには出力端子14ともいう)を備えている。
信号生成部11は、一例として、−15dBm±5dBmのローカル信号S2を生成して出力する。この信号生成部11は、上記のローカル信号S2を出力し得るものであれば、任意の構成を採用することができる。上記した非特許文献2(まぐね)に記載されているように、磁気抵抗効果素子は、直流電流と外部磁場とを同時に加えることにより、高い周波数(磁気抵抗効果素子における歳差運動の周波数)で自励発振することが知られている。本例では磁気抵抗効果素子のこの特性を使用して、信号生成部11は、磁気抵抗効果素子を用いて構成されている。
具体的には、信号生成部11は、図2に示すように、磁気抵抗効果素子(他の磁気抵抗効果素子)41、磁場印加部(他の磁場印加部)42、電流供給部43、コイル44およびコンデンサ45を備えている。
磁気抵抗効果素子41は、一例として、図3,5に示すように、磁化自由層21を含むTMR素子で構成されている。具体的には、磁気抵抗効果素子41は、磁化自由層21、スペーサ層22、磁化固定層23および反強磁性層24を備え、この順に積層された状態で、上部電極25と下部電極26との間に、磁化自由層21が上部電極25に接続され、かつ反強磁性層24が下部電極26に接続された状態で配設されている。この場合、磁化自由層21は、強磁性材料で感磁層として構成されている。スペーサ層22は、非磁性スペーサ層であって、絶縁性を有する非磁性材料で構成されて、トンネルバリア層として機能する。なお、スペーサ層22は、通常1nm以下の厚みで形成される。また、下部電極26は、図2に示すように、グランドに接続されている。
磁化固定層23は、一例として、図3に示すように、磁化方向が固定された強磁性層(第2磁性層)23a、Ruなどの金属からなる非磁性層23b、および磁化方向が強磁性層23aと逆向きとなるように固定された他の強磁性層(第1磁性層)23cとを備え、強磁性層23cが反強磁性層24の上部に位置するように各層がこの順に積層されて構成されている。この場合、一対の強磁性層23a,23cは、その磁化方向が磁気抵抗効果素子41の厚み方向(Z軸方向)と垂直に設定されている。また、反強磁性層24は、下側の強磁性層23cに交換結合されている。
また、磁気抵抗効果素子41は、磁化自由層21において磁化の向きの共振が発生し易いように、図4に示すように、磁化自由層21における容易磁化軸Fの向きと、後述する磁場印加部42から印加される磁場Hの向きとが、X−Y平面内において、所定の角度θ(好ましくは5°〜175°の範囲の角度、より好ましくは90°)で交差するように、磁気抵抗効果素子41と磁場印加部42との位置関係が予め規定されている。
磁場印加部42は、図2,5に示すように、磁場発生用配線31、磁気ヨーク32および電流供給部33を備えている。磁場発生用配線31は、図5に示すように、上部電極25を介して磁気抵抗効果素子41の上方に配設されている。磁気ヨーク32は、頂部磁性体32a、側面部磁性体32b,32c、下部磁性体32d,32e、および底部磁性体32f,32gを備えている。この場合、頂部磁性体32aは、磁場発生用配線31の上方に配設されている。側面部磁性体32bは、磁場発生用配線31の一方の側方(一例として、図5では右側方)に配設されて、頂部磁性体32aに接続されている。また、側面部磁性体32cは、磁場発生用配線31の他方の側方(一例として、図5では左側方)に配設されて、頂部磁性体32aに接続されている。下部磁性体32dは、磁気抵抗効果素子41の一方の側方(一例として、図5では右側方)に配設されて、側面部磁性体32bに接続されている。また、下部磁性体32eは、磁気抵抗効果素子41の他方の側方(一例として、図5では左側方)に配設されて、側面部磁性体32cに接続されている。この構成により、下部磁性体32e、側面部磁性体32c、頂部磁性体32a、側面部磁性体32bおよび下部磁性体32dは、この順に連結されて全体として短冊状に形成され、かつ図1に示すように磁場発生用配線31を跨ぐようにして磁気抵抗効果素子41の上方に配設されている。
