JP5574435B2 - アルキル化カテキンの効率的製造方法 - Google Patents

アルキル化カテキンの効率的製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5574435B2
JP5574435B2 JP2010542022A JP2010542022A JP5574435B2 JP 5574435 B2 JP5574435 B2 JP 5574435B2 JP 2010542022 A JP2010542022 A JP 2010542022A JP 2010542022 A JP2010542022 A JP 2010542022A JP 5574435 B2 JP5574435 B2 JP 5574435B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
formula
hydroxyl
compound
compound represented
protecting group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010542022A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010067599A1 (ja
Inventor
敏幸 菅
巧 古田
敏幸 脇本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shizuoka University NUC
Original Assignee
Shizuoka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shizuoka University NUC filed Critical Shizuoka University NUC
Priority to JP2010542022A priority Critical patent/JP5574435B2/ja
Publication of JPWO2010067599A1 publication Critical patent/JPWO2010067599A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5574435B2 publication Critical patent/JP5574435B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D311/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
    • C07D311/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D311/04Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring
    • C07D311/58Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4
    • C07D311/60Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4 with aryl radicals attached in position 2
    • C07D311/62Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4 with aryl radicals attached in position 2 with oxygen atoms directly attached in position 3, e.g. anthocyanidins

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

関連する出願
本出願は,日本特許出願2008−312819(2008年12月9日出願)に基づく優先権を主張しており,この内容は本明細書に参照として取り込まれる。
技術分野
本発明は、多様な生理活性を持つカテキン誘導体またはその塩の製造方法、ならびにその製造に用いられる中間体の製造方法に関する。
メチル化カテキンが抗アレルギー作用を示すことが知られているが(特許文献1)、これは茶葉から単離された物質であり、大量に単離および精製することは困難である。そのため、現在のところ、その量的確保が最大の技術的問題点となっている。またメチル化カテキンには、メチル基の位置に由来する様々な位置異性体の存在が知られているが、その確保が困難であるため詳細な生物活性試験も行うことが困難である。また、メチル化カテキンを始めとするアルキル化カテキン及びその合成中間体は、花粉症を始めとしたアレルギー疾患の新規な治療薬の開発に結びつくことが期待され、その合成法が確立されれば、学術的な意義のみでなく、医療上の貢献度、さらには経済的な波及効果も多大なものとなることが予測される。
本発明者らは先に、エピガロカテキンから3”-メチルエピガロカテキンガレートならびに4”-メチルエピガロカテキンガレートを合成する効率的な方法を開発したが(特許文献2;未公開):
(R3=H, R4=Me)または(R3=Me, R4=H)
さらに多様な候補物質を提供するために、B環の水酸基が選択的にアルキル化されたカテキン類の合成法が求められている。
特開2005-60277 特願2008-76383
本発明は、メチル化カテキンを始めとするアルキル化カテキンまたはその塩、ならびに有用な中間体を合成する方法を提供することを目的とする。より詳細には、本発明は、カテキン類のB環の水酸基が選択的にアルキル化されたカテキン類を合成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、エピガロカテキンのB環の水酸基を選択的に保護する方法を見いだし、B環の水酸基が選択的にアルキル化された様々なアルキル化カテキンの異性体を純粋に合成する新規な方法を開発した。なお、本明細書においては、説明を明確にするために、カテキン類の4つの環を次のようにA環、B環、C環、およびD環と称する。
すなわち、本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;
ただし、RとRは同時に水素であることはなく、下記の化合物は除かれる):
で表されるアルキル化カテキンまたはその塩を提供する。
別の観点においては、本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、RとRは同時に水素であることはない)
で表されるアルキル化カテキンまたはその塩の合成中間体である次式(V):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基であり、Rはtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
で表される化合物を製造する方法を提供する。この方法は、
(a)次式(II):
で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
(式中、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を形成し;
(b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
(式中、Rは水酸基の保護基であり、Rはtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
で表される化合物を形成し;
(c)式(IV)の化合物をO−アルキル化剤と反応させて、次式(V):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
で表される化合物を形成する;
の各工程を含む。
さらに別の観点においては、本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、RとRは同時に水素であることはない)
で表されるアルキル化カテキンまたはその塩の合成中間体である次式(IX):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を製造する方法を提供する。この方法は、
(a)次式(II):
で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
(式中、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を形成し;
(b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
(式中、Rは水酸基の保護基であり、Rはtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
