JP2012209514A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光の利用効率を向上させることが可能な太陽電池裏面シートを用いた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】内部に太陽電池セル12を封止した封止材13の前面側に前面板11が配置されてなる太陽電池モジュール10の裏面側に配置される太陽電池裏面シート14であって、前面側から少なくとも透光性絶縁層と、凹凸構造層と、光反射性金属層と、接着層と、耐候層とを順に積層して構成されており、凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、領域Xと領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールの裏面に配されて、太陽電池セルに入射せず裏面シートへ入射する本来は損失してしまう光を有効に活用することが可能な太陽電池裏面シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、太陽電池パネルの普及は大きな広がりを見せ、電卓等の小型電子機器に搭載される比較的小さなものから、家庭用として住宅に取り付けられる太陽電池パネルや大規模な発電施設に用いられる大面積の太陽電池発電システム、さらには人工衛星の電源まで、様々な分野で利用が促進されている(例えば、特許文献1参照)。
この太陽電池は入射した光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、該太陽電池のうち主要なものは使用材料の種類によって結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、有機化合物系等に分類される。このうち、現在市場で流通しているものは、ほとんどが結晶系シリコン太陽電池であり、この結晶系シリコン太陽電池はさらに単結晶型及び多結晶型に分類される。
上記単結晶型のシリコン太陽電池は基板の品質が良いために高効率化が容易であるという長所を有する反面、基板の製造が高コストになるという短所を有する。これに対して上記多結晶型のシリコン太陽電池は基板の品質が劣るために高効率化が難しいという短所はあるものの、低コストで製造できるという長所があり、現在の主流となっている。
このような多結晶シリコン太陽電池の高効率化に関しては様々な検討が行われている。
一例として、太陽電池に用いられるシリコン基板の表面にはテクスチャ構造が形成されており、これによってシリコン基板表面での太陽光の反射を低減させて変換効率の向上が図られている。
単結晶シリコンにおいては、アルカリ溶液等の異方性エッチングにより微細なピラミッドまたは逆ピラミッドを形成することで太陽光の反射を低減させることが行なわれている。この異方性エッチングでは、単結晶シリコンのエッチング速度が、Si(100)結晶方位面とSi(111)結晶方位面とで異なることを利用している(例えば、特許文献2参照)。
ところが、このような異方性エッチングを多結晶シリコンに適用しようとした場合、アルカリ水溶液によるエッチングが結晶の面方位に依存するため、多結晶シリコンにおけるピラミッド構造を均一に形成できず、シリコン基板全体での反射率の低減を効果的に行なうことができないという問題があった。
このような問題を解決するために、多結晶シリコン基板へテクスチャを形成する方法として、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)法によって多結晶シリコン基板表面に微細な突起を形成する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この手法によれば、微細な突起を多結晶シリコンにおける不規則な結晶の面方位に左右されずに均一に形成することにより、特に多結晶シリコンを用いた太陽電池セルにおいても反射率をより効果的に低減することができる。
また、表面反射防止膜を組み合わせることにより、さらに変換効率を向上できることが知られている。即ち、結晶シリコンは、波長400nm〜1100nm領域で6.00〜3.50の大きな屈折率を持つので、短波長領域で約54%、長波長領域で約34%の反射損失がある。この反射損失を減ずるために、屈折率の異なる透明材料で表面反射防止膜を形成し、これにより変換効率を向上させることができる。
さらに、シリコン基板上に形成する電極を微細化することで、受光面積を増加させ、太陽光を多く取り込むことで変換効率を向上させる検討も行われている(例えば、特許文献4参照)。
以上のような高効率化技術の進歩により、最近では多結晶シリコン太陽電池においても、研究レベルでは18%程度の変換効率が達成されており、多結晶シリコン太陽電池における変換効率の理論限界(20〜30%)に近づいてきている。
そこで、光利用効率を高めるべく太陽電池モジュールの前面から入射した太陽光のうち、該太陽電池モジュール内にてエネルギー変換を行なう太陽電池セルに入射せずに裏面シートへ入射する太陽光を再利用する試みが行なわれている。
一般的な結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、リーク電流を低減させるべく該太陽電池モジュール内の複数の太陽電池セル間に隙間が形成されている。そのため、太陽電池セルに入射せずに裏面シートへ入射する太陽光が存在しており、その太陽光を再利用することが出来れば光利用効率の向上が可能である。
そこで、反射材を備えた裏面シートを配置し、太陽電池セルの隙間から裏面シートへ入射する太陽光を反射することにより、太陽電池セルに再入射させることで光利用効率の向上が図られている。反射材としては、例えば、白色系顔料を混入した樹脂材料、つや消し表面加工を施した金属材料などの光を散乱反射させる反射材を用いることが可能である。また、反射材の表面を凹凸構造とすることで、さらに光利用効率を向上させることが可能である(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−295437号公報 特開昭62−35582号公報 特公昭60−27195号公報 特開2000−332279号公報 特開平10−284747号公報
上記のように、従来の太陽電池モジュールは、光の利用効率を上げることで変換効率を向上させようという要望は多いが、損失となってしまう光もあるため、十分に変換効率を向上させることができているとは言えない。また、隣り合う太陽電池セルの間の領域に入射した光を裏面材で反射させるなどし、損失となってしまう光を再利用する上記従来の手法では、十分に損失光を再利用するに至っているとは言えず、この損失光をより確実に再利用してさらなる発電効率の向上を図ることが強く望まれている。
