JP2013004948A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】板状太陽電池セルの周囲へ入射する光を有効に利用できる太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール1は、光透過基板11と、光反射基板14と、前記光透過基板と前記光反射基板との間に充填された封止樹脂13と、前記封止樹脂13の内部に配置された複数の板状太陽電池セル12とを備えた太陽電池モジュールであって、前記複数の板状太陽電池セル12は、面内において所定の間隔に配置されたセルマトリクスを形成してなり、前記光反射基板14は、前記セルマトリクスの外周領域に入射した光を反射する外周部と、前記板状太陽電池セル間に入射した光を反射する格子部とを備え、前記外周部は白色反射層を備え、前記格子部は金属膜反射層を備え、前記金属膜反射層の反射面の少なくとも90%の領域に凹凸形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光反射基板を太陽電池セル背面に設置することによって、太陽電池セル表面に入射する光を増加する太陽電池モジュールに関するものである。
近年、地球環境問題および省エネルギーへの関心の高まりとともに、自然エネルギーを利用した新エネルギー技術が注目されている。そのひとつとして、太陽エネルギーを利用する太陽光発電への関心が高くなり普及が加速されてきている。
太陽光発電に使用される太陽電池モジュールは、太陽の光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽光発電システムの心臓部を構成するものである。太陽電池モジュールに使われる太陽電池セルとしては、結晶シリコンが知られている。結晶シリコンは、シリコンインゴットからスライスしたウェハを原料としているため、太陽電池セルの大きさはシリコンインゴットにより制限される。そのため結晶シリコンの太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルを並べて直並列に接続し、光透過基板・封止樹脂・光反射基板で挟持する構造が一般であり、隣り合う太陽電池セル同士の間はある程度間隔が空いている。また、太陽電池モジュールの端部には、雨水などの浸食を防ぐため太陽電池セルを配していない余白部分が設けられている。これらの隙間および端部の余白部分には太陽電池セルが無いため、これらの領域に光が照射されても発電されず損失となっている。
図19は、従来の太陽電池モジュールの概略を示す断面模式図である。太陽電池モジュール1は、受光する側から光透過基板11、封止樹脂13および光反射基板14の順に積層されており、封止樹脂13の層内に板状太陽電池セル12が互いに間隔をおいて隣接した状態で固定されて配置されている。
光反射基板14が、平坦な白色顔料を用いた白色樹脂フィルムの場合、太陽電池モジュール1に入射した光I0は、板状太陽電子セル12の隙間およびよび端部の余白部分を通過して、光反射基板14でランダムな方向へ反射されて、その大部分が光透過基板11から出射する光路を進む。入射した光I0が、かかる光路を進むと太陽電池モジュール1から光が漏れるので太陽電池の発電効率に寄与しなく、板状太陽電池セル12の隙間および端部の余白部分を通過した光を有効利用することができない。
この損失を減らす技術として、太陽電池セルを配していない隙間および端部の余白部分に照射された光を、光反射基板に設けられた凹凸光反射構造で反射させ、次いで光透過基板の表面で反射させて、太陽電池セルに入射させる技術が知られている(特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、従来の太陽電池モジュールでは、光反射基板の凹凸光反射構造が、隣り合う太陽電池セル同士の間の隙間と太陽電池モジュールの端部の太陽電池セルを配していない余白部分とを区別することなく設計されており、光の有効利用が十分ではなかった。さらに、凹凸光反射構造の設計は、太陽電池セルの配列間隔に基づいていなかった。
特許第3616568号公報 特開2010−123720号公報 特開2010−147454号公報
以上のように、これまで知られた技術では、太陽電池モジュールの端部の太陽電池セルを配していない余白部分があるため、セルマトリクスの周囲へ入射する光を有効に利用できていなかった。また、近年狭い傾向にある太陽電池セルの配列間隔が考慮されておらず、凹凸光反射構造の有効的利用に結びついていなかった。
そこで、本発明の目的は、光反射基板の外周部に白色反射層を備え、光反射基板の格子部に反射面全面に凹凸形状を有する金属膜反射層を備えることにより、太陽電池セルの周囲へ入射する光を有効に利用できる太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明の太陽電池モジュールは、光透過基板と、光反射基板と、前記光透過基板と前記光反射基板との間に充填された封止樹脂と、前記封止樹脂の内部に配置された複数の板状太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールであって、前記複数の板状太陽電池セルは、面内において所定の間隔に配置されたセルマトリクスを形成してなり、前記光反射基板は、前記セルマトリクスの外周領域に入射した光を反射する外周部と、前記板状太陽電池セル間に入射した光を反射する格子部とを備え、前記外周部は白色反射層を備え、前記格子部は金属膜反射層を備え、前記金属膜反射層の反射面の少なくとも90%の領域に凹凸形状を有することを特徴とする太陽電池モジュールである。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の凹凸形状は、長方形または正方形の底面を有する錘状体が、複数配列してなることである。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の錘状体が、底面の中心における垂線上に頂部を有することである。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の錘状体が、周期的に配列してなることである。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の隣接した2つの錘状体の側面の境界線と前記の板状太陽電池セル周囲の辺とが、42°〜48°で交わるように設置されていることである。
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の光透過基板の光入射面から前記の金属膜反射層までの距離をt1、前記の光透過基板の光入射面から前記の板状太陽電池セル表面までの距離をt2、前記の錘状体の頂角をαとしたとき、等間隔に並べられた前記板状太陽電セルの配列間隔Lが、下式(1)を満たしていることである。
