JP5568885B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
また、特に単結晶シリコンや多結晶のシリコンのでは、そのシリコンのコストが高いという問題がある。また、それを貼り付けるためのコストも加算されてくる。
そこで、太陽電池セルの構成部材であるシリコンの量が少なく、CVD(ChemicalVapor Deposition)法等の技術により、成膜することができる薄膜シリコンの太陽電池セルが用いられるようになってきている。
特に、前者の構造のものでは、非晶質半導体をp−i−n層の順に形成するのに、透光性絶縁基板が太陽電池表面カバーガラスを兼ねることができること、また、SnO2等の耐プラズマ性透明電導膜が開発されて、この上に非晶質半導体光電変換活性層をプラズマCVD法で形成することが可能になったことなどから、現在多く用いられている。
また、非晶質Si太陽電池は、100゜C〜200゜C程度の比較的低温で形成できるので、その非晶質Si太陽電池を形成するための基板として、様々な材質の基板を用いることが可能であるが、通常よく用いられるものはガラス基板やステンレス基板である。
また、非晶質Si太陽電池は、光を電機に代える変換効率が最大となるときのシリコンの光吸収層の膜厚が500nm程度であるため、その変換効率を向上させるには光吸収層の膜厚内で光の吸収量を増大させることが重要なポイントとなる。そのため、ガラス基板上の表面に凹凸のある透明導電膜を形成したり、ステンレス基板上の表面に凹凸のある金属膜を形成したりすることにより、光吸収層中での光の光路長を増加させることが従来より行われてきた。
このような方法において、光吸収層中での光路長を増加させた太陽電池の場合、その表面に凹凸がない平坦な基板上に非晶質Si太陽電池を形成した場合と比較して、光の利用効率が顕著に向上する。
上述のような薄膜太陽電池は、透光性絶縁基板の上に、透明導電膜、水素化アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC:H)p層、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)i層、水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)n層、透明導電膜、及び裏面電極が順次形成されて構成されるものである。そして、前述のようにして、透明導電膜の表面に凹凸形状が形成され、これにより、その上部に形成された各層が凹凸構造を有するというものである。
また、特許文献3には、V溝の周期構造により、光を再帰反射し、光の利用効率を上げるような技術が開示されており、V溝頂角は、50度から90度が望ましいとの記述がある。また、V溝の周期のピッチとしては、10μmから20μmが望ましいとの記述がある。
また、太陽電池セル401の配置間隔を狭くするとリーク電流が生じてしまうため、隣り合う太陽電池セル401の間の領域が必要となる。
例えば、図23に示すように、太陽電池モジュール400に入射する光H0のうち、この領域に入射する光H1を、裏面材402を太陽電池モジュール400の背面に配置することにより裏面材402にて光H1を反射、あるいは散乱し、光H2として再利用するもの(特許文献4、特許文献5、特許文献6)が知られている。しかし、まだ十分な発電効率は得られていない。なお、図23において、符号403は充填層であり、この充填層403内には、複数の太陽電池セル401が一定の間隔を離して配列されている。
その理由としては、光を再帰反射して利用する場合、適切な角度に再帰反射させないため、再帰反射した光の多くが損失となるためである。
例えば、特許文献4のようにV溝頂角は50度から90度にした場合は、図2(b)に示すように、光H1はV溝の周期構造にて多重反射して、入射した位置に戻ったり、あるいは太陽電池セルの非有効領域に入射したりし、光の利用効率向上に付与しない。
また、特許文献6のように、光拡散層あるいはマイクロレンズアレイによって光を散乱する場合は、散乱によって様々な角度で再起反射され、その多くは、図2(b)や図2(c)のように、入射した位置に戻ったり、あるいは太陽電池セルの非有効領域に入射したりして、光の利用効率向上に付与しない。
そのため、入射した光H1を単純に偏向したり、散乱したりするだけでは、偏向、散乱された光の多くは光の利用効率向上に付与しない。
このように従来の太陽電池モジュールは、単位面積当たりの発電効率を上げようという要望は多いが、損失となってしまう光があるため、まだ十分とはいえない。
また、本発明は前記光再利用シートを用いた太陽電池モジュールであって、前記太陽電池セルの前記受光面で受光されずに前記充填層を透過する第1光を前記前面板に向けて反射させて第2光を生成し、前記光入射面と前記前面板の外部との界面において前記第2光を反射させて第3光を生成し、前記第3光を前記太陽電池セルの前記受光面に入射させ、 前記第1傾斜部に起因する反射によって生成された第2光は、前記第1光に対する第1角度を有して前記前面板に向けて進み、前記凹凸部から第1距離で離間された前記前面板の第1界面部において反射されて前記第3光に変換され、 前記第2傾斜部に起因する反射によって生成された第2光は、前記第1光に対する第1角度よりも小さい第2角度を有して前記前面板に向けて進み、前記第1距離よりも小さい第2距離で前記凹凸部から離間された前記前面板の第2界面部において反射されて前記第3光に変換されることを特徴とする太陽電池モジュールである。
(実施の形態1)
図1は本発明にかかる太陽電池モジュールの一実施の形態を示す断面図、図2は本実施の形態における光再利用シートの拡大断面図、図3は本実施の形態における光再利用シートの反射形成層に形成された反射用凸部の一例を示す一部の斜視図であり、各部の縮尺は実際とは一致しない。
太陽電池モジュール200は、図1に示すように、光再利用シート20と、充填層21と、前面板22を含んで構成され、これら光再利用シート20、充填層21、前面板22はこの順に積層されている。また、充填層21内には複数の太陽電池セル30が充填層21の平面方向と平行な方向に一定のピッチでマトリクス状に配列されている。
例えば、前面板22の材質には、強化ガラス、サファイアガラス等のガラス、あるいはPC(ポリカーボネート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の樹脂シートが使用される。また、前面板22の厚さは強化ガラスであれば約3〜6mm、樹脂シートであれば100μm〜3000μmのものが用いられる。
光再利用シート20は、図1、図2及び図6に示すように、平板状の基材2と、この基材2の上面に積層された反射形成層3とを備え、反射形成層3の上面には、複数の反射用の凸部201が前面板22の光入射面110と平行な平面Pと平行な面に沿い形成され、この凸部201は、光入射面110と平行な平面Pと平行な面での断面積が凸部201の突出方向で前面板22側に近づくにしたがい拡大される形状を呈する湾曲状の反射面を構成している。そして、前面板22の光入射面110と平行な面Pと、凸部201の反射面とのなす角度θrが凸部201の突出方向で前面板22側に近づくにしたがい小さくなるように構成されている。
