JP5568708B2 - 消泡剤 - Google Patents

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Description

本発明は消泡剤に関する。
液体炭化水素油からなる基油と、炭素数10〜25の脂肪酸のアミド誘導体と、金属石鹸を含むことを特徴とする消泡剤が知られている(特許文献1)。
特開2002−143606号公報
上記の消泡剤では、十分な消泡性(破泡・抑泡効果)が得られないことに加え、特に発泡液中で容易に失活し、長期の消泡性(消泡持続性)に劣るという問題がある。
本発明の目的は消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)に優れる消泡剤を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を含む消泡剤において、金属石鹸(A)と油溶性ポリマー(C)とを用いて、消泡剤のずり速度1000/sにおける粘度(25℃)を0.1〜1.0Pa・sに調節することで、消泡性に優れる消泡剤が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の消泡剤の特徴は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を含有してなり、
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、金属石鹸(A)の含有量が0.5〜10重量%、25℃で液体の基油(B)の含有量が70〜99.4重量%、油溶性ポリマー(C)の含有量が0.1〜20重量%であり、
ずり速度1000/sにおける粘度(25℃)が0.1〜1.0Pa・sである点(脂肪酸アミドを含むものを除く。)を要旨とする。
本発明の製造方法の特徴は、上記に記載された消泡剤を製造する方法であって、
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマー(C)を加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);又は
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
からなる点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、優れた消泡性(破泡・抑泡効果及び消泡持続性)を発揮する。
本発明の消泡剤の製造方法によると、上記の消泡剤を容易に製造することができる。
金属石鹸(A)としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、鉄、亜鉛及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
金属石鹸(A)について、金属と脂肪酸との量関係は、金属1モルに対して脂肪酸が1〜3モル(モノ体、ジ体、トリ体)のいれでもよく、モノ体、ジ体、トリ体の混合物でもよい。消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)等の観点から、金属がアルミニウム及び鉄の場合、ジ体及びトリ体が好ましく、アルカリ土類金属(カルシウム等)、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル及び銅の場合ジ体が好ましい。
金属石鹸(A)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは0.7〜9、特に好ましくは0.8〜8、最も好ましくは1〜7である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
25℃で液状である基油(B)としては、鉱油、油脂及びモノアルコール脂肪酸エステルが含まれる。
鉱油としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製及び水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産株式会社)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
油脂としては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物とグリセリンとのエステルが含まれ、植物油(なたね油、大豆油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油等)、中鎖脂肪酸グリセライド(商品名として、たとえば、パナセート875;日油株式会社、「パナセート」は同社の登録商標である。)、魚油等が挙げられる。
モノアルコール脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物と炭素数1〜22のモノアルコールとのエステルのうち、25℃で液状であるものが含まれ、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル及びイソステアリン酸メチル等が挙げられる。
これらの基油(B)のうち、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)等の観点から、鉱油及び油脂が好ましく、さらに好ましくは鉱油である。
25℃で液状である基油(B)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、70〜99.4が好ましく、さらに好ましくは72〜99、特に好ましくは74〜98.7、最も好ましくは76〜98.3である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
油溶性ポリマー(C)としては、25℃で液状である基油(B)に均一に溶解する(以上の性質を油溶性という)ポリマーを用いることができ、ポリビニルアルコールアルキルエーテル、(水添)石油樹脂、液状ゴム(天然液状ゴム及び合成液状ゴム)及び熱可塑性エラストマー(ポリジエン、ポリジエンブロックとポリオレフィンブロックとを含むブロックコポリマー及びポリジエンブロックとポリスチレンブロックとを含むブロックコポリマー等)等が挙げられる。以上の他に、油溶性ポリマー(C)として、公知の粘度指数向上剤(たとえば、高分子薬剤入門、三洋化成株式会社1992年11月第1版発行、692−709頁)、公知の流動点降下剤(たとえば、高分子薬剤入門、三洋化成株式会社1992年11月第1版発行、364−375頁)等も使用できる。