Figure 2013004948
本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様によれば、前記の錘状体の頂角αは、下式(2)の角度である。
115°<α≦140° ・・・(2)
本発明の太陽電池モジュールによれば、光反射基板の外周部に白色反射層を備え、光反射基板の格子部に反射面の少なくとも90%の領域に凹凸形状を有する金属膜反射層を備えることにより、板状太陽電池セルの周囲へ入射し、本来なら損失してしまう光を太陽電池の発電に寄与することができる。
また、太陽電池セルの配列間隔と凹凸形状の設計とを結びつけることにより、凹凸光反射構造を有効的に利用することができる。
図1は、本発明の太陽電池モジュールの概略を示す断面模式図である。 図2は、本発明の太陽電池モジュールの概略およびそれに入射する光の反射経路の一例を示す断面模式図である。 図3は、本発明の太陽電池モジュールの概略を示す平面模式図である。 図4は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第1構成例の光反射基板の一例を示す断面模式図である。 図5は、図4に示す光反射基板の平面模式図である。 図6は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第1構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。 図7は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第2構成例の光反射基板の一例を示す断面模式図である。 図8は、図7に示す光反射基板の平面模式図である。 図9は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第2構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。 図10は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第2構成例の光反射基板のさらに別の例を示す断面模式図である。 図11は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第3構成例の光反射基板の一例を示す断面模式図である。 図12は、図11に示す光反射基板の平面模式図である。 図13は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第3構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。 図14は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第3構成例の光反射基板の、さらに別の例を示す断面模式図である。 図15は、本発明の実施形態における太陽電池モジュールの平面模式図である。 図16は、本発明の太陽電池モジュールに用いられる光反射基板が有する格子部の、一例を示す平面模式図および断面模式図である。 図17は、本発明の太陽電池モジュールに用いられる光反射基板が有する格子部の凹凸形状の作用を説明する断面模式図である。 図18は、本発明の太陽電池モジュールに入射する光の経路の一例を説明する平面模式図および断面模式図である。 図19は、従来の太陽電池モジュールの概略を示す断面模式図である。 図20は、実施例2と比較例2の対比を示すグラフである。
次に、本発明の太陽電池モジュールについて、図面に基づき詳細に説明する。
[太陽電池モジュールの構成の概略]
図1は、本発明の太陽電池モジュールの概略を示す断面模式図であり、図2は、本発明の太陽電池モジュール概略およびそれに入射する光の反射経路の一例を示す断面模式図である。図では太陽電池モジュール1の一部のへりeを示し、一部は省略している。
図1と図2において、太陽電池モジュール1は、光が入射する側から光透過基板11、封止樹脂13および光反射基板14の順に積層構成を有しており、封止樹脂13の内部に複数の板状太陽電池セル12が配置されている。これらの板状太陽電池セル12は、光透過基板11と平行な同一平面内に所定の間隔に並べられ、これらが相互にリード線(図示しない)でつながれたセルマトリクスとなっている。
図1に示す配列間隔Lと、光透過基板11の光入射面aから光反射基板14内部の金属膜反射層までの距離t1および光透過基板11の光入射面aから板状太陽電池セル12の表面bまでの距離t2との関係については、後述する。
(光透過基盤板)
本発明で用いられる光透過基板11の材質は、一般に光透過率が高い透明な材料であるガラスや樹脂を用いることが多く、特にその耐久性と強度からガラスが用いられることが多い。ガラスの市販品として、AGC製のsoliteが挙げられる。これら光透過基板11は、屈折率が通常約1.5〜1.6であり、光透過率は90%以上であることが多く、またガラスの場合その強度から厚みが約2〜5mmのものが用いられることが多い。
(封止樹脂)
本発明で用いられる封止樹脂13の材質としては、EVA(エチレン・ビニル・アセテート)やPVB(ポリ・ビニル・ブチラール)などが挙げられる。EVAの市販品として、三井ファブロ(株)の“ソーラーエバ”(登録商標)が挙げられる。封止樹脂の屈折率は一般的に光透過基板と差が無く、通常約1.4〜1.6であり、封止樹脂13の層としての厚みは0.5〜1mmのものを用いることが多い。
(板状太陽電池セル)
本発明で用いられる板状太陽電池セル12は、その表面bに受光した光のエネルギーを電気のエネルギーに変換する装置であり、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、シリコン系薄膜型およびCIGS(Cu・In・Ga・Seの化合物)系薄膜型など多くの種類が存在するが、本発明の太陽電池モジュール1においてはその種類は限定されない。しかしながら、板状太陽電池セル12の形状は、おおよそ正方形をなした板状であり、四隅が丸みを帯びていることが多い。
一般に、上記のような実質的に同一形状の複数の板状太陽電池セルが1直線上に並べられ、それらが相互にリード線でつながれたものをストリングスと呼び、複数のストリングスを正方形あるいは長方形に配列し、ストリング間を配線したものをマトリクスと呼んでおり、本発明で用いられるセルマトリクスも同様である。
板状太陽電池セル12の相互をつなぐ配線材の材質は、銅線が主流である。一般的に、板状太陽電池セル12が約2〜3mm間隔で約6〜10枚つながっているストリングスを、約3〜8本用いてセルマトリクスをなすことが主流であるが、本発明においては板状太陽電池セル12の間隔は、上記2〜3mm間隔でもよいが、好ましくは約5〜30mmを想定している。
本発明において、封止樹脂13の内部に配置された複数の板状太陽電池セル12は、面内において上記のように互いに平行になるように秩序をもって所定の間隔にて並べられ、より好ましくは、最も好ましいセル間隔で等間隔に並べられる。
[光反射基板の構成]
本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14は、図2に示されるように、セルマトリクスの外周領域に入射した光I1を反射する外周部A1と、板状太陽電池セル12の隙間に入射した光I2を反射する格子部A2とを備えており、外周部A1に入射する光I1はランダムな方向へ反射され、格子部A2に入射する光I2は太陽電池モジュール1から光が漏れないような特定方向へ反射される。
本発明において、光反射基板14は、上記のとおりセルマトリクスの外周領域に入射した光を反射する外周部A1と、板状太陽電池セル12間に入射した光を反射する格子部A2とを備え、外周部A1は白色反射層を備え、格子部A2は金属膜反射層を備え、その金属膜反射層の反射面の少なくとも90%の領域に凹凸形状を有するものである。90%より少ないと、格子部A2に入射して金属膜反射層で反射される光のうち光透過基板11から太陽電池モジュール1の外に漏れる光量が多くなり、多くの光を有効利用できない。好ましくは95%以上の領域に凹凸形状を有することであるが、必ずしも金属膜反射層の全面にある必要はなく、少なくとも、90%以上の領域に凹凸形状を有すれば本発明の効果を得ることができる。なお、図1と図2にこれらの凹凸形状等の構成については省略しており図示されていない。後述する。
図3は、本発明の太陽電池モジュール1の概略を示す平面模式図である。上記外周部A1と格子部A2の境界は、境界線fによって示される。
本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14において、少なくとも格子部A2は凹凸形状(図示せず)を有しており、この凹凸形状は実質的に同一の錘状体が周期的に複数配列してなっていることが好ましい。この錘状体については後述する。
(第1構成例)
図4は、本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14の第1構成例の一例を示す断面模式図であり、図5は、図4の光反射基板14の平面模式図である。
図4と図5において、光反射基板14の全領域は、基材層103、凹凸層102、透明保護層101がこの順に積層されており、加えて、光反射基板14の外周部A1以外の領域において、凹凸層102の形状表面に金属膜反射層104が設けられている。
基材層103は、凹凸層102、金属膜反射層104および透明保護層101を支持するフィルム状物であり、例えばさらに、長時間使用された場合でも太陽電池モジュール1を保護する機能を有したフィルムを用いることもできる。また、基材層103は、光が入射する側の面が白色であることが好ましい。
基材層103として、太陽電池モジュール1を保護する機能としては、例えば、耐加水分解機能や水蒸気バリア機能や電気絶縁機能を挙げることができるが、これに限定されることなく太陽電池モジュール1を保護する機能であれば好適に組み合わせて使用しても良い。また、異なる機能を持つフィルムを積層して基材層103を構成しても良い。複数のフィルムを積層して基材層103を構成する場合、白色を有するフィルムが最も透明保護層101側に配されることが望ましい。
耐加水分解機能は、高温高湿下において長時間使用された場合においても、樹脂の加水分解が抑制されるために、機械特性を実用上問題のないレベルに保持する機能である。耐加水分解機能フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂フィルムやポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレートおよびフッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。また、これらのフィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤および充填剤等の添加剤を添加した樹脂フィルム等も用いることができる。
また、水蒸気バリア機能は、長時間使用された場合においても、太陽電池モジュール内部への水含有が抑制されるために、水蒸気透過率を実用上問題のないレベルに保持する機能である。水蒸気バリア機能フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、蒸着法等により少なくとも一層の無機酸化物層を設けた積層フィルムなどが挙げられる。また、これらのフィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤および充填剤等の添加剤を添加した樹脂フィルム等も用いることができる。
上記の無機酸化物層を構成する金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム合金および酸化珪素等を例示することができ、また金属窒化酸化物としては、酸化窒化珪素等を例示することができる。特に、水蒸気遮断性および生産効率の点などから、酸化アルミニウム、酸化珪素および酸化窒化珪素などの無機酸化物やこれらの混合物が好ましく用いられる。
電気絶縁機能は、長時間使用された場合においても、太陽電池モジュールの電気的な安定性を保つために、絶縁破壊電圧を実用上問題のないレベルに保持する機能である。電気絶縁機能フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、延伸硬質塩ビ(PVC)、ポリカーボネート(PC)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)、トリアセテート(TAC)、ポリイミド(PI)およびフッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
さらに、白色を有するフィルムとしては、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂に、白色顔料を練り込んだ樹脂原料を製膜したフィルムが挙げられる。白色顔料としては、酸化チタンや酸化亜鉛を利用することができ、白色顔料を混練することにより白色樹脂フィルムとすることができる。
