JP5874063B2 - 消泡剤 - Google Patents

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本発明は消泡剤に関する。
油性成分の添加量低減を目的として、W/O/W型組成物であり、油相が動植物油、天然ワックス、沸点が100℃以上の炭化水素、炭素数12〜30のアルコール、炭素数12〜30のカルボン酸から誘導される脂肪酸エステル、炭素数8〜30の脂肪酸から誘導される脂肪酸アミド、シリコーン油、ポリアルキレンオキシドから選ばれる1種以上を含む油性成分から構成されることを特徴とする消泡剤組成物が知られている(特許文献1)。
特開2000−288308号公報
従来の消泡剤組成物は、発泡液中で容易に失活し、長期の消泡性(消泡持続性)に劣る場合がある。また、消泡剤の安定性が悪く、経日によってエマルション粒子の合一、凝集が起こり、消泡性が低下する場合がある。
本発明は発泡液中で容易に失活せず、エマルション粒子の合一、凝集を起こさない消泡剤(エマルション安定性に優れた消泡剤)を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、W/O/W型エマルションにおいて、変性ワックス、金属石鹸、油溶性ポリマー、ヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸ゲル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の油増稠剤(D)及び基油(E)を含んで構成される油相を用いることにより前述の課題を解決できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤の特徴は、水相(A)を含有する油相(B)を、水相(C)中に分散してなり、
油相(B)が、変性ワックス、金属石鹸、油溶性ポリマー、ヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸ゲル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の油増稠剤(D)及び基油(E)を含んで構成され、
ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度(25℃)が0.1〜5Pa・sであり、
さらに水相(C)に親水性微粒子(H)を分散して含有し、親水性微粒子のメジアン径(d50、個数基準)が10〜300nmであり、水相(C)の重量に基づいて、親水性微粒子(H)の含有量が、0.01〜10重量%である点を要旨とする。
本発明の製造方法の特徴は、上記のW/O/W型エマルション消泡剤を製造する方法であって、
油相(B)に、水相(A)を乳化・分散し、W/Oエマルション(AB1)を得る乳化・分散工程(i)と、
W/Oエマルション(AB1)と水相(C)とを乳化・分散してW/O/W型エマルション消泡剤を得る乳化・分散工程(ii)を含む点を要旨とする。
本発明の消泡剤は、発泡液中で容易に失活せず、エマルション粒子の合一、凝集を起こさない。すなわち、本発明の消泡剤は、エマルション安定性に優れている。したがって、本発明の消泡剤は、長期にわたって優れた消泡性を発揮する。
本発明の消泡剤の製造方法によると、上記の消泡剤を容易に製造することができる。
「W/O/W」の「W」は水相(Water phase)を意味し、また、「O」は油相(Oil phase)を意味する。そして、「W/O/W型エマルション」とは、水相を乳化・分散した油相を、水相に乳化・分散した形式のエマルションを意味する。
「(メタ)アクリ・・・」は、「アクリ・・・」及び「メタクリ・・・」を意味する。
油相(B)は、消泡性を発揮するための成分であり、変性ワックス、金属石鹸、油溶性ポリマー、ヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸ゲル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の油増稠剤(D)及び基油(E)を含んで構成される。
油増稠剤(D)としては、変性ワックス、金属石鹸、油溶性ポリマー、ヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸ゲル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
変性ワックスとしては、40℃で油相に溶解せず、分散できる変性ワックスが含まれ、酸化ポリエチレンワックス、アルコール変性ワックス及びマレイン酸変性酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。
金属石鹸としては、炭素数12〜22の脂肪酸と金属(アルカリ土類金属、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、鉄、亜鉛及びニッケル等)との塩を含み、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛及びベヘニン酸マグネシウム等が挙げられる。
金属石鹸について、金属と脂肪酸との量関係は、金属1モルに対して脂肪酸が1〜3モル(モノ体、ジ体、トリ体)のいすれでもよく、モノ体、ジ体、トリ体の混合物でもよい。エマルション安定性や消泡性等の観点から、金属がアルミニウム及び鉄の場合、ジ体及びトリ体が好ましく、アルカリ土類金属(カルシウム等)、亜鉛、コバルト、マンガン、ニッケル及び銅の場合ジ体が好ましい。
油溶性ポリマーとしては、基油(B)に均一に溶解する(以上の性質を油溶性という。)ポリマーを用いることができ、ポリビニルアルコールアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルコポリマー、ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマー、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマー、石油樹脂、液状ゴム(天然液状ゴム及び合成液状ゴム)及び熱可塑性エラストマー(ポリジエン、ポリジエンブロックとポリオレフィンブロックとを含むブロックコポリマー及びポリジエンブロックとポリスチレンブロックとを含むブロックコポリマー等)等が挙げられる。油溶性ポリマーとして、以上の他に、公知の粘度指数向上剤(たとえば、高分子薬剤入門、三洋化成株式会社1992年11月第1版発行、692−709頁、特開平6−17077号公報、特開平7−228642号公報、特開平8−53683号公報、特開平9−48987号公報、特開平10−25488号公報、特開2000−63439号公報、特開2000−239687号公報、特開2001−342480号公報、特開2002−302687号公報、特開2003−292938号公報、特開2004−169029号公報、特開2004−149794号公報、特開2005−200446号公報、特開2005−225957号公報、特開2005−23320号公報、特開2006−233196号公報、特開2007−238663号公報、特開2009−256665号公報、特開2009−191258号公報、特開2009−173921号公報、特開2009−149874号公報、特開2009−74068号公報特開2009−57427号公報、特開2009−7562号公報及び特開2011−132285号公報、特開2011−127029号公報等)及び公知の流動点降下剤(たとえば、高分子薬剤入門、三洋化成株式会社1992年11月第1版発行、364−375頁)等も使用できる。
これらの油溶性ポリマーのうち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルコポリマー、ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマー、α−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマー及びポリジエンブロックとポリスチレンブロックとを含むブロックコポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルコポリマー、ビニルピロリドンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマー及びα−オレフィンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとのコポリマーのアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜28、特に好ましくは炭素数1〜24、最も好ましくは炭素数1〜22である。
油溶性ポリマーは、市場から容易に入手でき、商品名として、たとえば、サンエリス702、823、934(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、いずれも三洋化成工業株式会社、「サンエリス」は同社の登録商標である。)、アクルーブ136、728、812(ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー、三洋化成工業株式会社、「アクルーブ」は同社の登録商標である)、アルコンM−135、P−125(石油樹脂、いずれも荒川化学工業株式会社、「アルコン」は同社の登録商標である)、クラプレンLIR30、LIR310、L−SBR(液状ゴム、いずれも株式会社クラレ、「クラプレン」は同社の登録商標である)、セプトン4033(水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、株式会社クラレ、「セプトン」は同社の登録商標である)等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数16〜22のヒドロキシカルボン酸が含まれ、ヒドロキシステアリン酸(商品名として、たとえば、12−ヒドロ酸;小倉合成工業株式会社)等が挙げられる。
アミノ酸ゲル化剤としては、N−アシル酸性アミノ酸のモノ−又はジ−エステル及びN−アシル酸性アミノ酸のモノ−又はジ−(アルキル)アミドが含まれ、N−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド(商品名として、たとえば、GP−1;味の素株式会社)及びN−2−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジベヘニル等が挙げられる。
油増稠剤(D)の含有量(重量%)は、油増稠剤(D)及び基油(E)の重量に基づいて、0.1〜30が好ましく、さらに好ましくは0.3〜28、特に好ましくは0.5〜26、最も好ましくは1〜25である。この範囲であると、消泡性及びエマルションの安定性がさらに良好となる。
基油(E)としては、鉱油、油脂、モノアルコール脂肪酸エステル、シリコーン及び/又はポリエーテル化合物を用いることができる。
鉱油としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製及び水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものを用いることができ、商品名として、コスモピュアスピンG、コスモピュアスピンE、コスモSP−10、コスモSP−32及びコスモSC22(以上、コスモ石油株式会社、「コスモ」及び「ピュアスピン」は同社の登録商標である。)、MCオイル P−22、S−10S(以上、出光興産株式会社)、並びにスタノール40(エクソンモービルコーポレーション)等が挙げられる。