油溶性ポリマー(C)は、市場から容易に入手でき、商品名として、たとえば、サンエリス702、823、934(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、いずれも三洋化成工業株式会社、「サンエリス」は同社の登録商標である。)、アクルーブ136、728、812(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、三洋化成工業株式会社、「アクルーブ」は同社の登録商標である)、アルコンM−135、P−125(石油樹脂、いずれも荒川化学工業株式会社、「アルコン」は同社の登録商標である)、クラプレンLIR30、LIR310、L−SBR(液状ゴム、いずれも株式会社クラレ、「クラプレン」は同社の登録商標である)、セプトン4033(水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、株式会社クラレ、「セプトン」は同社の登録商標である)等が挙げられる。
油溶性ポリマー(C)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.1〜20が好ましく、さらに好ましくは0.3〜19、特に好ましくは0.5〜18、最も好ましくは0.7〜17である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
本発明の消泡剤には、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)以外に、界面活性剤(D)、ジメチルシリコーンオイル(E)及び/又は疎水性シリカ(F)、水(G)等を含有できる。
界面活性剤(D)としては、アニオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤が含まれる。
非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステル、グリセリンのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの脂肪酸エステル、植物油のエチレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステル及び変性シリコーン等が含まれる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、炭素数4〜22のアルカノールに、炭素数2〜4のオキシアルキレンを1〜100モル付加させた物が含まれ、ナロアクティーCL−40(アルコールのエチレンオキシド4モル付加物、三洋化成工業株式会社、「ナロアクティー」は同社の登録商標である。)、ナロアクティーCL−100(アルコールのエチレンオキシド10モル付加物、三洋化成工業株式会社)、ニューポールLB−1715(ブタノールのプロピレンオキシド40モル付加物、三洋化成工業株式会社、「ニューポール」は同社の登録商標である。)及びニューポール50HB−5100(ブタノールのアルキレンオキシド付加物、三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルとしては、炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルアリールのポリオキシエチレンエーテルが含まれ、ポリオキシエチレン(4モル)ノニルフェニルエーテル(たとえば、ノニポール40;三洋化成工業株式会社、「ノニポール」は同社の登録商標である。)、ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェニルエーテル(たとえば、ノニポール100;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシプロピレングリコールとしては、数平均分子量400〜4000のものが含まれ、たとえば、ニューポールPP−400(三洋化成工業株式会社、数平均分子量400)、ニューポールPP−3000(三洋化成工業株式会社、数平均分子量3000)等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの脂肪酸エステルとしては、炭素数4〜22のアルカノールのアルキレンオキシド付加物と、炭素数4〜18の脂肪酸とのエステル化物が含まれ、たとえば、ニューポールLB−1715のオレイン酸エステル等が挙げられる。
ポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エステルとしては、数平均分子量200〜4000のポリオキシエチレングリコールと炭素数6〜22の脂肪酸とのモノエステル及びジエステルが含まれ、数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのジエステル(たとえば、イオネットDO−600;三洋化成工業株式会社、「イオネット」は同社の登録商標である。)及び数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのモノエステル(たとえば、イオネットMO−600;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
グリセリンのアルキレンオキシド付加物としては、グリセリンに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜100モル付加させた物が含まれ、たとえば、ニューポールGP−4000(三洋化成工業株式会社、グリセリンのプロピレンオキシド67モル付加物)、ニューポールTL−4500N(三洋化成工業株式会社、グリセリンのプロピレンオキシド68モルエチレンオキシド10モル付加物)等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンと炭素数12〜22の脂肪酸とのエステルが含まれ、ソルビタンモノラウレート(たとえば、ノニオンLP−20R;日油株式会社)、ソルビタンモノパルミテート(たとえば、ノニオンPP−40Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノステアレート(たとえば、ノニオンSP−60Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(たとえば、ノニオンOP−80R;日油株式会社)、ソルビタントリオレエート(たとえば、ノニオンOP−85R;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(たとえば、イオネットS−80;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、エチレンオキシド5〜200モルとプロピレンオキシド5〜200モルとの共重合体が含まれ、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−64;三洋化成工業株式会社)及びポリオキシエチレン(48モル)ポリオキシプロピレン(35モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−75;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの脂肪酸エステルとしては、エチレンオキシド5〜200モル及びプロピレンオキシド5〜200モルの共重合体と炭素数1〜18の脂肪酸とのエステルが含まれ、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマーのジステアリン酸エステル等が挙げられる。