光反射基板14を構成する凹凸層102は、光が入射する側の面に、錘状体が周期的に複数配列してなる凹凸形状が形成されており、外周部A1以外の領域において、金属膜反射層104に光変角反射機能を与える。
凹凸形状を形成する方法としては、(a)金型を用いた金型転写方法や(b)基材表面を直接加工する方法等が挙げられる。
上記の(a)金型転写方法についてさらに詳述すると、(a1)金型または/および上記基材を加熱した状態で金型を加圧、圧着させ賦形する方法、(a2)上記基材の表面に光または熱硬化性樹脂を積層し、その表面に金型を押しあて、活性エネルギー線の照射または加熱により樹脂を硬化させて賦形する方法、および(a3)予め金型の凹部に充填された樹脂を、基材上に転写する方法等が挙げられる。
また、上記の(b)基材表面を直接加工する方法としては、(b1)機械的に切削冶具などを用いて所望形状に削る方法、(b2)サンドブラスト法により削る方法、(b3)レーザーにより削る方法、および(b4)基材表面に光硬化性樹脂を積層し、該基材の表面をリソグラフィーや光干渉露光法などの手法を用いて所望形状に加工する方法等が挙げられる。
これらの方法のうちでは、生産性の観点から、上記の(a)金型転写方法がより好ましい製造方法であるが、これらのプロセスを組み合わせることも可能であり、適宜プロセスを選択することで、求める凹凸層を得ることができる。
上記の(a1)金型また/および上記基材を加熱した状態で金型を加圧、圧着させ賦形する方法に用いられる材料として、熱可塑性樹脂が挙げられる。成型用の熱可塑性樹脂は、金属膜反射層104を形成時に過熱する場合があるので、耐熱性に優れたものであれば特に指定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂やポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエステルアミド系樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるものである。適度の耐熱性とコストを考慮すると、ポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
また、(a2)上記基材の表面に光又は熱硬化性樹脂を積層し、その表面に金型を押しあて、活性エネルギー線の照射、または加熱により樹脂を硬化させて賦形する方法に用いられる材料として、光硬化性樹脂と熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂の例としては、分子内に少なくとも一つのラジカル重合性を有する化合物またはカチオン重合性を有する化合物等が挙げられる。
ラジカル重合性を有する化合物としては、活性エネルギー線によりラジカルを発生する重合開始剤の存在下に、活性エネルギー線照射により高分子化または架橋反応する化合物で、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むものであり、1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、またこれらのオリゴマー、ポリマーおよび混合物であってもよい。
また、分子内に少なくとも一つのカチオン重合性を有する化合物としては、オキシラン環を有する化合物、オキセタン環を有する化合物およびビニルエーテル化合物から選ばれる一つあるいは2種以上の化合物から選ばれるもの等が挙げられる。熱硬化性樹脂の例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂およびシリコン樹脂等が挙げられ、これらより選択される1種類もしくは2種類以上の混合物を用いることができる。
光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂には、重合開始剤が用いられる。光硬化性樹脂の場合には、感光波長および重合形式に合わせ、活性エネルギー線の照射によりラジカル種またはカチオン種を発生する光重合開始剤を、また熱重合開始剤の場合にはプロセス温度に合わせた熱重合開始剤を用いることが好ましい。
また、金型転写方法に用いる金型は、その転写面に微細なパターンを有するものである。金型にパターンを形成する方法としては、機械加工、レーザー加工、フォトリソグラフィおよび電子線描画方法等がある。設計された多角形形状を精度良く加工する観点からは、設計形状を刃先に持つ切削バイトを用いた機械加工が好ましい。金型の材質としては、所望の凹凸形成時の強度、パターン加工精度およびフィルムの離型性が得られるものであればよく、例えば、ステンレス、ニッケルおよび銅等を含んだ金属材料や、シリコン、ガラス、セラミックス、樹脂、もしくは、これらの表面に離型性を向上させるための有機膜を被覆させたものが好ましく用いられる。金型のパターンは、シート状の樹脂基材の表面に付与したい凹凸パターンに対応して形成されているものである。
光反射基板14を構成する透明保護層101は、凹凸層102の凹凸形状や金属膜反射層104を封止し、経時劣化から保護する機能をもつ。その材料としては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、フッ素樹脂系、エポキシ系、フェノール系、(メタ)アクリル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系およびセルロース系などの樹脂が挙げられる。これらの中でも、金属膜反射層104との接着強度が高く、表面保護および欠陥の封止等に寄与するポリエステル系樹脂が特に好ましく用いられる。上述の材料には、密接着性向上のためのシランカップリング剤、耐候性等を向上させるための紫外線吸収剤および耐熱性等を向上させるための無機フィラー等の各種添加剤を適宜混合することができる。
ここで、透明保護層101は、金属膜反射層104よりも板状太陽電池セル12に近い側に配されるため透光性であることが必要であり、板状太陽電池セル12が光電変換する波長域で光吸収の少ない透光性であることが好ましい。ここでいう透光性は、分光光度計を用いて光反射基板14の格子部A2に対して透明保護層101側から垂直入射した光量に対して、反射光の全光量を計測することにより確認することができる。板状太陽電池セル12が最も良く光電変換する波長での、入射光量に対する反射光量の割合平均が80%以上の高反射率であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
また、透明保護層101と封止樹脂13の屈折率差は、0.3以下であることが好ましい。屈折率差が0.3を超えると、透明保護層101と封止樹脂13の界面で反射される光量が1%を超えるため、光透過基板11から太陽電池モジュール1の外に漏れる光が多くなる。