油脂としては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物とグリセリンとのエステルが含まれ、植物油(なたね油、大豆油、パーム油、ヤシ油、オリーブ油等)、中鎖脂肪酸グリセライド(商品名として、たとえば、パナセート875;日油株式会社、「パナセート」は同社の登録商標である。)、魚油等が挙げられる。
モノアルコール脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸又はこの混合物と炭素数1〜22のモノアルコールとのエステルのうち、25℃で液状であるものが含まれ、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル及びイソステアリン酸メチル等が挙げられる。
シリコーンとしては、シリコーンオイル及び変性シリコーンオイルが含まれる。
シリコーンオイルとしては、動粘度5〜10000(mm/s、25℃)のポリジメチルシロキサン等が挙げられ、シクロオクタメチルテトラシロキサン等も含まれる。
変性シリコーンオイルとしては、上記のジメチルシロキサンのメチル基の一部を炭素数2〜6のアルキル基、炭素数2〜4のアルコキシル基、フェニル基、水素原子、ハロゲン(塩素及び臭素等)原子及び/又は炭素数2〜6のアミノアルキル基等に置き換えたもの等が含まれる。
ポリエーテル化合物としては、HLB0〜3.4のものが使用でき、好ましくはHLB0〜2.9のもの、さらに好ましくはHLB0〜2.4のもの、最も好ましくはHLB0〜1.9のものである。なお、HLBは、「新・界面活性剤入門」(藤本武彦著、三洋化成工業株式会社発行)の128〜131頁に記載されている手法で求められる。
ポリエーテル化合物としては、炭素数1〜22のモノアルコール、炭素数1〜22のモノカルボン酸又は炭素数1〜22のモノアミンの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜100モルとの反応物や、炭素数2〜6のポリオールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物、炭素数2〜6のポリオールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物と炭素数1〜22の脂肪酸とのエステル化物、炭素数1〜22のモノアルコールの1モルと炭素数2〜4のアルキレンオキシドの1〜300モルとの反応物と炭素数1〜22の脂肪酸とのエステル化物等が挙げられる。
これらの基油(E)のうち、鉱油、油脂、シリコーン及びポリエーテル化合物が好ましく、さらに好ましくは鉱油、油脂、シリコーン及びポリエーテル化合物の混合物である。
基油(E)の含有量(重量%)は、油増稠剤(D)及び基油(E)の重量に基づいて、70〜99.9が好ましく、さらに好ましくは72〜99.7、特に好ましくは74〜99.5、最も好ましくは75〜99である。この範囲であると、消泡性及びエマルションの安定性がさらに良好となる。
油相(B)には、油増稠剤(D)及び基油(E)以外に、疎水性シリカ(J1)、脂肪酸アミド(J2)及び合成樹脂微粒子(J3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の核剤(J)等を含有してもよい。
疎水性シリカ(J1)としては、シリカ粉末を疎水化剤で疎水化処理した疎水性シリカが含まれる。
市場から入手できる疎水性シリカとしては、商品名として、Nipsil SS−10、SS−40、SS−50及びSS−100(東ソー・シリカ株式会社、「Nipsil」は東ソー・シリカ株式会社 の登録商標である。)、AEROSIL R972、RX200及びRY200(日本アエロジル株式会社、「AEROSIL」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、SIPERNAT D10、D13及びD17(デグサジャパン株式会社、「SIPERNAT」はエボニック デグサ ゲーエムベーハーの登録商標である。 )、(TS−530、TS−610、TS−720(キャボットカーボン社)、AEROSIL R202,R805及びR812(デグサジャパン株式会社)、REOLOSIL MT−10、DM−10及びDM−20S (株式会社トクヤマ、「REOLOSIL」は同社の登録商標である。)、並びにSYLOPHOBIC100、702、505及び603(富士シリシア化学株式会社、「SYLOPHOBIC」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
脂肪酸アミド(J2)としては、炭素数1〜6のアルキレンジアミン若しくはアルケニレンジアミンと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸ジアミド)及び/又は炭素数1〜22のアルキルアミン、アルケニルアミン若しくはアンモニアと炭素数10〜22の脂肪酸との反応物(脂肪酸モノアミド)が含まれる。
脂肪酸ジアミドとしては、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、プロピレンビスステアリルアミド、プロピレンビスパルミチルアミド、プロピレンビスミリスチルアミド、プロピレンビスラウリルアミド、プロピレンビスオレイルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスパルミチルアミド、ブチレンビスミリスチルアミド、ブチレンビスラウリルアミド、ブチレンビスオレイルアミド、メチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド等が挙げられる。
脂肪酸モノアミドとしては、N−ステアリルステアリルアミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド及びステアリルアミド等が挙げられる。
これらのうち、消泡性等の観点から、脂肪酸ジアミドが好ましく、さらに好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスラウリルアミド、メチレンビスステアリルアミド及びヘキサメチレンビスステアリルアミド、特に好ましくはエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド及びエチレンビスミリスチルアミドである。これらのアミドは、2種以上の混合物であってもよく、混合物の場合、上記の好ましいものが主成分として含まれていることが好ましい。
なお、主成分とは、脂肪酸アミドの重量に基づいて、少なくとも40重量%を含まれる成分を意味し、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%以上、最も好ましくは80重量%以上含まれることである。
脂肪酸アミド中の副成分(主成分以外に含まれる成分)としては、上記の好ましい範囲以外のアミドの他に、未反応アミン及び未反応カルボン酸等が含まれる。副成分の含有量(重量%)は、脂肪酸アミドの重量に基づいて、60未満が好ましく、さらに好ましくは50未満、特に好ましくは40未満、次に好ましくは30未満、最も好ましくは20未満である。
合成樹脂微粒子(J3)としては、エチレン性不飽和モノマー(m1)を構成単位とする合成樹脂微粒子(J31)又は重縮合・重付加モノマー(m2)を構成単位とする合成樹脂微粒子(J32)が含まれる。
エチレン性不飽和モノマー(m1)としては、公知のエチレン性不飽和モノマー等が含まれ、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル{(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸(2−エチルヘキシル)、(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニル等};炭素数1〜18のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体の(メタ)アクリレート{メタノールのプロピレンオキシド30モル付加体の(メタ)アクリル酸エステル、2−エチルヘキサノールのプロピレンオキシド30モル付加体の(メタ)アクリル酸エステル及びステアリルアルコールのエチレンオキシド30付加体の(メタ)アクリル酸エステル等};(メタ)アクリロニトリル;スチレン{スチレン、メチルスチレン及びヒドロキシスチレン};(メタ)アクリル酸ジアミノエチル;多官能ビニルモノマー{ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコール(重合度14)ジ(メタ)アクリレート};アリルアルコール;アリルアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体{アリルアルコールのプロピレンオキシド2モル付加物等};2−ブテンー1−オール;(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル);(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体{(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のプロピレンオキシド4モル付加体等};ブタジエン;イソプレン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;及び酢酸ビニル等が使用できる。
これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、少なくとも1種類のポリオキシアルキレン基を含有するモノマー{炭素数1〜18のアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体の(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコール(重合度14)ジ(メタ)アクリレート;アリルアルコールのアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体;及び(メタ)アクリル酸(2−ヒドロキシエチル)のアルキレンオキシド(炭素数2〜4)付加体等}を用いることが好ましい。
エチレン性不飽和モノマー(m1)を構成単位とする合成樹脂微粒子(J31)は、公知の方法で重合して得ることができる。これらは基油(E)中で反応させてそのまま使用してもよいし、あらかじめ反応して得た粒子と基油(E)とを混合してもよい。
重縮合・重付加モノマー(m2)としては、公知の重縮合・重付加モノマーが含まれ、ポリイソシアネート(m21)、ポリアミン(m22)、ポリオール(m23)及びポリカルボン酸(m24)が含まれる。
ポリイソシアネート(m21)としては、炭素数8〜16のジイソシアネート{ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及び4−4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等}及びこれらの変性体{ジイソシアネートのトリメチロールプロパンの付加体、ビウレット縮合物及びイソシアヌレート縮合物等}等が挙げられる。
