JP5577916B2 - 配線構造及び配線構造の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配線構造及び配線構造の形成方法に関する。
従来、半導体装置における素子の集積密度を向上するために、加工技術の微細化が図られている。そして、半導体素子の微細化に伴って、素子同士を接続する配線の微細化も行なわれている。
また、半導体装置に対しては、集積密度の向上と共に、低消費電力化及び高速化等が要求されており、配線間絶縁層の低誘電率化が必要となっている。
このような要求に応える配線を形成する手法として、低誘電率材料により形成された配線溝に導電体を埋め込み、余分な導電体を化学機械研磨及び洗浄して埋め込み配線を形成するダマシン法が広く利用されている。この洗浄では、化学機械研磨により生じた摩耗粉等が、化学機械研磨後の洗浄により洗い流される。
図1は、ダマシン法の化学機械研磨後の洗浄工程を説明する図である。図1に示す配線構造は、基板上に形成された多層配線構造の一部を示したものである。
図1に示す例の配線構造110では、第1絶縁層111上に第2絶縁層112が配置される。第2絶縁層112上には、エッチングストッパ層113を介して、第3絶縁層114が配置される。第3絶縁層114内には、ダマシン法により形成された配線120及び130が配置される。配線120及び130は、その配線溝内にバリア層115を介して導電層116が埋め込まれている。バリア層115及び導電層116は、洗浄液内に露出して洗浄される。導電層116の形成材料としては、銅が用いられる。配線120及び130の上には、後の工程において、上層と電気的に接続するビア等が配置される。
また、第1絶縁層111内には、下層配線117が配置されている。配線120及び130それぞれは、第2絶縁層112内に配置されたビア118を介して、下層配線117と接続する。
この洗浄工程では、隣接する配線120と配線130との間に電位差V1が生じる場合がある。そして、この電位差V1が生じると、局部電流が流れて、陽極(アノード)として配線120から導電層116である銅(Cu)が銅イオン(Cu2+)となって洗浄液中に溶出する。その結果、配線120の導電層116の表面の位置が低下して、配線溝の上部に空間が生じる。
また、洗浄工程では、配線120と下層配線117との間に電位差V2が生じる場合もある。この場合にも、上述したのと同様に、局部電流が流れて、配線120から導電層116が洗浄液中に溶出する。
上述したように、ダマシン法の洗浄工程では、電気化学的な反応により、配線の表面の導電層の部分が洗浄液中に溶解するという問題がある。このような導電層の溶解が生じると、配線の電気抵抗が増加したり、又は配線上に配置されたビア等との間にコンタクト不良が生じるおそれがある。
特開平7−66198号公報 特開2008−153549号公報 特開2007−273823号公報
本明細書では、本明細書では、配線の洗浄液への溶解を低減する配線構造の形成方法を提供することを目的とする。
また、配線の洗浄液への溶解が低減されて形成された配線構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本明細書で開示する配線構造の形成方法の一形態によれば、絶縁層に犠牲配線溝及び主配線溝を形成する工程と、上記犠牲配線溝及び上記主配線溝内にバリア層を形成し、バリア層が形成された上記犠牲配線溝及び上記主配線溝内に導電層を埋め込んだ後に、上記絶縁層上の上記導電層の部分を研磨する工程と、上記犠牲配線溝及び上記主配線溝内の露出したバリア層及び導電層の表面を洗浄する工程と、を備え、上記研磨する工程の後における上記絶縁層の平面視において、上記犠牲配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、上記主配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きくなる。
また、上記課題を解決するために、本明細書で開示する配線構造の一形態によれば、絶縁膜と、上記絶縁膜に形成された犠牲配線溝内に、バリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された犠牲配線と、主配線溝内にバリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された主配線と、が絶縁層に配置され、上記絶縁層を平面視した際に、上記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、上記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きい。
また、上述した配線構造の一形態によれば、配線の洗浄液への溶解が低減されて形成された配線構造を備える。
上述した配線構造の形成方法の一形態によれば、配線の洗浄液への溶解が低減される。
本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。
前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、クレームされている本発明を制限するものではない。