光反射基板14を構成する金属膜反射層104は、格子部A2に入射する光I2(図2参照。)を太陽電池モジュール1から漏れない方向に光を反射させることを目的とする光反射層である。金属膜反射層104に用いられる金属としては、光反射性を有しかつ蒸着が可能であればよく、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)等、およびこれらを主体とする合金が挙げられる。これらの中でも、反射性が非常に高い金属膜反射層104を得ることができる銀(Ag)、もしくは反射率が比較的高く材料が安価であるアルミニウム(Al)が好ましく用いられる。
また、金属膜反射層104は、凹凸層103を基材として凹凸形状が形成された面に沿って、第1構成例においては、外周部A1以外の領域に、金属を蒸着することにより形成される。蒸着手段としては、基材に収縮や黄変等の劣化を招来することなく、また所定の領域に金属が蒸着できればよく、例えば、(a)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法およびイオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法 PVD法)や、(b)プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法 CVD法)が採用される。これらの蒸着法の中でも、生産性が高く良質な金属膜反射層104が形成できる真空蒸着法やイオンプレーティング法が好ましく用いられる。
また、金属膜反射層104は、単層構造でもよく2層以上の多層構造でもよい。金属膜反射層104を多層構造とすることにより、蒸着の際に懸かる熱負担の軽減により基材となる凹凸層102の劣化が低減され、さらに凹凸層102と金属膜反射層104や、透明保護層101と金属膜反射層104との密着性等を改善することができる。このとき、金属反射層104の上に、酸化金属層を設けても良い。また、上述の物理気相成長法および化学気相成長法における蒸着条件は、基材の樹脂種類や金属膜反射層104厚さ等に応じて適宜設計される。
金属膜反射層104の厚さの下限としては、10nmが好ましく、より好ましくは20nmである。一方、厚さの上限としては、200nmが好ましく、より好ましくは100nmである。厚さが10nm下限より小さいと、光を十分に反射することができない。一方、厚さが200nmを超えると、光反射性金属層102にクラックが発生することがある。
本発明において、基材層103/凹凸層102/透明保護層101をこの順に、また、外周部A1以外の領域においては、基材層103/凹凸層102/金属膜反射層104/透明保護層101をこの順に積層させてシート状に加工する手法としては、既知のドライラミネート法を利用することができる。ドライラミネート法を用いた貼り合わせには、ポリエーテルポリウレンタン系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエステル系およびポリエポキシ系の樹脂などを主剤とし、ポリイソシアネート系樹脂を硬化剤とする公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。
図6は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第1構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。具体的に、図6は、本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14の第1構成例の別の例を示す断面模式図である。ここでは、図6の光反射基板14の外周部A1において、凹凸層102の形状表面に白色要素105を設けてもよく、特に、凹凸層102の透明度が小さい場合、あるいは凹凸層の透明度が大きくても基材層103の白度が小さい場合、白色要素105を設けることが特に望ましい態様である。
外周部A1における凹凸層102の形状表面に白色要素105を設ける方法としては、白色塗料をコーティングする方法等が挙げられる。
外周部A1において、基材層103/凹凸層102/白色要素105/透明保護層101をこの順に積層させてシート状に加工する手法としては、上記した既知のドライラミネート法を利用することができる。
(第2構成例)
図7は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第2構成例の光反射基板の一例を示す断面模式図であり、図8は、その図7に示す光反射基板の平面模式図である。具体的に、図7と図8は、本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14の第2構成例の一例を示す断面模式図と平面模式図である。
図7において、光反射基板14は、外周部A1以外の領域においては第1構成例と同様の構造であるが、外周部A1においては、凹凸層102は凹凸形状をもたず、平坦である。
この第2構成例でも、第1構成例と同様に、基材層103は、光が入射する側の面が白色であることが好ましい。第2構成例においても、透明保護層101、凹凸層102、基材層103および金属膜反射層104の材料と構造は、第1構成例に基づき、凹凸層102の形成および金属膜反射層104の蒸着は、所定の領域に形成および蒸着できれば特に限定されない。
図9と図10は、それぞれ本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第2構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。
図9に示されるように、太陽電池モジュール1の外周部A1においては、光反射基板14は基材層103および透明保護層101の二層構成でもよく、さらに、図10に示されるように、透明保護層101の代わりに白色要素105を用いて、基材層103および白色要素105の2層構成でもよい。
(第3構成例)
図11は、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第3構成例の光反射基板の一例を示す断面模式図であり、図12は、その図11に示す光反射基板の平面模式図である。具体的に、図11と図12は、本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14の第3構成例の一例を示す断面模式図と平面模式図である。ここでの第3構成例の光反射基板14は、太陽電池モジュール1の格子部A2において、第1構成例の外周部A1以外の領域と同様の構造であるが、格子部A2以外の領域においては、凹凸層102は凹凸形状をもたず、平坦である。