ポリアミン(m22)としては、炭素数1〜6のポリアミンが含まれ、尿素、メラミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等が挙げられる。
ポリオール(m23)としては、炭素数2〜6の多価アルコール{エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、ジグリセリン及びペンタエリスリトール等};及びこれらの多価アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを水酸基1つ当たり1〜50モル付加した付加体{多価アルコールのエチレンオキシド付加体、プロピレンオキシド付加体、ブチレンオキシド付加体、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック付加体及びプロピレンオキシド/ブチレンオキシドブロック付加体等}等が挙げられる。
ポリカルボン酸(m24)としては、炭素数4〜14のポリカルボン酸が含まれ、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸及びダイマー酸等が挙げられる。
重縮合・重付加モノマー(m2)を構成単位とする合成樹脂微粒子(J32)には、上記のモノマーを構成単位とするポリウレア、ポリウレタン及びポリエステル等が含まれ、公知の方法で反応して得ることができる。これらは基油(E)中で反応させてそのまま使用してもよいし、あらかじめ反応して得た粒子と基油(E)とを混合してもよい。
合成樹脂微粒子(J3)は、市場から入手可能であり、たとえば、以下の商品等が使用できる。
アルティフロー FS−7301(三洋化成工業(株)製、エチレン性不飽和モノマー共重合物のポリエーテル分散体、「アルティーフロー」は同社の登録商標である)、ダイミックビーズ UCN−8070CMクリヤー(大日精化工業(株)製、ポリウレタンビーズ、「ダイミックビーズ」は同社の登録商標である)、タフチック F−120、F−167(東洋紡(株)製、エチレン性不飽和モノマー共重合物の水分散体;「タフチック」は同社の登録商標である)
核剤(J)を含有する場合、核剤(J)の含有量(重量%)は、油増稠剤(D)及び基油(E)の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.1〜18、特に好ましくは0.3〜16、最も好ましくは0.5〜15である。この範囲であると、消泡性及びエマルション安定性がさらに良好となる。
ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度(25℃、Pa・s)は、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.1〜4、特に好ましくは0.1〜3、最も好ましくは0.15〜2である。この範囲であると、消泡性及びエマルション安定性がさらに良好となる。これは、発泡液中において優れた粒子保形成性(粒子形状を保持し、微粒子化や可溶化しにくい性質)を発揮し、微粒化及び可溶化によって消泡性を喪失し難くなること及びエマルションの凝集や合一を防ぐためであると考えられる。
ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度(25℃、Pa・s)は、コーンプレート型粘度計{たとえば、ANTONPAAR社製粘弾性測定装置MCR−310、コーンプレート(CP25−2;プレート径25mm、コーン角度2°)}を用い、ずり速度を0.1/sから1000/sまで300秒かけて上昇させた際の粘度を測定して、ずり速度1000/sでの粘度を読み取ることにより得られる。
ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度(25℃、Pa・s)は、油増稠剤(D)及び基油(E)の含有量等によって調整できる。
油増稠剤(D)の含有量が多くなる程、ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度は高くなる傾向があり、また、基油(E)の含有量が多くなる程、ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度は低くなる傾向がある。
一方、油増粘剤(D)の含有量が少なくなる程、ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度は低くなる傾向があり、また、基油(E)の含有量が少なくなる程、ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度は高くなる傾向がある。
以上の他に、油増稠剤(D)のうち、特に油溶性ポリマー、金属石鹸を使用した場合、少量でもずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度が高くなりやすい。
後述する界面活性剤(F)を油相(B)に含有する場合、上記のずり速度1000/sにおける粘度(25℃)は、界面活性剤(F)の含有量等によっても調整できる。界面活性剤(F)の含有量が多い程、ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度は低くなりやすい。
ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度を上記の範囲にするには、油増稠剤(D)及び基油(E)の含有量を上記範囲することにより達成できる。
水相(A)は、水(K)を必須構成成分としてなり、水(K)としては、水道水、工業用水、脱イオン水及び蒸留水等が挙げられる。水相(A)は、水(K)の他、公知の増粘剤(Ga)、防腐剤(防菌・防黴剤辞典、日本防菌防黴学会昭和61年第1版発行、1−32頁等)及び/又は凍結防止剤を含んでもよく、増粘剤(Ga)を含むことが好ましい。
増粘剤(Ga)としてはキサンタンガム、ローカストビーンガム、グァーガム、カラギーナン、アルギン酸及びこの塩、トラガントガム、マグネシウムアルミニウムシリケート、ベントナイト、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、寒天並びにカルボキシル基を含む合成高分子型増粘剤(商品名として、たとえば、SNシックナー636、SNシックナー641、SNシックナー617等;サンノプコ株式会社)、ポリオキシエチレン鎖を含む会合型増粘剤(商品名として、たとえば、SNシックナー625N、SNシックナー665T等)等が挙げられる。
増粘剤(Ga)を含有する場合、増粘剤(Ga)の含有量(重量%)は、水相(A)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜4.8、特に好ましくは0.1〜4.5、最も好ましくは0.2〜4.3である。
凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。
防腐剤としては、ホルマリン及び5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
水相(C)は、水(K)を必須構成成分としてなり、水(K)の他、公知の増粘剤(Gc)、防腐剤(防菌・防黴剤辞典、日本防菌防黴学会昭和61年第1版発行、1−32頁等)及び/又は凍結防止剤を含んでもよく、増粘剤(Gc)及び/又は親水性微粒子(H)を含むことが好ましい。
増粘剤(Gc)としては、増粘剤(Ga)と同じもの等が使用できる。
増粘剤(Gc)を含有する場合、増粘剤(Gc)の含有量(重量%)は、水相(C)の重量に基づいて、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜4.8、特に好ましくは0.1〜4.5、最も好ましくは0.2〜4.3である。
親水性微粒子(H)としては、水相(C)に分散する親水性の金属酸化物が含まれ、ヒュームド金属酸化物及びコロイド状金属酸化物が含まれる。
ヒュームド金属酸化物としては、気化させた金属塩化物等の金属化合物を高温の水素炎中において気相反応によって合成された乾式金属酸化物であれば使用できる。
ヒュームド金属酸化物は、市場から容易に入手でき、たとえば、アエロジルシリーズ(130、200、300等、ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社、「アエロジル」は登録商標である。)、乾式シリカHDKシリーズ(S13、V15、N20、T30等、ヒュームドシリカ、旭化成ワッカ-シリコーン株式会社、「HDK」は登録商標である。)、レオロシールシリーズ(QS−10、QS−30、QS−40、QS−102、ヒュームドシリカ、株式会社トクヤマ、「レオロシール」は登録商標である。)、CAB−O−SIL EH−5、CAB−O−SIL HS−5、CAB−O−SIL M−5(ヒュームドシリカ、キャボット コーポレーション、「CAB−O−SIL」は登録商標である。)、SpectrAlシリーズ(51、81、100等、ヒュームドアルミナ、キャボット コーポレーション、「SpectrAl」は登録商標である。)、アエロキシドAluシリーズ(C、65、130等、ヒュームドアルミナ、日本アエロジル株式会社、アエロキシドは登録商標である)、アエロキシドTiO2 P25(ヒュームド酸化チタン、日本アエロジル株式会社)、アエロジル MOX 80(ヒュームドシリカ・アルミナ混合酸化物、日本アエロジル株式会社)等が挙げられる。
コロイダル金属酸化物としては、水溶液中で水溶性の金属化合物から合成された金属酸化物であれば使用できる。
コロイダル金属酸化物は、市場から容易に入手でき、たとえば、スノーテックスシリーズ(20L、XL、コロイダルシリカ、日産化学株式会社、「スノーテックス」は登録商標である。)、MT−150A(酸化チタン、テイカ株式会社)、MZ−500(酸化亜鉛、テイカ株式会社)等が挙げられる。
これらのうち、好ましくはヒュームド金属酸化物であり、特に好ましくは親水性ヒュームドシリカである。
親水性微粒子(H)のメジアン径(d50、個数基準;nm)は、10〜300が好ましく、さらに好ましくは12〜250、特に好ましくは13〜200、最も好ましくは15〜150である。
メジアン径(d50、個数基準)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置により測定できる。
たとえば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置{Partica LA−950V2、フローセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.33、反復回数15、株式会社堀場製作所}を使用して、分散媒に水を用い、水をフローセルに入れて循環強度5で循環しながらブランク測定を行い、引き続き、このフローセルに測定試料を適量加えて測定を行い、この測定値からブランク測定の値を差し引いて算出する。
ただし、フローセルに入れる測定試料{親水性微粒子(H)を水相(C)に分散した分散液}の量は、青色LED光の透過率が88〜92%になるように調整し、測定試料の量が多いほど透過率が低くなるので、この範囲から外れている場合、測定試料又は分散媒の量により、範囲内に入るように調整する。
親水性微粒子(H)を含有する場合、親水性微粒子(H)の含有量(重量%)は、水相(C)の重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.1〜9、特に好ましくは0.3〜7、最も好ましくは0.4〜6である。