ダマシン法の洗浄工程を説明する図である。 (A)は本明細書に開示する配線構造の第1実施形態の平面図であり、(B)は(A)のX1−X1線断面図である。 主配線と犠牲配線とが共存する系の溶解電流を示す図である。 主配線の各サイズにおける主配線及び犠牲配線のバリア層及び導電層の幅の例を示す図である。 (A)は本明細書に開示する配線構造の第2実施形態の平面図であり、(B)は(A)のX2−X2線断面図である。 (A)は本明細書に開示する配線構造の第3実施形態の平面図であり、(B)は(A)のX3−X3線断面図である。 本明細書に開示する配線構造の第4実施形態の平面図である。 本明細書に開示する配線構造の第5実施形態の平面図である。 本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その1)を示す図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その2)を示す平面図であり、(B)は(A)のY1−Y1線断面図であり、(C)は(A)のY2−Y2線断面図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その3)を示す平面図であり、(B)は(A)のY3−Y3線断面図であり、(C)は(A)のY4−Y4線断面図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その4)を示す平面図であり、(B)は(A)のY5−Y5線断面図であり、(C)は(A)のY6−Y6線断面図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その5)を示す平面図であり、(B)は(A)のY7−Y7線断面図であり、(C)は(A)のY8−Y8線断面図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その6)を示す平面図であり、(B)は(A)のY9−Y9線断面図である。 本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態による製造工程(その7)を示す図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態の変形例による製造工程(その1)を示す平面図であり、(B)は(A)のZ1−Z1線断面図である。 本明細書に開示する配線構造の形成方法の第1実施形態の変形例による製造工程(その2)を示す図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第2実施形態による製造工程(その1)を示す平面図であり、(B)は(A)のZ2−Z2線断面図であり、(C)は(A)のZ3−Z3線断面図である。 (A)は、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第2実施形態による製造工程(その2)を示す平面図であり、(B)は(A)のZ4−Z4線断面図であり、(C)は(A)のZ5−Z5線断面図である。 異なる幅の配線を有する配線構造の平面図である。 銅溶解量と配線の幅との関係を示す図である。 異なる幅を有する配線の銅溶解モデルを示す図である。 銅溶解量とバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比との関係を示す図である。
以下、本明細書で開示する配線の好ましい実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図2(A)は本明細書に開示する配線構造の第1実施形態の平面図であり、図2(B)は図2(A)のX1−X1線断面図である。
本実施形態の配線構造10は、図2(A)及び図2(B)に示すように、犠牲配線20及び主配線30を備える。犠牲配線20及び主配線30は、ダマシン法を用いて形成された配線である。犠牲配線20及び主配線30は、第2絶縁層13内に配置される。第2絶縁層13は、エッチングストッパ層12を介して第1絶縁層11上に配置される。
犠牲配線20は、犠牲配線溝21内にバリア層16を介して導電層17が埋め込まれて形成される。主配線30は、主配線溝31内にバリア層16を介して導電層17が埋め込まれて形成される。犠牲配線溝21及び主配線溝31は、つながって形成され得る。バリア層16は、犠牲配線溝21及び主配線溝31の内側に連続して形成され得る。導電層17は、バリア層16の内側に埋め込まれている。
犠牲配線20は、ダマシン法における化学機械研磨後の洗浄工程において、主配線30から導電層が洗浄液に溶解することを低減する働きを有している。犠牲配線20は、導電性を有するが、一の場所から他の場所へ電流を運ぶことを目的とした配線ではない。一方、主配線30は、一の場所から他の場所へ電流を運ぶことを目的とする。
配線構造10は、図示しない基板上に配置され得る。配線構造10の上下には、図示しない下層及び上層が配置され得る。下層には、例えば、トランジスタ等の素子が配置される。上層には、例えば、他の配線等が配置される。主配線30は、下層の素子又は上層の配線等とビア等を介して接続される。
次に、図3を参照して、犠牲配線20が、ダマシン法における化学機械研磨後の洗浄工程において、主配線30の導電層が洗浄液に溶解することを低減する働きを説明する。
ダマシン法における化学機械研磨後の洗浄工程では、犠牲配線20及び主配線30は、例えば図1に示すように、バリア層16及び導電層17の表面が露出して洗浄液にさらされている。洗浄液中では、犠牲配線20には、洗浄液に露出しているバリア層と導電層との接合部分に局部電池が形成される。同様に、主配線30にも、バリア層と導電層との接合部分に局部電池が形成される。その結果、犠牲配線20及び主配線30では、電気化学反応が起こる。この電気化学反応により、例えば、導電層17の形成材料が洗浄液中に溶解する。
図3の曲線C1は、犠牲配線20の溶解(酸化)電流曲線を示す。曲線C2は、主配線30の溶解電流曲線を示す。電位E1は、洗浄液中の犠牲配線20の平衡電位を示す。電位E2は、洗浄液中の主配線30の平衡電位を示す。
配線構造10は、主配線30が犠牲配線20と共に洗浄液中に配置されるので、主配線30と犠牲配線20との共存系の溶解曲線は、曲線C3に示すようになる。電位E3は、この共存系の平衡電位を示す。
図3に示すように、共存系では、主配線30は、平衡電位が電位E2から電位E3へ移動することにより、溶解電流が減少する。即ち、主配線30の導電層の溶解量が低減する。
一方、共存系では、犠牲配線20は、平衡電位が電位E1から電位E3へ移動することにより、溶解電流が増加する。即ち、犠牲配線20の導電層の溶解量が増加する。
このように、犠牲配線20は、自らが犠牲となって、主配線30が洗浄液中へ溶解することを低減する。従って、図2(B)に示すように、犠牲配線溝21内の導電層17の表面の位置は、主配線溝31内の導電層17の表面の位置よりも低くなっている。
次に、犠牲配線20及び主配線30の具体的な構成を以下に説明する。