ここでも、第1構成例と同様に、基材層103は光が入射する側の面が白色であることが好ましい。第3構成例においても、透明保護層101、凹凸層102、基材層103および金属膜反射層104の材料および構造は、第1構成例に基づき、凹凸層102の形成および金属膜反射層104の蒸着は、所定の領域に形成および蒸着できれば特に限定されない。
図13と図14も、本発明の太陽電池モジュールおよびそれに用いられる第3構成例の光反射基板の別の例を示す断面模式図である。
図13に示されるように、太陽電池モジュール1の格子部A2以外の領域において、光反射基板14は基材層103および透明保護層101の二層構成でもよく、さらに、図14に示されるように、透明保護層101の代わりに白色要素105を用いてもよい。
光反射基板14の層構成は、上記の第1〜第3構成例に例示した層構成に限られるものではなく、例示した層構成以外にも、要求特性に応じて様々な変形が可能である。
[光反射基板と光路]
本発明の太陽電池モジュール1に用いられる光反射基板14において、少なくとも格子部A2は凹凸形状を有しており、この凹凸形状は実質的に同一の錘状体(ピラミッド型凸形状)が周期的に複数配列してなっている。本発明において、錘状体(ピラミッド型凸形状)とは、長方形または正方形、好ましくは正方形の底面と、底面の中心における垂線上に存在する頂部と有する形状のことをいう。この錘状体については、図16に基づいて後述する。
図15は、本発明の実施形態における太陽電池モジュールの平面模式図である。
本発明の太陽電池モジュール1において、光反射基板14は、図15に示されるように、隣接した2つの錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル12の周囲の辺とが、好ましくは42°〜48°で交わるように設置されている。図15において、矢印R20は、図2に示される光反射基板14から格子部A2に入射した光I2が、ピラミッド型凸形状の錘状体の反射面で反射し、板状太陽電池セル12に向かう方向を示している。
仮に、上記の錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル12の周囲の辺とのなす角が42°〜48°からかい離している場合、特に0°の場合は、錘状体の反射面で反射した反射光の向きは、板状太陽電池セル12の周囲の辺と垂直な方向と平行な方向の2種類であり、隣り合う2枚の板状太陽電池セル12に挟まれた領域に入射した光の反射光において、その内の50%は板状太陽電池セル12に向かい、残りの50%は格子部A2もしくは外周部A1に向かう。したがって、錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル12の周囲の辺とのなす角が0°の場合、反射光を板状太陽電池セル12の方向へ向けるという機能を発揮する格子部A2の領域は50%以下である。そして、錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル12の周囲の辺とのなす角を0°から大きくしていくと、その機能を発揮する格子部A2における領域の割合は増えていき、45°でその割合は最大となる。実際は、45°から±3°程度ずれても光の再利用効果としては大きく変わらないので、前記の錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル12の周囲の辺とのなす角度は42°〜48°が好ましく、さらに好ましくは45°である。
(外周部)
光反射基板14の外周部A1に入射する光は、光透過基板11から入射する光I1の他に、光透過基板11から格子部A2に入射した光I2が金属膜反射層104で外周部A1に向かう方向R21へ反射した後(図15)、光透過基板11と空気層との間で全反射し外周部A1に入射する光と、外周部A1に入射した光I1が白色反射層で外周部A1に向かう方向、例えばR11のような方向へ反射した後、光透過基板11と空気層との間で全反射し外周部A1に入射する光とがあり、これらの入射角度は様々である(図2)。
外周部A1に入射する光I1は、その入射角度に関わらず、ランダムな方向へ反射する(図2)。外周部A1に入射しランダムな方向へ反射する光は、光透過基板11から空気層へ透過する光と、光透過基板11と空気層との間で全反射する光とがあり、後者の光は、全反射した後、再度外周部A1に入射する光と、板上太陽電池セル12の表面bに入射する光と、格子部A2に入射する光とがある。光反射基板14の外周部A1に入射する光の内、最終的に板状太陽電池セル12の表面bに入射する光は半分程度となる。
しかしながら仮に、外周部A1に、格子部A2のような凹凸形状を形成し、垂直入射する光を金属膜反射層で特定の方向へ反射させる機能を与えても、光透過基板11から外周部A1に入射する光の内、最終的に板状太陽電池セル12の表面bに入射する光は半分未満であり、光透過基板11から格子部A2に入射した光I2が金属膜反射層104でR21方向へ反射した後、光透過基板11と空気層との間で全反射し外周部A1に入射する光は全て、反射面で反射した後、空気層へ透過する。したがって、外周部A1には、錘状体を有した反射層よりも白色反射層を設置するべきである。
外周部A1の幅、すなわち、セルマトリクスの外周と太陽電池モジュール1のへりeとの幅としては、15mm以下であることが好ましい。理由は定かではないが、セルマトリクスの外周と太陽電池モジュール1のへりeとの幅を15mmより大きくしても光再利用の効果は増大しないと推定される。また、セルマトリクスの外周と太陽電池モジュール1のへりeとの幅としては、太陽電池ジュール1の内外部との絶縁性を確保するため、5mm以上とすることが望ましい。
(格子部)
図16は、本発明の太陽電池モジュールに用いられる光反射基板が有する格子部の一例を示す平面模式図と断面模式図である。
図16において、格子部A2は金属膜反射層104を備え、金属膜反射層104の反射面の少なくとも90%の領域は、錘状体(ピラミッド型凸形状)が周期的に複数配列してなる凹凸形状を有している。ここでいう錘状体は、底面が正方形、長方形、菱形あるいは平行四辺形のいずれかであることが好ましく、好適には底面の中心を通る垂線状に頂点をもつ。また、錘状体の側面は、複数の平面で囲まれているか、なめらかな曲線で囲まれていても良い。ここで錘状体の頂角αは、図16に示すように定義される。錘状体の最も好ましい形状は、図16に示されるように底面が正方形の四角錐である。
図16は、これまで挙げた他の平面模式図と45°傾けて図示されている。