水相(A)の浸透圧は、水相(C)の浸透圧よりも高いことが好ましい。水相(A)の浸透圧は、水相(A)に水溶性物質(塩化ナトリウムや塩化カルシウム等の水溶性無機塩、尿素やメタノール等の水溶性有機低分子)を加えることにより高く調節できる。
油相(B)の含有量(重量%)は、水相(A)、油相(B)及び水相(C)の重量に基づいて、5〜50が好ましく、さらに好ましくは6〜40、特に好ましくは7〜35、最も好ましくは8〜30である。この範囲であると、消泡性及び安定性(エマルション安定性)がさらに良好となる。
水相(A)及び水相(C)の含有量(重量%)は、水相(A)、油相(B)及び水相(C)の重量に基づいて、50〜95が好ましく、さらに好ましくは60〜94、特に好ましくは65〜93、最も好ましくは70〜92である。この範囲であると、消泡性及び安定性(エマルション安定性)がさらに良好となる。
なお、油相(B)に核剤(J)を含む場合、油相(B)の重量は、油増稠剤(D)、基油(E)及び核剤(J)の合計重量である。
水相(A)を含有する油相(B)からなるエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は、0.1〜10が好ましく、さらに好ましくは0.3〜9、特に好ましくは0.5〜8、最も好ましくは1〜7である。この範囲内であると、消泡性及びエマルション安定性がさらに良好となる。
水相(A)を含有する油相(B)からなるエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置{たとえば、Partica LA−950V2(フローセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.33、反復回数15)、堀場製作所株式会社}を使用して測定でき、たとえば、次のように測定される。
<測定法>
イオン交換水をフローセルに入れて循環(循環強度5)しながら、ブランク測定を行う。100mLガラスビーカーにイオン交換水を約10mL入れ、測定試料(W/O/W型エマルション消泡剤)を数滴加えて均一になるまで混合して分散液を作成する。この分散液をフローセルに少しずつ加えて、適切な透過光強度(青色LEDの透過光強度が80〜90%又は赤色LEDの透過光強度が70〜90%)に調整して測定を行う。
なお、測定値はブランク測定の値が差し引かれて算出される。
このエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は、油相(B)の粘度、水相(C)の粘度、乳化・分散工程での分散方法等によって調節することができる。水相(A)、油相(B)の粘度が低く、水相(C)の粘度が高いほど、エマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は小さくなる傾向がある。また、乳化・分散工程でより強いせん断をかけて乳化・分散を行うと、エマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は小さくなる傾向がある。
一方、水相(A)、油相(B)の粘度が高く、水相(C)の粘度が低いほど、エマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は大きくなる傾向がある。また、乳化・分散工程で弱いせん断をかけて乳化・分散を行うと、エマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)は大きくなる傾向がある。
本発明の消泡剤には、水相(A)、油相(B)及び水相(C)に含まれる成分以外に、界面活性剤(F)等を含有できる。
界面活性剤(F)としては、非イオン型界面活性剤、アニオン型界面活性剤及びこれらの混合が含まれる。
非イオン型界面活性剤としては、HLB3.5〜20のものが使用でき、好ましくはHLB3.6〜19.5のもの、さらに好ましくはHLB3.7〜19のもの、最も好ましくはHLB4〜18.5のものである。
非イオン型界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、植物油のエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物及び変性シリコーン等が含まれる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタンと炭素数12〜22の脂肪酸とのエステルが含まれ、ソルビタンモノラウレート(HLB8.6、たとえば、ノニオンLP−20R;日油株式会社)、ソルビタンモノパルミテート(HLB6.7、たとえば、ノニオンPP−40Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7、たとえば、ノニオンSP−60Rペレット;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、ノニオンOP−80R;日油株式会社)、ソルビタントリオレエート(HLB1.8、たとえば、ノニオンOP−85R;日油株式会社)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.3、たとえば、イオネットS−80;三洋化成業株式会社、「イオネット」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜40モル付加物が含まれ、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB16.7、たとえば、ノニオンLT−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(HLB15.7、たとえば、ノニオンST−221;日油株式会社)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(HLB15.7、たとえば、ノニオンOT−221;日油株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、エチレンオキシド5〜200モルとプロピレンオキシド5〜200モルとの共重合体が含まれ、ポリオキシエチレン(25モル)ポリオキシプロピレン(30モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−64;三洋化成工業株式会社、「ニューポール」は同社の登録商標である。)及びポリオキシエチレン(48モル)ポリオキシプロピレン(35モル)ブロックポリマー(たとえば、ニューポールPE−75;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルとしては、炭素数6〜18のアルキル基を有するアルキルアリールのポリオキシエチレンエーテルが含まれ、ポリオキシエチレン(4モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール40;三洋化成工業株式会社、「ノニポール」は同社の登録商標である。)、ポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェノールエーテル(たとえば、ノニポール100;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
植物油のエチレンオキシド付加物としては、植物油のエチレンオキシド1〜200モル付加物が含まれ、ひまし油のエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニオックスHC−40;日油株式会社、「ユニオックス」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンの脂肪酸エステルとしては、数平均分子量200〜4000のポリオキシエチレンと炭素数6〜22の脂肪酸とのモノエステル及びジエステルが含まれ、数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのジエステル(たとえば、イオネットDO−600;三洋化成工業株式会社)及び数平均分子量600のポリオキシエチレングリコールとオレイン酸とのモノエステル(たとえば、イオネットMO−600;三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、炭素数6〜22のアルカノールのオキシエチレン1〜100モル付加物が含まれ、ナロアクティーCL−40(HLB8.9、三洋化成工業株式会社、「ナローアクティー」は同社の登録商標である。)、ナロアクティーCL−100(HLB13.3、三洋化成工業株式会社)等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数6〜22の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルが含まれ、グリセロールモノステアレート(たとえば、モノグリMD、HLB5.5、日油株式会社)等が挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物としては、グリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド1〜100モル付加物が含まれ、グリセリンヤシ油脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物(たとえば、ユニグリMK−207、HLB13.0、日油株式会社、「ユニグリ」は同社の登録商標である。)等が挙げられる。
変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサンのメチル基の一部をアルコキシポリオキシアルキレンオキシプロピル基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)、アルコキシポリオキシアルキレン基(アルコキシの炭素数1〜6、アルキレンの炭素数2〜3、重合度2〜50)等に置き換えたもの等が含まれる。
これらのうち、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンと脂肪酸とのモノエステル及びジエステル、グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、石油スルホネート塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホン酸エステル塩及びポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩が含まれる。
アルキルアリールスルホン酸塩としては、炭素数7〜24のアルキルアリールスルホン酸塩が含まれ、p−トルエンスルホン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
塩としては特に制限されないが、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)塩、アンモニウム塩及び炭素数1〜18のアミン塩(トリエタノールアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン等)等が含まれる(以下同じ)。