さらに、凸部201の反射面は高反射率の金属反射層4で覆われている。また、反射層4の表面は反射面100となり、この反射面100上には充填層21が積層されている。
なお、基材2が平板状であることが好ましい。
また、充填層21は太陽電池セル30を封止するもので、この充填層21には、これに入射した光H0を透過させるため光線透過率が高い材料が用いられ、難燃性のEVA(エチレン・ビニル・アセテート)が広く使用されている。
なお、光入射面110の法線NGは、平面P上に前面板22を最も安定させた状態で置いた状態における平面Pの法線と平行な方向とする。また、光入射面110に垂直に入射する光とは、法線NGに平行に太陽電池モジュール200に入射する光のことである。
また、前面板22に入射した光H0のうち、充填層21を透過した光の一部は、太陽電池セル30へと出射される光H10となり、他の一部は光再利用シート20に向けて射出される光H1となる。
通常、光入射面110に対し斜めに入射した光は、垂直に入射した光H0と比較して光入射面110で反射される割合が多く、太陽電池セル30に入射する光が少なく、発電に利用できる光が少ない。そのため、入射光H0が光入射面110に垂直に入射するとき、最も効率が高い。
そこで、入射光H0が光入射面110に垂直に入射するとき、すなわち太陽が光入射面110に対して略垂直方向の位置にあるときに、光効率を向上させることが、太陽電池モジュール全体の効率を向上させることに非常に影響する。
光再利用シート20は、太陽電池セル30自体を透過した光や、太陽電池セル30の間に入射した光H1を光再利用シート20の反射面100で反射する機能を有する。反射面100で反射された光H2は前面板22と大気の間等の界面で再度反射され、太陽電池セル30の受光面Jに入射する光H3となり光電変換される。これにより、光再利用シート20が無い構造太陽電池モジュールと比較して光利用効率が向上できる効果がある。
上述の光再利用の効果は、入射光H0が光入射面110に垂直または垂直に近い状態に入射するときに、反射された光H2が、最も効率良く光H3となって光電変換される構成となる。
なお、図3〜図6において、法線Nは、反射面100上の任意の一点で、その点での接平面に垂直な直線である。また、図4において、シート法線NBとは、光再利用シート20のV字状凹凸構造の平面Pの方向に対して垂直な法線である。また、反射面100の角度θrは、この反射面100と平面Pとのなす角である。
図1に示すように、隣り合う太陽電池セル30の間の太陽電池セル30が存在しない領域Rでは、光電変換が行われないが、この領域Rを透過して光再利用シート20に入射するH1を太陽電池セル30側の受光面J側に振り向けることにより上述の光H1を有効に利用することができる。
この場合、領域Rを透過して反射面100に入射し、反射面100で反射された光H2は、図4(a)に示すように、前面板22と大気との界面での入射角度θ2が十分に大きければ、前面板22と大気との界面で反射し光H2として特定方向に反射されるため、反射光H2を太陽電池セル30の方向に効率的に入射させることができる。
上述する入射光H1と反射光H2のなす角度を大きくすれば、離れた太陽電池セル30の受光面Jにも反射光H2を入射させることができるため、太陽電池セル30から離れたところに入射した光H1であっても利用でき、太陽電池セルの受光面に入射する光が増え、結果として光の利用効率を上げることができる。
このためには、反射面100の角度θrを大きくすれば良く、反射光H2の角度が35度以上であれば、十分な効果が得られる。すなわち、反射面100の角度θrは、35/2度=17.5度以上であることが望ましい。
多重反射した光H4は、前面板22と大気との界面において、光H4の入射角θ2が35度より小さくなるため、反射されずに、一部の光が大気へと透過する光H5となり、光電効果に寄与しない損失光となってしまう。
しかるに、凸部201の反射面100の角度θrが30度以下であれば多重反射が生じないため、凸部201の反射面100の角度θrとしては、30度以下が望ましい。
このため、凸部201の反射面100の角度θrが、17.5度以上であれば入射角θ2が35度より大きくなるため、凸部201の反射面100の角度θrとしては、17.5度以上が望ましい。
したがって、光再利用シート20の凸部201の構造は、図4(a)のように、その反射面100に入射して反射した後、多重反射が発生せず、かつ前面板22と大気との界面において十分な反射が発生する角度に設定することが好ましい。
また、凸部201の反射面100のうち、その反射面100の角度θ1が17.5度以上、30度以下の面積の割合は、その反射面100の角度θrが17.5度より小さく、30度より大きい面の面積の割合以上であることが望ましい。また、凸部201の反射面100のうち、その反射面100の角度θrが17.5度以上、30度以下の面の割合が、それ以外の角度の面積の割合より小さいと、十分な光を太陽電池セルの受光面に入射することができない。
前面板22は、衝撃、汚れ、水分の浸入等から保護する機能を有するが、太陽電池モジュールの特性上、太陽光が最も照射される建物の外部に設置する機会が多く、天候や外部環境の変化などから、前面板22の大気に触れる部分、すなわち前面板22の光入射面110において微細な傷や汚れが発生することは避けられない。光入射面110に微細な傷や汚れが発生した場合、入射光H0が光入射面110に垂直に入射しても、光入射面110に微細な傷や汚れにより、光入射面110の法線NGに対して△θ(△θ<10度)のズレが発生して入射する。
前面板22として、一般に使用される大きさが15cm角、厚さが2mmのガラス板(表面は全て平滑面)で屋外試験(6月〜8月の3ヶ月、建物屋上にて、風雨に曝される状態にて固定)を実施した後、平行光を垂直入射させて、ELDIM社製イージーコントラスト(視野角測定装置)で、ガラス表面内の100点を測定したところ、面積90%以上の領域で、垂直入射した光に△θのズレが発生した。また、△θの最大値は10°未満であった。
通常、△θ0のズレが発生せずに入射した場合に、図4(a)あるいは、図5の光H1、H2、H3に示すように、多重反射が発生せず、かつ前面板22と大気との間の界面で充分な反射が発生するよう設定された構成では、光入射面110に微細な傷や汚れによって発生する△θ0のズレの値が十分に小さいため、大きな問題にはならない。
しかし、図5の一点鎖線で示す光H1−3のように△θ0のズレが発生して入射し、反射面100に入射する際に、反射面100での入射角度θ1−3が△θ0のズレが発生せずに入射した場合の入射角度θ1より大きくなる場合では、反射層100で入射して反射された光H2−3は、反射層100に隣り合う反射層100aにて多重反射して光H4となり、光H4の前面板22と大気との界面への入射角度θ2−3は35度より小さくなるため、充分な反射されずに一部の光が大気へと透過する光H5となり、損失する光となってしまうので、光の利用効率が低下する問題が発生する。