図17は、本発明の太陽電池モジュールに用いられる光反射基板が有する格子部の凹凸形状の作用を説明するための断面模式図である。具体的に、図17は、格子部A2の反射面において、最も好ましい錘状体、すなわち底面が正方形である四角錐の作用を説明する断面模式図である。図17において、光透過基板11から格子部A2に垂直入射する光I2aは、金属膜反射層104に届き、光透過基板11と平行な平面Sに対しφ0の角度で反射する(図17、I20a)。ここで、角度φ0と錘状体の頂角αの関係式は、下式(3)となる。
角度φ0=錘状体の頂角α―90° ・・・(3)。
錘状体の頂角αの角度は、115°以上140°以下であることが好ましい。頂角αが115°より小さいと、光透過基板11より格子部A2に入射した光が隣接する錘状体の斜辺により多重反射を起こす割合が多くなる。また、錘状体の頂角αが140°より大きいと、反射面で反射した光が光透過基板11で全反射せず、空気層へ透過してしまう割合が多くなる。頂角αのより好ましい範囲は、120°〜135°であり、最も好ましい角度は120°である。頂角αが120°のとき最も多重反射を起こさず、また、最も反射光を全反射させることができる。
四角錐等の錘状体の高さは、例えば、好ましくは100μm以上500μm以下である。また、頂角αが120°である四角錐の高さが上記の範囲を満たす場合、底面の四角形の辺の長さは、好ましくは約350μm以上1730μm以下である。
(光路長)
図18は、本発明の太陽電池モジュール1に入射する光の経路の一例を説明するための平面模式図および断面模式図である。図18も、これまで挙げた他の平面模式図と45°傾けて図示されている。
図18において、光透過基板11から格子部A2に入射する光I2は、光反射基板14で平面S(図17)に対しφ1の角度で反射し、反射光I20は光透過基板11と空気層との間で全反射し、その反射光I200は、主に、板状太陽電池セル12の表面bに角度φ2で入射する。ここで、平面Sに対する反射光I20およびI200の角度φ1と角度φ2の関係式は、下式(4)となる。
角度φ1=角度φ2 ・・・(4)。
反射光I20の方向は、主に、図15および図18の平面模式図に示すように、板状太陽電池セル12の周囲の辺と45°で交わるR20方向である(図15)。格子部A2において、反射光I20の、光反射基板14における反射地点から光透過基板11で全反射する地点までの光路長を、平面Sに投影したときの長さX1、および、反射光I200の、光透過基板11における全反射地点から板状太陽電池セル12の表面bに入射する地点までの光路長を、平面Sに投影したときの長さX2は、下式(5)、(6)となる。
長さX1=t1/tanφ1 ・・・(5)
長さX2=t2/tanφ2=t2/tanφ1 ・・・(6)。
格子部A2において、光透過基板11から入射した光I2の光反射基板14における反射地点から、その光が板状太陽電池セル12の表面bに入射する地点までの距離を平面Sに投影した長さに関し、これをさらに板状太陽電池セル12の周囲の辺の垂直方向に投影した長さX0は、下式(7)となる。
Figure 2013004948
[板状太陽電池セルの配列間隔]
板状太陽電池セル12の配列間隔L(図1、図3)は、長さX0(図18)と等しいことが望ましい。配列間隔Lが長さX0より小さい範囲では、配列間隔Lと板状太陽電池セル12に入射する反射光の絶対量は比例し、配列間隔Lが大きくなるほど太陽電池モジュールの発電量は上昇する。また、配列間隔Lが長さX0より大きい範囲では、配列間隔Lを大きくしても板状太陽電池セル12に入射する反射光の絶対量は一定で、太陽電池モジュール1の発電量は上昇しない。したがって、効率的な光の再利用効果が最も期待できるのは、配列間隔Lと長さX0とが等しいときである。
ここで、光透過基板11から入射する光I2が、全て垂直入射光I2aである場合は、下式(8)が成り立つ(図17、図18)。
角度φ1=角度φ0 ・・・(8)。
しかしながら、多くの場合、光を太陽電池モジュール1に垂直入射をさせることを狙っても、散乱光など傾斜をもった光が混ざり、光透過基板11の入射表面における垂線において、ある角度β1の入射角で入射する光I2bが存在する。入射角β1で光透過基板11に入射した光I2bはβ1より小さい角度β2の屈折角で屈折し太陽電池モジュール1内を進み、格子部A2まで到達した光は、光透過基板11に垂直入射した光I2aの反射光I20aから角度β2だけずれた反射光I20bあるいはI20cとなる(図17)。このとき、角度φ1は下式(9)となる(図17、図18)。
角度φ1=角度φ0±角度β2 ・・・(9)。
一般に、太陽電池モジュールの性能を検査測定する際、ソーラーシミュレータで擬似的な太陽光を人工的に発生させ、太陽電池モジュール1に垂直な光をあてる。このソーラーシミュレータについて、日本工業規格JIS C8912では、有効照射面(ソーラーシミュレータに規定された光学的仕様を満足している照射面)に対するソーラーシミュレータ光の最大入射角度を15°以内と規定しており、ここでもそれを採用し、角度β1の大きさを15°以内とする。この場合、光透過基板11の屈折率は約1.5であるため、角度β2の大きさは約10°以内となる。したがって、長さX0の範囲は、下式(10)となる。
Figure 2013004948
配列間隔Lは、上式(10)の範囲内であることが望ましい。しかしながら、任意の長さX0である反射光の再利用効果は、配列間隔Lが長さX0より大きい範囲では配列間隔Lの大きさに関わらず同等であるが、配列間隔Lが長さX0より小さい範囲では配列間隔Lが小さいほど小さくなる。したがって、入射光の多くは垂直入射光であることから、反射光の多くは下式(11)を満たすので、配列間隔Lはこれより大きいことが望ましい。また、配列間隔Lを上式(10)の右辺より大きくしていくと、得られる光の再利用効果は飽和する一方で、モジュール面積は広がってしまうので、面積当たりの発電量が下がってしまう。したがって、配列間隔Lとしては、下式(12)の範囲が望ましい。
Figure 2013004948
Figure 2013004948
ここで、上式(12)に式(3)を代入すると、下式(1)となる。すなわち、配列間隔Lは、この下式(1)の範囲が好ましい。
Figure 2013004948
以下、実施例1および比較例1において、外周部には凹凸形状を有する金属膜反射層を配置した場合より白色反射層を配置した場合の方が太陽電池の発電寄与が大きいという例を示し、また、実施例2および比較例2においては、格子部には白色反射層を配置した場合より凹凸形状を有する金属膜反射層を配置した場合の方が太陽電池の発電寄与が大きいという例を示す。
〔太陽電池モジュールの評価方法〕