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩としては、アルキル基が炭素数6〜18であるアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が含まれ、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
石油スルホネート塩としては、石油系潤滑油留分をスルホン化したものが含まれる。
ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が含まれ、ポリオキシエチレンラウリル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩としては、炭素数6〜22のポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルが含まれ、ポリオキシエチレンステアリルリン酸エステル塩等が挙げられる。
これらのうち、アルキルアリールスルホン酸塩、石油スルホネート塩及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が好ましく、さらに好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸塩及び、石油スルホネート塩、特に好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩及び石油スルホネートカルシウム塩である。
界面活性剤(F)を含有する場合、界面活性剤(F)の含有量(重量%)は、水相(A)、油相(B)及び水相(C)の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.05〜15、特に好ましくは0.1〜10、最も好ましくは0.2〜5である。この範囲であると、消泡性及びエマルション安定性がさらに良好となる。
本発明の消泡剤は、次の製造方法等によって製造できる。
油相(B)に、水相(A)を乳化・分散し、W/Oエマルション(AB1)を得る乳化・分散工程(i)と、
W/Oエマルション(AB1)と水相(C)とを乳化・分散してW/O/W型エマルション消泡剤を得る乳化・分散工程(ii)を含む製造方法
乳化・分散工程(i)では、水相(A)を油相(B)に乳化・分散できれば使用する装置等に制限はないが、乳化分散機(ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波乳化機)を用いて乳化・分散を行ってもよい。
乳化・分散工程(i)では、水相(A)を、油相(B)に乳化・分散できれば使用する装置等に制限はないが、乳化分散機(ディスパーミル、ホモジナイザー、ゴーリンホモジナイザー及び超音波乳化機等)を用いて乳化・分散できる。
乳化・分散工程(i)では、水相(A)が油相(B)に乳化・分散できれば混合する方法等に制限は無いが、攪拌下の水相(A)に油相(B)を滴下していき、転相乳化によってW/O型エマルションを得てもよいし、攪拌下の油相(B)に水相(A)を滴下していき、W/O型エマルションを得てもよいし、水相(A)に油相(B)とを混合した後に乳化してW/O型エマルションを得てもよい。
乳化・分散工程(i)での温度(℃)は、水相(A)が油相(B)に乳化・分散できれば制限はないが、10〜95が好ましく、さらにこのましくは15〜90、特に好ましくは20〜80、最も好ましくは25〜70である。温度が高いほど乳化しやすいが、消泡性が低下する傾向が高い。上記の範囲であると、乳化しやすく、消泡性も低下しにくい。
乳化・分散工程(ii)では、水相(A)を含有する油相(B)を、水相(C)に乳化・分散できれば使用する装置等に制限はないが、乳化分散機(ディスパーミル、ホモジナイザー、ゴーリンホモジナイザー及び超音波乳化機等)を用いて乳化・分散できる。
乳化・分散工程(ii)では、水相(A)を含有する油相(B)を、水相(C)に乳化・分散できれば混合する方法等に制限は無いが、水相(C)を攪拌しながら、これに、水相(A)を含有する油相(B)を滴下していき、W/O/W型エマルションを得てもよいし、水相(A)を含有する油相(B)と水相(C)とを混合した後、乳化分散機で乳化・分散してW/O/W型エマルションを得てもよい。
乳化・分散工程(ii)での温度(℃)は、水相(A)を含有する油相(B)を水相(C)に乳化・分散できれば制限はないが、10〜95が好ましく、さらにこのましくは15〜90、特に好ましくは20〜80、最も好ましくは25〜70である。温度が高いほど乳化しやすいが、消泡性が低下する傾向が高い。上記の範囲であると、乳化しやすく、消泡性も低下しにくい。
油相(B)に脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスを含む場合、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスは、次の方法によって基油(E)に分散することが好ましい。
脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスと、基油(E)の一部とを加熱攪拌しながら、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスを溶解させて溶解液を得る溶解工程(di)、
基油(E)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る混合工程(dii)、並びに
混合物を均質化処理して脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスの分散液を得る分散工程(diii)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスが溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは103〜170、特に好ましくは105〜165、最も好ましくは110〜160である。
加熱攪拌時間としては、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスが溶解できれば制限がないが、基油(E)の酸化や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
混合工程(dii)において、溶解液を投入している間も溶解液を加熱攪拌し、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスを溶解させた状態を保つことが好ましい。
また、基油(E)の残部の温度は、消泡性の観点等から、0〜60℃に保つことが好ましく、さらに好ましくは0〜50℃、特に好ましくは0〜45℃、最も好ましくは0〜40℃である。すなわち、0〜60℃に冷却した基油(E)の残部を攪拌しながら、この残部に0〜60℃を保ちながら溶解液を少量ずつ投入して混合物を得ることが好ましい。
均質化処理は、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスを含む混合液を均質化できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波乳化機等)を用いて均質化処理することが好ましい。
基油(E)の一部を用いて、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスの分散液を作成し、これを油相(B)の残部と混合して油相(B)を得てもよい。
油相(B)に油溶性ポリマーを含む場合、油溶性ポリマーは、次の溶解方法(P1)及び(P2)等によって、基油(E)に溶解して用いることが好ましい。
<溶解方法(P1)>
油溶性ポリマーと基油(E)とを加熱攪拌しながら油溶性ポリマーを溶解して溶解液を得た後、冷却して油溶性ポリマーの溶解液を得る方法。
<溶解方法(P2)>
油溶性ポリマーと、基油(E)の一部とを加熱攪拌しながら、油溶性ポリマーを溶解させて溶解液を得る溶解工程(pi)、
基油(E)の残部を攪拌しながら、この残部と溶解液と攪拌混合して混合物を得る混合工程(pii)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、油溶性ポリマーが溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは103〜170、特に好ましくは105〜165、最も好ましくは110〜160である。
加熱攪拌時間としては、油溶性ポリマーが溶解できれば制限がないが、基油(E)の酸化や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
油相(B)に脂肪酸アミド及び/又は変性ワックス等と、油溶性ポリマーとを含む場合、予め油溶性ポリマーの基油(E)溶液を作成し、基油(E)の一部をこの油溶性ポリマーの基油(E)溶液に置き換えて溶解工程(di)を行うか、溶解工程(di)において、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックスの溶解と共に、油溶性ポリマーを溶解することができる。
なお、油溶性ポリマーの基油(E)溶解液として、市場から入手できるものを用いてもよい。
油相(B)にヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤を含む場合、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤は、次の分散方法(Q1)及び(Q2)等によって、基油(E)に分散して用いることが好ましい。
<分散方法(Q1)>
ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤と基油(E)とを加熱攪拌しながらヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤を溶解して溶解液を得た後、冷却攪拌してヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤の分散液を得る方法。
<分散方法(Q2)>
ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤と、基油(E)の一部とを加熱攪拌しながら、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤を溶解させて溶解液を得る溶解工程(qi)、
基油(E)の残部を攪拌しながら、この残部に溶解液を投入して混合物を得る混合工程(qii)を含む方法。
加熱攪拌温度(℃)としては、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤が溶解できれば制限がないが、100〜180が好ましく、さらに好ましくは103〜170、特に好ましくは105〜165、最も好ましくは110〜160である。
加熱攪拌時間としては、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤が溶解できれば制限がないが、基油(E)の酸化や蒸発等を防ぐため、できるだけ短時間とすることが好ましい。
加熱攪拌は、密閉下で行ってもよいし(加圧下でもよい)、開放下で行ってもよい。
混合工程(pii)において、溶解液を投入している間も溶解液を加熱攪拌し、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤を溶解させた状態を保つことが好ましい。
油相(B)に脂肪酸アミド及び/又は変性ワックス等と、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤とを含む場合、予めヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤の基油(E)分散液を作成し、この分散液と、脂肪酸アミド及び/又は変性ワックス等を含む基油(E)分散液とを混合することができる。なお、ヒドロキシカルボン酸及び/又はアミノ酸ゲル化剤の基油(E)分散液として、市場から入手できるものを用いてもよい。
油相(B)に疎水性シリカ及び/又は合成樹脂微粒子を含む場合、疎水性シリカ及び/又は合成樹脂微粒子は、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波分散機等)等を用いて、基油(E)に分散することが好ましい。
油相(B)に脂肪酸アミド及び/又は変性ワックス等と、疎水性シリカ及び/又は合成樹脂微粒子とを含む場合、混合工程(dii)の直後に混合物と疎水性シリカ及び/又は合成樹脂粒子とを混合してから分散工程(diii)に移ることが好ましい。
水相(C)に親水性微粒子(H)を含有する場合、親水性微粒子(H)は、あらかじめ水相(C)に上記の好ましいメジアン径(d50、個数基準)になるように分散して用いることが好ましい。
親水性微粒子(H)を水相(C)に分散する方法としては、親水性微粒子(H)が水相(C)に分散できれば制限はないが、乳化分散機(ビーズミル、ディスパーミル、ホモジナイザー又はゴーリンホモジナイザー、超音波分散機等)を用いて分散・解砕を行うことが好ましい。
本発明の消泡剤は、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、塗料(水性塗料等)用消泡剤及び各種製造工程(抄紙工程、発酵工程、培養工程、排水処理工程、モノマーストリッピング工程及びポリマー重合工程等)用消泡剤等として使用することができる。
これらのうち、塗料用消泡剤、排水処理用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。
なお、エマルション塗料に含まれるバインダーとしては、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂又はフッ素原子含有シリコーン樹脂等が挙げられ、いずれに対しても効果的である。
本発明の消泡剤の添加方法は、塗料に適用する場合、(1)ミルベースの仕込み時、(2)顔料を均一に分散させる前練時、(3)顔料分散時及び/又は(4)残りの原料を投入して混合する調合時及び/又は(5)塗料作成後に添加する方法等が挙げられる。また、各種製造工程に適用する場合、(1)原料の供給と共に、(2)加熱及び/若しくは減圧処理前に、並びに/又は(3)最終仕上げ工程等に添加する方法のいずれでもよい。たとえば、排水処理工程に適用する場合、排水の流入(曝気槽前)、分離前(沈殿槽前)、最終仕上げ(放流)等に添加できる。
各種製造工程に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、水性発泡液の重量に基づいて、0.0001〜3が好ましく、さらに好ましくは0.001〜2.7、特に好ましくは0.005〜2.3、最も好ましくは0.01〜2である。また、塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2.0である。
なお、最適なエマルション塗料に適用する場合、本発明の消泡剤の添加量(重量%)は、塗料の重量に基づいて、0.05〜3が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.7、特に好ましくは0.2〜2.3、最も好ましくは0.3〜2である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部を、%は重量%を意味する。また、特記しない限り、25〜30℃で行ったものである。
<油相(b1)の作成例(1)>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で油増稠剤(d1){ステアリン酸アルミニウム、SA−1500、堺化学工業(株)}40部、核剤(j21){エチレンビスステアリルアミド、アルフローH−50S、日油株式会社製}30部、、基油(e1){鉱物油、コスモピュアスピン G、コスモ石油ルブリカンツ(株)}300部、界面活性剤(f1){ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム70%メタノール溶液、テイカパワー BC−2070M、テイカ(株)、「テイカパワー」は同社の登録商標である。}20部及び界面活性剤(f2){ソルビタンモノオレート、イオネット S−80、三洋化成工業株式会社製、HLB=4.3}15部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて{この加熱により界面活性剤溶液中のメタノールを留去した}溶解液(1)を得た。
次いで、基油(e2){ポリプロピレングリコール(34モル)、ニューポールPP−2000、三洋化成工業株式会社製、HLB=0.3}36部及び基油(e3){鉱物油、コスモSP−10、コスモ石油ルブリカンツ(株)}565部を10℃に調節して冷却攪拌して受け液(1)を調製し、この受け液(1)を冷却攪拌しながら、溶解液(1)を少量ずつ受け液(1)に投入し、15分間攪拌して分散液(1)を得た。溶解液の投入中及び投入後の混合物(分散液)の温度は10〜40℃であった。
分散液(1)を、40℃以下まで冷却攪拌し、40℃以下でゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して油相(b1)を得た。
<油相(b2)〜(b5)の作成例(2)〜(5)>
溶解液(1)の成分を表1に記載した成分及び使用量に変更したこと、及び受け液(1)の成分を表2に記載した成分及び使用量に変更したこと以外、油相(b1)の作成例(1)と同様にして、油相(b2)〜(b5)を得た。なお、油相(bX)は、溶解液(X)と受け液(X)と{「X」は2〜5の数字であり、作成例、油相、溶解液、受け液のそれぞれが同じ数字となる。以下同じである。}を用いて作成したものである。
Figure 0005874063
Figure 0005874063
油増稠剤(d2):メタクリル酸アルキル系共重合物35%の鉱油溶液、サンエリス934、三洋化成工業株式会社製
油増稠剤(d3):酸化ポリエチレンワックス、エポレンE−10、イーストマンケミカル社製
油増稠剤(d4):マレイン酸変性酸化ポリエチレンワックス、PED−136、日本精鑞(株)製
油増稠剤(d5):アルキルメタクリレート系重合物溶液(アルキルメタクリレート系重合物79%、鉱油21%)、アクルーブ812、三洋化成工業株式会社製
油増稠剤(d6):12−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロ酸、小倉合成化学(株)
油増稠剤(d7):ステアリン酸カルシウム、カルシウムステアレート、日油株式会社製
基油(e4):ポリオキシプロピレン(40モル)グリコールモノブチルエーテルのオレイン酸エステル、HLB=0
基油(e5):鉱物油、スタノール40、エクソンモービルコーポレーション
基油(e6):ジメチルシリコーンオイル(動粘度50(mm2/s、25℃))、KF−96−50CS、信越化学工業株式会社製
基油(e7):食用菜種油、ニッコー製油株式会社製
界面活性剤(f3):バリウム石油スルホネート溶液(バリウム石油スルホネート30%、油分69%、水及び不明分1%)、スルホールBA−30N、MORESCO株式会社製
界面活性剤(f4):アルキル(アルキルの炭素数10〜16)ベンゼンスルホン酸ナトリウム50%水溶液、ニューレックスR、日油株式会社製
界面活性剤(f5):ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ナロアクティー CL−40、三洋化成工業株式会社製、HLB=8.9
界面活性剤(f6):ポリオキシエチレンジオレート、イオネット DO−600、三洋化成工業株式会社製、HLB=10.4
核剤(j11):疎水性シリカ、SIPERNAT D10、デグサジャパン株式会社
核剤(j12):疎水性シリカ、ニップシール G−0251、東ソー・シリカ株式会社製
<油相(b6)の作成例(6)>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で油増稠剤(d8){水添ポリジエンブロックとポリスチレンブロックとからなるブロックコポリマー、セプトン4099、株式会社クラレ製}9.1部、基油(e1)848.9部、基油(e8){ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)、ニューポールPE−61、三洋化成工業株式会社製、HLB=2.3}50部、界面活性剤(f1)10部、界面活性剤(f2)10部、界面活性剤(f5)15部、界面活性剤(f6)10部、核剤(j11)20部及び核剤(j12)30部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて{この加熱により界面活性剤溶液中のメタノールを留去した}溶解液(6)を得た。
溶解液(6)を60分かけて30℃まで冷却した後、40℃以下でゴーリンホモジナイザーを用いて3500psi(24.1MPa)にて均質化処理して油相(b6)を得た。
<油相(b7)〜(b9)の作成例(7)〜(9)>
溶解液(6)の成分を表3に記載した成分及び使用量に変更したこと以外、油相(b6)の作成例(6)と同様にして、油相(b7)〜(b9)を得た。
Figure 0005874063
油増稠剤(d9):石油樹脂、アルコンP−125、荒川化学工業株式会社製
油増稠剤(d10):液状ゴム、クラプレンLIR30、株式会社クラレ製
基油(e9):オレイン酸メチル、エキセパール M−OL、花王株式会社製;「エキセパール」は同社の登録商標である。
基油(e10):蔗糖ポリオキシプロピレン80モル付加物、HLB=1.4
基油(e11):ポリオキシエチレン(5モル)ポリオキシプロピレン(30モル)のステアリン酸ジエステル、HLB=1.8
核剤(j13):疎水性シリカ、アエロジル R−972、日本アエロジル株式会社製
<油相(b10)の作成例(10)>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で油増稠剤(d11){N−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド、GP−1、味の素(株)}19部、基油(e3)568部、基油(e4)100部、基油(e12){トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(10モル)/プロピレンオキシド(68モル)ブロック付加体、ニューポールTL−4500N、三洋化成工業株式会社製、HLB=2.0}94部、界面活性剤(f1)20部、核剤(j11)24部及び核剤(j12)21部を加熱攪拌しながら145℃まで昇温し、この温度にてさらに15分間加熱攪拌を続けて{この加熱により界面活性剤溶液中のメタノールを留去した}溶解液(10)を得た。
