JP2017161753A - 光反射シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、寸法安定性や生産性に優れ、かつ太陽電池モジュールの発電効率や生産性の向上を可能とする光反射シート、及び発電効率や生産性に優れた太陽電池モジュールを提供することをその課題とする。【解決手段】金属層(A)、テクスチャー層(B)、および基材層(C)がこの順に位置し、かつ以下の特徴1〜3を全て備えることを特徴とする、光反射シート。特徴1:波長400〜1,300nmにおける平均反射率が80%以上である。特徴2:波長400〜1,300nmにおける平均透過率が0.1%以下である。特徴3:150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%である。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに用いられる光反射シートに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加による温室効果で地球の温暖化が生じることが予測され、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーの要求が高まっている。このような状況下で、太陽電池モジュールを利用した太陽光発電は、安全性と汎用性の高さから非常に注目されている。一般に、太陽電池モジュールは、受光面側から順に表側カバー材、表側封止材、光電変換を行う太陽電池セル、裏側封止材、および裏側カバー材が積層された構成を有する。
従来の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セル同士の間を通過した光を裏側カバー材や裏側封止材で反射させ、太陽電池セルに取り込むことにより発電効率を向上させる技術が一般的に用いられている。そして、太陽電池モジュールの発電効率をより向上させるために、裏側カバー材として特定の凹凸を有するシートを使用する技術(特許文献1)や、表側封止材と裏側封止材の間に特定の凹凸を有するシートを挿入する技術(特許文献2、3)が知られている。
特開2011−159683号公報 特表2002−513210号公報 特開2015−138975号公報
しかしながら、特許文献1から3のように、凹凸構造を有するシートを使用する太陽電池モジュールでは、太陽電池モジュール内に入射した光を反射させて効率的に太陽電池セルへと導く必要があるが、前記太陽電池モジュール製造工程での加熱によるシート寸法変化がもたらす凹凸構造の変形や太陽電池セル破損は考慮されておらず、発電効率や生産性の低下が課題となっている。また、特許文献2、3のように基材となる層に直接凹凸構造を有するシートは凹凸構造の寸法精度に乏しいという課題もある。
本発明は、かかる従来技術の欠点を改良し、寸法安定性に優れ、かつ太陽電池モジュールの発電効率や生産性の向上に寄与する光反射シートを提供することをその目的とする。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。
(1)金属層(A)、テクスチャー層(B)、および基材層(C)がこの順に位置し、かつ以下の特徴1〜3を全て備えることを特徴とする、光反射シート。
特徴1:波長400〜1,300nmにおける平均反射率が80%以上である。
特徴2:波長400〜1,300nmにおける平均透過率が0.1%以下である。
特徴3:150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%である。
(2)前記テクスチャー層(B)が、活性エネルギー線照射硬化樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)に記載の光反射シート。
(3)さらに接着層(D)を有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の光反射シート。
(4)前記接着層(D)が、少なくとも一方の最外層に位置することを特徴とする、(3)に記載の光反射シート。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射シートを有することを特徴とする、太陽電池モジュール。
(6)表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射シート、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成I)を有することを特徴とする、(5)に記載の太陽電池モジュール。
(7)表側カバー材、表側封止材、(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射シート、太陽電池セル、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成II)を有することを特徴とする、(5)に記載の太陽電池モジュール。
(8)表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、裏側封止材、及び(1)〜(4)のいずれかに記載の光反射シートがこの順に位置する構成(構成III)を有することを特徴とする、(5)に記載の太陽電池モジュール。
本発明により、寸法安定性に優れた光反射シート、及び発電効率や生産性に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の一実施態様に係る光反射シートを、シート面と垂直な面で切断したときの断面図を示す。 構成Iを有する太陽電池モジュールを、太陽電池セルと光反射シートを含み、かつ受光面と垂直な面で切断したときの断面図を示す。 構成IIを有する太陽電池モジュールを、太陽電池セルと光反射シートを含み、かつ受光面と垂直な面で切断したときの断面図を示す。 構成IIIを有する太陽電池モジュールを、太陽電池セルを含み、かつ受光面と垂直な面で切断したときの断面図を示す。
