JP6546909B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

Description

関連出願の相互参照
本願は、中華人民共和国国家知識産権局に２０１３年４月２２日に出願された中国特許出願第２０１３２０２０４３６４．２号の優先権及びその利益を主張するものであり、上記出願の全内容を参照により本願に援用する。

本開示の実施形態は、一般的に、太陽電池の分野に関し、特に太陽電池モジュールに関する。

従来の光電池モジュールとしては、実質的に２つのタイプが挙げられる。１つのタイプの光電池モジュールは、光起電ガラスからなる上層と、ＴＰＴ又は他のポリマー材料からなる背面基板と、ＥＶＡ又はＰＶＢからなる封止層とを含む。このタイプの光電池モジュールは、封止効率が低く、光の電気エネルギーへの変換効率が低く、光の利用率が低く、装飾用途を有していない。他方のタイプの光電池モジュールは、ともに光起電ガラスからなる上層及び背面基板と、上層と背面基板との間に配置された太陽電池モジュールと、ＥＶＡ又はＰＶＢからなる封止層とを含む。しかしながら、背面基板が透明であることにより、このタイプの光電池モジュールは反射性が非常に悪い。光電池モジュールの光起電領域以外の領域に到達した光がこれらの領域を直接透過するため、光の利用率が減少することがある。このため、光電池モジュールによる光の電気エネルギーへの変換効率を改善する必要がある。

本開示の実施形態は、従来技術に存在する問題の少なくとも１つを少なくともある程度解決するか、又は有用な代替物を消費者に提供しようとするものである。

本開示の一態様の実施形態は、太陽電池モジュールを提供する。太陽電池モジュールは、透明層と、前記透明層の上面に配置され、互いに離間した複数のセルと、前記透明層の上面に配置され、少なくとも１つの前記セルの周縁の少なくとも一部を取り囲む反射層と、前記複数のセル及び前記反射層の上方に配置されたカバープレートとを含み、前記カバープレートの前記反射層に対向する下面の少なくとも一部が鋸歯形状を有することができる。

幾つかの実施形態では、複数のセルは第１の接着剤層を介してカバープレートに取り付けることができ、複数のセルは第２の接着剤層を介して透明層に取り付けることができる。

幾つかの実施形態では、第１の接着剤層及び第２の接着剤層の各々は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリビニルブチラールの少なくとも１種を含むことができる。

幾つかの実施形態では、反射層の上面はカバープレートの下面から離間させることができる。

幾つかの実施形態では、反射層の上面は平坦面とすることができる。

幾つかの実施形態では、反射層はポリマー材料を含むことができる。

幾つかの実施形態では、反射層は、フッ化炭素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、フッ化炭素樹脂変性ポリマー、ポリフッ化ビニリデン変性ポリマー、及びポリエチレン変性ポリマーからなる群から選択される少なくとも１種を含むことができる。

幾つかの実施形態では、カバープレートの下面の少なくとも一部に形成された歯の先端角は約４５°〜約１３５°とすることができる。幾つかの実施形態では、先端角は約６０°〜約１００°とすることができる。ある実施形態では、先端角は約６０°とすることができる。

幾つかの実施形態では、カバープレートは、光起電ガラス、被覆ガラス、及びテクスチャードガラスからなる群から選択される少なくとも１種を含むことができる。

幾つかの実施形態では、透明層はガラスを含むことができる。

幾つかの実施形態では、反射層は、複数のセルの各々の周縁を取り囲むことができる。

幾つかの実施形態では、セルは矩形とすることができ、反射層を複数のセルの各々の四辺に隣接して配置することができる。

幾つかの実施形態では、反射層はセルから離間させることができる。

本開示の実施形態によれば、太陽電池モジュールは透明層と反射層とを含むため、両側から（例えば、カバープレート及び透明層から）照射された光がともにセルに到達し、セルにより利用することができる。幾つかの実施形態では、カバープレートから隣接するセルの間の間隙又はセルの端部（即ち、反射層により覆われた領域）へと照射された光が、第１に反射層により（反射層が平坦な表面を有する場合は、平面反射により）、鋸歯形状を有する領域（反射層と対向したカバープレートの下面上の、鋸歯領域とも称される）へと反射され、次いで第２にセルへと反射される。この方法では、光の利用効率を更に改善することができ、それに応じて太陽電池モジュールの出力電力を改善することができる。また、反射層と複数のセルとが相互にリベット構造を形成し、これが太陽電池モジュールの機械的安定性を改善するだけでなく、太陽電池モジュールの耐用年数を増加させることができる。

本開示の実施形態の更なる態様及び利点は、以下の説明中に部分的に与えられ、以下の説明から部分的に明らかとなり、又は本開示の実施形態の実施から認識される。

本開示の実施形態のこれら及び他の態様及び利点は、以下添付する図面を参照して以下の説明から明らかとなり、より容易に理解されよう。
図１は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図２は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図３は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの概略図である。 図４は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図５は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの概略図である。 図６は、本開示の一実施形態の太陽電池モジュールの断面図である。

詳細については、本開示の実施形態を参照する。同一又は類似の要素、及び同一又は類似の機能を有する要素については、説明全体を通して同様の参照符号を付す。図面を参照した本明細書に記載の実施形態は、説明及び例示上のものであり、一般的に本開示を理解するために使用される。実施形態は、本開示を限定するものと解釈してはならない。

説明においては、別段特定又は限定しない限り、装置又は要素の向きに関して本明細書中で使用される表現及び用語（例えば、「上」、「下」等の用語）は、本開示の説明を単純化するために、説明される方向又は議論中の図面に示される方向を言及するものと解釈されるべきであり、言及される装置又は要素が特定の方向性を有する必要があることを単独で示唆又は意味するものではない。更に、本開示は特定の向きで構築又は動作する必要はない。

また、「第１」及び「第２」等の用語は、本明細書中では説明の目的で使用され、相対的な重要性又は有意性を示唆又は意味するものではない。

特別の定めのない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲の数値範囲の定義は常に極値を含む。

本開示の実施形態の第１の態様によれば、太陽電池モジュール１００が提供される。図１、図２、図４及び図６に関し、太陽電池モジュール１００は、透明層３１、複数のセル２、反射層３２、及びカバープレート１を含むことができる。

幾つかの実施形態では、複数のセル２は、透明層３１の上面に配置され、互いに離隔させることができる。幾つかの実施形態では、反射層３２は、透明層３１の上面に配置され、少なくとも１つのセル２の周縁の少なくとも一部を取り囲むことができる。幾つかの実施形態では、カバープレート１は、複数のセル２及び反射層３２の上方に配置することができる。幾つかの実施形態では、カバープレート１の下面の反射層３２に対向する少なくとも一部の部位１１が鋸歯形状を有する。

図１、図２、図４及び図６に示すように、幾つかの実施形態では、透明層３１及び反射層３２は、太陽電池モジュール１００の背面プレートを形成することができる。

幾つかの実施形態では、複数のセル２は、第１の接着剤層４を介してカバープレート１に取り付けることができ、複数のセル２は、第２の接着剤層５を介して透明層３１に取り付けることができる。

幾つかの実施形態では、第１の接着層４及び第２の接着層５の各々は、エチレン−酢酸ビニル（ＥＶＡ）共重合体、及びポリビニルブチラール（ＰＶＢ）の少なくとも１種を含むことができる。その結果、太陽電池モジュール１００は、優れた透過率、耐寒性、耐熱性、及び長い耐用年数を有することができる。

幾つかの実施形態では、透明層３１はガラスを含むことができる。

幾つかの実施形態では、反射層３２の上面は、カバープレート１の下面から離間させることができる。具体的には、図２、図４及び図６に示すように、反射層３２の上面と反射層３２とは互いに非接触状態であってもよい。

幾つかの実施形態では、反射層３２の上面は平坦面とすることができる。その結果、反射層３２は平面反射を行い、光をカバープレート１へと反射することができる。

幾つかの実施形態では、反射層３２はポリマー材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、反射層３２は、フッ化炭素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、フッ化炭素樹脂変性ポリマー、ポリフッ化ビニリデン変性ポリマー、及びポリエチレン変性ポリマーからなる群から選択される少なくとも１種を含むことができる。その結果、太陽電池モジュール１００は、高反射率、及び優れた耐老化性を有することができる。

幾つかの実施形態では、反射層３２は、複数のセル２の各々の周縁を取り囲むことができる。その結果、図５に示すように、反射層３２は網状構造を形成することができる。

幾つかの実施形態では、図３及び図５に示すように、セル２は矩形とすることができ、反射層３２を複数のセル２の各々の四辺に隣接して配置することができる。

幾つかの実施形態では、反射層３２はセル２から離間させることができる。

反射層３２の製造方法に対する特別の制限はない。幾つかの実施形態では、透明層３１上に反射層３２を形成するための方法は、噴霧、コーティング、又は印刷の少なくとも１つを含むことができる。

幾つかの実施形態では、カバープレートの下面の少なくとも一部の部位１１に形成された歯の先端角は約４５°〜約１３５°とすることができる。幾つかの実施形態では、先端角は約６０°〜約１００°とすることができる。幾つかの実施形態では、先端角は約６０°とすることができる。

幾つかの実施形態では、カバープレート１は、光起電ガラス、被覆ガラス、及びテクスチャードガラスからなる群から選択される少なくとも１種を含むことができる。被覆ガラスは、反射の低減を容易にするコーティングを含むことができる。テクスチャードガラスは、ガラスの透過率を改善することができる。その結果、太陽電池モジュール１００の光吸収度を改善することができ、光の反射を低減することができる。

幾つかの実施形態では、セル２は、単結晶セル又は多結晶セルとすることができる。

本開示の実施形態によれば、２つの反対側から（例えば、カバープレート１及び透明層３１から）照射された光がともにセル２に到達し、セル２により利用することができる。具体的には、カバープレート１から隣接するセル２の間の間隙又はセル２の端部へと照射された光が、第１に反射層３２により部位１１へと反射され、次いで第２にセル２へと反射される。光の詳細な反射経路を、図２、図４及び図６中に矢印で示す。２つの反射効果により、光の利用率を改善することができ、それに応じて太陽電池モジュール１００の出力電力を改善することができる。また、反射層３２と複数のセル１００とが相互にリベット構造を形成し、これが太陽電池モジュール１００の機械的安定性を改善するだけでなく、太陽電池モジュール１００の耐用年数を増加させることができる。

例示的な実施形態を示して説明したが、上記の実施形態は本開示を限定するものと解釈することはできず、本開示の精神、原則及び範囲から逸脱することのない変更、代替、及び修正が実施形態においてなされ得ることが、当業者により理解されよう。

Claims (9)

1. 透明層と、
   前記透明層の上面に配置され、互いに離間した複数のセルと、
   前記透明層の上面に配置され、少なくとも１つの前記セルの周縁の少なくとも一部を取り囲む反射層と、
   前記複数のセル及び前記反射層の上方に配置されたカバープレートとを含み、
   前記複数のセルが、第１の接着剤層を介して前記カバープレートに取り付けられており、前記複数のセルが、第２の接着剤層を介して前記透明層に取り付けられ、
   前記第１の接着剤層及び前記第２の接着剤層の各々が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びポリビニルブチラールの少なくとも１種を含み、
   前記反射層の上面が前記カバープレートの下面から離間し、前記反射層の上面と前記カバープレートの下面との間に、接着剤層が存在せず、前記反射層の上面が平坦面であり、
   前記カバープレートの前記反射層に対向する下面の少なくとも一部が鋸歯形状を有し、
   前記カバープレートの下面の少なくとも一部に形成された歯の先端角が６０°〜１００°であることを特徴とする太陽電池モジュール。
2. 前記反射層がポリマー材料を含む請求項１に記載の太陽電池モジュール。
3. 前記反射層が、フッ化炭素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、フッ化炭素樹脂変性ポリマー、ポリフッ化ビニリデン変性ポリマー、及びポリエチレン変性ポリマーからなる群から選択される少なくとも１種を含む請求項２に記載の太陽電池モジュール。
4. 前記先端角が６０°である請求項１から３のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
5. 前記カバープレートが、光起電ガラス、被覆ガラス、及びテクスチャードガラスからなる群から選択される少なくとも１種を含む請求項１から４のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
6. 前記透明層がガラスを含む請求項１から５のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
7. 前記反射層が前記複数のセルの各々の周縁を取り囲んでいる請求項１から６のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
8. 前記セルが矩形であり、前記反射層が前記複数のセルの各々の四辺に隣接して配置されている請求項１から７のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
9. 前記反射層が前記セルから離間している請求項１から８のいずれかに記載の太陽電池モジュール。