溶解液(10)を25℃まで冷却した後、特開2009−7506号公報の実施例1に準じて作成したポリマーポリオール[核剤(j31){(スチレン)/(アクリロニトリル)/(ジビニルベンゼン)/(グリセリンのプロピレンオキシド付加物と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとをトリレンジイソシアネート(TDI)でジョイントして得られる反応性分散剤)/(アリルアルコールにプロピレンオキシド(PO)を付加させたポリオキシアルキレンエーテル)を構成単位とする共重合物(粒子径0.7μm)}52%、基油(e13){ペンタエリスリトールにプロピレンオキシド−エチレンオキシド(エチレンオキシドの割合12重量%)の順にアルキレンオキシドをブロック付加させたポリオール、HLB=2.5}45%及び基油(e14){特開2000−344881号公報に準じて作成したグリセリンプロピレンオキシド付加体、HLB=0.3}3%の混合液]160部を加えて30分間混合し、油相(b10)を得た。
<油相(b11)の作成例(11)>
攪拌の可能な容器内で、油相(b1)950部及び油増稠剤(d5)50部を30分攪拌混合し、油相(b11)を得た。
油相(b1)〜(b11)のずり速度1000/sでの粘度(25℃){ANTONPAAR社製粘弾性測定装置MCR301にて、コーンプレート(CP25−2;プレート径25mm、コーン角度2°)を用い、ずり速度を0.1/sから1000/sまで300秒かけて上昇させた際の粘度を測定して、ずり速度1000/sでの粘度を読み取った。}は、表4に記載した通りであった。
Figure 0005874063
<水相(a1)の作成例(1)>
攪拌の可能な容器内で、水(k1){上水}969.9部を攪拌しながら、増粘剤(ga1){キサンタンガム、ケルザン、三晶株式会社製}20部、尿素40部、浸透圧調整剤(1){塩化ナトリウム}10部及び防腐剤(1){バイオキラーLS、ケイ・アイ化成株式会社製}0.1部を加え、4時間攪拌を続けて均一にし、水相(a1)を得た。水相(a1)の浸透圧は、0.4kPaだった。
<水相(a2)〜(a4)の作成例(2)〜(4)>
水、増粘剤、浸透圧調整剤及び防腐剤を表5に記載した成分及び使用量に変更したこと以外、水相(a1)の作成例(1)と同様にして、水相(a2)〜(a4)を得た。水相(a2)〜(a4)の浸透圧は、表5の通りであった。
Figure 0005874063
増粘剤(ga2):ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メトローズ65SH−15000、信越化学工業株式会社製
増粘剤(ga3):ポリエチレンオキシド、PEO−15Z、住友精化株式会社製
浸透圧調整剤(2):尿素
<水相(c1)の作成例(1)>
攪拌の可能な容器内で、水(k1)949.9部を攪拌しながら、親水性微粒子(h1){ヒュームドシリカ、AEROSIL 130、日本アエロジル株式会社製}30部を加え、超音波分散機UP400S{Hielscher Ultrasonic GmbH製}にて、1分間、強度20で処理し、続いて界面活性剤(f7){ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、HLB=18}10部、増粘剤(gc1){キサンタンガム、ケルザン、三晶株式会社製}10部及び防腐剤(1)0.1部を加えて、さらに4時間攪拌して水相(c1)を得た。水相(c1)の浸透圧は、0.02kPaであった。
<水相(c2)〜(c4)の作成例(2)〜(4)>
水、増粘剤、界面活性剤、親水性微粒子及び防腐剤を表6に記載した成分及び使用量に変更したこと以外、水相(c1)の作成例(1)と同様にして、水相(c2)〜(c4)を得た。水相(c2)〜(c4)の浸透圧は、表6の通りだった。
Figure 0005874063
増粘剤(gc2):ポリエチレンオキシド、PEO−15Z、住友精化株式会社製
親水性微粒子(h2):ヒュームドシリカ、AEROSIL 300、日本アエロジル株式会社製
親水性微粒子(h3):ヒュームドアルミナ、SpectrAl 100、キャボット コーポレーション製
<水相(c5)の作成例(5)>
攪拌の可能な容器内で、水(k1)869.9部を攪拌しながら、親水性微粒子(h4){コロイダルシリカ20%水分散液、スノーテックス 20、日産化学株式会社}100部、界面活性剤(f8){ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ナロアクティー CL−400、三洋化成工業株式会社製、HLB=17.8}20部、増粘剤(gc1){キサンタンガム、ケルザン、三晶株式会社製}10部及び防腐剤(1)0.1部を加えて、さらに4時間攪拌して水相(c5)を得た。水相(c5)の浸透圧は、0.03kPaであった。
水相(c1)〜(c3)及び(c5)中の親水性微粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)[レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950V2(フローセル式、分散質の屈折率=1.45、分散媒の屈折率=1.33、反復回数15、株式会社堀場製作所)を使用して、分散媒に水を用い、水をフローセルに入れて循環強度5で循環しながらブランク測定を行い、引き続き、このフローセルに測定試料{水相(c1)〜(c3)又は(c5)}を適量加えて測定を行い、この測定値からブランク測定の値を差
]は、表7に記載通りであった。
Figure 0005874063
<実施例(1)>
攪拌の可能な容器内で、油相(b1)200部を攪拌しながら、水相(a1)200部を加え、さらに15分間攪拌した後、ホモミキサーを用いて6000rpmで3分間処理し、W/O型エマルション(1)を得た。
水相(c1)600部を攪拌しながら、W/O型エマルション(1)400部を加え、15分間攪拌した後、ホモミキサーを用いて3000rpmで3分間処理して、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤(1)を得た。消泡剤(1)のエマルション粒子{水相(A)を含有する油相(B)からなる粒子、以下同じ}のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は、4.1であった。
なお、作成した消泡剤(1)がW/O/W型のエマルションになっていることは、作成した消泡剤(1)をスライドガラスにのせ、その上にカバーガラスを乗せてプレパラートを作成し、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製BX−60、Cytoviva社製HRAナノイメージングアダプター使用、対物レンズ:UPlanAPO 100x/1.35 oil Iris、接眼レンズ:WH10x/22)で観察することによって確認した(以下、同様)。
<実施例(2)〜(7)>
水相(a1)、油相(b1)及び水相(c1)を、表8に記載した組み合わせに変更したこと、及びW/O/W型エマルション消泡剤を得るときのホモミキサーの処理回転数を表8に記載した処理回転数に変更したこと以外、実施例(1)と同様にして、W/O型エマルション(2)〜(7)を調製した後、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤(2)〜(7)を得た。これらの消泡剤(2)〜(7)のエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は表8に記載した通りであった。また、各消泡剤がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
Figure 0005874063
<実施例(8)>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、油相(b6)200部を攪拌しながら、90℃に加熱し、同温度を保ちながら水相(a1)200部を加え、さらに15分間攪拌した後、ホモミキサーを用いて6000rpmで3分間処理し、W/O型エマルション(8)を得た。
水相(c1)600部を攪拌しながら、75℃まで加熱し、W/O型エマルション(8)400部を加え、15分間攪拌して、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤(8)を得た。この消泡剤(8)のエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は、5.5であった。また、この消泡剤(8)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<実施例(9)〜(12)>
水相(a1)、油相(b6)及び水相(c1)を、表9に記載した組み合わせに変更したこと以外、実施例(8)と同様にして、W/O型エマルション(9)〜(12)を調製した後、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤(9)〜(12)を得た。これらの消泡剤(9)〜(12)のエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は表9に記載した通りであった。また、各消泡剤がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
Figure 0005874063
<実施例(13)>
加熱、攪拌、冷却の可能な容器内で、油相(b11)200部を攪拌しながら、水相(a1)200部を加え、さらに15分間攪拌した後、ホモミキサーを用いて6000rpmで3分間処理し、W/O型エマルション(13)を得た。
水相(c1)600部を攪拌しながら、W/O型エマルション(13)400部を加え、15分間攪拌して、本発明のW/O/W型エマルション消泡剤(13)を得た。この消泡剤(13)のエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は、6.2であった。また、この消泡剤(13)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例1>
油増稠剤(d1)、(d2)を基油(e1)に変更したこと以外、油相の作成例(1)と同様にして、比較用の油相(bH1)を作成した。そして、油相(b1)を比較用の油相(bH1)に変えたこと以外は実施例1と同様にして、比較用のW/O/W型エマルション消泡剤(H1)を得た。ずり速度1000/sにおける油相(bH1)の粘度(25℃)は、0.03Pa・sであった。また、この消泡剤(H1)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例2>
油増稠剤(d3)、(d4)を基油(e1)に変更したこと以外、油相の作成例(2)と同様にして、比較用の油相(bH2)を作成した。そして、油相(b2)を比較用の油相(bH2)に変えたこと以外は実施例3と同様にして、比較用のW/O/W型エマルション消泡剤(H2)を得た。ずり速度1000/sにおける油相(bH2)の粘度(25℃)は、0.03Pa・sであった。また、この消泡剤(H2)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例3>
油増稠剤(d5)〜(d7)を基油(e1)に変更したこと以外、油相の作成例(3)と同様にして、比較用の油相(bH3)を作成した。そして、油相(b3)を比較用の油相(bH3)に変えたこと以外は実施例5と同様にして、比較用のW/O/W型エマルション消泡剤(H3)を得た。ずり速度1000/sにおける油相(bH3)の粘度(25℃)は、0.05Pa・sであった。また、この消泡剤(H3)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例4>
油増稠剤(d8)、(d9)を基油(e1)に変更したこと以外、油相の作成例(4)と同様にして、比較用の油相(bH4)を作成した。そして、油相(b4)を比較用の油相(bH4)に変えたこと以外は実施例6と同様にして、比較用のW/O/W型エマルション消泡剤(H4)を得た。ずり速度1000/sにおける油相(bH4)の粘度(25℃)は、0.03Pa・sであった。また、この消泡剤(H4)がW/O/W型エマルションになっていることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例5>
W/O型エマルション(2)を、油相(b2)に変更したこと以外、実施例2と同様にして、比較用のO/W型エマルション消泡剤(H5)を得た。比較用の消泡剤(H5)はO/W型エマルションであることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例6>
W/O型エマルション(4)を、油相(b4)に変更したこと以外、実施例4と同様にして、比較用のO/W型エマルション消泡剤(H6)を得た。比較用の消泡剤(H6)はO/W型エマルションであることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例7>
W/O型エマルション(6)を、油相(b6)に変更したこと以外、実施例6と同様にして、比較用のO/W型エマルション消泡剤(H7)を得た。比較用の消泡剤(H7)はO/W型エマルションであることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例8>
W/O型エマルション(8)を、油相(b8)に変更したこと以外、実施例8と同様にして、比較用のO/W型エマルション消泡剤(H8)を得た。比較用の消泡剤(H8)はO/W型エマルションであることを光学顕微鏡で確認した。
<比較例9〜11>
実施例9〜11で作成したW/O型エマルション(9)〜(11)を、順に比較用のW/O型エマルション消泡剤(H9)〜(H11)とした。比較用の消泡剤(H9)〜(H11)はW/O型エマルションであることを光学顕微鏡で確認した。
比較用のW/O/W型エマルション消泡剤(H1)〜(H4)及び比較用のO/W型エマルション消泡剤(H5)〜(H8)のエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)(μm)は、表10に記載した通りであった。
Figure 0005874063
<比較例12>
特許文献1(特開2000−288308号公報)に記載された実施例1と同様にして、比較用の消泡剤(H12)を得た。比較用の消泡剤(H12)のメジアン径(d50、個数基準)は5.4μmであった。
<消泡性の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜12で得た消泡剤(1)〜(13)及び(H1)〜(H12)を用いて、以下のようにして調製したエマルション塗料に対する消泡性を評価し、評価結果を表12に示した。
(1)エマルションベース塗料の調製
以下の原料組成にて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザー(日本精器株式会社製、モデルED)を用いて、グラインディング及びレットダウンして塗料化してから、得られた塗料を、ストマー粘度計(JIS K5600−2−2)で80KU(25℃)になるように水で希釈して、エマルションベース塗料を得た。
Figure 0005874063
注1:サンノプコ(株)製分散剤
注2:サンノプコ(株)製増粘剤
注3:信越化学工業(株)製増粘剤(ヒドロキシエチルセルロース)
注4:サンノプコ(株)製湿潤剤
注5:BASF社製クレー
注6:竹原化学工業(株)製炭酸カルシウム
注7:石原産業(株)製二酸化チタン
注8:BASF社製アクリルエマルション、「ACRONAL」は、ビ−エ−エスエフ アクチエンゲゼルシヤフトの登録商標である。
注9:イーストマンケミカル社製造膜調整剤、「テキサノール」は吉村化学株式会社の登録商標である。
注10:サンノプコ(株)製増粘剤
(2)エマルション塗料の調製
エマルションベース塗料に、評価試料(消泡剤)を、油相部分の添加量が0.15重量%(対エマルションベース塗料)となるように加えて、コーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエマルション塗料(1)〜(25)を得た。また、ブランク用として消泡剤を加えないこと以外、上記と同様にして、エマルション塗料(26)を得た。
(3)破泡・抑泡効果の評価
エマルション塗料(1)〜(26)を攪拌混合して作成した直後から15秒後に(15秒間は静置)、泡を巻き込んだエマルション塗料(1)〜(26)の比重を50mlの比重カップにて測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており破泡・抑泡効果が優れているといえる。
(4)エイジング後(消泡持続性)の評価
エマルション塗料(1)〜(26)をそれぞれ密閉サンプル容器に入れて、50℃の雰囲気下に2週間静置保管した後、改めてコーレス型羽根を装着したエクセルオートホモジナイザーにて、25℃、4000rpm、3分間攪拌混合してエイジング評価用のエマルション塗料を得た後、破泡・抑泡効果の評価と同様にして比重を測定した。比重が大きいほど(数字が大きいほど)巻き込んだ泡が破壊されており、長期間に渡って破泡・抑泡効果が持続しており、消泡持続性が優れているといえる。
Figure 0005874063

本発明の消泡剤を用いたエマルション塗料は、比較用の消泡剤を用いたものに比べて消泡性(破泡・抑泡効果、消泡持続性)に優れていた。すなわち、ずり速度1000/sにおける油相の粘度(25℃、Pa・s)が望ましい範囲である本発明のW/O/W型の消泡剤は、比較用の消泡剤(油相の粘度が望ましい範囲外)に比較して、消泡性が顕著に優れていた。
<W/O/W型エマルション消泡剤の安定性の評価>
実施例及び比較例で得た消泡剤(1)〜(13)、(H1)〜(H4)及び(H12)を、密閉ガラス容器に入れて40℃の雰囲気下に1週間、静置した前後について、スライドガラス上におき、その上にカバーガラスを乗せてプレパラートを作成し、光学顕微鏡(オリンパス株式会社製BX−60、Cytoviva社製HRAナノイメージングアダプター使用、対物レンズ:UPlanAPO 100x/1.35 oil Iris、接眼レンズ:WH10x/22)にて乳化状態を観察し、以下の基準で評価した(乳化状態)。
また、1週間後の密閉ガラス容器の内部を容器の外側から観察し以下の基準で評価した(分離状態)。
これらの評価結果を表13に示した。
<乳化状態>
○:1週間前と変化なし。
×:エマルション状態が破壊されている。
<分離状態>
○:外観は均一である。
×:下層に水が分離している。
Figure 0005874063
本発明の消泡剤は、比較用の消泡剤を用いたものに比べて優れた安定性を示した。
本発明の消泡剤はあらゆる用途に用いることができるが、水性発泡液に対して効果的であり、例えば、紙パルプ製造工業(パルプ化工程、抄紙工程及び塗工工程等)、建築工業(抄造工程等)、染料工業、染色工業、発酵工業、合成樹脂製造工業、合成ゴム製造工業、インキ、塗料工業及び繊維加工工業等の各種工程で発生する気泡に対して適用することができる。これらのうち、塗料用消泡剤、排水処理用消泡剤、紙パルプ製造工業用消泡剤として適しており、さらに水性塗料用消泡剤として好適であり、水性塗料(水性建築外装用塗料、建築内装用塗料、水性インキ及び紙塗工用塗料等)のうち、エマルション塗料用消泡剤として最適である。

Claims (9)

  1. 水相(A)を含有する油相(B)からなる粒子を、水相(C)中に乳化・分散してなり、
    油相(B)が、変性ワックス、金属石鹸、油溶性ポリマー、ヒドロキシカルボン酸及びアミノ酸ゲル化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の油増稠剤(D)及び基油(E)を含んで構成され、
    ずり速度1000/sにおける油相(B)の粘度(25℃)が0.1〜5Pa・sであり、
    さらに水相(C)に親水性微粒子(H)を分散して含有し、親水性微粒子のメジアン径(d50、個数基準)が10〜300nmであり、水相(C)の重量に基づいて、親水性微粒子(H)の含有量が、0.01〜10重量%であることを特徴とするW/O/W型エマルション消泡剤。
  2. 油増稠剤(D)及び基油(E)の重量に基づいて、油増稠剤(D)の含有量が0.1〜30重量%、基油(E)の含有量が70〜99.9重量%である請求項1に記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  3. 水相(A)、油相(B)及び水相(C)の重量に基づいて、油相(B)の含有量が5〜50重量%、水相(A)及び水相()の含有量が50〜95重量%である請求項1又は2に記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  4. 水相(A)を含有する油相(B)からなるエマルション粒子のメジアン径(d50、個数基準)が0.1〜10μmである請求項1〜3のいずれかに記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  5. さらに界面活性剤(F)を含有してなり、界面活性剤(F)の含有量が、水相(A)、油相(B)及び水相(C)の重量に基づいて、0.01〜20重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  6. さらに水相(A)に増粘剤(Ga)を含有してなり、増粘剤(Ga)の含有量が、水相(A)の重量に基づいて、0.01〜5重量%である請求項1〜5のいずれかに記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  7. さらに水相(C)に増粘剤(Gc)を含有してなり、増粘剤(Gc)の含有量が、水相(C)の重量に基づいて、0.01〜5重量%である請求項1〜6のいずれかに記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  8. さらに油相(B)に疎水性シリカ(J1)、脂肪酸アミド(J2)及び合成樹脂微粒子(J3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の核剤(J)を分散して含有し、油増稠剤(D)及び基油(E)の重量に基づいて、核剤(J)の含有量が、0.01〜20重量%である請求項1〜7のいずれかに記載のW/O/W型エマルション消泡剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載されたW/O/W型エマルション消泡剤を製造する方法であって、
    油相(B)に、水相(A)を乳化・分散し、W/Oエマルション(AB1)を得る乳化・分散工程(i)と、
    W/Oエマルション(AB1)と水相(C)とを乳化・分散してW/O/W型エマルション消泡剤を得る乳化・分散工程(ii)を含むことを特徴とする製造方法。
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