で表される化合物を形成し;
(c’)式(IV)の化合物のB環の4位の水酸基を保護して、式(VIII):
(式中、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
の化合物を形成し、次に保護基Rを除去した後、O−アルキル化剤と反応させて、次式(IX):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を形成する;
の各工程を含む。
さらに別の観点においては、本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、RとRは同時に水素であることはない)
で表されるアルキル化カテキンまたはその塩を製造する方法を提供する。この方法は、
(d)式(I)においてRが水素であり、Rがアルキルである場合には、式(V)
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
で表される化合物と、次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(VII):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物を形成し;
(d’)式(I)においてRがアルキルであり、Rが水素である場合には、次式(IX):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物と、次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(X):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物を形成し;
(e)工程(d)からの式(VII)の化合物、または工程(d’)からの式(X)の化合物から保護基R、RおよびRを除去して、式(I)の化合物を得る;
の各工程を含む。
さらに別の観点においては、本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、RとRは同時に水素であることはない)
で表されるアルキル化カテキンまたはその塩を製造する方法を提供する。この方法は、
(a)次式(II):
で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
(式中、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を形成し;
(b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
(式中、Rは水酸基の保護基であり、Rはtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
で表される化合物を形成し;
(c)式(I)においてRが水素であり、Rがアルキルである場合には、式(IV)の化合物をO−アルキル化剤と反応させて、次式(V):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
で表される化合物を形成し;
(d)式(V)の化合物と、次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(VII):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物を形成し;
(c’)式(I)においてRがアルキルであり、Rが水素である場合には、式(IV)の化合物のB環の4位の水酸基を保護して、式(VIII):
(式中、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
の化合物を形成し、次に保護基Rを除去した後、O−アルキル化剤と反応させて、次式(IX):
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される化合物を形成し;
(d’)式(IX)の化合物と、次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(X):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物を形成し;
(e)工程(d)からの式(VII)の化合物、または工程(d’)からの式(X)の化合物から保護基R、RおよびRを除去して、式(I)の化合物を得る;
の各工程を含む。好ましくは、本発明の方法の工程(e)において、保護基R、RおよびRの除去は、アミノチオフェノールを用いて行われる。
さらに別の観点においては、本発明は、次式(XI):
(式中、R8は、水素、アルキル、または水酸基の保護基2−ニトロベンゼンスルホニルである)
で表される化合物の水酸基の保護基を脱保護する方法であって、式(XI)の化合物をアミノチオフェノールと接触させることを含む方法を提供する。
本発明は、様々な生物活性をもつことが期待されるカテキン誘導体、ならびにその製造方法に関するものであり、本発明により様々なアルキル化カテキンの異性体を簡便かつ大量に合成可能となる。
本発明は、次式(I):
(式中、R、R、RおよびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、RとRは同時に水素であることはない)
の化合物およびその製造方法、ならびにその製造に用いられる中間体の製造方法を提供する。
本発明の化合物の製造方法においては、出発物質として、次式(II):
で表される化合物を用いる。
このような一般式(II)で表される化合物としては、下記の式で表されるエピガロカテキンおよび(-)-ガロカテキンが挙げられ、いずれも市販されている。
本発明の製造方法の工程(a)は、カテキン類の特定のフェノール水酸基に保護基を導入する反応である:
(式中、Rは水酸基の保護基である)
反応は、プロトン性または非プロトン性の溶媒中で、塩基の存在下で、式(II)の化合物を式:R−L(Lは脱離基である)と反応させることにより行う。この反応は、ホウ酸またはアリールホウ酸、例えば、Na2B4O7・10H2Oやフェニルホウ酸を用いて、B環の互いにオルト位にある2つのフェノール性水酸基を一時的にホウ酸エステルとして保護しながら行う。
は水酸基の保護基であり、水酸基の保護基として一般に使用されるいずれの基を用いてもよい。例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、直鎖または分枝鎖のC1−4アルキル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基などが挙げられる。保護基として特に好ましいものはニトロベンゼンスルホニル基である。
プロトン性溶媒としては水、メタノール、エタノール等が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、THF、DMF等が挙げられる。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、イミダゾール等の有機塩基や塩化ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基を用いることができる。
本発明の製造方法の工程(b)では、B環の3位の水酸基をRとは別の保護基Rで保護する:
(式中、Rは水酸基の保護基であり、Rはtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
は、フェノール性水酸基の保護基であるが、B環の2つの水酸基のうち3位のみを保護することができるように、かつ、後述する工程(c’)において、Rが除去されない条件で除去することができるように選択される。Rとして特に好ましいものは、tert-ブチルジフェニルシリルである。
式(I)においてRが水素であり、Rがアルキルである場合には、本発明の製造方法の工程(c)において、式(IV)の化合物をO−アルキル化剤と反応させて、B環の4位の水酸基にアルキル基を導入して、式(V)の化合物を得る。
(式中、Rはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
O−アルキル化剤としては、例えば、ジアゾメタン、ジメチル硫酸、ヨウ化メチルを用いることができる。反応は非プロトン性溶媒中で行う。
本発明の製造方法の工程(d)では、上述の式(V)の化合物と次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される没食子酸誘導体とをカップリングさせる。このような一般式(VI)で表される化合物は、後述する方法にしたがって没食子酸から合成することができる。
反応は、非プロトン性溶媒中で、縮合剤の存在下で行う。非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、塩化メチレン、トルエン、THF等が挙げられる。縮合剤としては、DCC、WSCI・HCl、HOBT等を用いることができる。