植物油のエチレンオキシド付加物としては、植物油のエチレンオキシド1〜200モル付加物が含まれ、ひまし油のエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニオックスHC−40;日油株式会社、「ユニオックス」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルが含まれ、グリセロールモノステアレート(たとえば、モノグリMD、HLB5.5、日油株式会社)等が挙げられる。
変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンのメチル基の一部をアルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)等に置き換えたもの等が含まれる。
これらのうち、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)等の観点から、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールと脂肪酸とのモノエステル及びジエステル、グリセリン脂肪酸エステル並びにグリセリンアルキレンオキシド付加物が好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル酸エステル塩及びポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
アルキルアリールスルホン酸塩としては、炭素数7〜18のアルキルアリールスルホン酸塩が含まれ、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
塩としては特に制限されないが、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩及び炭素数1〜18のアミン塩(トリエタノールアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン等)等が含まれる(以下同じ)。
アルキルスルホン酸塩としては、炭素数6〜18のアルキルスルホン酸塩が含まれ、ラウリルスルホン酸塩等が挙げられる。
アルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩としては、アルキル基が炭素数6〜18であるアルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩が含まれ、ドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が含まれ、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルが含まれ、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルリン酸エステル塩等が挙げられる。
これらのうち、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)等の観点から、アルキルアリールスルホン酸塩及びアルキルビフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましく、さらに好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩及びドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸塩、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩及びドデシルビフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム塩である。
界面活性剤(D)を含有する場合、界面活性剤(D)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.01〜30が好ましく、さらに好ましくは0.1〜28、特に好ましくは0.2〜26、最も好ましくは0.3〜25である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
ジメチルシリコーンオイル(E)としては、動粘度5〜10000(mm2/s、25℃)のジメチルシリコーンオイル等が使用できる。
ジメチルシリコーンオイル(E)を含有する場合、ジメチルシリコーンオイル(E)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.2〜4.8、特に好ましくは0.3〜4.5、最も好ましくは0.5〜4である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
疎水性シリカ(F)としては、シリカ粉末を疎水化剤で疎水化処理した疎水性シリカが含まれる。
市場から入手できる疎水性シリカとしては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
疎水性シリカ(F)を含有する場合、疎水性シリカ(F)の含有量(重量%)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.2〜9、特に好ましくは0.3〜8、最も好ましくは0.5〜7である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
水(G)としては、水道水、工業用水、脱イオン水及び蒸留水等が挙げられる。
水(G)を含有する場合、水(G)の含有量(重量%)は、疎水性シリカ(A)、25℃で液状である基油(B)及び金属石鹸(C)の重量に基づいて、1〜900が好ましく、さらに好ましくは10〜300、特に好ましくは20〜250、最も好ましくは25〜200である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。
水(G)を含有する場合、本発明の消泡剤は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を油相とするエマルション型消泡剤を構成してもよい。この場合、W/O型でもよいし、O/W型でもよい。