このように凸部201の反射面100が上述する構造を有することで、図6(a)に示す光H1−3のように△θ0のズレが発生して入射し、反射層100に入射した場合においても、反射層100で反射した光H2−4は、多重反射することなく前面板22の光入射面110と大気との境界に入射(入射角度:θ2−4)し、充分な反射が発生して、光H3−4となり、太陽電池セル30側の受光面J側に振り向けることが可能である。この場合、△θ0のズレが発生しない光H2より前面板22と大気との境界面への入射角度が大きくなる、すなわち(θ2−4)>θ2ため、充分な反射する確率が高くなるため、より好ましい。
θrb>θrm>θrt・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
ここで、θrbは、前面板22から最も離れた位置、すなわち凸部201の谷部近傍の反射面100の角度であり、θrtは、前面板22から最も近い位置、すなわち凸部201の頂部近傍の反射面100の角度であり、θrmは、θrbとθrtとの間に位置する反射面100の角度である。
さらに、下記の式(2)を満たす。
tan(90°―2θrb)×S/2>h・・・・・・・・・・・(2)
ここで、hは凸部201の前面板22からの距離の最大値と最小値の差であり、Sは周凸部201のピッチである。
図6(b)より、光H1と、反射面の法泉角度がなす角度θ1は、反射面100の角度θrbと等しいので、反射面100で反射した光H2と、平面方向とのなす角度は90°―2θrbとなる。数式2を満たす形状では、周期構造断面の谷部近傍に垂直入射した光は多重反射することなく、反射されるため、効率良く太陽電池セル30の受光面Jに偏向されるため好ましい。また数式1を満たす場合、周期構造断面の谷部近傍に垂直入射した光が多重反射しなければ、他のどの位置においても垂直入射する光は多重反射することなく、反射されるため好ましい。
tan(90°−2θrm−△θ)×(S/2+t)>h−T・・・(3)
ここで、tは、光が反射面100に入射した位置において、最も近い位置にある、凸部201の谷部との平面方向の距離であり、Tは、法線方向の距離である。式(3)を満たすことで、図6(c)に示すように前面板22の微細な傷や汚れによって発生する△θ0のズレが発生した場合でも、多重反射が発生せず効率良く太陽電池セル30の受光面Jに偏向されるため好ましい。ここで0≦t≦S/2の範囲で、式(3)を満たすことが好ましい。この場合、凸部201のどの位置においても、前面板22の微細な傷や汚れによって発生する△θ0のズレによって多重反射が発生しないため好ましい。
また0.15S≦t≦0.5Sの範囲のみで式(3)を満たしてもよい。この場合、前面板22の微細な傷や汚れによって発生する△θ0のズレによって凸部201の谷部近傍に入射した光の一部に多重反射が発生するが、光再利用シート20の効果は多重反射による損失よりも十分に大きいため、問題とならない。
90°−2θrm−△θ>θrt・・・・・・・・・・・・・・・・(4)
この式(4)を満たすことで、反射した光が、凸部201の頂部近傍の反射面100にて多重反射することがなくなるため、好ましい。
また、30°≧θrb>θrm>θrt≧17.5度が好ましい。
角度θrbが上述の角度範囲にすることで、多重反射が発生せず、かつ前面板22の光入射面110と大気との界面において十分な入射角度を得ることができるため好ましい。
凸部201の頂部は、平坦部とならない頂角145度以下の角度を有することが好ましい。平坦部となった場合、凸部201の頂部に入射した光は、偏向して反射されず、前面板22の入射した位置に戻ってしまい損失する光となってしまうため好ましくない。
凸部201の反射面100の形状は、図6に示したような、曲線の形状に限定しない。例えば、断面が直線の2辺以上の多角形状にて形成される多角形状でもよい。あるいは、上述の多角形状と曲線を組み合わせた形状でもよい。
図7は本発明にかかる太陽電池モジュールの実施の形態2における光再利用シートの拡大断面図である。
図7に示す光再利用シート20は、上記実施の形態1の変形例を示すものであり、上記実施の形態1と異なる点は、実施の形態2に示す場合と逆の構造に、すなわち太陽電池セルを埋設する充填層側に光透過性の基材2を配置し、この基材2の充填層と反対の下面に反射形成層3を積層して設け、この反射形成層3の基材2と反対の下面には、上記実施の形態2に示す凹部202と同一曲率で凸状に湾曲する反射面100を有する複数の反射用凸部203を前面板の光入射面と平行な平面Pと平行な面に沿い形成し、さらに、これら凸部203の反射面100を高反射率の金属反射層4で覆うように構成したところにある。この場合、反射層4と凸部2034反射面との界面が反射面100となる。
このような実施の形態4においても、上記実施の形態2と同様な作用効果が得られることは勿論である。
図8は本発明にかかる太陽電池モジュールを構成する光再利用シートと太陽電池セルとの配置関係を示す説明用平面図である。
本実施の形態3において、太陽電池モジュールを構成する複数の矩形状太陽電池セル30は、図8に示すように、平面方向に一定のピッチでマトリクス状に配列される。そして、光再利用シート20において、互いに隣り合う太陽電池セル30間や太陽電池セル30が存在しない領域122には、上記実施の形態で述べた反射面を有し、かつ光再利用シート20の長尺方向に延在する帯状の凸部201が光再利用シート20の幅方向(光再利用シート20の短尺方向)に一定のピッチで平行に配設されている。この場合、領域122Xにおける凸部201の光利用効率が良く。
なお、図8において、矢印Nは帯状凸部201の反射面に対する法線であり、矢印H2は凸部201の反射面から太陽電池セル30への光の反射方向を示している。
このように構成された太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セル30の位置に併せて、太陽電池セル30の周りを囲むように帯状の凸部201を配列することにより、帯状の凸部201の反射面で反射した光H2を太陽電池セル30により効率的に偏向することが可能となる。
図9は本発明にかかる太陽電池モジュールを構成する光再利用シートと太陽電池セルとの配置関係の他の例を示す説明用平面図である。
本実施の形態4において、太陽電池モジュールを構成する複数の矩形状太陽電池セル30は、図9に示すように、平面方向に一定のピッチでマトリクス状に配列される。そして、光再利用シート20において、互いに隣り合う太陽電池セル30間や太陽電池セル30が存在しない領域122には、上記実施の形態で述べた反射面を有する帯状の凸部201が光再利用シート20の長尺方向と交差する斜め方向に延在して一定のピッチで平行に配列されている。
なお、図9において、矢印N1は凸部201の反射面に対する法線であり、矢印H2は凸部201の反射面から太陽電池セル30への光の反射方向を示している。
このように構成された太陽電池モジュールにおいては、帯状凸部の帯状方向と太陽電池セル30の辺方向とを任意の角度を有して交差して配列することで、図8と比較して、領域Yに入射した光を、凸部201の反射面で反射した光H2として太陽電池セル30に変更することが可能となるため、より効率的に偏向することが可能となる。
図10は本発明にかかる太陽電池モジュールを構成する光再利用シートと太陽電池セルとの配置関係を示す更に他の説明用平面図である。