本発明は、上記事情に鑑み、本来損失となってしまう光をより確実に再利用することを可能にする太陽電池裏面シート及びこれを備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係る太陽電池モジュールは、内部に太陽電池セルを封止した封止材の前面側に透光性前面板が積層されてなる太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュールの裏面側に配置される太陽電池裏面シートが、前面側から順に少なくとも透光性絶縁層、凹凸構造層、凹凸構造層に支持され凹凸構造を形成した光反射性金属層、接着層、耐候層が積層されてなり、前記凹凸構造層の凹凸構造がプリズム形状を為しており、前記凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、前記領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、前記領域Xと前記領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されていることを特徴としている。
このような特徴の太陽電池モジュールによれば、より確実に光を再利用することが可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記領域Xと領域Yが次式(1)(2)を満たすように形成されていることを特徴としている。
Lx=Lg+Lc−Ly ・・・(1)
但し、
Lx:領域Xの幅方向の距離
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
0.70≦(Ly/Lc)≦0.95 ・・・(2)
但し、
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
このような特徴の太陽電池モジュールによれば、より確実に光を再利用することが可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記凹凸構造層のプリズム形状の頂角が120°±5°であることを特徴としている。
上記頂角が115°より小さい場合には、プリズムによる多重反射が起こり、再利用できる光が少なくなるため好ましくない。頂角が115°より大きく143°よりも小さい範囲では、反射した光が透光性前面板と空気界面で全反射するため光を再利用することが可能となるが、その範囲内であれば、頂角が小さい方がより太陽電池セルから遠い領域に入射した光の再利用が可能となるため、120°±5°が好適である。
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記凹凸構造のプリズム形状の頂部のピッチが、10μm以上30μm以下の範囲に設定されていることを特徴としている。
上記ピッチが30μmより大きい場合には、ピッチの増大にともなって構造の高さが高くなるため耐候層と接着層を介して貼り合わせる際に、気泡が入りやすい等の問題が発生し易くなり好ましくない。また、接着層の厚みを厚くする必要があり形成が困難となる他、コスト高の要因となってしまう。一方、ピッチが10μm以下の場合、凹凸構造で光が反射する際に光の回折が起こり得る。該回折光は、分光して広がった光となるため制御が難しく、特定方向に反射する上で好ましくない。さらに、金型を切削する時間が長く、タクトが低下し生産効率が悪くなるため好ましくない。これを踏まえて本発明においては、上記ピッチが10μm以上30μm以下の範囲に設定されているため、上記不都合を解消することができる。
このような特徴の太陽電池モジュールによれば、凹凸構造層のプリズム形状の溝が、一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、領域Xと領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されることによって、より確実に光を再利用することが可能となる。
本発明に係る太陽電池モジュールによれば、凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、前記領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、前記領域Xと前記領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されていることによって、より確実に光を再利用することが可能となる。
実施形態の太陽電池モジュールの概略構成を示す縦断面図である。 実施形態の裏面シートの概略構成を示す縦断面図である。 電極を含む太陽電池モジュールの概略構成を示す縦断面図である。 凹凸構造の例を示す斜視図である。 太陽電池モジュールにおける裏面シートの作用を説明する縦断面図である。 太陽電池モジュールにおける裏面シートの作用を説明する縦断面図である。 太陽電池モジュールにおける裏面シートの作用を説明する正面図及び縦断面図である。 太陽電池モジュールにおける裏面シートの作用を説明する正面図及び縦断面図である。 反射光が有効に利用できる範囲を示す正面図である。 第1構成例の裏面シートの概略構成を示す縦断面図である。 第2〜4構成例の裏面シートの概略構成を示す縦断面図である。 比較例1を示す正面図及び縦断面図である。 比較例2を示す正面図及び縦断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュールの実施の形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、太陽電池モジュールの実施形態の概略構成を示す縦断面図である。図1に示すように、太陽電池モジュール1は、前面板11と、封止材13と、太陽電池セル12と、裏面シート(太陽電池裏面シート)14とが積層されることで構成されており、光源Lからの光を受光することにより発電を行なう装置である。なお、光源Lとしては、通常、太陽や室内灯の人工照明が採用される。
また、上記前面板11、封止材13、太陽電池セル12及び裏面シート14が、真空ラミネータで熱ラミネートすることにより積層されることで太陽電池モジュール1が一体成形されている。
前面板11は、太陽電池モジュール1の最前面に配置されて、太陽電池セル12を衝撃、汚れ、水分の浸入等から保護するもので、透過率が高い透明な材料から形成された板状をなしている。
図1に示すように、光源Lから発される光のうち、前面板11の入射面110に垂直に入射する光H0は、前面板11に入射後、該前面板11を透過して封止材13に入射する。なお、入射面110の法線NGは、例えば水平面に平行な平面P上に前面板11を載置した状態における平面Pの法線Nと平行な方向とする。入射面110に垂直に入射する光H0とは、法線NGに平行に前面板11に入射する光H0、即ち、太陽電池モジュール1に入射する光H0のことを示している。
この前面板11は、強化ガラス、サファイアガラス等のガラスあるいは、PC(ポリカーボネート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等の樹脂シートから構成されている。また、前面板11の厚さは強化ガラスであれば約3〜5mm程度、樹脂シートであれば約5mm程度のものが用いられる。