水(G)及び界面活性剤(D)を含有する場合、界面活性剤(D)は、上記の油相の一部としてエマルション型消泡剤を構成してもよいし、水と油相との界面に(乳化分散剤として働く)存在してもよいし、水に溶解及び/又は分散していてもよい。
水(G)及びジメチルシリコーンオイル(E)を含有する場合、ジメチルシリコーンオイル(E)は、上記の油相の一部としてエマルション型消泡剤を構成してもよい。
水(G)及び疎水性シリカ(F)を含有する場合、疎水性シリカ(F)は、上記の油相の一部としてエマルション型消泡剤を構成してもよい。
本発明の消泡剤のずり速度1000/sにおける粘度(25℃、Pa・s)は、0.1〜1.0であり、好ましくは0.1〜0.9、さらに好ましくは0.1〜0.85、特に好ましくは0.15〜0.82である。この範囲であると、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)がさらに良好となる。これは、発泡液中において優れた粒子保形成性(粒子形状を保持し、微粒子化や可溶化しにくい性質)を発揮し、微粒化及び可溶化によって消泡性を喪失し難くなるからであると考えられる。
ずり速度1000/sにおける粘度(25℃、Pa・s)は、コーンプレート型粘度計(たとえば、ANTONPAAR社製粘弾性測定装置MCR−310、コーンプレート(CP25−2;プレート径25mm、コーン角度2°))を用い、ずり速度を0.1/sから1000/sまで300秒かけて上昇させた際の粘度を測定して、ずり速度1000/sでの粘度を読み取る。
水(G)を含有する場合、上記のずり速度1000/sにおける粘度(25℃)は、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を含んで構成される油相の粘度である。
本発明の消泡剤のずり速度1000/sにおける粘度(25℃、Pa・s)は、金属石鹸(A)、25℃で液体の基油(B)、油溶性ポリマー(C)の含有量によって調整できる。
金属石鹸(A)及び油溶性ポリマー(C)の含有量が多くなる程、ずり速度1000/sにおける粘度は高くなる傾向があり、一方、25℃で液体の基油(B)の含有量が多くなる程、ずり速度1000/sにおける粘度は低くなる傾向がある。
そして、ずり速度1000/sにおける粘度を上記の範囲にするには、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の含有量を上記範囲することにより達成できる。
本発明の消泡剤は、次のいずれかの製造方法によって製造できる。
<製造方法>
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);
金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);
金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
工程(i)において、加熱攪拌温度(℃)としては、金属石鹸(A)及び油溶性ポリマー(C)が均一に溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは110〜170、特に好ましくは120〜165、最も好ましくは125〜160である。
工程(iv)において、加熱攪拌温度(℃)としては、金属石鹸(A)が均一に溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは110〜170、特に好ましくは120〜160、最も好ましくは125〜150である。
工程(ii)、(iii)、(v)及び(vi)において、冷却到達温度(℃)は、0〜50が好ましく、さらに好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜35である。
工程(v)及び(vi)において、均一混合温度(℃)は、0〜50が好ましく、さらに好ましくは5〜40、特に好ましくは10〜35である。
せん断処理は、混合液中に粗大粒子(粒子長径50μm以上)が無くなるまで微細化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー等)を用いて行うことが好ましい。粗大粒子の有無は、光学顕微鏡(例えば、オリンパス株式会社製BX−60、Cytoviva社製HRAナノイメージングアダプター使用、対物レンズ:UPlanAPO 100x/1.35 oil Iris、接眼レンズ:WH10x/22)にて確認することができる。
界面活性剤(D)、ジメチルシリコーンオイル(E)及び/又は疎水性シリカ(F)を含有する場合、界面活性剤(D)、ジメチルシリコーンオイル(E)及び/又は疎水性シリカ(F)は、いずれの工程にも添加混合できる。
水(G)を含有する場合、水(G)は、工程(ii)、(iii)、(v)及び(vi)の後で添加混合することが好ましい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、培養工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、塗料用消泡剤、排水処理用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
なお、エマルション塗料に含まれるバインダーとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられ、いずれに対しても効果的である。
本発明の消泡剤の添加方法は、塗料に適用する場合、(1)ミルベースの仕込み時、(2)顔料を均一に分散させる前練時、(3)顔料分散時及び/又は(4)残りの原料を投入して混合する調合時及び/又は(5)塗料作成後に添加する方法等が挙げられる。また、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。たとえば、排水処理工程に適用する場合、排水の流入(曝気槽前)、分離前(沈殿槽前)、最終仕上げ(放流)等に添加できる。
各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性発泡液の重量に基づいて、0.0001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2.7、特に好ましくは0.005〜2.3、最も好ましくは0.01〜2である。また、塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2.0である。
なお、最適なエマルション塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。また、特記しない限り、25〜30℃で行ったものである。
<実施例1>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1){ステアリン酸アルミニウム、SA−1500、堺化学工業(株)}25部、基油(b1){鉱物油、コスモピュアスピン G、コスモ石油ルブリカンツ(株)}700部及び基油(b2){鉱物油、コスモピュアスピン E、コスモ石油ルブリカンツ(株)}225部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x21)を得た。
次いで、均一混合液(x21)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理した後、油溶性ポリマー(c1){(メタ)アクリル酸アルキルエステルコポリマー65%鉱物油溶液、アクルーブ728、三洋化成工業株式会社製}50部を加えて30分間攪拌して均一にし、本発明の消泡剤(1)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製BX−60、Cytoviva社製HRAナノイメージングアダプター使用、対物レンズ:UPlanAPO 100x/1.35 oil Iris、接眼レンズ:WH10x/22)にて確認した(以下、同様にして行った)。
本発明の消泡剤(1)のずり速度1000/sでの粘度(25℃){ANTONPAAR社製粘弾性測定装置MCR301にて、コーンプレート(CP25−2;プレート径25mm、コーン角度2°)を用い、ずり速度を0.1/sから1000/sまで300秒かけて上昇させた際の粘度を測定して、ずり速度1000/sでの粘度を読み取った。以下同様)は、0.41Pa・sであった。
<実施例2>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1)40部、基油(b1)400部、基油(b2)520部、界面活性剤(d1){ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)、ニューポールPE−61、三洋化成工業株式会社製)}50部、界面活性剤(d2){蔗糖ポリオキシプロピレン80モル付加物}30部、界面活性剤(d3){グリセリンのプロピレンオキシド(43モル)付加体、サンニックスGP−3000、三洋化成工業株式会社製;「サンニックス」は同社の登録商標である}70部及び界面活性剤(d4){界面活性剤(d1)のステアリン酸ジエステル}100部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x22)を得た。
次いで、均一混合液(x22)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理した後、油溶性ポリマー(c2){メタクリル酸アルキル系共重合物35%の鉱油溶液、サンエリス934、三洋化成工業株式会社製}40部を加えて30分間攪拌して均一にし、本発明の消泡剤(2)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(2)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.6Pa・sであった。
<実施例3>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2){ラウリン酸亜鉛、パウダーベースL、日油株式会社製}50部、基油(b1)600部、基油(b3){鉱物油、スタノール40、エクソンモービルコーポレーション}349部、油溶性ポリマー(c3){水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、セプトン4099、株式会社クラレ製}1部、界面活性剤(d5){トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(10モル)/プロピレンオキシド(68モル)ブロック付加体、ニューポールTL−4500N、三洋化成工業株式会社製}50部、界面活性剤(d6){グリセリンのプロピレンオキシド(9モル)付加体、ニューポールGP−600、三洋化成工業株式会社製}100部及び界面活性剤(d7){ブタノールポリオキシプロピレン(40モル)付加体、ニューポールLB−1715、三洋化成工業株式会社製}150部を加熱攪拌しながら155℃まで昇温し、この温度にてさらに30分間加熱攪拌を続けて均一混合液(X11)を得た。
次いで、均一混合液(x11)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(3)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(3)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.34Pa・sであった。
<実施例4>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2)70部、基油(b2)760部、油溶性ポリマー(c4){石油樹脂、アルコンM−135、荒川化学工業株式会社製}170部、界面活性剤(d8){ポリプロピレングリコール(34モル)、ニューポールPP−2000、三洋化成工業株式会社製}50部、界面活性剤(d9){ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル}100部、界面活性剤(d10){ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%メタノール溶液、テイカパワー BC−2070M、テイカ(株)、「テイカパワー」は同社の登録商標である。}50部及び疎水性シリカ(f1){疎水性シリカ、ニップシール SS−100、東ソー・シリカ株式会社製}5部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x12)を得た。
次いで、均一混合液(x12)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(4)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(4)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.97Pa・sであった。
<実施例5>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a3){ステアリン酸カルシウム、カルシウムステアレート、日油株式会社製)40部及び基油(b4){食用菜種油、ニッコー製油株式会社製}930部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x23)を得た。