この反応により次式(VII):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、RおよびRは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物が形成される。
次に工程(e)において、保護基R、RおよびRを除去して、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルである、式(I)の化合物を得ることができる。保護基の除去は、慣用の方法により通常の脱保護条件下で、例えばチオール類の存在下で行う。チオール類としては、チオフェノール、アミノチオフェノール、チオ安息香酸、メルカプトエタノール、チオグリコール酸等が挙げられる。2−アミノチオフェノール、4−アミノフェノールやチオ安息香酸はチオフェノールのような悪臭がないため、特に好ましく、大量生産に用いるのに適している。
式(I)においてRがアルキルであり、Rが水素である場合には、本発明の製造方法の工程(c’)において、式(IV)の化合物のB環の4位の水酸基を保護する。
(式中、RおよびRは式(IV)で定義したとおりである)
反応は、工程(a)と同様に行う。次に保護基Rを除去する。反応は、通常の脱保護条件であって、Rのみが脱保護され、Rは脱保護されないような条件下で行う。当業者は、RとRの組み合わせに基づいて、このような条件を容易に選定することができる。
次に、得られた化合物をO−アルキル化剤と反応させて、B環の3位にアルキル基を導入して、式(IX)の化合物:
(式中、Rは、メチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)を得る。反応は、工程(c)と同様に行う。
次に、工程(d’)において、式(IX)の化合物と次式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
で表される没食子酸誘導体とをカップリングさせる。反応は工程(d)と同様にして行うことができる。この反応により次式(X):
(式中、R、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは式(IV)で定義したとおりであり、Rは水酸基の保護基である)
のいずれかで表される化合物が得られる。
次に工程(e)において、保護基RおよびRを除去して、Rがメチル、エチルまたはプロピルであり、Rが水素である、式(I)の化合物を得ることができる。保護基の除去は、慣用の方法により行うことができる。
本発明の方法の工程(d)または(d’)において用いる式(VI):
(式中、RおよびRはメチル、エチルまたはプロピルであり、Rは水酸基の保護基である)
の化合物は、次のようにして製造することができる。
次式(VIa):
で表される化合物は、没食子酸のフェノール性水酸基を定法により保護することにより得られる。上記式中、Rとしては、例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、ニトロベンゼンスルホニル基、アセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基などが挙げられる。
次式(VIb):
で表される化合物は、没食子酸アリルエステルをプロトン性または非プロトン性の溶媒、例えば水中で、NaOH などの塩基存在下、Na2B4O7・10H2Oやフェニルホウ酸を用いて、互いにオルト位にある2つのフェノール性水酸基を一時的にホウ酸エステルとして保護し、次に、残りの1つのフェノール性水酸基のみを (MeO)2SO2 (ジメチル硫酸)などのアルキル化剤を用いて、選択的にアルキル化した後に、エステルの加水分解およびフェノール性水酸基の保護を行うことにより合成することができる。
次式(VIc):
で表される化合物は、没食子酸をアリルアルコールおよびカルボジイミドと反応させて没食子酸アリルエステルとし、これをLi2CO3 (炭酸リチウム) 等の弱い塩基存在下、プロトン性または非プロトン性溶媒中で、ヨウ化メチルや (MeO)2SO2 (ジメチル硫酸)などのアルキル化剤を反応させ、カルボニル基のパラ位の一カ所のみを選択的にアルキル化した後に、エステルの加水分解およびフェノール性水酸基の保護を行うことにより合成することができる。
以上のようにして得られる一般式(I)の化合物としては、例えば下記の化合物:
が挙げられる。
本発明の方法の特に好ましい態様においては、水酸基の保護基として2−ニトロベンゼンスルホニルを用い、工程(e)における脱保護は、2−アミノチオフェノールを用いて行う。2−アミノチオフェノールはチオフェノールのような悪臭がないため、大量生産に用いるのに適している。また、脱保護により生ずる副生成物2−(2−ニトロフェニルチオ)アニリンは塩基性であり、反応液を酸性にした後に有機溶媒により抽出することにより、反応生成物は有機相に、副生成物は水相に分離するため、カラムクロマトグラフィー等の手段を用いることなく、反応生成物を簡単に精製することができるという利点を提供する。
したがって、別の観点においては、本発明は、次式(XI):
(式中、R8は、水素、アルキル、または水酸基の保護基2−ニトロベンゼンスルホニルである)
で表されるカテキン誘導体合成中間体をアミノチオフェノールと接触させることにより脱保護する方法を提供する。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸アリルエステル (2) の合成
55 °C で 1 (50.0 g, 266 mmol) に アリルアルコール 200 mL、WSCI・HCl (61.2 g) を加え、60 °C で 4 時間攪拌した。2M HCl を加えた後、EtOAc で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮した。その後、再結晶 (EtOAc) により精製し、無色結晶の 2 (47.8 g, 87%) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.13 (s, 2H), 5.97-6.11 (m, 1H), 5.37 (dq, 1H, J = 1.8, 17.1 Hz), 5.22 (dq, 1H, J = 1.5, 10.6 Hz), 4.71 (dt, 2H, J = 1.8, 5.5 Hz).
製造例2 3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシ安息香酸アリルエステル (3) の合成
50 °C で 2 (1.50 g, 7.15 mmol) にDMF 20 mL、Li2CO3 (1.32 g, 17.9 mmol)、ヨウ化メチル(1.11 ml, 17.9 mmol) を加え、50 °C で 20 時間攪拌した。2M HCl を加えた後、Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー (CH2Cl2 : MeOH = 99 : 1 から 97 : 3) により精製し、黄色油状の 3 (1.83 g, 68%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.26 (s, 2H), 5.97-6.05 (m, 1H), 5.40 (dq, 1H, J = 1.4, 17.2 Hz), 5.22 (dq, 1H, J = 1.2, 10.4 Hz), 4.79 (dt, 1H, J = 1.8, 5.5 Hz), 3.97 (s, 3H).
製造例3 3,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-4-メトキシ安息香酸アリルエステル (4)の合成
0 °C で 3 (400 mg, 1.79 mmol) にCH3CN 4 mL、Et3N (1.12 ml, 8.04 mmol)、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(872 mg, 3.93 mmol) を加え、0 °C で 1.5 時間攪拌した。2M HCl を加えた後 Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー (CH2Cl2) により精製し、緑色固体の 4 を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.92-8.19 (m, 8H), 7.78 (s, 2H), 5.95-6.09 (m, 1H), 5.36 (dq, 1H, J = 1.5, 17.3 Hz), 5.27 (dq, 1H, J = 1.3, 10.6 Hz), 4.78 (dt, 1H, J = 1.6, 5.5 Hz), 3.72 (s, 3H).
