JP5729086B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents
太陽電池モジュール Download PDFInfo
- Publication number
- JP5729086B2 JP5729086B2 JP2011075722A JP2011075722A JP5729086B2 JP 5729086 B2 JP5729086 B2 JP 5729086B2 JP 2011075722 A JP2011075722 A JP 2011075722A JP 2011075722 A JP2011075722 A JP 2011075722A JP 5729086 B2 JP5729086 B2 JP 5729086B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- region
- light
- solar cell
- layer
- prism
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/52—PV systems with concentrators
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
この太陽電池は入射した光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、該太陽電池のうち主要なものは使用材料の種類によって結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、有機化合物系等に分類される。このうち、現在市場で流通しているものは、ほとんどが結晶系シリコン太陽電池であり、この結晶系シリコン太陽電池はさらに単結晶型及び多結晶型に分類される。
このような多結晶シリコン太陽電池の高効率化に関しては様々な検討が行われている。
単結晶シリコンにおいては、アルカリ溶液等の異方性エッチングにより微細なピラミッドまたは逆ピラミッドを形成することで太陽光の反射を低減させることが行なわれている。この異方性エッチングでは、単結晶シリコンのエッチング速度が、Si(100)結晶方位面とSi(111)結晶方位面とで異なることを利用している(例えば、特許文献2参照)。
このような問題を解決するために、多結晶シリコン基板へテクスチャを形成する方法として、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)法によって多結晶シリコン基板表面に微細な突起を形成する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この手法によれば、微細な突起を多結晶シリコンにおける不規則な結晶の面方位に左右されずに均一に形成することにより、特に多結晶シリコンを用いた太陽電池セルにおいても反射率をより効果的に低減することができる。
以上のような高効率化技術の進歩により、最近では多結晶シリコン太陽電池においても、研究レベルでは18%程度の変換効率が達成されており、多結晶シリコン太陽電池における変換効率の理論限界(20〜30%)に近づいてきている。
一般的な結晶シリコン系太陽電池モジュールでは、リーク電流を低減させるべく該太陽電池モジュール内の複数の太陽電池セル間に隙間が形成されている。そのため、太陽電池セルに入射せずに裏面シートへ入射する太陽光が存在しており、その太陽光を再利用することが出来れば光利用効率の向上が可能である。
本発明は、上記事情に鑑み、本来損失となってしまう光をより確実に再利用することを可能にする太陽電池裏面シート及びこれを備えた太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る太陽電池モジュールは、内部に太陽電池セルを封止した封止材の前面側に透光性前面板が積層されてなる太陽電池モジュールであって、前記太陽電池モジュールは、複数の前記太陽電池セルを備えており、前記太陽電池セル同士は、前記透光性前面板の面方向に沿って予め設定した間隔をあけて配置されており、前記太陽電池モジュールの裏面側に配置される太陽電池裏面シートが、前面側から順に少なくとも透光性絶縁層、凹凸構造層、凹凸構造層に支持され凹凸構造を形成した光反射性金属層、接着層、耐候層が積層されてなり、前記凹凸構造層の凹凸構造がプリズム形状を為しており、前記凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、前記領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、前記領域Xと前記領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されており、且つ次式(1)を満たすように形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
2Lm<Lg≦2Lo ・・・・(1)
但し、
Lg:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セル同士の間隔
Lm:光反射性金属層の領域であって、太陽電池裏面シートに入射して反射した光が太陽電池セルの前面側の面に入射しない領域Mにおけるプリズム形状の溝方向に直交し、太陽電池セルから離れて位置する端辺から太陽電池セルの領域M側に位置する端辺までの距離Lo:領域Mに隣接する光反射性金属層の領域であって、太陽電池裏面シートに入射して反射した光が太陽電池セルの前面側の面に入射する領域Nにおけるプリズム形状の溝方向に直交し、領域Nの領域Mから離れて位置する端辺から太陽電池セルの領域M側に位置する端辺までの距離
このような特徴の太陽電池モジュールによれば、より確実に光を再利用することが可能となる。
Lx=Lg+Lc−Ly ・・・・・(2)
0.70≦(Ly/Lc)≦0.95 ・・・・(3)
但し、
Lx:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向の距離