次いで、均一混合液(x23)を25℃まで90分かけて冷却し、油溶性ポリマー(c1)30部、疎水性シリカ(f2){疎水性シリカ、SIPERNAT D10、デグサジャパン株式会社製}70部、界面活性剤(d11){ジメチルシリコーン(数平均分子量1800)のメチル基のうち、平均して1分子あたり4つがポリオキシプロピレン(25モル)オキシプロピル基に置換されたシリコーン化合物}3部及びジメチルシリコーンオイル(e1){ジメチルシリコーンオイル(動粘度50(mm/s、25℃))、KF−96L−5CS、信越化学工業株式会社製}40部を加えた後、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(5)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(5)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.52Pa・sであった。
<実施例6>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a4){ベヘニン酸亜鉛、ジンクベヘネート、日油株式会社製)30部、基油(b1)763部、基油(b5){オレイン酸メチル、エキセパール M−OL、花王株式会社製;「エキセパール」は同社の登録商標である。}150部、油溶性ポリマー(c5){液状ゴム、クラプレンLIR30、株式会社クラレ製}40部、界面活性剤(d12){グリセリンのエチレンオキシド(3モル)/2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(6モル)ブロック付加体}70部及び界面活性剤(d13){ナトリウム石油スルホネート溶液(ナトリウム石油スルホネート62%、油分34%、水及び無機塩類4%)、スルホール430A、MORESCO株式会社製}50部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x13)(6)を得た。
次いで、均一混合液(x13)を25℃まで90分かけて冷却し、疎水性シリカ(f3){疎水性シリカ、ニップシール G−0251、東ソー・シリカ株式会社製}40部、及びジメチルシリコーンオイル(e2){ジメチルシリコーンオイル(動粘度3000(mm/s、25℃))、KF−96−3000CS、信越化学工業株式会社製}5部を加えた後、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(6)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(6)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.29Pa・sであった。
<実施例7>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a1)10部、基油(b1)983部、油溶性ポリマー(c6){水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、セプトン4033、株式会社クラレ製}7部、界面活性剤(d3)50部及び界面活性剤(d14){ポリオキシエチレン(3モル)ポリオキシプロピレン(14モル)ミリスチルエーテル}50部及び界面活性剤(d15){ポリオキシエチレンジオレート、イオネット DO−600、三洋化成工業株式会社製}30部、疎水性シリカ(f2)30部及び疎水性シリカ(f3)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x14)を得た。
次いで、均一混合液(x14)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(7)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(7)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.15Pa・sであった。
<実施例8>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a2)30部、基油(b1)760部、基油(b2)130部、油溶性ポリマー(c2)80部、界面活性剤(d16){ポリオキシエチレンアルキレンエーテル、ナロアクティー CL−70、三洋化成工業株式会社製}20部及び界面活性剤(d17){ソルビタンモノオレート、イオネット S−80、三洋化成工業株式会社製}40部及びジメチルシリコーンオイル(e1)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x15)を得た。
次いで、均一混合液(x15)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(8)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(8)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.82Pa・sであった。
<実施例9>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、金属石鹸(a4)40部、基油(b2)505.5部、基油(b3)400部、油溶性ポリマー(c1)15部、油溶性ポリマー(c6)5部、界面活性剤(d10)100部、界面活性剤(d18){ポリオキシエチレンモノオレート、イオネット MO−400、三洋化成工業株式会社製}20部、界面活性剤(d19){グリセロールモノオレート、エキセルO−95N、花王株式会社製}30部、界面活性剤(d20){バリウム石油スルホネート溶液(バリウム石油スルホネート30%、油分69%、水及び不明分1%)、スルホールBA−30N、MORESCO株式会社製}50部及び疎水性シリカ(f1)10部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて均一混合液(x16)を得た。
次いで、均一混合液(x16)を25℃まで90分かけて冷却し、インペラー型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて4000rpmにて60分間せん断処理し、本発明の消泡剤(9)を得た。
せん断処理後、粗大粒子の無いことを、光学顕微鏡にて確認した。
本発明の消泡剤(9)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、0.38Pa・sであった。
<実施例10>
攪拌の可能な容器内で、本発明の消泡剤(8)1000部を攪拌しながら、水(g1){上水}250部を滴下し、滴下終了後さらに15分間攪拌を続けて本発明の消泡剤(10)を得た。
<比較例1〜9>
油溶性ポリマー(c1)〜(c6)を基油(b1)に変えたこと以外、実施例1〜9と同様にして、比較用の消泡剤(H1)〜(H9)を得た{比較用の消泡剤の番号は実施例の番号に対応する}。比較用の消泡剤(H1)〜(H9)のずり速度1000/sでの粘度(25℃)は、表1に記載した通りであった。
Figure 0005568708
<消泡性の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜9で得た消泡剤(1)〜(10)及び(H1)〜(H9)を用いて、以下のようにして調製したエマルション塗料に対する消泡性を評価し、評価結果を表3に示した。
(1)エマルションベース塗料の調製
以下の原料組成にて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンして塗料化とし、得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2)で80KU(25℃)になるように水で希釈して、エマルションベース塗料を得た。
Figure 0005568708
注1:サンノプコ(株)製分散剤
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:信越化学工業(株)製増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)
注4:サンノプコ(株)製湿潤剤
注5:BASF社製クレー
注6:竹原化学工業(株)製炭酸カルシウム
注7:石原産業(株)製二酸化チタン
注8:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注9:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注10:サンノプコ(株)製増粘剤
(2)エマルション塗料の調製
エマルションベース塗料に、評価試料(消泡剤)を0.3重量%(対エマルションベース塗料、消泡剤(10)は、水以外の部分(消泡剤の有効成分である油相部分)が0.3%)となるように加えて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(19)を得た。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(20)を得た。
(3)破泡・抑泡効果の評価
エマルション塗料(1)〜(20)を攪拌混合して作成した直後から15秒後に(15秒間は静置)、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(20)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており破泡・抑泡効果が優れているといえる。
(4)エイジング後(消泡持続性)の評価
エマルション塗料(1)〜(20)をそれぞれ密閉サンプル容器に入れて、50℃の雰囲気下に2週間静置保管した後、改めてコーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて、25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエイジング評価用のエマルション塗料を得た後、破泡・抑泡効果の評価と同様にして比重を測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており、長期間に渡って破泡・抑泡効果が持続しており、消泡持続性が優れているといえる。
Figure 0005568708

本発明の消泡剤は比較用の消泡剤と比べて、消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)に優れており、特に消泡持続性が優れていた。
本発明の消泡剤はあらゆる用途に用いることができるが、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、紙パルプ製造工業(パルプ化工程、抄紙工程及び塗工工程等)、建築工業(抄造工程等)、染料工業、染色工業、発酵工業、合成樹脂製造工業、合成ゴム製造工業、インキ、塗料工業及び繊維加工工業等の各種工程で発生する気泡に対して適用することができる。これらのうち、塗料用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。

Claims (4)

  1. 金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を含有してなり、
    金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、金属石鹸(A)の含有量が0.5〜10重量%、25℃で液体の基油(B)の含有量が70〜99.4重量%、油溶性ポリマー(C)の含有量が0.1〜20重量%であり、
    ずり速度1000/sにおける粘度(25℃)が0.1〜1.0Pa・sであることを特徴とする消泡剤(脂肪酸アミドを含むものを除く。)
  2. さらに、界面活性剤(D)を含有してなり、界面活性剤(D)の含有量が、金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)の重量に基づいて、0.01〜30重量%である請求項1に記載の消泡剤。
  3. 油溶性ポリマー(C)が、ポリビニルアルコールアルキルエーテル、(水添)石油樹脂、液状ゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選ばれる少なくとも1種、又は粘度指数向上剤及び/若しくは流動点降下剤である請求項1又は2に記載の消泡剤。
  4. 請求項1〜3に記載の消泡剤を製造する方法であって、
    金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
    均一混合液(X1)を冷却して消泡剤を得る工程(ii)とを含む方法(1);

    金属石鹸(A)、25℃で液状である基油(B)及び油溶性ポリマー(C)を加熱混合して均一混合液(X1)を得る工程(i)と、
    均一混合液(X1)を冷却した後、せん断処理を行って消泡剤を得る工程(iii)とを含む方法(2);

    金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
    均一混合液(X2)を冷却した後、油溶性ポリマー(C)を加えて均一混合して消泡剤を得る工程(v)とを含む方法(3);又は

    金属石鹸(A)及び25℃で液状である基油(B)を加熱混合して均一混合液(X2)を得る工程(iv)と、
    均一混合液(X2)を冷却した後、せん断処理を行ってから、油溶性ポリマーを加えて均一混合して消泡剤を得る工程(vi)とを含む方法(4);
    からなることを特徴とする製造方法。
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