発明者らは、寸法安定性に優れ、かつ太陽電池モジュールの発電効率や生産性の向上に寄与する光反射シートを得ることを目的として鋭意検討を重ねた結果、金属層(A)、テクスチャー層(B)、および基材層(C)がこの順に位置し、かつ以下の特徴1〜3を全て備える光反射シートとしたところ、前記課題を解決できることを見出したものである。
特徴1:波長400〜1,300nmにおける平均反射率が80%以上である。
特徴2:波長400〜1,300nmにおける平均透過率が0.1%以下である。
特徴3:150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%である。
以下に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[金属層(A)]
本発明において金属層(A)とは、金属を主成分とする層をいう。金属を主成分とするとは、層を構成する全成分を100質量%としたときに、金属を50質量%より多く含むことをいう。以下、「主成分とする」については同様に解釈する。
金属層(A)は、金、銀、銅、アルミニウム、亜鉛、及びニッケル等の金属を通常公知の蒸着機(ルツボ方式あるいはボート方式)を用い、抵抗加熱法、誘導加熱法あるいはEB加熱法にて通常10−4Torr以下に減圧して蒸着することによって得られる。また、1回の蒸着で所望の表面抵抗値あるいは厚みに達しない場合は、所望の表面抵抗値ならびに厚みになるまで繰り返して重ね蒸着してもよい。また、蒸着機内で異なる金属(例えば、アルミニウムと亜鉛)を別々に蒸着することによりアロイ化(例えば、アルミニウムで薄く蒸着後、同じ蒸着機内で所望の厚みになるように亜鉛を蒸着)を行ってもよい。
金属層(A)の表面抵抗値は、2.0Ω/sq.以下が好ましく、1.0Ω/sq.以下がより好ましい。表面抵抗値が2.0Ω/sq.以下であると、光反射シートとしての性能が十分な平均反射率や平均透過率となるため好ましい。金属層(A)の表面抵抗値の下限値は特に制限されないが、生産性の観点から、0.2Ω/sq.あれば十分である。
また、金属層(A)の厚みは、500Å以上3,000Å以下であることが望ましい。金属層(A)の厚みが500Å以上であると、光反射シートとしての性能が十分な平均反射率や平均透過率となるため好ましい。また、金属層(A)の厚みが3,000Å以下であると、光反射シートが厚くなり過ぎず、十分な平均反射率が得られる。また、柔軟性も向上して屈曲を繰り返すことによる金属層(A)と後述するテクスチャー層(B)との密着性の低下も軽減され、更に蒸着工程においてテクスチャー層(B)や後述する基材層(C)が変形しにくくなる。
本発明においては、金属層(A)は、表面抵抗値や平均反射率、平均透過率、コストの観点からアルミニウムを主成分とすることが好ましい。
[テクスチャー層(B)]
テクスチャー層(B)は、基材層(C)の少なくとも一方の面に、実質的に二等辺三角柱の形状からなるテクスチャー部を単位として、二等辺三角柱の高さ方向が互いに平行になるように多数配置するものである。前記テクスチャー部の頂角は特に限定されないが、後述する本発明の太陽電池モジュールの表側カバー材にガラスを用いる場合、ガラスと大気の屈折率差から求められる臨界角を考慮すると、110°〜130°が好ましい。また、前記テクスチャー部の頂角ピッチは特に限定されないが、生産適性や寸法精度等の観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜60μmであることがより好ましい。
テクスチャー層(B)の素材は特に限定されるものではないが、透光性の材料を用いることが好ましい。透光性材料としては、例えば、ポリメタアクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの単独若しくは共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びこれらの変性共重合体等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン重合体、及びその変成共重合体等の熱可塑性樹脂、或いは活性エネルギー線照射硬化樹脂等を単独で又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明では、生産適性や形状安定性の観点から、テクスチャー層(B)が、活性エネルギー線照射硬化樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで、活性エネルギー線照射硬化樹脂とは、紫外線及び/又は電子線で架橋することができる樹脂をいい、その具体例としては、ウレタンアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂等が挙げられる。
本発明では、生産適性や形状安定性の観点から、テクスチャー層(B)が、ウレタンアクリレート系樹脂及び/又はポリエステルアクリレート系樹脂等を主成分とすることが好ましく、分子内に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートを主成分とすることがより好ましく、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のポリオールポリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリレートなどのエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多価カルボン酸及び/またはその無水物とアクリル酸とをエステル化することによって得ることができるポリエステル(メタ)アクリレート、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレートからなる群より選択される一の樹脂を主成分とすることがさらに好ましく、透明性、可撓性、及び密着性等の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とすることが特に好ましい。