Ly:領域Yのプリズム形状の溝の延伸する方向に沿った領域Yの幅方向の距離
Lc:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った太陽電池セルの一辺の長さ
Lg:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セル同士の間隔
本発明に係る太陽電池モジュールは、前記凹凸構造層のプリズム形状の頂角が120°±5°であることを特徴としている。
上記頂角が115°より小さい場合には、プリズムによる多重反射が起こり、再利用できる光が少なくなるため好ましくない。頂角が115°より大きく143°よりも小さい範囲では、反射した光が透光性前面板と空気界面で全反射するため光を再利用することが可能となるが、その範囲内であれば、頂角が小さい方がより太陽電池セルから遠い領域に入射した光の再利用が可能となるため、120°±5°が好適である。
上記ピッチが30μmより大きい場合には、ピッチの増大にともなって構造の高さが高くなるため耐候層と接着層を介して貼り合わせる際に、気泡が入りやすい等の問題が発生し易くなり好ましくない。また、接着層の厚みを厚くする必要があり形成が困難となる他、コスト高の要因となってしまう。一方、ピッチが10μm以下の場合、凹凸構造で光が反射する際に光の回折が起こり得る。該回折光は、分光して広がった光となるため制御が難しく、特定方向に反射する上で好ましくない。さらに、金型を切削する時間が長く、タクトが低下し生産効率が悪くなるため好ましくない。これを踏まえて本発明においては、上記ピッチが10μm以上30μm以下の範囲に設定されているため、上記不都合を解消することができる。
図1は、太陽電池モジュールの実施形態の概略構成を示す縦断面図である。図1に示すように、太陽電池モジュール1は、前面板11と、封止材13と、太陽電池セル12と、裏面シート(太陽電池裏面シート)14とが積層されることで構成されており、光源Lからの光を受光することにより発電を行なう装置である。なお、光源Lとしては、通常、太陽や室内灯の人工照明が採用される。
前面板11は、太陽電池モジュール1の最前面に配置されて、太陽電池セル12を衝撃、汚れ、水分の浸入等から保護するもので、透過率が高い透明な材料から形成された板状をなしている。
前面板11を射出した光は、封止材13に入射する。この封止材13は、厚み0.4〜1mm程度のシート状をなしており、その内部にて複数の太陽電池セル12を固定している。前面板11に入射した光H0は、封止材13を透過し、太陽電池セル12へ入射する光H1となり、該光H1の一部は封止材13を通過して裏面シート14に入射する光H1となる。
この太陽電池セル12は、複数個が電極(図示省略)によって接続されてモジュールを形成している。
ここで、裏面シート14に要求される重要な性能の一つとして、電気絶縁性がある。この電気絶縁性は、太陽電池モジュール1が内部に電極を含むことから、長期使用での短絡や漏電等を防ぐための必須の性能である。また、太陽電池モジュール1においては、特に太陽電池セル12側の表面が電気絶縁性であることが求められている。
通常、太陽電池セル12は、充填層13の中央付近にあり、裏面シート14の光反射性金属層143から離れているため、電極22cがショートすることによる電流のリークは起こらない。
このショートを防ぐために図3(c)のように裏面シート14の透光性絶縁層141を光反射性金属層143の前面側に配置することにより、上述のショートを防ぐことができる。
上記電気絶縁性を示す数値基準の一つとして、絶縁破壊電圧がある。この絶縁破壊電圧は、絶縁破壊電圧以上の電圧が加わると絶縁状態が破壊されるという指標であり、絶縁破壊電圧が高い方が電気的に安定であると言える。
太陽電池モジュールの絶縁性能の一つとして、最大システム電圧の2倍+1000Vの直流電圧を1分間印加しても絶縁破壊などの異常がないこと、と定められている(参考 JISC8918/結晶系太陽電池モジュール)。最大システム電圧は、通常600〜1000Vである。
本実施形態における透光性絶縁層141は、上述の各種材料のいずれかからなる樹脂フィルムから構成されている。この透光性絶縁層141に使用する材料としては、透明あるいは半透明の材料であることが望ましく、光の散乱を生じる要素が少ない方が好ましい。
また、透光性絶縁層141に用いる材料としては上記に限ったものではなく、絶縁破壊電圧の基準値を満たす材料であれば、適宜採用することが可能である。例えば、EVAやPVB等を主成分とする合成樹脂フィルムを採用することも可能である。これらの樹脂を採用した場合には、封止材13との密着性が向上するため好ましい。
多層の場合の構成方法としては、例えばPETフィルムにPVF等のフッ素樹脂フィルムを貼り合わせる方法、PETフィルムにPVF等のフッ素樹脂塗膜を形成する方法、PETフィルムにEVAやPVB等を主成分とする合成樹脂フィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。
なお、透光性絶縁層141の層構成は上記に限ったものではなく、要求特性に応じて適宜変更可能である。
使用する樹脂は、紫外線硬化樹脂もしくは熱硬化性樹脂であれば、種類は特に限定されるものではなく、例えばポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル―(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル―ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。
凹凸構造層142には、凹凸構造421が形成されている。凹凸構造421は、プリズム形状をなしている。また、凹凸構造層142は、単層でもよく、多層でもよい。
樹脂材料からなる凹凸構造層142を形成する方法として、単層の場合には金型を用いたプレス法・キャスティング法・押し出し成形法・射出成形法などが挙げられる。これらの方法では、シート形成と同時に図4に示される凹凸構造421を形成することが可能である。