犠牲配線20の寸法は、長さがL2、幅がW2である。犠牲配線溝21内のバリア層16の部分の幅はT2である。犠牲配線溝21内の導電層17の部分の幅はU2である。導電層の幅は、犠牲配線の幅とバリア層の幅とから求めることもできる。
また、主配線30の寸法は、長さがL1、幅がW1である。主配線溝31内のバリア層16の部分の幅はT1である。主配線溝31内の導電層17の部分の幅はU1である。
図2(A)に示すように、配線構造10では、犠牲配線溝21の幅W2は主配線溝31の幅W1よりも狭く、第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT2は主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT1と同じである。
また、図2(A)に示すように、配線構造10の第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と導電層17の部分の面積との比S1が、主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と導電層17の部分の面積との比S2よりも大きい。比S1>比S2となるように、上述した犠牲配線20及び主配線30の各寸法が設定される。
図2(A)では、第2絶縁層13を平面視した際の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分がハッチングで示される。本明細書では、犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さは、溝の深さの85〜100%の範囲の部分をいう。
特に、比S1が0.1よりも大きいことが、配線幅が100nm以下の範囲においても、主配線30の溶解を確実に低減する観点で好ましい。
また、主配線30からの溶解量を犠牲配線20からの溶解量の2分の1以下にする観点から、比S1及び比S2が、S1>2.5×S2なる関係を満たすことが好ましい。
導電層17の形成材料としては、例えば、銅(Cu)又は銅合金を用いることができる。銅合金は、銅を90質量%以上含んでいることが好ましい。
バリア層16の形成材料としては、導電層17を形成する材料が第2絶縁層13内に拡散することを防止すると共に、導電層17と第2絶縁層13との密着性を向上するものを用いることが好ましい。具体的には、バリア層16の形成材料としては、Ta、Ti等の高融点金属元素、又はこれらの金属元素の窒素化合物、又はこれら金属元素のうち少なくとも1種類を含む合金を用いることができる。
比S1>比S2の関係を有する犠牲配線20及び主配線30のバリア層16及び導電層17の寸法は、回路の設計によって適宜設定され得る。ここでは、犠牲配線20及び主配線30のバリア層16及び導電層17の寸法の一例を図4に示す。
図4は、主配線の各サイズにおける主配線及び犠牲配線のバリア層及び導電層の幅の例を示す図である。ここで、犠牲配線20の幅W2及び主配線の幅W1は、W1>W2>=40nmなる関係を有している。また、犠牲配線20の長さL2及び主配線30の長さL1は、L2=0.2×L1なる関係を有している。
図4には、主配線30の幅が、65nm、90nm及び150nmのサイズに対して、主配線及び犠牲配線のバリア層及び導電層の幅の例が示されており、それぞれの例は、比S1>比S2の関係を有する。
上述した実施形態の配線構造10によれば、犠牲配線20が配置されているので、ダマシン法における化学機械研磨後の洗浄工程において、主配線30から導電層が洗浄液に溶解することが低減されて形成された主配線30を備える。従って、配線構造10では、主配線30の電気抵抗の増加が低減される。また、主配線30上に配置されたビア等との間にコンタクト不良を生じることが防止される。
また、犠牲配線20が、主配線30とつながって形成されているので、主配線30の導電層が洗浄液に溶解することが確実に抑制される。
次に、上述した配線構造の他の実施形態を、図5〜図8を参照しながら以下に説明する。他の実施形態について特に説明しない点については、上述の第1実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図5(A)は本明細書に開示する配線構造の第2実施形態の平面図であり、図5(B)は図5(A)のX2−X2線断面図である。
本実施形態の配線構造10は、犠牲配線溝21の幅W2は主配線溝31の幅W1と同じであり、第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT2は主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT1よりも大きい。
図5(A)では、第2絶縁層13を平面視した際の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分がハッチングで示される。
配線構造10は、犠牲配線溝21が、深さ方向に先細りのテーパ状に形成される。これは、犠牲配線溝21内の側面のバリア層16の部分を、主配線溝31内の側面のバリア層16の部分よりも厚く形成するためである。
配線構造10は、比S1>比S2となるように、上述した犠牲配線20及び主配線30の各寸法が設定される。
図6(A)は本明細書に開示する配線構造の第3実施形態の平面図であり、図6(B)は図6(A)のX3−X3線断面図である。
本実施形態の配線構造10は、犠牲配線溝21の幅は主配線溝31の幅よりも狭く、第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT2は主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の厚さT1よりも大きい。
図6(A)では、第2絶縁層13を平面視した際の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分がハッチングで示される。
配線構造10は、犠牲配線溝21が、深さ方向に先細りのテーパ状に形成される。これは、第2実施形態と同様に、犠牲配線溝21内のバリア層の部分を、主配線溝31内のバリア層の部分よりも厚く形成するためである。