テクスチャー層(B)の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましく、形状精度を確保する観点から100μm以下が好ましい。さらに、生産適性やハンドリングの容易性、コスト等を勘案すると、テクスチャー層(B)の厚みは10μm以上50μm以下がより好ましい。なお、本発明のテクスチャー層(B)の厚みとは、テクスチャー層(B)を積層する基材層(C)の面に対して垂直な面で切断した際の、テクスチャー層凸部の頂点からテクスチャー層(B)と基材層(C)との界面までの距離をいう。
テクスチャー層(B)の製造方法は、例えば熱プレスによる金型成形加工法、シートからのエンボス加工法、立体模様を有する離型性シートから転写する方法、射出成形加工法、紫外線を透過する基材層上に活性エネルギー線照射硬化樹脂を塗布後、型内で紫外線を照射して成形させる方法等を用いることが可能である。本発明では、生産適性や形状安定性の観点から、紫外線を照射して成形させる方法が好ましい。
[基材層(C)]
基材層(C)は、柔軟性を確保する観点からフィルム形態を有することが好ましい。フィルムの層構成としては、単層または積層のいずれであってもよい。フィルム中の分子配向は、無配向、一軸配向、及び二軸配向のいずれであってもよい。
基材層(C)の素材は特に限定されないが、有機高分子を主たる構成成分とするものであることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びこれらの樹脂を2種類以上混合したものが挙げられる。中でも強度、寸法安定性、及び熱安定性に優れていることからポリエステル樹脂が好ましく、さらに安価であることからポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレートは共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
ここで、本発明の光反射シートを後述する裏側カバー材として使用する場合、光反射シートは外気に直接曝される環境下に用いられるため、基材層(C)の素材としては耐加水分解性に優れる樹脂であることが好ましい。通常、ポリエステル樹脂はモノマーを縮合重合させたいわゆるポリマーを原料とするが、モノマーとポリマーの中間に位置づけられるオリゴマーが1.5〜2質量%程度含まれている。オリゴマーの代表的なものは環状三量体であり、その含有量が多いと、裏側カバー材として使用した際、屋外などの長期暴露において機械的強度の低下や、雨水等による加水分解の進行に伴う亀裂、材破などを生じる。
これに対して耐加水分解性に優れる樹脂では、固相重合法で重合して得られる環状三量体の含有量が1.0質量%以下のポリエステル樹脂を原料とすることで、高温高湿度下での加水分解を抑制することが可能であり、さらに耐熱性及び耐候性にも優れる。なお、上記環状三量体含有量の測定は、例えばポリマー100mgをオルトクロロフェノール2mlに溶解させた溶液を用いて、液体クロマトグラフィーにて測定することで樹脂質量に対する含有量(質量%)を測定する方法で求められる。
基材層(C)には、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤や紫外線安定剤等の光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、及び着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で単独で又は複数種を組み合わせて添加することができる。光安定剤の具体例は後述する。
基材層(C)の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、柔軟性を確保する観点から500μm以下が好ましく、引張りや衝撃に対する強度を確保する観点から5μm以上が好ましい。さらに、シートの加工やハンドリングの容易性、耐電圧特性、コスト等を勘案すると、基材層(C)の厚みは10μm以上250μm以下がより好ましい。
[接着層(D)]
本発明の光反射シートは、さらに接着層(D)を有することが好ましい。接着層(D)を有することにより、本発明の光反射シートと太陽電池セルとの絶縁性を確保したり、太陽電池モジュール製造工程において光反射シートの配置決めを容易にしたりすることができる。接着層(D)は、他部材との接着を担う層であるため、少なくとも一方の最外層に位置することが好ましい。
接着層(D)の素材は特に限定されないが、有機高分子を主たる構成成分とし、熱融着性を有するものであることが好ましい。本発明に好適に用いることができる有機高分子としては、例えば、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、および変性ポリオレフィン樹脂などを単独で又は組み合わせて用いることができる。これらの中でも、耐候性や他部材との密着性、および部材コストの観点から、EVAを好ましく用いることができる。
接着層(D)の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、5μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。接着層(D)の厚みが5μm以上であることにより、太陽電池モジュールの製造工程において光反射シートを容易に固定できる。また、表側封止材の厚みが100μm以下であることにより、光反射シートの生産性が上がり、コスト的な負荷が軽減される。
[光安定剤]
基材層(C)と接着層(D)は、耐候性を向上させる観点から、必要に応じて光安定剤を含んでもよい。光安定剤の含有量は、耐候性の向上と光安定剤による着色を最小限に留める観点から、基材層(C)若しくは接着層(D)を形成する全成分を100質量%として、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることがさらに好ましい。一般に、光安定剤の含有量を増やすことで耐候性が向上し、光安定剤の含有量を減らすことで光安定剤による着色が軽減される。
光安定剤は、本発明の効果を損なわない限り、単独で使用することも、複数種を混合して使用することも可能である。複数種を混合して使用する場合において、光安定剤の含有量とは、各々の光安定剤の含有量ではなく、使用する全ての光安定剤の合計の含有量を指す。
本発明の光反射シートに光安定剤を使用する場合は、耐熱性に優れ、樹脂との相溶性が良く均一分散させることができ、かつ着色が少ないものを選択することが望ましい。基材層(C)や接着層(D)を構成する樹脂として、「基材層(C)」、「接着層(D)」の項に記載した樹脂を用いる場合、光安定剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、およびトリアジン系等の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系等の紫外線安定剤の各種の光安定剤が適用可能である。より具体的な適用例は、下記のとおりである。
[紫外線吸収剤]
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリシレート、およびp−オクチルフェニルサリシレートなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、およびビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2(2’ヒロドキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、および2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’メチルフェニル]ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、 2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
その他本発明の太陽電池モジュールに使用することができる紫外線吸収剤としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザックアシッドビスアニリド、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールおよび2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルなどが挙げられる。
[紫外線安定剤]
ヒンダードアミン系紫外線安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、およびコハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙げられる。
その他本発明の太陽電池モジュールに使用することができる紫外線安定剤としては、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、[2−チオビス(4−t−オクチルフェノラート)]−n−ブチルアミンニッケル、ニッケルコンプレックス−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−リン酸モノエチレート、ニッケル−ジブチルジチオカーバメート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、および2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ハイドロキシベンゾエートなどが挙げられる。
これらの光安定剤の中でも、ポリエステル樹脂との相溶性の観点からは、2,2’−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールを用いることが好ましく、さらに紫外線吸収性を考慮すると、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールを用いることがより好ましい。
[光反射シートの平均反射率及び平均透過率]
本発明の光反射シートは、太陽電池モジュールとしたときの発電効率を向上させる観点から、波長400〜1,300nmにおける平均反射率が80%以上であること、及び波長400〜1,300nmにおける平均透過率が0.1%以下であることが重要である。ここで、波長400〜1,300nmにおける平均反射率とは、硫酸バリウムの副白板を基準とし、サンプリングピッチ1nmで測定した400nm〜1,300nmにおける平均相対反射率をいう。また、平均透過率とは、サンプリングピッチ1nmで測定した波長400〜1,300nmにおける平均透過率をいう。
上記観点から、波長400〜1,300nmにおける平均反射率は、83%以上であることがより好ましい。波長400〜1,300nmにおける平均反射率は高ければ高いほど太陽電池モジュールの発電効率が向上するため、その上限値に特に制限はないが、実現可能性の観点から、その上限値は90%程度となる。
また、上記観点から、波長400〜1,300nmにおける平均透過率は、0.05%以下であることがより好ましい。波長400〜1,300nmにおける平均透過率は低ければ低いほど太陽電池モジュールの発電効率が向上するため、その下限値に特に制限はないが、実現可能性の観点から、その下限値は0.01%程度となる。
波長400〜1,300nmにおける平均反射率を80%以上又は上記の好ましい範囲とし、かつ波長400〜1,300nmにおける平均透過率を0.1%以下又は上記の好ましい範囲とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、金属層(A)の厚みを500Å以上3,000Å以下の範囲で調節する方法が挙げられる。具体的には、上記範囲で金属層(A)の厚みを大きくすることにより、波長400〜1,300nmにおける平均反射率を高く、波長400〜1,300nmにおける平均透過率を低くすることができる。
[光反射シートの収縮率]
本発明の光反射シートは、150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%であることが重要である。好ましくは、長手方向で−0.2〜1.0%以下であり、幅方向で−0.3〜0.3%である。150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が上記範囲にあると、寸法安定性が優れることで、波長400〜1,300nmにおける安定した平均反射率並びに平均透過率を得ることが可能となる。さらに、太陽電池セルに直接接触する場合は、前記光反射シートの収縮応力により太陽電池セルにクラックが生じるリスクを軽減でき、また、太陽電池モジュールに組み込む際に位置合わせが容易となる。
ここで、長手方向とは、フィルムの搬送面に平行であり、フィルム製造時にフィルムが進行する方向をいい、幅方向とはフィルムの搬送面に平行であり、長手方向と直交する方向をいう。
150℃で30分間加熱処理した後の収縮率は、150mm(測定方向)×10mmの矩形の光反射シートに3gの錘を吊し、150℃の雰囲気下で30分間加熱処理をしたときの標線間距離の変化率を算出することにより測定することができる。なお、具体的な測定方法は実施例に記載する。
なお、150℃で30分間加熱処理した後の収縮率を、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%又は上記の好ましい範囲とするための方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、基材層(C)として一度高温処理したフィルムを使用する方法が挙げられる。
高温処理時の温度は、基材層(C)を構成する樹脂の種類に応じて任意に選択することができ、例えば、基材層(C)としてポリエチレンテレフタレートを主成分とするフィルムを用いる場合は、150℃以上170℃以下であることが好ましい。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の光反射シートを有することが重要である。このような態様とすることにより、発電効率に優れた太陽電池モジュールを効率的に生産することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様として、表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、本発明の光反射シート、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成I)を有する態様や、表側カバー材、表側封止材、本発明の光反射シート、太陽電池セル、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成II)を有する態様が挙げられる。
ここでいう表側とは、太陽光が直接照射される側、すなわち受光面側を意味し、裏側とは表側の反対側を意味する。構成Iとは、太陽電池セルと本発明の光反射シートを含み、かつ受光面と垂直な面で太陽電池モジュールを切断したときに、表側から順に、表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、本発明の光反射シート、裏側封止材、及び裏側カバー材が配置されている構成を意味する。なお、表側カバー材や裏側カバー材の外側及び/又は各部材の間に別の部材が存在する構成であるとしても、上記の各部材が上記の順に位置する限り、構成Iに該当するものとする。構成IIについても同様に定義することができる。
また、構成I又は構成IIを有する態様の他に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい態様として、表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、裏側封止材、及び本発明の光反射シートがこの順に位置する構成(構成III)を有する態様が挙げられる。
構成IIIとは、太陽電池セルを含み、かつ受光面と垂直な面で太陽電池モジュールを切断したときに、表側から順に、表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、裏側封止材、及び本発明の光反射シートが配置されている構成を意味する。なお、表側カバー材や裏側カバー材の外側及び/又は各部材の間に別の部材が存在する構成であるとしても、上記の各部材が上記の順に位置する限り、構成IIIに該当するものとする。
構成IIIを有する態様においては、本発明の光反射シートは裏側カバー材としての機能も果たす。
本発明の太陽電池モジュールは、好ましいものとして挙げた構成I〜構成IIIを有する態様の中でも、生産性や発電効率、及びコストの観点から、構成Iを有する態様であることがより好ましい。
本発明の光反射シートは、接着層(D)を介して積層されていても、接着層(D)を介さずに直接積層されていてもよいが、太陽電池セルに直接接触する場合(太陽電池モジュールが(I)又は(II)の構成である場合)は、絶縁性確保の観点から接着層(D)を介して積層されていることが好ましい。
また、本発明における太陽電池モジュールは、公知の太陽電池モジュールの製造方法を用いることができる。例えば、上記の各材料を積層して加熱圧着する方法を用いることができる。具体的には、大気圧の状態で表側封止材または裏側封止材うち融点が高い方の融点以上の温度環境下で、加圧することにより熱圧着する方法や、減圧状態で表側封止材または裏側封止材うち融点が高い方の融点以上の温度環境下で、加圧することにより熱圧着する方法などが挙げられる。太陽電池モジュール内の気泡発生を抑制する観点からは、減圧状態で加圧し熱圧着することが好ましい態様である。ここでいう融点とはJIS K7121:1987に準拠したDSC法により測定した融点のことである。
[表側カバー材及び裏側カバー材]
本発明の太陽電池モジュールにおいて、表側及び裏側カバー材には、太陽光の透過性、電気絶縁性、積雪や風圧などに対する機械的強度、酸性雨、紫外線、温度、および湿度などに対する耐候性、砂塵などに対する耐衝撃性、および製造工程に耐えうる程度の耐傷付性などが要求される。なお、以下、表側及び裏側カバー材を総称して単にカバー材ということがある。
表側カバー材の材料はガラスが好ましく用いられ、裏側カバー材の材料は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えばガラスや樹脂成形品などを用いることができる。樹脂成形品としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、およびフッ素樹脂などが挙げられる。
カバー材の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、50μm以上10cm以下の範囲であることが好ましい。カバー材の厚みが50μm以上であることにより、太陽電池モジュールに必要な機械的強度を確保することができる。また、カバー材の厚みが10cm以下であることにより、太陽電池モジュールの重量増加を抑えることができ、太陽電池モジュールを設置する際の負荷が軽減される。
[表側封止材及び裏側封止材]
本発明の太陽電池モジュールにおいて、表側封止材及び裏側封止材としては、例えば、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、および変性ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。これらの中でも、耐候性や他部材との密着性、および部材コストの観点から、EVAを好ましく用いることができる。
表側封止材の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、200μm以上1cm以下の範囲であることが好ましい。表側封止材の厚みが200μm以上であることにより、太陽電池モジュールの製造工程における各種部材の積載や、加熱(ラミネート)による圧力で太陽電池セルが割れることを軽減することができる。また、表側封止材の厚みが1cm以下であることにより、太陽電池モジュールの重量増加を抑えることができ、太陽電池モジュールを設置する際の負荷が軽減される。なお、裏側封止材の厚みも、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、表側封止材の厚みと同様の観点から、200μm以上1cm以下の範囲であることが好ましい。
[太陽電池セル]
本発明における太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルとは、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力素子である。太陽電池セルは、表側封止材と裏側封止材の間に間隔を空けて直列または並列に接続されている。
太陽電池セルとしては、例えば、単結晶シリコン型太陽電池セル、多結晶シリコン型太陽電池セル、アモルファスシリコン型太陽電池セル、化合物型太陽電池セル、および有機薄膜型太陽電池セルなどがあるが、本発明の太陽電池モジュールにおいては、本発明の効果を損なわない限り、どの種類の太陽電池セルを用いてもよい。
本発明における太陽電池モジュールのカバー材表面からバックシート裏面までの厚み(以下、太陽電池モジュールの厚みということがある)は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、475μm以上12.5cm以下の範囲であることが好ましい。太陽電池モジュールの厚みが475μm以上であることにより、太陽電池モジュールとして使用するのに十分な機械強度が確保できる。また、太陽電池モジュールの厚みが12.5cm以下であることにより、太陽電池モジュールの重量増加を抑えることができ、太陽電池モジュールを設置する際の負荷が軽減される。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
<特性の評価方法>
(1)光反射シートの厚みと各層の厚み:
光反射シートの厚みは、JIS C2151:2006に準じて測定した。具体的には、光反射シートを、ミクロトームを用いてシート面に垂直な面で切断し、切片サンプルを得た。その切片サンプルの断面を、日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて、500倍の倍率で3点撮像し、3点の撮像から層の厚みの平均値を算出し、各層の厚みとした。また、各層の厚みの合計を光反射シートの厚みとした。
(2)光反射シートの平均反射率:
光反射シートを5cm(長手方向)×5cm(幅方向)で切り出してサンプルとした。次いで、測定光の入射面が金属層(A)面となるように配置し、島津製作所社製分光光度計(UV−3150 UV−VIS−NIR Spectrophotometer)を用いて、付属の積分球を用いた基本構成で、装置付属の硫酸バリウムの副白板を基準として400nm〜1,300nmにおける相対反射率の測定を行った。測定条件は、スリットを12nm、サンプリングピッチを1nm、スキャンスピードを高速とした。得られた相対反射率の値の総和をサンプリング数(測定した波長ポイント数)で除して得られた値を平均相対反射率とした。平均相対反射率の測定を3回行い、その平均値を算出して本発明の光反射シートの平均反射率とした。
(3)光反射シートの平均透過率:
光反射シートを5cm(長手方向)×5cm(幅方向)で切り出してサンプルとした。次いで、測定光の入射面が金属層(A)面となるように配置し、島津製作所製分光光度計(UV−3150 UV−VIS−NIR Spectrophotometer)に付属の積分球を用いた基本構成で波長400nm〜1,300nmにおける透過率の測定を行った。測定は、スリットを12nm、サンプリングピッチを1nm、スキャンスピードを高速として1回行った。得られた透過率の値の総和をサンプリング数(測定した波長ポイント数)で除して得られた値を平均透過率とした。
(4)光反射シートの熱収縮率
光反射シートを長手方向(MD)および幅方向(TD)に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して150℃に加熱した熱風オーブン内に30分間設置し加熱処理を行った。熱処理後の標線間距離を測定し、加熱処理前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は長手方向および幅方向に各々5サンプル実施して、得られた平均値を各々の熱収縮率とした。
(5)太陽電池モジュールの作製および発電向上率
多結晶シリコン型太陽電池セル「ジンテック社製G156M3」(156mm×156mm)の表面と裏面の銀電極部分に、フラックス「HOZAN社製H722」をディスペンサーで塗布し、表面と裏面の銀電極の上に、155mmの長さに切断した配線材「日立電線社製銅箔SSA−SPS0.2×1.5(20)」を、表面側のセルの片端から10mm離れた部分が配線材の端に、そして裏面側が表面側と対称になるように乗せ、セル裏面側から半田ごてを接触させて表面と裏面を同時に半田溶着し、1セルストリングスを作製した。
次いで、作製した1セルストリングスのセルから飛び出している前記の配線材の長さの長い方向と、180mmに切断した取り出し電極「日立電線社製銅箔A−SPS0.23×6.0」の長さの長い方向が垂直になるように置き、前記の配線材と取り出し電極が重なる部分に前記のフラックスを塗布して半田溶着を行い、取り出し電極付きストリングスを作製した。この時点において、JIS C8914:2005の基準状態に準じて短絡電流の測定を実施し、セル単体の発電性能とした。
次いで、後述の通り太陽電池モジュール構成毎に積層物を作製し、表側カバー材が真空ラミネータの熱板と接触するようにセットし、熱板温度145℃、真空引き4分、プレス1分および保持時間10分の条件で真空ラミネートを行い、太陽電池モジュールを得た。得られた太陽電池モジュールを、JIS C8914:2005の基準状態に準じて測定した短絡電流の測定を実施し、モジュール化後の発電性能とした。このようにして得られたセル単体の発電性能とモジュール化後の発電性能から、次の式に従い、モジュール化による発電向上率を算出した。発電向上率6%以上を合格とした。
モジュール化による発電向上率(%)=(モジュール化後の発電性能/セル単体の発電性能−1)×100(%)
[構成Iを有する太陽電池モジュールの作製のための積層物]
表側カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製 太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)と、表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、取り出し電極付きストリングスと、190mm×190mmにカットし、カットした正方形の中心部をそれぞれの辺から17.5mm内側にセルを包含しうるように155mm(長手方向)×155mm(幅方向)だけ切り抜かれた光反射シートと、裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、裏側カバー材として、190mm×190mmに裁断した0.05mmの東レ社製白色ポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)MX11とを、この順に重ね積層物を得た。なお、光反射シートは金属層(A)を表側封止材側に向けて配置した。
[構成IIを有する太陽電池モジュールの作製のための積層物]
表側カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製 太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)と、表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、190mm×190mmにカットし、カットした正方形の中心部をそれぞれの辺から17mm内側にセルを包含しうるように156mm(長手方向)×156mm(幅方向)だけ切り抜かれた光反射シートと、取り出し電極付きストリングスと、裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、裏側カバー材として、190mm×190mmに裁断した0.05mmの東レ社製白色ポリエステルフィルム“ルミラー”(登録商標)MX11とを、この順に重ね積層物を得た。なお、光反射シートは金属層(A)を表側封止材側に向けて配置した。
[構成IIIを有する太陽電池モジュールの作製のための積層物]
表側カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製 太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)と、表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、取り出し電極付きストリングスと、裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製 封止材0.5mm厚)と、裏側カバー材として金属層(A)が裏側封止材側に向くように設置された190mm×190mmの光反射シートとを、この順に積層し積層物を得た。
[実施例1]
基材層(C)として、150℃で2分間加熱処理した東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)T60(125μm)を準備した。前記基材層(C)の一方の面に、厚み20μmとなるようにアプリケーターを用いて活性エネルギー線照射硬化樹脂である日立化成社製“ヒタロイド”(登録商標)4864の塗布膜を形成し、次いで前記塗布膜にテクスチャー形状が刻設された金型平版を押圧しながら、基材層(C)の前記塗布膜が形成された面の反対面から紫外線を照射してテクスチャー層(B)を形成した。さらに、前記テクスチャー層(B)の全面に誘導加熱方式の蒸着装置を用いてアルミニウムを蒸着し、厚み800Åの金属層(A)を形成し、本発明の光反射シートを得た。得られた光反射シートを用いて、上記「(5)太陽電池モジュールの作製および発電向上率」の項に記載の方法により、太陽電池モジュール構成(I)の太陽電池モジュールを得た。得られた光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[実施例2]
太陽電池モジュールの構成を「太陽電池モジュール構成(II)」とした以外は、実施例1と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[実施例3]
基材層(C)を150℃で2分間加熱処理した東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)X10S(125μm)とし、太陽電池モジュール構成を「太陽電池モジュール構成(III)」とした以外は、実施例1と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
基材層(C)のテクスチャー層(B)がある面の反対面に、接着層(D)として、エチレンビニルアセテートを厚み20μmとなるように積層した以外は、実施例1と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
太陽電池モジュールの構成を「太陽電池モジュール構成(II)」とした以外は、実施例4と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[実施例6]
基材層(C)を加熱処理していない東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)T60(125μm)とした以外は、実施例5と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
金属層Aの厚みを400Åとした以外は、実施例1と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
基材層(C)として、加熱処理していない東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)X10S(125μm)を準備した以外は、実施例5と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。作製したモジュールを目視確認すると、光反射シートの熱収縮により太陽電池セル端部に一部亀裂が入っていた。
[比較例3]
光反射シートを太陽電池モジュールに使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして光反射シートおよび太陽電池モジュールを得た。光反射シートおよび太陽電池モジュールの評価結果を表1に示す。
本発明により、寸法安定性に優れ、生産性の高い光反射シートを提供することができる。また、本発明の光反射シートを用いることにより、発電効率及び生産性に優れた太陽電池モジュールを得ることができる。
1:太陽電池モジュール
2:光反射シート
3:裏側封止材
4:表側封止材
5:表側カバー材
6:太陽電池セル
7:裏側カバー材
8:金属層(A)
9:テクスチャー層(B)
10:基材層(C)
11:頂角
12:頂角ピッチ

Claims (8)

  1. 金属層(A)、テクスチャー層(B)、および基材層(C)がこの順に位置し、かつ以下の特徴1〜3を全て備えることを特徴とする、光反射シート。
    特徴1:波長400〜1,300nmにおける平均反射率が80%以上である。
    特徴2:波長400〜1,300nmにおける平均透過率が0.1%以下である。
    特徴3:150℃で30分間加熱処理した後の収縮率が、長手方向で−0.5〜1.5%以下であり、幅方向で−0.5〜0.5%である。
  2. 前記テクスチャー層(B)が、活性エネルギー線照射硬化樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の光反射シート。
  3. さらに接着層(D)を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の光反射シート。
  4. 前記接着層(D)が、少なくとも一方の最外層に位置することを特徴とする、請求項3に記載の光反射シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の光反射シートを有することを特徴とする、太陽電池モジュール。
  6. 表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、請求項1〜4のいずれかに記載の光反射シート、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成I)を有することを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
  7. 表側カバー材、表側封止材、請求項1〜4のいずれかに記載の光反射シート、太陽電池セル、裏側封止材、及び裏側カバー材がこの順に位置する構成(構成II)を有することを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
  8. 表側カバー材、表側封止材、太陽電池セル、裏側封止材、及び請求項1〜4のいずれかに記載の光反射シートがこの順に位置する構成(構成III)を有することを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
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