前面板11を射出した光は、封止材13に入射する。この封止材13は、厚み0.4〜1mm程度のシート状をなしており、その内部にて複数の太陽電池セル12を固定している。前面板11に入射した光H0は、封止材13を透過し、太陽電池セル12へ入射する光H1となり、該光H1の一部は封止材13を通過して裏面シート14に入射する光H1となる。
この封止材13には、入射した光H0を透過させるため光線透過率が高い材料が用いられ、さらに耐候性、耐高温、耐高湿、耐候性等の耐久性、電気絶縁性を有する素材が好適である。この条件を満たす材料として、例えば、酢酸ビニルの含有量が20〜30%であるEVA(エチレンビニルアセテート共重合体)やPVB(ポリビニルブチラール)等を主成分とする熱可塑性の合成樹脂材が使用される。
太陽電池セル12は、光電効果により受光面Jに入射した光を電気へと変換する機能を持ち、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、CIGS(Cu・In・Ga・Seの化合物)系薄膜型等多くの種類が存在するが、ここでは、単結晶もしくは多結晶シリコン型の太陽電池セルを用いることとする。
この太陽電池セル12は、複数個が電極(図示省略)によって接続されてモジュールを形成している。
本実施形態においては、封止材13から太陽電池セル12に入射した光H1が、太陽電池セル12で電気へと変換される。なお、通常、入射面110に対し斜めに入射した光は、垂直入射の光H0と比較して、該入射面110で反射する割合が多く、太陽電池セル12に入射する光が少ない。即ち、発電に利用できる光が少ないのである。そのため、入射光H0が入射面110に垂直に入射する場合が、最も効率良く発電を行なうことができる。
図2は、実施形態の裏面シート14の概略構成を示す縦断面図である。この裏面シート14は、太陽電池セル12自体を透過した光や太陽電池セル12に入射せずに封止材13を透過した光H1を反射する機能を有し、前面側から順に少なくとも透光性絶縁層141と、凹凸構造層142と、光反射性金属層143と、接着層144と、耐候層145とが順に積層されて構成されている。
透光性絶縁層141は、裏面シート14の前面側に配されており、電気絶縁性を有する材料から構成されている。
ここで、裏面シート14に要求される重要な性能の一つとして、電気絶縁性がある。この電気絶縁性は、太陽電池モジュール1が内部に電極を含むことから、長期使用での短絡や漏電等を防ぐための必須の性能である。また、太陽電池モジュール1においては、特に太陽電池セル12側の表面が電気絶縁性であることが求められている。
図3(a)に太陽電池モジュール1の構成を示す。太陽電池セル12は、発電した電力を取り出すための電極22cを有する。
通常、太陽電池セル12は、充填層13の中央付近にあり、裏面シート14の光反射性金属層143から離れているため、電極22cがショートすることによる電流のリークは起こらない。
しかし、太陽電池セル12は軟化した充填材で封止されるため図3(b)のように光反射性金属層143が仮に前面側に向けて配置されているとすると、太陽電池セル12と光反射性金属層143が接触してしまうことがある。このとき光反射性金属層143を通じて電極22cがショートし、電流がリークしてしまう。
このショートを防ぐために図3(c)のように裏面シート14の透光性絶縁層141を光反射性金属層143の前面側に配置することにより、上述のショートを防ぐことができる。
なお、透光性絶縁層141の厚みが足らない場合、図3(c)に示すように、透光性絶縁層141が絶縁破壊し電極22cと光反射性凹凸構造142の間で放電dにより電流のリークが起こる。
上記電気絶縁性を示す数値基準の一つとして、絶縁破壊電圧がある。この絶縁破壊電圧は、絶縁破壊電圧以上の電圧が加わると絶縁状態が破壊されるという指標であり、絶縁破壊電圧が高い方が電気的に安定であると言える。
例えば、参考文献1(「太陽光発電システム構成材料」(工業調査会))によると、各種電気絶縁用プラスチックフィルム(25μm)の絶縁破壊電圧(kV)のおおよその数値は、PET(ポリエチレンテレフタレート) 6.5、PEN(ポリエチレンナフタレート) 7.5、PVC(延伸硬質塩ビ) 4.0、PC(ポリカーボネート) 5.0、OPP(延伸ポリプロピレン) 6.0、PE(ポリエチレン) 4.0、TAC(トリアセテート) 3.0、PI(ポリイミド) 7.0である。これらはいずれも絶縁材料としての絶縁破壊電圧を満たしている(参考 JISC2318/電気用二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム)。
また、PVF(ポリ・フッ化・ビニル樹脂フィルム)の代表的な製品であるデュポン社のテドラー(登録商標)の絶縁破壊電圧は、約3.0kVである。
太陽電池モジュールの絶縁性能の一つとして、最大システム電圧の2倍+1000Vの直流電圧を1分間印加しても絶縁破壊などの異常がないこと、と定められている(参考 JISC8918/結晶系太陽電池モジュール)。最大システム電圧は、通常600〜1000Vである。
以上から、絶縁破壊電圧の平均値は3kV以上であるのが望ましく、上述の各種材料はこの基準を満たしている(参考 JISC2151/電気用プラスチックフィルム試験方法の17.2.2平板電極法)。絶縁破壊電圧が3kVより小さい場合、長期使用による短絡や漏電の可能性が高くなる。
本実施形態における透光性絶縁層141は、上述の各種材料のいずれかからなる樹脂フィルムから構成されている。この透光性絶縁層141に使用する材料としては、透明あるいは半透明の材料であることが望ましく、光の散乱を生じる要素が少ない方が好ましい。
裏面シート14に入射した光は、透光性絶縁層141を透過した後に光反射性金属層143で反射され、再度透光性絶縁層141を透過し、裏面シート14からの反射光となる。したがって、透明性が高く、散乱要素が少なければ、裏面シート14へ入射した光が反射光となる際の効率が高くなる。
また、透光性絶縁層141に用いる材料としては上記に限ったものではなく、絶縁破壊電圧の基準値を満たす材料であれば、適宜採用することが可能である。例えば、EVAやPVB等を主成分とする合成樹脂フィルムを採用することも可能である。これらの樹脂を採用した場合には、封止材13との密着性が向上するため好ましい。
透光性絶縁層141は、単層であってもよく、多層であってもよい。単層の場合には、上述の材料のいずれかを要求特性に合わせて選択することができる。
多層の場合の構成方法としては、例えばPETフィルムにPVF等のフッ素樹脂フィルムを貼り合わせる方法、PETフィルムにPVF等のフッ素樹脂塗膜を形成する方法、PETフィルムにEVAやPVB等を主成分とする合成樹脂フィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。
PVF等のフッ素樹脂、EVAやPVB等を主成分とする合成樹脂は、電気絶縁性の基準を満たすとともに、封止材13との密着性が向上するため好ましい。しかし、単層で十分な強度を得ようとすると厚みを厚くする必要がありコスト高の要因となってしまう。したがって、強度を確保する基材との組合せによる多層構造とすることが好ましい。特に、フッ素樹脂に関しては、塗膜を形成する方法を採用することも出来、この方法だとフッ素樹脂フィルムを貼り合わせる方法よりも工程を簡略化でできるため、好ましい。
また、上述の材料のいずれか、例えばPETフィルムを2層貼り合わせた多層構造としてもよい。絶縁性を高めるためには、1枚構成よりも多層構成の方が、絶縁欠陥をカバーし、信頼性が高くなることが知られている。そのため、PETフィルム単層よりも、2層貼り合わせた多層構造の方が、より絶縁性を向上させることができる。
なお、透光性絶縁層141の層構成は上記に限ったものではなく、要求特性に応じて適宜変更可能である。
凹凸構造層142は、紫外線硬化樹脂もしくは熱硬化性樹脂から形成されている。
使用する樹脂は、紫外線硬化樹脂もしくは熱硬化性樹脂であれば、種類は特に限定されるものではなく、例えばポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル―(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル―ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。
また、上述の樹脂の他に例えば散乱反射体、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等の各種添加剤が適宜配合されてもよい。
凹凸構造層142には、凹凸構造421が形成されている。凹凸構造421は、プリズム形状をなしている。また、凹凸構造層142は、単層でもよく、多層でもよい。
樹脂材料からなる凹凸構造層142を形成する方法として、単層の場合には金型を用いたプレス法・キャスティング法・押し出し成形法・射出成形法などが挙げられる。これらの方法では、シート形成と同時に図4に示される凹凸構造421を形成することが可能である。
また、樹脂材料からなる凹凸構造421を形成する別の方法として、多層の場合には平面スタンパやロールスタンパの凹凸形成面に熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等を塗布または注入し、その上に基材422を配置して、硬化処理後にスタンパから離型するといった方法が挙げられる。これらの方法では、使用する樹脂の粘度を低くすることができるため成形性がよいという利点がある。
使用する金型は、バイトによる金属板の切削加工や、バイト切削及び電子ビームによる描画やエッチングによって得られた母型の電鋳加工等により得ることができる。このような加工により成形された金型は、表面に凹凸構造421の逆型構造が形成されている。例えば、所望の形状をもつバイトで金属板を切削することで、所望凹凸構造421の逆型構造が形成された金型が得られる。金型は板状でもよく、ロール状でもよいが、ロール状の金型とする方が望ましい。ロール状の金型であれば、連続エンボス加工が可能であり、大きな面積を必要とする裏面シートの作製方法として好適である。
上述の製造方法で使用する基材は、特に限定されるものではなく、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PVC(延伸硬質塩ビ)、PC(ポリカーボネート)、OPP(延伸ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、TAC(トリアセテート)、PI(ポリイミド)等の樹脂材料からなるフィルムを使用することができる。
また、凹凸構造層142を多層とする場合に、透光性絶縁層141を、凹凸構造421を支持する基材422として採用することも可能である(図10)。
光反射性金属層143は、例えば、アルミニウムや銀などの金属を、凹凸構造層142の凹凸構造421に追従した層状になるように形成する。光反射性金属層143の形成手段としては、均一に金属層が形成できれば特に限定されるものではなく、(a)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法;PVD法)、(b)プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)が採用される。これらの中でも、生産性が高く良質な金属層が形成できる真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかを適宜用いればよい。
光反射性金属層143に用いられる金属としては、金属光沢を有しかつ上記のいずれかの形成方法が可能であれば特に限定されるものではなく、例えばアルミニウム(Al)、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、ジルコニウム(Zr)、等の単体もしくは合金が挙げられ、単層で形成してもよく複数の金属を積層して用いてもよい。中でも、反射性が高く、緻密な金属層が比較的容易に形成でき、安価なアルミニウムが好適である。
光反射性金属層143の厚さの下限としては、10nmが好ましく、20nmが特に好ましい。一方、光反射性金属層143の厚さの上限としては、200nmが好ましく、100nmが特に好ましい。光反射性金属層143の厚さが10nmの下限より小さいと、光反射性金属層143に入射する光を十分に反射することができない。20nm以上の厚さがあれば、より確実に光反射性金属層143に入射する光を反射することができる。一方、光反射性金属層143の厚さが200nmの上限を超えると、光反射性金属層143に目視でも確認できるクラックが発生しやすく、100nm以下であれば、目視で確認できないようなクラックも発生しにくい。
光反射性金属層143は、凹凸構造層142の凹凸構造421に追従した形状に形成されており、光反射性金属層143は凹凸構造を為している。
即ち、この光反射性金属層143は、光反射性金属層143に入射した光を所定の方向へ反射する機能を有する。このような反射機能を備えるためには、光反射性金属層143が有する反射面が鏡面反射面であることが望ましい。
耐候層145には、耐高温、耐高湿、耐加水分解、難燃性等の長期耐候性が要求される。これらの要求を満たすものとして、一般的に、PVF(ポリフッ化ビニル)等のフッ素樹脂フィルムやフッ素樹脂塗膜、もしくは低オリゴマーPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の耐加水分解性を高めたタイプのPETフィルム等が使用される。この他耐候性に優れるPENフィルム等を使用してもよい。なお、該耐候層145の材料としては上記に限ったものではなく、長期耐候性の基準値を満たす材料であれば適宜採用することができる。
耐候層145は、単層であってもよく、多層であってもよい。単層の場合には、上述の材料のいずれかを要求特性に合わせて選択することができる。PVFは、長期耐候性に特に優れているため好適である。また低オリゴマーPETフィルム等の耐加水分解性のPETフィルムは、安価でありながら長期耐候性にも優れているため、好適である。
この耐候層145が多層構造の場合の例としては、PETフィルムにPVF(ポリ・フッ化・ビニル)等のフッ素樹脂フィルムを接着層を介して貼り合わせたものや、PETフィルムにPVF等のフッ素樹脂塗膜を形成したもの等が挙げられる。
PVF等のフッ素樹脂は、長期耐候性に非常に優れており、単層でも十分な性能を発揮するものの、単層で十分な強度を得ようとすると厚みを厚くする必要がありコスト高の要因となる。よって、強度を確保する基材との組合せによる多層構造とすることが好ましい。
なお、耐候層145の層構成は上記に限ったものではなく、要求特性に応じて適宜変更可能である。
なお、光反射性金属層143と耐候層145の間にさらに水蒸気バリア層を設けてもよい。水蒸気バリア層を設けることにより、高温高湿環境下における光反射性金属層143の腐食を防ぐことができ、太陽電池裏面シートに前面側から入射する光を特定方向へと向けて反射し、太陽電池セルに再入射させ、光の利用効率を向上させる効果を長期にわたって持続することが可能となる。
耐候層145は、接着層144を介して、光反射性金属層143と貼り合わせられている。
接着層144には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化しデラミネーションなどを生じないこと、黄変の程度が小さいことなどが要求される。これらの要求を満たすものとして、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系の樹脂を1種又は2種以上混合したラミネート用接着剤を使用することができる。
また、長期間の屋外暴露による接着剤の劣化を防止するために劣化防止剤を添加しても良い。劣化防止剤としては、例えば、カルボジイミン、エポキシなどの添加剤が挙げられる。
また、さらに、例えば、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等の各種添加剤が適宜配合されてもよい。
また、耐候層145を光反射性金属層143に貼り合わせる方法は、例えば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチ・エクストルージョンラミネーション方法などの公知の方法を適宜使用することができる。
なお、光反射性金属層143と耐候層145の間にさらに水蒸気バリア層を設けても良い。水蒸気バリア層を設けることにより、高温高湿環境下における光反射性金属層143の腐食を防ぐことができ、太陽電池裏面シートに前面側から入射する光を特定方向へと向けて反射し、太陽電池セルに再入射させ、光の利用効率を向上させる効果を、長期にわたって持続することが可能となる。
水蒸気バリア層は、水蒸気バリア性に優れた材料であることが望ましい。具体的には、太陽電池モジュール内部の電極等の酸化や樹脂材料の加水分解を防止する機能を付与することが可能となる事から、水蒸気透過度が0〜5g/m2の範囲であることが望ましい。水蒸気バリア層145に用いることができる材料の一例として、アルミニウム箔は水蒸気透過度が0.1g/m2以下であり非常に水蒸気バリア性が高いため特に望ましい。
アルミニウム箔の厚さの下限としては10μmが好ましく、20μmが特に好ましい。一方、アルミニウム箔の厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmが特に好ましい。アルミニウム箔の厚さが10μmの下限より小さいと、ピンホールが多いため十分な水蒸気バリア性を得ることが出来ない。また貼り合わせの際にしわなどの欠陥が生じやすく、工程収率が低下してしまう。20μm以上の厚みがあれば、ピンホールがほぼゼロに近いため十分な水蒸気バリア性を得ることが出来、また貼り合わせの際のしわなどの欠陥が生じにくい。一方、アルミニウム箔の厚さが50μmの上限を超えると、屈曲性が低下するために折れなどの欠陥が生じやすく、工程収率が低下してしまう。40μm以下であれば、十分な屈曲性が保たれるため折れなどの欠陥が生じにくい。
高い絶縁性を求められる場合には、基材フィルム上に無機酸化物層が形成されたフィルムを用いても良い。無機酸化物の形成手段としては、基材フィルムに収縮、黄変等の劣化を招来することなく無機酸化物層が形成できれば特に限定されるものではなく、各種手段が可能であるが、真空蒸着法により形成することが一般的である。この真空蒸着法以外の手段としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。この真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかを適宜用いればよい。また無機酸化物層と基材フィルムとの密着性及び無機酸化物層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、無機酸化物層の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行ってもよい。
用いられる無機酸化物としては、水蒸気、酸素の等のガスバリア性を有し、かつ上記のいずれかの形成方法が可能であれば特に限定されるものではなく、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物が挙げられる。中でも、緻密な無機酸化物層が比較的容易に形成でき、長期安定性に優れる酸化珪素が好適である。
無機酸化物層の厚さは、用いられる無機化合物の種類、構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は必要とされるバリア性の程度によって適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は無機酸化物薄膜層にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、無機酸化物薄膜層に亀裂を生じる危惧がある。さらに好ましくは、10〜150nmの範囲内である。膜厚が10nm未満であると、無機酸化物の種類、構成によっては十分なバリア性が得られない可能性がある。また膜厚が150nmを超える場合は、クラックやピンホールが発生しやすくなり、バリア性が低下する可能性がある。
凹凸構造421は、図4に示すようなプリズム形状とするのが望ましい。凹凸構造421の凸部のピッチとしては、30μm以下であることが望ましい。当該ピッチが30μmより大きい場合には、ピッチの増大にともなって構造の高さが高くなるため水蒸気バリア層145を光反射性金属層143と接着層144を介して貼り合わせる際に、気泡が入りやすい等の問題が発生し易くなり好ましくない。また、接着層144の厚みを厚くする必要があり形成そのものも困難となる他、コスト高の要因となってしまう。この点、ピッチが30μm以下であれば貼り合わせの際に気泡等の問題が発生する可能性が低くなり、さらに、成形性、コストの観点から好ましい。
また、凹凸構造421の凸部のピッチは10μm以上であることが望ましい。当該ピッチが10μm以下の場合、凹凸構造143で光が反射する際に光の回折が起こり得る。該回折光は、分光し広がった光となるため制御が難しく、特定方向に反射する上で好ましくない。さらに、金型を切削する時間が長く、タクトが低下し生産効率が悪くなるため好ましくない。この点、ピッチが10μm以上であれば、光を適確に特定方向に反射することができ、さらに、発電効率の観点から好ましい。
なお、上記光反射性金属層143のような凹凸構造を為す金属層を形成する別の方法として、例えば凹凸構造が形成された樹脂フィルムに金属粒子やフレークを含有した樹脂をコーティングする等の方法も挙げられるが、この方法では、鏡面反射性が劣るために光利用効率の向上効果が小さいため好ましくない。
上記光反射性金属層143のような凹凸構造を為す金属層を形成するさらに別の方法として、例えば凹凸構造を金属箔に直接形成する等の方法も挙げられるが、この方法では、金属層の厚みが厚いために抵抗が低く、モジュールを固定するアルミフレームや端子BOXとつながる配線などとの通電が起こりやすくなるため、好ましくない。
次に、裏面シート14による光利用効率の向上の仕組みを説明する。
図5においては、裏面シート14に入射した光が凹凸構造を為す光反射性金属層143によって反射されて太陽電池セル12の受光面Jに入射する過程を示している。
図5に示すように、裏面シート14には凹凸構造を為す光反射性金属層143が設けられている。太陽電池モジュール1の入射面110から入射した光のうち太陽電池モジュール1内を透過して裏面シート14に入射した光H1は、光反射性金属層143で反射される。反射された光H2は前面板11と大気の間等の界面で再度反射され、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3となり光電変換される。したがって、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3が増加すれば、光電変換量が増え、光利用効率の向上を見込むことができる。
この点、本実施形態においては、凹凸構造を為す光反射性金属層143は、前面側から入射する光を特定方向へ反射することができる。この反射光が再入射することにより、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3が増加する。したがって、光の利用効率を向上させて発電量を増加させることが可能となる。
図5(c)に凹凸構造を為す光反射性金属層143を構成するプリズムの頂角θと反射角α(入射角α)の関係を示す。ここでαはプリズム面の法線に対する光の反射角(もしくは入射角)とする。この図5(c)に示すように、入射面110に対して垂直に光が入射した場合には、頂角θと反射角αの間には以下の関係が成り立つ。
α=(180−θ)/2・・・・(3)
凹凸構造を為す光反射性金属層143で反射した光H2は、前面板11と大気の界面で反射する。このときの入射光H2の入射角は2αである。
ここで、2αが臨界角γ以上の場合には、前面板と大気の界面で全反射するため、入射光H2はロスが極めて少なく反射光H3となる(図5(a)参照)。
一方、2αが臨界角γより小さい場合には、反射光H3の他に透過光H4が発生する(図5(b)参照)。この透過光H4の発生にすると反射光H3の光量が減少し、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3の光量が減少するため、入射光H2の入射角2αが臨界角γ以上となることが望ましい。
なお、上記臨界角γは、前面板11の屈折率n1と大気の屈折率n2によって決定され、以下の関係式が成立する。
sinγ=n1/n2・・・・(4)
但し、n1>n2
例えば、前面板11に強化ガラスなどのガラスを用いた場合には、屈折率n1は約1.5、大気の屈折率n2は約1.0であるため、臨界角γは約42°となる。
以上から、凹凸構造を為す光反射性金属層143での反射光H2を有効に利用するためには、2αが臨界角γ以上となる必要があり、上記のように臨界角γが42°の際には凹凸構造を為す光反射性金属層143での反射角αが21°以上であること、すなわちプリズムの頂角θが138°以下であることが要求される。
一方、図6(a)に示すように、プリズムの頂角θが120°よりも小さい場合には、反射角が大きいために多重反射が起こり、前面板と大気の界面での入射角2αが42°以下になる可能性が高いため、反射光を有効に利用することが出来ない。
図6(b)に示すように、プリズムの頂角θが120°以上、138°以下の場合には、前面板と大気の界面での入射角2αが42°以上となり、反射光を有効に利用することが可能である。
また、図6(c)に示すように、プリズムの頂角θが138°よりも大きい場合には、前述の通り、前面板と大気の界面での入射角2αが42°以下となるため、光を有効に利用することが出来ない。
図7には、反射光が有効に利用できる範囲を示している。
領域Mで反射した光は、反射光が前面板と大気の界面に入射する前に太陽電池セルにぶつかってしまうロス光となり、反射光を有効に利用することが出来ない。
領域Nでは、反射した光は反射光が前面板と大気の界面で全反射するため、反射光を有効に利用することが出来る。
領域Oよりも太陽電池セルから遠い領域で反射した光は、前面板と大気の界面で全反射するものの、太陽電池セルに入射せず再度光反射性金属層143に入射するため、反射光を有効に利用することが出来ない。
距離Lm、Ln、Loはプリズムの頂角θによって決まり、次式で表される。
Lm=La・cosφ/tan(θ−90°)・・・・(5)
Ln=Lo−Lm ・・・・(6)
Lo=Lb・cosφ/tan(θ−90°)・・・・(7)
但し、
Lm:太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
Ln:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離と、太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離の差
Lo:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
La:凹凸構造を形成した光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離
Lb:凹凸構造を形成した光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離
φ:前面側から観察したときの太陽電池セルの端辺と凹凸構造層のプリズム形状の長手方向の為す角度
θ:凹凸構造層のプリズム形状の頂角
表1に、光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離Laを0.75mm、凹凸構造を形成した光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離Lbを4.25mmとし、プリズム形状の頂角θを120°、125°、130°、135°、138°とした場合の距離Lm、Ln、Loを示す。このとき、前面側から観察したときの太陽電池セルの端辺と凹凸構造層のプリズム形状の長手方向の為す角度φは0°とする。
これより、頂角120°のときに距離Lnが一番長い、すなわち反射光を有効に利用できる領域Nが一番広いことがわかる。
そのため、頂角θが120°のときに最も光の利用効率を高めることが可能であるため好ましい。このとき、実際の使用環境での入射光の入射角度は0°とは限定されないため、入射角度が異なる場合でも反射光を有効にするために、頂角θは120°±5°とするのがより望ましい。
また、表1に、光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離Laを0.75mm、凹凸構造を形成した光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離Lbを4.25mmとし、前面側から観察したときの太陽電池セルの端辺と凹凸構造層のプリズム形状の長手方向の為す角度φを0°、30°、45°、60°、90°とした場合の距離Lm、Ln、Loを示す。このとき、頂角θは120°とする。
これより、太陽電池セルの端辺とプリズム形状の長手方向の為す角度φが0°のときに距離Lnが一番長い、すなわち反射光を有効に利用できる領域Nが一番広いことがわかる。
そのため、太陽電池セルの端辺とプリズム形状の長手方向の為す角度φが0°のときに最も光の利用効率を高めることが可能であるため好ましい。
Figure 2012209514
図8に太陽電池セル、領域X及び領域Yの関係を示す。距離Lx、Ly、Lc、Lgは次式で規定される。
Lx=Lg+Lc−Ly ・・・・・(8)
但し、
Lx:領域Xの幅方向の距離
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
0.70≦(Ly/Lc)≦0.95・・・・(9)
但し、
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
このとき、距離Lg、Lm、Loが次式の関係となるのが好ましい。
2Lm<Lg≦2Lo ・・・・(10)
但し、
Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
Lm:太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
Lo:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
図7に示したように、領域Mで反射した光は、反射光が前面板と大気の界面に入射する前に太陽電池セルにぶつかってしまうロス光となってしまうため、太陽電池セルの間隔Lgは、太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離Lmの2倍よりも大きいことが望ましい。LgがLmの2倍以下の場合には、隣り合う太陽電池セルの間で反射した光はすべてロス光となってしまい光の利用効率が向上しない。
また、図7に示したように、領域Nで反射した光は反射光が前面板と大気の界面で全反射するため、反射光を有効に利用することが出来る。一方、領域Oよりも太陽電池セルから遠い領域で反射した光は、前面板と大気の界面で全反射するものの、太陽電池セルに入射しないため、反射光を有効に利用することが出来ない。すなわち、太陽電池セルの間隔Lgは、太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離Loの2倍以下であることが望ましい。LgはLoの2倍以下であればなるべく大きい方が好ましいが、Lgが大きくなるとモジュール全体のサイズが大きくなりコスト増の要因となるため、全体の構成と合わせて適宜設計するのが良い。
図9には、正面方向から見て反射光が有効に利用できる範囲を示している。図9(a)には領域X及び領域Yを設けた場合を示している。このとき、領域X‘及び領域Y’ではプリズム形状の長手方向と太陽電池セルの端辺が略並行となるため、反射光を有効に利用できる範囲が広く好適である。図9(b)には領域Xのみを設けた場合(領域Yを設けない場合)を示している。このとき、プリズム形状の長手方向と太陽電池セルの端辺が略並行となるのが領域X‘のみとなり、反射光を有効に利用できる範囲が狭くなってしまうため好ましくない。
また、Ly/Lcが0.70よりも小さいと、反射光が有効に利用できる範囲が狭くなってしまうため好ましくない。Ly/Lxが0.70以上0.95以下であれば、反射光を有効に利用できる範囲が十分に確保できると共に、太陽電池セルとの位置合わせが容易であるため好適である。Ly/Lcが0.95よりも大きいと、反射光が有効に利用できる範囲は広くなるものの、太陽電池セルとの位置合わせの難易度が高くなってしまい、収率低下やコスト増に繋がってしまうため好ましくない。
以上、本発明での実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく多少の設計変更等も可能である。
例えば、第1構成例の裏面シート20として、図10に示す層構成のものであってもよい。
この裏面シート20においては、透光性絶縁層141としてPETフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介して耐加水分解性のPETフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、透光性絶縁層141が凹凸構造421を支持する基材422を兼ねている。
また、第2構成例の裏面シート30として、図11に示す層構成のものであってもよい。
この裏面シート30においては、透光性絶縁層141としてEVAフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介して耐加水分解性のPETフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
また、第3構成例の裏面シート40として、図11に示す層構成のものであって、耐候層147に異なるフィルムを用いたものであってもよい。
この裏面シート40においては、透光性絶縁層141としてEVAフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介してPVFフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
また、第4構成例の裏面シート50として、図11に示す層構成のものであって、透光性絶縁層141及び耐候層147に異なるフィルムを用いたものであってもよい。
この裏面シート50においては、透光性絶縁層141としてPVFフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介してPVFフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
このような第1〜4構成例の裏面シート20、30、40、50においても実施形態の裏面シート14と同様に、光反射性金属層143を含むため、前面側に向かって光を効率良く反射することができる。したがって、太陽電池モジュール1の光の利用効率を向上させて発電量を増大させることが可能となる。
さらに、裏面シート14、20、30、40、50は、太陽電池モジュール1への使用に限るものではなく、LED照明やEL素子などの発光素子の光利用効率向上など、光利用効率向上が望まれる光学素子やディスプレイ部材への転用が可能である。
次に比較例及び実施例について説明する。
(比較例1)
比較例1として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
図12に凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域を示す。凹凸構造層142及び光反射性金属層143には領域Xのみが形成されている。即ち、プリズム形状の長手方向は一方向のみとなるようにした。なお、プリズム形状の頂角は120°とした。
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル1の変換効率を測定することで実施した。
(比較例2)
比較例2として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
図13に凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域を示す。凹凸構造層142及び光反射性金属層143には、領域X及び領域Yが形成されており、Lb及びLcが次式を満たすように形成されている。
(Ly/Lc)=0.68 ・・・・(11)
なお、領域Xと領域Yのプリズム形状の長手方向は互いに直交している。また、プリズム形状の頂角は比較例1と同様に120°とした。
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル2の変換効率を測定することで実施した。
(実施例1)
実施例1として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域は、Lb及びLcが次式を満たすように形成した以外は比較例2と同じである。
(Ly/Lc)=0.78 ・・・・(12)
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル3の変換効率を測定することで実施した。
(実施例2)
実施例2として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域は、図13に図示したLb及びLbが次式を満たすように形成した以外は比較例2及び実施例1と同じである。
(Ly/Lc)=0.87 ・・・・(13)
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル4の変換効率を測定することで実施した。
(変換効率の測定)
比較例1〜3、及び実施例1の評価用サンプル1〜4の変換効率を測定した。測定は、ソーラーシミュレータ(Newport製 34903A)、IVカーブトレーサー(ADCMT製 6244)を用いて行った。
評価用サンプル1〜4の変換効率を表2に示す。
Figure 2012209514
領域Yの幅を規定するLy/Lcを0.70以上0.95以内である0.78及び0.87とした実施例1及び実施例2では、領域Xのみを形成した比較例1、及びLy/Lcが0.70より小さい0.68である比較例1よりも高い変換効率が得られることを確認した。
1 太陽電池モジュール
11 前面板(透光性前面板)
12 太陽電池セル
13 封止材
14 裏面シート(太陽電池裏面シート)
20 裏面シート(太陽電池裏面シート)
22c 電極
30 裏面シート(太陽電池裏面シート)
40 裏面シート(太陽電池裏面シート)
50 裏面シート(太陽電池裏面シート)
110 入射面
141 透光性絶縁層
142 凹凸構造層
143 光反射性金属層
144 接着層
145 水蒸気バリア層
146 接着層
147 耐候層
421 凹凸構造
422 基材
F 光源方向
J 受光面
N 法線
NG 前面板の法線
H0 太陽電池モジュールに垂直に入射する光
H1 反射層に入射する光
H2 反射光
H3 再利用される光
L 光源
Lx 領域Xの端辺から端辺までの距離
Ly 領域Yの端辺から端辺までの距離
Lm 太陽電池セルの端辺から領域Mの端辺までの距離
Ln 太陽電池セルの端辺から領域Nの端辺までの距離
Lo 太陽電池セルの端辺から領域Oの端辺までの距離
La 光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離
Lb 光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離
d 電極からの放電
θ プリズムの頂角
φ 太陽電池セルの端辺とプリズム形状の長手方向の為す角
α 反射角
β 透過角
γ 臨界角

Claims (5)

  1. 内部に太陽電池セルを封止した封止材の前面側に透光性前面板が積層されてなる太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池モジュールの裏面側に配置される太陽電池裏面シートが、前面側から順に少なくとも透光性絶縁層、凹凸構造層、凹凸構造層に支持され凹凸構造を形成した光反射性金属層、接着層、耐候層が積層されてなり、
    前記凹凸構造層の凹凸構造がプリズム形状を為しており、
    前記凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、前記領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、
    前記領域Xと前記領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記領域Xと領域Yが次式(1)(2)を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
    Lx=Lg+Lc−Ly ・・・・・(1)
    但し、
    Lx:領域Xの幅方向の距離
    Ly:領域Yの幅方向の距離
    Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
    Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
    0.70≦(Ly/Lc)≦0.95 ・・・・(2)
    但し、
    Ly:領域Yの幅方向の距離
    Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
  3. 前記凹凸構造層のプリズム形状の溝方向が、セルの外形の一部と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記凹凸構造層のプリズム形状の頂角が120°±5°であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記凹凸構造のプリズム形状の頂部のピッチが、10μm以上30μm以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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