配線構造10は、比S1>比S2となるように、上述した犠牲配線20及び主配線30の各寸法が設定される。
図7は、本明細書に開示する配線構造の第4実施形態の平面図である。
本実施形態の配線構造10は、1つの主配線30に対して、4つの犠牲配線20a、20b、20c、20dがつながって配置される。
主配線30の寸法は、長さがL1、幅がW1である。主配線溝31内のバリア層16の部分の幅はT1である。
犠牲配線20aは、主配線30の長手方向の一方の側に配置される。犠牲配線20aの寸法は、長さがL2、幅がW2である。犠牲配線溝21a内のバリア層16の部分の幅は、主配線溝31内のバリア層16の部分の幅T1と同じである。
犠牲配線20bは、主配線30の長手方向の他方の側に配置される。犠牲配線20bの寸法は、長さがL3、幅がW1である。犠牲配線溝21b内のバリア層16の部分の幅T2は、主配線溝31内のバリア層16の部分の幅T1よりも大きい。
犠牲配線20cは、主配線30の幅方向の一方の側に配置される。犠牲配線20cの寸法は、長さがL4、幅がW3である。犠牲配線溝21c内のバリア層16の部分の幅T3は、主配線溝31内のバリア層16の部分の幅T1よりも大きい。
犠牲配線20dは、主配線30の幅方向の他方の側に配置される。犠牲配線20dの寸法は、長さがL5、幅がW4である。犠牲配線溝21d内のバリア層16の部分の幅は、主配線溝31内のバリア層16の部分の幅T1と同じである。
配線構造10は、比S1>比S2となるように、上述した犠牲配線20及び主配線30の各寸法が設定される。
主配線に対して配置される犠牲配線の数又は位置は、主配線の寸法又はチップレイアウトの兼ね合いを考慮して、適宜選択することができる。
図8は本明細書に開示する配線構造の第5実施形態の平面図である。
本実施形態の配線構造10は、犠牲配線20と主配線30とが分離して配置されている。
上述した第1実施形態〜第4実施形態の配線構造では、犠牲配線20と主配線30とつながっていたが、本実施形態のように、犠牲配線20と主配線30とはつながっていなくても良い。
このように、犠牲配線20と主配線30とが離れていても、図3に示すように、共存系の溶解曲線を形成できる程度に犠牲配線20と主配線30とが近接して配置されていれば良い。
次に、本明細書に開示する配線構造の形成方法の好ましい第1実施形態を以下に説明する。
まず、図9に示すように、第1絶縁層11上に、エッチングストッパ層12、及び第2絶縁層13、及びハードマスク層14、及びレジスト層15が順番に形成される。各層の形成方法としては、例えば、プラズマCVD法を用いることができる。
図9には、犠牲配線が形成される領域200及び主配線が形成される領域300が示されている。
第1絶縁層11の厚さは、例えば数10〜数100nmとすることができる。エッチングストッパ層12の厚さは、例えば数100nmとすることができる。エッチングストッパ層12の形成材料として、例えば、C又はNを含む酸化膜を用いることができる。ハードマスク層14の厚さは、例えば数10nmとすることができる。ハードマスク層14の形成材料として、例えば、シリコンカーバイドを用いることができる。レジスト層15の厚さは、例えば数10〜数100nmとすることができる。
そして、レジスト層15が、フォトリソグラフィー等の技術を用いてパターニングされる。そして、パターニングされたレジスト層15を用いて、ハードマスク層14がパターニングされる。
次に、パターニングされたハードマスク層14を用いて、第2絶縁層13がエッチングされて、犠牲配線溝21及び主配線溝31が形成される。そして、レジスト層15及びハードマスク層14は除去される。図10(A)は、犠牲配線溝21及び主配線溝31が形成された第2絶縁層13の平面図であり、図10(B)は図10(A)のY1−Y1線断面図であり、図10(C)は図10(A)のY2−Y2線断面図である。
犠牲配線溝21は、領域200の第2絶縁層13の部分に形成され、主配線溝31は、領域300の第2絶縁層13の部分に形成される。犠牲配線溝21の幅は主配線溝31の幅よりも狭く形成される。犠牲配線溝21と主配線溝31とはつなげて形成される。
このエッチング方法としては、例えば、プラズマエッチングを用いることができる。また、エッチングガスとしては、例えば、CF系ガス、NH3系ガス、N2/H2を用いることができる。
第2絶縁層13は、深さ方向にほぼ垂直にエッチングされて、犠牲配線溝21及び主配線溝31される。
そして、犠牲配線溝21及び主配線溝31内に露出したエッチングストッパ層12の部分がエッチングされて、第1絶縁層11の部分が露出する。
次に、図11(A)〜図11(C)に示すように、犠牲配線溝21及び主配線溝31内にバリア層16が形成される。図11(A)は、バリア層16が形成された犠牲配線溝21及び主配線溝31の平面図であり、図11(B)は図11(A)のY3−Y3線断面図であり、図11(C)は図11(A)のY4−Y4線断面図である。
この際、バリア層16は、第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層16の部分の面積との比S1が、主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層16の部分の面積との比S2よりも大きくなるように、犠牲配線溝21及び主配線溝31内に形成される。
図11(A)には、第2絶縁層13を平面視した際の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分が、ハッチングで示されている。
ここで、比S1を、0.1よりも大きくすることが好ましい。また、この関係の代わりにか、又はこの関係に加えて、比S1及び比S2は、S1>2.5×S1なる関係を満たすことが好ましい。
バリア層16は、犠牲配線溝21及び主配線溝31内に、同じ厚さで形成される。また、バリア層16は、溝内から溝の縁を経て、第2絶縁層13を覆うように形成される。
バリア層16を形成する方法としては、例えばスパッタ法を用いることができる。スパッタ法を用いる場合には、バリア層16を1ステップで形成しても良いし、複数のステップを用いてバリア層16を形成しても良い。