本実施の形態5において、太陽電池モジュールを構成する複数の矩形状太陽電池セル30は、図10に示すように、平面方向に一定のピッチでマトリクス状に配列される。そして、光再利用シート20において、互いに隣り合う太陽電池セル30間や太陽電池セル30が存在しない領域122には、上記実施の形態で述べた反射面を有する帯状の凸部からなる反射部120が配設されている。
なお、図10において、矢印Nは帯状凸部の反射面に対する法線であり、矢印H2は凸部の反射面から太陽電池セル30への光の反射方向を示している。
このように構成された太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セル30の位置に併せて、太陽電池セル30の周りを囲むように反射部120を配列することにより、反射部120で反射した光H2を太陽電池セル30により効率的に偏向することが可能となる。
図11は本発明にかかる太陽電池モジュールを構成する光再利用シートと太陽電池セルとの配置関係の更に他の例を示す説明用平面図である。
本実施の形態6において、太陽電池モジュールを構成する複数の矩形状太陽電池セル30は、図11に示すように、平面方向に一定のピッチでマトリクス状に配列される。そして、光再利用シート20において、互いに隣り合う太陽電池セル30間や太陽電池セル30が存在しない領域122には、上記実施の形態で述べた反射面を有する帯状の凹部及び凸部の何れか一方または両方が互いに交差するように配列してからなる反射部120が設けられている。
なお、図11において、矢印N1、N2は互いに交差する凹部または凸部の反射面に対する法線であり、矢印H2は互いに交差する凹部または凸部の反射面から太陽電池セル30への光の反射方向を示している。また、帯状の凹部及び凸部が互いに交差する角度は、適宜設定してよく、30度〜90度が好ましい。
また、帯状の凸部が図11に示すように配置された場合、図10と比較して、凸部の形状を面内で均一に形成した光再利用シート20を使用することが可能となり、太陽電池セル30とのアライメントが簡便となるため、製造工程の簡略化が可能となる。
図12は本発明にかかる光再利用シートを構成する反射用凸部の配列例を示す一部の拡大斜視図である。
この実施の形態7における光再利用シート20の反射部120は、図12に示すように、上記実施の形態で述べた反射面を有する帯状の第1凸部101を複数、その幅方向に互いに連接させて平行に配列したものと、第1凸部101より長い帯状の第2凸部102とを交差して組み合わせることで構成される。なお、図10において、矢印N1、N2は互いに交差する第1凸部101と第2凸部102の反射面に対する法線である。
この実施の形態7における反射部120の第1凸部101と第2凸部102との交差角度は、適宜設定してよく、30度〜90度が好ましい。
図13は本発明にかかる光再利用シートを構成する反射形成層及びこれに形成された反射用凸部の配列例を示す一部の拡大断面図である。
この実施の形態8において、光再利用シート20を構成する反射形成層3の上面に一体的に形成された反射用凸部は、図13(b)及び(c)に示すように、独立した光学単位要素5、例えば球体を弦状にカットした半球形状の反射面100を有する凸状マイクロレンズからなり、このような光学単位要素5を反射形成層5上にその上面に沿い二次元方向に一定のピッチまたはランダムなピッチで配列することにより光再利用シート20が構成れる。
また、光学単位要素5には、図13(b)に示すように、直径がDで、基部から頂部までの高さがhの形状のものが使用される。さらに、光学単位要素5の反射面100は、平面Pとの角度θrが図1に示す太陽光・照明光の側Fに近づくにつれて小さくなるように構成されている。すなわち光学単位要素5の基部側における反射面100の角度θrbは大きく、光学単位要素5の頂部側における反射面100の角度θrtは小さくなる。
また、このように独立した光学単位要素5を二次元方向に配列してなる光再利用シート20では、帯状の凸部を図3または図12に示すように配列する場合でと比較して、光学単位要素5の反射面100に入射して反射された光H2は全周方向に偏向されるため、図10や図11に示すような太陽電池セルとのアライメントが必要なく、製造工程の簡略化および太陽電池セルとのアライメント不良による光利用効率の低減を防止することが可能となる。
図14は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の変形例を示す説明図である。
図14に示す光学単位要素5Bは、直径がDで、高さhの凸型の円錐形状に形成され、その内側面は二次曲線状に湾曲する反射面100に構成されている。そして、光学単位要素5Bの谷部5B1側における反射面100の平面Pとのなす角度θrb及びθrm、光学単位要素5Bの頂部5B2側における反射面100の平面Pとのなす角度θrtを光学単位要素5Bの底部5B1から頂部5B2に行くに従い小さくなるように設定する。
このような光学単位要素5Bにおいては、図6に示す場合と同様に△θ0のズレが発生して入射した光H1−3が反射面100で反射された場合、その反射光は、図6に示す場合と同様に多重反射することなく前面板の光入射面と大気との境界に入射し、全反射が発生し、太陽電池セルの受光面に振り向けることが可能である。この場合、△θ0のズレが発生しない光より前面板の光入射面と大気との界面への入射角が大きくなるため、全反射する確率が高くなるため、より好ましい。
ことになる。
図15(a),(b)は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の他の例を示す説明図である。
図15(a)に示す光学単位要素5は、長軸a、短軸bを有する楕円錐形状に形成され、その外側面は、例えば図15に示すような反射面を有している。
このような光学単位要素5を複数個、その長軸aが互いに平行になるように一定のピッチで配列することにより光再利用シートを構成する。
このように光学単位要素5を楕円錐形状にすることより、その反射面で反射される光を任意の方向に強く偏向することが可能である。特に底面を楕円形状にした場合、楕円形状の長軸aと略直交した方向に強く偏向することが可能となる。このため、楕円形状の長軸aと略直交した方向を太陽電池セルに向けることで、光の利用効率を向上することが可能となる。
このような光学単位要素5を複数個、その長軸aが互いに平行しない、かつ不均一なピッチで配列することにより光再利用シートを構成する。
このように光学単位要素5を配列することで、長軸a方向の面内バラツキを統計的に制御し、これにより、全周方向の任意の範囲における反射光を強く偏向することが可能である。
図16は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の更に他の例を示す説明図である。
この実施の形態11に示す光学単位要素5は、底面が円形でドーム形状または円錐形状のマイクロレンズから構成され、この光学単位要素5を複数、比較的密にかつ幾何学的に配置する。具体的には、互いに隣接する3個の各光学単位要素5の頂部6間を結ぶ線S(S:光学単位要素5の配列ピッチに相当する)が正三角形格子パターンを呈するように配置されている。この配置パターンは、光学単位要素5の頂部6間のピッチS及び隣接する光学単位要素5間の距離Mは全て一定であり、これにより、マイクロレンズからなる光学単位要素5を最も密に配設することができる。
図17は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の更に他の例を示す説明図である。
この実施の形態12に示す光学単位要素5は、底面が円形でドーム形状または円錐形状のマイクロレンズから構成され、この光学単位要素5を複数、光学単位要素5のピッチS及び隣り合う光学単位要素5間の距離Mをランダムにして配置する。ここで、「ランダム」とは、光再利用シートの任意の領域において、光学単位要素5の頂部6間のピッチS及び光学単位要素5間の距離Mについて規則性を実質的に持たないことを意味する。したがって、任意の領域における微小領域において光学単位要素5の配置に規則性を有していても、任意の領域全体において光学単位要素5の配置について規則性を持たないものもここでいう「ランダム」に含まれる。
また、図16に示すように、底面が円形状の光学単位要素5を正三角形格子パターンで配列した場合、光学単位要素5の頂部6間のピッチS及び光学単位要素5間の距離Mが面内でわずかなバラツキが発生した場合、光利用シート全体としたムラとして視認されてしまう。これは、非常に均一に配置した構造がある場合に、わずかな距離のバラツキが強調されて視認されてしまうためである。図17のように、ランダムで配置することで、上述のようなムラの視認を防ぐことが可能となる。
図18(a)〜(c)は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の更に他の例を示す説明図である。
図18(a)に示す光学単位要素5は、底面が正六角形で六角錐形状のマイクロレンズから構成され、この光学単位要素5を複数、互いに密接するハニカム形状に配列したものである。
また、図18(b)に示す光学単位要素5は、底面が正四角形で四角錐形状のマイクロレンズから構成され、この光学単位要素5を複数、互いに密接するマトリクス状に配列したものである。
さらに、図18(c)に示す光学単位要素5は、底面が正三角形で三角錐形状のマイクロレンズから構成され、この光学単位要素5を複数、互いに密接するマトリクス状に配列したものである。なお。図18において、符号6は光学単位要素5の頂部を表している。
図19は、本発明における光再利用シートの反射形成層に形成される光学単位要素の更に他の例を示す説明図である。
図19に示す実施の形態では、底面が正八角形で八角錐形状のマイクロレンズからなる光学単位要素5aと、底面が正四角形で四角錐形状のマイクロレンズからなる光学単位要素5bとから構成され、この光学単位要素5aと5bを複数、互いに密接するマトリクス状に配列したものである。なお。図19において、符号6は光学単位要素5a、5bの頂部を表している。
隙間なく配置する方法としては、底面を正六角形、正方形、正三角形にすることで、底面の形状を同一にして配置することが可能となる。底面の形状を同一にすることで、光学単位要素の寸法、形状を同一にすることが可能となるため、ムラが生じない光再利用シートを作成することが可能となるので、好ましい。
特に底面を正六角形にした場合、底面同士の連結部の形状が直線状ではなく、より複雑なジクザグ形状にすることができるため、前面板22に光H0の入射時の反射を防ぐために、テクスチャ構造を設けた場合に、光再利用シート20の構造と、前面板22のテクスチャ構造との干渉による明暗縞を防ぐことが可能となる。
図20(a)、(b)は、本発明にかかる太陽電池モジュールの光再利用シートの更に他の実施の形態を示す拡大断面図である。
図20(a)に示す光再利用シート20は、平板状の基材2と、この基材2の上面に積層された反射形成層3とを備え、この反射形成層3は、光の反射性能及び耐熱性能を向上させる散乱反射体を含有して構成される。そして、反射形成層3の上面には、図3に示す場合と同様な帯状の複数の反射用凸部201が基材2の上面に沿い平行に配列して形成され、この凸部201は湾曲状の反射面100を有している。
このような構造の光再利用シート20においては、図1に示す光再利用シート20と比較して、金属反射層4を省略でき、かつ、図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
このような構造の光再利用シート20においては、図3に示す光再利用シート20と比較して、金属反射層4を省略でき、かつ、図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
に示す光再利用シート20は、平板状の基材2と、この基材2の上面に積層された反射形成層3とを備え、この反射形成層3は、光の反射性能及び耐熱性能を向上させる散乱反射体を含有して構成される。そして、反射形成層3の上面には、図3に示す場合と同様な帯状の複数の反射用凸部201が基材2の上面に沿い平行に配列して形成され、この凸部201は湾曲状の反射面100を有している。
このような構造の光再利用シート20においては、図1に示す光再利用シート20と比較して、金属反射層4を省略でき、かつ、図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
また、反射形成層3に凸部を形成する方法として、平面スタンパやロールスタンパの凹凸形成面に熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等を塗布または注入し、その上に基材2を配置して、硬化処理後にスタンパから離型するといった方法が挙げられる。
図21(a)、(b)は、本発明にかかる太陽電池モジュールの光再利用シートの更に他の実施の形態を示す拡大断面図である。
図21(a)に示す光再利用シート20は、基材2を用いることなく、光の反射性能及び耐熱性能を向上させる散乱反射体を含有する反射形成層3のみから構成され、この反射形成層3の上面には、図20(a)に示す場合と同様な帯状の複数の反射用凸部201が平行に配列して形成され、この凸部201は湾曲状の反射面100を有している。
このような構造の光再利用シート20においても、図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
このような構造の光再利用シート20においては、図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
また、反射面100を構成する凹部及び凸部のピッチとしては、300μm以下であることが望ましく、より望ましくは、200μm以下である。凹部及び凸部のピッチが300μmより大きい場合には、反射面100を成型するときの凹部の底部及び凸部の先端部分の型に樹脂が十分に入らないため成型性が悪い。
したがって、凹部及び凸部のピッチが200μm以下であれば比較的粘度の高い樹脂でも成型が可能となる。また、凹部及び凸部のピッチが小さすぎると型の作製が難しくなるため、25μm以上であることが望ましく、より望ましくは、50μm以上であることが望ましい。凹部及び凸部のピッチが25μmより小さいと、金型を切削する時間が長くタクトが落ち生産効率が悪い。さらに、凹部及び凸部のピッチが50μmより小さいと、反射面100を成形する際に樹脂がうまく溝に入らず凹部の底部及び凸部の先端部分の形状を金型どおり作製することができない。
また、反射形成層3の厚さは、特には限定されないが、例えば30μm以上、500μm以下である。
反射形成層3を形成するポリマー組成物中には、ポリマー組成物の他に例えば散乱反射体、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
上述のポリマー組成物としては、特に限定されるものではなく、例えばポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノルA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
当該ポリマー組成物のポリマー材料として用いられるポリオールとしては、上述のポリエステルポリオール、及び、上述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールをポリマー材料とすれば耐候性が高く、反射形成層3の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
なお、上述のポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
ポリマー組成物中に散乱反射体を含有することで、反射形成層3ひいては光再利用シート20の耐熱性が向上させることができ、かつ屈折率がポリマー組成物と大きく異なるものを用いれば、光を反射させることができる。
なお、これにより十分な反射率が得られる場合には、図18に示すように金属反射層4を設けなくても良い。
ただし、過度に散乱反射体を含有すると、散乱反射した光は、多重反射し損失となるため、好ましくは、散乱反射した光の主光線は全反射しており、主光線以外の散乱光は主光線にたいして、5度未満のズレとなるようにすることが好ましい。
この散乱反射体剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、シリカ等も用いることができるが、ZnS等の金属化合物を用いることもできるが特に、TiO2、ZrO、Al2O3等の金属酸化物が望ましい。またシリカの中空粒子を用いることもできる。このうち、TiO2は、屈折率が高く、分散性も得られやすいため好ましい。また、散乱反射体の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
また、散乱反射体のポリマー組成物100部に対する配合量の下限としては固形分換算で30部が好ましい。
一方、散乱反射体の上述の配合量の上限としては100部が好ましい。これは、無機充填剤の配合量が30部より少ないと、充填層21から反射形成層3に入射する光H1を十分に反射することができない。逆に、配合量が上述の範囲を越えると、成型性が悪い。
このように有機ポリマー固定の散乱反射体を用いることで、ポリマー組成物での分散性やポリマー組成物との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
また、上述の有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上述のポリマー組成物と相溶性を有する樹脂が好ましく、従ってポリマー組成物と同じ組成であるものが最も好ましい。
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、反射形成層3の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上述の多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
なお、散乱反射体は、内部に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、散乱反射体のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
上述のアルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。散乱反射体を構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、散乱反射体がコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
また、有機ポリマーを固定した散乱反射体の有機ポリマーの含有率については、特に制限されないが、散乱反射体を基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
また、上述のアンカーコート剤のコーティング量(固形分換算)は、1g/m2以上、3g/m2以下が好ましい。アンカーコート剤のコーティング量が1g/m2より少ないと、反射層4の密着性向上効果が小さくなる。一方、当該アンカーコート剤のコーティング量が3g/m2より多いと、光再利用シート20の強度、耐久性等が低下するおそれがある。
また、反射層4の厚さの下限としては、10nmが好ましく、20nmが特に好ましい。一方、反射層4の厚さの上限としては、200nmが好ましく、100nmが特に好ましい。反射層4の厚さが10nm下限より小さいと、充填層21から反射層4に入射する光を十分に反射することができない。また、20nm以上の厚さであっても、上述の反射層4で反射される光は増えないため、20nmであれば十分な厚さといえる。一方、反射層4の厚さが200nmの上限を超えると、反射層4に目視でも確認できるクラックが発生し、100nm以下であれば、目視で確認できないようなクラックも発生しない。
また、反射層4の外面には、トップコート処理を施すとよい(図示せず)。このように反射層4の外面にトップコート処理を施すことで、反射層4が封止及び保護され、その結果、光再利用シート20のハンドリング性が良くなる。また、反射層4の経年劣化も抑えられる。
上述のトップコート剤のコーティング量(固形分換算)は、3g/m2以上、7g/m2以下が好ましい。トップコート剤のコーティング量が3g/m2より小さいと、反射層4を封止及び保護する効果が小さくなるおそれがある。一方、当該トップコート剤のコーティング量が上7g/m2を超えても、上述の反射層4の封止及び保護効果があまり増大せず、かえって光再利用シート20の厚さが増大してしまう。
上述の樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有したものとして、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
また、上述のフッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
基材2を用いる場合には、その厚さは、25μm以上、500μm以下が好ましく、250μmが特に好ましい。基材2の厚さが25μmより薄いと、紫外線硬化樹脂等の硬化収縮の影響により、反射形成層3の塗工加工際にカールが発生し、太陽電池モジュール200に組み込む際に不具合が発生する。逆に、基材2の厚さが500μmを超えると、フィルム重量が増してしまい、太陽電池モジュール200の重量も増してしまう。250μm以下であれば、より軽量の太陽電池モジュール200を実現できる。