光反射性金属層143は、例えば、アルミニウムや銀などの金属を、凹凸構造層142の凹凸構造421に追従した層状になるように形成する。光反射性金属層143の形成手段としては、均一に金属層が形成できれば特に限定されるものではなく、(a)真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンクラスタービーム法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法;PVD法)、(b)プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法;CVD法)が採用される。これらの中でも、生産性が高く良質な金属層が形成できる真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかを適宜用いればよい。
即ち、この光反射性金属層143は、光反射性金属層143に入射した光を所定の方向へ反射する機能を有する。このような反射機能を備えるためには、光反射性金属層143が有する反射面が鏡面反射面であることが望ましい。
この耐候層145が多層構造の場合の例としては、PETフィルムにPVF(ポリ・フッ化・ビニル)等のフッ素樹脂フィルムを接着層を介して貼り合わせたものや、PETフィルムにPVF等のフッ素樹脂塗膜を形成したもの等が挙げられる。
なお、耐候層145の層構成は上記に限ったものではなく、要求特性に応じて適宜変更可能である。
耐候層145は、接着層144を介して、光反射性金属層143と貼り合わせられている。
また、長期間の屋外暴露による接着剤の劣化を防止するために劣化防止剤を添加しても良い。劣化防止剤としては、例えば、カルボジイミン、エポキシなどの添加剤が挙げられる。
また、耐候層145を光反射性金属層143に貼り合わせる方法は、例えば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチ・エクストルージョンラミネーション方法などの公知の方法を適宜使用することができる。
上記光反射性金属層143のような凹凸構造を為す金属層を形成するさらに別の方法として、例えば凹凸構造を金属箔に直接形成する等の方法も挙げられるが、この方法では、金属層の厚みが厚いために抵抗が低く、モジュールを固定するアルミフレームや端子BOXとつながる配線などとの通電が起こりやすくなるため、好ましくない。
図5においては、裏面シート14に入射した光が凹凸構造を為す光反射性金属層143によって反射されて太陽電池セル12の受光面Jに入射する過程を示している。
図5に示すように、裏面シート14には凹凸構造を為す光反射性金属層143が設けられている。太陽電池モジュール1の入射面110から入射した光のうち太陽電池モジュール1内を透過して裏面シート14に入射した光H1は、光反射性金属層143で反射される。反射された光H2は前面板11と大気の間等の界面で再度反射され、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3となり光電変換される。したがって、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3が増加すれば、光電変換量が増え、光利用効率の向上を見込むことができる。
図5(c)に凹凸構造を為す光反射性金属層143を構成するプリズムの頂角θと反射角α(入射角α)の関係を示す。ここでαはプリズム面の法線に対する光の反射角(もしくは入射角)とする。この図5(c)に示すように、入射面110に対して垂直に光が入射した場合には、頂角θと反射角αの間には以下の関係が成り立つ。
α=(180−θ)/2・・・・(3)
ここで、2αが臨界角γ以上の場合には、前面板と大気の界面で全反射するため、入射光H2はロスが極めて少なく反射光H3となる(図5(a)参照)。
一方、2αが臨界角γより小さい場合には、反射光H3の他に透過光H4が発生する(図5(b)参照)。この透過光H4の発生にすると反射光H3の光量が減少し、太陽電池セル12の受光面Jに入射する光H3の光量が減少するため、入射光H2の入射角2αが臨界角γ以上となることが望ましい。
なお、上記臨界角γは、前面板11の屈折率n1と大気の屈折率n2によって決定され、以下の関係式が成立する。
sinγ=n1/n2・・・・(4)
但し、n1>n2
以上から、凹凸構造を為す光反射性金属層143での反射光H2を有効に利用するためには、2αが臨界角γ以上となる必要があり、上記のように臨界角γが42°の際には凹凸構造を為す光反射性金属層143での反射角αが21°以上であること、すなわちプリズムの頂角θが138°以下であることが要求される。
一方、図6(a)に示すように、プリズムの頂角θが120°よりも小さい場合には、反射角が大きいために多重反射が起こり、前面板と大気の界面での入射角2αが42°以下になる可能性が高いため、反射光を有効に利用することが出来ない。
また、図6(c)に示すように、プリズムの頂角θが138°よりも大きい場合には、前述の通り、前面板と大気の界面での入射角2αが42°以下となるため、光を有効に利用することが出来ない。
領域Mで反射した光は、反射光が前面板と大気の界面に入射する前に太陽電池セルにぶつかってしまうロス光となり、反射光を有効に利用することが出来ない。
領域Nでは、反射した光は反射光が前面板と大気の界面で全反射するため、反射光を有効に利用することが出来る。
領域Oよりも太陽電池セルから遠い領域で反射した光は、前面板と大気の界面で全反射するものの、太陽電池セルに入射せず再度光反射性金属層143に入射するため、反射光を有効に利用することが出来ない。
Lm=La・cosφ/tan(θ−90°)・・・・(5)
Ln=Lo−Lm ・・・・(6)
Lo=Lb・cosφ/tan(θ−90°)・・・・(7)
但し、
Lm:太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