例えば、バリア層16の形成材料としてTa、Ti等の高融点金属元素を用いて、スパッタ法でバリア層16が形成される場合、以下に説明するように3ステップを用いてバリア層16が形成され得る。
まず、第1ステップでは、ターゲット電力が5〜40kW、バイアス電力が0〜500W、圧力が1×10-3〜1×10-1Paで、膜厚が3〜15nmの層が犠牲配線溝21及び主配線溝31内に形成される。次に、第2ステップでは、ターゲット電力が0.1〜10kW、バイアス電力が0〜1000W、圧力が1×10-3〜1×10-1Paで、膜厚が0〜15nmの層が犠牲配線溝21及び主配線溝31内に形成される。そして、第3ステップでは、ターゲット電力が5〜40kW、バイアス電力が0〜500W、圧力が1×10-3〜1×10-1Paで、膜厚が3〜10nmの層が犠牲配線溝21及び主配線溝31内に形成されて、バリア層16が形成される。
そして、バリア層16の上にシード層(図示しない)が形成される。シード層の形成材料としては、CuあるいはCu中にAl,Ti,Zr,Ni,Ag,Pd,Mn,Mgの金属元素を1つ、又は2つ以上含有するCu合金を用いることができる。例えば、スパッタ法を用いて、ターゲット電力が5〜40kW、バイアス電力が0〜1000W、圧力が1×10-3〜1×10-1Paで、膜厚が20〜100nmのシード層がバリア層16内に形成される。
次に、図12(A)〜図12(C)に示すように、犠牲配線溝21及び主配線溝31から溢れるように、バリア層16が形成された犠牲配線溝21及び主配線溝31内に導電層17が埋め込まれる。図12(A)は、導電層17が形成された犠牲配線溝21及び主配線溝31の平面図であり、図12(B)は図12(A)のY5−Y5線断面図であり、図12(C)は図12(A)のY6−Y6線断面図である。導電層17は、犠牲配線溝21及び主配線溝31から溢れて、第2絶縁層13上のバリア層17の上を覆って形成される。
導電層17は、例えば、銅又は銅合金を用いて、めっき法を用いて形成される。例えば、硫酸銅浴を用いて、電流密度が40〜500A/mで、膜厚が500〜1500nmの導電層17が形成される。
次に、図13(A)〜図13(C)に示すように、犠牲配線溝21及び主配線溝31から溢れたバリア層16及び導電層17の部分が研磨されて、犠牲配線溝21及び主配線溝31内のバリア層16を露出される。図13(A)は、バリア層16及び導電層17が露出した犠牲配線溝21及び主配線溝31の平面図であり、図13(B)は図13(A)のY7−Y7線断面図であり、図13(C)は図13(A)のY8−Y8線断面図である。
このように、本実施形態では、研磨後に絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内のバリア層16の部分の面積と導電層17の部分の面積との比S1が、主配線溝31内のバリア層16の部分の面積と導電層17の部分の面積との比S2よりも大きくなるように、バリア層16が形成され、導電層17が埋まれた後に、余分な導電層17の部分が研磨される。
次に、図14(A)〜図14(B)に示すように、犠牲配線溝21及び主配線溝31内の露出したバリア層16及び導電層17の表面が、第2絶縁層13の表面とともに、洗浄液を用いて洗浄される。図14(A)は、洗浄された犠牲配線溝21及び主配線溝31の平面図であり、図14(B)は図14(A)のY9−Y9線断面図である。洗浄液としては、クエン酸等の有機酸を含んだ水溶液を用いることができる。
領域200であった部分には犠牲配線20が形成され、且つ領域300であった部分には主配線30が形成される。犠牲配線溝21内の導電層17の表面の部分は、洗浄によって溶解しており、表面の位置が主配線溝31内の導電層17の部分よりも低くなっている。図14(B)の例では、犠牲配線溝21内の導電層17の部分の表面の位置と、主配線溝31内の導電層17の部分の表面の位置とが不連続につながっているが、例えば鎖線Kで示したように、連続してつながっていても良い。
次に、図15に示すように、導電層17と共に第2絶縁層13を覆うように、キャップ層18が形成される。キャップ層18の形成材料としては、例えばシリコンカーバイドを用いることができる。また、キャップ層18の膜厚は、例えば数10nmとすることができる。そして、キャップ層18を覆うように、第3絶縁層19が形成される。犠牲配線溝21内の導電層が溶解した部分には、第3絶縁層19が埋め込まれており、寄生容量を低減することになる。第3絶縁層19の形成材料としては、例えば、有機又は無機の低誘電率材料を用いることができる。また、第3絶縁層19の膜厚は、例えば数100nmとすることができる。
上述した配線構造の形成方法の第1実施形態によれば、主配線30の導電層17の部分の洗浄液への溶解が低減される。
次に、上述した配線構造の形成方法の第1実施形態の変形例を、図面を参照して以下に説明する。本変形例は、上述した配線構造の形成方法の第1実施形態とは、図13の工程までは同じであるので、その次の工程から以下に説明する。
本変形例では、図13の工程の後に、犠牲配線溝21及び主配線溝31内の露出したバリア層16及び導電層17の表面が、第2絶縁層13の表面とともに、洗浄液を用いて洗浄される。その結果、図16(A)〜図16(B)に示すように、犠牲配線溝21内の導電層17の部分は、ほとんど溶解する。
次に、図17に示すように、導電層17と共に第2絶縁層13を覆うように、キャップ層18が形成される。そして、キャップ層18を覆うように、第3絶縁層19が形成される。犠牲配線溝21内には、第3絶縁層19が埋め込まれており、寄生容量が更に低減される。
次に、本明細書に開示する配線構造の形成方法の第2実施形態を、図面を参照して、以下に説明する。配線構造の形成方法の第2実施形態は、上述した第1実施形態とは、図10及び図11の工程が異なっており、他の工程は同様である。そこで、以下に異なっている工程の部分について説明する。
第2実施形態では、図9に示す工程の後に、フォトリソグラフィー等の技術を用いて、領域200における犠牲配線溝が形成される部分のみに開口を有するマスクパターンがレジスト層15に形成される。そして、パターニングされたレジスト層15を用いて、ハードマスク層14がパターニングされる。
次に、パターニングされたハードマスク層14を用いて、第2絶縁層13がエッチングされて、犠牲配線溝21が形成される。図18(B)に示すように、犠牲配線溝21は、深さ方向に先細りのテーパ状に形成される。犠牲配線溝21のテーパ形状は、エッチングガス等のエッチング条件を適宜設定することにより調節される。そして、レジスト層15及びハードマスク層14は除去される。
そして、犠牲配線溝21が形成された第2絶縁層13上に、図示しないハードマスク層及びレジスト層が順番に形成される。そして、フォトリソグラフィー等の技術を用いて、領域300における主配線溝が形成される部分のみに開口を有するマスクパターンがレジスト層に形成される。そして、パターニングされたレジスト層を用いて、ハードマスク層がパターニングされる。
そして、パターニングされたハードマスク層を用いて、第2絶縁層13がエッチングされて、主配線溝31が形成される。図18(C)に示すように、主配線溝31は、深さ方向にほぼ垂直に形成される。そして、レジスト層及びハードマスク層は除去される。
そして、犠牲配線溝21及び主配線溝31内に露出したエッチングストッパ層12の部分がエッチングされて、第1絶縁層11の部分が露出する。このようにして、図18(A)に示すように、テーパ形状の犠牲配線溝21と共に、主配線溝31が第2絶縁層13に形成される。
次に、図19(A)〜図19(C)に示すように、犠牲配線溝21及び主配線溝31内にバリア層16が形成される。図19(A)は、バリア層16が形成された犠牲配線溝21及び主配線溝31の平面図であり、図19(B)は図19(A)のZ4−Z4線断面図であり、図19(C)は図19(A)のZ5−Z5線断面図である。
バリア層15の形成方法としては、例えば、スパッタ法を用いることができる。
犠牲配線溝21は、深さ方向に先細りのテーパ形状を有しているので、テーパ状の溝の側面に形成されるバリア層16の部分の厚さは、主配線溝31の側面に形成されるバリア層16の部分の厚さよりも大きくなる。
このようにして、バリア層16は、第2絶縁層13を平面視した際に、犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層16の部分の面積との比S1が、主配線溝31内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層16の部分の面積との比S2よりも大きくなるように、犠牲配線溝21及び主配線溝31内に形成される。
図19(A)には、第2絶縁層13を平面視した際の犠牲配線溝21内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層16の部分が、ハッチングで示されている。
上述した配線構造の形成方法の第2実施形態を用いることにより、例えば図5に示す配線構造が形成される。
次に、配線のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比と導電層の溶解との関係を調べた結果を以下に説明する。
まず、異なる配線の幅を有するサンプルを形成して、それぞれのサンプルにおける導電層の溶解量を調べた。
図20は、異なる幅の配線を有する配線構造のサンプルの平面図である。
図20に示すように、サンプルGは、第2絶縁層13内に形成された異なる幅を有する配線10a、10b、10c、10dを有する。各配線は、図2(B)の主配線と同様の構造を有する。
各配線10a、10b、10c、10dは、平面視した形状が縦長の矩形形状を有している。また、各配線のバリア層及び導電層も、平面視した形状が縦長の矩形形状を有している。
配線10aの幅は65nmであり、バリア層18の幅は、4nmである。配線10bの幅は90nmであり、バリア層18の幅は、4nmである。配線10cの幅は150nmであり、バリア層18の幅は、5nmである。配線10dの幅は300nmであり、バリア層18の幅は、6nmである。
各配線10a、10b、10c、10dの長さは、1500nmである。
導電層の形成材料は銅を用いた。バリア層の形成材料はTaを用いた。
そして、サンプルGを洗浄し、各配線における導電層の溶解量を調べた。導電層の溶解量は、溶解した部分の深さと、平面視した導電層の面積との積により求められた。調べた結果を図21に示す。
図21は、銅溶解量と配線の幅との関係を示す図である。
銅溶解量は、配線の幅が増加すると共に、減少する。また、銅溶解量は、配線の幅が100nmよりも小さくなると急激に増加する。なお、銅溶解量と配線の幅との間には比例関係は見られない。次に、図22に示す各配線を含む系全体の銅溶解モデルを考えた。
図22は、異なる幅を有する配線の銅溶解モデルを示す図である。
各配線における導電層の溶解量は、溶解電流の大きさに対応すると考えられる。即ち、溶解量は、各配線に流れる電荷の量により決定される。そして、各配線を含む系全体の総電荷量は、サンプルの配線構造により定められ、ここでは総電荷量をQとする。総電荷量Qは各配線に分配されて、分配される電荷量が多い程、導電層の溶解量が多くなる。
サンプルGが洗浄される際、洗浄液と直接接触する部分は、各配線の表面の部分である。そこで、各配線の表面積が、分配される電荷量と関係するものと考えられる。即ち、図22に示すように、総電荷量Qは、配線10aに分配される電荷量a1と、配線10bに分配される電荷量a2と、配線10cに分配される電荷量a3と、配線10dに分配される電荷量a4との和になる。
また、各配線からの導電層の溶解は、バリア層と導電層とが形成する局部電池による電位が関係すると考えられる。そこで、バリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比と導電層の溶解との関係を調べた。調べた結果を図23に示す。
図23は、銅溶解量とバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比との関係を示す図である。図23では、横軸の比は百分率で示されている。
図23に示すように、銅溶解量とバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比の間に比例関係があることが分かった。即ち、バリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比が増加するのと共に、銅溶解量が増加する。
従って、配線からの銅溶解量を低減するには、バリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比を小さくすることが好ましい。
本明細書に開示する配線構造及び配線構造の形成方法は、このような知見をもとに作られたものである。即ち、配線構造の主配線については、平面視した際のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2は小さいことが好ましい。一方、犠牲配線については、平面視した際のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比は大きいことが好ましい。そして、比S1は比S2よりも大きくする。
図23を参照して、犠牲配線の比S1と主配線の比S2との関係について、以下のことがわかる。
犠牲配線からの溶解量を主配線からの溶解量の1.2倍よりも大きくする観点から、比S1及び比S2が、S1>1.5×S2なる関係を満たすことが好ましい。
犠牲配線からの溶解量を主配線からの溶解量の1.5倍よりも大きくする観点から、比S1及び比S2が、S1>2.0×S2なる関係を満たすことが好ましい。
犠牲配線からの溶解量を主配線からの溶解量の2.0倍よりも大きくする観点から、比S1及び比S2が、S1>2.5×S2なる関係を満たすことが好ましい。
犠牲配線からの溶解量を主配線からの溶解量の3.0倍よりも大きくする観点から、比S1及び比S2が、S1>3.0×S2なる関係を満たすことが好ましい。
また、図21を参照すると、配線の幅が90nm以下になると銅溶解量が顕著に増加する。この銅溶解量に対応するバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比は、図23を参照すると、10%である。従って、主配線からの導電層の溶解を抑制するためには、犠牲配線の比S1を10%以上にすることが好ましい。
本発明では、上述した実施形態の配線構造及び配線構造の形成方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施形態が有する構成要件は、他の実施形態にも適宜適用することができる。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
以上の上述した各実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
絶縁層に犠牲配線溝及び主配線溝を形成する工程と、
前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成し、バリア層が形成された前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内に導電層を埋め込んだ後に、前記絶縁層上の前記導電層の部分を研磨する工程と、
前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内の露出したバリア層及び導電層の表面を洗浄する工程と、
を備え、
前記研磨する工程の後における前記絶縁層の平面視において、前記犠牲配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、前記主配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きくなる配線の形成方法。
(付記2)
前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成する工程は、前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層の部分の面積との比S1が、前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さ高さに形成されるバリア層の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層の部分の面積との比S2よりも大きくなるように、前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成する付記1に記載の配線構造の形成方法。
(付記3)
前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内に導電層を埋め込む工程は、前記犠牲配線溝及び前記主配線溝から溢れるように、バリア層が形成された前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内に導電層を埋め込み、
前記研磨する工程は、前記犠牲配線溝及び前記主配線溝から溢れた導電層の部分を研磨して、前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内のバリア層を露出する付記1又は2に記載の配線構造の形成方法。
(付記4)
前記比S1が0.1よりも大きい付記1〜3の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記5)
前記比S1及び前記比S2が、S1>2.5×S1なる関係を満たす付記1〜4の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記6)
前記犠牲配線溝及び主配線溝を形成する工程では、前記犠牲配線溝を、深さ方向に先細りのテーパ状に形成する付記1〜5の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記7)
前記犠牲配線溝及び主配線溝を形成する工程では、犠牲配線溝と主配線溝とをつなげて形成する付記1〜6の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記8)
前記犠牲配線溝の幅は前記主配線溝の幅よりも狭く、前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さは前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さと同じである付記1〜7の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記9)
前記犠牲配線溝の幅は前記主配線溝の幅と同じであり、前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さは前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さよりも大きい付記1〜8の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記10)
前記犠牲配線溝の幅は前記主配線溝の幅よりも狭く、前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さは前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の厚さよりも大きい付記1〜9の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
(付記11)
絶縁膜と、
前記絶縁膜に形成された犠牲配線溝内に、バリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された犠牲配線と、
主配線溝内にバリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された主配線と、
が絶縁層に配置され、
前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きい配線構造。
(付記12)
前記比S1が0.1よりも大きい付記11に記載の配線構造。
(付記13)
前記比S1及び前記比S2が、S1>2.5×S1なる関係を満たす付記11又は12に記載の配線構造。
(付記14)
前記犠牲配線溝内の導電層の表面の位置は、前記主配線溝内の導電層の表面の位置よりも低い付記11〜13の何れか一項に記載の配線構造。
(付記15)
複数の前記犠牲配線を備える付記11〜14の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
10 配線
11 第1絶縁層
12 エッチングストッパ層
13 第2絶縁層
14 ハードマスク層
15 レジスト層
16 バリア層
17 導電層
18 キャップ層
19 第3絶縁層
20 犠牲配線
21 犠牲配線溝
30 主配線
31 主配線溝
L1 主配線の長さ
L2 犠牲配線の長さ
W1 主配線の幅
W2,W3,W4 犠牲配線の幅
T1 主配線のバリア層の幅
T2,T3 犠牲配線のバリア層の幅
U1 主配線の導電層の幅
U2 犠牲配線の導電層の幅

Claims (6)

  1. 絶縁層に犠牲配線溝及び主配線溝を形成する工程と、
    前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成し、バリア層が形成された前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内に導電層を埋め込んだ後に、前記絶縁層上の前記導電層の部分を研磨する工程と、
    前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内の露出したバリア層及び導電層の表面を洗浄する工程と、
    を備え、
    前記研磨する工程の後における前記絶縁層の平面視において、前記犠牲配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、前記主配線溝内のバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きく、
    前記洗浄する工程の後において、前記犠牲配線溝内の導電層の表面の位置は、前記主配線溝内の導電層の表面の位置よりも低い配線の形成方法。
  2. 前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成する工程は、前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層の部分の面積との比S3が、前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と溝の縁よりも下に形成されるバリア層の部分の面積との比S4よりも大きくなるように、前記犠牲配線溝及び前記主配線溝内にバリア層を形成する請求項1に記載の配線構造の形成方法。
  3. 前記比S1が0.1よりも大きい請求項1又は2に記載の配線構造の形成方法。
  4. 前記比S1及び前記比S2が、S1>2.5×S1なる関係を満たす請求項1〜3の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
  5. 前記犠牲配線溝及び前記主配線溝を形成する工程では、前記犠牲配線溝を、深さ方向に先細りのテーパ状に形成する請求項1〜4の何れか一項に記載の配線構造の形成方法。
  6. 絶縁膜と、
    前記絶縁膜に形成された犠牲配線溝内に、バリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された犠牲配線と、
    主配線溝内にバリア層を介して導電層が埋め込まれて形成された主配線と、
    が絶縁層に配置され、
    前記絶縁層を平面視した際に、前記犠牲配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S1が、前記主配線溝内の溝の縁と同一の高さに形成されるバリア層の部分の面積と導電層の部分の面積との比S2よりも大きく、
    前記第1配線溝内の導電層の表面の位置は、前記主配線溝内の導電層の表面の位置よりも低い配線構造。
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