底部磁性体32fは、図2,5に示すように、下部磁性体32dに接続された状態で下部磁性体32dの下方に配設されている。また、底部磁性体32fは、その磁気抵抗効果素子41方向の端部側が、磁気抵抗効果素子41の上部電極25および下部電極26間にこれらと絶縁された状態で進入すると共に、磁気抵抗効果素子41の磁化自由層21における一方の側面近傍に達している。底部磁性体32gは、下部磁性体32eに接続された状態で下部磁性体32eの下方に配設されている。また、底部磁性体32gも、その磁気抵抗効果素子41の方向の端部側が、上部電極25および下部電極26間にこれらと絶縁された状態で進入すると共に、磁気抵抗効果素子41の磁化自由層21における他方の側面近傍に達している。
磁気ヨーク32は、上記の構成により、磁場発生用配線31に電流Iが流れたときに磁場発生用配線31の周囲に発生する磁界に対する閉磁路を形成して、図4に示すように、この閉磁路のギャップとなる部位(一対の底部磁性体32f,32g間の隙間)に配設された磁気抵抗効果素子41の磁化自由層21に対して磁場Hを印加する。また、本例では、一例として、上述した磁場印加部42の磁場発生用配線31および磁気ヨーク32は、磁気抵抗効果素子41と共に、公知の半導体製造プロセスを利用して、シリコンウェハ上に形成されて、IC化されている。
磁場印加部42を構成する電流供給部33は、頂部磁性体32aの両側から延出する磁場発生用配線31の各端部に接続されて、磁場発生用配線31に電流Iを供給する。また、電流供給部33は、この電流Iの電流値を変更可能に構成されている。したがって、磁場印加部42は、電流供給部33から出力される電流Iの電流値を変更することにより、磁気抵抗効果素子41に印加する磁場Hの強さを変更することで、磁気抵抗効果素子41の共振周波数f0を変更可能となっている。なお、本例では、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数は1つに形成されているが、磁場発生用配線31をコイル状に形成して、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数を複数とする構成を採用することにより、磁場Hの強さを強めることもできる。
電流供給部43は、直流電流I1を生成すると共に、生成した直流電流I1をコイル44を介して上部電極25と下部電極26との間に供給する。これにより、直流電流I1が、磁気抵抗効果素子41に供給されて、積層状態の磁化自由層21、スペーサ層22、磁化固定層23および反強磁性層24を貫通して流れる。また、図2に示すように、上部電極25には、コンデンサ45の一端が接続されている。
この構成により、信号生成部11では、磁気抵抗効果素子41は、磁場印加部42から磁場Hが供給(印加)され、かつ電流供給部43から直流電流I1が供給されている状態において、周波数f2で自励発振する。したがって、信号生成部11は、受信装置RXにおいて、いわゆる局部発振器として機能して、周波数がf2のローカル信号(第2高周波信号)S2を生成し、生成したローカル信号S2をコンデンサ45を介して出力する。コイル44は、このようにして生成されたローカル信号S2に対する電流供給部43側のインピーダンスを高めることで、ローカル信号S2の電流供給部43への漏れ込みを低減する機能を備えている。
混合器1は、図1に示すように、磁気抵抗効果素子2、磁場印加部3、インピーダンス変換部4,5、加算部6およびインピーダンス変換部7を備えている。インピーダンス変換部(第2インピーダンス変換部)4は、受動部品のみで構成された(能動素子を含まない)受動型のインピーダンス変換部として構成されている。また、インピーダンス変換部4は、アンテナ101と加算部6の一方の入力端子との間に配設されて、アンテナ101の出力インピーダンス(一例として50Ω)を加算部6の一方の入力端子に接続されている伝送路L1(一例としてマイクロストリップライン)の特性インピーダンス(加算部6の一方の入力端子の入力インピーダンス(300Ω))に整合させる。つまり、インピーダンス変換部4は、入力した信号を、入力のインピーダンスよりも高いインピーダンス(50Ωより高いインピーダンス、望ましくは300Ω以上のインピーダンス)に変換して出力する。本例では一例として、インピーダンス変換部4は、トランス型インピーダンス変換回路(具体的には、一例として1つのバラントランス)で構成されて、上記のインピーダンス整合を行うと共に、アンテナ101から平衡信号として出力されるRF信号SRFを不平衡信号としてのRF信号S1に変換して伝送路L1に出力する。
インピーダンス変換部(第3インピーダンス変換部)5は、受動部品のみで構成された(能動素子を含まない)受動型のインピーダンス変換部として構成されている。また、インピーダンス変換部5は、信号生成部11と加算部6の他方の入力端子に接続されている伝送路L2(一例としてマイクロストリップライン)との間に配設されて、信号生成部11の出力インピーダンスと伝送路L2のインピーダンス(加算部6の他方の入力端子の入力インピーダンス(300Ω))に整合させる。つまり、インピーダンス変換部5は、入力した信号を、入力のインピーダンスよりも高いインピーダンス(50Ωより高いインピーダンス、望ましくは300Ω以上のインピーダンス)に変換して出力する。したがって、信号生成部11の出力インピーダンスが伝送路L2の特性インピーダンス(300Ω)と異なる値であるときには、信号生成部11と伝送路L2との間にインピーダンス変換部5が配設されて、信号生成部11と伝送路L2とのインピーダンスを整合させる。一方、信号生成部11の出力インピーダンスが伝送路L2の特性インピーダンス(300Ω)と同じ値か、ほぼ等しい値であるときには、信号生成部11と伝送路L2とを直接接続することができるため、インピーダンス変換部5は省略される。
本例では、信号生成部11は、上記したように、磁気抵抗効果素子41を使用する構成を採用しているため、その出力インピーダンスが約300Ωに規定されている。したがって、本例の混合器1では、インピーダンス変換部5は省略されて、信号生成部11(具体的には、出力段に配設されているコンデンサ45)が伝送路L2(特性インピーダンス:300Ω)に直接接続される構成となっている。これにより、信号生成部11から出力されたローカル信号S2は、伝送路L2を経由して加算部6に直接入力される。
加算部6は、一例として、パワー・スプリッタまたはパワー・ディバイダをパワー・コンバイナとして使用することで構成されている。この構成により、加算部6は、2つの入力端子から入力された2つのRF信号S1とローカル信号S2とを加算して1つの信号(加算信号)S12に結合すると共に、この信号S12を出力端子から伝送路L3(一例としてマイクロストリップライン)に出力する。信号S12は、この伝送路L3を経由して、磁気抵抗効果素子2に接続されている上部電極25に供給される。このため、伝送路L3の特性インピーダンスは、磁気抵抗効果素子2とインピーダンスに等しい300Ωに規定されている。
混合器1の磁気抵抗効果素子2は、信号生成部11の磁気抵抗効果素子41とは別の素子ではあるが、本例では一例として、磁気抵抗効果素子41と同一の構成要素を備えて同一に構成されている。したがって、磁気抵抗効果素子2の構成については、磁気抵抗効果素子41の説明に際して使用した図面を参照しつつ、同一の構成要素については同一の符号を付して、主たる構成要素についてのみ説明する。
この磁気抵抗効果素子2は、一例として、図3,5に示すように磁化自由層21を含むTMR素子で構成されている。具体的には、磁気抵抗効果素子2は、磁化自由層21、スペーサ層22、磁化固定層23および反強磁性層24を備え、この順に積層された状態で、上部電極25と下部電極26との間に、磁化自由層21が上部電極25に接続され、かつ反強磁性層24が下部電極26に接続された状態で配設されている。なお、この上部電極25および下部電極26についても、信号生成部11の磁気抵抗効果素子41に接続されている上部電極25および下部電極26とは別のものであるが、同じ図面を使用して説明するため、同一の符号を付すものとする。
磁化固定層23は、一例として、図3に示すように、磁化方向が固定された強磁性層(第2磁性層)23a、Ruなどの金属からなる非磁性層23b、および磁化方向が強磁性層23aと逆向きとなるように固定された他の強磁性層(第1磁性層)23cとを備え、強磁性層23cが反強磁性層24の上部に位置するように各層がこの順に積層されて構成されている。
また、磁気抵抗効果素子2は、磁化自由層21において磁化の向きの共振が発生し易いように、図4に示すように、磁化自由層21における容易磁化軸Fの向きと、後述する磁場印加部3から印加される磁場Hの向きとが、X−Y平面内において、所定の角度θ(好ましくは5°〜175°の範囲の角度、より好ましくは90°)で交差するように、磁気抵抗効果素子2と磁場印加部3との位置関係が予め規定されている。
磁場印加部3は、信号生成部11の磁場印加部42と別のものではあるが、図1,5に示すように、磁場発生用配線31、磁気ヨーク32および電流供給部33を備えて、磁場印加部42と同一に構成されている。具体的には、磁場印加部3の磁場発生用配線31は、図5に示すように、上部電極25を介して磁気抵抗効果素子2の上方に配設されている。磁気ヨーク32は、頂部磁性体32a、側面部磁性体32b,32c、下部磁性体32d,32e、および底部磁性体32f,32gを備えている。
磁場印加部3の磁気ヨーク32は、上記の構成により、磁場発生用配線31に電流Iが流れたときに磁場発生用配線31の周囲に発生する磁界に対する閉磁路を形成して、図4に示すように、この閉磁路のギャップとなる部位(一対の底部磁性体32f,32g間の隙間)に配設された磁気抵抗効果素子2の磁化自由層21に対して磁場Hを印加する。また、本例では、一例として、上述した磁場印加部3の磁場発生用配線31および磁気ヨーク32は、磁気抵抗効果素子2と共に、公知の半導体製造プロセスを利用して、シリコンウェハ上に形成されて、IC化されている。
磁場印加部3の電流供給部33は、頂部磁性体32aの両側から延出する磁場発生用配線31の各端部に接続されて、磁場発生用配線31に電流Iを供給する。また、電流供給部33は、この電流Iの電流値を変更可能に構成されている。したがって、磁場印加部3は、電流供給部33から出力される電流Iの電流値を変更することにより、磁気抵抗効果素子2に印加する磁場Hの強さを変更することで、磁気抵抗効果素子2の共振周波数f0を変更可能となっている。なお、本例では、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数は1つに形成されているが、磁場発生用配線31をコイル状に形成して、磁気ヨーク32内を通過する磁場発生用配線31の数を複数とする構成を採用することにより、磁場Hの強さを強めることもできる。
この構成により、混合器1では、後述するように、磁気抵抗効果素子2の共振周波数f0をローカル信号S2の周波数f2に一致させ、かつRF信号S1の周波数f1を周波数f2の近傍の周波数に設定することにより、磁気抵抗効果素子2は、加算部6から出力される信号S12に含まれているRF信号S1とローカル信号S2とに対して2乗検波動作を実行して、乗算信号(電圧信号)S4を生成して出力する。この2乗検波出力としての乗算信号S4は、直流成分、および各周波数(交流)成分((f1+f2),(f1−f2),2×f1,2×f2,3×f1,3×f2,・・・)を含んで構成されている。
この場合、2乗検波動作によって磁気抵抗効果素子2に発生する直流成分のアンテナ101への漏れ出しについては、トランス型インピーダンス変換回路で構成されたインピーダンス変換部4によって阻止され、またこの直流成分の信号生成部11への漏れ出しについては、信号生成部11の出力段に配設されているコンデンサ45によって阻止される。
インピーダンス変換部(第1インピーダンス変換部)7は、受動部品のみで構成された(能動素子を含まない)受動型のインピーダンス変換部として構成されている。本例では一例として、インピーダンス変換部7は、トランス型インピーダンス変換回路を用いて構成されている。また、インピーダンス変換部7は、磁気抵抗効果素子2と伝送路L4(一例としてマイクロストリップライン)を介して接続されると共に、伝送路L5(一例としてマイクロストリップライン)を介してアンプ12と接続されることにより、磁気抵抗効果素子2とアンプ12との間に配設されて、磁気抵抗効果素子2の出力インピーダンス(300Ω)と同じ特性インピーダンスに規定された伝送路L4と、アンプ12の入力インピーダンス(一例として50Ω)と同じ特性インピーダンスに規定された伝送路L5との間のインピーダンスを整合する。つまり、インピーダンス変換部7は、入力した信号を、入力のインピーダンスよりも低いインピーダンスに変換して出力する。
一例として、インピーダンス変換部7は、互いに磁気結合する一対の巻線7a,7bを備え、各巻線7a,7bの一端がグランドにそれぞれ接地され、一方の巻線7aの他端が伝送路L4を介して磁気抵抗効果素子2用の上部電極25に接続され、他方の巻線7bの他端が伝送路L5を介してアンプ12に接続されている。この構成により、インピーダンス変換部7は、伝送路4を介して入力した磁気抵抗効果素子2からの乗算信号S4を、インピーダンス変換して出力すると共に、この乗算信号S4に含まれている直流成分については除去し、かつ交流成分については殆ど歪みを発生させることなく、伝送路L5に乗算信号S5として出力する。なお、上記の巻線7a,7bは、線材を用いて構成することもできるし、また1つの基板に2つのスパイラル状のコイルを配線パターンで近接して形成することによっても構成することもできる。
アンプ12は、一例として演算増幅器を用いて構成されて、伝送路L5を介して入力した乗算信号S5を予め規定された増幅率で増幅して、伝送路L6(一例として、特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップライン)に出力信号S6として出力する。この場合、アンプ12の出力インピーダンスは、伝送路L6の特性インピーダンスと整合する値に規定されている。フィルタ13は、一例として帯域通過型フィルタ(BPF)で構成されると共に伝送路L6に配設されて、出力信号S6から所望の周波数の信号のみを通過させることで、最終的な乗算信号S3として出力端子14に出力する。具体的には、フィルタ13は、各周波数(f1−f2),(f1+f2)のうちのいずれかの周波数(所望の周波数fm)の信号を乗算信号S3として通過させる。
次に、混合器1の混合動作および周波数変換装置100の周波数変換動作について説明する。一例として、アンテナ101を介して受信したRF信号SRF(周波数f1=4.5GHz)が入力され、信号生成部11は、磁気抵抗効果素子41の共振周波数f0(図6参照)が周波数f2(=4.4GHz(<f1))に設定されることにより、この周波数f2のローカル信号S2を生成するものとする。また、磁気抵抗効果素子2の共振周波数f0(図6参照)は、ローカル信号S2の周波数f2においてピークを示すのが好ましい。このため、混合器1の電流供給部33から磁場発生用配線31に供給する電流Iの電流値は、共振周波数f0をローカル信号S2の周波数f2に一致させる磁場Hを磁気抵抗効果素子2に印加し得る値に規定されているものとする。
また、ローカル信号S2は、磁気抵抗効果素子2に対して共振を発生させ得る電流を供給可能な電力(例えば−15dBm±5dBm)に規定されているものとする。また、混合器1による混合動作によってインピーダンス変換部7から出力される出力信号S5には、各信号S1,S2の周波数成分(f1,f2)、および各乗算信号の周波数成分((f1+f2),(f1−f2),2×f1,2×f2,3×f1,3×f2,・・・)が含まれているが、これらの周波数成分のうちの所望の周波数成分(周波数成分(f1+f2)または周波数成分(f1−f2)。本例では一例として高域の周波数成分(f1+f2))を通過させ、これ以外の周波数の信号の通過を阻止し得るようにフィルタ13が構成されているものとする。この場合、フィルタ13は、周波数(f1+f2)を周波数帯域に含む帯域通過型フィルタで構成されている。
この周波数変換装置100では、信号生成部11は、磁気抵抗効果素子41に対して、磁場印加部42から磁場Hが供給(印加)され、かつ電流供給部43から直流電流I1が供給されることにより、周波数f2のローカル信号S2を生成して出力する。また、このローカル信号S2が、電流供給部33から電流Iが供給されている状態(磁気抵抗効果素子2に磁場Hが印加されている状態)の混合器1に出力されている。
本例では、上記したように、磁気抵抗効果素子41を使用する構成の採用によって信号生成部11の出力インピーダンスが、加算部6の他方の入力端子の入力インピーダンス(300Ω)と同じ値に規定されると共に、信号生成部11と加算部6の他方の入力端子とを接続する伝送路L2の特性インピーダンスが信号生成部11の出力インピーダンスおよび加算部6の他方の入力端子の入力インピーダンスにインピーダンス整合されている。また、加算部6の出力インピーダンスが300Ωに規定されると共に、加算部6と磁気抵抗効果素子2とを接続する伝送路L3のインピーダンスが、磁気抵抗効果素子2のインピーダンスに整合されている。このため、信号生成部11から出力されたローカル信号S2は、極めて歪みの少ない状態で加算部6に入力され、さらにこの加算部6から信号S12に含まれた状態で混合器1の磁気抵抗効果素子2に伝送路L3を介して出力されている。また、上記したように、ローカル信号S2はその周波数f2が磁気抵抗効果素子2の共振周波数f0と一致し、かつその電力が磁気抵抗効果素子2に対して共振を発生させ得るように規定されている。したがって、強い共振(スピントルク強磁性共鳴)が磁気抵抗効果素子2に発生している。
この共振状態において、アンテナ101からインピーダンス変換部4へのRF信号SRF(周波数f1)の出力が開始されると、バラントランスで構成されたインピーダンス変換部4は、平衡信号であるこのRF信号SRFを不平衡信号としてのRF信号S1に変換して、加算部6の一方の入力端子に伝送路L1を介して出力する。本例では、インピーダンス変換部4の出力インピーダンスは伝送路L1の特性インピーダンスに整合されているため、RF信号S1は、極めて歪みの少ない状態で加算部6に入力され、さらにこの加算部6から信号S12に含まれた状態で混合器1の磁気抵抗効果素子2に伝送路L3を介して出力されている。
この場合、磁気抵抗効果素子2は、共振状態において半導体pn接合ダイオードと比較して僅かな順方向電圧で2乗検波動作(整流作用)を発揮する。このため、磁気抵抗効果素子2は、この順方向電圧を磁気抵抗効果素子2に発生させるためのローカル信号S2の電力が半導体pn接合ダイオードを使用したときに必要とされる電力(例えば10dBm)よりも少ない状態であっても2乗検波動作を実行して、RF信号S1およびローカル信号S2を乗算して、その両端間に乗算信号S4を発生させる。
この際に、本例では、磁気抵抗効果素子2に接続される加算部6の出力インピーダンスおよびインピーダンス変換部7の入力インピーダンスが、磁気抵抗効果素子2のインピーダンス(300Ω)に整合されているため、磁気抵抗効果素子2が50Ωなどの特性インピーダンスの低い伝送路に直接接続されている構成と比較して、磁気抵抗効果素子2は、より大きな振幅で乗算信号S4を発生させる。
次いで、インピーダンス変換部7が、伝送路L4を介して乗算信号S4を入力すると共に、この乗算信号S4を伝送路L5の特性インピーダンスに整合させて歪みの少ない状態で乗算信号S5として出力する。この乗算信号S5は、伝送路L5を経由してアンプ12に入力される。このようにして、インピーダンス変換部7により、磁気抵抗効果素子2側の伝送路L4の特性インピーダンスとアンプ12側の伝送路L5の特性インピーダンスとが整合されているため、乗算信号S5は、極めて歪みの少ない状態で、具体的には、混合器1の性能評価の1つの基準となる3次高調波歪成分についても歪みの少ない状態でアンプ12に入力される。
次いで、アンプ12が、入力した乗算信号S5を増幅して、伝送路L6に出力信号S6として出力する。最後に、フィルタ13が、出力信号S6に含まれている各周波数成分のうちの周波数が(f1+f2)となる成分のみを通過させることで、最終的な乗算信号S3として出力端子14に出力する。
このように、この混合器1および周波数変換装置100は、混合器1の磁気抵抗効果素子2から出力される乗算信号S4を磁気抵抗効果素子2のインピーダンスに等しい入力インピーダンスで入力すると共に、この乗算信号S4を後段のアンプ12との間に配設された伝送路L5の特性インピーダンス(磁気抵抗効果素子2のインピーダンスよりも低いアンプ12の入力インピーダンスに等しいインピーダンス)と整合するインピーダンスに変換して乗算信号S5として出力する受動型のインピーダンス変換部7を備えている。したがって、この混合器1および周波数変換装置100によれば、磁気抵抗効果素子2のインピーダンスと伝送路L5の特性インピーダンス(つまり、アンプ12の入力インピーダンス)とが相違する場合であっても、磁気抵抗効果素子2と伝送路L5の不整合に起因した歪みの発生を確実に回避して、磁気抵抗効果素子2から出力される乗算信号S4を乗算信号S5として伝送路L5に出力することができる(つまり、アンプ12に乗算信号S5として入力することができる)。また、能動型のインピーダンス変換部と比較して、インピーダンス変換部自体において発生する歪みが極めて少ないため、より一層歪みの少ない状態で乗算信号S4を乗算信号S5に変換してアンプ12に入力することができる。
また、この混合器1および周波数変換装置100は、受動部品としてのトランス型インピーダンス変換回路のみで構成された受動型のインピーダンス変換部7を備えて構成されている。したがって、この混合器1および周波数変換装置100によれば、抵抗を使用したインピーダンス変換部と比較して、インピーダンス変換部7での乗算信号S4の減衰を最小限に抑えることができると共に、乗算信号S4に含まれている直流成分を除去して伝送路L5に出力することができる。
また、この周波数変換装置100によれば、上記の混合器1と、乗算信号S6に含まれる各周波数成分のうちから周波数が(f1+f2)および(f1−f2)のうちのいずれか一方(上記の構成では、f1+f2)を通過させるフィルタ13とを備えたことにより、周波数変換装置100をアップコンバート装置として機能させることができる。なお、周波数(f1−f2)の信号のみを通過させる帯域通過型フィルタ(BPF)でフィルタ13を構成することにより、周波数変換装置100をダウンコンバート装置として機能させることもできる。
また、この周波数変換装置100によれば、磁気抵抗効果素子41と、磁気抵抗効果素子41に磁場を印加する磁場印加部42と、磁気抵抗効果素子41に直流電流I1を供給する電流供給部43とを備えて信号生成部11を構成したことにより、信号生成部11から出力されるローカル信号S2のインピーダンスを、インピーダンス変換部5を使用することなく、磁気抵抗効果素子2のインピーダンスに整合させることができる。
なお、インピーダンス変換部7については、トランス型インピーダンス変換回路に代えて、抵抗型インピーダンス変換回路を使用することもできる。この抵抗型インピーダンス変換回路について図7を参照して説明すると、抵抗型インピーダンス変換回路は、混合器1の上部電極25と伝送路L4との間に直列に接続された抵抗R1と、抵抗R1における伝送路L4側の端子とグランドとの間に接続された抵抗R2とを備え、抵抗R1の抵抗値が273.9Ωに規定され、抵抗R2の抵抗値が54.8Ωに規定して構成されている。この構成により、抵抗型インピーダンス変換回路で構成されたインピーダンス変換部7は、混合器1に対する入力インピーダンスが300Ωとなり、特性インピーダンスが50Ωの伝送路L4に対する出力インピーダンスが50Ωに規定されている。したがって、トランス型インピーダンス変換回路と比較して乗算信号が減衰するものの、トランス型インピーダンス変換回路を採用した場合と同様にして、乗算信号S4を後段のアンプ12の入力インピーダンスに等しいインピーダンスに変換して歪みの少ない乗算信号S5として出力することができる。この場合、抵抗R1,R2については、電子部品としての抵抗器で構成してもよいし、予め規定された特性インピーダンスで基板に形成されたマイクロストリップラインで構成することもできる。
1 混合器
2 磁気抵抗効果素子
3,42 磁場印加部
6 加算部
7 インピーダンス変換部
13 フィルタ
21 磁化自由層
22 スペーサ層
23 磁化固定層
43 電流供給部
100 周波数変換装置
RF RF信号
S1 RF信号
S2 ローカル信号
S3 乗算信号

Claims (4)

  1. 第1高周波信号、およびローカル用の第2高周波信号を入力すると共に、当該両高周波信号を加算して加算信号として出力する加算部と、
    磁化固定層、磁化自由層、および前記磁化固定層と前記磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備え、前記加算信号を入力したときに当該加算信号に含まれている前記第1高周波信号および前記第2高周波信号を磁気抵抗効果によって乗算して乗算信号を生成する磁気抵抗効果素子と、
    前記磁化自由層に磁場を印加する磁場印加部と、
    前記磁気抵抗効果素子から出力される前記乗算信号を入力すると共に、入力インピーダンスよりも低いインピーダンスに変換して出力する受動型の第1インピーダンス変換部とを備えている混合器。
  2. 前記第1インピーダンス変換部は、トランス型インピーダンス変換回路および抵抗型インピーダンス変換回路のうちのいずれかを備えて構成されている請求項1記載の混合器。
  3. 請求項1または2記載の混合器と、前記第1高周波信号および前記第2高周波信号のうちの高い方の周波数をf1とし低い方の周波数をf2としたときに、前記乗算信号のうちから周波数が(f1+f2)および(f1−f2)のうちのいずれか一方を通過させるフィルタとを備えている周波数変換装置。
  4. 前記第2高周波信号を生成する信号生成部を備え、
    当該信号生成部は、磁化固定層、磁化自由層、および当該磁化固定層と当該磁化自由層との間に配設された非磁性スペーサー層を備えた他の磁気抵抗効果素子と、当該他の磁気抵抗効果素子の当該磁化自由層に磁場を印加する他の磁場印加部と、当該他の磁気抵抗効果素子に直流電流を供給する電流供給部とを備え、当該他の磁気抵抗効果素子によるスピン注入自励発振によって前記第2高周波信号を生成する請求項3記載の周波数変換装置。
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