このような特徴の光再利用シート20を用いた太陽電池モジュール200によれば、隣り合う太陽電池セル30の間の領域Rに入射する光を光再利用シート20の反射面100で反射し、太陽電池セル30に入射させることができる。これにより、隣り合う太陽電池セル30の間の領域Rに入射する光も利用することができ、太陽電池モジュール200の発電効率を向上させることが可能となる。
図22は本発明にかかる太陽電池モジュールの他の実施の形態を示す断面図である。
図22において、図1と同様な構成要素には図1と同様な符号を付してその構成説明を省略し図1と異なる点を重点に説明すると、太陽電池モジュール200において、基材2に代えて、光再利用シート20に10μmから30μmのアルミ層や10nmから100nmのシリカ層からなるバリア層40を有したものを用いる。この場合、バリア層40の耐久性を上げるために、PVF(ポリフッ化ビニル樹脂)を塗布または、ポリフッ化ビニル樹脂を有したフィルムを張り合わせて、太陽電池モジュールを保護するようにしてもよい。このようにすることにより、太陽電池モジュール200をバックシートして用いることもできる。
図23は本発明にかかる太陽電池モジュールの更に他の実施の形態を示す断面図である。
図21において、図1と同様な構成要素には図1と同様な符号を付してその構成説明を省略し図1と異なる点を重点に説明すると、太陽電池モジュール200における光再利用シート20の構成要素を図7に示す構造の光再利用シート20組合わせたところにある。
すなわち、太陽電池セル30を埋設した充填層21の下面に光透過性の基材2を配置し、この基材2の充填層21と反対の下面に反射形成層3を積層して設け、この反射形成層3の基材2と反対の下面には、上記実施の形態1に示す凸部201と同形で、かつ同一曲率で凸状に湾曲する反射面を有する複数の反射用凸部203を前面板の光入射面と平行な平面Pと平行な面に沿い形成し、さらに、これら凸部203の反射面を高反射率の金属反射層4で覆うように構成したところにある。
このように構成された光再利用シート20を有する太陽電池モジュール200においても図1に示す場合と同様な作用効果が得られる。
(実施例1)
実施例1として、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300゜Cに加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、ストライプ状に配列された凹凸構造の形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80゜C)することで熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製された光再利用シート20は、ピッチが120μmの反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の凹凸構造を成形した。
このように冷却ロールにストライプ状の凹凸構造を有する金型ロールを作製することで、ロールtoロール(フィルム送り速度1m/min)による押し出し成形で構造層3を作製することが可能であった。 さらに、その上に、アルミを約20nmになるように蒸着により、反射層4を形成した。
実施例2として、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300゜Cに加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、第1の凹凸構造の形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80゜C)し、第1の凹凸構造の形状が成形されたフィルムが完全に硬化する前に、続いて第2の凹凸構造の形状が切削されたシリンダー金型で加圧しながら冷却する(第2のレンズアレイ5の形状が切削されたシリンダー金型の温度は水冷式のロールで10゜C)ことで更に熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製された光再利用シート20は、ピッチが120μmの反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第1の凹凸構造と、さらにその凹凸構造の長手方向に直交するように、ピッチが30μmで反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第2の凹凸構造を有する光再利用シート20の形状を成形した。
実施例3として、熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300゜Cに加熱し、ロールに沿わせ延伸しながらフィルムを成形した後に、光再利用シート20の形状に切削したシリンダー金型を使用して加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(光再利用シート20の形状に切削したシリンダー金型は水冷式のロールで80゜Cに設定した。)することで熱可塑性樹脂の粘性を低下させ、光再利用シート20の形状を維持した状態で硬化させた。
この方法により、作製された光再利用シート20は、ピッチが80μmの反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第1の凹凸構造と、さらにその凹凸構造の長手方向に直交するように、ピッチが40μmで反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第2の凹凸構造を有する光再利用シート20の形状を成形した。
ここで、実施例2の作製方法は、2つの冷却ロールの一つをレンズ形状が異なるものに代えることで、容易に光再利用シート20の形状を変形できるのに対し、実施例3の方法では、実施例2のように2つの冷却ロールの冷却温度の設定や加圧条件の最適化をする手間が少ない分簡便であるという利点がある。
実施例4として、光学用2軸延伸易接着PETフィルム(膜厚125μm)上に、光再利用シート20のパターンを形成させるウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.51))を塗布し、光再利用シート20の反射面100の形状に切削したシリンダー金型を使用して紫外線硬化型樹脂が塗布されたフィルムを搬送しながらUV光をPETフィルム側から露光することにより、紫外線硬化型樹脂を硬化し構造層3を形成した。硬化後、PETフィルムから金型を離型することにより、ピッチが100μmの反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第1の凹凸構造と、さらにその凹凸構造の長手方向に直交するように、ピッチが40μmで反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の第2の凹凸構造を有する光再利用シート20の形状を成形した。さらに、その上に、アルミを約20nmになるように蒸着により、反射層4を形成した。
実施例5として、光学用2軸延伸易接着PETフィルム(膜厚125μm)上に、光再利用シート20のパターンを形成させるウレタンアクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂(日本化薬社製ウレタンアクリレート樹脂(屈折率1.51))を塗布し、光再利用シート20の反射面100の形状にエッチングして成形したシリンダー金型を使用して紫外線硬化型樹脂が塗布されたフィルムを搬送しながらUV光をPETフィルム側から露光することにより、紫外線硬化型樹脂を硬化し構造層3を形成した。硬化後、PETフィルムから金型を離型することにより、直径が80μmで、谷部角度が、28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面円錐形状の光学素子5を、ランダムに配置した構造を有する光再利用シート20の形状を成形した。なお、光学素子5間に発生する平坦部には、マット面処理をしている。さらに、その上に、アルミを約20nmになるように蒸着により、反射層4を形成した。
実施例6として、基材2としての250μmのPETフィルムに、構造層3として紫外線硬化アクリル系樹脂からピッチが150μmの反射面100の谷部の角度が28.4度、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の凹凸構造を形成したものを積層し、金属反射層4として20nmのアルミ層を蒸着法により形成し光再利用シート20を得た。これを用い、太陽電池モジュール200を作製した。前面板22として約2mmのガラス板、前面板22から1.0mmの位置に、太陽電池セル30がくるように、厚さ約1.5mmになるようにEVAを充填し充填層21を形成した。太陽電池セル30として多結晶タイプのものを用い、太陽電池セル30の周辺部余白が太陽電池モジュール200の全面積に対して約10%となるものを用いて発電効率の測定をおこなった。さらに前面板22を、屋外試験を実施した同サイズのガラス板に変更して発電効率の測定を行い、発電効率の変化を確認した。表1にその発電効率の結果を示す。
実施例7として、基材2としての250μmのPETフィルムに、構造層3として紫外線硬化アクリル系樹脂からピッチが150μmの反射面100の谷部の角度が30度で、頂部の角度が17.5度の突出方向につれて連続的に角度が小さくなる球面プリズム状の凹凸構造を形成したものを積層し、金属反射層4として20nmのアルミ層を蒸着法により形成し光再利用シート20を得た。これを用い、太陽電池モジュール200を作製した。前面板22として約2mmのガラス板、前面板22から1.0mmの位置に、太陽電池セル30がくるように、厚さ約1.5mmになるようにEVAを充填し充填層21を形成した。太陽電池セル30として多結晶タイプのものを用い、太陽電池セル30の周辺部余白が太陽電池モジュール200の全面積に対して約10%となるものを用いて発電効率の測定をおこなった。さらに前面板22を、屋外試験を実施した同サイズのガラス板に変更して発電効率の測定を行い、発電効率の変化を確認した。表1にその発電効率の結果を示す。
実施例7の場合では、凹凸構造の谷部近傍に入射した一部の光は、多重反射が発生する。多重反射が発生する範囲は、0≦t<0.15Sの範囲であった。
(比較例1)
比較例1として、基材2としての250μmのPETフィルムに、構造層3として紫外線硬化アクリル系樹脂からピッチが150μmの反射面100の断面角度が30°と一定で曲面を有しない三角プリズム状の凹凸構造が形成したものを積層し、金属反射層4として20nmのアルミ層を蒸着法により形成し光再利用シート20を得た。これを用い、太陽電池モジュール200を作製した。前面板22として約2mmのガラス板、前面板22から1.0mmの位置に、太陽電池セル30がくるように、厚さ約1.5mmになるようにEVAを充填し充填層21を形成した。太陽電池セル30として多結晶タイプのものを用い、太陽電池セル30の周辺部余白が太陽電池モジュール200の全面積に対して約10%となるものを用いて発電効率の測定をおこなった。さらに前面板22を、屋外試験を実施した同サイズのガラス板に変更して発電効率の測定を行い、発電効率の変化を確認した。表1にその発電効率の結果を示す。
図24に示す結果から、本発明のような光再利用シート20を用いることにより、前面板22の光入射面100にて、汚れや傷によって、垂直入射した光がズレた場合でも、太陽電池の発電効率向上率の低下を低減可能なことが分かる。
Claims (2)
- 光が入射する光入射面を有する透明な前面板と、
前記前面板の前記光入射面と反対の面に積層され前記前面板を透過した光が透過する充填層と、
前記充填層内に埋設され前記前面板と対向する面に受光面を有するとともに前記充填層を透過する光を前記受光面で受光して電気エネルギに変換する太陽電池セルと、
前記充填層の前記太陽電池セルの前記受光面と反対の面に積層され前記太陽電池セルの前記受光面で受光されずに前記充填層を透過する光を前記前面板に向けて反射し前記前面板の前記光入射面の界面で前記太陽電池セルの前記受光面に向け反射させる反射形成層を有する光再利用シートとを備えた太陽電池モジュールであって、
前記光再利用シートは、前記太陽電池セルの前記受光面とは反対側の前記充填層の面に設けられ、第1傾斜部と第2傾斜部を含む複数の凹凸部を有する反射形成層と、前記凹凸部の表面に設けられた反射面とを含み、
前記反射面に沿った所定位置における、前記光入射面に平行な平行面と前記反射面とがなす角度θrは、前記所定位置が前記反射面に沿って前記前面板に近づくに伴って、減少しており、
前記凹凸部において、前記反射面と前記前面板との距離が最大である位置における前記平行面と前記反射面とがなす角度をθrbで表し、前記凹凸部の配列ピッチをSで表し、前記凹凸部の深さをdで表したときに、式tan(90°−2θrb)・S/2>dを満たし、
前記凹凸部は、一方向に延在する帯状であって、前記反射形成層と前記充填層との界面に沿って該光再利用シートの長尺方向と交差する斜め方向に延在して一定のピッチで平行に配列されており、
前記光再利用シートの1辺と、前記太陽電池セルの1辺を平行に設置することを特徴とする太陽電池モジュール。 - 請求項1に記載の太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池セルの前記受光面で受光されずに前記充填層を透過する第1光を前記前面板に向けて反射させて第2光を生成し、前記光入射面と前記前面板の外部との界面において前記第2光を反射させて第3光を生成し、前記第3光を前記太陽電池セルの前記受光面に入射させ、
前記第1傾斜部に起因する反射によって生成された第2光は、前記第1光に対する第1角度を有して前記前面板に向けて進み、前記凹凸部から第1距離で離間された前記前面板の第1界面部において反射されて前記第3光に変換され、
前記第2傾斜部に起因する反射によって生成された第2光は、前記第1光に対する第1角度よりも小さい第2角度を有して前記前面板に向けて進み、前記第1距離よりも小さい第2距離で前記凹凸部から離間された前記前面板の第2界面部において反射されて前記第3光に変換されることを特徴とする太陽電池モジュール。
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