製造例4 3,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-4-メトキシ安息香酸 (5) の合成
4 (954 mg, 1.60 mmol) に THF 32 mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (92.0 mg, 0.0800 mmol) を加えた。その後、p-トルエンスルフィン酸ナトリウム (343 mg, 1.92 mmol)、H2O 16 mL を加え、1 時間攪拌した。CH2Cl2 と 飽和 NaHCO3 を加えた後、H2O で三回抽出し、2M HCl を加えた後、CH2Cl2 で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮し、黄色結晶の 5 (743 mg, 82% for 2 steps) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.94-8.18 (m, 8H), 7.78 (s, 2H), 3.72 (s, 3H).
製造例5 4,5-ジヒドロキシ-3-メトキシ安息香酸アリルエステル (6) の合成
2 (300 mg, 1.43 mmol) に H2O 20 mL、Na2B4O7・10H2O (1.40 g, 3.67 mmol) を加え、1 時間攪拌した。その後、(MeO)2SO2 (523 μl, 5.53 mmol)、6.5M NaOH (872 μL) を滴下し 12 時間撹拌した。その後、濃硫酸を用いて pH 2.0 とし室温にて 1 時間撹拌する。反応液に水を加え CHCl3 で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥後、減圧下濃縮し、白色結晶の 6 (320 mg, 85%) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.23 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 7.16 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 5.98-6.10 (m, 1H), 5.36 (dq, 1H, J = 1.5, 17.1 Hz), 5.21 (dq, 1H, J = 1.4, 10.4 Hz), 4.73 (dt, 1H, J = 1.6, 5.5 Hz), 3.87 (s, 3H).
製造例6 4,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-3-メトキシ安息香酸アリルエステル (7)の合成
0 °C で、6 (3.50 g, 15.6 mmol) に CH3CN 35 mL、Et3N (9.8 ml, 70.3 mmol)、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド (7.62 mg, 34.3 mmol) を加え、0 °C で 1.5 時間攪拌した。2M HCl を加えた後、CH2Cl2 で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥し、無色固体の 7 を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.95-8.14 (m, 8H), 7.69 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.49 (d, 1H, J = 1.3 Hz), 5.97-6.12 (m, 1H), 5.39 (dq, 1H, J = 1.6, 17.3 Hz), 5.28 (dq, 1H, J = 1.3, 10.6 Hz), 4.82 (dt, 1H, J = 1.6, 5.5 Hz), 3.74 (s, 3H).
製造例7 4,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-3-メトキシ安息香酸 (8) の合成
7 (4.00 g, 6.71 mmol) にTHF 33 mL、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (375 mg, 0.335 mmol) を加えた。その後 p-トルエンスルフィン酸ナトリウム (1.5 g, 8.05 mmol)、H2O 16mL を加え、1 時間攪拌した。CH2Cl2 と 飽和 NaHCO3 を加えた後、H2O で三回抽出し、2M HCl を加えた後、CH2Cl2 で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮し、黄色結晶の 8 (3.53 g, 95% for 2 steps) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン) δ 7.90-8.13 (m, 8H), 7.68 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.52 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 3.72 (s, 3H).
製造例8 3,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-4-エトキシ安息香酸 (9) の合成
製造例2、3および4と同様にして、ただしヨウ化メチルの代わりにヨウ化エチルを用いて、9を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.13 - 8.15 (m, 2H), 7.94 - 8.05 (m, 6H), 7.80 (s, 2H), 4.06 (q, J = 7.0 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 6.8 Hz, 3H).
製造例9 3,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホキシ)-4-プロポキシ安息香酸 (10) の合成
製造例2、3および4と同様にして、ただしヨウ化メチルの代わりにヨウ化プロピルを用いて、10を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン) δ 7.93 - 8.15 (m, 8H), 7.73 (s, 2H), 3.95 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 1.38 (sextet, J = 7.3 Hz, 2H), 0.99 (t, J = 7.3 Hz, 3H).