Ln:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離と、太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離の差
Lo:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
La:凹凸構造を形成した光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離
Lb:凹凸構造を形成した光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離
φ:前面側から観察したときの太陽電池セルの端辺と凹凸構造層のプリズム形状の長手方向の為す角度
θ:凹凸構造層のプリズム形状の頂角
そのため、頂角θが120°のときに最も光の利用効率を高めることが可能であるため好ましい。このとき、実際の使用環境での入射光の入射角度は0°とは限定されないため、入射角度が異なる場合でも反射光を有効にするために、頂角θは120°±5°とするのがより望ましい。
そのため、太陽電池セルの端辺とプリズム形状の長手方向の為す角度φが0°のときに最も光の利用効率を高めることが可能であるため好ましい。
Lx=Lg+Lc−Ly ・・・・・(8)
但し、
Lx:領域Xの幅方向の距離
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
0.70≦(Ly/Lc)≦0.95・・・・(9)
但し、
Ly:領域Yの幅方向の距離
Lc:太陽電池セルの一辺の長さ
2Lm<Lg≦2Lo ・・・・(10)
但し、
Lg:領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セルの間隔
Lm:太陽電池セルの端辺から領域Mのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
Lo:太陽電池セルの端辺から領域Oのプリズム形状の長手方向に直交する端辺までの距離
例えば、第1構成例の裏面シート20として、図10に示す層構成のものであってもよい。
この裏面シート20においては、透光性絶縁層141としてPETフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介して耐加水分解性のPETフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、透光性絶縁層141が凹凸構造421を支持する基材422を兼ねている。
この裏面シート30においては、透光性絶縁層141としてEVAフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介して耐加水分解性のPETフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
この裏面シート40においては、透光性絶縁層141としてEVAフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介してPVFフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
この裏面シート50においては、透光性絶縁層141としてPVFフィルムを用いている。この透光性絶縁層141の裏面側には、凹凸構造層142と、光反射性金属層143とが積層されており、さらに接着層144を介してアルミニウム箔が水蒸気バリア層145として配置されている。さらに接着層146を介してPVFフィルムからなる耐候層147が配置されている。このとき、凹凸構造層142が多層構成となっており、凹凸構造421を支持する基材422としてPETフィルムを用いている。このとき、透光性絶縁層141と凹凸構造層142を構成する基材422は接着層148を介して貼り合わされている。
さらに、裏面シート14、20、30、40、50は、太陽電池モジュール1への使用に限るものではなく、LED照明やEL素子などの発光素子の光利用効率向上など、光利用効率向上が望まれる光学素子やディスプレイ部材への転用が可能である。
(比較例1)
比較例1として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
図12に凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域を示す。凹凸構造層142及び光反射性金属層143には領域Xのみが形成されている。即ち、プリズム形状の長手方向は一方向のみとなるようにした。なお、プリズム形状の頂角は120°とした。
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル1の変換効率を測定することで実施した。
比較例2として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
図13に凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域を示す。凹凸構造層142及び光反射性金属層143には、領域X及び領域Yが形成されており、Lb及びLcが次式を満たすように形成されている。
(Ly/Lc)=0.68 ・・・・(11)
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル2の変換効率を測定することで実施した。
実施例1として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域は、Lb及びLcが次式を満たすように形成した以外は比較例2と同じである。
(Ly/Lc)=0.78 ・・・・(12)
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル3の変換効率を測定することで実施した。
実施例2として、図10に示した裏面シート20、即ち、透光性絶縁層141、凹凸構造層142、光反射性金属層143、接着層144、水蒸気バリア層145、接着層146、耐候層147の順に積層した裏面シート20を作製した。
凹凸構造層142及び光反射性金属層143に形成した領域は、図13に図示したLb及びLbが次式を満たすように形成した以外は比較例2及び実施例1と同じである。
(Ly/Lc)=0.87 ・・・・(13)
評価は、裏面シート20、EVAフィルム、太陽電池セル、EVAフィルム、強化ガラスの順に積層し、真空ラミネータで熱ラミネートを行うことで作製した、評価用サンプル4の変換効率を測定することで実施した。
比較例1〜3、及び実施例1の評価用サンプル1〜4の変換効率を測定した。測定は、ソーラーシミュレータ(Newport製 34903A)、IVカーブトレーサー(ADCMT製 6244)を用いて行った。
評価用サンプル1〜4の変換効率を表2に示す。
11 前面板(透光性前面板)
12 太陽電池セル
13 封止材
14 裏面シート(太陽電池裏面シート)
20 裏面シート(太陽電池裏面シート)
22c 電極
30 裏面シート(太陽電池裏面シート)
40 裏面シート(太陽電池裏面シート)
50 裏面シート(太陽電池裏面シート)
110 入射面
141 透光性絶縁層
142 凹凸構造層
143 光反射性金属層
144 接着層
145 水蒸気バリア層
146 接着層
147 耐候層
421 凹凸構造
422 基材
F 光源方向
J 受光面
N 法線
NG 前面板の法線
H0 太陽電池モジュールに垂直に入射する光
H1 反射層に入射する光
H2 反射光
H3 再利用される光
L 光源
Lx 領域Xの端辺から端辺までの距離
Ly 領域Yの端辺から端辺までの距離
Lm 太陽電池セルの端辺から領域Mの端辺までの距離
Ln 太陽電池セルの端辺から領域Nの端辺までの距離
Lo 太陽電池セルの端辺から領域Oの端辺までの距離
La 光反射性金属層と太陽電池セルの前面側の面との距離
Lb 光反射性金属層と前面板の前面側の面との距離
d 電極からの放電
θ プリズムの頂角
φ 太陽電池セルの端辺とプリズム形状の長手方向の為す角
α 反射角
β 透過角
γ 臨界角
Claims (5)
- 内部に太陽電池セルを封止した封止材の前面側に透光性前面板が積層されてなる太陽電池モジュールであって、
前記太陽電池モジュールは、複数の前記太陽電池セルを備えており、
前記太陽電池セル同士は、前記透光性前面板の面方向に沿って予め設定した間隔をあけて配置されており、
前記太陽電池モジュールの裏面側に配置される太陽電池裏面シートが、前面側から順に少なくとも透光性絶縁層、凹凸構造層、凹凸構造層に支持され凹凸構造を形成した光反射性金属層、接着層、耐候層が積層されてなり、
前記凹凸構造層の凹凸構造がプリズム形状を為しており、
前記凹凸構造層のプリズム形状の溝が一方向に延伸する方向に形成された領域Xと、前記領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向にプリズム形状の溝が形成された領域Yからなり、
前記領域Xと前記領域Yがそれぞれ複数個形成され、交互に配置されており、且つ次式(1)を満たすように形成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
2Lm<Lg≦2Lo ・・・・(1)
但し、
Lg:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セル同士の間隔
Lm:光反射性金属層の領域であって、太陽電池裏面シートに入射して反射した光が太陽電池セルの前面側の面に入射しない領域Mにおけるプリズム形状の溝方向に直交し、太陽電池セルから離れて位置する端辺から太陽電池セルの領域M側に位置する端辺までの距離Lo:領域Mに隣接する光反射性金属層の領域であって、太陽電池裏面シートに入射して反射した光が太陽電池セルの前面側の面に入射する領域Nにおけるプリズム形状の溝方向に直交し、領域Nの領域Mから離れて位置する端辺から太陽電池セルの領域M側に位置する端辺までの距離 - 前記領域Xと領域Yが次式(2)(3)を満たすように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
Lx=Lg+Lc−Ly ・・・・・(2)
0.70≦(Ly/Lc)≦0.95 ・・・・(3)
但し、
Lx:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向の距離
Ly:領域Yのプリズム形状の溝の延伸する方向に沿った領域Yの幅方向の距離
Lc:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った太陽電池セルの一辺の長さ
Lg:領域Xのプリズム形状の溝と直交する方向に沿った領域Xの幅方向に隣り合う太陽電池セル同士の間隔 - 前記凹凸構造層のプリズム形状の溝方向が、セルの外形の一部と平行であることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記凹凸構造層のプリズム形状の頂角が120°±5°であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記凹凸構造のプリズム形状の頂部のピッチが、10μm以上30μm以下の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011075722A JP5729086B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 太陽電池モジュール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011075722A JP5729086B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 太陽電池モジュール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012209514A JP2012209514A (ja) | 2012-10-25 |
JP5729086B2 true JP5729086B2 (ja) | 2015-06-03 |
Family
ID=47188993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011075722A Expired - Fee Related JP5729086B2 (ja) | 2011-03-30 | 2011-03-30 | 太陽電池モジュール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5729086B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6010759B2 (ja) * | 2012-11-19 | 2016-10-19 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 太陽電池モジュール |
KR102273030B1 (ko) * | 2014-09-19 | 2021-07-06 | 엘지전자 주식회사 | 태양전지 모듈 |
JP6722910B2 (ja) | 2016-09-28 | 2020-07-15 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6660930B1 (en) * | 2002-06-12 | 2003-12-09 | Rwe Schott Solar, Inc. | Solar cell modules with improved backskin |
JP2010267942A (ja) * | 2009-04-14 | 2010-11-25 | Toppan Printing Co Ltd | 反射保護シート及びこれを用いた半導体発電装置 |
-
2011
- 2011-03-30 JP JP2011075722A patent/JP5729086B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012209514A (ja) | 2012-10-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011108725A (ja) | 裏面シート、太陽電池裏面シート及びこれを用いた太陽電池モジュール | |
JP4404753B2 (ja) | 太陽電池モジュール | |
US20100252107A1 (en) | Solar cell module | |
US20090114279A1 (en) | Solar cell sheet and a method for the preparation of the same | |
JP5414516B2 (ja) | 光起電力素子モジュールおよびその製造方法 | |
JP2010287688A (ja) | 太陽電池モジュール | |
JPWO2019146366A1 (ja) | 太陽電池モジュール | |
US9105784B2 (en) | Solar module | |
EP2693101A1 (en) | Solar lighting system | |
JP5734382B2 (ja) | 光起電力素子モジュールおよびその製造方法 | |
JP5729086B2 (ja) | 太陽電池モジュール | |
JP2010123719A (ja) | 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール | |
CN113644156A (zh) | 一种双面反光光伏焊带及光伏组件 | |
JP2012204460A (ja) | 太陽電池裏面シート及びこれを用いた太陽電池モジュール | |
JP2013115216A (ja) | 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール | |
JP2010123720A (ja) | 太陽電池裏面シート及び太陽電池モジュール | |
CN108169829A (zh) | 光伏用反光膜及其制备方法 | |
CN207883712U (zh) | 提高光伏转换效率的反光膜 | |
CN208596683U (zh) | 一种光伏组件用平面紧密堆积型反光膜 | |
JP5304444B2 (ja) | 太陽電池裏面シート及びこれを用いた太陽電池モジュール | |
JP2014036044A (ja) | 太陽電池モジュール | |
JP2014236123A (ja) | 太陽電池モジュールおよびその製造方法 | |
CA3096803A1 (en) | Photo voltaic module with enhanced light collection | |
JP5598986B2 (ja) | 太陽電池モジュール | |
JP6471501B2 (ja) | 太陽電池モジュール用裏面保護シート及びこれを用いた太陽電池モジュール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140630 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140701 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140916 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141113 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150310 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150323 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5729086 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |