JP5568708B2 - 消泡剤 - Google Patents
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Description
本発明の目的は消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)に優れる消泡剤を提供することである。
すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を含有してなり、
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、金属石鹸(A)の含有量が0.5〜10重量%、25℃で液体の基油(B)の含有量が70〜99.4重量%、油溶性ポリマー(C)の含有量が0.1〜20重量%であり、
ずり速度1000/sにおける粘度(25℃)が0.1〜1.0Pa・sである点(脂肪酸アミドを含むものを除く。)を要旨とする。
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);
均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);
均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマー(C)を加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);又は
均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
からなる点を要旨とする。
塩としては特に制限されないが、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩及び炭素数1〜18のアミン塩(トリエタノールアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン等)等が含まれる(以下同じ)。
市場から入手できる疎水性シリカとしては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
そして、ずり速度1000/sにおける粘度を上記の範囲にするには、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の含有量を上記範囲することにより達成できる。
<製造方法>
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);
均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);
均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);
均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
これらのうち、塗料用消泡剤、排水処理用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1){ステアリン酸アルミニウム、SA−1500、堺化学工業(株)}25部、基油(b1){鉱物油、コスモピュアスピン G、コスモ石油ルブリカンツ(株)}700部及び基油(b2){鉱物油、コスモピュアスピン E、コスモ石油ルブリカンツ(株)}225部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x21)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1)40部、基油(b1)400部、基油(b2)520部、界面活性剤(d1){ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)、ニューポールPE−61、三洋化成工業株式会社製)}50部、界面活性剤(d2){蔗糖ポリオキシプロピレン80モル付加物}30部、界面活性剤(d3){グリセリンのプロピレンオキシド(43モル)付加体、サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製;「サンニックス」は同社の登録商標である}70部及び界面活性剤(d4){界面活性剤(d1)のステアリン酸ジエステル}100部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x22)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2){ラウリン酸亜鉛、パウダーベースL、日油株式会社製}50部、基油(b1)600部、基油(b3){鉱物油、スタノール40、エクソンモービルコーポレーション}349部、油溶性ポリマー(c3){水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、セプトン4099、株式会社クラレ製}1部、界面活性剤(d5){トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(10モル)/プロピレンオキシド(68モル)ブロック付加体、ニューポールTL−4500N、三洋化成工業株式会社製}50部、界面活性剤(d6){グリセリンのプロピレンオキシド(9モル)付加体、ニューポールGP−600、三洋化成工業株式会社製}100部及び界面活性剤(d7){ブタノールポリオキシプロピレン(40モル)付加体、ニューポールLB−1715、三洋化成工業株式会社製}150部を加熱攪拌しながら155℃まで昇温し、この温度にてさらに30分間加熱攪拌を続けて均一混合液(X11)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2)70部、基油(b2)760部、油溶性ポリマー(c4){石油樹脂、アルコンM−135、荒川化学工業株式会社製}170部、界面活性剤(d8){ポリプロピレングリコール(34モル)、ニューポールPP−2000、三洋化成工業株式会社製}50部、界面活性剤(d9){ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル}100部、界面活性剤(d10){ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%メタノール溶液、テイカパワー BC−2070M、テイカ(株)、「テイカパワー」は同社の登録商標である。}50部及び疎水性シリカ(f1){疎水性シリカ、ニップシール SS−100、東ソー・シリカ株式会社製}5部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x12)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a3){ステアリン酸カルシウム、カルシウムステアレート、日油株式会社製)40部及び基油(b4){食用菜種油、ニッコー製油株式会社製}930部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x23)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a4){ベヘニン酸亜鉛、ジンクベヘネート、日油株式会社製)30部、基油(b1)763部、基油(b5){オレイン酸メチル、エキセパール M−OL、花王株式会社製;「エキセパール」は同社の登録商標である。}150部、油溶性ポリマー(c5){液状ゴム、クラプレンLIR30、株式会社クラレ製}40部、界面活性剤(d12){グリセリンのエチレンオキシド(3モル)/2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(6モル)ブロック付加体}70部及び界面活性剤(d13){ナトリウム石油スルホネート溶液(ナトリウム石油スルホネート62%、油分34%、水及び無機塩類4%)、スルホール430A、MORESCO株式会社製}50部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x13)(6)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1)10部、基油(b1)983部、油溶性ポリマー(c6){水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、セプトン4033、株式会社クラレ製}7部、界面活性剤(d3)50部及び界面活性剤(d14){ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(14モル)ミリスチルエーテル}50部及び界面活性剤(d15){ポリオキシエチレンジオレート、イオネット DO−600、三洋化成工業株式会社製}30部、疎水性シリカ(f2)30部及び疎水性シリカ(f3)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x14)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2)30部、基油(b1)760部、基油(b2)130部、油溶性ポリマー(c2)80部、界面活性剤(d16){ポリオキシエチレンアルキレンエーテル、ナロアクティー CL−70、三洋化成工業株式会社製}20部及び界面活性剤(d17){ソルビタンモノオレート、イオネット S−80、三洋化成工業株式会社製}40部及びジメチルシリコーンオイル(e1)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x15)を得た。
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a4)40部、基油(b2)505.5部、基油(b3)400部、油溶性ポリマー(c1)15部、油溶性ポリマー(c6)5部、界面活性剤(d10)100部、界面活性剤(d18){ポリオキシエチレンモノオレート、イオネット MO−400、三洋化成工業株式会社製}20部、界面活性剤(d19){グリセロールモノオレート、エキセルO−95N、花王株式会社製}30部、界面活性剤(d20){バリウム石油スルホネート溶液(バリウム石油スルホネート30%、油分69%、水及び不明分1%)、スルホールBA−30N、MORESCO株式会社製}50部及び疎水性シリカ(f1)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x16)を得た。
攪拌の可能な容器内で、本発明の消泡剤(8)1000部を攪拌しながら、水(g1){上水}250部を滴下し、滴下終了後さらに15分間攪拌を続けて本発明の消泡剤(10)を得た。
油溶性ポリマー(c1)〜(c6)を基油(b1)に変えたこと以外、実施例1〜9と同様にして、比較用の消泡剤(H1)〜(H9)を得た{比較用の消泡剤の番号は実施例の番号に対応する}。比較用の消泡剤(H1)〜(H9)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、表1に記載した通りであった。
実施例1〜10及び比較例1〜9で得た消泡剤(1)〜(10)及び(H1)〜(H9)を用いて、以下のようにして調製したエマルション塗料に対する消泡性を評価し、評価結果を表3に示した。
以下の原料組成にて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンして塗料化とし、得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2)で80KU(25℃)になるように水で希釈して、エマルションベース塗料を得た。
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:信越化学工業(株)製増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)
注4:サンノプコ(株)製湿潤剤
注5:BASF社製クレー
注6:竹原化学工業(株)製炭酸カルシウム
注7:石原産業(株)製二酸化チタン
注8:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注9:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注10:サンノプコ(株)製増粘剤
エマルションベース塗料に、評価試料(消泡剤)を0.3重量%(対エマルションベース塗料、消泡剤(10)は、水以外の部分(消泡剤の有効成分である油相部分)が0.3%)となるように加えて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(19)を得た。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(20)を得た。
エマルション塗料(1)〜(20)を攪拌混合して作成した直後から15秒後に(15秒間は静置)、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(20)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており破泡・抑泡効果が優れているといえる。
エマルション塗料(1)〜(20)をそれぞれ密閉サンプル容器に入れて、50℃の雰囲気下に2週間静置保管した後、改めてコーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて、25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエイジング評価用のエマルション塗料を得た後、破泡・抑泡効果の評価と同様にして比重を測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており、長期間に渡って破泡・抑泡効果が持続しており、消泡持続性が優れているといえる。
Claims (4)
- 金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を含有してなり、
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、金属石鹸(A)の含有量が0.5〜10重量%、25℃で液体の基油(B)の含有量が70〜99.4重量%、油溶性ポリマー(C)の含有量が0.1〜20重量%であり、
ずり速度1000/sにおける粘度(25℃)が0.1〜1.0Pa・sであることを特徴とする消泡剤(脂肪酸アミドを含むものを除く。)。 - さらに、界面活性剤(D)を含有してなり、界面活性剤(D)の含有量が、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.01〜30重量%である請求項1に記載の消泡剤。
- 油溶性ポリマー(C)が、ポリビニルアルコールアルキルエーテル、(水添)石油樹脂、液状ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は粘度指数向上剤及び/若しくは流動点降下剤である請求項1又は2に記載の消泡剤。
- 請求項1〜3に記載の消泡剤を製造する方法であって、
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマー(C)を加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);又は
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
からなることを特徴とする製造方法。
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