実施例1 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート) (12) の合成
ホウ酸(4.64g, 80.3mmol)にNaOH 800mg、H2O 160mlを加えた後、11 (492mg, 1.61mmol)を加え、pH 8.96とした。トルエン16mlに溶かした2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(1.06g, 4.83mmol)を30分かけ滴下し、室温で3時間撹拌した。2M HClを加えた後、EtOAcで三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=99:1 - 97:3)により精製し、黄色固体の12 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 560 mg, 40%) を得た。
1H NMR (500 MHz, アセトン-d6) δ 8.67 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.80-8.08 (m, 12H), 6.95 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 6.69 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 6.58 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 6.46 (d, 1H, J= 2.3 Hz), 4.97 (m, 1H), 4.19 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 2.87 (m, 2H)
実施例2 (2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-ヒドロキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート) (3)の合成
-20℃で12 (200mg, 0.182mmol)にCH3CN 400μL、Et3N(196μl, 1.09mmol)、TBDPSCl (197mg, 0.545mmol)を加え、-20℃で3時間撹拌した。2M HClを加えた後、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサン=1:1)により精製し、黄色固体の13 ((2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-ヒドロキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 211 mg, 83%) を得た。
1H NMR(270MHz, CDCl3-d6) δ 7.36-8.13 (m, 23H), 6.77 (d, 1H, J=2.0 Hz), 6.51 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.43 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 6.37 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 5.91 (m, 1H), 4.58 (m, 1H), 3.73 (m, 1H), 2.82-2.86 (m, 2H), 1.09 (s, 9H)
実施例3 (2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート) (14)の合成
0℃で13 (125mg, 0.11mmol)にCH3CN 1mL、CH2N2 (Et2O溶液)を加え、0℃で10分間撹拌した。AcOHを加えた後、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサン=1:1)により精製し、黄色固体の14 ((2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 115 mg, 91%) を得た。
1H NMR(500 MHz, CDCl3-d6) δ 7.36-8.08 (m, 22H), 6.71 (d, m, J= 1.8 Hz). 6.50 (d, 1H, J= 2.4 Hz), 6.43 (d, 1H, J= 2.4 Hz), 6.40 (d, 1H, J= 1.8 Hz), 4.58 (m, 1H), 3.84 (s, 3H), 3.71 (m, 1H), 2.89 (dd, 1H, J=17.7, 2.4 Hz), 2.80 (dd, 1H, J= 17.7, 4.0 Hz), 1.09 (s, 9H)
実施例4 (2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート (16)の合成
14 (100mg, 0.0897mmol)に、CH3CN 500μL、15 (130mg, 0.180mmol; 没食子酸のフェノール性水酸基をニトロフェニルスルホニルオキシで保護することにより製造)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド (51.6mg, 0.269mmol)、4-ジメチルアミノピリジン (1.1mg, 0.00897mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加えた後、CH2Cl2で三回抽出し、飽和NaHCO3水溶液を加えた後、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:n-ヘキサン=9:1)により精製し、無色固体の16 ((2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート), 140 mg, 86%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3-d6) δ 7.34-8.03 (m, 34H), 6.68 (d, 1H, J= 2.5 Hz), 6.56 (d, 1H, J= 1.9 Hz), 6.59 (d, 1H, J=2.5 Hz), 6.26 (d, 1H, J= 1.9 Hz), 5.04 (m, 1H), 4.64 (m, 1H), 3.70 (s, 3H), 2.95 (dd, 1H, J=18.0, 4.6 Hz), 2.80 (dd, 1H, J= 18.0, 1.5 Hz), 1.02 (s, 9H)
実施例5 (2R,3R)-2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル 3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート(17) の合成
0℃で16 (400mg, 0.220mmol)に、THF 4.6mL、AcOH (37.7μL, 0.661mmol)を加え、その後、TBAF (265.8μl, 1M THF溶液)を加え、0℃で15分間撹拌した。水を加え、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサン=1:1)により精製し、白色固体の17 ((2R,3R)-2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル 3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート), 320 mg, 85%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3-d6) δ 7.62-8.07 (m, 24H), 7.57 (s, 2H), 6.83 (d, 1H, J= 1.8 Hz), 6.82 (d, 1H, J= 2.4 Hz), 6.69 (d, 1H, J= 1.8 Hz), 6.65 (d, 1H, J= 2.4 Hz), 5.50 (m, 1H), 4.06 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.19 (dd, 1H, J= 18.3, 4.3 Hz), 3.03 (dd, 1H, J= 18.3, 2.4 Hz)
実施例6 (2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート(18) の合成
0℃でCs2CO3 (55.6mg, 0.237mmol)に、CH3CN 300μL、PhSH (17.5μl, 0.237mmol)を加えた。その後、17 (15mg, 0.00948mmol)を加え、0℃で3.5時間撹拌した。2M HCl水溶液を加えた後、EtOAcで三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=100:0 - 93:7)により精製し、無色固体の18 ((2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート), 4.0mg, 90%) を得た。
1H NMR (270 MHz, CD3OD-d6) δ 6.84 (s, 2H), 6.43 (s, 2H), 5.87 (s, 2H), 5.44 (m, 1H), 4.89 (m, 1H), 3.66 (s, 3H), 2.90 (dd, 1H, J=17.1, 4.6 Hz), 2.75 (dd, m, J= 17.1, 2.3 Hz)
実施例7 (2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)(19) の合成
-20℃で、13 (650mg, 0.591mmol)に、CH3CN 5mL、Et3N (165μl, 1.30mmol)、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(131mg, 0.650mmol)を加え、-20℃で1時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加えた後、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)により精製し、無色固体の19 ((2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-3-ヒドロキシクロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 723 mg, 95%)を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.36-8.14 (m, 26H), 7.14 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.75 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.73 (d, 1H, J= 2.6 Hz), 6.51 (d, 1H, J= 2.6 Hz), 5.11 (m, 1H), 4.28 (m, 1H), 2.91-3.02 (m, 2H), 1.09 (s, 9H)
実施例8 (2R,3R)-3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)(20) の合成