25℃の温度の雰囲気中で、ソーラーシミュレータによってAM1.5、100±5mW/cmの擬似太陽光を作り出し、これを作製した太陽電池モジュールサンプルに照射し、太陽電池モジュールサンプルに掃引電圧を印加しながら電流値を測定することによってIV特性曲線を得る。実施例および比較例では、電圧0Vのときの電流値、すなわち短絡電流Iscを評価値とした。
〔実施例1〕
光透過基板11として厚みが3.2mmである180mm角の白板ガラス板を準備して、厚み約0.58mmの封止樹脂13(EVA、エチレン・ビニル・アセレート)2枚の間に、156mm角の板状太陽電池セル12(結晶シリコン型)を1枚配置して、さらに透明フィルムを配置して真空ラミネートすることで光反射基板14を備えていない、格子部をもたないとみなせる太陽電池モジュールを作製した。この太陽電池モジュールの背面に、本発明の太陽電池モジュールの外周部と同等の効果が期待できる白色シート(チタン分散PETフィルム)を光反射基板14として密着させると、短絡電流Iscは、白色シートを設置する前を基準にすると6.2%上昇した。また、125mm角の板状太陽電池セル12を用いて同様に作製した太陽電池モジュールにおいて、同様の実験を行ったところ、短絡電流Iscは、白色シートを設置する前を基準にすると6.3%上昇した。
〔比較例1〕
正方形を底面とする頂角120°の四角錐が配列してなる凹凸形状表面に、銀を蒸着したシートを準備し、これを上記作製太陽電池モジュールの背面に、凹稜線(錘状体の側面の境界線)が太陽電池セル周辺の辺と45°で交わるように配置し、実施例1と同様の実験をおこなった結果、太陽電池セルが156mmのモジュールにおいては、このシートを設置する前を基準にすると5.6%しか上昇しなかった。太陽電池セルが125mmのモジュールにおいては、このシートを設置する前を基準にすると5.8%しか上昇しなかった。
表1に実施例1と比較例1の対比を示す。この結果より、外周部には白色反射層が適切であることが確認された。
Figure 2013004948
〔実施例2〕
光透過基板11として厚みが3.2mmである180mm角の白板ガラス板を準備して、厚み約0.58mmの封止樹脂13(EVA、エチレン・ビニル・アセレート)2枚の間に、125mm×62.5mmの板状太陽電池セル12(結晶シリコン型)を2枚配置して、外周部には黒色フィルムを配置し、さらに透明フィルムを配置して真空ラミネートすることで、光反射基板14を備えていない、外周部をもたないとみなせる太陽電池モジュールを、太陽電池セル12の配列間隔Lを3.5、7.1、10.6、14.1、17.7mmと変え、4台作製した。正方形を底面とする頂角120°の四角錐が配列してなる凹凸形状表面に、銀を蒸着したシートを準備し、これを本発明の太陽電池モジュールの格子部と同等の効果が期待できるシートとし、上記作製太陽電池モジュールそれぞれの背面に、凹稜線(錘状体の側面の境界線)が太陽電池セル周辺の辺と約45°で交わるように配置し光反射基板14として密着させ評価を行った。その結果、シートを設置する前を基準にした短絡電流Iscの上昇は、配列間隔L3.5mm、7.1mm、10.6mm、14.1mm、17.7mmの順に、1.1%、1.8%、2.4%、2.7%、2.8%となった。
〔比較例2〕
白色シートを準備し、これを実施例2に記載の太陽電池モジュール背面の透明フィルムに密着させ、実施例2と同様の実験をおこなった。その結果、白シートを設置する前を基準にした短絡電流Iscの上昇は、配列間隔L3.5mm、7.1mm、10.6mm、14.1mm、17.7mmの順に、0.8%、2.0%、2.3%、2.3%、2.4%となった。
表2および図20に、実施例2と比較例2の結果を対比して示す。図20は、格子部における光再利用効果の配列間隔依存性について、実施例2と比較例2におけるIsc上昇を対比して示すグラフである。ここで、作製した太陽電池モジュールにおいて、t1は約4.0mm、t2は約3.8mmであり、金属膜反射層が有するピラミッド型凸形状の頂角αは120°であるので、好ましい配列間隔Lは約9.6mm以上、15.2mm以下である。実験結果より、格子部には凹凸形状を有した金属膜反射層設置し、セルの配列間隔を好ましい範囲に設計することが適切であると確認された。
Figure 2013004948
1 太陽電池モジュール
11 光透過基板
12 板状太陽電池セル
13 封止樹脂
14 光反射基板
101 透明保護層
102 凹凸層
103 基材層
104 金属膜反射層
105 白色要素
A1 外周部
A2 格子部
a 光透過基板11の光入射面
b 板上太陽電池セル12の表面
e 太陽電池モジュール1のへり
f 外周部と格子部の境界
t1 光透過基板11の光入射面aから金属膜反射層までの距離
t2 光透過基板11の光入射面aから板状太陽電池セル表面bまでの距離

Claims (7)

  1. 光透過基板と、光反射基板と、前記光透過基板と前記光反射基板との間に充填された封止樹脂と、前記封止樹脂の内部に配置された複数の板状太陽電池セルとを備えた太陽電池モジュールであって、前記複数の板状太陽電池セルは、面内において所定の間隔に配置されたセルマトリクスを形成してなり、前記光反射基板は、前記セルマトリクスの外周領域に入射した光を反射する外周部と、前記板状太陽電池セル間に入射した光を反射する格子部とを備え、前記外周部は白色反射層を備え、前記格子部は金属膜反射層を備え、前記金属膜反射層の反射面の少なくとも90%の領域に凹凸形状を有することを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 凹凸形状は、長方形または正方形の底面を有する錘状体が、複数配列してなることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 錘状体が、底面の中心における垂線上に頂部を有する請求項2記載の太陽電池モジュール。
  4. 錘状体が、周期的に配列してなる請求項2または3記載の太陽電池モジュール。
  5. 隣接した2つの錘状体の側面の境界線と板状太陽電池セル周囲の辺とは、42°〜48°で交わるように設置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 光透過基板の光入射面から金属膜反射層までの距離をt1、前記光透過基板の光入射面から板状太陽電池セル表面までの距離をt2、錘状体の頂角をαとしたとき、等間隔に並べられた前記板状太陽電セルの配列間隔Lが、下式(1)を満たしていることを特徴とする請求項5記載の太陽電池モジュール。
    Figure 2013004948
  7. 錘状体の頂角αが、下式(2)の角度であることを特徴とする請求項6記載の太陽電池モジュール。
    115°<α≦140° ・・・(2)
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