0℃で、19 (60.0mg, 0.0467mmol)に、THF 2.0mL、AcOH (8.4μl, 0.0560mmol)を加え、その後TBAF (56.4μl, 1M THF溶液)を加え、0℃で15分間撹拌した。水を加え、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮し、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2)により精製し、白色固体の20 ((2R,3R)-3-ヒドロキシ-2-(3-ヒドロキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 42 mg, 86%) を得た。
1H-NMR (270MHz, アセトン-d6) δ 7.86-8.13 (m, 17H), 7.17 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.78 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.74 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 6.50 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 5.12 (m, 1H), 4.29 (m, 1H), 2.90-2.98 (m, 2H)
実施例9 (2R,3R)-3-ヒドロキシ-2-(3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート(21) の合成
0℃で、20 (250mg, 0.11mmol)にCH3CN 3mL、CH2N2 (Et2O溶液)を加え、0℃で10分間撹拌した。AcOHを加えた後、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(EtOAc:n-ヘキサン=6:4)により精製し、黄色固体の21 ((2R,3R)-3-ヒドロキシ-2-(3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-5,7-ジイル ビス(2-ニトロベンゼンスルホネート)), 232 mg, 91%) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.90-8.13 (m, 16H), 7.30 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 6.94 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.77 (d, 1H, J= 2.6 Hz), 6.51 (d, 1H, J= 2.6 Hz), 5.21 (m, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.94-2.98 (m, 2H)
実施例10 (2R,3R)-2-(3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル 3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート)(22) の合成
21 (120mg, 0.113mmol)に、CH3CN 100μL、15 (205mg, 0.283mmol; 没食子酸のフェノール性水酸基をニトロフェニルスルホニルオキシで保護することにより製造)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド (81.8mg, 0.424mmol)、ジメチルアミノピリジン (1.7mg, 0.0143mmol)を加え、室温で13時間撹拌した。飽和NH4Cl水溶液を加えた後、CH2Cl2で三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:n-ヘキサン=9:1)により精製し、無色固体の22 ((2R,3R)-2-(3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル 3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート), 135 mg, 68%) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.81-8.16 (m, 28H), 7.69 (s, 2H), 7.30 (d, 1H, J= 1.3 Hz), 7.00 (d, 1H, J= 1.3 Hz), 6.96 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 6.67 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 5.81 (m, 1H), 5.56 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.08-3.37 (m, 2H)
実施例11 (2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート(23)の合成
0℃で、Cs2CO3 (366mg, 0.0339mmol)にCH3CN 600μL、PhSH (116μl, 0.848mmol)を加えた。その後、22 (60.0mg, 0.848mmol)を加え、0℃で3.5時間撹拌した。2M HCl水溶液を加えた後、EtOAcで三回抽出し、有機層をNa2SO4で乾燥、減圧下濃縮した。その後、カラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:MeOH=100:0 - 93:7)により精製し、無色固体の23 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4,5-トリヒドロキシベンゾエート), 10.1mg, 63%) を得た。
1H NMR (270 MHz, CD3OD-d6) δ 7.05 (d, 1H, J=2.0Hz), 7.01 (d, 1H, J=2.0Hz), 6.51 (s, 2H), 5.97 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 5.95 (d, 1H, J= 2.0 Hz), 5.49 (m, 1H), 4.99 (s, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.99 (dd, 1H, J= 17.1, 4.6 Hz), 2.86 (dd, 1H, J= 17.1, 3.0 Hz)
実施例12 ((2R,3R)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)-2-(3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-3-イル 3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート (24) の合成
21 (20.0 mg, 18.8 μmol) に CH3CN 250 μL、8 (20.9 mg, 37.7 μmol)、塩酸1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(10.8 mg, 56.3 μmol)、ジメチルアミノピリジン (0.2 mg, 1.88 μmol) を加え、室温で 17 時間攪拌した。飽和NH4Cl 水溶液を加えた後、CH2Cl2 で三回抽出し、飽和NaHCO3 水溶液を加えた後、CH2Cl2 で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (CH2Cl2) により精製し、無色固体の 24 ((2R,3R)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)-2-(3,4,5-トリス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)クロマン-3-イル 3-メトキシ-4,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)ベンゾエート, 27.1 mg, 90%) を得た。
1H NMR (270 MHz, アセトン-d6) δ 7.81-8.17(m, 24H), 7.37 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.31 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.24 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 7.04 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.96 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 6.66 (d, 1H, J = 2.0 Hz), 5.77-5.82 (m, 1H), 5.56-5.59 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.48 (s, 3H), 3.32 (dd, 1H, J = 17.8, 4.0 Hz), 3.15 (dd, 1H, J = 18.0, 2.0 Hz)
実施例13 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート (25) の合成
0 °C で Cs2CO3 (66.0 mg, 0.203 mmol) にCH3CN 300 μL、2-アミノベンゼンチオール (21.7 μl, 0.203 mmol)を加えた。その後 24 (27.0 mg, 0.0169 mmol) を加え、 0 °Cで 3.0 時間攪拌した。2M HCl 水溶液を加えた後、EtOAc で三回抽出し、有機層を Na2SO4 で乾燥、減圧下濃縮した。その後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (CH2Cl2 : MeOH = 98 : 2 から 93 : 7) により精製し、無色固体の 25 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル-3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート, 7.1 mg, 86%) を得た。
1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 7.10 (d, 1H, J = 1.7 Hz), 7.02 (d, 1H, J = 1.7 Hz), 6.61 (d, 1H, J = 1.7 Hz), 6.58 (d, 1H, J = 1.7 Hz), 5.96 (s, 2H), 5.52 (m, 1H), 5.23 (m, 1H), 3.79 (s, 3H), 3.58 (s, 3H), 3.01 (dd, 1H, J = 17.2, 4.6 Hz), 2.86 (dd, 1H, J = 17.2, 1.7 Hz).
実施例14 (2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾエート (26)の合成
実施例4と同様にして、ただし、15の代わりに3,5-ビス(2-ニトロベンゼンスルホニルオキシ)-4-メトキシ安息香酸 (5) を用いて(2R,3R)-2-(3-(tert-ブチルジフェニルシリルオキシ)-4-メトキシ-5-(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)フェニル)-5,7-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)クロマン-3-イル3,5-ビス(2-ニトロフェニルスルホニルオキシ)-4-メトキシベンゾエートを製造する。次に、実施例5および6と同様にして保護基を除去して、26 ((2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾエートを得る。
実施例15 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾエート (27) の合成
実施例12および13と同様にして、21および5から、27 ((2R,3R)-2-(3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾエートを得る。
実施例16 (2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート (28)の合成
実施例14と同様にして、14および8から、28 (2R,3R)-2-(3,5-ジヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-5,7-ジヒドロキシクロマン-3-イル 3,4-ジヒドロキシ-5-メトキシベンゾエート を得る。

Claims (6)

  1. 次式(V)
    (式中、R2はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は水酸基の保護基であり、R6はtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
    で表される化合物を製造する方法であって、
    (a)次式(II):
    で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
    (式中、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を形成し;
    (b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
    (式中、R5は水酸基の保護基であり、R6はtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
    で表される化合物を形成し;
    (c)式(IV)の化合物をO−アルキル化剤と反応させて、次式(V):
    (式中、R2はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりである)
    で表される化合物を形成する;
    の各工程を含む方法。
  2. 次式(IX)
    (式中、R1はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を製造する方法であって、
    (a)次式(II):
    で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
    (式中、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を形成し;
    (b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
    (式中、R5は水酸基の保護基であり、R6はtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
    で表される化合物を形成し;
    (c’)式(IV)の化合物のB環の4位の水酸基を保護して、式(VIII):
    (式中、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりである)
    の化合物を形成し、次に保護基R6を除去した後、O−アルキル化剤と反応させて、次式(IX):
    (式中、R1はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を形成する;
    の各工程を含む方法。
  3. 次式(I):
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、R1とR2は同時に水素であることはない)
    で表されるアルキル化カテキンまたはその塩を製造する方法であって、
    (d)式(I)においてR1が水素であり、R2がアルキルである場合には、式(V)
    (式中、R2はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりである)
    で表される化合物と、次式(VI):
    (式中、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(VII):
    (式中、R2、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物を形成し;
    (d’)式(I)においてR1がアルキルであり、R2が水素である場合には、次式(IX):
    (式中、R1はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物と、次式(VI):
    (式中、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(X):
    (式中、R2、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は式(IV)で定義したとおりであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物を形成し;
    (e)工程(d)からの式(VII)の化合物、または工程(d’)からの式(X)の化合物から保護基R5、R6およびR7を除去して、式(I)の化合物を得る;
    の各工程を含む方法。
  4. 次式(I):
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、メチル、エチルまたはプロピルを表す;ただし、R1とR2は同時に水素であることはない)
    で表されるアルキル化カテキンまたはその塩を製造する方法であって、
    (a)次式(II):
    で表される化合物を、アルカリ条件下で、ホウ酸またはアリールホウ酸の存在下で、フェノール水酸基を保護して、次式(III):
    (式中、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を形成し;
    (b)式(III)の化合物のB環の3位の水酸基を保護して、次式(IV):
    (式中、R5は水酸基の保護基であり、R6はtert-ブチルジフェニルシリルを表す)
    で表される化合物を形成し;
    (c)式(I)においてR1が水素であり、R2がアルキルである場合には、式(IV)の化合物をO−アルキル化剤と反応させて、次式(V):
    (式中、R2はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりである)
    で表される化合物を形成し;
    (d)式(V)の化合物と、次式(VI):
    (式中、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(VII):
    (式中、R2、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物を形成し;
    (c’)式(I)においてR1がアルキルであり、R2が水素である場合には、式(IV)の化合物のB環の4位の水酸基を保護して、式(VIII):
    (式中、R5およびR6は式(IV)で定義したとおりである)
    の化合物を形成し、次に保護基R6を除去した後、O−アルキル化剤と反応させて、次式(IX):
    (式中、R1はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は水酸基の保護基である)
    で表される化合物を形成し;
    (d’)式(IX)の化合物と、次式(VI):
    (式中、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物とを、縮合剤の存在下で反応させて、次式(X):
    (式中、R2、R3およびR4はメチル、エチルまたはプロピルであり、R5は式(IV)で定義したとおりであり、R7は水酸基の保護基である)
    のいずれかで表される化合物を形成し;
    (e)工程(d)からの式(VII)の化合物、または工程(d’)からの式(X)の化合物から保護基R5、R6およびR7を除去して、式(I)の化合物を得る;
    の各工程を含む方法。
  5. 工程(e)において、保護基R5、R6およびR7の除去が、アミノチオフェノールを用いて行われる、請求項記載の方法。
  6. 次式(XI):
    (式中、R8は、水素、アルキル、または水酸基の保護基2−ニトロベンゼンスルホニルである)
    で表される化合物の水酸基の保護基を脱保護する方法であって、式(XI)の化合物をアミノチオフェノールと接触させることを含む方法。

JP2010542022A 2008-12-09 2009-12-09 アルキル化カテキンの効率的製造方法 Expired - Fee Related JP5574435B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010542022A JP5574435B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-09 アルキル化カテキンの効率的製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008312819 2008-12-09
JP2008312819 2008-12-09
JP2010542022A JP5574435B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-09 アルキル化カテキンの効率的製造方法
PCT/JP2009/006733 WO2010067599A1 (ja) 2008-12-09 2009-12-09 アルキル化カテキンの効率的製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010067599A1 JPWO2010067599A1 (ja) 2012-05-17
JP5574435B2 true JP5574435B2 (ja) 2014-08-20

Family

ID=42242592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010542022A Expired - Fee Related JP5574435B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-09 アルキル化カテキンの効率的製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5574435B2 (ja)
WO (1) WO2010067599A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102344432A (zh) * 2011-07-26 2012-02-08 中国农业科学院茶叶研究所 一种egcg甲基化衍生物的制备方法
CN103864745B (zh) * 2014-03-05 2015-05-20 湖南农业大学 一种甲基化egcg的制备方法
WO2015191057A1 (en) 2014-06-10 2015-12-17 Halliburton Energy Serviecs, Inc. Resistivity logging tool with excitation current control
WO2021187569A1 (ja) * 2020-03-18 2021-09-23 花王株式会社 エピガロカテキンガレート抱合体の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054500A1 (ja) * 2004-11-17 2006-05-26 Incorporated Administrative Agency National Agriculture And Food Research Organization メチル化カテキン生合成酵素をコードする遺伝子
JP2007070338A (ja) * 2005-08-12 2007-03-22 Kyushu Univ 血圧調整剤及びこの血圧調整剤を含有した医薬品
JP5311371B2 (ja) * 2008-03-24 2013-10-09 静岡県公立大学法人 メチル化カテキンの効率的製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054500A1 (ja) * 2004-11-17 2006-05-26 Incorporated Administrative Agency National Agriculture And Food Research Organization メチル化カテキン生合成酵素をコードする遺伝子
JP2007070338A (ja) * 2005-08-12 2007-03-22 Kyushu Univ 血圧調整剤及びこの血圧調整剤を含有した医薬品
JP5311371B2 (ja) * 2008-03-24 2013-10-09 静岡県公立大学法人 メチル化カテキンの効率的製造方法

Non-Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6010001063; WAN, S.B., et al.: 'Regiospecific and enantioselective synthesis of methylated metabolites of tea catechins' Tetrahedron 62, pp.5897-5904 (2006) *
JPN6010001066; LANDIS-PIWOWAR, K.R., et al.: 'Methylation suppresses the proteasome-inhibitory function of green tea polyphenols' J. Cell. Physiol. 213, pp.252-260 (2007) *
JPN6010001069; AIHARA, Y., et al.: 'Regioselective synthesis of methylated epigallocatechin gallate via nitrobenzenesulfonyl (Ns) protec' Bioorg. Med. Chem. Lett. 19, pp.4171-4174 (2009) *
JPN6010001073; VAN DYK, M.S., et al.: 'Selective O-methylation of polyhydroflavan-3-ols via benzyl carbonates' Tetrahedron Lett. 31(18), pp.2643-2646 (1990) *
JPN6010001074; MATOBA, M., et al.: 'Application of odorless thiols for the cleavage of 2- and 4-nitrobenzenesulfonamides' Synth. Commun. 38, pp.1194-1200 (2008) *

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2010067599A1 (ja) 2012-05-17
WO2010067599A1 (ja) 2010-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2019065015A (ja) ベラプロストの製造方法
KR20100132073A (ko) Pai―1 저해제
ES2676447T3 (es) Procedimiento de fabricación de compuestos de prostaciclina con tiol de unión y formas pegiladas
KR102305710B1 (ko) Gpr84 수용체 길항제 및 이의 용도
BR112012018232B1 (pt) Compostos derivados de furo [3,2-b] pirano úteis na síntese de análogos de halicondrina b e métodos de sintetização de er-80402 e de eribulina
JP5479110B2 (ja) Acat2阻害活性を有するピリピロペン誘導体
CS208775B2 (en) Method of making the derivatives of the fenoxyalkylcarboxyl acids
JP5574435B2 (ja) アルキル化カテキンの効率的製造方法
KR20140106750A (ko) Mogat-2 억제제로서 유용한 벤질 술폰아미드 유도체
JP5311371B2 (ja) メチル化カテキンの効率的製造方法
ES2491224T3 (es) Compuesto de 2-aminobutanol y su uso para fines médicos
CA2400264A1 (en) Cancer remedy comprising anthranilic acid derivative as active ingredient
JP2002505293A (ja) 化学化合物及びピルビン酸デヒドロゲナーゼ活性を上昇させるためのその使用
JP2022183287A (ja) カリケアマイシン誘導体を合成するための中間体および方法
JP2008506748A (ja) ニトロオキシエステル、ニトロオキシチオエステル、ニトロオキシカルボネートおよびニトロオキシチオカルボネートの製造法、該製造法において有用な中間体、ならびにその製造法
JP5554330B2 (ja) Acat2阻害活性を示す水酸基含有ピリピロペン誘導体
JP3231775B2 (ja) 心循環器系に作用する2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体、それらを製造する方法、及びそれらを含む医薬組成物
AU636946B2 (en) 1-phenylalkyl-3-phenylurea derivative
JP3714978B2 (ja) ホスホリパーゼa2阻害活性を有する新規カルボン酸誘導体
KR20040047829A (ko) 히드록시지방 술폰산 유사체
BRPI0820953B1 (pt) Métodos para preparar um composto e uma composição
JP3628380B2 (ja) 1,4−架橋シクロヘキサン系カルボン酸誘導体の製造方法
JP6984819B2 (ja) ゼルンボン誘導化合物と癌細胞増殖抑制剤およびそれらの製造方法
JP2023031276A (ja) カルボプロストおよびカルボプロストトロメタミンの調製のための方法および中間体、ならびにそれらから調製されるカルボプロストトロメタミン
CN117164560A (zh) 哌嗪酮类化合物及其制备方法和用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140527

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140617

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5574435

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees